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静岡大学技術部教育支援部門業務紹介 : 機械系実 験実習について

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Academic year: 2021

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静岡大学技術部教育支援部門業務紹介 : 機械系実 験実習について

著者 山口 卓士, 本山 英明

雑誌名 技術報告

巻 23

ページ 27‑30

発行年 2018‑03‑23

出版者 静岡大学技術部

URL http://doi.org/10.14945/00025269

(2)

を密閉すると液体窒素が気体になり、破裂して飛び上がる。自作の発射台に取り付けるとフィルム ケースはポンをいう音たてて5mくらい飛んでいく。

そこで、容器内の圧力と温度がどのように変化するか測定してみた。圧力測定は半導体圧力セン サーを使用し、温度測定は応答時間の早い直径0.025mmのクロメル-アルメル熱電対を使用した。

実験結果を図11に示す。液体窒素を湿らせたティッシュペーパーを入れると温度は30℃くらい下 がり、ふたを閉めると急激に圧力が上昇してついには破裂する。この間の温度は、6-7℃と一定で あり、温度上昇による体積変化ではなく、液体窒素が気体になることによって、体積が700倍に膨 張して、瞬間的に1.65 [×105Pa]の圧力(差)がかかって破裂したことが確かめられた。

5.まとめ

超伝導体による磁気浮上演示実験では、一般的な固相焼結法よりは溶融凝固法の方が、より効果 的であることが報告されており、演示実験装置の開発と伴に超伝導体試料の作製も試みた。

今回は、小中高校生向けの科学実験をテーマとした「静岡大学テクノフェスタin浜松」において、

高温超伝導体の磁気特性をモチーフに演示実験を行った。強力なネオジム磁石が超伝導体の上に浮 かぶ「磁気浮上」の実験に関しても、より高く浮上するということが面白さに直結しており、「磁 束のピン止め効果」の実験においても、発泡スチロールの地球儀を吊り下げることで演示効果を高 めた。また、リニアモーターもどちらかと言えば機械的に精巧にできたモデルといえるものではな いが、科学のおもちゃ的な観点から見て面白く、だれもが楽しめるということに主眼をおいて製作 した。

なお、高温超伝導の磁気特性を利用した教具は、本学の2年次物理学実験はもとより、「青少年 のための科学の祭典(静岡市科学館)」や「未来の科学者養成講座(JST)」などで演示し、今日的 な物理学の研究の一端を示す教材として有効に活用している。

終わりに、高温超伝導の教材開発の研究は、平成4年度、平成5年度、平成9年度および平成16 年度の日本学術振興会科学研究費の奨励研究(B)および奨励研究の助成を受けた。

参考文献

1) J. G. Bednorz and K. A. Muller, Z. Phys. B64, 189 (1986) 2) P. Chu et. al., Phy. Rev. Let.58(9): 908 (1987)

3) 物理実験指導書:静岡大学教養部物理教室編15訂版, 215 (1988~)

4) 長島弘幸,増田健二,中原幹夫:静岡大学教養部研究報告(自然科学編) 26, 21 (1990) 5) 長島弘幸,増田健二,中原幹夫,佐藤信一:物理教育39-1,1 (1991)

6) 村上雅人:パリティ 6(5), 56 (1991) 7) 村上雅人:物理教育 43-1 ,1 (1995)

8) 増田健二,久世宏明:応用物理教育 19-2, 43 (1995) 9) 増田健二:静岡大学工学部研究報告 48 , 47 (1997) 10)増田健二,鈴木三男:物理教育 53-3, 195 (2005) 11)吉田健一:物理教育 55-3, 215 (2007)

静岡大学技術部教育支援部門業務紹介

~機械系実験実習について~

○山口卓士、本山英明 静岡大学 技術部 教育支援部門

1.はじめに

静岡大学技術部教育支援部門では、実験・実習、研究支援、実験・分析装置の保守、管理を行ってお り、具体的な実験・実習支援内容として、キャンパスワーク、基礎製図、創造設計製図、光電精密応用実 習、物理学実験、創造教育実習がある。また、技術支援業務として学科等における研究支援、精密測定・

分析装置の保守・管理、実験装置の設計製作を行っている。

今回は、キャンパスワーク(エンジン分解・組立て)、創造設計製図(模型スターリングエンジンの設

計、3D-CAD、製図出力)の業務紹介を行う。

2.キャンパスワーク(エンジン分解・組立て)

2.1 実習の目的

エンジン分解・組立て実習は、伝統的技術と先端技術の凝集した自動車エンジンの取り扱いを体験する ことで、今まで授業で習ってきた機械工学全般のさらなる理解、向上に役立てることを目的とする。

2.2 実習報告書

実習後は、授業で習ってきた事と実習で得られた知識・経験をあわせて、あたえられた課題等に取り組 み、その他、指導者の指示した事項をまとめ、一週間以内に実習報告書を提出する。

3.エンジン分解・組立て 3.1 エンジン基本メカニズム

自動車エンジンは、ピストンクランク機構、カム機構、チェーン伝動機構の他に、潤滑系、冷却系、吸 気系、排気系、燃料系、点火系、制御系、補機駆動系などの装置で構成されている。

3.2 エンジン分解・組立ての全体的な注意

分解作業は、最初に、指導者からエンジン全体の構造等の説明をうけ、十分理解した上で行う。また、

分解する部品の取り扱いには注意をはらい、組立て時に迷わないような工夫を心がける。

図1 専用工具 図2 プーリー抜き作業

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組立て作業は、分解時の情報をもとに、正しい工程、正しい工具を用い、精度よく仕上げる。

作業時に使用する専用工具を図1、専用工具使用例(プーリー抜き作業)を図2に示す。

3.3 エンジン分解・組立作業

エンジン分解は、ロッカーカバー部、オイルパン部、タイミングチェーン部、カムシャフト部、シンダ ーヘッド部、ピストン・クランク部の順に行い、組立ては分解の逆順に行う。

ロッカーカバー部の分解の様子を図3に示す。最初に、インテークマニホールド、燃料噴射装置、点火 装置、プラグ等を取り外す。ボックスレンチを用い番号順(外側から内側)に取り付けボルトを外し、ロ ッカーカバーを取り外す。ボルトのサイズ、長さ、本数、補機の位置や取り付け状態を確認する。

図3 ロッカーカバー部の分解 図4 オイルパン部の分解

オイルパン部の分解の様子を図4に示す。図3の状態からエンジン取り付け台を回転させ、オイルパン を上向きにした状態にて、T型レンチで取り付けボルトを緩めてオイルパンを取り外す。この時あわせて オイルの循環経路、オイルポンプの構造や駆動、取り付けボルトの共用状態を確認する。

タイミングチェーン部の分解の様子を図5に示す。タイミングチェーンガイド、タイミングチェーン、

チェーンテンショナー、クランクスプロケットなどを順に、専用工具を使い、取り外す。この時あわせて チェーンとスプロケットの合いマークの位置、チェーンテンショナーの構造、スプロケットのキー溝とキ ー、ウォーターポンプの構造や駆動を確認する。

図5 タイミングチェーン部の分解 図6 カムシャフト部の分解

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カムシャフト部の分解の様子を図6に示す。カムシャフトブラケットを指定順(外側から内側)にボル トを緩め取り外し、全ての部品は組立て時に混同しないように識別し、整理棚に保管する。この時、吸気 側、排気側のカム機構や駆動、連動するバルブ開閉機構、カムシャフトブラケットの配置、向き、識別マ ーク、共用状態、軸受け(プレーンベアリング)、潤滑用油穴、また、磨耗等の様子を比較するため、分 解済み中古エンジン(約40000km走行)との違いを、あわせて確認する。

図7 シリンダーヘッド部の分解 図8 シリンダーブロック、ピストンクランク部の分解 シリンダーヘッド部の分解の様子を図7に示す。専用工具にて指定順(外側から内側)にシリンダーヘ ッドボルトを緩め、シリンダーヘッドをシリンダーブロックから外す。この時あわせて、シリンダーヘッ ドボルトと汎用ボルトの違い、シリンダーヘッドガスケットの役割や位置、バルブ構造(バルブスプリン グ、バルブコレット等)を確認する。

シリンダーブロック、ピストンクランク部の分解の様子を図8に示す。ボルトを緩めコンロッドキャッ プを取り外し、ピストンをシリンダーから取り外す。メインベアリングキャップを、指定順(外側から内 側)にボルトを緩め取り外す。この時あわせて、クランクの構造とピストンの配置、クランクピン、ピス トンオイルリングとコンプレッションリング、バランスウェート、ジャナール部、シリンダーの内径とス トロークを確認する。

3.4 エンジン組立て完成の確認

プーリー回り止めを用い、クランクプーリーを右回転させて、エンジン組立て完成の確認を行う。軽く 回らないようなら、干渉を疑い無理に回さない。あわせて、分解した部品が残っていないか、また、プー リーを回転させた時、シリンダー内部の空気が、ピストンにより機密を保たれながら圧縮されているか、

音を聞くことにより確認する。

図9 エンジン組立て完成の確認

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4.創造設計製図(模型スターリングエンジンの設計、3D-CAD、製図出力)

4.1 授業の内容

設計条件としてピストン直径、ストローク、軸出力をあたえ、教科書の計算例に従い、図10に示すよ うな模型スターリングエンジンの製品設計を行う。設計した模型スターリングエンジンは、3D-CADにて 構築し(図11)、情報の共有化、製図出力に用いる。(図12、図13)

図10 模型スターリングエンジン 図11 3D-CAD

図12 製図出力(部品図) 図13 製図出力(組立図)

5.まとめ

今回の発表ではエンジン分解・組立て実習の紹介をメインに行ったが、自動車エンジンは年度ごとにモ デルチェンジ・改良を行っているため、技術職員の技術・スキルの維持向上は必要不可欠である。今後 は、企業から実習用に提供して頂いた新しいエンジンでの技術習得(燃費対策、小型軽量化などの最新メ カニズム)に取り組んでいく。

参考文献・引用文献

[1] 静岡大学・工学部工作技術センター:「キャンパスワーク実習要領」, (2004) p.69-84.

[2] 静岡大学・工学部次世代ものづくり人材育成センター工作技術部門:「キャンパスワーク実習要領」, (2013) p.69-79.

[3] オートメカニック2003年4月臨時増刊:「クルマいじりのための自動車工学」, (2003) .

[4] 岩本昭一監修 濱口和洋・戸田富士夫・平田宏一共著:「模型づくりで学ぶスターリングエンジン」

オーム社 (2012) .

参照

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