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06寺田勝彦 「草木染の世界展」報告 植物染料の研究とそれを基にした作品制作Hijiyama University Institutional Repository

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Academic year: 2018

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Ⅰ.はじめに

広島市西方の山の手に広島市植物公園がある。開園は昭和 51 年 11 月で昨年開園 40 周年を迎えた。 私が比治山女子短期大学に着任したのが昭和 54 年 4 月で植物公園の開園間もない頃であった。初代の 植物園長であった唐澤耕司先生は世界的な蘭の権威で,開園当時からこの植物園はランの栽培や展示を 中心とした植物園であった。その唐澤先生から植物公園展示資料館で「植物と生活文化とのかかわり」 等について展示をしたいので手伝ってもらえないかと声をかけていただいた。唐澤先生のお考えの中に は,「植物と染織」がテーマとしてあったものと思う。綿や麻などの植物を繊維として利用するものと, 植物の色素を使って染色するいわゆる草木染等は今日まで日本はもとより世界各地で行われてきた。特 に染料としての利用は,19 世紀に合成染料が開発されるまで我々の暮らしの中に豊かな色彩の世界を もたらしてきた。熱心にお誘いいただき,私のできる範囲でお手伝いできればと思ったが,私一人でで きる事でもないので「広島草木染の会」を組織してお引き受けする事とした。代表には私が就いたが, メンバーには織物をされる方,ローケツ染めをされる方、絞り染めをされる方等多彩なメンバーが入会 された。現在のメンバーは発足当初とは大きく変わったが,本学の学生や卒業生それに公開講座参加者 等をメンバーに加え今日まで続いている。入会の条件は植物染料で染める事だけである。こうしてお引 き受けしたものが回を重ねて 38 年続く「草木染の世界展」となった。

Ⅱ.展覧会の内容

今年で 38 回目を迎える「草木染の世界展」だが,30 回までは「草木染展」という展覧会名で開催し ていた。毎年 3 月の初旬から 1 か月程度の会期をいただき植物公園の展示資料館を会場に開催してきた。 どのような形の展示にするかについては植物公園の方々と何度となく検討し,展示の中心を以下のよう なものにすることとした。

①染料植物の説明、染料抽出方法や染色方法等についてのパネル解説 ②植物の色素から染まる実物の色見本

③植物の色素で染めた染織作品

染織作品について織物グループの方は,染糸とその糸で織った着物やテーブルクロス等を出品された。

* 1 美術科

「草木染の世界展」報告

植物染料の研究とそれを基にした作品制作

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私を含め染のグループは,型染めや絞り染めなどの技法を使ってタピストリーやスクリーンそれに着物 やハッピ等の作品を出品した。私は作品制作の他に,「どのような植物を使って染めるのか」「どのよう な染色方法があるのか」等解説パネルの製作に毎回四苦八苦していた。第 1 回から第 10 回までは,毎 回テーマを決め詳細な展示計画を作って取り組んだ。第 10 回までの展示テーマは以下のようなもので ある。

回数 テーマ 内   容

第 1 回 「草木と色」 草木と人間とのかかわりの中で、様々な植物が衣服素材として又,染料 として利用されてきたことを歴史や文化の視点からとらえ,実際の染色 方法などを解説パネルで紹介しその植物から染まった色を展示の中心と して出来るだけわかりやすく説明した。まずは草木染を知っていただく ことに主眼を置いた。

第 2 回 「藍」 植物染料として最も代表的な藍を取り上げ,日本や世界でどのような植 物が使用され,又どのような色が染まるのか実際に染まった色と共に解 説パネルで説明した。

第 3 回 「植物染料の赤・黄・黒」 赤・黄・黒に染まる植物染料を取り上げ,それぞれの植物からどのよう な色が染まるのかを色見本と解説パネルで説明した。

第 4 回 「世界の植物染料と日本の色」 地中海地方,インド・東南アジア,中南米,中国・日本の 4 地域を取り 上げ,それぞれの地域で使われている植物染料と,そこから生まれる色 を色見本と解説パネル等で展示・説明した。

第 5 回 「広島県の植生と植物染料」 広島県の植物分布等を参考にしながら,ひろしまの野山や草原で手に入 る植物を中心に,そこから生まれる色を展示・解説した

第 6 回 「人里の草本」 道端や空き地,河原や里山等ごく身近な場所で手に入る植物を使っての 染色と,そこから生まれる色を展示・紹介した。

第 7 回 「草木と色」 レンゲやタンポポ,マツやスギ等身近な植物を使っての染色を取り上げ, 染まった色を展示するとともに,その方法等を分りやすくパネルで解説 した。

第 8 回 「ハーブ染」 ペパーミントやローズマリー等ブームとなっていたハーブ植物を取り上 げ,それらの植物で染まる色を展示の中心にした。

第 9 回 「草木染のすすめ」 家庭で手に入るもの等,身近な染色材料や素材を取り上げ,小さな子供 たちでもすぐに取り組めるやり方などを解説した。

第 10 回 「野草で染める」 セイタカアワダチソウで染めるやり方等,野草での染色を分りやすく解 説した。

このように毎回テーマを決めて展示解説に取り組んだ。解説パネルもこちらの希望通り毎回,数多く作 成していただいた。今考えてみるととても贅沢な事であったが、第 11 回展以降はそれまでに作った解 説パネルを組み換えて使用し,足りないものについてはその都度補充をしながら展示解説した。

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植物公園展示資料館は,間口 10m 奥行 20m ほどの広さがあり作品展示や解説をするには十分な広さ である。このスペースを基本的には,解説パネル・実物の色見本のコーナーと作品展示コーナーに分け 草木染への理解が進むよう工夫した。

第 11 回以降第 30 回までは色見本や解説パネルは補充する程度であったが,第 31 回からタイトルも 現在の「草木染の世界展」に変更し展示計画全体を見直した。具体的には,これまで色見本の展示が中 心であったものを,使用する植物染料の実物(十数種類)と,アルミ,ドウ,テツそれぞれの媒染剤で 染めたスカーフを実物の植物と共に展示し,植物と色のつながりがより分かりやすいように工夫した。

Ⅲ.実技講習会の開催

第 1 回草木染展の会場で入館者の方々の反応を見ていると,こちらが丁寧に説明したつもりでもなか なか理解していただくのが難しいところがあったようだ。特に染色工程はパネル説明だけでは分かりに くい。そこで第 2 回展では「どのように染めるのか」について実際にやってみることにした。この回の テーマは「藍」であったが,最初は展示スペースの端に藍ガメを持ち込み,日曜日に時間を決めて絞り 染めなどのデモンストレーションを行った。この取り組みがとても好評で,以後毎年,期間中の日曜日 に資料館 2 階の講堂で草木染講習会として開催することになった。

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うに出来るだけやさしく丁寧に説明することはもちろん, ①講習会参加者(9 名)に染めていただくこと

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この講習会も多い時には 70 名から 80 名の参加者があり,染めていただく 9 名の方を選ぶのに苦労す ることが多い。その場でお願いするので小学生から年配の方まで年齢も幅広くほとんどが初心者の方で ある。こうした方々に染めていただくと,染色の基本をとても分かりやすく説明することが出来る。私 がやってみるよりよほど参加者の理解が進む。自分が染めなくても小さく切った色見本をプリントに貼 り持ち帰っていただくことで,ご家庭で草木染を楽しまれるときに大いに役立つのではないかと思って いる。

これまで実技講習会で使用した植物は以下のようなものである。何度も使用しているものもあれば一 度きりのものもある。3 種類の色のバランスや使用部位等を考えながら植物の種類を決めている。

草木染の世界展 実技講習会での使用植物

回数 年度 植物① 植物② 植物③

1 回 昭和 56 年度 藍染(すくも)

2 回 昭和 57 年度 クリ(樹皮) タマネギ(外皮) スオウ(幹) 3 回 昭和 58 年度 ヤシャブシ(実) ムラサキ(根) ウコン(根) 4 回 昭和 59 年度 アベマキ(樹皮) ヤマモモ(樹皮) キハダ(樹皮) 5 回 昭和 60 年度 コブナグサ(生葉) ゲンノショウコ(生葉) キク(生葉) 6 回 昭和 61 年度 ヤマモモ(樹皮) ヤシャブシ(実) アイ(すくも) 7 回 昭和 62 年度 ポインセチア(生葉) ローズマリー(葉) コーヒー(豆) 8 回 昭和 63 年度 クチナシ(実) チャノキ(葉) シャリンバイ(樹皮) 9 回 平成 1 年度 カラスのエンドウ(生葉) クスノキ(樹皮) タマネギ(外皮) 10 回 平成 2 年度 スオウ(幹) クリ(イガ) ウコン(根) 11 回 平成 3 年度 タマネギ(外皮) サクラ(樹皮) ラベンダー(花) 12 回 平成 4 年度 ログウッド(幹) コウチャ(葉) ヨモギ(生葉) 13 回 平成 5 年度 エンジュ(蕾) サクラ(樹皮) ポインセチア(生葉) 14 回 平成 6 年度 アカネ(根) ヤシャブシ(実) クリ(イガ) 15 回 平成 7 年度 ヤマモモ(樹皮) クリ(イガ) 五倍子(虫こぶ) 16 回 平成 8 年度 ビワ(樹皮) ログウッド(幹) クヌギ(樹皮) 17 回 平成 9 年度 藍(乾燥葉)

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22 回 平成 14 年度 キハダ(樹皮) ヤシャブシ(実) ヒノキ(樹皮) 23 回 平成 15 年度 カリヤス(草) アカメガシワ(葉) タマネギ(外皮) 24 回 平成 16 年度 ログウッド(幹) クルミ(果皮) ベゴニア(生葉) 25 回 平成 17 年度 インドアカネ(根) クロガネモチ(実) クリ(イガ) 26 回 平成 18 年度 藍(すくも)

27 回 平成 19 年度 クリ(イガ) スオウ(幹) マリーゴールド(乾燥花) 28 回 平成 20 年度 ビワ(葉) ナンキンハゼ(樹皮) クチナシ(実)

29 回 平成 21 年度 コーヒー(豆) セイヨウアカネ(根) ブーゲンビリア(枝) 30 回 平成 22 年度 クリ(イガ) バナナ(葉) マリーゴールド(乾燥花) 31 回 平成 23 年度 ヤシャブシ(実) キハダ(樹皮) ローズマリー(葉) 32 回 平成 24 年度 ビワ(葉) クスノキ(樹皮) ログウッド(幹) 33 回 平成 25 年度 サクラ(樹皮) クチナシ(実) インドアカネ(根) 34 回 平成 26 年度 ローズマリー(茎・葉) チャの木(葉・樹皮) スオウ(幹) 35 回 平成 27 年度 オオオニバス(葉) 五倍子(虫こぶ) キハダ(樹皮) 36 回 平成 28 年度 サクラ(小枝) クルミ(果皮) ソヨゴ(葉)

Ⅳ.作品制作

出品作品は以下のようなものである。(タイトル、素材、大きさ、内容) 第 1 回 昭和 55 年度

「遊・マンダラ」型染めスクリーン 素材・大きさ:綿・麻 複数枚数

前年のインド・ネパール研修旅行で出会った現地の人々や文物を モチーフに、旅行で感じた祈りの空間を型染めその他の技法で表 現した。

第 2 回 昭和 56 年度

「円紋」「小人のおどり」型染着物 素材・大きさ:絹・165×130

〇小さな円の中に自然の植物を連続模様として構成し藍の型染め で染色した。〇インド・ネパール旅行で出会った人物や風俗の中 から歌や踊りを取り上げ,着物の形の中に藍の型染めで表現した。 第 3 回 昭和 57 年度

「小人のおどりⅡ」型染め布 素材・大きさ:麻・300×90

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第 4 回 昭和 58 年度 「円」型染め

素材・大きさ:絹・180×180 その他

植物と幾何形体をモチーフに様々な植物染料を使い,にぎやかで華 やかなスクリーンを染めた。

第 5 回 昭和 59 年度 「桜」型染めスクリーン

素材・大きさ:絹・180 × 230

桜の樹をモチーフに,花びらが風に舞い散るさまを絹の小幅 6 枚に 染め分けた。

第 6 回 昭和 60 年度 「円紋」型染めスクリーン

素材・大きさ:絹・180×180

幾何形体の中に花や葉をモチーフにした文様を施し,さまざまな植物 染料でカラフルに染色した。

第 7 回 昭和 61 年度 「流・線」絞りスクリーン

素材・大きさ:パイン・120×75

藍絞りで括った糸の線に注目し,それを生かす極薄のパイナップル繊 維で織った布で表現した。

第 8 回 昭和 62 年度 「秋」型染着物

素材・大きさ:絹・165×130

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第 9 回 昭和 63 年度 「蘭」型染めパネル

素材・大きさ:絹・150×90

植物公園は世界的にランの栽培で知られているが,そのランの形のおもしろさ を型染めで表現しパネル作品として仕上げた。

第 10 回 平成 1 年度 「にじみとわれ」

素材・大きさ:綿・150×55 2 枚組

糊染めの弱点と思われがちなにじみと割れに着目し,その表情を作品の 中に取り込んでスクリーンとして制作した。

第 11 回 平成 2 年度 「縞」型染着物

素材・大きさ:絹・165×130

線の表情をシンプルな形の中に取り込み,着物として 制作した。

第 12 回 平成 3 年度 「不思議の森」糊染め

素材・大きさ:綿・200×60 3 枚組

深い森の中に息づく命の吐息を糊流しの方法で制作した。

第 13 回 平成 4 年度 「重」糊染め

素材・大きさ:綿・200×120

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第 14 回 平成 5 年度 「囚われの人」糊染め

素材・大きさ:綿・150×60 2 枚組

人間の意識の中にある得体のしれないもやもやとした気持ちを具体的な形の 中に表現した。

第 15 回 平成 6 年度 「内包」糊染め

素材・大きさ:麻・180×75 3 枚組

意識の中に隠れている自分の気持ちを藍染の平面作品として 造形化した。

第 16 回 平成 7 年度 「縄文」糊染め

素材・大きさ:麻・180×145(小幅 4 枚)

縄文土器の力強い形をモチーフに,糊染の持つ表現の可能性を追求し 藍染で表現した。

第 17 回 平成 8 年度 「連紋」絞り染め

素材・大きさ:綿・170×55

絞り染で生れる連続文様を板締め絞りを中心に制作した。

第 18 回 平成 9 年度 「刻 1・刻 2」糊染め

素材・大きさ:麻・180×60 2 枚組

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第 19 回 平成 10 年度 「古代Ⅰ・Ⅱ」糊染め

素材・大きさ:綿・240×90 2 枚組

布素材の特徴を生かし筒描き染めで制作した。

第 20 回 平成 11 年度 「B スペース」糊染め

素材・大きさ:茶ワタ綿・150×90

型染め用の糊を手のひらで布地につけ手の痕跡を形にした。

第 21 回 平成 12 年度 「春霞」糊染め

素材・大きさ:絹・200×90

霞のかかった広島の風景を防染糊のブロックプリントで表現作した。 第 22 回 平成 13 年度(写真なし)

「連」型染め 素材・大きさ:綿

連続する形のおもしろさを型染で表現した。 第 23 回 平成 14 年度

「喝采」型染着物

素材・大きさ:絹・165×130

たくさんの手が様々な表情を見せ拍手の音が聞こえるような情景を着物とし て仕上げた。

第 24 回 平成 15 年度 「変わり絞り」絞り染め

素材・大きさ:綿・300×110 3 枚

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第 25 回 平成 16 年度 「山・やま・山」絞り染め

素材・大きさ:綿・300×110 3 枚組

藍染の絞り作品で,様々な絞り技法で染めた布を山の形に括 り,藍染の抜染技法を使って染色した。

第 26 回 平成 17 年度 「杜の人」型染め

素材・大きさ:麻・160×37 3 枚組

枯葉や落ち葉にも命が宿ることを意識し,杜の番人を形にした。

第 27 回 平成 18 年度 「北の人」板締め絞り

素材・大きさ:綿・165×130

この年の草木染展は「藍」がテーマであったので,大胆な板締め絞りで 藍染着物を制作した。

第 28 回 平成 19 年度 「色・色・めだま」糊染め

素材・大きさ:綿布・270×90

手でこすりつけた糊の形を目玉に見立て,いろいろな植物染料の色を使ってカ ラフルな目玉を表現した。

第 29 回 平成 20 年度 「Bee」絞り染め

素材・大きさ:綿布・150×120

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第 30 回 平成 21 年度 「花嵐」型染め

素材・大きさ:絹・150×230(小幅 6 枚)

30 回の記念展でもあり,毎年 3 月に開催していることなどからこの 時期に植物公園で見ごろとなる桜の花をモチーフに,花びらが風に 舞う姿を型染めで表現した。

第 31 回 平成 22 年度 「波音」「ざわめき」型染着物

素材・大きさ:絹・165×130 2 点

植物染料(茜とログウッド)の色を生かした小紋 の型染着物と中型の浴衣を制作した。

第 32 回 平成 23 年度 「華」糊染め

素材・大胡さ:絹・200×120

楊枝のりで自由な線描きの花を描き様々な植物染料を使ってカラフルに彩色にし て仕上げたスクリーンを制作した。

第 33 回 平成 24 年度 「にぎやかな 2 人」絞り染め

素材・大きさ:綿・120×120×150 2 点

この年に参加した東広島現代美術プログラムで制作した作品のコン セプトを踏襲しながら,藍染だけではなく赤や黄色の植物染料を使 い華やかな立体作品として仕上げた。

第 34 回 平成 25 年度

「草色コンポジション」パッチワーク 素材・大きさ:綿・麻・絹・150×40 4 枚組

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第 35 回 平成 26 年度 「刻の舟」糊染め

素材・大きさ:麻・150×200 ㎝(40 ㎝幅 5 枚)

厚手の麻布を藍に染め,白抜きの模様を筒描きで抜染し,その中に スオウの赤とキハダの黄色でアクセントをつけた。

第 36 回 平成 27 年度 「内包・うごめき」筒描き染め

素材・大きさ:絹・110×45×220

薄いシルクオーガンジーの布に筒描き染めの線描きで茫洋とした心の内面を 表現した。

第 37 回 平成 28 年度

「イロ・色・キモノ」絞り染めとミシンワーク 素材・大きさ:綿・絹 着物(片身)165×130

植物染料が持つ色の広がりを表現するため,様々な色に染めた布を 15 ㎝× 15 ㎝の直角三角形に切り,色の組み合わせを検討しながらミシンで縫い着物 の形にした。染め色とその植物がわかるように呉服の世界でよく使われてい るこよりラベルに植物名を記入した。

Ⅴ.おわりに

月日の経つのは早いもので,「草木染の世界展」も今年で 38 回目を迎える。第 1 回展から 10 年ほど この展覧会の担当としてお世話いただいた林良之氏も昨年植物公園の園長となられた。展覧会開催当初 から比べると染織を取り巻く状況も大きく変わり,パソコンで作った色・柄を直接布にプリントする時 代になった。草木染は,植物採集から染料抽出,染色,媒染とその工程も複雑でとても手間のかかるも のだが,私は植物の持つ自然な色・不思議な色に魅力を感じ,今日まで植物染料の研究と作品制作を続 けている。しかし,こうした変化の激しい時代にこの展覧会をここまで続けてこられたのは,常に力強 いご支援ご協力をいただいた林園長をはじめ植物公園の方々のご協力のおかげと本当に感謝している。 何とか 40 回までは続けたいと思っている。

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「草木染の世界展」報告

植物染料の研究とそれを基にした作品制作

寺 田 勝 彦

要 旨

この報告は,昭和 55 年から広島市植物公園で続けてきた「草木染の世界展」について,展覧会開催 に至るまでの経緯や展示内容,実技講習会及び出品作品等についてその活動経過をまとめたものである。

Abstract

A Report on an Exhibition of a World of Plant Dying

−A Study on Plant Dye and its work production−

Katsuhiko TERADA

This report summarizes activities in which I have been involved at the Hiroshima Botanical Garden

since 1980 This summary includes the background of how the exhibitions on a world of plant dying were

held and the contents of the exhibitions the practical sessions and the works

参照

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