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日本語アクセントに関する3つの問題―音調意識、

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(1)

日本語アクセントに関する3つの問題―音調意識、

アクセント規則の有効性、類別語彙―

著者 中井 幸比古

雑誌名 神戸外大論叢

巻 65

号 1

ページ 3‑30

発行年 2015‑03‑01

URL http://id.nii.ac.jp/1085/00001703/

Creative Commons : 表示 ‑ 非営利 ‑ 改変禁止 http://creativecommons.org/licenses/by‑nc‑nd/3.0/deed.ja

(2)

神戸外大論叢 (神戸市外国語大学研究会) 3

日本語アク セ ン ト に関す る 3 つの問題

一音調意識、 ア ク セ ン ト 規則の有効性、 類別語彙一

中井幸比古

は じ めに

日本語 ア ク セ ン ト

(

以下 「ア」

)

の、 ①音調意識

(

高低の把握

)

、 ② ア規則

(

形態音素論的規則

)

の有効性、 ③類別語彙各語の頻度 ・ 馴染み度の、

3

点に つい て論 じ る。 紙幅の関係 で、 ①は中央式諸 ア記号付 き方言辞典 を、 ②は共通 語ア

(

首都圈で優勢なア

)

を、 ③は類別語彙各語の現代共通語での頻度 ・ 馴染 み度 を扱 う。 こ の

3

点は、 日本人

(

日本語母語話者

)

が自分の方言以外のア を、

外国人

(

外国語母語話者

)

が共通語ア を習得す る際に重要。 ①は方言ア資料と し ての利用の際に も重要で、 ③は ア調査語彙改訂の基礎作業の一部で も あ る。

要旨は稿末に置 く 。

1 .

中央式諸方言の方言辞典にみる音調意識

1 .1

ア ク セ ン ト 記号付 き方言辞典の一覧

音調意識については日本人 ・ 外国人 と も に共通語アの研究は数多いが、 方言 アに関す る ものは少 ない。 そ こ で中央式諸 ア につ き 、 ア記号付き 方言辞典 を考 察す る。 方言辞典のアは著者の内省によ る場合が多い が、 正 しい記号が付い て い る と は限ら ないか ら、 利用のためにその音調意識の解明が必要な場合がある。

また、 種々の誤 り は、 中央式ア以外が母方言の日本人や外国人が中央式ア習得 途上で起こ す誤 り ・ 中間方言

(

言語

)

と 関係す る可能性が高い。 共通語アでネ イ テ ィ ブ の音調意識の難易 と 余所者の知覚難易 に相関が見 ら れ るか ら で あ る

(

語中核型相互、 特に第

3

拍以降の核相互がと も に難な ど

)

対象 と な る方言辞典につ き 、 筆者 が関係 し た も の を除き 、 管見に入 っ た も の を ア記号の精度 ・ タ イ プ別 に あげ る。

(a)

すべての型 が書き 分け ら れてお り 、 かつ その音調把握が正 しい もの。

al

牧村史陽

1955

『大阪方言事典』 杉本書店。 高低

2

段階。 拍内下降 も明記。

a2

冨田大同

1969

1970

1971

1971

1972

「兵庫県小野市方言稿」

(1) ~ (6)

『明石工業高等専門学校研究紀要』

7

8

10

11

12

。 和田實の方式に よ る式 ・ 核表記。 高低

2

段階の音調型 と の対応関係 も明示。

a3

土居重俊 ・ 浜田数義

1985

『高知県方言辞典』 高知市文化振興事業団

(

但 し幡多アは東京式で本稿の対象外

)

。 高低

2

段階。 語末核は 「ア下型」 と 表記。

(3)

a4

興津意作

1990

『淡路方言 特徴 ・ 語法 ・ ア ・ 語彙』 淡路文化会館運営協 議会。 高低

2

段階。 語末核 も表記。 ア体系枠は京阪都市部 と 同 じ。 以下 「興」。

(b)

自立語単独発音の場合の全部の型が書き 分け ら れ、 かつ音調把握が正 し い が、 助詞付き では じ めて わか る型の区別は書き 分け られない も の。

b l

高田豊輝

1985

『徳島の方言』、 同

2012

『徳島の方言補遺及び徳島市南部 と

周辺の地名』

(

著者刊

)

。 形式上

3

段階だが実質的には高低

2

段階。

(c)

あ る程度は正 しい記号が付け ら れてい る が、 型 の書き 分け不十分、 音調 把握が一部不正確等の部分があ るか、 一部の型のみに記号 を付す も の。

cl

田中萬兵衞

1934

『淡路方言研究』

(

福浦藻文堂書店。 以下 「田」。

1974

年 国書刊行会影印本は後述のよ う にア記号に関す る欠陥があ る

)

c2

小林清次

1974

『大阪府能勢方言辞典』 能勢郷土文化の会

(1974/9/15

発行

再版に よ る

)

c3

楠本静哉

1996

『口熊野の方言』 著者刊

(

和歌山県西牟婁郡上富田町方言

)

c4

中西信弥

1999

『西陣織屋こ と ば辞典』 著者刊

(

京都府船井郡園部町方言 ・

京都市方言

[

著者経歴同書参照

] )

(d)

記号と 音調 ・ 音調型 と の対応関係が筆者には不明のもの。

di

金沢治

1972

『阿波言葉の辞典

(

改訂版

)

』 徳島市中央公民館

以上の う ち

(a) (b)

は優れた資料で あ る。

(b)

に付属語付き 音調がないの を欠 点 と す る人 も あ ろ う が、

(a)

も用言の活用に伴 う ア交替は示 さ ない わけで、

(b)

も一つの立場 と し て問題 ない。

(c)

は部分的に ア資料 と し て利用可能で あ り 、 本稿ではこ れに重点 を置 く 。 上記のよ う にア習得関連資料と し て興味深 く 、 利 用のために記号の原則 を探る こ と も必要。

(d)

は問題が多い が一応触れる。

順序 が上 と 異な る が、

di

c2

c3

c4

cl

の順 に考察す る。

di

金沢

(1972)

は凡例に 「アは主要な ものについ て強だけ を

0 [

白丸圈点。

辞典本体では仮名の横に付け ら れてい る 一 中井注

]

を以 つて示 し た」 と あ る。

共通語 ア な ら 「強

=

ア核」 で音調型 を表記 し分け られ る。 ア核があ る拍は、 例 えばア核の次の拍 よ り 若干強 く 、 強弱に よ る ア表記 も全 く 的外れではない。 英 語アの記述方法の日本語への機械的当て嵌めにす ぎない にせよ、 核位置 を正 し く 指摘 し さ えすれば実用上問題 ない。 しか し、 共通語 と 異な り 、 中央式 アは核 だけ では一部の型 し か区別 で き ない。 ま た本書の各語のア を見 る と 、 非常に近 い方言 を扱 う

b l

高田

(1985

)

と の対応関係が不明で、 型の区別全般に問題 があ り そ う。 と も あれ英語 ・ 共通語 ア と 類似の枠での記述の試み と し て評価で き よ う。

c2

小林

(1974)

は一部項目のみに ア記号 を付け る。 「アは、 絶対必要な も の

だけ に し た」

(p 9)

、 「こ の辞典のアは、 全部にはつけ てい ない が、 それ をつけ

(4)

日本語 ア ク セ ン ト に関する3 つの問題

ない と 方言に な ら ない も のには悉 く つけ た」

(p.132)

と す る が、 その基準 を示 さ ない。 そ こ で近い地域の方言 を扱 う

al

牧村

(1955)

と 対照す る と 、 ア記号 付き項目は、

al

HI (

高起平進式第

1

拍に核

)

L2 (

低起上昇式第

2

拍に核

)

LO (0

は無核

)

の語にほぼ限定。 そ し て

HI

は第

1

拍、

L2

は第

2

拍、

LO

は最 終拍の横 に、 ピ リ オ ド を付す。 但 し

2

LO

L2

は原則的 に区別 な し。 ま た

HI

L2

LO

の全項日に記号が付い てい る わけ ではな く 、 記号の有無は共通語 ア と の対応 と も 関係が薄い よ う で、 例えばオー カ メ

(

) HI

は共通語 アのオー カ ミ

1

に近い音調だが記号付き。 と も あれこ の辞典で ア記号付き の場合は資料 と し て利用可。 ま た

HI

L2

LO

を当該方言の特徴的 なア型 と 考えてい る こ と がわか る。 共通語 アで、 特に

3

拍目以降に核 があ る語中核型相互の型の知覚や 区別意識 が鈍い人 があ る が、 本資料の ア付け も こ れ と 矛盾 し ない。 但 し

L

式 は核位置 を意識 しやすい

(c4)

はずで それ と は一致 し ない。 無核は

He

よ り

LO

を特徴的 と 考え る点 も興味深い。 なお こ の方言では

H2

の語は僅少か。

c3

楠本

(1996)

は高低

2

段で全項目に記号 を付け る。 こ のアは高知市等 と 同 様古い中央式の特徴 を有す る

:

例えば

L

式は早上が り 、 用言 ・ 複合名詞ア等 中近世風。 し か し本書自身、 ア記号は 「腰だ めの域 を出 ない」

(p 23)

と 言 う よ う に、 下降位置が他方言 と 対応 し ない項日がかな り あ る こ と 等が問題。 ご く 一部 を挙げれば、 「あぶ ら しぼ ら れた

[

高低低高高高高低。

HI

H3

が正

? ]

、 泣い て も わろ て も

[

高高低低高高低低。

HI

H2

が正

? ]

、 び っ く り す る

[

高高 高高低低。

He

He

が正

? ]

、 む さ んこ に

(

無闇に

) [

高高高高低。

He

が正

? ]

」 等。 ア体系の枠の意識がない ためか。 こ の辞典だけか ら各語の音調型 を決定す

るのは危険が大 き い。

c4

中西

(1999)

は、 高中低の

3

段階表記で全項目に記号を付す。 ①

L

式有核

HI

は、 核の あ る拍 が高、 それ以外の拍 が中。 ②

HI

以外の

H

式有核

(H2

H3

H4_)

は核ま で が中、 核 よ り 後が低。 ③

He

はすへて中。 ④

LO

は低 と 中で 示 さ れ る。 低か ら中への上昇位置は原則早上が り だが、 主に前部

2

拍の複合語 は第

3

拍から高。 ⑤

2

L2

LO

[

中高

]

[

低中

]

で区別あ り。

LO

の早上 が り は旧船井郡園部町 アのた め。 ただ以上の原則 には若干例外や不統一等があ る。 そのため

c

と し たが

a

に属 さ せ て も よ い。 音調表記 で興味深い のは

3

段階 の高 を

HI

L

式有核だけ にあて てい る こ と で あ る。

1

拍卓立は日立つのだ ろ う。 なお個々の語のアは比較的新 しい

:

例えば 「式保存の例外古→式保存新」

のタ テへ

(

整経

) He

LO (

タ テ

LO [

縦糸

]

をベル

He [

整え る

])

LO

等。

残 るは

cl

田中

(1934)

だ が、 こ れについ ては詳細に検討す る ため節 を改め

る 。

(5)

1.2

田中萬兵衛 『淡路方言研究』 の音調表記

cl

田中

(1934) (

「田」

)

の 「下篇語彙篇」 は見出 しにア記号を付け る。 「田」

は全国的に も ア記号付き方言辞典の初期のもので、 中央式アでは最初か。 しか し そのア記号の意味や精度 も不明確で、 利用 も少 なかっ た。 そ こ で こ れ を詳 し く 検討 し、 資料価値 と 音調意識 を探る。

著者の田中及びその方言研究につき、 和田実

(1950)

「淡路の田中万兵工翁」

『近畿方言』

6 pp 9 - 11

に詳 しい 紹介 が あ る。 それに よ る と 田中は淡 路島松帆 出身で当時

69

歳 と い う から

1880

年前後生。 松帆は現淡路市岩屋松帆

(

淡路島北 端

)

と 南 あわ じ市松帆

(

旧三原郡西淡町。 淡路島西南部

)

があるが、 「本書に 附 し た アは三原郡のそれで あ る」 と あ る こ と 等か ら後者 と 見て よい。 田中は戦 後方言研究から遠 ざかっ てい たが、 和田の熱心な勧誘の結果 『近畿方言』

7 (1 950)pp.16 - 17

に戦前原稿作成の 「米櫃」 「蚯蚓」 の方言地図 を掲載。 但 し その 他の活動再開は未詳。 和田紹介文にはアへの言及はない。

1.2.1

考察方法

「田」 のア記号は、 「凡例」 「緒論」 に説明があ るが明瞭 と は言い難い。 そ こ で 「田」 語彙編の各項の記号から用法 を帰納 し、 その後に凡例 ・ 緒論等 を見 る。

ま た淡路の他のア記号付き方言辞典

a4

興津

(1990) (

以下 「興」

)

と対照す る。

「興」 に よれば興津は

1925

年淡路島南淡町阿万

(

現南あわ じ市

)

出身。 田中よ り

45

年前後年下で地域 も異な るが、 松帆から阿万ま で平地で繁がり 方言 も近い と 思われ る。 実際 アはかな り よ く 対応 し、 体系 も ほぼ同一のよ う。 その他必要 に応 じ、 徳島ア

(bl

高田

1985)

、 幡多ア を除 く 高知ア

(a3

土居 ・ 浜田

1985)

、 京 阪地方諸ア

(al

牧村

1955

及び各種資料

)

を参照す る。

1 .2.2

語彙篇のア ク セ ン ト の検討

語彙篇のア を体言

(

名詞 ・ 代名詞 ・ 形容動詞 ・ 副詞等

)

・ 動詞 ・ 形容詞に分 けて検討す る。 品詞は 「田」 の分類 と 一部異な る。 語彙篇の項目の う ち 「方言 の様で あっ て実は東京語」 は原則 と して ア記号な し なので対象外。 「雑辞」

(

接 辞 ・ 助詞 ・ 助動詞等

)

は 「方言の様で あっ て実は東京語」 で も ア記号付き の場 合があるが、 自立語の表記法によ っ てお り 無理 ・ 不明の点が多 く 対象外 と す る。

1 .2.2.1

体言について

「田」 のア記号付 き 体言の う ち 「興」 に も あ るのは

340

項日。 意味や語形の 多少のずれは含 め る

(

以下同様

)

340

項目の う ち、

2

項目以上につ き 「田」 と

「興」 に対応関係 が見 ら れ る音調型表記が

282

項目あ るので、 ま ず こ の

282

項目 につい て表

1

に示す。 「田」 の ア記号 を ワー プ ロ 記入のた め以下のよ う に置換

し た。

0 :

見出 し

(

縦書き

)

の拍の左側に傍線等のア記号が付い てい ない も の。

(6)

日本語 ア ク セ ン ト に関する3 つの問題 7

- :

文字左側の傍線。

2

文宇以上にわた る場合 「田」 は

1

本の線で繁いでい るが、 本稿では分け た形 で示す。

:

文宇左側の黒丸。 下の▲ よ り 大き く 、 傍線 と と も には出現 し ない。

:

文字左側に小黒丸

(

「 ピリ オ ド」 と 呼ぶ

)

1

宇分の傍線。 必ず傍線 と と も に出現。

←と →

:

文字左側の矢印。 矢印は

2

文字分以上に亘るが、 矢印記号

1

つだけ の場合 と 、 矢印記号十傍線で全体が長い矢印になっ てい る場合がある。 ま た矢 印記号は

2

文字分 と

1

文宇の

2

種があ り 、 前者の方が多い。 し か し矢印は内部 に切れ目がな く て も あっ て も 、 全体 と し て見

れば相互に区別の必要な し と 判断 し た た め、

本稿では印刷の都合上

1

宇分ずつの、 矢印記 号と 傍線の組み合わせで統一 す る。

なお、 「田」 の ピ リ オ ド

(

本稿の▲。 傍線 付き

)

は、 国書刊行会刊影印本では凡例部分 を除き

(

凡例部分の ピリ オ ドは語彙篇の も の よ り 少 し大き い

)

、 すべて消 えてい る。 ピ リ オ ド を ゴ ミ と 誤認 し て削除 し て し ま っ たのだ ろ う 。 「田」 には実際 ゴ ミ ら しい物 も あ る が、

傍線左側の ピリ オ ドの大部分は意味があ り 、 削除不可。 従っ て アの考察には国書刊行会版 は使用で き ない。 但 し国書刊行会版は ピリ オ

ド以外はア記号 も含め変更はない よ う 。 表

1

左端 「評価」 欄の記号につい て。 ★は

「田」 が 「興」 と 同 じ音調型 を表記 し よ う と し た と 判断す る物。

He?

H3?

等 と 書い たの は、 「田」 の記号か ら はその音調型 と 考 え ら れ る が 「興」 と 一 致 し な い も の。 こ の う ち

He?

の項日数が非常に多い が、 こ れは 「田」

ではア記号な し

( 0

0 0

0 0 0 - )

で、

He

を示 す こ と も あ る が、 む し ろ ア記 号の脱 落の場合 も多い ための よ う で あ る。

He?

以外

も 印刷 ミ スのお それが あ る物 を含む。

評価 拍数 田中 興津 項目数

2 0 0 He 19

LO? 2 0 _ HI 2

He? 2 0 0 HI 8

2

-

0 HI 24

2 0 _ LO 9

He? 2 0 0 LO 2

LO? 2 0 _ L2 2

He? 2 0 0 L2 2

2 0 L2 6

3 0 0 0 He 28

H2? 3

--

0 He 2

L2? 3 0

-

0 HI 2

He? 3 0 0 0 HI 2

3 ←一0 HI 9

He? 3 0 0 0 H2 6

3

--

0 H2 6

LO?? 3 0 0

-

LO 4

He? 3 0 0 0 LO 4

3 0一→ LO 19

3 0

-

0 L2 20

He? 3 0 0 0 L2 14

LO? 3 0一→ L2 2

4 0 0 0 0 He

25

4 ← 一

-

0 HI 3

4

- 0 -

0 HI HI 3

4

---

0 H3 7

He? 4 0 0 0 0 LO 6

? 4 04 0 0

-

一→ 一→ LO LO 15 2

4 0←一0 L2 2

4 0一▲一 L3 10

He? 4 0 0 0 0 L3 6

H3? 4

---

0 L3 3

5 0 0 0 0 0 He

4 He? 5 0 0 0 0 0 H3 2

5 0

-

一→0 L4 2

1 「田」 「興」 の体言ア対照表

表の 「評価」 欄で★ を付け た も のに基づ き 音調型の一覧表

(

次頁

)

を作 る。

一覧表中で

*

付 き は実例がな く 推定 し た も の。

H

式はこ の表記法で問題 ない。 し か し

L

式は

4

拍以上有核の表記法が不明

(7)

確で あ る

:

矢印方式 と ▲方式 が混在 し 、 統一がと れてい ない。 そ こ で 「興」 で

4

拍以上

L

式有核かつ、 「田」 が掲載す る全項 を取 り あげて表

2

に一覧す る。

一部表

1

と 重複す る。 こ れ を見て も新 たに明 ら かに な る こ と は少 ない。

4

L 2

0

←一

0

だけで な く

0 - 0 0

も あ り そ う な こ と 、

L3

0 -

▲ 一 だけ で な く

0 0 - 0

も あ り そ う な こ と 以外は よ く わか ら ない。

2

He 0 0

HI - 0

LO 0 -

L2 0

3

He 0 0 0

HI

←一

0 H2 - - 0

LO 0

一→

(0 0 -

)

L2 0 - 0

4

He 0 0 0 0

HI

←一

- 0

H2 * - - 0 0

H3 - - - 0

5

He 0 0 0 0 0

HI

←一一

0 0 H2 * - - 0 0 0

H3 * - - - 0 0 H4 * - - - - 0

LO 0 -

一→

LO 0 - -

一→

L2 0

←一

0 L3 0

一▲一

1.2.2.2

「田」 の凡例によ る ア記号の説明

「田」 の凡例

p.1

に、 ア に関す る以 下の記 載があ る。 仮名遣 ・ 漢宇 を現行の物に、 縦書 を横書に改め、 ま た音調記号は本稿の も のに 置換 し た。

[

引用開始

] 1

、 日本語のアは英語等のや

[

マ マ

]

に音の強弱 に よ る のは極 めて稀 で、

大抵の も のは音の高低 で あ る。 その標記法は 種々あろ う が、 此の書では次のよ う に定めた。

(1)

発音に高低強弱の無い も のは符号 を附 け ない。

(2)

発音の高低は高音部の左側へ 「一

-

の符号 を附け、 順次高 く な る も のには 「一→」、

? ?

2 3 4 L L L

評価 拍数 田中 興津 項目数

4 0←一0 L2 2 L2 ? ? 4 04 04

- - -- 0 0

0 0

-

0 L2 L2 L2 1 1 1

He 4 0 0 0 0 L3 6

L3

4 0 0 -

0 L3 1

4 0一▲一 L3 10

LO 4 0

-

一→ L3 1

つl H3 L3? L3? 4 5 05 05 04

--- -

一→一▲一

-

0一→ 一→0 0 0

-

0 L2 L4 L3 L3 L4 1 2 3 1 1

LO?

8 0 0 - - - -

一→ L5 1

L4? 8 0

-

一▲ 一 ー ー 一 L5 1 2 4 拍以上L式有核体言の 「田」

「興」 対照表

順次低 く な る も のには 「← 一 」、

高ま っ て行 っ て又下る ものには最高部に ・ を加 えて 「一 ・ 一」 と す る

(

中井注

:

傍線の長 さ は

2

字分で上の一

-

と 同 じで一本の線に繁がっ てお り 、 その中央部 に 「 ・ 」。 こ の凡例の 「 ・ 」 は語彙篇の▲の ピリ オ ド よ り 文字サイ ズが大き い

)

尚次に例 を あげて音階符号 をつけて あるか ら大体それによ っ て了解 さ れたい。

ド ド ド レ レ レ ド ハ ミ レ ド ド レ レ ミ ハ レ ミ レ ド だ んま だい な ん ゆき ひ ら ぼんの く ぼ あけす け

0 0 0 --- 0

← 一 ー 一

0 --

一→

-

- 0

(8)

日本語 ア ク セ ン ト に関する3 つの問題

(

「あけす け」 の ・ は傍線付 き。 ・ は上記の ・ と 同サイ ズ

)

(3)

発音に強弱の別 あ る も のは強音部の左 側へ 「 ・ 」 を附け る

(

中井注

:

こ の ・ は語彙篇では、 も っ と 大き な黒丸で

(2)

の ピ リ オ ド と は別記号で あ るが、

こ こ では

(2)

と 同サイ ズになっ てい る

)

[

引用終了

]

「田」 の黒丸 ・ ピリ オ ドの大き さ は、 大中小

3

種が混在す る。 凡例では 「中」

で 統一 さ れてお り 、

(3)

2

L2

型の第

2

拍 と 、

(2)

の傍線左側に加 え ら れた も のの大き さ は同 じ で あ る。 と こ ろ が語彙篇では、

(3)

2

L2

型の第

2

拍は

「大」、

(2)

の傍線左側の も のは原則 「小」

(

ピ リ オ ド

)

で、 「中」 はない。 但 し、

(2) 0 ) (p 73)

の傍線左側の物はのナの傍線右側の丸が 「大」。 こ のよ う な凡例と 語彙篇の大小の不

1

例だけ 「大」 がある

:

「だんなん し

(

旦那衆

)

0 -

● 一

統一が、 国書刊行会復刻版の ピリ オ ド削除の原因の一つで あろ う。

上に引用 し た 「田」 の凡例につ き 、 前節 で述べた 「興」 と の対応関係 を考慮 に入れた上で検討す る。 上記順序 と 異な るが、

(1) (3) (2)

の順に述べる。

(1)

「発音に高低強弱の無い もの」 は、 上述のよ う に

He

を さ す と 思われ るが、

語彙篇ではア記号が脱落 し た他の型の語 も含む と 思われ る。

(3)

「発音に強弱の別 あ る も の」 の強音部 と は、

2

L2

型の拍内下降 を伴 う

2

拍日 を さ す と 思われ る。

3

L3

等 も あ り う るが 「田」 に実例はない。

(2) 3

項の う ち、 こ の

(2)

は も っ と も難解で あ る。 まず、

(2)

末尾の用例のア 型は、 「興」 と の対応か ら、 だ んま

He (

牝馬

)

、 だい なん

(

大海

) H3

、 ゆき ひ ら

(

行平

[

土鍋

]) HI

、 ぼんの く ぼ

(

盆窪。 語彙篇はボン ノ ク ソ

) LO

、 あけす け

(

明け透け

?

語彙篇にな し

) L2

と 思われ る。 通常の音調表記だ と 、 「だい な ん」

が レ レ レ ド

H3

だ と す る と 、 「だ んま」

He

は レ レ レ と すべ き だ ろ う が、 こ こ で は ド ド ドで、

He

を 「低平」 の音階で示す。 こ れは戦前の東京 ア辞典で無核型 が傍線 な し で あ る こ と と 関係す るか。 あ るいは物理的に

He

語頭拍の

FO

値が

H

式有核のそれよ り やや低いのか も しれない が未詳。

次に

(2)

の記述 を

A~ D

4

点から考察 し よ う。

A

「高ま っ て行 っ て又下 る も のには最高部 に▲ を加 えて 「一 ▲ 一」」 と は

L

式有核

(

語末核 を除 く

)

の場合だ ろ う。

-

を どの範囲に付け るかが不統一だが、

ご く 少数の例外 を除き 、 少 な く と も▲ と 前後

1

拍の合計

3

拍には付い てい る。

B

「高音部の左 側へ 「 ー一」」 は、

H

式有核の、 核 ま で の高音部に付い てい る。

He

(1)

に あ る よ う に無印 で あ る。 ま た

L

式の最高拍 に も使 う

: 2

LO 0

一、

3

L2 0 - 0

に多 く の例があ り 、 それ以外 に も少数 あ る。 但 し 、

2

LO

3

L2

以外は

ACD

のどれかの方法 を取 る こ と が多い。

C

「順次高 く な る も のには 「一→」」。 こ の記号は

L

式無核の

2

拍目以降語末 ま で付け るのが原則。 し か し 例えば

5

L4

型 に 「

0 -

一→

0

」 の例 が あ る。

(9)

こ れは上記

A

に従 えば 「

0 - -

▲ 一 」 等 と 表記 さ れ そ う で 、 実際 その例 も あ る

:

「ばん じ よづ ち

0 -

一▲ 一

(

番匠槌

)

(p 91

仮名表記 を少 し改めた。 こ の語は 「興」 には ない

)

。 さ ら に上記

B

か ら すれば

0 0 0 - 0

の表記 も可能だ

ろ う。

D

「順次低 く な る も のには 「← 一」」 は、

HI

の語頭か ら 一

2

番目の拍 ま で付 け るのが原則。 しか し

L

式有核の

4

L2

0

←一

0 (

つば く ろ

(

) p 61)

の 例があ る。

4

L2

は 一 ▲ 一

0

0 - 0 0

の表記 も可能だ ろ う

( -

▲ 一

0

の実

例は上記引用文の 「あけすけ」 のみ。 語彙篇に実例な し

)

以上の諸点 を考慮に入 れて

L

式の表記 を考 え る と 、

LO

は、 ① 一→ を使 っ た 物と ②一 を使っ た物の両方が可能。

L

式有核は、 ①一→か←一 を使っ た物

[

方 向観

]

、 ②一 を使っ た物

[

段階観

]

、 ③▲ を使っ た物

[

方向観十段階観

]

3

通 り が可能。

上記凡例の考察 を も と に型 の一覧表 を再度作成す る。

*

付 き は新 たに付加 し た音調型で、 語彙篇ア記号付き 体言全項目リ ス ト に例が見 られない もので あ る。

なお、 誤記誤植 が疑われ る もの を除き 、 こ の枠組で本書全体のア を扱 え る。

LO 0 _

L2 0

LO LO L2

0

一→

0 0 -

0 - 0

0 0 2 2 2 2 3 L L L L L L L

0 - -

* 0 0 0 0

←一

0 -

0 - 0 0

ー▲ 一0

*一▲ 一 一

* 0 一→ 0 L3 0 0 - 0

L3 0

一▲一

0 0 2 2 2 2 3 3 3 3 3 4 4 4 L L L L L L L L L L L L L L

(・・(,

?

一〇〇〇一〇〇〇〇一〇〇一

一〇一〇一一

→ ←

一▲▲一

〇一〇

一▲▲一〇〇一一〇一

* *

*

*

*

*

*

〇〇一

*

*

1.2.2.3

動詞のア ク セ ン ト

「田」 のア記号付 き 動詞項目の う ち

100

が 「興」 に も あ る。 両者のア を表

3 (

次頁

)

に対照す る。 拍数欄左側数字は終止形の拍数、 右側の数字は

5

5

段 ・

1

1

段活用 を示す。 ア欄は名詞同様 「興」 と 一致す る も のに★、 それ以外の も のに ア型 を あげ る。 体言の ア の枠内 で扱 え る。 「田」 と 「興」 の ア は こ こ で も かな り 一致す る。 「田」 のア を纏め る と 以下のよ う に な る。

25 He 0 0 25 LO 0 -

31 He 0 0 0 31 LO 0

一→

35 He 0 0 0 HI

←一

0 35 LO 0

一→

41 He 0 0 0 0 HI

←一一

0 41 LO 0

一→

45 He 0 0 0 0 HI

←一一

0 45 LO 0

一→

(10)

日本語 ア ク セ ン ト に関する3 つの問題 11

31

LO (

京阪都市部に同 じ

)

35

41

45

He

HI

LO (HI

は京阪都市部 にはない

)

で ある。

35

41

45

HI

の残存は 「田」 「興」 で それほど違い がな い。 但 し 「田」 で

He

に見 え る も のの一部は記 号脱落の可能性 が あ り 、 実は

「興」 よ り

HI

が多い可能性 も あ る。

拍数 ア 田中 興津 語数

25 0 0 He 3

25 0 _ LO 5

31 0 0 0 He 6

31 0一→ LO 3

35 0 0 0 He 20

35 LO 0一→ He 1

35 HI ←一0 He 1

35 0 0 0 HI 4

35 ★ ←一0 HI 17 35 HI ←一0 HIH0 1

35 0一→ LO 1

41 0 0 0 0 He 8

41 HI ←一

-

0 He 3

41 HI ←一

-

0 HeH1 1

41 HI ? ←一0

-

HI 1

41 ← 一

-

0 HI 3

41 0

-

一→ LO 2

45 0 0 0 0 He 9

45 He 0 0 0 0 HI 2

45 ← 一

-

0 HI 1

45 He 0 0 0 0 H2 1

45 0

-

一→ LO 1

51 LO? 0 0

-

一→ He 1

51 HI ←一

- -

0 He 1

55

0 0 0 0 0 He

1 55 HI ? ←一

- 0 -

He 1

65

0 0 0 0 0 0 He

1 65 HI ? ←一

- - 0 -

He 1

3 「田」 「興」 動詞ア ク セ ン ト 対照表

4

で 「興」 の掲載有無 と 無関 係 に、

35

HI

の残存 を高知 ・ 徳 島 と 比較 す る。

35

HI

のみ を扱 う のは該当語数 が多い ため。 高知 に

HI

が最 も よ く 残 る こ と が予想 さ れるので土居 ・ 浜田

(1985)

HI

の語 を全部抜き出す

(

4

上半 分

)

。 表中

**

を付 け た のは意味や

田中 興津 徳島 高知 見出 し 意味

0 0 0 He He HI あず る 持て余す

0 0 0 HI な し HI も がる 故意に反抗す

る。

0 0 0 HI* HI ** HI ** いの く 動、静かに少々 動 く

0 0 0 な し He HI やつす 飾、 おめか し

する

0 0 0 な し HI HI う つす 器物の中の物

を あけ る

0 0 0 な し HI HI ま ざ く 間引

0 0 0 なし HI HI★★ かやす 反吐 をは く

0 0 0 な し な し HI いの ぐ 凌、 困難か ら

離れる

←一0 HI HI HI あ ら く 間が開 く

←一0 HI HI HI かぶる 口 を大 き く 開

いて喰ひつ く

←一0 HI HI HI ** いがる 駄々 を こ ねる

←一0 HI HI Hi t 段か ほせ'る ほせ、

<

←一0 HI HI ** HI かかる 合格す る

←一0 HI HI ** HI ** せせる 少許の地所等

を取 り 込む

←一0 HI HI ** HI ** ねずる

←一0 HI な し HI かず く 頭の上力、らすつ

ぽ り と 被る

←一0 HI な し HI ** あが く 寝癖が悪 い

←一0 HIH0 HI HI かた ぐ 担

←一0 な し HI★ ★ HI はやす 尊語、 神に供 へた鏡餅 を切

←一0 な し HI * HI ** よぼ る 器物か ら こ ぼ れ る

←一0 な し な し HI う く°う 灸跡が化膿す

←一0 な し な し HI かた ぐ 掠奪婚

←一0 な し な し HI かぶ く 稻が実 っ て穂 が垂れる

←一0 な し な し HI しわる 携、 曲る

←一0 HI He な し た ぐ る 咳 をす る

←一0 な し HI He せぶる 他人よ り 物 を せがみ取る

←一0 HI He He どやす 殴打す る

←一0 He HI He へず る 一部分 を分 ち

取 る

←一0 な し な し He へばる 粘着す る

←一0 な し な し HeH1 ぐずる 強請る 4 「田」 「興」 徳島 ・ 高知3 5 HI 対照表

語形 が少 し ずれ る も の。 表か ら分か る よ う に 「田」

He

・ 高知

HI

8

語 あ る。

ま た 「田」

HI

で、 徳島 ・ 高知の片方が

He

の語 も表

4

下半分に示す。 表から

6

語が該当 し、 先の 「田」

He

高知

HI

8

語に近い数で ある。 こ の

6

語は類別語 彙 を含 まず、 アの出自不明瞭 な語が多い が、 表上の

8

語には 「動 く 、 移す、 や

(11)

つす、 返す」 等

2

類語が含まれ、 こ れ らは明 らかに

HI

出自。

HI

He

への変化 が起 こ り かけか、

HI

のア記号脱落で

He

に見え る語が含 ま れ るかのいずれか。

後述形容詞アから考えて後者の可能性が高い。

なお中澤

(2012)

は本辞典 も含め、 淡路では

3

1

2

類の変化が

3

5

2

類 に先行す る こ と を示す。 京阪都市部 と 順序が逆のよ う だ が、

3

5

2

類 が少 しつ長期に亘 る合流変化 だ っ たのに対 し、 前者 が諸活用形か らの類推に よ る短期間の変化 で その時期が地域に よ っ て異な っ たのだ ろ う 。 「田」 掲載の動 詞全部のア を あげ るべ き だ が紙幅の都合で省 く 。

1 .2.2.4

形容詞のア ク セ ン ト

「田」 の形容 詞は

87

項目あり、

その う ち

41

項目 が 「興」 に あ る。

両者のア を表

5

に対照す る。 ア 欄は 「興」 と 一 致す る ものに★、

それ以外に 「田」

拍数 ア 田中 興津 語数

2

-

0 HI 1

3 ★ ←一0 HI 15

3 H2

--

0 HI 1

4 0

-

▲一 L3 1

4 H3

---

0 H2 14

5 H4

----

0 H3 4

6 He? 0 0 0 0 0 0 H4

1

6 H5

---

0 H4 2

7 H6

---

0 H5 1

7 H6

---

0 L5 1

5 「田」 「興」 形容詞 ア 対照表

のア型 を示す。 形容詞アは 「田」 と 「興」 で異な る。

3

拍 ま ではほぼ同 じ だ が

4

拍以上はほぼ 「田」 が

H

式 一

2

、 「興」 が

H

式 一

3

。 「田」 が中央式周辺部 に多い形 で あ る。 表

6

に 「田」 の形容詞 アの全項目

拍数 ア 田中 語数

2 L O 0_ 1

2 HI

-

0 1

3 HI ←一0 23

3 H2

--

0 2

4 L3 0

-

▲一 2

4 He? 0 0 0 0

1

4 H3

---

0 26

5 L4 0

-

一▲ 一 1

5 He? 0 0 0 0 0

4

5 H3?

--- 0 0

1

5 H4

----

0 11

6 L5 0

- -

一▲ 一 1

6 L5? 0 0 0

-

▲一 1

6 He? 0 0 0 0 0 0

2 6 HI ? ←一

- 0 -

0 1

6 H5

---

0 5

7 L4? 0

-

一 ▲ 一

- -

1

7 H6

---

0 3

6 「田」 形容詞ア全項目

を あげ る。 上記原則 の例外 と な る語 が若干 あ る が、

He

に見 え るのは全 て記 号 の脱落だ ろ う。

3

拍 に

H2

も あ る よ う に見え る がそ う は考 えに く い。

H2

は コ ト イ

(

多忙

)

・ コ マイ

(

細かい ・ 小 さ い

)

2

語だが、 前者は 「興」 ・ 他方言に 情報な し。 後者は高田

(1985)

HI

H2

だが土居 ・ 浜田

(1985)

HI

なの で、

H2

出自ではない可能性が高い。

5

拍は

H4

が原則だが、 例外 と し て

H3

の カ イ ダルイ

( --- 0 0 )

があ る。 こ れは 「掻い 十だ るい」 の語源か ら あ り え な く はない

(

但 し徳島は

H4)

1.2.2.5

「緒論」 の例文

「田」 の 「緒論」

p 6

で、 東京語 と 淡路語のア例文 を対照す る。 東京語は神 保 ・ 常深共著のア辞典に よ る と す る。 記号は上同様置き換 え る。

イ マ ワ サ ク ラ ヤ ナ タネ ノ ハナザ カ リ デ ス

(

束京語

) - 0 0 0 --- 0 - 0 0 0 -- 0 0 0 0

(12)

(

淡路語

)

淡路ア型

(

束京語

) (

淡路語

)

淡路ア型

(

東京語

) (

淡路語

)

淡路ア型

日本語 ア ク セ ン ト に関する3 つの問題 13

0

←一

- - - 0 0 - 0 0 - - - 0 0 0 0

LO H3 L2 H3

オモ テデ ア ソ ブ ニ ワ ヨイ テ ン キデ ス

0 -- 0 0 -- 0 0 - 0 - 0 0 0 0 -- 0 0 0 0 0 0 0 0 - ←一 0 0 0

H2 He LO HI

ヵ ルイ ワ ナ ガ レ オモ イ ワ シ ズム

0 - 0 0 0 - 0 0 - 0 0 0 0 0

←一

0 -

←一

0

←一

0 - 0 0 0

HI HI HI He

3

例文の う ち上

2

つは神保格 ・ 常深千里 『国語発音ア辞典』

(

厚生閣

)

昭和

18

年第

19

pp 23 - 24

に あ るが、 最下は未詳。 神保他は辞典本体では東京 アの 平板型 を傍線 な し で表記す るが、 こ の例文では低高

_.

と し て高部分に線 を引 く 。 従っ て最下例文の シズムは準ア を考え なければ

0 - -

と すべき だ ろ う。

「淡路ア型」 欄に 「田」 の記号か ら帰納 さ れ る ア型 を私が記 し た。 最後の例 文の、 カルイ ワ ・ オモ イ ワの← 一

0 -

におけ る最後の 一 は カルイ と オモ イ を対 照 し て助詞 を卓立 さ せた音調か誤植か。 一旦下がっ て

0

にな っ た後に 一 が再度 現れる誤植は 「田」 に多い。 第

2

例文のア ソ ブ

0 0 0

1

類所属で、 中央式で も

He

が古形 だが各地で

LO

に変化 し てい る。 古形の表記で あ ろ う。

1 .2.2.6

田中のア ク セ ン ト 観について

以上から 「田」 の音調記号は音調型 と

1

1

になっ てい ない部分や誤植の類 を除き 、 現在調査不能 な世代のア資料 と し て有用で あ る こ と がわか る。

「田」 の序文には東條操 ・ 柳田国男が指導 と 援助 を し た と あ るが、 指導が淡 路 ア に ま で及 んだ と は考 えに く い。 「田」 が段階観 に よ る東京 ア記述 を参照 し て淡路 ア を記述 し よ う と し たが、 方向観の観点 も 必要 と 考え、 それ を記 号に反 映 さ せ た。 し か し それが不徹底だ っ たため、 音調型対記号が

1

対多の部分が多 く 残 つたのだ ろ う。 「田」 の記号は独自の考案 と 思われ る。

1934

年当時、 京阪 式ア を一貫 し て方向観で解釈 し た人に池田要がある。 その卒論作成は

1931

年頃 ら し く

(

上野

2002 p 3)

、 池田のほ う が早い。 体系 と し て整備 さ れて も い る。

しか し池田論文公開は日本方言学会編

1942

『日本語のア』

(

中央公論社

)

だか ら 、 相互に独立に研究 し たのだ ろ う。 「田」 は ア研究史上 も重要で あ る。

2 .

ア ク セ ン ト 規則の有効性について

本節では共通語アの形態音素論的規則

(

複合名詞、 外来語等々のア規則

)

と その有効性 につい て述へ る。 具体的 には以下の

2

点 を考察す る。

(a)

単語 ア予

(13)

測のための規則の数 ・ 内容、 各規則の一般性 ・ 有効性。 語彙の使用頻度等によ る順位 と 規則の有効性 と の関係。

(b)

規則から ア を予測で き ず一つずつ記憶が 必要な語彙の量や順位 と の関係。

2.1

ア ク セ ン ト 教材におけ る規則の扱い と 問題点

日本人向けの共通語ア教材 ・ 参照資料は戦前から数多い し、 最近は外国人向 けの共通語ア教材 も一定数ある。 日本人向けで最も包括的なのは秋永編

(2010

2014)

で、 辞典の全見出 し に

100

のア習得法則の番号を振 る。 こ れ

1

冊で一応

実用上はかな り 事足 る が、 「法則」 と い っ て も傾向に留ま る も の も多 く 、 中に は 「法則 ら しい ものがない」

(

和語の単純名詞等

)

もの も 「法則」 と して掲載

;

量が膨大で取つつ き に く い面があ る

;

他の共通語 ア記述研究 を参照す る と 若干 補訂が望ま しい法則 も あ る

;

今では殆 ど使 う 人がない 古い アや ア法則 も 掲載

(

但 し ア変化 ・ 伝統アの資料 と し ては非常に有益

)

等の問題 があ る。

一方、 主に外国人向けの教材は個々の語のア よ り 規則性に重点 を置い た も の が多い。 例えば、 田中他

(1999)

、 東京外大留学生日本語教育セ ン タ ー

(1999)

、 河野他

(2004)

、 戸田

(2004)

、 中川他

(2009)

等。 しか し、 どれも規則の網羅 性はな く 、 どんな理由で選んだか を明示 し ない ま ま 、 い く つかの規則 を提示す るのみで ある。 反対に規則 よ り 個々の語のアに重点 をおい た教材に磯村

(2009)

、 内堀他

(2008)

0JAD (

峯松

2014)

等がある。 活用形別、 意味分野別、 拍数 ・ ア型別、 旧

JLPT

級別、 日本語教科書別等、 配列や検索方法に様々な工夫が見 ら れ る が、 規則は殆 ど明示せず、 まずは記憶 し よ う と い う 形 を取 る。 しか し、

ア を正確に習得 し たい外国人に と っ て本当に望ま しい教材 ・ 参照資料集は 「こ こ ま では規則 を覚 えれば ア が予測で き る が、 後は個々の語のア を記憶 し なけれ ばな ら ない」 と い う 仕分け を し た上で、 規則 と 個々の語のアの両方 を提示 し た 包括的 な もので あ る。 最近は中国人等にはア に関す る知識が豊富な一定数存在 す る

:

ア記号が理解でき 、 音調型の知覚 もネイ テ ィ ブに比較的近 く 、 ポ ピュ ラ ー な ア規則は知 つてい る と い う 、 アに関す る上級 ・ 超級者が増加 し てい る。 そ う い う 人向けの教材 が必要だ が、 現在 そのよ う な も のは見当 た ら ない。 秋永上掲 書は上の問題 に加 えて学校文法の枠で書かれてい る こ と も あ り 、 そのま ま では 使い に く い。

2.2

作成資料の概要

そ こ で筆者は新たに、 各項目につ き 、 カ ナ ・ 漢字表記、 ア記号

(

数字、 見出 し に下降位置

)

、 ア規則、 規則のた めに必要な ア以外の諸情報

(

語源情報

[

ア のために必要な場合に限 る

]

、 拍数、

2

要素以上か ら な る場合の各要素の拍数、

語種、 ア分類に必要な範囲での品詞、 旧

JLPT

の級、

BCCWJ

短単位語彙表 と

Tone

2013

の順位等

)

を付け た主に外国人向け資料集 を作成 し て部分的に小

(14)

日本語 ア ク セ ン ト に関する3 つの問題 15

ク ラ スで試用 し てい る。 それ を分析用に改訂 し た資料 を本稿で用い る。

外国人のための語彙 リ ス ト は種々あ るが、 語彙 ラ ン ク 付き が便利 で あ る。 そ れに該当 し、

2014

8

17

日現在全体が公開 さ れてい る ものに、 国際交流基金 他

(2002) (

以下 「旧

JLPT

語彙」

)

Tone

(2013) (

以下 「頻度辞書」

)

、 松 下

(2011)

等がある。 本稿では、 松下

(2011)

BCCWJ

に依存す る部分 も大 き いので省き 、 それ以外の

3

つ を対象に考察 を行 う。

BCCWJ

の短単位は長単 位 よ り 旧

JLPT

語彙の見出 し に近 く 、 形態素 を組み合わせ る こ と で同数の項目 で よ り 多 く の語 を含 め ら れ る利点があ る。 日本人の馴染み度の使用 も 望ま しい が今回は省い た。

万能語彙リ ス ト ・ 順位はあ り えず、 どの資料も使用目的によ っ て短所 も持つ。

例えば旧

JLPT

語彙につき押尾他

(2008)

、 旧

JLPT

語彙 ・

TM

語彙につき スル ダ ノ ウ、ィ ッ チ他

(2013)

等参照。 し か し どれ も客観的手順に従っ て作 られた も ので一定の有効性は持つ。 ま た複数の尺度に よ っ て調査の客観性が高ま る。 な お旧

JLPT

語彙は新

JLPT

語彙や 「日本語学習辞書科研」

(

砂川

2013

)

の辞書 等が公開 さ れれば、 それ ら に置き 換 え られよ う。

本稿の対象語彙は、 旧

JLPT

語彙全項目、 頻度辞書のほぼ全項目、

BCCWJ

短単位語彙表の順位

(rank) 1 ~ 8000

ま でのほぼ全項日で あ る。 但 し付属語や それに準ず る項目、 用言の活用形は原則 と し て扱わない。

BCCWJ

8000

ま で に限っ たのは旧

JLPT

語彙数 と ほぼ同数 と い う こ と も あ るが、 後述の如 く 順位 の低い語は規則に よ る予測性が高ま り 、 個々の語の暗記の必要性が薄れ るか ら で あ る。

項目の立て方は資料 ご と に異な るが、 相互対照が必要な場合最 も 細か く 分け てい る も のに よ っ た。 ま た ア を考察す る上で

2

項目以上に分け たほ う がよい場 合は、

3

資料 と も

1

項目 と し てい て も分割 し た。 例えば 「明日

(

あ し た

)

」 は 名詞

3

、 副詞

0

だか ら分割 し て

2

項目 と し た。 各資料の単位が異な る ために見 出 し が異 な る場合 も 、 各々の項目 を そのま ま採用 し た。 例 えば旧

JLPT

語彙は

「御馳走」、

BCCWJ

は 「馳走」 が見出 しに立っ てい るので両方の項目 を立て た。

語彙の順位付けの規準や日的は資料ご と に異な るので、 語彙 リ ス ト には相違 があ る。 し か し共通点 も あ り 、 ご く 大雑把 には旧

JLPT

初級語彙ほ ど他資料で 順位が高い と 言 え る。 紙幅の都合 で詳細は略す が、 旧

JLPT

語彙 を基準に簡単 に比較 してお く 。 旧

JLPT

語彙は

4

1

級の順に

774

703

3648

3024

項目で、

う ち

621

項目が

BCCWJ

にない。 残 る

7528

項目の

BCCWJ

語彙の平均順位は、

JLPT

4

1

級の順に

2890

2810

6439

10433

。 同 じ く 、 旧

JLPT

語彙の う ち

4443

項目は頻度辞書にないので、 残 る

3706

項目の頻度辞書の平均順位は、

JLPT

4

1

級の順に

1237

1547

2474

3149

と なる。

(15)

2.3

ア ク セ ン ト 記号 ・ 採用す る ア ク セ ン ト の基準

ア記号は核の有無 と 位置 を数字で示す方式によ るが、 特に造語成分の う ち後 部要素 と な る も のは逆算指定に よ り 、 前部要素 が

3

4

拍の場合のア を示す。

前部要素と な る造語成分は後部要素の初頭から数えた核位置 で示 し、 こ の場合 も後部要素は

3

4

拍の場合 を想定す る。 付属語 ・ 用言の活

(

1

、 十

2

、 十

3 - )

用形は本稿では原則 と し て扱 わない が、 挨拶表現

(

例えば 「おはよ う ご ざい ま す」

)

等のアの考察に必要な範囲は含 め る。

2

節末の表

7

規則

13~ 15

を参照。

個々の語のアは秋永編

(2010

2014)

、 『日本国語大辞典第

2

版』、

NHK

放送 文化研究所編

(1998)

、 山田他編

(1989

2012)

、 馬瀬他編

(1985)

や、 最近の 社会言語学的調査報告 を参照 し て一つに絞っ た。 一つに絞 る際の規準は、 ①で き るだけ規則 で説明で き る部分 を多 く 、 ま た規則 を単純 な も のにす る こ と 、 ② 新 しい ア を優先す る こ と の

2

点で あ る。 ①は習得 を容易 にす る ための も ので あ り 、 ②はと く に外国人の場合は若い世代が中心で、 同世代の日本人 と コ ミ ュ ニ ケー シ ョ ンす る機会が多い ためで あ る。 日本人は朗読 ボラ ンテ ィ ア等の高齢者 の場合 も あ るが、 やは り 相対的には若い世代が多いので こ の方針 を と っ た。

① と ②の規準は合致す る場合が多い。 アは変化の結果、 よ り 単純 ・ 合理的に な る こ と が多い か ら で ある。 稀に① と ②が衝突す る場合は原則 と し て① を優先 さ せたが、 その結果稀な型や古す ぎ る型にな る場合は②に合致す る型 を採 っ た。

例 を挙げ る。 複合動詞 ・ 形容詞は

0

を採 らず 一

2

で統一。 「地獄」 は

3,0

だが、

0

が新で

1

拍 十

2

拍漢語の規則的 ・ 主流ア なので

0

のみ を採用。 無声化は下降 位置がずれない アのみ採用。 一方外来語の平板化にはそれほ ど積極的ではない。

若い世代 も まだ有核優勢で、 平板化は外来語ア規則の例外だから で ある。

新アの積極的採用は規範性 ・ 伝統性 を重視す る立場からは非難 さ れよ う。 し か し、 ア ではない が、 海外の教室で鼻濁音 を習 っ た外国人が来日 し てみ る と 周 り に鼻濁音 を話す人がい ないので棄て る こ と が多い

(

竹村

2004)

。 ま た、 文法 性判断 も超級外国人は若い日本人 と 一致す る こ と が多い

(

金澤

2008)

。 従っ て 古い複雑 なアや規則 を教 えて も結局それ を棄 て て し ま う 可能性が高い。

本資料のアは 「簡約 ア」 と 言 え るが、 現実に首都圈出身者の調査で報告 さ れ てい ない型は採用 し てい ない。 首都圏出身者 が使わない アで も 首都圏出身者の 発音評価が下がら ない場合 も ある

(

「行かない」

3

な ど。 松崎他

2005

。 無核動 詞 十ナイ のナ に核がある型は、 首都圈は と も か く 日本各地で共通語的 ア と し て 使 う か ら だ ろ う

)

。 し か し そ こ ま では踏み込ま なかっ た。 と も あれ従来のア辞 典の記述 に と ら われてい る人 にはそ う 思 え ない か も しれ ない が、 現実の首都圈 アの多様性か ら 考えて、 本稿の簡約化の程度は非常に低い も ので あ る。

(16)

日本語 ア ク セ ン ト に関する3 つの問題 17

2.4

アク セ ン ト 規則

全項目につい て該当す る ア規則

(

7 )

を付け た。 ア規則は本資料の語彙の 範囲で必要 な も のに限っ た。 こ の よ う な制約は あ る が本資料の規則はそれ な り の網羅性 と 有効性 を持つ。 も ち ろ ん さ ら に改善が必要。 適用範囲の狭い規則 を どこ ま で載せ るかは大き な問題だが、 原則 と し て特定形態素のみに該当す る規 則は、

2

資料以上に各々

10

以上該当項日がある場合 を除き省い た。 規則作成は 全般的には本資料か ら の帰納 と 秋永編

(2010a

2014)

に よ り 、 部分的に窪菌

(1995)

、 同他

(2005)

、 佐藤

(2002)

、 田中

(2008)

等も参照 し た。 言 う まで も な く

1

項目に複数の規則 が適用 さ れ る場合があ る

(

9

注参照

)

。 なお

BCCWJ

の順位

8000

以下の語 も含 めれば若干規則の追加変更が必要に な るが、 それほ ど 大幅 な も のでは あ り え ない。

共通語 ア規則は戦前か ら の研究の蓄積があ り 、 秋永編

(2010a

2014)

は そ れ を統合 ・ 改善 し た も ので あ る

(

秋永

2010b)

。 当然 なが ら 本稿の個々の規則 も それほ どオ リ ジナルではあ り 得ず、 本稿で扱 う 資料の説明に必要十分な も の を 取捨選択 し、 多少改善 を加 えた もので あ る。 紙幅の都合で各規則は圧縮 し てい

る 。

規則 には例外 が付 き も ので、 例外の場合はその旨 を記す。 規則は な るへ く 例 外 を少 な く す る よ う 設定 し たが、 規則 があま り に細か く 煩雑 に な る場合は例外 に収 めた。 ま た傾向に と どま る も の も 、 傾向か ら外れ る も の を例外 と し て扱 っ た。 こ のよ う な処置に よ っ て、 例外的語彙のア だけ記憶すればよい よ う に な る。

例えば、 動詞辞書形のアは周知のよ う に

0

か 一

2

が原則だが、 こ のま ま では規 則 と は言い難い。 「

n

拍に あ る

n

1

個の型の どれか」 と 言 う よ り はず っ と よい が、 語 ご と に

0

か一

2

かは記憶 し ない と い け ない か ら で あ る。 ご く 基本的 な語 彙 を除き 一

2

のほ う が

0

よ り 所属語数が多いので

(

1 ~ 3

規則番号

2 )

、 本 資料では一

2

を規則的な型 と し て立て、

0

を例外 と して扱 う。 こ の方式だ と 例 外の

0

の語に注目 し て記憶 し、 未知の語に出会 っ た場合 と り あえず 一

2

にす る と い う方略 を と れる。 こ の動詞アの特徴は早 く に日本人向けの田代

(1953)

等 が指摘 し てい るが、 不思議に最近の外国人向け教材は採用 し てい ない。 ま た諸 規則のすべて に こ の方式 を採用 し た も のはない よ う で あ る。

2.5

語種

語種は

BCCWJ

の他 『日本国語大辞典第

2

版』 を参照 し た。 漢語 ・ 外国語起

源で も 日本語に馴染 んでい て アか らは和語扱い し たほ う がよい場合、 そのよ う に扱 っ た。 ま た和 ・ 漢 ・ 外のいずれか不明の場合 も 和語扱い がア上好都合 な場

か わ ら う ま

合が多い ので ほぼ同様に処置 し た。 例

:

「考え る、 瓦、 馬」。 混種語は各要素 の語種 を記すが、 ア規則 に当てはめ る場合特定語種の規則 を適用 し た。

(17)

2.6

全般的な規則の有効性

有効性は規則 ご と に様々だが、 全体と し ては旧

JLPT

語彙

71%

BCCWJ

語 彙

72%

、 頻度辞書

68%

と 、 約

7

割が規則的で ある

(

8

最下端平均の欄

)

。 本 資料はア をい く ら か簡約化 し てい るか ら、 古い アや よ り 不規則 な ア も取 り 込め ば規則の有効性は下がる。 反面、 規則の改善に よ っ てい く ら か規則性 を増す形 に修正 で き る可能性は あ る が、 それほ ど大 き な変更は望 めない だ ろ う。 と も あ れ、 規則はあ る程度は有効だが、 それだけ では説明で き ない部分 も ま たかな り あ る。

2.7

語彙 ラ ンク と 規則の有効性の関係

語彙の順位 と 規則 の有効性 の関係 を み る と 、

3

資料 と も 順位 が高い

(

JLPT

語彙は

4

級に近い、 以下同様

)

語彙ほ ど規則の例外の比率が高 く 、 順位 が低い

(

JLPT

語彙は

1

級に近い、 以下同様

)

語彙ほ ど規則に従 う 比率が高 く な る。 表

8

最下端平均欄に よれば、 規則に従 う 率は、 旧

JLPT

語彙は

4

級→

1

級の順に

57

64

70

79(%)

BCCWJ

1000

項目ごと

(

但 し

1000

までは

500

ごと

)

の平均が

56

65

70

71

70

74

76

77

75(%)

、 頻度辞書は

1000

項 目ごと

(

但 し

1000

までは

500

ごと

)

の平均が

55

62

68

67

72

73(%)

で あ る。 こ の数字か ら、 初歩の段階で規則 を教えて も 例外が極めて多 く 、 効果的で は ない よ う に見 え る が、 実は規則 に よ っ て状況 が異 な る。 表

7 ~ 9

の主 な規則

を表

8

3

資料平均の有効率に よ っ て分類す る と 以下のよ う にな る。

a lOe%

有効】

0.1

ー ン ツに よ る下降位置ずれ、

1

形容詞辞書形、

3.1.1~

3.1.3

外来語単純名詞の細則、

4.5

後部

5

拍以上等の複合語、

4.6

アル フ アベ ツ ト

頭文字語、

4.7

混淆語 ・ 複合語短縮、

10

数詞 ・ 時間関係の名詞一

1

型の副詞的 用法での

0

型化、

12.2~12.4

擬音語擬態語の多 く 。 【

b 99-80%

有効】

3.1

外来語 単純名詞、

4.3~ 4.4

後部

3

4

拍結合名詞、

6.2.1 1

1

拍十

1

1

拍漢語、

7.1

動詞連用形から の転成名詞、

8.1~ 8.2

一部の接尾辞、

11

疑問語、

13.1

体言十

1

拍助詞、 ◆

6.2.4 1

2

拍十

1

2

拍漢語

(

◆の意味は後述

)

。 【

c 79-60%

有 効】

4.1

後部

1

拍結合名詞、

4.2.1

後部

2

拍結合名詞の う ち後部動詞連用形、

6.1.1

前部

0

型の和語癒合名詞、

13.2

体言十

2

拍以上の助詞、

15

自立語文節 十自 立語文節、 ◆

2

動詞辞書形、 ◆

3.2

漢字

1

宇漢語単純名詞、 ◆

6.2.2 1

2

拍十

1

1

拍漢語、 ◆

6.2.3 1

1

拍十

1

2

拍漢語。 【

d 59 - 40%

有効】

0.2 2

重母音

al

ae

に よ る下降位置ずれ、

6.1.2

前部有核和語癒合名詞、

7.2

形容詞連 用形からの転成名詞、 ◆

4.2

後部

2

拍結合名詞、 ◆

8.3 1

2

拍の漢語 ・ 和語 の助数詞。 【

e 39 - 20%

有効】

3 .3

和語単純名詞、

6.1 .3

前部ア不明の和語癒合

名 詞 、

9

和語接 頭 辞 「お

(

)

」 、

13.4

用 言辞 書形 十

2

拍以 上 の助 詞。

f.19-0%

有効】

13.3

用言辞書形 十

1

拍助詞、

14

辞書形以外の用言活用形に助

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