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(1)

  

Susumu KuNIMuNE

(平2年10月 11日受理)

  ‑ 1こ,

中学校数学科の指導1内容の中│で、小学校算数科での指導 との大きな違いを示す ものはt「 字の1使用」 と「 論証Jである、ということはよく指摘される。文字そのもの・の導入は小学校で 行わ│れるが、文字や文字式を形式1的に操作 して考察を進めていくことは中学校以1降での1学習の 中心をなしている。また、筋道を立てて考えることも小学校で学年進行 とともに強調さ―れるが、

いわゆる図形の論証や文字を使 うての1論証に関する学習 もまた、中学校でのその申心をなすも │である。

それにもかかわらず、中1学校数学科における指導では、図形の論証教材 とともに、文字に関 する内容、,特に文字式による論証教材を理解するのにかなりの抵抗を示す生徒が多 くみられる といわれている。その1理│は、どこにあるのであろうか‑6文字や文字式についての教材そのも のの難 しさに原因があるのであろうか、それとも指導方法が至らないのであろうか。 このよう な疑FHlが本研究の発端である。

本稿では、以上のような―問題意識のもとに、特にF文字式による論証Jについて検討する。

ところで、申学校現場での数学の学習指導を通 して、文字や文字式│に関する申学生の認知様 式とそこに見 られる文字概念の形成過程を発達的に分析 してみると、いくつかの質的に異なっ

た段階が存在するように思わ│れる。

筆者は、1987年の4月 か らグループを組んでこの1文字教材に関する問題に取 り組み、次の ような手順で研究を進めている。

1.子どもの行動を現象1的に観察 し、子どもの文字認知や文字式│による論証の理解 について の発達の様相を解1明し、発達段階を決める。

2.指導の対象になっている子どもが、1.で設定 した発達段階のどこにとどまっているの か、その実態を明らかにする。

3‐.子どもの文字認知や文字式による論証の理解についての発達を促進するための、指導内 容や指導方法を検討する│。

1、.2、 3の 手順を踏んだ研究成果を基にした授業を行 うことによつてく文字教材に関する 学力不振児の大半は救われるであろうと考えている。

本稿は、主に上記1、 2に 関するものである。

s︒

式 赫

字 ¨

文 ﹄

論 ¨

(2)

  研 究 の経過 と 目的

中学校数学科での文字式 についての指導内容 は、次の4つに分 けて考えることができる。

(1)数量 または数量の関係を文字式 によって表現すること )文字式の表す内容を読み取 ること

)文字式を計算すること

)文字式をいろいろな場面で利用す ること

この中のほ)の内容 については、 さまざまな場面での利用が考え られるが、それは大 きく次の ア、イ、 2つ の指導場面 に分 けられる。

ア「文字式による論証」 イ「方程式や関数の場面での利用」

ここで、 アは、中2や3での指導 において、文字式 による証明の問題等 について式 により 思考を進めてい く場面を指 している。

本稿では、に)のア「文字式 による論証」 にスポットを当てるが、 これは、(lX ttX O)と密接 な関連がある。文字式による証明を行 う場合 にも、 まず文字式 によって表現 し、それを計算 し、

そ してその結果を読み取 らねばな らないか らである。 したが って、「 どうして文字式 による論 証 ので きが悪 いのか」を考察す るには、(1)〜)の内容 とも関連 させなが ら考察をすすめていか なければな らない。

筆者 らは、 これまでに、(1)〜G)の内容を生徒がどのように理解 しているかについての水準を 調べ、考察を行 った。そこでは、KoM.Hartら の論文1)を参考 に し、文字の理解 に関す る調査 問題を作成 し、実施 した。そ してその結果を検討 し、い くつかの問題点を指摘 しておいた。2)

ところで、K.MoH″tらの研究では、子 どもの「 文字の解釈の しかた」 として、次の6つの種 類が挙 げられている。

 Letter evaluated (数 値化 された文字)

 Letter not used(使われない文字)

③ Letter used as an object (も のとしての文字)

④ Letter used as a specific unknown (特 定の未知 の数量 としての文字)

⑤ Letter used as a generalised number (一 般化 された数 としての文字)

⑥ Letter used as a variable (変 数 として使われる文字)

また、H″tらはこれ らの文字の使われている様子を検討 し、子 どもの「文字の理解 の過程」

を次の4つの水準に分けている。

[水I]一一―文字を、上記①、②、③ として解釈す る。

[水準 Ц]一――文字を、一貫 しては上記④、⑤、⑥ とみることはできないさ [水準Щ]一――上記④ に関 しては正 しく解釈することができる。

[水準Ⅳ]――一文字を正 しく解釈できる。

さらに、イギ リスの中学生 について、文字の理解の水準 についての実態を調査 している。

Hartらによる子 どもの「文字の解釈」 に関す る観察 は大変参考になったが、 特 に段階設定 や、段階判定のための評価問題 については、い くつかの疑間が残 った。 また、上 にその概略を 述べたように、Hartらの研究では、「文字式 による論証」 についての考察 は、対象外であった ためなのか全 くなされていない。

次 に、に)の「 文字式 による論証」 についての理解 に関 しては、い くつかの問題の解答結果や、

授業時の観察等を通 して実態を調査 し、その発達段階を設定 し、(1)〜G)との関連 について考察

(3)

した。その結果、特 に「文字式に よる論証Jについての理解度やその発達の現状 には、大 きな 問題点のあることが明 らかになった。3)

以上のような経過を踏 まえて、本稿では、次の4点を目的 とする。

1。 子 どもの「 文字式 による論証」 についての実態を検討する。

2.子どもの「文字式 による論証」 についての理解度をとらえるための、問題の違いによる 解答 のずれを検討する。

3.子どもの「文字式 による論証」 についての理解度 と「 図形の証明」 についての理解度 と の関連を検討するも

4.1〜3の結果を踏 まえて、「文字式 による論証」の指導 についての問題点を検討す る。

 研 究 の 内容

1.文字式 による論証についての理解 に関する発達段階

これまでに行 ってきた実態調査や授業時における観察の結果等を分析、検討す ると、子 ども の「 文字式 による論証」についての理解度 には、次の水準があると考え られる。

=文字式 による論証 についての理解 に関す る発達段階=

水準I〉  文字式を使わずに、具体的な数値をあげた り、 ことばで説明 しようとす る。

水準 Ⅱ〉  文字式を使 うが、不適切な使い方をする。

水準Ⅲ〉  文字式を使 って正 しく説明す る。

大浜4)によれば、 ピアジェの「段階」の使い方 は、次の3種類 に分類で きるという。第 1は、

感覚運動期、前操作期、具体的操作期、形式的操作期 という4つの大 きな段階の使 い方、第2 は、感覚運動期における6段I〜Ⅵ という使い方、第3は、実験データの分析 における段階 という使い方である。第3の場合 は段階または水準が使われ、その多 くはI〜Ⅲの3段階に分 け られる。第I段階は実験課題 に失敗、第

=段階 は部分的成功、第Ⅲ段階 は完全な成功 に対応 させ られている。

ここでの「 段階」の使い方 は、上の第3の意味での使い方である。

上 に述べた文字式 による論証 についての理解 に関する発達段階では、く水準I〉 とく水準 Ⅱ〉

との違いは、〈水準 Ⅱ〉 と く水準 Ⅲ〉 との違いに比べ るとより本質的である。〈水準I〉 では文 字の使用はみ られないが、〈水準I〉 以上では文字の使用が前提 となるか らであ り、 問題 の解 決 に当たって、文字を使お うとす るか どうかという構えに関連す る段階区分である。

2.文字式 による論証についての理解に関する調査 (1)目 

中学生の文字式による論証 についての理解 に関す る現状を明 らかにす るとともに、問題 の差 による反応の違いを明 らかにす る。

ω)方 

1)調査対象 東京都公立中学校生徒、第2、 3学年各 2ク ラス

2)調査時期 1990年6月

3)調査方法 各学年 とも同一の問題A、 問題Bを同時に与えて実施、時間制限 はしなか っ たが、だいたい25分間で終えている。

4)調査問題

(4)

問題 下の図 は、ある月のカ レンダーです。  下のわ くに囲んだように、

たてに3つ続 いて並んでいる数の和 は、 まん中の数の3倍になっています。

この ことは、 このカ レンダーのどこで もいえることを説明 しなさい。

1

[

)

問題「奇数 と奇数 との和 は、偶数である。 この ことが成 り立つ理由を述べなさい。

)結果 と考察

1)問Aについて

生徒の解答 は、次の①〜⑨のように分類できた。[例1]〜 [例11]は、生徒 の答案 そのま まである。

以下、問題の□の枠で囲まれている数のうち、例えば2、 9、 16で は、2を上 の数、

9をまん中の数、16を 下の数、 と呼ぶ ことにす る。

白紙の もの

 説明 しなさいという問題の意味がわか らず、問題文を繰 り返 し述べた り、命題 とは関係の ないことを述べているもの

 具体的な数値の例をあげて説明 しているもの

[例 1] 1+8+15=24、  3+10+17=30、  5+12+19=36    全部3倍

 まん中の数 と上の数や下の数 との差が7になっていることのみを答えているもの [例2]  たての続 いている数 は、 どれ も7ずつ下 にい くにつれて大 きくなっている。

 上の数 と下の数の和がまん中の数の2倍になっていることのみを、 ことばで説明 している もの

[例3]  上の数 と下の数をたす と、 まん中の数の2倍になるか ら

 文字を使わずに適切に説明 しているもの

[例4]  たてに並んだ3つの数のまん中の数 が 10な らば、その下 の数 は7たした17で その上の数 は、7ひいた3である。だか ら、下の数か ら7と って上の数 にた してや れば、すべてまん中の数 と同 じになる。

したが って、3つの数の和 はまん中の数の3倍になる。

例えば、16、 23、 30と 並んだ3つの数のうち、30か7ひけば、23に な り、16か 7たせば、23に なる。3つの数 とも23にな ったのだか ら、3つ の数 の和 が23 3倍になるのは当然である。

以下、⑦〜⑨の解答 は、文字を使 って説明 しているものである。

 lつの文字を使 って説明 しようとしているが、不充分な もの

[例5] 3つの中で一番小 さい整数を aと す るとたてに3つ続 いている数 の和 とい うのは

(a+7a+14a)だ といえる。

また、 まん中の数の3倍というのは (3× 7a)といえる。

(5)

̀    計算す ると a+7a+14a=21a・    3X7a=21a・ ・②

①、②か ら、 たてに3つ続いている数の和 は、 まん中の数の3倍にな っているこ とがわかる。

[例6] Xはまん中の数、15+X+29=44+X 44+Xはまん中の数の3倍になっている。

[例7] 2=Xと す ると、9=X+7、 16=X+14

X+X+7+X+14=3X+21  両辺が等 しくなるので、 どこで もいえる。

方程式 との混同がみ られる解答 もあった。

[例8] 3つ続いている一番小 さい数をXとする。

X、X+7、 X+14とおく・・① 3(X+X+7+X+14)=X+7

おきかえることができて  3X+3X+21+3X+42=X+7

9X+63=X+7  8X=56  X=7  となって① に代入す ると

7、 14、 21と なって 14× 3=7+14+21  42=42  となって、

3つ続 いている数 はまん中の数の3倍になっているといえる。

 2つ以上の文字を使 って説明 しようとしているが、不充分なもの

[例 10] (22‑7)+22+(22‐+7)=66 (a‑7)+b+(C+7)=3b

[例 11]  日ようの8、15、22を X、 y、 zと したとき、

x+y+z=y× 3 (Z‑7)+(X+7)十 y=y× 3

横がすべて7ずつあるか ら、囲 ってあるうちの下の数か ら7ひいて最初の数 にたす と、すべての数がまん中の数 と一致す るので、y× 3になる。

 文字を使 ってヽ正 しく説明ができているもの

問題Aでの①〜⑨のタイプ別の解答率は、次の表1の通 りである。

問題Aの解答率    (数 値は%)

学年\ タイプ ① ② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦ ③ ⑨ 2

3

以下、各解答 について簡単に考察す る。

ア、驚いたことに、白紙の生徒が中2で 55%、 3で47%もいた。 これ らの生徒 や② のよ う に解答 した生徒 は何がわか らないのかを考えると、その理由として次のことがあげ られる。

1つ は、「 たてに 3つ 続いている数の和」や「 まん中の数」が何をさ して い るかが と らえ られず、命題の意味がわか らないもの。次に、命題の意味はわかるが、それをどう説明 して よいかがわか らないもの。例えば、問題文の「 どこで もいえる」、とはどうい うことかがわか らなかった り、「説明 しなさい」 とい う問いかけに対 して、それをどの よ うな文章 や文字式 で表すのかがわか らない。   

今更なが ら文字式 による論証の指導の難 しさを感 じる。

イ、③の具体例を 2つ 以上あげている生徒の中には、10個も具体例 をあげた者 がいた6こ

生徒 は、多 くの例をあげることによつて説明が十分であると考えているようである。

55  14  10 47   5   4

5   0  10 10   1  33

(6)

また、説明すべ きこととは別の性質を述べている者 もいた。横やたてに5つ続 いている数 について、それ らの和がまん中の数の5倍であることを述べたり、2、 5、 8のよう等差 に なる3つの数 について、それ らの和がまん中の数5の 3倍になっている性質 に発展 させて述 べている。

このような生徒 は、帰納的な方法だけではあるが説明 しようとしているし、苦 し紛れであっ たとして もカ レンダーに潜む別の性質を発見 しているように、学習の意欲 は十分であるもの と考え られる。文字を使 っての証明 もいずれ身 につけてい くように思われる。

ウ、⑦の解答の中には、文字式を正 しく「表現」できれば正答 となると思われるものがあった。

[例5]の解答では、 まん中の数を7aとせずにa+7とすればよいのである。

[例6]の解答では、Xはまん中の数であり、具体的な22である。15+X+29=44+X

は、左辺を計算 して右辺44+Xと したものであり、その右辺 を読んで まん中の数 の3倍 あると説明 している。22か ら離れて文字Xを一般的に扱 うことができれば、正答 になる。

また、[例7]の解答 も、文字Xは2であるが、3つの数の和を計算す る際 には、 数2 は前面に出てはいない。 このような解答を した生徒 は、 もう一息で正答を得 られるであろう。

[例8]の解答では、3数X、 X+7、 X+14と置 くところまではよか ったが、 証明す べ き関係を逆転 させて立式 して しまったために、知 らないうちに方程式へと入 り込んでしまっ ている。関係式を作る際の誤りが、正 しい証明へと至らなかった理由である。なお、このよ うに関係を逆転させて立式 してしまう傾向については、最近いくつかの実態が報告されてい

る。5)

工、③の [例10]の解答 も、生徒 にとっての文字使用の難 しさを感 じさせる。 この例 は、15、

22、 29の 3つの具体的な数 については、その関係を見通 しているに もかかわ らず、 それを 文字を使 って表現す る際に、同 じ数には同 じ文字を使 うことができず、3つの文字a、b、c を使 って しまったために行 き詰 まった ものである。22‑7や22+7の 22も 同 じ文字bで されることに気付 けば、文字a、 cを使わずに表現できるわけであ り、その結果、正答 にな るものと思われる。なお、最近 このような実態に関連する報告 もみ られる。6)

上で述べた問題Aの解答①〜⑨ に基づいて、1.で述べた「 文字式による論証 につ いての 理解 に関する発達段階」 についての水準判定基準を次のように設定 した。

水準0〉  解答①、②

水準I〉  解答③、④、⑤、⑥

水準 Ⅱ〉  解答⑦、③

水準Ⅲ〉  解答⑨

l.で示 したように、文字式を使わずに具体的な数値をあげたりことばで説明 しよ うとす る段階が く水準I〉 であるか ら、③、④、⑤、⑥が これに相当する。 また、文字式を使 うが 不適切な使い方をする段階が く水準 Ⅱ〉であるか ら⑦、③が これに相当 し、文字式を使 って 正 しく説明する段階が く水準Ⅲ〉であるか ら⑨が これに相当する。

この判定基準に基づいて、問題Aの結果か ら一人 ひとりが とどまっている発達段階を調べ ると、各段階別、学年別の分布について、次の表2を得 る。

(7)

発達段階別の分布 (数値 は%)

学年\ 水準 0〉   I〉   くⅡ〉 Ⅲ〉

2 3

69    16     5    10 52     4    11    33

この表か ら、発達段階別の推移を図に表す と、次の図1を得 る。

2 0

′′        二′

´´

0

発達段階別の推移 3

以下、気づいたことを述べ る。

ア、驚 くべきことに、<水0>の生徒 は、中2で 69%、 3で52%と大変多 く、その大部 分 は白紙である。第2学年以降、図形 の論証を本格的に学習 している中3の生徒の半数強が

<水0>にとどまっているのは、重大な問題である。

イ、<水I>以下、つまり、文字 を使 って証明 しようとしない生徒 は、 中2で 85%、 3で 56%いる。 これまでの調査 によれば、 これ ら中2、 3生徒 はいわゆ る「 計算」 はよ く できる。 にもかかわ らず、文字を使お うとしない生徒が このように多数いるのである。 この ことは、中2、 3の生徒 に対 してかな り文字 に関す る指導が行われている現状を考えた場 合、その指導のあり方を再検討すべきことを示 している。

ウ、<水準 Ⅱ>以上、つまり、文字を使 って証明 しようとしている生徒 は、 中2で 15%、 3で 44%いる。 このように、文字を使 って証明 しようとす る傾 向 は、学年 があが るにつれ て強 くな り、 また、申3ではその多 くが<水準Ⅲ>に達 している。 このことは、 式 の計算、

方程式、関数 など一連の文字を使 った学習の成果であるとともに、図形の論証での学習の成 果を示 しているものと思われる。

2)問Bについて        ´

生徒の解答 は、次の①〜⑩のように分類できた。

 白紙のもの

 具体的な数値を 1つ だけあげているもの   [例 1] 1+3=4

 具体的な数値を2つ以上 あげているもの [例2]1+1=2 3+3=6 5+5=10

 言葉で説明 しているもの

[例3]  奇数を2でわると1余る。両方の奇数が1余るので、その1どうしをた して2に する。

以下、⑤〜⑩の解答 は、文字を使 って説明 しているものである。

 2つの奇数や偶数を共 にnとす るもの

[例4]  奇数をnとすると、n+n=2n

[例5]  奇数をn+1とす ると、n+1+n+1=2(n+1)

(8)

2つの奇数をn+1、 n+3とす るもの

[例6]奇 数をn+1、 n+3とす ると、n+1+(n+3)=2(n+2)

[例7] (n‑1)・ (n+1)=2n

2つの奇数を共 に2n+1とす るもの

[例8]  整数をnとすると、奇数 は2n+1と表せる。

だか ら、(2n+1)+(2n+1)=2(2n+1)

2つの奇数を2n+1、 2n+3とす るもの

[例9]  整数をnとすると、奇数 は2n+1、 2n+3と表せ る。

だか ら、(2n+1)十 (2n+3)=2(2n+2)

[例10](2n‑1)+(2n+1)=4n

2つの奇数を2文字、例えばm、 nで表 して説明 しているもの

[例11] 2つの偶数をm、 nとす ると、2つの奇数 はIn+1、 n+1と なる。

だか ら、(m+1)十 (n+1)=m+n+2 m+nは偶数だか ら、rn+n+2も偶数である。

よって、奇数 と奇数 との和 は偶数である。

2文字を使 って、正 しく説明がで きているもの

問題Bでの①〜⑩のタイプlllの解答率は、次の表 3の 通 りである。

問題Bの解答率     (数 値は%)

学年\ タイプ ① ② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦ ③ ⑨ ⑩ 2

3

54   1   3   6   4   0 34   1   1   0   5  15

21 2

以下、各解答 について簡単 に考察す る。

ア、②や③の解答のように、具体的な数値をあげて命題の意味を確認す ることは大切である力ヽ それだけにとどまっていたのでは、文字式を使 っての証明を学習 している申2以降 としては 不十分である。なお、[例2]のように、具体例を2つ以上 あげている生徒 の多 くは、 同 じ 奇数 どうしの和を示 している。 また、中には10個以上の例をあげている生徒 もいた。  

イ、④のように解答 した生徒 は、奇数、偶数の数 としての構造 はとらえている。指導者の適切 な助言により、文字を使 っての証明が可能 になるであろう。

ウ、⑤のように解答 した生徒 は、「 奇数」 とい う漢字の代わ りに「n」 とい ぅ文字 を使 ったに 過 ぎないようである。[例4]では、左辺のn+nを計算 して右辺が2nとな ったのか、 奇 数をn、 偶数を2nとして命題の文章そのものを文字を使 って表現 したのかは、不明である。

工、⑦のように解答 した生徒は、文字式を運用 して証明 しようとする態度がみ られる。[例8]

では、式「(2n+1)+(2n+1)」 の解釈 には、2通り考え られる。 1う は、この式は、

同 じ2奇数の和を表 していると考えるもの。 もう1つ は、 この式で、

前半の2n+1にn=1を代入すると、2n+1=3

後半 の2n+1にn=3を代入す ると、2n+1=7

とな り、前半の2.n+1と後半 の2n+1の式 の値 は同 じとは限 らないか ら、 この式 は異な 2奇数の和 も表 していると考えるものである。

(9)

1つの式の中で使われる同じ文字は同じ数を表 していることがとらえられていない。

オ、③の [例 9]の解答では、式「(2n+1)+(2n+3)」 の解釈に、 2通 り考えられる。

1っは、 この式は、任意の2奇数の和を表 していると考えるもの。 もう1つは、連続する2 奇数の和を表 していると考えるものである。

力、⑨の解答でようやく2文m、 nの使用がみられる。[例11]では、証明の過程で「偶数 と偶数との和は偶数である」 ことが証1明なしで使われている。だが、文字式を使 っての奇数 表現ができるようになればヽ正解を得られるであろう。

なお、⑨や⑩のように2文m、 nを使 って解答 した生徒の中には、その本来の意味をと らえずに答えた、記憶再生型のもの│がいることに注意する必要が,ある。

上で述べた問題Bの解答①〜⑩に基づいてt「文字式による論証についての理解に関する発 達段階」についての水準判定基準を次のように設定 した。

[水0]解 答①

[水I]解 答②、③、④

[水準Щ 解答⑤、⑥、⑦、③、⑨

[水準Ⅲ 解答⑩

この判定基準に基づいて、問題Bの結果か ら一人ひとりが止まっている発達段階を調べると、

各段階別、学年月1の分布について、次の表 4を 得る。

4 発達段階別の分布 (数値は%)

学年\

2 3

この表から、発達段階別の推移を図に表すと、次の図 2を 得る。

3

0

´L″´´´       、、、

)、

0 I

発達段階別の推移 以下、気づいたことを述べる。

ア、[水I]以下、つまり、文字 を使 って証明 しようとしない生徒 は、申2で 64%、 3で 361

%いる。 この割合 は、中2、 3でかな り文字 に関す る指導が行われている現状を考えると 好 ま しいもので はないが、問題Aよりは良 い結果である。

イ、[水準 Ⅱ]以上、つまり、文字を使 って証明 しようとした生徒 は、中2で 36%、 3で64

%おり、中3のほうが よい。だが、今回の調査では、[水準 Щ]に達 して い る生徒 の割合 は 2のほうが多か った。その理由として、申2生徒 にとつては証明すべ き命題 の学習後 まも

ないこと、逆 に、中3生徒 はF連続す る2つの奇数の2乗の差は、3の倍数 になる」 とい う 命題 の学習後 まもないことがあげられ る。 また、指導者の指導の重点の差 もあろ う。

54   10   15   21 34    2   62    2

2

(10)

3.問題の違いによる解答のずれの検討

前項2。 では、子 どもの文字式 による論証 についての理解の様相 について、問題Aと問題B

それぞれの結果を通 して検討 した。 この項では、 この2つの問題間における、一人 ひとりの子 どもの反応の関連 について検討す る。

1問A、 Bは共 に、文字式 による論証に関す る問題である。 このA、 Bそれぞれを解答す る にあたっては、ふつ う、文字を使 って説明 しようとする前 に、い くつかの具体的な数値 につい て、命題が主張することの意味を帰納的に確かめるであろう。そ して、ある数量を文字を使 っ て表現 し、それを使 って計算 し、変形 した結果である式の意味を読み取 って命題の正 しいこと を説明する。 このように、問題A、 Bに答えるには同 じ形式の思考を必要 とするが、 この2つ の問題 に対する一人ひとりの子 どもの解答の間には、文字を使おうとしたかどうか という点 に ついてずれが生 じる。

1.で述べた「文字式 による論証 についての理解 に関す る発達段階」のどこに一人 ひ とりの 子 どもがとどまっているかを知 るためには、適切な評価問題が必要である。筆者 は、 問題A、

Bがそのような問題 として位置づけられるものと考えているが、解答を分析 しその子 どもが と どまっている段階の判定を可能にす るためには、 ピアジェのいうデカラージュの概念 に関連 し た子 どもの理解の様相を調べる必要がある。デカラージュd6calageは 、「 ずれ」7)、 ぁ るい は

「 引きうつ し」8)と訳 される。

ピアジェによれば、「認知発達 は一様な仕方で進行す るものではな く、 内容領域 に応 じてか なリデコボコが存在 している6同じ発達段階内部で も、早 くその段階の思考構造を用 いること のできる分野 もあれば、それをなかなか用い られないでいる分野 もある。」9)と い う。 これを 水平的デカラージュと呼ぶが、 このような現象 の存在 は、 ある子 どもがある発達段階 に達 した と規定 した時で も、その子 に同一の操作を必要 とするすべての課題が「 その内容に関係な く同 じように上手 に解決できると軽 はずみに推論 して はな らない、 とい うことを意味J。 して い る。

では、文字式による論証に関する問題Aと問題Bについてはどうなのであろうか。

ここでは、前項2.で独立 に検討 した問題A、 Bについての子 どもの解答を、特 に文字 を使 お うとす るかどうかについて同 じ形式の思考が行われたかどうかを中心に、課題の特殊性を も 考慮 して分析する。そ して、R。 ケイスの指摘する「 普通の環境下で課題を経験する頻度の差、

課題 に伴 う基本的操作の固有の困難度の差」1つ  やその他の要因によって、 問題Aの反応 と問 Bの反応 との間にどのようなずれが生 じるのかを検討することがね らいである。

(1)調査結果

2つの問題A、 Bに対する子 どもの反応のずれを検討するために、カ レンダーについての間 Aによる発達段階<水0>〜 <水準 Ⅲ>を横軸 にとり、2奇数の和 についての問題Bに :発達段階 [水0]〜 [水準 Ⅲ]を縦軸にとって、第2、 3学年生徒の分布の様子を2次 元の表 にしたものが、それぞれ表5、 6である。

次 に、文字を使お うとしたかどうかをとらえやす くするために、表5、 6で、問題A、 B

それぞれについて、水準 0と 水準 Iに いる生徒の割合を合計 し、水準 Ⅱと水準Ⅲにいる生徒の 割合を合計 して2行 2列の表を作 ると、次の表7、 8を得 る。 これ らの表で も、表5、 6

と同様、横軸 には問題Aで文字を使お うとしたかどうかをとり、縦軸 には問題Bではどうであ るかをとってある。

(11)

2学年生徒 の分布 (数値 は%)   表 6

[Ⅲ]

[II]

[I]

[0]

69 12 6 7 44

21 15 10 54

[Ⅲ] [Ⅱ ]

[I]

[0]

10   100 33   100

0     0     2

2     10     30

1     0     0

1       1       1

0〉   I〉   〈Ⅱ〉  Щ〉   0〉  I〉  〈Ⅱ〉  Ⅲ〉 

2学年生徒 の分布(数値 は%)

文字を使 う 文字を使わず

23     13 62      2

使わず 使 う )結果の考察

ア、問題A、 Bともに文字を使 って説明 しようとした生徒 は、中2で13%、 3で42%

と少ないが、その割合 は学年が上がると多 くなっている。一方、中2では、全体 の2/3の

生徒が、両問題 とも文字を使お うとしていない。

文字学習の早 い時期 に、文字を使 うことの有用性をとらえさせ る必要がある。

イ、問題の違いによつて文字を使 うか どうかに差が現れるか という点については、中2、 3 とも、全体の約.3/4の生徒が問題Aと問題Bとに対 して同様の反応を している。 つ ま り、

全体の3/4がA、 Bともに文字を使 ったか、 ともに使わなか ったという反応であった。あ る生徒が文字を使 うか どうか という構えには、かな りの一貫性がみ られるといえるであろう。

なお、表7、 8を作 るもとになった4分割表 について χ2̲検定を行 うと、 第2学年生 徒の分布 についてはχ2̲11.42、 3学年生徒 の分布 についてはχ2=27.29であることか ら、

いずれの場合 もp<0.005で有意である。

ウ、文字を使 って説明 しようとしたか という点 に関 して、問題A、 Bの解答の間に反応のずれ がみ られたかどうかについては、中2、 中 3と も、全体の約1/4の生徒が、2奇数の和 に ついての問題Bでは文字を使 ったが、カ レンダーについての問題Aでは、文字を使お うとし ていない。

その理由としては、まず、問題Bはどの現行教科書で もとりあげられてお り、生徒 は何等 かの形で この命題の文字を使 った証明に触れたことがあるという経験の差のためではないか ということが挙 げられる。つまり、問題Bの解答 にあたっては、記憶再生型で も正答を得 る ことがで きるためではないか と考え られる。 また、問題Aはカ レンダーという日常生活 に直 接かかわる問題であ り、それにたい して問題Bは純然たる数学の問題であるとい うこともそ の理由として考え られる。つまり、カ レンダーが日常的であるために数学の道具である文字 を使お うとしなか ったのではないか ということである。あるいは、問題Bの命題は無限個の 要素 に関す るものであるが、問題Aの命題 は有限個の要素 に関するものであ り、完全帰納法 によって も説明が可能なために、文字を使お うとしなか ったのであろうか。 あるいはまた、

3学年生徒の分布(数値 は%)

44 100

文字を使 う 文字を使わず

22     42 34     2

使わず 使 う 3学年生徒 の分布(数値 は%)

(12)

問題Aは、問題Bに比べ ると、問題に述べ られている命題の意味を帰納的にとらえることが やや困難であるために、命題その ものの意味をとらえ られず、その結果文字使用 にまでは至 らなか ったのであろうか。

文字を使 って説明 してみようという態度を養 うことが望 まれる。

工、 ウの場合 とは逆 に、問題Bでは文字を使わなか ったが、問題Aでは文字 を使 った生徒が、

2、 中 3と も2%ずつ、わずかではあるがいる。 これ ら4名の生徒 については、調査後面 接によってその解答の意味を問 うたところ、4名の生徒全員が、「 問題Bでは何 を答 えれば よいかがわか らなか った」 と言 っている。問題Bでの命題があまりに自明のことだか らであ ろうか。 また、 このうちのある生徒 は、「 問題Aは数字が問題文の中にあるのでできると思 っ てや ったが、問題Bは全部が数字な しの言葉で述べ られているために初めか らで きないもの と思 った」 と言 っている。身近な場面か ら離れ、数学の舞台に向か っただけで、大 きな抵抗 感を示 している。

命題が述べていることの意味をきちん ととらえさせ ると共に、命題が正 しいことを証明す ることに対す る抵抗感を少な くするような配慮が大切であろう。 これにつ いては、図形での 論証の指導 も合わせて考える必要がある。

4。 図形の証明との関連

本稿では文字式の論証 に焦点を当てているが、中学校での論証の指導の中心 は、何 といって も図形でのそれである。では、図形の性質等を演繹的な推論によって考察す るという学習経験 は、文字式 による論証の学習にどのような影響を及ぼすのであろうか。

ここでは、「文字式 による論証」 についての理解度 と「 図形の証明」 についての理解度 との 関連を検討す る。そのために、問題A、 Bそれぞれの解答 と次の問1題Cの解答 との関連を調べ、

子 どもの論証能力についての実態を検討す る。 ここで使われた問題Cは、図形 の論証の学習の 初期によ くとりあげ られる基本的な証明問題の 1つ である。

(1)調査方法

調査対象 は、上記問題A、 Bについての対象生徒の うちの第3学年生徒である。

調査 は、問題A、 Bについての調査1週間後 に、約10分間で実施 した。

調査問題

問題 右の図のように、線分ABとCDと 交わ っている。

A=∠C、 AE=CEの とき、

AD=CBで あることを証明 しなさい。

(a 調査結果

問題Cの結果 については、 それだけを独立 して扱わず、問題A、 Bそれぞれの結果 と関連付 けなが ら述べることにする。

問題Aの解答 と問題Cの解答 との関連をみるために、カ レンダーについての問題Aによる発 達段階<水0>〜 <水準Ⅲ>を横軸 にt問Cについての解答を縦軸 にとって、中3生徒の 分布の様子を2次元の表に した ものが、表9である。 ここで、問題Cについての解答 は、正答 (◎)、 解答 したが正答ではない )、 自紙 の3段階 に分類 してある。 また、 問題Bの解答 と 問題Cの解答 との関連をみるために、2奇数の和 についての問題Bによる発達段階 [水0]

(13)

[水準Ⅲ]を横軸に、問題Cについての解答 である。

1表 9 Aと

Cとの関連 (数値 は%)

4

×

白紙

7 2 2

% 0〉   I〉   くⅡ〉  Ill〉

(◎、×、自紙)を 縦軸にとつたものが、表10

10 BとCと の関連 (数値は%)

34     2    62

白紙

14    0   47    2 4    0    4     0 16    2   11    0

% [I][Ⅲ ]

問題A、 Bそれぞれと問題Cとの解答の関連をとらえやす くす るために、表9、 10で 問題A、 Bそれぞれについて段階0と段階 Iに いる生徒 の割合を合計 し、段階Iと段階Ⅲにい

る生徒の割合を合計 したものを横軸 にとり、問題Cについて正答である (◎)か、正答ではな 、 自紙)かを縦軸 にとって2行2列の表を作 ると、次の表11、 表 12を 得 る。

1l AとCとの関連 (数値 は%) 12 BとCとの関連 (数値 は%)

正答 正答でない

14     49 22      15

使わず  使 う

44

正答 正答でない

63 37

使わず  使 う

G)結果の考察

ア、全体の63%の生徒が、「図形の証明」 の問題Cで正答を得ている。 この割合を表8の結果 と比べてみると、問題Bで文字を使 って証明 しようとした生徒の割合にほとん ど一致 す る。

問題Bで文字を使 ったが問題Cでは正答を得 られなか った生徒 と、問題Bでは文字を使わな か ったが問題Cでは正答を得た生徒の割合 は、 ほぼ同 じである。同 じことを問題Aと問題C

の解答 についてみると、問題Aで文字を使わなか ったが問題Cでは正答を得た生徒の割合の ほうが多い。

なお、 これ らの表を作 るもとにな った4分割表 について χ2̲検定を行 うと、A、 Cの 連の分布 についてはχ2=8。71、 また、B、 Cの関連の分布についてはχ=12.97であること か ら、 いずれの場合 もp<0.005で有意である。

イ、表 11か らわかるように、問題Aで文字 を使 った生徒の多 くは、問題Cでも正答 を得 てい る。 また、文字を使わなか った生徒であって も、その うちの半数が問題Cで正答を得ている。

生徒にとって、図形の証明問題、特 に三角形の合同条件を適用する問題 は難 しいというこ とはよ くいわれるが、それよりも問題Aのように、帰納的に確かめそれを文字を使 って証明 す ることのほうが抵抗 は大 きいようである。文字を使 って証明 してみようという態度の育成 が望 まれる。

ウ、表 12か らわかるように、約半数の生徒が、問題Bで文字を使い、 問題Cで も正答 を得 て いる。 このように、問題Bでの文字使用 と問題Cで正答を得 ることとは関連が強いと考え ら れるが、問題Bも問題Cも ともに教育現場での指導内容 として位置付 けられていることがそ

表 2  発達段階別の分布  (数 値 は %) 学年\ 水準 〈 0〉   〈 I〉   くⅡ〉   〈 Ⅲ〉 中 2 中 3 69    16     5    1052     4    11    33 この表か ら、発達段階別の推移を図に表す と、次の図 1を 得 る。 中 2 0 Ⅱ Ⅲ ′′                 二′ ´´ 0 Ⅱ Ⅲ 図 1  発達段階別の推移中3 以下、気づいたことを述べ る。 ア、驚 くべきことに、 &lt;水 準 0&gt;の 生徒 は、中 2で 69%、
表 5  第 2学 年生徒 の分布 (数値 は %)   表 6 計 [Ⅲ ] [II] [I] [0] 6912 6744 21151054 [Ⅲ ] [Ⅱ ][I][0]10   100計 33   1005 0 3 8 2 2 2 46   30     0     22     10     301     0     01       1       1 く 0〉   〈 I〉   〈Ⅱ〉   く Щ〉 計   弓 〈 0〉    〈 I〉    〈Ⅱ〉    〈 Ⅲ〉   計 表 7  第 2学

参照

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