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電気分解法を利用した用排水処理法の開発と

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Academic year: 2021

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電気分解法を利用した用排水処理法の開発と ライフサイクルアセスメント評価に関する研究

生産科学研究科 森 大樹 生体 モも利森

産業や技術の発展と共に、環境に悪影響を及ぼす様々な排水が発生してきた。我々は、「水 質汚濁防止法」等の法律によって規制されている基準を達成するように排水を適正に処理し なければならない。その際に利用される排水処理技術は、化学的処理、生物化学的処理、物 理化学的処理を中心に多く存在している。それらは、適正に処理できる技術ではあるが、排 水処理を実施するために必要な資源やエネルギー(インプット)、またはそれによって環境 に与えられる負荷(アウトプット)については、現在までに数多く精査されていないのが現 状である。本研究では、電気分解法を利用した用排水処理法を開発し、従来から行われてい る水処理手法と比較することで、その効果と実用可能性について精査し、同時に LCA評価 を行っている。

第1章では、本研究の背景、水処理の必要性、および水処理技術を概説している。そして、

本研究を行うに至った動機と研究の目的について述べている。

第2章では、硫酸系工場排水を電気分解処理して排水中の金属を除去した水を逆浸透膜処 理して硫酸イオン濃縮水と水に分離し、それらを再利用するリサイクル技術について検討 し、また最適電解条件を明らかにしている。さらにLCA手法を利用して同リサイクル技術 の導入による環境影響を評価した結果、同リサイクル技術の電力負荷が1システムあたり 20kwh/day 以下であれば、資源消費と都市大気汚染の影響を大幅に低減できることを明ら かにしている。

第3章では、電気分解法による有色畜産排水の脱色処理技術について検討し、揮発性有機 化合物の発生量と電解条件の関係などを明らかにしている。その結果、本技術により有色排 水は脱色することができ、本技術は有色排水の脱色に十分に利用可能であると結論付けてい る。また、本研究で検討した電解脱色処理技術とオゾン脱色処理技術および薬剤脱色処理技 術のLCA評価の結果、10年間のプロセスフローにおける二酸化炭素、NOxおよびSOx 生量は、電解脱色処理が最も少なくなっている。「人間の健康」に対する被害評価は、電解 脱色処理が最も小さく、NaClO脱色処理が最も大きくなっている。「社会資産」、「生物多様

長崎大学大学院生産科学研究科 甲斐 穂高

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性」および「一次生産」に対する被害評価は、電解脱色処理が最も大きくなっている。特に、

電解脱色処理に必要な電極の製造における資源消費が、他の脱色処理と比較して著しく大き くなっている。

第4章では、エストロゲン類を含む有色畜産排水を電解脱色した排水のエストロゲン活性 について酵母 two-hybrid 法によって評価している。その結果、エストロゲン活性を有して いる活性汚泥処理後の畜産排水の電解脱色処理によって、水中のエストロゲン類は分解また は代謝等の作用により、排水のエストロゲン活性は消失する事を明らかにしている。これに より、検討した電解脱色処理技術はエストロゲン活性を高めることには寄与しないと結論付 けている。

第5章では、食塩水を電気分解して生成される電解機能水を利用した開放型空調循環冷却 水のスライムとレジオネラ属菌の抑制手法について検討し、従来の薬剤処理との比較を行っ ている。その結果、電解機能水処理は薬剤処理と比較して同等以上のスライム障害抑制効果 があり、電解機能水処理は薬剤処理の代替技術として利用可能であると結論付けている。長 崎で電解機能水処理と薬剤処理を実施した場合の LCA結果は、地球温暖化への影響は電解 機能水処理法の方が小さくなっている。また、薬剤処理での都市域大気汚染の影響が非常に 大きかったが、これは薬剤の陸路配送由来の NOxPM10 および炭化水素等が多く発生す るためである。長崎での薬剤処理実施においては、薬剤の輸送時に係る二酸化炭素排出量よ りも、薬剤を製造する場所がプロセスフロー全体で発生する二酸化炭素排出量に寄与するこ とを結論付けている。さらに、各地方内で電解機能水処理法を適応した場合は、同地方内で 製造した薬剤による薬剤処理法よりも二酸化炭素発生量が少なくなることを指摘している。

以上の研究成果から、本研究で検討した電気分解法を利用した用排水処理法は、十分に実 用可能な技術であると結論付けている。また、電気分解法を利用した用排水処理法は、従来 の水処理法と比較して環境負荷が低減できることを明らかにした点では、本研究は持続可能 な発展を目指す上で有用な成果であると考えられる。

参照

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