• 検索結果がありません。

4-1.キャンパス整備指針策定の経緯

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "4-1.キャンパス整備指針策定の経緯"

Copied!
14
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

 筆者は、西早稲田キャンパス整備指針を始めとする早稲田大学のキャンパス整備指針の策定

注1)  に参画してきた。その筆者自身が、西早稲田キャンパス整備指針の策定された経緯や特徴等 を総括することは、論説として有意義であると考えられる。

4-1. キャンパス整備指針策定の経緯

4-1-1. キャンパス整備指針の必要性

 キャンパスはしばしば都市空間に例えられるが、現実の都市空間と同様に、その更新にあ たっては景観に対する影響など、多くの都市デザイン的な課題が内包されている。一方、キャ ンパスは不特定多数の主体によって建設される現実の都市空間ほどは主体間の調整が複雑でな いため、より理想的な景観整備の指針について考える機会を与えてくれると考えられる。

 近年、施設の老朽化への対応や施設機能の充足と研究・教育環境の改善などの理由により、

早稲田大学を始め、都心に立地する多くの大学で校舎の建替えを伴う再開発が計画・実施され ている。

 こうした背景の下、総体としてのキャンパス空間がその固有性と空間全体の統一性を保持す ると共に、機能を更新しながらも歴史的・伝統的空間を継承していき、ひいてはキャンパスと その周辺地域との調和を保つためには、キャンパスの将来像を示すキャンパス整備指針が必要 とされる。

4-1-2. 指針作成委員会及びワーキング・グループの設置

 既成のキャンパス内だけでなく、その周辺地域も良好な環境として形成していくために必要 な中長期的キャンパス整備指針を作成することを目的として、1996年に「キャンパス整備のた めの指針作成委員会」(以下、指針作成委員会)が設置された。

 指針作成委員会は、常任理事(副総長格)を委員長とし、担当理事指名による建築学科教員 及び総合企画部施設課職員を含めた 8 人により構成される。また、指針作成委員会内には、同 会での審議のための調査や原案の作成などを行うワーキング・グループが設けられている。

4-1-3. 西早稲田キャンパス整備指針の策定

 指針作成委員会は、1997 年に西早稲田キャンパス整備指針の第 1 版をまとめた。この指針は 固定的なものではなく、適宜改訂されることを前提としており、1999年には追加調査などを踏 まえた第 3 版が出された。

(2)

 また、1998年には教職員・学生にキャンパス空間の文脈や構成原理を広く伝えるために西早 稲田キャンパス整備指針の骨子をまとめた「キャンパス形成のシナリオ」という15分弱のVTR も作成された。

(3)

4-2. 西早稲田キャンパス整備指針の構成

注2) 注3)

 西早稲田キャンパス整備指針では、キャンパスの歴史と佐藤功一   が唱えた都市美論   の 2つの側面より、キャンパスが受け継いできた空間構成原理を導くと共に、キャンパス空間の現 状調査・分析を行った。さらに、以上の結果を基に、キャンパス計画の原則を掲げ、キャンパ スの将来像を提示している。

 西早稲田キャンパス整備指針の構成を表 4-1 に示す。

4-2-1. 空間構成原理

 総体としてのキャンパス空間では、個々の建築単体がキャンパスの空間構成原理に従って保 存あるいは建設される必要がある。

 キャンパスの歴史と都市美論より導いた西早稲田キャンパスの空間構成原理は、表 4-2 に示 す 3 つの原理によって説明できる。

表4-1 西早稲田キャンパス整備指針の構成

1章

2章

3章

4章

5章

目的

キャンパス空間の現状と課題

キャンパス空間構成原理/構内環境/外部空間/建築/人のアクティビティ/サーキュ レーションおよび安全と非難/各施設の更新/キャンパス周辺/キャンパスイメージ キャンパス整備のための指針

基本構成/構内環境/外部空間/建築/人のアクティビティ/サーキュレーションおよび 安全と非難/各施設の更新/キャンパス周辺/その他

キャンパス整備のためのケーススタディ

周辺地域の変化とキャンパス計画/7号館跡地の「広場化」について/日影検討/「広場 化」のシミュレーション/新7号館のヴォリューム検討について/新7号館のヴァリエー ション

キャンパス空間の歴史

校友にとっての原風景/空間の変遷/佐藤功一の都市美論とキャンパス景観

6章 指針の推進について

組織、体制/更新、見直し/実施にあたっての進め方

7章 その他

海外のキャンパス

表4-2 西早稲田キャンパスの空間構成原理

1 2 3

点的要素を結びつける直交した軸路による統一感のある空間

変化と統一を立体的に合わせ持った印象的で美しい景観

キャンパスの象徴となる中心性を持つもの、または変化の美を与えるものの存在

(4)

4-2-2. キャンパス空間の現状調査・分析

 西早稲田キャンパス整備指針では、キャンパス空間を歴史・生活・環境の3つの側面から捉え ることとし、11項目にわたる詳細な現状調査・分析を行った。

 調査・分析の概要を表4-3に示す。

4-2-3. キャンパス計画の原則

 西早稲田キャンパス計画は、以下に記す 6 つの原則を掲げている。

4-2-3-1. 空間性の保存

 西早稲田キャンパス整備指針では、「早稲田らしい環境」を作り出している最も重要な空間性 を 5 つ取り上げ(表 4-4)、その保存を定めている。

 「早稲田らしさ」と言った時に、一般的にはその一つの象徴として校歌にも謳われた「甍」が

分類 項目 調査内容 分析結果

空間の変遷史 キャンパスの配置とその変遷を調査 西早稲田キャンパスの変遷を建物の配置および形態から6つの段階に時代区分 し、各時代の特徴を抽出

校友にとって の原風景

創立以来のキャンパス風景の変遷とその 写真の収集

各時代の特徴的なキャンパス風景の収集

佐藤功一の都 市美論

佐藤功一の論文から都市美論に関する記 述を抽出、分類

佐藤功一の都市美論の概念が都市における美の重要性と「立體的考察」を前提 とした「變化」の美と「統一」の美により構成されることを体系的に整理 歴史

アクティビ ティ

キャンパス屋外空間における学生の活動 の種類と場所を1時間毎に記録

学生が多く集まる場所の抽出、南北軸(北門モール、演劇博物館モール)と東 西軸(大隈講堂モール、西門モール)による特性の差異を検証

サーキュレー ション

キャンパス屋外空間における学生の一日 の移動経路を調査、集計

通行量はモールの幅員ではなく、各建物の用途に影響されることと北門モール の重要性を検証

イメージ 18形容詞対を用いたSD法とイメージ マップによるキャンパスイメージの調査

西早稲田キャンパスは「活動性」「美感性」「利便性」「密集性」により表現 されること、点的要素としての大隈講堂と大隈銅像の重要性、線的要素として の大隈講堂モールと北門モールの重要性を検証

生活

構内環境 構内環境を構成する要素について現況調

構内環境を構成する要素(通風、日照、植栽、照明、サイン、ストリートファ ニチャー、舗装、オブジェ・モニュメント)について現況を詳細に把握 外部空間 モール毎に各校舎とドライエリア、植栽

との関係を断面図により表現

各モールの空間構成から校舎設計の際に配慮すべき空間的特徴を把握

建築 西早稲田キャンパスの全建物について

「概要」「歴史」「意匠」を調査

西早稲田キャンパスの全建物のデータベース化

インフラスト ラクチャー

道路、ライフライン、避難経路、建物出 入口を調査

インフラストラクチャーの現況を総合的に把握するとともに今後の課題を提示

バリアフリー 屋外空間のバリアの収集と各校舎のスロープ、出入口、階段、廊下、手すり、

エレベータの整備状況をデータベース化 車椅子を用いてキャンパス内のバリアお

よびバリアフリー状況を調査 環境

表4-3 調査・分析の概要

(5)

イメージされることが多く、近年建設(指針策定以前)された総合学術情報センターや 14 号館 にも傾斜屋根が採用された。しかし、この指針においては、そうした表層的な形態要素の保存 については強調していない。また、物質的なものだけでなく、「『早稲田の杜』というイメージ」

など非物質的な側面についても保存すべき対象としている。

4-2-3-2. ゾーニング

 西早稲田キャンパス整備指針では、キャンパスを 3 つのゾーンに大別し、それぞれの今後の 空間としての役割を定めている。

 具体的には、大隈講堂、旧図書館(2 号館)、演劇博物館などのランドマークからなる大学の 歴史的景観を継承していくゾーンを「歴史継承ゾーン」とし、可能な限り建築を保存すること としている。また、「歴史継承ゾーン」とは対極に位置づけられるものとして、将来的な変化に 対応しながら積極的に施設機能を充実させていくゾーンを「高機能化ゾーン」として定めてい る。さらに、「歴史継承ゾーン」と「高機能化ゾーン」の間を、両者を取り結ぶ役割を果たす「新 旧媒介ゾーン」としている。

 一方、キャンパスとその周辺地域には、「商店街を活性化していくゾーン」「2 つの商店街を つなぐルート」「早稲田通りへの通り抜けを想定して計画するゾーン」「大隈講堂前広場を整備 していくゾーン」を設定し、それぞれ特色のある空間形成を目指していくなど、これまで大学と 密接な関係を保ちながら変化を迫られてきた周辺地域までを対象としたキャンパス将来像を提 示している(図 4-1)。

4-2-3-3.ネットワーク

 キャンパスの空間を構成する最も重要な直交軸を、それぞれ「歴史継承ネットワーク」「高 機能化ネットワーク」とし、その役割を定めている(図4-2)。

 「歴史継承ネットワーク」は、歴史的景観や大学の伝統を継承し、早稲田の象徴的な雰囲気 を残すものとしている。一方、「高機能化ネットワーク」は、新しいインフラストラクチャー

表4-4 「早稲田らしい環境」を作り出す5つの空間性

1 2 3 4 5

点的要素を結びつける直交軸路とその先のアイ・ストップ

キャンパスの内外が連続している、門のない大学という心意気 随所に散りばめられた、歴史を物語るオブジェやモニュメント

「早稲田の杜」というイメージ

各棟が通り抜けられ、キャンパス全体の地上動線が連続している構造

(6)

の整備に活用し、キャンパスの機能を更新させるものとしている。

4-2-3-4. 軸路

 西早稲田キャンパス整備指針では、キャンパス空間を構成する最も重要な 4 つの軸路(モー ル)である「大隈講堂モール」「演劇博物館モール」「北門モール」「西門モール」について、そ れぞれの整備課題と方針を定めている(図 4-2)。

 特に、大隈講堂と演劇博物館をアイストップとする「大隈講堂モール」「演劇博物館モール」

については、軸路の沿道の景観を継承することとしている。

 一方、高機能化ネットワークを形成する「北門モール」の沿道は、キャンパス機能更新に対 応した建替えを可能としている。また、モールの両端が商店街に連続する「西門モール」は、学 生のキャンパス・ライフの賑わいを創出する位置付けが与えられている。

 さらに、アイストップが未整備の軸路については、順次整備していくこととしている。

図 4-1 西早稲田キャンパスと周辺地域におけるゾーニング

商店街を活性化していくゾ

(7)

4-2-3-5. 建築の保存レベルの設定

 構内の建築物の保存について、大きく 3 段階(A、B、C グレード)に分け、それぞれに応じ た保存を定めている(図 4-2、図 4-3)。

 A グレードは、内観、外観、機能とも可能なかぎり完全な形で保存するとしており、大隈講 堂、2 号館(旧図書館)、演劇博物館などが対象である。B グレードは、「大隈講堂モール」な どの景観を継承するため、少なくとも外観を保存するとしており、1 号館、3 号館などが対象で ある。C グレードは、ファサードやモニュメントなどの建物の断片的な保存、軒高を揃えるな どのスケール感の保存あるいは、通り抜けや中庭を持つといった空間性の保存を行うとしてお り、6 号館、7 号館、B 棟(仮称)などが対象である。

 「歴史継承ゾーン」の建物は 4 号館を除き、A、B グレードであるが、「高機能化ゾーン」の建 物はまだ保存レベルが設定されていない。その一方で、両ゾーンを取り結ぶ「新旧媒介ゾーン」

の建物は C グレードとなっている。

図 4-2 西早稲田キャンパスにおける軸路・ネットワークと建築の保存レベル

(8)

 「歴史継承ゾーン」以外に位置する建物については、別途、建設委員会に指針策定委員会から 提言がされる。

4-2-3-6. スカイライン

 現在の西早稲田キャンパスの地形は大隈講堂を基準として西方へ向かって高くなっている。

保存レベル

建物名称 大隈講堂 2号館(旧図書館) 演劇博物館 1号館 3号館

写真

竣工年 1927(昭和2)年 1925(大正14)年 1928(昭和3)年 1935(昭和10)年 1933(昭和8)年 設計者 佐藤功一、佐藤武夫 今井兼次、内藤多仲 桐山均一、今井兼次、

江口義雄

桐山均一 桐山均一

構造 鉄骨鉄筋コンクリート造 鉄筋コンクリート造 鉄筋コンクリート造

特徴

Aグレード Bグレード

ゴシック様式のモチーフを 用いながらロマネスク様式 の要素も組入れた構成と なっており、その外観は大 隈庭園とも調和している。

また、ゴシック様式の塔を 角に配置し、大隈講堂モー ルの軸線に対して斜に構え ることで大隈庭園への動的 連続性を創出している。

建築の構造主体である鉄筋 コンクリートの特徴を外観 のデザインに活用するとと もに質実、豪放、端正な態 度を示すため、外観には繊 細なるディティールを用い ていない。

文学科生みの親である坪内 逍遥を記念するために英国 エリザベス朝のフォーチュ ン座にならい、英国風ゴ シック建築の形式を取り入 れて建てられた。建築自ら が既に演劇博物館の一大資 料でもある。

建物の正面入口に用いられ ている2本の御影石円柱 は、高等予科があった時代 の正門を加工して使用して おり、数少ない明治時代の 遺産が姿を変えて生き残っ ている。完成当時、学苑最 大の床面積を持つ建築とし て大隈講堂に対峙し、学苑 の顔にふさわしい建物で あった。

この建物には西早稲田キャ ンパス唯一の大谷石をめぐ らせた円形の噴水が存在し た。この大谷石は、政治経 済学部、法学部、専門部、

高等師範部の土台石となっ ていたもので、この噴水に より、これら4校舎の改築 記念となったのである。噴 水は現在では植込になって いる。

鉄筋コンクリート造(一部 鉄骨造)

鉄筋コンクリート造(一部 鉄骨鉄筋コンクリート造)

図 4-3 歴史継承ゾーンの主な建物

図 4-4 大隈講堂モールの階段状の立面構成

10号館(将来) C棟(将来) 7号館 3号館 1号館 大隈講堂

階段状の立面構成

高機能化ゾーン 新旧媒介ゾーン 歴史継承ゾーン

(9)

これに合わせて、西早稲田キャンパス整備指針では「歴史継承ゾーン」「新旧媒介ゾーン」「高 機能化ゾーン」と大隈講堂から西方へ向かうにつれ、次第に建物の高さが高くなるように定め ている。特に、地形の最大傾斜方向に沿う「大隈講堂モール」に面する建物については、階段 状の立面構成を行うことで連続するスカイラインから建物が突出することのないように定めて いる(図 4-4)。

(10)

4-3. 西早稲田キャンパス整備指針の特徴

 以上より、西早稲田キャンパス整備指針は、以下の特徴的な点が認められる   。注4)

1)ゾーニング

 保存すべき区域と積極的に高機能化を図る区域とに区分するためにゾーニングが取り入れら れ、さらに両者の中間領域も位置付けている   。注5)

2)ネットワーク

 キャンパスの骨格であるネットワーク自体に積極的に性格付けをすると共に、インフラスト ラクチャーの整備など、機能の更新を図るものとして捉えている   。注6)

3)ランドマーク

 既存の歴史的・伝統的建築物のみならず、今後の新築校舎の建設も踏まえたスカイラインの 構成や保存レベルの設定など、総合的なキャンパス計画の指針を示している。すなわち、時代 の流れに合わせて積極的に教育研究施設の充実や情報通信基盤の整備等の新しい機能の導入を 視野に入れたランドマークの継承を定めている   。注7)

4) エッジ

 「門のない大学」を目標としている。現在、西早稲田キャンパスの正門には門柱がなく、地 域に開かれた大学の象徴とされている。「門のない大学」はこの意志を継承することを指針に 定めたものである   。注8)

5) オフ・キャンパス

 最近、大学施設が周辺地域を含めた広範囲に多数立地していることが特徴として挙げられる 状況にも関わらず(図5-4)、学外施設の計画に関する指針は定められていない   。注9)

(11)

4-4. 小結

 本章では、筆者が策定に参画してきた西早稲田キャンパス整備指針を事例として取り上げ、

策定の経緯を整理すると共に、「ゾーニング」「ネットワーク」「ランドマーク」「エッジ」「オフ・

キャンパス」の 5 つの側面における特徴を把握した。

 その結果、「ゾーニング」「ネットワーク」「ランドマーク」「エッジ」においては、以下のよ うに、限られた土地の中での施設整備を目指す都市に立地する大学ならではの特徴が見られた。

1)保存すべき区域と高機能化を図る区域とに区分するためにゾーニングを取り入れている。

2)インフラストラクチャーの整備など、機能の更新を図るものとしてネットワークを捉えてい る。

3)新しい機能の導入を視野に入れたランドマークの継承を定めている。

4)地域に開かれた「門のない大学」を目標としている。

 一方で、「オフ・キャンパス」においては、既成のキャンパス内だけでなく、その周辺地域も 良好な環境として形成していくために必要な中長期的キャンパス整備指針を作成することを目 的としており、大学施設が周辺地域を含めた広範囲に多数立地している現状にも関わらず、学外 施設の計画に関する指針は定められていないことを明らかにし、その必要性を指摘した。

(12)

注記

注 1)参考文献 2)3)4)

注 2)早稲田大学建築学科初代主任教授。日本近代において、いち早く「都市美観」の問題に注目した建 築家として知られており、西早稲田キャンパス発展過程の初動期において指導的立場にあった。

注 3)佐藤功一の都市美論については、参考文献 8)において報告されているため、ここでは深く言及し ない。

注 4)キャンパス計画の原則が具体的かつ体系的にまとめられており、何らかの形で明記されている米国 におけるペンシルベニア大学の 6 原則(注表 4-1)、カリフォルニア大学バークレー校の 15 原則(注表 4- 2)、コーネル大学の 8 原則(注表 4-3)を海外事例として取り上げ、西早稲田キャンパス整備指針におけ る6原則と比較することにより、西早稲田キャンパス整備指針の特徴を導き出した。

注 5)海外事例では、各区域に個性と完結性を持たせるためにゾーニングを取り入れている。

注6)海外事例では、景観の継承及びオープンスペースやゾーンの組織化を図るものとしてネットワークを 捉えている。

注7)海外事例では、ランドマーク自体の保存・向上及び、その個性や特質等の新しい機能への適用などに ついて主に述べている。

注 8)海外事例では、 キャンパスの統一性を創出したり、キャンパスを強く認識させるためにキャンパス の入口である門の重要性を強調している。

注 9)海外事例では、学外施設等を通じた地域との連携を強調している。

参考文献

1)三宅諭、後藤春彦、古谷誠章、田中智之、李彰浩:早稲田大学西早稲田キャンパス整備指針の特徴、日 本建築学会技術報告集 第 10 号、p.209-214、2000.06

2)早稲田大学建築学科古谷研究室・後藤研究室:早稲田大学西早稲田キャンパス整備指針、早稲田大学 総合企画部施設課、1997.07

3)早稲田大学建築学科古谷研究室・後藤研究室:早稲田大学大久保キャンパス整備指針、早稲田大学総 合企画部施設課、2002.03

4)早稲田大学建築学科古谷研究室・後藤研究室:早稲田大学戸山キャンパス整備指針、早稲田大学総合 企画部施設課、2003.03

5)OlinPartnership:CampusDevelopmentPlan2001,Almanac,No.24,2001.02

6)CampusPlanningStudyGroup,RichardBender,director...[etal.];casestudies,Meredith Clausen...[etal.]:UrbandesignstudiesfortheBerkeleycampus,UniversityofCalifornia,Berke-

(13)

注表 4-1 ペンシルベニア大学の 6 原則

注表 4-2 カリフォルニア大学バークレー校の 15 原則 ley,1978

7)CornellCampusPlanningOffice,LewisRoscoe,Director:CampusLandscapeDesignNote- book,CornellUniversity,1992

8)赤尾光司・後藤春彦・三宅諭・米山勇:早稲田大学西早稲田キャンパスの景観形成過程に関する研究

〜佐藤功一の都市美論と営繕組織の活動を通して〜、日本建築学会計画系論文報告集、第519号、pp.187

〜 194、1999.05

4

5

6

主要再開発に投資することにより、建築物やランドマークの再生と再利用を進める。

住居用インフラストラクチャーを持続的に向上させると共に、商業活動への機会を促進することにより、ユニバーシティ・シティにおける住居群を 向上させる。

1

2

3

各キャンパス間及び、WalnutStreet、33thStreet、SpruceStreet、38thStreetによって境界付けられる歴史的歩行コア(HistoricPedestrian Core)への連続性を強化する。そのために、LocustWalk、WoodlandWalk、36thStreetという主な軸路(モール)を拡張・向上させると共に、

各キャンパスには中心となるオープンスペースを与える。

キャンパス生活と学問の中心として歴史的歩行コアを向上させる。そのために、学術研究用インフラストラクチャーを向上させると共に、空地利用 と再利用の際には、歴史的歩行コアの特質に基づく。また、キャンパスの西・東側に住居施設を整備し、歴史的歩行コアを活性化させる。

歴史的歩行コアの個性や特質、快適さ等を新しい整備にも適用すると共に、適したデザインを持たせ、キャンパスの入口を向上させることにより、

全キャンパスの一貫性を創出する。

鐘楼を頂部に持ち、木々が茂る丘を背景に建つ明るい色のファサードの建築物という景観を視覚的に保存する。

1 2

3

4 5 6 7 8 9 10 11 12 13

14

15

地形は強調されるべき基盤であり、失われてはならない。

HearstAvenue、GayleyRoad、BancroftWay、OxfordStreetによって境界付けられるセントラル・キャンパスは、「キャンパス」として認識 されるべきである。また、「オフ・キャンパス」の大学施設は、サテライトとして明確に認識されるべきである。

セントラル・キャンパスは、キャンパス周辺のみからアクセスできる一般駐車場を持つ歩行者区域とする。

セントラル・キャンパスの境界を視覚的に定めると共に、入口も明確に特徴付けるべきである。

記念建築物の中心とその軸線、ヴィスタ、そして空間を保存する。

キャンパスの中心であるDoe図書館は現状のまま保存する。

グリーンベルトをできる限り自然な状態で保存する。

全ての大学施設は、図書館から5分以内に位置するようにする。

大学施設を統制により集中させることで、その区域に個性と完結性を持たせる。

寮は基本的にキャンパス周辺とする。

主要な大学施設は、キャンパスの西側に配置する。

建築面積は、全敷地面積の25%以内とする。

建築上の厳正な規制は、セントラル・コア及びグリーンベルト・エリア以外では軽減されるべきである。サテライト・エリアでは、キャンパスの環 境より都市との調和を考慮しなければならない。

Maybeckは、次のように言っている。「土地と建物を一緒に扱うことは、この事業に対する責任を持つ者の欲望である。

(14)

注表 4-3 コーネル大学の 8 原則

1

2 3 4 5 6 7 8

キャンパスをオープンスペースによって関連づけられた建築群の集合体として捉え、オープンスペースを通路で連結し、統一されたネットワークを 形成する。

特徴のあるヴィスタを保存し、折を見て新しい景観の創造に活用する。

キャンパスの主要ランドマークへのビューを保存する。

キャンパスに至るまでのシークエンスと入口を向上させる。

キャンパスを挟む峡谷の連続性や高潔性を自然な状態で育成する。また、キャンパスの地形的特徴を保存する。

土地固有の植物を保存する。新しい植裁は全てランドマークプランに基づいて植えられる。

建築物のデザインと立地はキャンパスの生命、構造、同一性に貢献すべきである。

キャンパス内の重要なサイトラインと軸路を保存する。

参照

関連したドキュメント

定義 3.2 [Euler の関数の定義 2] Those quantities that depend on others in this way, namely, those that undergo a change when others change, are called functions of these

レインフォレスト 場所: 熱帯雨林ゾーン 最大収容人数: 20名. 催行時間: 13:30

歴史的経緯により(マグナカルタ時代(13世紀)に、騎馬兵隊が一般的になった

同一事業者が都内に設置している事業所等(前年度の原油換算エネルギー使用量が 30kl 以上

この P 1 P 2 を抵抗板の動きにより測定し、その動きをマグネットを通して指針の動きにし、流

○ 我が国でも、政府の「SDGs 推進本部」が 2016 年に「SDGs 実施指針」を決定し、1. 同指針を

また、特 特定 定切 切盛 盛土 土を を行 行う う場 場合 合に には は、 、一 一般 般承 承継

高齢者 に優 しい交通環境 を整備す るため、バ リアフ リー対応型信号機 の整備、道 路標識 ・標示 の高輝度化等の整備