長 崎大学工学部研 究報告 第32 巻 第59 号 平成
14年
7月 85鋼板 お よびcF シー トで補強 され たRC は りの
2次元弾塑性F E解析
松 田 浩 *1 崎 山 毅*1 林 山 豊
*2平 場健太郎
*3佐野 正
*4岳尾 弘洋
*42D elasto‑plasticFEanalysisofRC beamsstrengthenedwithbondedsteel platesandCFsheets
by
HiroshiMATSUDA*ITakeshiSAKIYAMA*]YutakaHAYASHIYAMA*2 KentaroHIRASHIMA*3 MasashiSANO*4 KouyouTAKEO*4
BondedsteelplatesreinforcementandbondedCFsheetsreinforcementareadoptedforrepalnngandstrengthening ofdeterioratedconcretestructures.Ⅰnthisstudy,twodimensionalnon‑linearFEanalysISOfRC beamsstrengthenedwith bonded steelplatesorbonded CF sheetswere carried out.Taking epoxy resin in FE modelinto consideration
,
delaminationofexperimentalresultscouldbesimulated.1
まえが き
コ ンク リー トは従 来 か ら鋼 に比べ 耐\ 久性 に優 れてお り,劣化 の ない メ ンテナ ンス フ リーな材料 といわれて いた.本来, コ ンク リー ト構造物 は設計 ・施工計 画が 適切 で適切 な管理下 で施工 され た ものであれば,耐久 性 を十分 に発揮 し社会 的使 命が終 わ る まで機能が失 わ れ る もので はない.
しか し, この20 年 の間 に海岸付 近 の塩害 に よる コン クリー トの劣化 か ら始 ま り,下水 道 関連施設 の コ ンク リー トの劣化,融雪剤 によるコンクリー ト床版 の劣化, 鉄 筋 の腐 食膨張 に よる コ ンク リー ト片 の剥落 な ど,厳
しい環境 下 だけで はな く通常 の環境 下での コ ンク リー ト構 造物 の耐 久性 に対 す る信頼性 が問題視 され る よう になって きた. また, これ まで に建設 されて きた多 く の コ ンクリー ト構造物 は耐用年 数 に達 し補修 の段 階 を 迎 えてお り, さらには,昨今 の 自動 車交通車両 の大型 化 と交通量 の増加 に伴 ない,既設 道路橋 の コ ンク リー
ト床版 を補修 ・補 強す る必 要 に迫 られてい る.
コンクリー ト構造物 の防食 ・補修 ・補強技術 として, 鋼 板 や繊 維 強化 プ ラスチ ック
(FRP), 高 強度 ポ リマ ー
コンク リー ト薄板 な どを補 修 ・補 強材 と して用 いた多 くの工法が考案 され る とともに,それ らの耐荷性 能が 実験 的 に検討 され てい る.
筆者 らもこれ までポ リマ ー含浸 コ ンクリー ト
(poly一 merImpregnated Concrete:以 後
pICと略 記 ) 製 薄板 を
曲げ引張縁 お よび 曲げ圧 縮縁 に設 置 した
RCは りを製 作 し, ひびわれ発生 か ら破壊 に至 る までの弾塑性挙動 について実験 お よび解析 に よ り検 討 を行 って きた【 1 卜
[5】.pIC
薄板 と
RC部 材 の接 合面 は
pIC板 表 面 を粗 面仕 上 げ してい るため,実験 で も接 合部 か らのは く離 は生 じ なか った. したが って,解析 において も完全付 着状態 と仮 定 してF
EM解析 を実 施 した.FEM解 析 結 果 は実験結 果 を よ くシ ミュ レー トで きる こ とが確認 された.
一方 , 鋼板 や炭 素繊 維 シー ト ( 以 後
cFシー トと略 記 ) を接 着 した
RCは りの載荷 実験 で は,接 合 面 で は
平 成
14年
4月25日受理
*
'構造 工学科
(DepartmentofStructuralEngineering)*2
大学 院博 士前期課程環境 システム工学専攻
(GraduateStudent
,°ept.ofStructural Engng.)*3横 河 ブ リッジ ( 秩) ( 研 究 当時: 長崎大学大学 院博士前期課程学生)
*4シ ョーボ ン ド建設 ( 秩 )
86
松 田
浩 ・崎山 毅 ・林山く柾が生 じることが確認 されている【6】【7】【81.
本研 究 は,種 々の補強材 を用 いて
RC
は りを補 強す る場合の最適補強設計法 を確立することを最終 日的 とし, まず鋼板 やCFシー トを接着 したRCは りの載荷実 験 を2次 元FEM解析 に よ りシ ミュ レー トす る こ とを 試 み た ものであ る.FEM解析結果 は載荷実験 をよ く シ ミュ レー トで きることがわかった.
2 銅板 を接着 した
RC
はり 2.1 曲げ載荷実験2.1.1 実験概要
鋼板接 着 に よ り補 強 された
RC
は りの力学的性 質 を 明 らか にす る こ とを目的 と して曲げ載荷実験【7】が実 施 された.図‑1に供試体形状寸法,秦 ‑1に供試体 の諸元, また表‑ 2に使用材料の物性値 を示す.供試 体 は図 ‑1に示す ように,2(氾×250×21(氾mm (スパン長:1900m )である.
供試体 は
RC
は りの曲げ引張縁 に鋼板 をエポキ シ樹 脂 で壊 着 させた ものであ り,秦 ‑ 1
に示す ようにRC
部 材の曲げ引張縁 に接着 された鋼板の厚 さお よび溝着長 が異 なってい る. また,比較 の基準 となる無補 強RC
は りも含 まれている.表 ‑
1
の供試体呼 び名で,N
は比較 の基準 となる無 補強RCは り,pお よびpsはRCは りの曲げ引張縁 にエ ポキシ樹脂 にて鋼板 を接着補強 したRC
は りを示す.psシ リーズの供試体 は, 曲げモー メ ン トが最大 と なる載荷点直下 よ り支点方向へ は り高 さの1.5倍 (250
×1.5‑375m )の長 さを定着長 とし,鋼板接着全長 を 9(氾mmとした.
pシ リーズの供試体 の鋼板接着長 は, コ ンクリー ト の圧壊時 まで鋼板端部で剥離 を生 じなかった過去の実 験結果【6】よ り定 めた.す なわち, は り高200m ,幅
100mm , スパ ン長1500mm のRCは りに長 さ14(氾mm,
幅5仇肌 の鋼板 を定着 して曲げ載荷 を行 った実験 を参 考 に した もので, コンクリー トの圧壊時 に も鋼板端部 で剥離 を生 じなかった.鋼板補強供試体 の うちps‑1お よびp‑1は,N‑2に主鉄筋1本分 に相当す る断面積の鋼 板 を横 着 している. したが って鋼材量 は
N‑ 1
と同量で ある. また,pS‑2お よびp‑2は主鉄筋2本分 に相 当すA‑A'断面 図
図‑
1
供試体概略図 (単位 :帆 )豊 ・平場健太郎 ・佐野 正 ・岳尾 弘洋
る鋼板 を接着 している.
表‑ 1 供試体諸元
供試体
呼 び名 ∫(mm) ∫鋼板(mm)(ss40f,0()N/mm2) SD295 f主 鉄 筋,(N/mm2) 備 考
N 1 ‑ ‑ ‑ 3D16 337 無補強RC梁
N2 ‑ ‑ ‑
PS‑1
PS‑2 990000 42..35 243 2Dl6 銅板 の剥書あり P‑1
P‑2 18(X) 2.3 銅板の封書なし
義‑2 材料物性値
エポキ シ
樹脂 圧縮強度(N/mm2) 引張強度(N/mmZ) 引張せん断強度 弾性係 数(N/mmZ) (N/mm2) 82.3 56.0 15.5 2390
鋼材 鋼材種類 引張強度 降伏強度 弾性係 数 (N/mm2) (N′mm2) (N/mmZ) 鉄筋D16 483 337 1.76×105 鋼板t‑2.3mm 435 243 I.93XlO5 鋼板t‑4.5mm 434 285 1.93×105
コンクリー ト 圧縮強度(N/mm2) 引娠強度(N/mm2) 弾性係数(N/mm2)
2.1.2 実験結果
ps供試体 の場合 ,初期 ひびわれの発生位置 はスパ ン中央付近であったが,荷重が増加する と鋼板先端の
RC
は り下縁 に も曲げひびわれが発生 した.鋼板先端 に発生 したひびわれは荷重の増加 に伴 って進展 し,斜 めひびわれを形成 しスパ ン中央付近のひびわれ よ りも 早い時期 に圧縮域 に達 した.鋼板 は,斜めひびわれの 進展 中に鋼板端部付近の約200m の範囲で コンクリ‑(a)PS‑1(鋼板剥離時)
■(b)PS‑2(鋼板剥離時)
(C)P‑1(破壊時)
(d)P‑2(破壊時 ) 図‑2 ひびわれ発生状況
鋼板お よびcFシー トで補強 されたRCは りの2次元弾塑性FE解析
ト面か らは く離 した.
pシリーズの供試体の場 合, 曲げモーメ ン トが最大 となるスパ ン中央付近で初期 ひびわれが発生 したのち, 鋼板の降伏 ,主鉄筋の降伏,上縁 コンクリー トの圧壊
に至 る曲げ破壊のプロセスを示 し,鋼板のは く離は見 られなかった.
図‑2(a)‑(d)にPSllおよびt'S‑2供試体 における鋼端 部では く離が発生 した時点でのひびわれ状況,お よび p‑1お よびp‑2供試体の圧壊時 におけるひびわれ状況 を 示す. 同図 よ り,psシ リーズの供試体 においては, 鋼板端部 に発生 したひびわれはスパ ン中央付近 に発生 したひびわれ よ りも進展が早 く,鋼板がは く離 しない pシリーズの供試体の場合 とは異 なったひびわれ進展 状況 を示 している.
2.2 FEM解析 2.2.1 解析 モデル
供試体
N
シリーズお よびpシリーズの解析モデルは, 構造系 お よび載荷条件が左 右対称 である ことか ら1/2 モデルを採用 した. また,供試体psシリーズに関 して は鋼板 のは く離が片端部か ら発生 したので,その こと を考慮す るため全体 モデル を用 いて解析 を行 った.2 次元弾塑性解析 を行 な うために, コンクリー トを8節 点平面 ひずみ要素,鉄筋 を8節点平面 ひずみ リバー要 莱,鋼板 お よびエポキシ樹脂層 を8節点平面応力要素 でモデル化 した【9】.荷重載荷 は荷重制御型 の弧長増 分 を与 えた.作成 した解析モデルの一例 として.PS‑2 のメ ッシュ分割図 を図‑ 3に示す.150
l . . A . ‑ ‑
‑ ■■‑ ■■■■■●■‑ ‑‑ .‑.+.TILITIL■■■‑l l
‑■ ‑‑● ‑‑ . ‑ ‑ . ‑ ‑ ‑ l
図‑ 3 メ ッシュ分割図(ps‑2)(単位 :
孤 )
2.2.2 構成則
本解析 に用 いた構成別 を図‑ 4に示す .RCは りの 非線形解析 を行 うにあた り,鉄筋 とコンクリー トの構 成別 を適切 に定める必要がある.本解析 に使用す る構 成別 について, コンクリー ト,鋼板お よびエポキシ樹 脂の構成別 は材料試験結果 を参考 として作成 した. ま た,鉄筋の構成別 においては,RCは りの ひびわれ発 生後 における鉄筋 とコンクリー トの平均応力 ‑平均 ひ ずみ を算定する解析 プログラムを用いて鉄筋 とコンク リー トの平均応力 ー平均 ひずみ関係 を算定 して作成 し た【10卜 【131.平均応力 ‑平均 ひずみ関係 を作 成す る
87
プログラムの フローチ ャー トを図‑ 5に示す. また, 平均応力 ‑平均 ひずみ を算定す る場合,引張鉄筋の有 効断面積が大 き く影響す る.本解析 では次式(1)よ り 有効断面積 を算定 した【14】.
h‑ ‑吾 ・ db
・Jf(
TtnuF
JN)LF填(TuuJN)〜 :
竣50001000015000
ひ ず み(×106)
(a)鉄筋
5000
1
000015000ひ ず み(×106)
(C)鋼材
(StuuJN)L
F
竣 0000LL'432‑20000 200040006000
ひ ずみ(×106)
(b)コンク リー ト
LL505ll
(T.tnutJN)LF世
2500 5000 7500
ひ ずみ(×106)
(d)エポキ シ樹脂 図‑ 4 構成則
図‑5 平均応力 ー平均 ひずみ関係算定 フロー 2.2.3 解析結果
図‑ 6に実験お よび解析結果 における荷重 ‑スパ ン 中央のたわみ関係 を示す.同図(a),(b)よ り,無補強RC は り (Nシリーズ)お よび鋼板のは く離が ないの場合 (pシ リーズ) において,本解析結 果 は実験 結果 とほ ほ‑敦 している こ とが わか る. また, 同園 (C),(d)に 鋼板 のは く離が生 じたps
l l
,PS‑2供試体 の荷重 ‑スパ88
松 田 浩 ・崎 山 毅 ・林 山
ン中央 のたわみ関係 を示す.実験 では,鉄筋降伏 とほ ぼ同時 に鋼板 のは く離が生 じた.
図
一 6(C
),(d)において,解析① は鋼板 とコンクリー トを完全付着 と して,鋼板が は く離 しない と仮定 した 場合の解析結果であ る.同図 よ り,鋼板が は く離す る までの実験結果 とよ く一致 しているが,は く離後 の実 験結果 と異 なる.解析② は鋼板 のは く離 を考慮 した場 合の解析結果であ る.同図 よ り,樹脂層 をモデル化す るこ とによって鋼板 のは く離が解析 的 にシ ミュ レー ト で きることが わか る.なお,解析 ではは く離が急速 に 進展 して計算が終 了 した.
(N
q)輔轄5 1015202530
たわみ
(mm)(Zq)糊轄
5 1015202530
たわみ
(mm) (a)無補 強
RC梁 (b)銅板 の剥離な し
(Nq)糊軽
5
1015202530たわみ
(mm) (C)鋼板 剥稚 あ り
(d)鋼 板剥離 あ り
(PS‑1) (PS‑2)
図
‑ 6荷重 とたわみの関係
図
‑ 7に鋼板 は く離時 における
PS‑2の解析結果での 変形状況 図 を示す.同図 よ り,鋼板端部付近のエ ポキ シ樹脂層 で はせ ん断変形が生 じていることがわかる.
(a)
鋼 板 接 着 部
(b)鋼 板 端 部 図
‑ 7変形状況図 ( 変形量 は
2倍 に拡大)
3
炭素繊維 シー トを接着 したRCは り
3.1曲 げ載荷実験
3.1.1
実験概要
cFR
P接 着工法 に よ り曲げ補 強 した曲げ破壊先行型 のRCは りを用 い,載荷 時 のせ ん断スパ ン比 と炭素繊 維 シー ト補 強量 を変化 させ た曲げ載荷試験が実施 され た
【8】.秦‑ 3に実験供 試体 の諸元 , 図
‑8に実験 供
豊 ・平嶋健太郎 ・佐野 正 ・岳尾 弘洋
試体の概略図 を示す.
表
‑ 3に示す実験パ ラメー タと各試験体の破壊形状, ひびわれ状況 を考察す ることによ り,各種破壊パ ター ンの分類 と補強効果 について検討 を行 った.実験供試 体 は無補強RCは り, また炭素繊維 シー トを 1層 ,2層,
3層 と補強量 を変化 させた もの, さらに,炭素繊維 シー
トを 1層貼付 した供試体 のせ ん断スパ ン比 を変化 させ た もの,計 7体作成 した.
表
‑ 4に実験供試体 に使用 した材料の物性値 を示す.̲」 A
図
‑ 8供試体概略図 ( 単位 :
mm)表
‑3供試体諸元
供試体呼名 補 強量 せ ん断 スパ ン せ ん断 スパ ン比a(mm) a/d
easel無 補 強 1∝ 巾 4.4
case2 1層
case3 8(X) 3.56
case4 7(X) 3.ll
case5 550 2,44 case6 2層 1㈱ 4.44
表
一4材料物性値
CFシー ト 引(N/張 強度mm2) 設計厚 さ(mm) 弾(N/性係mm2数) (日付 量g/mm2) 3.48×103 0.167 2.30×105 3
0 0
鉄筋 お よび呼 び名鉄筋の種類 降(N/伏 強度mm2) 弾(N/性係mmZ数) SD295,D13 356 2.0×105
コ ンク リー ト 引(N/張 強度mm2) 圧 縮 強 度(N/mm2) 弾(N/性係mmZ数) 供試体の種類 2.65 31.3 2.35×10一 casel
,
2,3,43.1.2
実験結果
無補 強供試体
caselは,鉄筋降伏後 にコ ンク リー ト が圧壊 す る一般 的 な曲げ破壊性状 を示 した.cF シー
トで接 着補 強 され た供 試体
(case2‑ case7)は, 秩 筋降伏後 も
cFシー トが引張力 を負担 し
, caselと異 な
る破壊性状 を示 した.
図 ‑ 9
(a)〜(g)に載荷 実験 後 の各供 試体 の ひびわれ
分布 を示 す . なお
,cFシー トを接 着補 強 した供試体
は,CF シー トの片 面 が全面剥離 した時点 で載荷 を終
えている.剥離面 はすべ て表層部の凝集破壊であった.
鋼板 お よびcF シー トで補 強 され たRC は りの
2次 元弾 塑性F E解析
せ ん断 スパ ン比 が小 さ くな る と, ひびわれ性状 は 曲 げ ひびわれ か ら曲げせ ん断 ひびわれ‑ と移行 して い る こ とが わか る. また,せ ん断 スパ ン比 が2.
44の供 試体 におい て, かぶ りコ ンク リー トが多 く欠落 してい る こ とに よ り, ビーム作 用 の消失 が うかが え る.
また
,cFシー ト補 強 量 を多 くす る こ とに よ り, 曲 げせ ん断 ひび わ れ が 多 くな って きてお り,cF シー ト の補強効果 に よって実験 体 の 曲げ剛性 が上 が り,せ ん 断破壊 モー ドに移行 してい る こ とが わか る.
(a)casel
( b)
case2(C)case3
J
̲.J
E j : ‑ . ( 土 日. 比 ま
a
̲ 一 一 . ■ ▲
( d)
case4(e)cases
一 ユ
/;,,:./,' i l i ⊥ i ′■ t l \ 止、1l LL
(∫)case6
(g)case7
図
一 9ひび割 れ分 布
89
3.2 FEM
解 析
3.2.1
解 析 モデル
供試体 は構造系 お よび載荷 条件 が左 右対称 であ るが,
CFシー トの剥 離 を考 慮 す る ため全 体 モ デ ルで解 析 を 行 なった. コ ンク リー トを
4節 点平 面 ひず み要素 で, 鉄筋 を
4節 点平 面 ひずみ リバー要素 で,CF シー トお よ びエ ポキ シ樹 脂 層 を
4節 点平面応 力要素 でモ デ ル化 した[
91.荷重載荷 は荷重制御 型 の弧 長増 分 を与 えた.3.2.2
構 成則
本 解 析 で用 い た構 成 別 を図 一
10(a)‑(d)に示 す . 前 節 で述べ た よ うに, コ ンク リー トお よびcF シー トは 材料試験 結果 を参考 と し,鉄筋 につ い ては平均 応 力 ‑ 平均 ひず み 関係 を算 出 して作成 した.
(a.u tu JN
)Et塩(a.t n uZ
JN)LF垣(Z.u,U,JN)LF竣琴叶E3=200000
ひずみ(× 106)
<鉄筋>
音 旦
邑〜=3 1 00
ひずみ(×106)
< コンク リー ト>
(a)ca5e1‑ 4
(EutuJN)〜:竣
ひずみ(× 106)
<鉄筋> ひ ずみ (×1016)
<コ
ン
ク リー ト>(b)caSe5‑ 7
(ztLZtuh()や
垣
引張ひずみ(× 10‑6) ひずみ(×10‑6)
(C)
炭素繊維 シー ト
(d)エポキシ樹脂 図
‑10構 成則
3.2.3
解析結 果
図
‑11にcase1‑7の実験 お よび解 析 結 果 にお け る 荷 重 とスパ ン中央 の た わみ の関係 を示 す .
(a)図 はCF
シー トの有無
,(b)図 はせ ん断 スパ ン比
,(C)図 はCF シー ト接着枚 数 に注 目 して比 較 した ものであ る.
図
‑12(a)よ り,無補 強 のRC は り
(casel)の解析 結 果 は実験 結果 と耐 力 も変形 能 もよ く一致 してい る.
また, シー ト補 強 した
case2の は く離 までの解 析 結
90
松 田 浩 ・崎 山 毅 ・林 山
果 は,耐力 はほぼ実験結果 と一致 してお り,変形能 は 少 し小 さ くな ってい る. 図 ‑
ll(b)のせ ん断 スパ ン比 を変化 させ た解析 結果 も
,cFシー トが は く離 す る ま では,耐力 も変形能 もほぼ実験結果 と一致 している.
CF
シー トの接 着枚 数 を変化 させ た図 ‑
ll(C)の解析結 果 は,実験結果 と比べ る と,耐力 は少 し大 き く,変形 能は小 さ く評価 されている.本解析結果 よ り
,cFシー トが は く離す る までの実験結果 をシ ミュ レー トで きて いることが わか る.
なお,解析 にお いては
,cFシー トの ひず み は破 断 ひずみ に達す る前 に,載荷点直下近傍 のエ ポキシ樹脂 層 の要素が収束せず に計算が終了 した.実験 において ち,載荷点直下近傍 で まず
cFシー トの は く離が生 じ, さらに支点方向 には く離が進行 し破壊 に至 っている.
CF
シー トを接 着 して補 強 した
RCは りにおいては シー トのは く離が終局限界状態 とみ なせ るので,本解析 で
(Nq
)叫轄 2
0901
0063t J 実験 l 解析 …
case2
解析 ca
se2尖験 c
asel解析0 10 20 30 40
たわみ
(mm)(a)case1,2(補強有無での比較)
209060301(Zq)
叫 轄
l l/‑,′c■lase5解析 一一一■
/ ′‑
‑′
‑二一 C
舶 ec‑一‑g Er解C 鮎e 5尖
′
′
∫
, /̲
cas
e4尖教
.,'実験 ‑
CaBe3実験
0 10 20 30 40
たわみ
(mm)(b)case3
,
4,5(せん断スパ ン比での比較)2
09060‖リ (E3t )側
轄l 実験‑l caSe7解qr,‑.case6解析解析一一一‑‑
/∫̲ e6実験 ..,3. c一●a一se2 折 CaSe2リさ政
0 10 20 30
たわみ
(mm)(C)case6,7(シー ト接着枚数での比較)
図
‑11荷重 とたわみの関係
皇 ・平嶋健太郎 ・佐野 正 ・岳尾 弘洋
も計算がス トップ した時点で十分である と考 え られる.
4
考察および まとめ
本研 究 で は,鋼板 お よび
cFシー トな どの補 強材 を 接 着 した
RCは りの力学 的挙動特性 を調べ るため に実 施 された実験結果 を弾塑性FEM解析 によ りシ ミュ レー シ ョンす ることを試みた.本研究成果 は以下の ように まとめ られる.
1
.鋼板 を接着 した
RCは り
(a)
接着層 であるエポキシ樹脂層 を解析モデル に取 り入れることに よ り,鋼板 がは く離す る まで をシ ミュ レー シ ョンす ることがで き
た.(b)
鋼板 を接 着 した
RCは りで は,鋼板 の は く 離 は支点側の端部か ら発生 した.解析 で も 実験 と同様 に舘板 の支点側 の端部がせ ん断 変形 していることが示 された.
(C)
は く離が生 じた供試体 の ひびわれ発生 ・進 展状況 は,実験結果 とほぼ同 じような結果 が解析 で も得 られ,鋼板端部付近か らせ ん 断 ひびわれが発生 していることが認め られ る.
(d)
鋼板 を接 着 した
RCは りで は, は く離 の発 生 は鋼板 の接着長 に依存 してお り,接着長 が長 くなれば,は く離 は生 じない.本解析 ではは く離が生 じなか った供試体 に対 して は完全付着の仮定の下で解析 したが,実験 と同様 に接着長 に依存す ることを確認す る ため後 日再計算す るこ とに している.
2.CF
シー トを接着 した
RCは り
(a)
接着層 であるエ ポキ シ樹脂層 を解析 モデル に取 り入 れ る こ とに よ り
,cFシー トが は く離す るまで をシ ミュ レー シ ョンす ること がで きた.
(b)CF
シー トを接着 した
RCは りでは
,cFシー
トの ひずみが破 断 ひずみ に達す る前 に,戟
荷点直下近傍 のエポキ シ樹脂層 の要素が収
束せず に計算が終了 した.実験 において も,
載荷 点直 下近傍 で まず
cFシー トの は く柾
が生 じ, さらに支点方向 には く離が進行 し
破壊 に至 っている.鋼板接着の場合 とはこ
の点 が異 な ってい る.
CFシー トを接 着 し
て補 強 した
RCは りにお いて は シー トの は
く離が終局限界状態 とみ なせ るので,本解
鋼板 お よびcF シー トで補 強 されたRC は りの
2次元弾塑性FE 解析
析 で も計算が ス トップ した時点 で終 了 して 十分 と考 え られ る.
(C)cF
シー ト補 強 の有 無 , せ ん断 スパ ン比 を 変 化 させ た場 合 , お よびcF シー トの接 着 枚 数 を変化 させ た場 合, いず れ もの場 合 も 本解析 に よ り実験 結果 をシ ミュ レー トす る
こ とがで きた.
3.RC
は りの構 成則
RC
は りの非線 形 解 析 を行 うにあ た り,鉄 筋 と コンク リー トの構成別 を適切 に定 め る必 要が あ る.本研 究 においては, コ ンク リー ト,鋼板 お よびエ ポキ シ樹脂 の構成別 は材料試験結果 を採 用 した.鉄 筋 の構 成 別 は,RC 部材 の‑軸 引張 部材 モデルか ら算 出 した ひびわれた鉄 筋 コンク リー トの平均 応力 ‑平均 ひずみ関係 を算定 して 作成 した. また,平均 応力 一平均 ひずみ を算定 す る場 合 , 引張 鉄 筋 の有 効 断面 積 は式 ( 1 )に よ り決定 した. この ように して構 成別 を定 めて, 非 線 形
FEM解 析 を実 施 す る とほ ほ実 験 結 果 をシ ミュ レー トで きる こ とが確認 され た.
5
あ とが き
本研 究 で は, 鋼板 お よびcF シー トな どの補 強材 を 接 着 したRC は りの弾 塑性FEM解 析 は実験 結 果 を よ く シ ミュ レー トで きる こ とが示 され た.今後 ,種 々の材 料特性 を もつ補 強材 を接着す る場 合 も,あ らか じめ解 析 に よ りは く離荷重 を推定す る こ とに よ り,最適 な補 強設計 がで きる もの と考 え られ る.
最後 に,本研 究 の数値解析 は出水 享君 ( 長崎大学大 学 院修士課程 ) に協 力 して戴 きま した. ここに記 して 謝意 を表 します.
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