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論文の内容の要旨 氏名:秋

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Academic year: 2021

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論文の内容の要旨

氏名:秋

専攻分野の名称:博士(医学)

論文題名:延髄内側梗塞27例における臨床的研究

延髄内側梗塞(medialmedullaryinfarction:MMI)は全脳梗塞の約1%と少なく、梗塞と反対側の運動麻痺 と深部覚低下、同側の舌下神経麻痺を特徴とする古典的Dejerine症候群が有名であるが、眼振、顔面神経 麻痺、表在覚低下といった症状を呈することも報告されており、多数例での検討を行った報告は多くはな い。今回、自施設におけるMMIの症候および梗塞範囲との関連、原因について後方視的に検討した。

対象は199831日から20151031日までに当科に入院した患者のうちMRIで延髄内側に急 性期の梗塞を認めた患者とした。梗塞範囲は腹側、中間、背側領域に分けた。梗塞の原因は大血管アテロ ーム性動脈硬化、心原性塞栓症、小動脈病変、そのほかの原因による急性脳卒中、原因不明の 5つに分類 した。

解析期間内に急性虚血性脳卒中で入院した 2,727例のうち27(2788)に延髄内側を含む急性期梗 塞が確認された。梗塞範囲は片側延髄内側が17例、両側延髄内側が1例であり、MMIに橋梗塞合併が6 例、小脳梗塞合併が2例、延髄外側梗塞合併が1例みられた。初回MRIで梗塞が同定されなかった例は6 例にみられ、発症から66時間後のMRIでも病巣が同定されなかった例もみられた。発症から24時間以 内に10例にMRIが施行され、うち3例は初回MRIで梗塞が同定されなかった。

症候は梗塞と対側の肢の運動麻痺が25例と最も多かった。表在覚である触覚の低下が12例、痛覚の低 下が10例、深部覚である振動覚の低下が20例中6例にみられた。舌下神経麻痺は梗塞と同側に1例、対 側に3例みられた。古典的Dejerine症候群の3徴を呈したのは1例のみであった。水平方向での梗塞の大 きさと症候との関連についてKruskal-Wallis検定を用いて検討したところ触覚低下、痛覚低下、振動覚低 下のある群で有意差があることが示された。多重比較(Bonferroni補正:有意水準0.017)を行ったところ触 覚低下(p=0.002)、痛覚低下(p=0.002)、振動覚低下(p=0.007)のいずれも、延髄腹側に限局した群より延髄 腹側から延髄背側まで梗塞が拡大していた群でこれらの症候が有意に多かった。梗塞の原因は大血管アテ ローム性動脈硬化によるものが 11 例と最も多かったが、そのほかの原因による急性脳卒中(いずれも動脈 解離)5例にみられた。年齢と梗塞の原因との関連についてKruskal-Wallis検定を行ったところ、5群間 で有意差があることが示され、多重比較(Bonferroni補正:有意水準0.005)ではそのほかの原因による急性 脳卒中と原因不明であった群の間で有意差がみられ、年齢の中央値が低かったそのほかの原因による急性 脳卒中とそれ以外の原因で、Mann-Whitney U検定(有意水準0.05)を行ったところ、そのほかの原因によ る急性脳卒中によるMMIは有意に若年であった(p=0.006)

本研究ではMMIは発症早期ではMRIでの病巣検出率が脳梗塞全体に比して低く、若年者のMMIでは 動脈解離によるものが多かった。症候学的には古典的Dejerine症候群は少なく、肢の麻痺は最も高率に出 現する症候であるが、表在覚や深部覚障害を生じている例では梗塞範囲が腹側から背側まで拡大している ことが示された。

参照

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