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(1)

1 (1)

取り戻せ!地域のつながり

‑ICTを活用した協働公募マッチング〜

池田美蘭1.中野兼宏2.中村恭子3.脇山亮一4.渡辺孝太郎5

熊本市北区役所北部総合出張所主任主事 z熊本市農水商工局農業政策課参事 3熊本市健康福祉子ども局医療主幹 熊本市上下水道局経営企画課主任主事 s熊本大学政策創造研究教育センター政策研究員

地域のつながりは、地域全体に資する価値を生み出す重要なものであるが、希薄化が進行して いる。その原因のひとつには、地域での共同活動の減少が考えられるが、従来の自治会等の枠組 みだけでは、時間的・空間的制約、関心や求めるつながりの強度の多様化等に対応することは難

しい。

そこで今回、市民活動における現状の障壁を軽減し、効果的につながりが形成・拡大されるよ う、公益事業に取り組む市民等が、事業実施に必要な資源(資金、物資、人材等)をインターネッ トサイト上で公募し、賛同する者が協力の度合いを考慮しつつ自由に協働できるマッチングの場 の構築を提言する。

この仕組みにより、公益性の高い市民活動を支援しつつ、協働を通じて生まれる「緩やか」で

「目的型」のつながりは、地域のつながりの再生・補完の一助となり、日本一暮らしやすい政令 指定都市「くまもと」の実現、ひいては共助社会形成の素地となるはずである。

は じ め に 地 域 の つ な が り

は、自分や家族だけでは充足できないことや達成できないことについて、

人は、自分や家族だけでは充足できないことや達成できないことについて、近隣に住む 人との助け合いによって満たしてきた。そこで生まれる地域のつながりは、人々に安心感 や充実感を与えるとともに、様々な分野において地域が抱える問題の解決に資する価値を 生み出す可能′性を秘めている!)。

(2)地域のつながりへの人々の意識

近年、日本社会の成熟に伴い、人々や企業等の社会への貢献意識は高まっており、社会 へ貢献したいと思っている人の割合は、7割近くにまで達している(図−1)。また、2011 年の東日本大震災以降、震災前と比べて、社会における結びつきが大切だと思うようになっ たか聞いたところ、8割の人が「前よりも大切だと思うようになった」と答え、強く意識 するようになったことは何か聞いたところ、6割の人が「地域でのつながりを大切に思う」

を挙げている。これらのことから、人々が地域のつながりの必要性を十分認識し、求めて いることが分かる2)。

(2)

問)あなたは、日頃、社会の一員として.何か社会のた瑚邑役立ちたいと思っていますか.それとも、あまりそのようなことは考えていませんか.

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図−1日本国民の社会への貢献意識の変化

出典:平成23年度社会意識に関する世論調査(内閣府、2007)から作成

(3)実生活におけるつながりの現状と課題

しかしながら、実生活に目を向けると地域のつながりは年々希薄化している(図−2)。

原因としては、様々な要因が複雑に絡みあっていると思われるが、就業形態のサラリーマ ン化、単身世帯や核家族の増加、集合住宅の形態の変化等に伴うライフスタイルや価値観 の多様化により、地域で一緒に活動する機会が減ったことが重要な要因として指摘され る1)

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1.19為鶴.97年は『あなた1ユ亀峨での付き合いをどの圃度していらっしゃい忠すか.この中ではどうでしょうか.』という因に対し、回苔した人の翻念.

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12.回苔君噂.19泊輔.97年は全図の麺回以上の巷. 犀は.全図の和厘以上70厘朱濁の男女.麺7年【乱全国の和。以上師奴禾濁の男女.

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図−2近所付き合いの程度の推移

出典:平成19年版国民生活白書(内閣府、2007)から作成

熊本市においても、地域活動にまったく参加していない住民が4割近くおり(図−3)、

特に年代が若くなるほど参加率が低く、18〜34歳の区分では居住する校区や町内自治会の 活動に全く参加しない人が実に64%を占めている3)。

− 1 5 4 −

(3)

参加しない理由としては、「他にやることがあって 忙しい」、「自分の趣味や易 優先したい」等の個人的な理由も見られるが、「情報が伝わってこない」、「 情斗 聞けば良いかわからない」、「活動に誘ってくれる人がいない」等、行政の関わ,

改善が見込める理由も見られた(図−4)。また、まちづくりにもっと参加した に必要なこととして、第1位に「情報提供の充実(58.5%)」が挙がっている3)。

、」、「自分の趣味や余暇活動を つってこない」、「 情報をどこに ハ」等、行政の関わりによって りにもっと参加したくなるため

図 − 3 居 住 す る 校 区 や 町 内 自 治 会 の 活 動 へ の 参 加 状 況

出典:熊本市2000人市民委員会第3回アンケート結果(熊本市、平成26年5月)から作成

惣こやることがあって忙しいから

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図−4在住の校区や町内自治会の活動にまったく参加していない理由 出典:熊本市2000人市民委員会第3回アンケート結果(熊本市、平成26年5月)から作成

また、 人々の求めるつながりの質が変化していることも興味深い。全面的な深いつなが りを求める意識が総じて弱まり、その一方で適度に距離を置いた「緩やかな」つながりを 求める意識が強まっている"(図‑5)。このことから、従前の地縁を軸とした自治会等の

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(4)

従来の枠組みだけで地域のつながりや活動の場を持続・向上させることは困難であると思 われる。

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図−5望ましいと思う付き合い方の意識の経年変化 出典:平成19年版国民生活白書(内閣府、2007)から作成

(4)地方公共団体に求められていること a)これからの地方公共団体の役割

わが国ではこれまで「公共」の問題を、古くは地域集落の相互扶助の中で、また、都市 化が進むにつれて「官」の住民サービスで解決を図ってきたが、「官」の住民サービスは 公平性と平等性が求められることもあり、個人の多様なニーズや質の追求にきめ細かく対 応することには限界がある。一方、住民の自発的な活動は、他では対応困難なニーズを満 たすことができる可能性があり、住民が自分の関心のある分野で経験や能力をいかし、様々 な関係者と協力しながら、様々な課題に自発的に取り組む活動は、新しい「公共」を創り 出すことにつながるのではないだろうか4)、これからの地方公共団体は、地域のさまざま な力を結集し、「新しい公共空間」を形成するための戦略本部となり、行政自らが担う役 割を重点化していくことが求められている、と述べられているように、これからの地方公 共団体は、自ら事業を行うのではなく、NPOや民間企業等とのネットワークを形成する

ことによって政策を遂行する、つまり「ネットワークによる統治」を行うことで、市民の 満足度を高めながら様々な地域課題の解決を図るべきではないかと考えられる5)。

b)ボランティア活動に関する行政への要望

ボランティア活動に関する国・地方自治体等への要望としては、情報提供、マッチング の支援、ボランティア休暇制度の普及を行うことの要望が多い6)(図−6)。

−156−

(5)

ボランティアを気ナ入れる団体・NPO等に問する情繍 提供や愉報発侭を充実すべき

ボランティア活動を行いたい人と舜入れる人を結 びつける人(団体等)を養成・支援すべき ボランティア活動のための休暇・休職瀞腫の普及を行

うべき

ボランティア活動の学習樋会を充実すべき

特になし ボランティアを受入れる団体・NPO等に対する鰹済

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ボランティア保険への加入推進等、事故への対応を盛 個すべき

その他

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図−6国・地方自治体等への要望

出典:平成25年度市民の社会貢献に関する実態調査(内閣府)から作成

熊本市においては、ボランティア団体等への支援について、「市民も行政も支援すべき」

と考えている人が65.5%と最も多く、「行政だけが支援すればよい」と考えている人が11.4

%となっており、合計で約8割弱が行政の支援が必要であると答えている3)(図−7)。ま た、行政の支援が必要と答えた人は、行政の支援のあり方について、「市民が気軽に市民 公益活動を体験できる場や機会の提供」と答えた人が36.1%と最も多く、次いで「市民公 益活動の理解と参加につながるための広報」と答えた人が32.1%であった3)(図−8)。

図−7市民活動団体への支援のあり方

出典:熊本市2000人市民委員会第3回アンケート結果(熊本市、平成26年5月)から作成

(6)

市民が気軽に市民公益活動を体験できる潮や 樋会の提供

市民公益活助への理鯛と参加につながるための 広報

市民公益活動スタッフの能力向上のための研修

寄付金控除による税制度優遇などの支援

その他

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図 − 8 市 民 活 動 団 体 へ の 行 政 の 支 援 の 要 望

出典:熊本市2000人市民委員会第3回アンケート結果(熊本市、平成26年5月)から作成

こ れ ら の こ と か ら 、 ボ ラ ン テ ィ ア 活 動 を 活 発 化 さ せ る た め の 行 政 ・ 熊 本 市 に 対 す る 要 望 として、市民の気軽な市民公益活動への参加を促すために、体験の場や機会の提供、その 広報が求められていることが伺える。

さらに、熊本市のNPO等がその活動の拠点として利活用している熊本市市民活動支援 センター「あいぽ−と」の樋口務センター長へのヒアリング(平成26年10月6日実施)か ら、あいぽ−とを利用するNPO等は、行政からの支援として「共催や名義後援といった、

いわゆるお墨付き」や「活動資金の援助(行政だけには限らない)」等を求めていること が分かった(詳細については、2.(2)にて後述する)。

(5)今回提言する施策の目的

以上のことを踏まえ、今回提言する施策の目的として「市民活動等を通じた「緩やか」

で「目的型」のつながりの形成を支援することにより、地域のつながりの再生・補完を推 進し、日本一暮らしやすい政令指定都市「くまもと」の実現に寄与すること』を掲げ、そ の達成に向けた施策を以下に示す。

2.提言の具体的な内容 (1)政策的な位置づけ

a)熊本市自治基本条例(平成21年9月18日、条例第37号)

(協働の原則)

第 2 9 条 市 民 、 市 議 会 及 び 市 長 は 、 目 的 と 情 報 を 共 有 し 、 相 互 の 理 解 と 信 頼 の も と に 協 働 による市政・まちづくりに取り組みます。

2市長等は、協働の推進に当たっては、市民の自主 性及び自立 性を損なわないようにし なければなりません。

b)熊本市市民参画と協働の推進条例(平成23年3月17日、条例第12号)

(協働の取組の拡充推進)

第12条市民及び市長等は、それぞれの特性や立場を理解した上で、対等な立場で相互に

− 1 5 8 −

(7)

取組みを拡充推進するよう努めるものとする。

2協働の取組を行うに当たって、市民及び市長等は、事業ごとの目的及び目標を共有し、

事業の協力や協定の締結等の多様な形態のうち、効果的なものにより行うものとする。

c)熊本市第6次総合計画一改訂版‑(平成26年4月)

Ⅶ①市民の参画と協働によるまちづくりを推進する

地域社会に関心を持ち、進んで公益活動に参加していこうという市民が増えている中、

本市では、各種計画の策定や公園などの地域密着型施設整備において、計画段階からの市 民参画をすすめるとともに、地域団体NPO等と、環境や福祉など地域課題の解決に向け た協働の取組を進めているところです。

【基本方針】

各種施策や事業の実施の中で、市民参画・協働を推進します。

市民公益活動の活性化を図ります。

表−1市民活動団体への行政の支援の要望

出典:熊本市第6次総合計画一改訂版一(熊本市、平成26年4月)から作成

基準値 目標値 目標値 (H20) (H25) (H30)

市民参画・協働による事業の割合 28% 50% 70%

市民公益活動に参加している市民の割合 24.2% 30% 35%

(2)市民活動支援実績に基づく事業ニーズの把握

これまで文献、各種資料を中心に事業ニーズを把握してきたが、より実践的な施策提言 を目指すため、熊本市市民活動支援センター「あいぽ−と」を平成26年10月6日に訪問し、

事業ニーズについて聞き取り調査を行った。得られた知見の概要は以下のとおり。

・ あ い ぽ − と に 登 録 し て い る 団 体 は 約 5 0 0 団 体 、 ボ ラ ン テ ィ ア 登 録 を し て い る 個 人 は 869人にのぼり、市民活動支援全般に対するニーズは大きい。なお、団体登録に際し ては、「公益 性のある活動への取組み」に視点を置いて審査を行っている。

・ 企 業 も 社 会 的 責 任 を 果 た す べ く 、 資 金 面 だ け で な く 、 所 有 施 設 の 地 域 へ の 開 放 や ボ ランティア派遣等、様々な形で市民活動を支援するようになってきた。

・ 登 録 団 体 が 苦 慮 す る こ と が 多 い の は 、 や は り 資 金 面 。 計 画 的 な 事 業 実 施 や 、 幅 広 い 資金確保の手法についての支援が課題。

・事業の円滑な実施のため、行政からの「共催や名義後援といった、いわゆるお墨付 き」が望まれていることも多い。

・ 市 民 活 動 を 継 続 的 に 実 施 し 、 発 展 さ せ て い く た め に は 、 異 な る 分 野 間 や 世 代 間 の 連 携が欠かせない。

・市民活動をマッチングして拡大していく際に、行政が間に入ると団体間に安心感が 生まれ、うまくいくことが多い。

・現在の団体は高齢層の人材により構成されていることが多いため、ICT技術を活 用した情報の発信が十分でないことが多く、今後大きな可能性がある。

(8)

、高齢層にICTを有効に活用させるためには、使い方を実際に支援する人員が必要。

・市民活動を行う大学生サークルも生まれており、SNS等を有効に活用しつつ、多 岐の分野や地域にわたって活発に活動している。

.若い層が市民活動に取り組むことで、その親や周囲を巻き込みつつ、裾野の広い活 動への発展が期待できる。

(3)ICTに着目し、活用する理由 a)ICT自体の特性

①時間的・空間的・人的な制約を軽減できる

いつでも:インターネットサイトで 情報提供することで、365日24時間、 情報を発信・

入手できる。

どこでも:地理的な制約を越えて情報にアクセスできるため、広域にわたる 情報のや り取りが可能。

だれとでも:普段交流できないような地域や立場の人ともつながれる可能性がある。

② 自 分 に 合 っ た 関 わ り 方 を 選 択 で き る

環境や気分に応じて関わり方やその強度をコントロールしやすい。

③ 双 方 向 性 を 有 す る

一方的な情報発信にとどまらず、情報のやり取り(コミュニケーション)が可能。

④量・質ともに多くの情報の提供が可能

様々な情報(文章、映像、音声等)の発信が可能で、多様なニーズに応えられる。

⑤ 情 報 の 整 理 ・ 選 択 が 容 易

検索機能があり、データベース化等を通じて′情報の整理・選択が容易。

b)若年層・高齢層への働きかけの有効'性

①若年層への普及率が高い(新規のつながりの形成)

若年層は、ICTとの親和性が高く、地域とのつながりが薄い傾向にある。ICT を活用して、この層へ働きかけることにより新規のつながりの形成が期待できる。

②高齢層への普及率が低い(効果的なつながりの拡大)

高 齢 層 は 、 他 の 年 齢 層 に 比 べ て 地 域 と の つ な が り を 持 っ て い る が 、 I C T の 利 用 率 が低い状況にある。アドバイザー支援等を絡めてこの層へ働きかけることで、既に形 成されているつながりの効果的な拡大が期待できる。

(4)新たな仕組み=マッチングサイト『LINC(リンク)』の提案

以上のことから、ICTを活用して市民公益活動を実施したい主催者側の要望と、活動 に参加したい市民、事業者等のマッチングの場として、マッチングサイト『LINC』※

を設置する。

※LiveInCommunity,ConnectionandCommunicationからの造語。「私たちは、つな がりの中で生きている」というメッセージを込めている。

a)概要

『LINC』では事業主催者が、その事業の実現に向けて必要な【ヒト】、【モノ】、

【カネ】はもちろん、事業を実施する【バショ】や事業内容を向上させるための【アイデ

−160−

(9)

ア】を募集し、その募集内容に賛同した市民等が協力できる範囲内で、協力の内容を選び、

手を挙げることができるようにする。

b)運用の流れ

①『LINC』を利用できる事業主催者の要件は、活動内容が「公益活動」である団 体とし、事前に登録を求めることとする。

②募集掲載から事業実施までのスピードを重視するため、団体登録後は自由に募集内 容を掲載することができることとする。ただし、不正な'情報の掲載等を防ぐために、

「LINC』管理人は定期的に掲載内容をチェックする。

③『LINC』で募集するヒト、モノ、カネ等が希望に達しなかった場合でも、主催 者の判断で事業規模を縮小するなどして事業を実施できることとする。ただし、希望 に達しなかった場合の事業実施可否については、「LINC」上で明確に意思表示す ることとする。

④ マ ッ チ ン グ 実 現 後 の 主 催 者 と 参 加 者 と の や り 取 り は 、 ス ピ ー ド を 重 視 す る た め に 基 本的に当事者間で行う。

⑤アイデアの募集については、電子掲示板のようなシステムで募集すると、自由な意 見が出されない恐れがあることや、特定の意見に対する誹誇中傷があることも想定さ れるため、主催者のみが確認できるシステムとする。

⑥主催者のモチベーション向上につなげるため、募集する事業ごとに閲覧者が気軽に 評価できるFacebookの「イイネ!」ボタンと同様の機能を設置する。

⑦事業を実施した主催者には実績報告書の提出を求め、その内容は『LINC』上で 閲覧できる状態にする。

⑧『LINC」の運営に係るアドバイザー的な人材を一人常駐させることで、『LI NC」の利用が困難なデジタルディバイドヘの対応や効果的な『LINC」の利用の 促進及び事業の実現 性や実施効果の向上を図る・

c)ainc』で実現可能なこと

例えば、ある団体が「地域をPRするショートフイルムを作りたい!」と考えた場合、

まずは、趣旨や事業計画を「LINC」で表明し、この事業に共感した人たちから情報提 供を受けたり、意見交換したりして企画を練り上げる。次に、事業実施の段階にあたって は、資金、撮影機材や衣装などの物資、マンパワーや撮影場所の提供など、事業を実現さ せるために必要なものが「LINC』を通じて募集でき、事業実施後には実績を公開して 情報発信することができる。

この場合の協力体制としては、個人がボランティアの範晴で参加したり、企業がCSRの 一環として資金や物資、従業員のマンパワーなどを提供したりするほか、地域の商店街が 撮影場所を提供したり、ICT^SNSになじみの深い学生が、インターネットを介した 広報に協力したりするなどの拡がりも想定される。

d)行政としての立場

行政はあくまでマッチングの場を提供するというスタンスで『LINC」を設置する。

また、事業主催者に対しては既存制度の紹介や助言等を行うことにより、市民主導による 協働を支援・推進していく。

(10)

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図 − 9 協 働 公 募 マ ッ チ ン グ サ イ ト の イ メ ー ジ

(5)スケジュール及び予算 a)スケジュール

【1年目】・PIを通じた『LINC』の仕様及び運用の検討

※外部検討委員会の設置やパブリックコメントを通じて、幅広く市民から の意見を反映させる。

.「LINC」管理人及びアドバイザーの選定

【2年目】・「LINC』の構築及び設置

.「LINC」を使ったモデル事業の実施(仮稼動)

・モデル事業の評価及び検証、結果のフィードバック

【3年目】・本稼動開始 b)予算

〔導入費用〕・pIによる内容検討15万円

・ 構 築 費 1 7 0 万 円 ( 計 ) 1 8 5 万 円

〔管理費用〕・サーバ等機器賃借料56万円/年

・ 運 営 人 件 費 7 5 1 万 円 / 年

・アドバイザー人件費604万円/年

・ 広 報 費 1 0 0 万 円 / 年 ( 計 ) 1 . 5 1 1 万 円 / 年

3.提言の実現により期待される効果(まとめ)

(1)効果発現、目標達成までのイメージ

①「LINC』により、独立した個人等が自由に、できる範囲で、参加の形態を問わ ず、負担を感じることなく市民公益活動へ参加することができるようになる。

② 同 じ 「 目 的 」 を 持 っ て 参 加 し た 市 民 公 益 活 動 を 通 じ て 、 そ れ ま で 特 に つ な が り の な

− 1 6 2 −

(11)

かつた市民や事業所、NPO等が「緩やか」なつながりを形成し、市民公益活動を中 心としたワ(輪・環・和)を形成する。

③そのワは、最初は単独の一つの小さなワだが、『LINC」を通じて市民公益活動 が 活 発 化 さ れ る こ と で ワ が 増 え 、 そ れ ぞ れ の ワ が 緩 や か に つ な が り 、 重 な り あ い 、 さ

らに大きなワヘと発展していくことが期待される。

④ こ れ ら の こ と に よ り 、 現 在 失 わ れ て い る と い わ れ る 地 域 の つ な が り が 再 生 ・ 補 完 さ れ、共助社会の素地となることで、様々な社会問題の解決に寄与することが期待され る。

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公 益 活 動 を 通 じ て 、 そ れ ま で 公 益 活 動 を 中 心 と し た ワ が 様 々 そ れ ぞ れ の ワ が つ な が る こ と 別 個 の 個 人 ・ 事 業 者 等 が つ な な と こ ろ で 形 成 さ れ る で さ ら に 大 き な つ な が り が 形 が り 、 ワ を 形 成 す る 成 さ れ る

図‑10効果発現、目標達成までのイメージ

(2)目標値(指標)の設定

「熊本市第6次総合計画」市民アンケートにおいて『自分の周囲と良好につながってお り、地域の問題解決に向けて協力できると感じる市民の割合』を新規項目として設定・調 査し、現状を把握した上で段階的に数値を向上させ、最終的には70%の到達を目指す。こ の設定にあたっては、「周りで、困っていることや地域などでの問題が発生し、その解決 に向け取り組もうとする場合、市民活動団体の協力を受けたいと思う市民の割合」3)(協 力を受けたい17.3%、活動内容によっては協力を受けたい54.0%)を参考にした。

また、上記指標と併せて既存の関連指標である『自分のまちにずっと住んでいたいと感 じる市民の割合』(とても思う49.8%、やや思う31.0%)及び『過去1年間に地域活動に参 加した市民の割合』7)(参加したことがある47.7%)の向上を目指す。

(12)

図‑11市民活動団体の協力を受けたいと思う市民の割合

出典:熊本市2000人市民委員会第3回アンケート結果(熊本市、平成26年5月)から作成

問)あなたはこれからも熊本市に住み縄たいと思いますか.

平成23年度 (緯件散83,775件)

平成24年度 (総件数:3,7 件)

平成25年度 (聡件散:3,370件)

1

とても思う

52,4

、1

49.6

周)あ蓮たほ.過去1年間に地壊活肋に参加̲,ましたか.

平成23年度 (緯件数:3,775件)

平成24年屡 (総件数:3 7 件)

平成25年度 (趣件飲;3 370件)

惨、ジた二とかある

7

4ア.7

、8

や や 思 う ど ち ら と も い え な い あ ま り 思 わ な い 全 く 思 わ な い 隈 回 答

29.2

31.5

31.0

た こ と 力 姥 い

49.Z

、1

1 2 . 9 3 . 7 0 . 7

1 2 8 4 . 6

1 3 2 4 . 5

心q

0.9

12

わ か ら な い 風 回 香

1.6

勺。

3 , e 0 . 4

38

やむ

0 4

〜 一 一 封 司 孟 由 → 戸 司 元 一 斉 ‑ 司 令 . ! = 司 元 一 一 ‑ − − ヨ ー ー 毛 一 寺 三 両 , ‑ ‑ ‑ 1 ‑ . 司 一マ ョ 旬 , 迅 司 一 一 元 ‑ 1 ‑ , ‑ ‑ 巳 一 、 4 ‑ 可 一 五 垂 一 、 弓 一 三 ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ 屯 ̲ ‑ , 孟 豆 司 一 弓 、 マ ー . 一 . − − 〜 、 ÷ 一 畳 , ‑ 訂 . 一 昂 司 一 ‑ 一 一 一 一 = 〜 ‑ や 『 ÷ ÷ 元 竜 一 当 一 千 , 一 一 一 ÷ 0 一 一 一 一 一 七 一 ‑ − − − − . ヨ ー ー − − − , − − マ ー ー ー ョ 一 心 一 、 ア ー ー ー ー

0 2 0 4 0 8 0 1 m (

図‑12目標設定における既存の関連指標

出典:平成25年度「熊本市第6次総合計画」市民アンケート調査報告書(熊本市、平成26年1月)から作成

(3)私たちが期待すること

本提案に基づく取り組みが地域のつながりの再生・補完に貢献し、住民が自ら協働によ り 様 々 な 地 域 課 題 の 解 決 に 取 り 組 む こ と で 、 本 市 が 掲 げ る 目 標 「 日 本 一 暮 ら し や す い 政 令 指定都市「くまもと」の実現」に寄与することが期待される。

さらには、この取り組みが熊本市の枠を超えて、熊本都市圏や熊本県、九州、日本全体 へと広がり、共助社会形成の素地となることが期待される。

謝 辞 : 本 紀 要 を 作 成 す る に あ た り 政 策 形 成 わ く わ く 塾 を 通 じ て 適 切 な ご 助 言 を 賜 り ま し た 熊 本 大 学 政 策 創 造 研 究 教 育 セ ン タ ー 上 野 員 也 教 授 、 政 策 形 成 わ く わ く 塾 の 実

− 1 6 4 −

(13)

施・運営にご尽力賜りました熊本大学政策創造研究教育センター及び熊本市人材 育成センターの関係者の皆様に心より感謝いたします。

また、聞き取り調査に 快く協力してくださいました熊本市市民活動支援センター

「あいぽ−と」樋口務センター長に厚くお礼申し上げます。

【参考文献】

1)内閣府:平成19年版国民生活白書、時事画報社、2007 2)内閣府:平成23年度社会意識に関する世論調査

http://survey.govonline.go.jp/h23/h23shakai/index.html. 平成26年12月26日アクセス

3)熊本市:熊本市2000人市民委員会第3回アンケート結果、平成26年5月 4)内閣府:平成16年版国民生活白書、国立印刷局、2004

5)総務省:地方公共団体における行政改革の推進のための新たな指針、平成17年3月 6)内閣府:平成25年度市民の社会貢献に関する実態調査、平成26年1月

7)熊本市:平成25年度「熊本市第6次総合計画」市民アンケート調査報告書 平成26年1月

参照

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