Fukushima Medical University
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Title
慢性・長期的健康問題をもつ子どもと家族の日常生活と
社会資源の活用 : 福島県内在住者を対象として
Author(s)
鈴木, 千衣; 横山, 由美; 及川, 郁子; 平林, 優子; 田村, 佳士 枝; 川口, 千鶴; 小原, 美江; 石井, 由美
Citation
福島県立医科大学看護学部紀要. 7: 13-24
Issue Date
2005-03
URL
http://ir.fmu.ac.jp/dspace/handle/123456789/50
Rights
© 2005 福島県立医科大学看護学部
DOI
Text Version
publisher
Bulletin of Fukushima School of Nursing
.資料.
慢性・長期的健康問題をもっ子どもと家族の日常生活と社会資源の活用
一福島県内在住者を対象として一
鈴 木 千 衣
1)横 山 由 美
2)及 川 郁 子
2) 平 林 優 子
2) 田 村 佳 士 枝
2)川 口 千 鶴
3)小 原 美 江
4) 石 井 由 美
5)The Daily Lives of the Children with the Chronic Condition and their Families and the Utilization of the Social Resources in Fukushima
Chie SUZUKI 1) Yumi YOKOYAMA 2) Ikuko OIKAWA 2)
Yuko HIRABAYASHI 2) Kashie TAMURA 2) Chizuru KAWAGUCHI 3)
Yoshie OHARA 4) Yumi ISHII 5)
1
.はじめに
慢性・長期的健康問題をもっ子どもたちは,以前は長 期にわたって入院生活を送らざるを得なかった.しかし 現在は,近年のめざましい医療の進歩と子どもたちの
QOL向上の意味から,入院期間は短縮傾向にあり,外 来での通院治療をしながら, 日常生活を送る子どもが増 えてきていると思われる.そうした子どもたちは,服薬 や自己注射などといった医療的処置を実施したり,さま ざまな制限を強いられたりする. さらに,家族にも多様 な影響を及ぼすために,子どもや家族の状況に応じた個 別的,組織的な対応が必要である1)
し か し 筆 者 ら の 調 査2)では,慢性・長期的健康問 題をもっ子どもたちゃ家族への退院時の病院側の対応 は,医療的処置に対する技術的な指導や緊急時の対応等 に留まり,それ以外の支援が十分なされていない現状に あった. さらに,こうした子どもたちやその家族の退院 後の支援においては 家庭ー学校(地域)‑病院の連携 の必要性を医療者は認識しているにもかかわらず3) そ の連携はなかなか進んでいかない現状にある4) 5)
こうした家庭‑学校・地域‑病院の連携を図っていく ためには,子どもや家族の住むそれぞれの地域の特性や ニーズを把握しその地域にあったネットワークシステ
1 ) 福 島 県 立 医 科 大 学 看 護 学 部 生 態 看 護 学 部 門 小児看護学
領 域
2) 聖路加看護大学看護学部 3) 自治医科大学看護学部 4) 千葉県立子ども病院 5) 元千葉大学附属病院
ムを確立していく必要があると考える
今回の調査では,福島県内に住む慢性・長期的健康問 題をもっ子どもや家族の家庭や学校での生活状況や利用 している社会資源の現状を明らかにし今後の支援の方 向性を
f
食言すした.尚,ここでいう社会資源とは「慢性・長期的健康問題 をもっ子どもや家族が 日常生活を送る上で支援となる 機関・人・制度等」と定義する
n.
研究方法
調査対象は, A病院(福島県内においては、小児慢性 特定疾患の治療を行う主要病院である)の外来に通院す る慢性・長期的健康問題をもっ子どもとその家族である 子どもについては,認知的な発達を考慮、して, 10歳以上 を対象とした
調査は質問紙法で、行った.質問紙はあらかじめ慢性・
長期的健康問題をもっ子どものケアに関する文献検索を 行い,それを元に質問紙を作成した.その内容は,まず 家族に対しては, 1) 家族の状況. 2) 子どもが自宅お よび自宅以外の学校や職場で必要としている医療的処置 について. 3) 子どもの生活状況. 4) 社会資源等の利 用状況である
子どもに対しては. 1) 日頃の体調の管理. 2) 学校 key words : children with chronic disease, family, social resource
キーワード:慢性疾患児,家族,社会資源、
受付日:2
004. 10. 18受理日:2
004.12. 3および職場での生活,周りの協力状況等である
研究者らは,外来の待ち時間を使って,研究目的と調 査方法等について,説明文書を手渡しながら口頭で説明し た.尚,子どもに対しては, まず保護者に子どもに依頼す ることの同意を得た上で 子ども本人に同様に説明を行っ た。そして,同意の得られた子どもと家族に質問紙と返送 用の封筒を直接手渡した そ の 際 本 研 究 へ の 協 力 は 自 由 であり,診療に影響がないこと 質問紙は無記名であるこ
と,発表等における匿名性の保持について説明を行った 回 収 は 子 ど な 家 族 そ れ ぞ れ 個 別 郵 送 と し た . 尚 , 本 調査については,大学の倫理委員会の審査を受けている
データ分析は,それぞれの項目について基本統計量を 算 出 し 自 由 記 載 に つ い て は 内 容 分 析 を 行 っ た .
ill.
結 果
1
.対象の背景
家族への質問紙の配布数は213,回収数は 1 3 0 ( 61 . 0%),
表 1 子どもの病名
病 名
豆
, じ
豆
a、 1 '
笠事 庁 生 物 '
1 婁 1 '
生 d、 し 疾
ベ、
自, ヱ '
1
要1 '
空腎 疾 , 串 、 ‑ "
内 分
泌疾
d、 串 , じ
糖 尿 病
日
出 d息
血 友 病 等 血 液 疾 患 神 経 ・ 筋 疾 患 先 天 性 代 謝 異 常 運 動 機 能 障 害
免疫 不
全そ の ほ か
複 妻 女 回
A'仁~今!鉦
回
えI二ん1うち福島県内在住者は 126名 ( 5 9 . 1%)であった.質問 紙 の 記 入 者 は 母 親
113名,父親
9名,両親
1名,祖母 3 名であった.
対象となった保護者の子どもの性別は,男児が58名 , 女 児5 1名 , 無 回 答1 7名 . 子 ど も の 平 均 年 齢 は8 . 2歳 (
sD = 5 . 5 ) で あ っ た . 子 ど も の 疾 患 は , 悪 性 新 生 物22名 (17.5%), 慢 性 心 疾 患1 8名(14.3%), 慢 性 腎 疾 患1 5名 ( 1 1 . 9%) が多かった(表 I参照).平均発症年齢は4 . 3歳
(S D =4 . 8 ) . 入院経験は98名 (77.8%) がもっていた.
1
から
5回が多いが,中には十数回から 30回に及ぶケー スもあった さらに
l年以内に入院経験のあるものは48 名 (48.9%) であった.
子どもへの質問紙の配布数は 7 6,回収数は3 5 ( 4 6. 1 % ) , うち県内在住者は34名 (44.7%) であった.平均年齢は 1 3. 4 歳 (SD
=2 . 5 ) で あ っ た 男 子 女 子 そ れ ぞ れ1 7名 (50.0%) ,小学生,中学生はそれぞれ1 2名 (35.3%),高 校生は
7名 (20.6%),有職者
2名 (5.9%),無回答は l 名であった.
n
=126 人 数(%)
22 ( 1 7 . 5 )
1 8 ( 1 4 . 3 )
1 5 ( 1 1 . 9 )
6 ( 4 . 8 )
5 ( 4 . 0 )
4 ( 3 . 2 )
4 ( 3 . 2 )
4 ( 3 . 2 )
3 ( 2 . 4 )
3 ( 2 . 4 )
2 ( 1 . 6 )
28 ( 2 2 . 2 )
1 0 ( 7 . 9 )
2 ( 1 . 6 )
2.
慢性・長期的健康問題をもっ子どもを抱える家族 の状況(保護者の回答から)
患児の世話を主にしている(複数回答)のは,母親が
73
名
(57.9%), 父 親
4名
(3.2%),祖母
6名
(4.8%)であった.その他に子どもの世話をしている人というこ とで挙げられた家族メンバー(複数回答)としては,母 親
47名
(37.3%),父親
45名
(35.7%),祖母
39名
(31 .
0%)であった.子どもの世話を主にしている家族メンバーの 年齢は,
30歳 台
59名
(46. 8 % ) ,
40歳 台
39名
(31 .
0%)で あ っ た . 職 業 は 専 業 主 婦 ( 主 夫 )
62名
(49.2%),パー ト の 仕 事 を し て い る も の
31名
(24.6%),常勤
19名 ( 1
5.1% ) で あ っ た . 健 康 状 態 と し て は
116名
(92. 1
%)が 「 良 好 」 と 回 答 し た
同居家族の平均人数は
5.23人
(SD =1 .
5)であり,¥
4人 以 上 」 と 回 答 し た も の が
112名
(88.9%)で , ¥祖父」
と 同 居 し て い る と 答 え た も の は
49名
(38.9%), ¥祖母」
と同居しているものは
62名
(49.2%)であった.
3 . 子どもたちの医療的処置の必要性と生活の自立状 況(保護者の回答から)
自 宅 で 必 要 と す る 医 療 的 処 置 数 は ¥
1つ」とするもの は
75名
(59.5%).¥なし
J33名
(26.2%). 12つ 」 が
16名(1
2.7%)であった.その内容として多かったのは.1服 薬
J81名
(64.3%). 1吸 入
J12名
(9.5%に「自己注射」
8
名
(6.3%)であった(表
2参照).医療的処置の頻度 は「服薬」については,
1日
1回が
76名
(93.8%, n
= 81),それ以外は必要時であった. 1 吸入」は「必要時の み」が
10名で,残りの
2名は
11日数回」であった.
1自 己注射」はほとんどが
1日
1回であった.
自宅以外で必要な医療的処置としては, ¥なし」が
118名
(93.7%)で , ¥ある」としたものの内容は,
1服薬」
3 名,その他「経管栄養J.
1吸入J.
1血液透析J.
1自己 注射」に
1名ずつであった.
生 活 の 行 動 の 自 立 状 況 は 「自立または年齢相応」と す る も の が 食 事 に つ い て は
95名
(75.4%),排 j 世に関し ては
93名
(73.0%), 清 潔 面 は
85名
(67.5%), 運 動 機 能
91
名
(72.2%),コミュニケーションは
90名
(71 .
4%)で あった(表 3 参照)
•子どもの生活状況は,
1小 学 校 」 に 通 学 し て い る も の は ,
53名
(42. 1 % ) , ¥保育園・幼稚園」が
17名(1
3. 4 % ) ,
「中学校
J11名
(8.7%), ¥高校全日制
J8名
(6.3%に
「高校その他
J5名
(4.0%),養護学校
2名(1
.6%),
1該 当なし」が
22名
(17.5%)であった.働いていると答え て い る も の は い な か っ た が 「無回答」が
3名いた.集 団生活上,困難なこと,配慮、を要することが「ある」と
表
2自宅で必要とする医療的処置 n
= 126処 置 人 数(%)
月 民 薬
81 (64.3)吸 入 12 ( 9.5)
白 一 」
寸 Y王
射 8 ( 6.3)そ の
ほか
6 ( 4.8)市 歪
F目e;栄 養
4 ( 3.2)吸
ヲ │
2 (l .
6) 1夏 膜透 析
2 (l .
6)正メ<¥・ 主昆主己
切 開
1 ( 0.8){、元~
腸
1 ( 0.8)な
し 32 (25.4)(複数回答)
表3 生活行動の自立状況
生 活 行 動 自立および 器具か装具 年 齢 相 応 あれば自立
食
事 95 (75.4) o ( 0.0)担
ド i
世 92 (73.0) o ( 0.0)J
青 ア{M 糸 85 (67.5)運 動 91 (72.2) 1 ( 0.8)
コミュニケーション 90 (71.4)
答えたもの35名 (35.0%). 1ないJが56名 (56.0%).無 回答9名 (9.0%)であった.その困難・配慮の内容と しては「感染予防J.I子どもの体力的問題J.1運動制限J.
「学校側の無理解」等が挙げられていた
4.社会資源の利用状況(保護者の回答より) 現在利用している機関・人的資源が「なし」と答える ものが45名 (36.0%)いた. 1ある」と回答したものの うち. 1専門医J43名 (34
. 1
%). 1親族J25名 09.8%).「近所の開業医J16名 02.7%).1学校職員J14名 (1
1 .
1%).「療育センターJ.1インターネット」がそれぞれ13名
(10.3%)と多かった(表 4参照)
現在.1利用していて困っている機関・人的資源」が「な い」と答えているものが110名 (87.3%)であり.1ある」
とした具体的な資源は「療育センターJ4名.1専門医」
3
名.1ボランティアJ2
名,そのほか「緊急一時的預 かり施設J. 1児童館J. 1学童保育J. 1学校職員J. 1患者 会メンバー」をそれぞれl名が挙げていた.その理由と しては.1療育センターJ.1病院(専門医)Jについては,「自宅からの遠さJ.I待ち時間の長さJ.I主治医が変わる」
が挙げられていた.
また,利用したくても利用できない機関‑人的資源が
「なし」とするものは116名 (92.1%)であった.1ある」
とした資源はJ緊急一時的預かり施設J4名J保育園J,
「ソーシャルワーカー」各2名.1保健センターJ.1デイ ケア施設J.1児童館J.1学童保育J.1療育センターJ.1学 校職員」等が挙がっていた.その理由としては.1緊急 一時的預かり施設J. 1理学療法士」については. 1近く にないJ. 1受け入れてもらえないJ. 1学校職員」ゃ「養
n
= 126一 部 援 助 全 面 依 存 無 回 答
7 ( 5.6) 9 ( 7.1) 15 (11.9) 4 ( 3.2) 11 ( 8.7) 18 (14.8) 11 ( 8.7) 13 00.3) 16 (12.7) 9 ( 7.1) 6 ( 4.8) 19 05.1) 年齢的に遅れあり 特 定 の 人 の み
20 05.9) 13 (10.3) 3 ( 2.4)
人数(%)
護教諭(以下,養教)Jについては「信頼しているが,
病気のこととなると どこまで、頼って良いのかわからな いJ.1 (養教に対して)子どもが聞きに行くのに. (保健 室に)入りづらいJといった理由が挙げられていた.
現在利用している社会制度としては.1小児慢性特定 疾 患 治 療 研 究 事 業 」 が50名 (39.7%).健康保険43名
(34.1 %).児童手当27名 (2
l .
4%)が多かった(表5参
A病院の外来受診する頻度は月 l回が80名 (63.5%) で,交通手段としては114名 (90.5%)が自家用車を使 用していた.病院までの所要時間は57名 (45.2%)が30
分以内で. 1時間以上を要するものは21名 06.7%)で あった.
このほかに,家族のうち23名が、要望等を挙げる自由 記載の中で意見をあげてきた.その内容を分析すると,
〈病院のシステムに関するもの>. <医療者の対応に関す るもの>. <相談できる場の必要性>. <診療システムに関 するもの>. <情報提供に関するもの>. <医療費制度に関 するもの〉に分類できた(表
6
参照).そのうち6
割の 家族が挙げていたのは く病院のシステムに関するもの〉であり,具体的には「待ち時聞が長いJ.1病院の環境に ついてJ.1土日でも診察してほしい」であった
5.子どもの健康管理と学校での生活状況 (10歳以 上の子どもたちの回答から)
質問紙調査に回答した子どもたちの疾患は,慢性腎疾 患が10名 (29%).糖尿病が
4
名 02%).悪性新生物3名 (9%)が多かった.
今回調査場所となった病院のある市以外から通院して
表
4社 会 資 源 の 利 用 状 況 n
= 126機 関 ・ 人 人
数(%)機 関 ・ 人 人
数(%)な し
46 (36.5)作 業 療 法
士 3 ( 2.4)寸宙ず F
う 医
43 (34.1)患 者 会 メ ン バ ー
3 ( 2.4)親 族
25 (19.8)ボ ラ ン テ イ ア
3 ( 2.4)近 所 の 開 業 医
16 (12.7)巴 よ 童 相 同 炎 所
2 (1 .
6)子λI4, 校
職
貝 14 (11.1) 子戸4一童 保 育
2 (1 .
6)療 育 セ ン タ ー
13 (10.3)地 域 の 保 健 師
2 (1 .
6)イ ン タ ー ネ ッ ト
13 (10.3)デ イ ケ ア 施 設
1 ( 0.8)新 聞 等 メ デ ィ ア
12 ( 9.5) 石~話
目中談
1 ( 0.8)保 健 セ ン タ ー
11 ( 8.7) ノ!日レ童 館
1 ( 0.8)友 人
11 ( 8.7)ソ ー シ ャ ル ワ ー カ ー
1 ( 0.8)保 育 園
7 ( 5.6)栄 養
士 1 ( 0.8)養
五菱教
ー日。
ム目
7 ( 5.6)緊 急 一 時 預 か り 施 設
o ( 0.0)外
来看 護 師
6 ( 4.8)保 育 マ マ 制 度
o ( 0.0)近 隣 者
5 ( 4.0)訪 問
ザ主主4ー来 設
o ( 0.0)病
棟看
目菱師
4 ( 3.2)訪 問 看 護 ス テ ー シ ョ ン
o ( 0.0)理
ナ且ι療 法
士 4 ( 3.2)民 生
ヲ牙ミて員
o ( 0.0)千 百 祉
事務 所
4 ( 3.2)保 健 推 進 委 員
o ( 0.0)寸宙ナ F可 三Eヨ主 4 ( 3.2)
ホ ー ム ヘ ル パ ー
o ( 0.0)そ の 他 機 関
4 ( 3.2)ベ ビ ー シ ッ タ ー
o ( 0.0)(複数回答)
表
5利用している制度 n
= 126制 度 人 数(%)
)日l; 慢' '性 50 (39.7)
健 康 保 険
43 (34.1)) 日い
童 手 当
27 (21.4)児 童 扶 養 手 当
24 (19.0)身 体 障 害 者 手 帳
13 (10.3)特
r疋'‑疾 串 , 、 , 己
12 ( 9.5)知 的 障 害 者 手 帳
8 ( 6.3)z円k
成 医 療
6 ( 4.8)1 :
ー の ほ か
12 ( 9.5)(複数回答)
*小児慢性=小児慢性特定疾患治療研究事業
*特定疾患=特定疾患治療研究事業
いた子どもは
18名で そのうち近くの医院や診療所に行 くことがあると答えているものは
9名
(50.0%)であっ た.
現在の体調について「とても良い
J20名
(58.8%),
1少 し良い
Jl O 名
(29. 4 % ) , 1 少し悪い
J4名
(11 .
8%)であっ た . 病 気 に よ る 制 限 が 「 あ る 」 と す る も の は
14名
(4
1 .
2%),
1ない」が
15名
(44. 2 % ) ,
1わからない」が
4名,無回答
1名であった.また.1体調が悪くなったとき,
自分でわかるか」という質問には「わかる
J29名
(85.3%)で,体調が悪くなったときの対応について,
1よくわかっ ている」と答えたものが
10名
(29. 4 % ) ,
1少しわかって いる
J18名
(52.9%),
1全 然 わ か っ て い な い 」 が
5名 ( 1
4.7%)であった.また 学 校 行 事 な ど に 合 わ せ て 体 調を整えることができるかという質問には, 1 できる」
27
名
(79.4%)であった.
病気の管理に関するセルフケアについては,
1できる」
が
24名
(70.6%),
1できない
J2名
(5.9%),
1わからな い
J4名
(11 .
8%),無回答
l名であった.
A
病 院 へ の 受 診 頻 度 は
11か月
1回
J11名
(32.4%) が多く,次に
11ヶ月に
1回以上
J,
1決まっていない」
が各
5名(1
4.7%),
12 ‑3ヶ月に
l回
J4名(11.
8%)であった.受診時,学校(職場)はどうしているかとい う質問には,
13名
(38.2%)が「休む」と多く.1学校(職
場 ) が 休 み の 時 に 受 診
Jが
11名
(32. 4 % ) ,
1(受診)後 で行く」が
9名
(26.5%)いた.
学校や職場で病気のことを知っている人について尋ね た結果,
31名
(91 .
2%)が「いる」と答え,その内訳(複 数回答)としては,担任教師(以下,担任
)25名
(73.5%), 養 教 が
21名
(61 .
8% に 友 人
20名
(58.8%)と多かった.
働いている
2名 は , 職 場 の 上 司 や 同 僚 に は 話 し て い な かった(表 7 参照)
病気の管理上,学校(職場)でやらなければならない ことをいつもできるかという質問には,
1できる」は
17名
(50.0%),
1時 々 で き な い 」 が 6 名(1
7.6%),
1ほと んどできない」が
3名
(8.8%)無回答
8名であった.
学校(職場)でやっている医療的処置は,服薬が 6 名 ( 1
7.6%に 注 射4名
(11 .
8%)であった こうした処置 をするのに,他の人の協力が必要であると答えたものは
1名 で あ っ た そ の 協 力 者 と し て , 担 任 , 養 教 , 家 族 を 挙げていた.
自分の病気のことで相談できる人について尋ねたとこ ろ ,
1家 族 」 が
30名
(88.2% ) ,
1医 師
J11名
(32. 4% ) , 担 任
9名
(26.5%),養教
8名
(23.5%)と多かった 励
ましてくれる人はいるかという質問には,
30名
(88.2%)が「いる」と答え それ以外は無回答であった.その励
ましてくれるという人の内訳(複数回答, n
= 30)は ,
表6 家族の要望等意見
n
=231. 病院のシステムに関するもの 14名 (60.9%)
待ち時聞が長い
7
名 病院の環境について 5名(具体例)・ビデオや子どもが遊ぶ場所があるといい
‑障害者に対してのサービスが少ない
‑病棟に保育士が欲しい 等
土日の受診 2名
2. 医療者の対応に関するもの 4名 (17
. 4 % )
(具体例)・看護師も医師も患者側の気持ちを考えて親切,丁寧に接して欲しい
・たいへんよくやっていただいている 等
3 .
相談できる場の必要性 4名 (17. 4 % )
(具体例) .心のケアをしてくれるような医師または看護師がいてくれたら
‑病気以外の子どもの教育面など相談できる場が欲しい 等 4. 情報提供に関するもの 4名(17
. 4 % )
(具体例)・病院で広報誌を発行して同じ病気の人との交流,患者の会等の紹介をしたらどうか
‑社会資源について誰にもわかるように公開して欲しい 等 5. 医療費制度に関するもの 4名 (17
. 4 % )
(具体例)・小児慢性特定疾患研究事業では入院費は助成されるが 通院費は助成されないので無料にして欲しい
‑制度の手続きを簡単にして欲しい 等 6. 診療システムに関するもの 2名 (8.7%)
(具体例) . 2つの病院を掛け持ちしているが 1つの病院で対応して欲しい 等
表7
学校で子どもの病気について知っている人 n
=34知っている人 人 数(%)
担 任 教 師
25 (73.5)養 護 教
ヨ日Z目〉リ、 21 (61 .
8)友 達
20 (58.8)体 育 教 師
11 (32.4)校 長
8 (23.5)教 頭
7 (20.6)そ の ほ か
1 ( 2.9)職 場 の 上 司
o ( 0.0)職 場 の 同 f 奈
o ( 0.0)(複数回答)
表8
子どもが相談できる人 n
=34相談できる人 人 数(%)
家 族
30 (88.2)医
自 市
11 (32. 4 ) 担
イ壬教 師
9 (26.5)養 護 教 諭
8 (23.5)友 達
4( 1 1 .
8)看 護 師
4( 1 1 .
8)そ れ 以 外 の 先 生
1 ( 2.9)同 じ 病 気 を も っ 人
1 ( 2.9)体
z円k教 師
o ( 0.0)職 場 の 人
o ( 0.0)そ の ほ 治 、
o ( 0.0)(複数回答)
家族28名 (93.3%),1
友 達
j16名 (53.3%),1担任J13名 (43.3%)と多かった(表8
参照)
•学校(職場)生活については, 1とても楽しいj20名
(58.8%),1少し楽しい」が12名 (35.3%),1楽しくない j,
無回答が各1名だった.普段,友人と出かけたり,電話 したりするかということについては, 31名 (9l.2%)が
「ある」と答え, 1なし」が2名 無 回 答 がl名であった.
病気のために利用としているものは, 1キャンプj,1イ ンターネット」が各2名 「親の会J.
1
子どもの会」が1
名ず、つだ、った. また将来について,考えたことがある かについては「ある」が11名 (32.4%),1
ない」が20名(58.8%) ,無回答が
3
名であった子どもたちのうち4名が要望等を挙げる自由記載の中 で意見を挙げてきた.1特にないJI何もしなくても良い」
という子どももいたが, 1自分はほんとうに治るのか」
という不安,医療費についての不安を記載している子ど もがいた.
N. 考 察
1.子どもと家族の家庭生活の状況
筆者らは2001年に関東近郊の小児専門病院および総合 病院40箇所で同様の調査を実施している6)慢性疾患患 児を抱える家族の状況は,その調査では,
6 ‑7
割は核 家族であった. しかし今回の福島県の調査の場合は,家族数 14名」以上の家族が9割弱であり,祖父,祖母 とともに暮らすという 3世帯家族が,少なくとも約半数 を占めていた.福島県は 2002年の合計特殊出生率はl.57
と,沖縄県についで、全国2位と高くなっている7)また,
核 家 族 世 帯 の 一 般 世 帯 数 に 対 す る 割 合 は2000年 で
52.12%であり,全国では39位となっている.65歳以上 の親族のいる世帯の割合は, 4l.70%と全国11位であ り8) このことが,今回の結果にも反映していると思わ れる.そして,子どもの世話に祖母がかかわっている ケースが3割あったことにつながっているものと思われ る.2001年の調査では近親者の協力を得ているケースは
5 %程であった.
慢性・長期的健康問題をもっ子どもが入院や通院を繰 り返す中で,家族の負担も大きくなりやすい. しかし 福島県の場合は大家族が多いということで,子どもの親
は他の家族からの援助を得やすいという面があると思わ れる.また,主に子どもの世話をしている母親たちが仕 事を持っている割合が, 2001年の調査よりも高いことに
もつながっていると思われる
しかし反対に,病気の子どもの他に介護の必要な高 齢者を抱えていたり,病気の子どもを抱えることで,ほ かのきょうだいに精神的な影響を招いたりすることもあ
り,家族のもつ問題がより複雑になる可能性があり,常 に家族全体を視野にいれてケアをしていく必要があるか と思われる
子どもの家庭で、行っている医療的処置については,1な し」が25%を占め, 6割が1つという結果であった.そ して, 1服薬J.1吸入」が多く,実施回数も 11日l回J.
「必要時のみ」がほとんどであり,医療的処置の負担が 比較的少ない子どもたちが多いということが言えよう
しかし 1割強は「経管栄養J.1気管切開J.1
腹膜透 析
j,1自己注射Jなど,子どもや家族に負担の大きな医 療的処置を抱えており,さらに,生活行動において「一 部援助J,1全面援助」が必要な子どもがやはり 1割強い た.こうした子どもを抱えている家族は負担感も大きい ので,外来看護では こうした子どもたちゃ家族に特に 焦点を当て,プライマリー制を導入するなどして,継続 的な支援が行えるようする必要性があると考えられる2.子どもの学校生活の現状
自宅以外での医療的処置を必要としていない子どもた ちが9割強を占め,子どもの生活行動の自立度は,生活 全般について7割程度は, 1自立または年齢相応」であ
り
, 8割の子どもたちは,学校や職場で、集団生活を送っ ていた.
2001年の調査では,集団生活を送っている子どもの
10%程度に,集団生活に制限があるということであっ た.しかし,今回は「集団生活上 困難なこと,配慮を 要することがあるか」という問いに3割強が「ある」と 答えている.前者の対象となった子どもの疾患として,
瑞息,心疾患が多く,今回は悪性腫傷,腎疾患,心疾患 が多かったという違いがあるが,いずれの疾患も集団生 活を送る上で,必要となる制限は同じようにあり, 1感 染予防が必要」あるいは「運動制限があるJ,1体力的な 問題」など共通する内容が挙がっていた. し か し さ ら に今回の場合は, 1学校の理解や協力不足」という学校 側の問題がとりあげられていることが,今回の結果がや や高率であったことに影響を与えたと考えられる
今回の調査の対象となった家族の2割程度が, 1学校 職員 j,
1
養教」を利用している人的資源として挙げてい る. しかしその一方で,上記のような「学校の理解不 足」があるということでJ利用しているが,困っている」人的資源として挙げている家族もいた.
今回の10歳以上の子どもを対象とした調査では, 9割 の子どもが,学校で病気のことを知っている人がいると 答えている.具体的内容は,担任が7割,養教,友人が
6
割であり,武田らの調査9)と同様の結果であった.その一方で, r病気のことで相談できる人」となると,
「家族jが圧倒的に多く, 1担任j,1養教Jなど学校の職