幾何基礎 No.3 2009.10.27
二直線の平行と直交 担当:市原
問題6 方向ベクトルがv~1, v~2である2本の直線`1 と`2 を考える.ただし,`16=`2 とする.このと き,「`1と `2が平行」であるための必要十分条件は「ある実数tが存在してv~1=t ~v2」であることを 証明しなさい.
(⇒)
対偶,つまり,「どんな実数tに対してもv~16=t ~v2 」⇒「`1 と`2は平行でない」を示す. ここで,「ど んな実数tに対してもv~16=t ~v2」とは,線形代数で学んだように,v~1 とv~2が一次独立であることを意 味している. 従って,平面上の任意のベクトルは,v~1とv~2の一次結合で表される(高校 数Bも参照).
さて,`1 と`2 上に,異なる点 P1 とP2をそれぞれとり,ベクトル−−−→
P1P2 を考える. このとき,仮定より
−−−→P1P2も v~1とv~2の一次結合で表される. つまり,ある実数s, t ∈Rが存在して,−−−→
P1P2=s ~v1+t ~v2と 表される. すると,−−−→
P1P2=p~2−p~1=s ~v1+t ~v2 より,p~2−t ~v2=p~1+s ~v1となる. ここで,p~2−t ~v2
で表される点は`2 上の点であり, またp~1+s ~v1 で表される点は`1 上の点であるから,これはつまり,
`1∩`26=∅ であることを意味する. 従って,`1 と`2 は平行でない.
(⇐)
背理法で示す. つまり,「ある実数t が存在してv~1=t ~v2 」であるが「`1 と`2は平行でない」
と仮定して矛盾を導く.「`1と`2は平行でない」という仮定から,`1と`2の共通部分は空集合でないの で,点Q∈`1∩`2がとれる. さらに,`1にはのっているが`2 にはのっていない点P をとる(`16=`2と いう仮定より,そのような点は必ずとれる). すると,P ∈`1より,ある実数sが存在して,~p=~q+s ~v1
と表される. 一方,v~1=t ~v2 だったから,~p=~q+s ~v1 =~q+st ~v2 とも表される. しかしこれは, 点P が直線`2上にあることを意味する. これは点P のとりかたに矛盾する.
問題7 `をユークリッド平面上の直線,Xを`上にない点,点Xから直線`におろした垂線の足をF とする. このとき, Fは直線`上で点Xに最も近い点であることを証明しなさい.
直線`上に点P をとり,`の方向ベクトルを~vとすると,
`={X |~x=p~+t ~v, t ∈R}
従って,F ∈`より,f~=~p+t ~v (t∈R). つまり,~p=f~−t ~v (t∈R).
ここで, k−−→
XPk が最短になるときの点P が点Fと一致することを示せばよい.
(d(X, P))2 = k~p−~xk2
= k(f~−t ~v)−~xk2
= k(f~−~x)−t ~vk2
= k−−→
XF −t ~vk2
= k−−→
XFk2−2−−→
XF ·(t ~v) +t2k~vk2
= k−−→
XFk2+t2k~vk2 (∵ −−→
XF · ~v= 0) ここで,k−−→
XFkは定数なので,k−−→
XPkが最短となるのは,t= 0のとき. つまり,~p=f~より,点Fと点P は一致する.