平 成29年 度(2017年 度)学 位 論 文(修 士)
遅 延 予 測 を 用 い た ス ケ ジ ュ ー リ ン グ に よ る 到 着 管 理 の 効 率 改 善
平 成30(2018年)2月22日
首 都 大 学 東 京 大 学 院
シス テ ム デザ イ ン研 究 科 システ ムデザ イ ン専 攻 航 空宇 宙 シス テ ム 工学 域 博 士 前 期課 程
学 修 番 号16891523氏 名 下 村 顕 秀
指 導 教 員 名 武 市 昇
目次
1.序 論 1.1研 究 背 景 1.2研 究 目 的
2.到 着 管 理 の シ ミ ュ レー シ ョ ン 2,1航 空 機 の 実 運 航 デ ー タ 22気 象 モ デ ル
2.3航 空 機 の 力 学 モ デ ル 2.4燃 料 消 費 量 の 推 定 式 25想 定 す る 交 通 流 2,6飛 行 経 路 の 計 算 2.7運 航 コ ス トの 導 入
3.到 着 管 理 に お け る ス ケ ジ ュ ー リ ン グ 3.1交 通 流 管 理 の 安 全 性
3,2基 本 方 式 に よ る ス ケ ジ ュ ー リ ン グ
1124444567899
....‑噛.幽・噛.・.
3,3遅 延 予 測 方 式 に よ る ス ケ ジ ュ ー リ ン グ 4.各 ス ケ ジ ュ ー リ ン グ 方 式 の 評 価
4,1参 考 交 通 流
42各 ス ケ ジ ュ ー リ ン グ 方 式 の 評 価
43ス ケ ジ ュ ー リ ン グ を 行 う 時 刻 の 制 約 条 件 の 影 響 4.4遅 延 予 測 方 式 と 参 考 交 通 流 と の 比 較
5.結 論
参考文献 謝辞
01556403451111123333
第1章 序 論
1.1研 究 背 景
将 来 の 航 空 交 通 需 要 の 増 大 に 対 応 す る た め,時 間 管 理 を 用 い た 航 空 交 通 管 理 が 計 画 さ れ て い る ト3,そ の 一 つ に,図1の よ う に 航 空 機 の 巡 航 状 態 か ら 降 下 を 経 て 合 流 地 点 に 到 着 し,空 港 の 滑 走 路 に 着 陸 す る ま で の 到 着 管 理 に お け る 時 間 基 準 の 間 隔 確 保 が 挙 げ ら れ る4・S.こ の 管 理 手 法 に お い て,管 制 官 は 各 航 空 機 の 合 流 地 点 に お け る 到 着 時 刻 を指 定 し,航 空 機 は そ の 経 路 や 速 度 を 変 更 す る こ と に よ り 降 下 所 要 時 間 を 調 整 し,指 定 さ れ た 時 刻 で 合 流 地 点 に 到 着 す る,こ の 時,航 空 機 は 降 下 及 び 進 入 の 各 段 階 に お い て 水 平 飛 行 を行 う こ と 無 く エ ン ジ ン 推 力 を ほ ぼ 最 小 に 保 っ た ま ま 降 下 を 継 続 す る.こ の よ う な 航 空 機 の 運 用 方 式 を 継 続 降 下 運 用(CDO;C。ntinuousDescentOperation,以 下CDOと す る)と 呼 ぶ.こ のCDOに よ る 到 着 管 理 に お い て は,合 流 地 点 で 航 空 機 問 に 一 定 以 上 の 時 間 間 隔 を確 保 す る こ と で 安 全 を 確 保 し,な お か つ 交 通 流 全 体 と して の 運 航 コ ス トを 最 小 化 す る よ う な 各 航 空 機 の 到 着 時 刻 を 決 定 す る ス ケ ジ ュ ー リ ン グ が 必 要 と な り,こ れ ま で に 様 々 な ス ケ ジ ュ ー リ ン グ 方 法 が 提 案 さ れ て き た,
CDO開 始
熱
降下中に速度を変更
⇒降下所要時間を調整
指定した時刻で 合流地 点に到着
巡 航 高 度
〔35000'V40000ft}
一定の時間間隔で ξ=列 の交通流を形成
一定の時間間隔で着陸
図1基 本的な到着管理の概念
遅延 によ る時間間隔の確保が原則 的な 手法 として提案 されて いる一方,飛 行時 間の短 縮 によ り遅 延 の蓄積 を抑制 して運航 コス トを低減 でき る可能性 について も言 及 されて いる4,そ の後,飛 行時間の短縮が交通 流の振る舞 いや運航 コス トの低減 に与 える効果 が研 究 されて来た6'9,こ れ らの研究 では,飛 行時 間の最適な短縮時間 を求め るた めに, 航空機 の運 航 コス トの関数 ツ ・ 呂或 いはそれ を推定す るための様 々なパ ラメー タを用 いて いた9.し か し,地 上の管制官は通常 は航空機 の重量 に関す る情報や,運 航 コス トを決 定する係数 の値 を知 る ことができな いため,運 航 コス トの関数等 の情報 を用 いる ことが できない.
一方 ,将 来の四次元 運航 において は,航 空機一 ヒで予測 され る予測到着時刻 と最短到着 時刻な どの時刻 の情報 を地 上の管制官 に通知す るようにな ることが想定 されて いる1。.
また,最 高密度の理想 的な交通 流にお いて,予 測到着時刻のみの情報か ら遅延 時間 を予 測 しそれ を交 通流全体 で平 均的 に解消す るよ うに飛行時 間を短縮す る ことも提案 され て いるn.
1.2研 究 目 的
そ こで本研 究では,こ れ らの予測 到着 時刻 と最短到着 時刻 の情 報のみか ら運航 コス ト を低減でき るよ うに飛行時 間の短縮時間 を決定す る ことを試み る,運 航 コス トは燃料消 費量 と時間 に換算 され る航空会社等が負担す る費用 の和で あ り,一 般 的に図2に 示す よ うな下に凸の飛行 時間の関数 として表現 され る12.到 着管 理 による遅延 が生 じ,そ れ によ り飛行 時間が運航 コス トを最小化す る飛行時 間よ り大 き くなる と運航 コス トが増 加する.一 方,あ らか じめ遅延時間 を予測 し図3の よ うにそれ を考慮 して飛行時 間を 設定する ことで,遅 延によって結果 的に飛行 時間を最適値 に近づ ける ことが可能で ある もの と考 え られる,こ れが遅延 時間の予測 に基づ いたス ケジュー リングによる運航 コス
ト低滅 の基本 的な考 え方で ある.
本研究 では,運 航 コス トを最小化 する飛行 時間(以 下,最 小 コス ト飛行時 間 とする)
を基準 とす る到着管 理(以 下,基 本方式 とす る)を 想定する,そ して到着管理 にお いて
生 じ得 る遅延 を予測 し,交 通流全体 の遅延が平均的 に解 消 され るように飛行時間 を短縮
す るスケジュー リング(以 下,遅 延予測 方式 とする)を 行 う.こ の遅延 予測方式の有効
性 を,国 土交通省航空局か ら提供 された実運航デ ータ13を 用 い,特 に西方面か ら羽 田空
港 へと飛行す る航空機 を対象 とした到着管 理 シミュ レーシ ョンによ り明 らかにす る,
4K[擾興⊥K[
最 短 飛 行 時 間
最 小コスト飛 行 時 間
飛 行 時 間[sec]
図2運 航 コス トと飛行時 間の関係 図
設 定飛行 時間
実際 の 飛行時 間
1遅 延による延長
飛 行 時 間[sec】
図3遅 延予測 による運航 コス トの低減
第2章 到 着 管 理 の シ ミ ュ レ ー シ ョ ン
2.1航 空 機 の 実 運 航 デ ー タ
本 研 究 で は,国 土 交 通 省 が 提 供 し て い る レー ダ ー 計 測 デ ー タ を 用 い て 到 着 交 通 流 の シ ミ ュ レー シ ョ ン とそ の 評 価 を 行 う.こ の 計 測 デ ー タ に は 日本 上 空 を 飛 行 して い た 航 空 機 の 情 報(時 刻 ・緯 度 ・経 度 ・高 度 ・型 式)が 約10秒 間 隔 で 格 納 さ れ て い る.ま た デ ー タ の 日付 は2012年 度 の 一 一:一 部 期 間(計42日)で あ る,
2.2気 象 モ デ ル
本 研 究 で は 気 象 モ デ ル と し て メ ソ 数 値 予 報 モ デ ルMSM(MesoScaleModel)を 使 用 す る,MSM14は 気 象 庁 が 公 開 して い る 日本 及 び そ の 近 海 の 大 気 を 対 象 と した モ デ ル で あ る, MSMを 用 い る こ と に よ り3時 間 毎 ・経 緯 度0.1度 間 隔 の格 子 点 上 の 風 デ ー タ を 得 る こ
とが で き る.本 研 究 で は,こ の デ ー タ に 線 形 補 間 を 用 い る こ と で 任 意 の 位 置 ・時 刻 に お け る風 デ ー タ を 抽 出 す る.
2.3航 空 機 の 力 学 モ デ ル
本 研 究 で は 到 着 交 通 流 に お け る 航 空 機 の 降 下 運 動 の 計 算 に,欧 州 航 空 航 法 安 全 機 構 が 提 供 して い るBADAl5(BaseofAircraftData)モ デ ル を 使 用 し,垂 直 面 内 の 運 動 の み を扱 っ た.航 空 機 の 運 動 方 程 式 を 以 下 の(1)一(5)に示 す.ま た 機 体 質 量 や 抵 抗 係 数 な ど の 機 体 諸 元 はBADAモ デ ル を 参 照 し た.。
md弁5=一 喩 ∫̀D一 蜘 γ+Thr (1)
dh
万=VTAssinγ
dx
蕊=VT・AsCOSII+Vwind 2mgcosγ CL=
ρ嘱 ∫5
CD=CD。+CD2̀書
(2)
(3)
(4)
(5)
Thr VTAS
m
ρら碗γ
=推力
=真大 気 速 度
=機体 質 量
=空気 密 度
=抵抗 係 数
=誘導 抵 抗 係 数
=経路 角
D 9
九
∫ CDO
CL Vwind
1抗力 1重力加速度
=高度 翼 面積 1有害抵抗係数 揚 力係数 1進行方向 の風
2.4燃 料 消 費 量 の 推 定 式
BADAモ デ ル に お い て,ノ ミ ナ ル 状 態 の 燃 料 流 量fn。mは 推 力Thrと 燃 料 流 量 係 数 ηの 積 と し て 与 え られ る,係 数 ηは1キ ロニ ュ ー トン あ た り の 燃 料 消 費 量 で あ り,真 対 気 速 度 の 関 数 で 表 さ れ る.
fnom=τ1XThr(6)
η 一Cf・ ×(VTAS1十伽)(7)
ま た 巡 航 時 の 燃 料 流 量fcrは ノ ミ ナ ル 状 態 の 燃 料 流 量fn。mに 係 数(乎̀rを乗 じ る こ と で 求 め られ る.
L』r=fnerr正x(=ン̀r(8)
最 小 燃 料 流 量 痂̀れは エ ン ジ ン ア イ ド リ ン グ 時 の 燃 料 流 量 で あ り,高 度 の 関 数 と して 与 え られ る.
fmin‑Cf・ ×(H1‑C
f4)(9)
上 昇 ・巡 航 状 態 に お け る 燃 料 流 量 は そ れ ぞ れfn。m,fcrで 与 え ら れ,降 下 時 の 燃 料 流 量 fap/tdは 式(10)の よ う に 与 え ら れ る.
f。p/ld=Max(fn。m,fmin)(10)
2.5想 定 す る 交 通 流
本研究で は,日 本 で最 も交通 量の多い西方面か ら羽 田空港 の滑走路へ と向か う航空機 を対象 として シミュ レー シ ョンを行 う.図4は ある1日 の西方面か ら羽 田空港へ向か う航空機 の飛行軌跡 を表 した 図である,想 定 する交 通流は実際の航空管 制で扱われてい るウェイポイ ン トADDUMを 合流地点 と して,こ の合流地点か ら250㎞ 離れた地点か らCDOを 開始 し合流地点 に高度1万 フィー トで到 着す るもの とする.た だ し,合 流地 点か ら250㎞ 離れた地点 にお いて航空機が 上昇段 階の場合 は,巡 航開始 地点 をCDO開 始地点 とする,ま た合流地点で は先行機 との到着時 間間隔 を120秒 以上保 つ もの とする.
図4の 黒線 は巡航段 階,赤 色 の線 は到着管 理によ る飛行段 階の航空機 の飛行 軌跡 を表 している.
喝
黒 線 実 運 航 一 赤 線 シミ
40000
雛
冨 湘 。 。
也点 楚 …
M)15。 ⑪。
10000 50no
図4あ る1日 の到着交通流 にお ける航 空機の飛行軌 跡
2.6飛 行 経 路 の 計 算
本 研 究 で は,実 運 航 デ ー タ に 図5の よ うなCDO飛 行 経 路 を 導 入 す る,図 の 縦 軸 は 航 空 機 の 高 度[ft],横 軸 はCDO開 始 地 点 か ら の 飛 行 距 離[㎞]を 表 して い る.水 平 飛 行 距 離 x,水 平 飛 行 お よ び 降 下 す る 際 の 指 示 大 気 速 度(IAS)で あ るVIAS ,vVIAS,2を 変 化 さ せ, 各 々 の 経 路 で の 飛 行 時 間 と 燃 料 消 費 量 を 求 め る.た だ し,v}AS ,1とVIAS,2は 230〜290[㎞ot1の 範 囲 で 変 化 さ せ る.x,Vms ,1,ViAs,2の3つ の パ ラ メ ー タ を 変 化 さ せ
る と 各 飛 行 時 間 で の 最 小 の 燃 料 消 費 量 が 一 意 に 定 ま り,各 飛 行 時 間 に 対 す る 最 適 な 燃 料 消 費 量 が 求 ま る.こ う し て 各 飛 行 時 間 に 対 して 最 小 燃 料 消 費 量 を 得 る 飛 行 経 路 と 図6 の よ う な 横 軸 を 飛 行 時 間,縦 軸 を 各 飛 行 時 間 で の 最 小 燃 料 消 費 量 と し た 下 に 凸 な 最 小 燃 料 曲 線 を 求 め た.
冨
loECDO開 始 点
初 期 高 度 一一「 \
VIAS ,1VIA∫,2
10000[ft]
璽 繭 測 撰 菜
合 流地点
飛 行 距 離[㎞ 】X
1250[knユ ユ
図5CDO飛 行経路
飛 行 時 間[seCl
図6最 小燃料曲線
2.7運 航 コ ス トの 導 入
本 研 究 で は,航 空 機 の 運 航 コ ス トをC,各 航 空 機 の 飛 行 時 間 をTfligh亡,図6の 最 小 燃 料 曲 線 に お い て 燃 料 消 費 量 が 最 小 と な る 飛 行 時 間 をT。ef,燃 料 消 費 量 を1吟顧 と して 式 (ll)の よ う に 運 航 コ ス トを 定 め る,
C=a(Tftight‑T,,f)+Wfu,t(11)
こ の 式 の 第1項 は 時 間 で 換 算 さ れ る 航 空 会 社 等 が 負 担 す る 費 用 で あ る,こ こで αは 燃 料 消 費 量 と 飛 行 時 間 の 比 を 表 し た 定 数 で あ り,α の 値 を 変 化 させ る こ と で 燃 料 消 費 量 と 飛 行 時 間 の 等 価 関 係 を 決 め る 事 が で き る.例 え ば α=O.5の と き は,2[sec]の 飛 行 時 間 が1[kg]
の 燃 料 消 費 量 と 等 価 と な る,本 研 究 で は 定 数 印を 時 間 係 数 と し,シ ミ ュ レー シ ョ ン に お
い て は 全 航 空 機 の 時 間 係 数 を 皿=0,0.25,0.5,0.75,1.Oと し た5つ の 場 合 を 考 慮 す る,
第3章 到 着 管 理 にお け る ス ケ ジ ュ ー リ ン グ
3.1交 通 流 管 理 の 安 全 性
管 制官はパ イ ロッ トか ら通知 され た予測 到着時 間に基づ いて合 流地点 の到 着順 を決 定す る.到 着順 を決定 した後は,合 流地点 において前後の航 空機 同士 が安全 な到着時間 間 隔を確保 できるよ うに飛行 時間の調整 を行 う,本 研究 では この安全な時間間 隔を120 秒 とす る.次 に管制官 は指 定 した飛行 時間で飛行す るよ うパイ ロッ トに指示 をする,こ の一連 の手順 を図7に 示す.こ の時,交 通 流全体 と して運航 コス トを最小化 させ つつ 合 流地点 にお ける到着時 間間隔 を常 に安 全な 間隔で確保す るよ うな スケジ ュー リン グ 方 式が必 要である,
本研究 では研 究 目的で述べ たよ うに次 の2つ のスケジュー リング方 式を考 える.1つ は本研究で 想定する到着管理 のスケジュー リング方式 である基本方式 とす る.2つ 目は 今 回提案す る遅延 予測 を利用 したスケジュー リング方 式である遅延予測方式 である,た だ し,通 知 され る予測 到着時刻が最小 コス ト飛行 時間で飛行 した際の到着時 刻 と一致 し て いる ことを前提 とする.
一調圓 一 一
鷺 ミ 、
ミミ ミミ 湿 1国 〒
1̲1 一
CDO開 始 時 刻
合流 地 点予測到 着時刻
合流地点到藩時刻
12:0012:0512:1012:1512:2012:2512:30
図7想 定 す る 到 着 管 理 の ス ケ ジ ュ ー リ ン グ
3.2基 本 方 式 に よ る ス ケ ジ ュ ー リ ン グ
この方式 では,合 流地点の到着 時刻 をパ イロ ッ トか ら通知 され る予測 到着時刻 に基づ いて予測す る.こ の時,合 流地点にお いて 先行機 との時間間隔が安全な時間間隔 を確保 で きる場合 は予測到着時刻 に到着 させ る,た だ し,予 測到着時刻 に到着する と合流地点 で の先行機 との時 間間隔が安全な時間間隔 を下回る場合 は,そ の時間間隔が安全な時間 間 隔 とな るよ うに飛行時 間を延長す る.図8は ある1日 のあ る時間帯にお ける基本方 式 によ る到着管理 のスケジュー リングを表 した図である.こ の方 式では,先 行機 との間 隔のみ を考 慮するので,図9の よ うに混雑時 間帯 にある航 空機 に遅延が発 生す ると, そ の後続の航空機 は飛行時間 の延長 を強 い られ遅延 が後方へ と蓄積 して しまい,交 通流 全体 として慢性的な遅延が発生す る.そ のため,図9に 示 され るよ うに予測到着時刻 か ら延長 され る分 だけ運航 コス トが増加 して しま う.
CDO開 始時刻
14=5014:5515:0015=0515=1015=1515=2015:2515=30
合流地点予測到着時刻
合流地点到漕時刻
15:35
図8あ る時間帯 の基本方式 によ る到着管理
出Kn
最短到着時刻 決定される到着時刻
予測到着 時刻
飛 行 時 間[sec]
図9遅 延 による運航 コス トの増加
3.3遅 延 予 測 方 式 に よ る ス ケ ジ ュ ー リ ン グ
本研 究で提案す るこの方式では,ま ず管 制官 は予測 到着時刻か ら合流地点 にお ける局 所 的な混雑交通流 を予測 し,そ の混雑交通流 に遅延予測方式 のスケジュー リングを適用 す る,局 所的な混雑交通流 の予測方法 は次 のように行 う.図10は 図8と 同 じ時 間帯 の 交 通流であ り,基 本方式 によるスケジュー リングを表 した図で ある,図 に示す よ うに基 本方式での合流地点到着時刻 にお いて,あ る連続 した2機 に着 目してその間 の到着間 隔 が安全な時間間隔 を下 回る場合,前 方 の航空機 を始点 と して混雑交通流が始 まるもの と す る,そ して,そ の2機 よ りも後方 の航空機 に着 目して いき,あ る航空機 とそ の後方 と
の到着間隔が安全な 時間間隔 を上回る場合,混 雑交通流 は終 了す る もの とする.図10 では赤丸に囲 まれた6機 の航空機が混雑交通流 に含 まれ る航 空機であ る.次 に この局所 的な混雑交通流 にお いて,各 航空機 の最 小コス ト飛行時 間 との時間差で ある遅延時間 を 求め,更 に混雑交通 流に含 まれ る全航空機 の遅延時間 の平均値 を求め,そ の値 を局所 的 な混雑交通流 にお ける遅延予測値 とす る.例 えば,図10に おいて合流地点 予測到着時 刻順 に並んで いる航空機 に1か ら8ま での番号を川 頁番 に振 ってい く,表1は 基本方 式 での合流地点到着時刻 にお ける各航空機 の遅延時間 を示 した表で ある.表1に お いて, 図10の 局所 的な混雑交通 流に含 まれる航 空機 は2番 か ら7番 まで の航 空機である.こ の混雑交通流 にお ける遅延時 間の予測値 は,2番 か ら7番 の航 空機 の遅延時 間の平均 と な る.そ して 図10の よ うに予測 した局所 的な混雑交通 流に遅延予測方式 のスケジュー リングを適用す る.た だ し,図 の1番 目と8番 目の航 空機のよ うに混雑交通 流 に含 まれ な い航 空機 には遅延 予測方 式のスケジュー リングは適用せず に,飛 行 時間の調整 を行 わ な い まま合流 地点予測 到着時刻 をそ の まま合流地 点到着時 刻 としてパ イ ロッ トに通 知 す る.
CDO開 始時刻
14
合流地点予測到着時刻
基本方式での合流地点到着時刻
:35
遅 延 予 測 方 式 の 導 入
図10局 所的な混雑交通流 にお ける遅延予測方式 の導入
表1基 本方式 にお ける各航空機の遅延時 間 機 体 番 号 遅 延 時 間[sec]
ハ∠ 内﹂ 4 5 ! 0 7
0.0 78.6 110.7 188.2 234.7 150.0
遅 延 予 測 方 式 の 導 入 に お い て,管 制 官 は 先 程 求 め た 遅 延 予 測 値 を 用 い て 遅 延 予 測 方 式 に お け る 各 航 空 機 の 設 定 飛 行 時 間 を 決 定 す る,管 制 官 が 局 所 的 な 混 雑 交 通 流 に お け る 各 航 空 機 に設 定 す る 飛 行 時 間 をTc。nfig,最 小 コ ス ト飛 行 時 間 をT。p亡,予測 し た 遅 延 時 間
をTd,lay,最 短 飛 行 時 間 をTminと して,次 の(12)式 の 様 に 定 義 す る.ま ず,最 小 コ ス ト 飛 行 時 間 か ら遅 延 予 測 値Td。tay分 だ け 短 縮 し た 時 間 を設 定 し,そ の 設 定 した 飛 行 時 間 が 最 短 飛 行 時 間Tminを 下 回 る 場 合 は 設 定 飛 行 時 間 を最 短 飛 行 時 間Tminと す る,た だ し,設 定 飛 行 時 間 で 飛 行 し た 時 に 先 行 機 と の 到 着 間 隔 が120秒 未 満 に な る 場 合 は,120秒 以 上 の 間 隔 を確 保 で き る よ う に 設 定 飛 行 時 間 を 延 長 し て 飛 行 させ る,
T・ ・nfig‑{㌦ 鞭
転 隔:繍(、2,
そ して基本方式 と同様 に,航 空機 ごとに決め られた設定飛行 時間か ら合 流地点 到着時刻 を再度予測 し,合 流地点で先行機 との時間間 隔が120秒 以上 とな るよ うに飛行 時間の調 整 を行 う,次 の表2は 遅延 予測方 式におけ る各航 空機 の遅延時間 を表 した表で ある, 表 にお いて交通流全体 の遅延時間は合計0秒 であ り,こ れは予測 され る遅延時 間分だ け 時 間短縮 した飛行 時間で飛行 させる ことで,各 航空機の到着 時刻が予測 され る遅延分 だ けずれ るので,全 体 の遅延 が0に な るか らである,
表2遅 延予測方式 にお ける各航空機の遅延時間 機 体 番 号 遅 延 時 間[sec]
自 ∠ 角 ﹂ 4 f J { U ツ '
一127 .0
‑48 .5
‑16 .3
61,l
lO7.7
23.0
次 に図10で の交通流 にお ける基本方式 と遅延予測 方式 のス ケジュー リングによる航 空機 の燃料 消費量 と運航 コス トを比較する.下 の表3は 基本方 式での燃 料消費量 と運 航 コス トを,表4は 遅延 予測方式で の燃料消費 量と運航 コス トを表 して いる.こ の交 通 流 にお ける運航 コス トにつ いて は,各 航空 機 の時 間係数α=O,25と して 計算 して い る.表2を み る と,混 雑交通流 の先頭 の航空機 の飛行時 間が大 き く短縮 してお り,最 小 コス トとなる到着時刻よ りも早 い時刻で到着するので,遅 延予測方式の方 が基 本方 式
よ りも運航 コス トが大 き くな って しま って いる.し か し,図3の よ うに後続 の航空 機 群 は短縮 した飛行 時間で飛行 す る際 に,遅 延 による飛行時間 の延長 によって結果 的に最 小 コス トとなる飛行 時間 に近づ くので運航 コス トも最小値 に近づき,後 続 の航空機 は遅 延時 間が小 さくな り運航 コス トも小 さ くな ってい る.
表3基 本方式での燃料消費量 と運航 コス ト 機 体 番 号 燃 料 消 費 量[kg]運 航 コス ト
︻∠ ﹁﹂ 4 5 !0 月ノ
442,3 620.0 504.9 1295.3
635.4 299,0
435.9 620、0
511、4 1331.2
694,0 326.4
計均合平
3796.9
632.8
3918,9 653.2
表4遅 延予測方 式での燃料消 費量 と運航 コス ト 機体番号 燃料消費量[kg]運 航 コスト
h 乙 弓 ﹂ 4 ﹂ ρ⊃ r O 月 ノ
559.1 646.8 487.3 1228.2
487,8 236,9
521.0 615,1 462.2 1232.4
514.7 232,6
計均合平
3646,1 607.7
3578.0
596.3
ま た 図llの よ う に 赤 丸 で 囲 ま れ た 混 雑 交 通 流 の 先 頭 の 黒 色 の 航 空 機 が 時 間 短 縮 す る 際 に,そ の 前 方 の 緑 色 の 航 空 機 と の 間 で120秒 以 上 の 時 間 間 隔 を 確 保 で き な い よ うな 場 合,緑 色 の 航 空 機 も含 め て ス ケ ジ ュ ー リ ン グ を 再 び 行 い,緑 色 の 航 空 機 も 時 間 短 縮 す る こ と で120秒 の 時 間 間 隔 を 確 保 す る.ま た,緑 色 の 航 空 機 が 水 色 の 航 空 機 と の 間 で も 時 間 間 隔 を確 保 で き な い よ う な 場 合 も 同 様 に 先 行 す る 水 色 の 航 空 機 も含 め た 再 ス ケ ジ ュ ー リ ン グ を 行 い ,水 色 の 航 空 機 も 時 間 短 縮 さ せ る こ と で,航 空 機 間 の 時 間 間 隔 を 確 保 す る.水 色 の 航 空 機 よ り も 先 行 す る 航 空 機 群 に つ い て も 同 様 に 再 ス ケ ジ ュ ー リ ン グ を 行 う, た だ し,交 通 流 管 理 の 実 運 用 を 考 慮 して 混 雑 交 通 流 の 先 頭 の 黒 色 の 航 空 機 よ り も 先 行 す
る 航 空 機 群 を 含 め た ス ケ ジ ュ ー リ ン グ を す る 時 刻 は,黒 色 の 航 空 機 がADDUMよ り も 250㎞ 離 れ た 地 点 に 到 着 す る 時 刻 つ ま りCDOを 開 始 す る 時 刻 よ り もX分 前 と し,本 研 究 で は こ のXをXニ0,5,10,20,30,。 。(分)を想 定 す る.こ の 時,紫 色 の 航 空 機 以 外
の 航 空 機 は ス ケ ジ ュ ー リ ン グ を行 う 時 刻 に お い て,ま だCDOを 開 始 して い な い の で 再 ス ケ ジ ュ ー リ ン グ に よ る 時 間 短 縮 を 行 う こ とが 可 能 で あ る,逆 に 紫 色 の 航 空 機 は ス ケ ジ ュ ー リ ン グ を す る 時 刻 に よ り も 前 に す で にCDOを 開 始 して い る の で 再 ス ケ ジ ュ ー リ ン グ に よ る 時 間 短 縮 は 不 可 能 で あ る.
CDO開 始 時 刻 スケ ジュー リン グす る時 刻
̲lx分 前 産=\
\
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、、
㌔
、
時 間短 縮 は不可
琴 コ 喰 日,用
■、
夢{掴,r弘 圏
■ノ 轟
■
110秒
巳
120秒
■ 弾 、
ユ2。 秒1・Z・ 秒
〜
〜
〜ト
' 12G秒120秒
ウ
時 間 短 縮 前 の 到 着 時 刻1120秒1120秒1
≒̲→ 覧̲→' 1 ← →1← → ち̲→ ¶← →7 120秒1ユ20秒11ZO秒 ■120秒 ■
CDO開 始 時 刻
時 間短 縮 した際 の 合 流地 点 到着時 刻
最 終 的な
合 流地 点 到漕時 刻
図ll再 ス ケ ジ ュ ー リ ン グ
第4章 各 ス ケ ジ ュ ー リ ン グ方 式 の 評 価
4.1参 考 交 通 流
第3章 で 述 べ た 基 本 方 式 と 遅 延 予 測 方 式 の2通 り の 到 着 管 理 に お け る ス ケ ジ ュ ー リ ン グ 方 式 を 評 価 す る に あ た っ て,参 考 値 と して 全 航 空 機 が 合 流 地 点 に お い て 前 後 間 で 最 小 限 の 時 間 間 隔 を 確 保 し つ つ,交 通 流 全 体 の 運 航 コ ス トが 最 小 とな る よ う な 最 適 な 飛 行 時 間 で 飛 行 す る 交 通 流 で あ る 参 考 交 通 流 で の 運 航 コ ス トを 計 算 した,
こ の 参 考 交 通 流 に お け る 運 航 コ ス ト を 求 め る こ と は,運 航 コ ス トを 最 小 化 す る よ う に 交 通 流 全 て の 航 空 機 の 飛 行 時 間 の 最 適 化 を 行 う こ と と 同 じで あ る16}18,例 え ば,交 通 流 に お け る あ る 連 続 し た3機 の 航 空 機 に つ い て 考 え る と,図12に 示 す よ う に3本 の 運 航 コ ス ト関 数 が 存 在 す る.こ の 時,3機 の 航 空 機 に 対 し て 合 流 地 点 の 到 着 順 に 対 応 した1, 2,3の 番 号 を 振 り,そ れ ぞ れ の 飛 行 時 間 をt1,t2,亡3と し,飛 行 時 間 に 対 応 し た 運 航 コ ス トをC1,C2,C3と す る,一 方,こ の3機 の 航 空 機 は 合 流 地 点 に お い て 前 後 間 で 最 小 限 の 時 間 間 隔 を 確 保 す る 必 要 が あ る.図12は こ の 最 小 限 の 時 間 間 隔 を△tminと 表 して い る.3機 の 運 航 コ ス トの 総 和 の 最 小 値 を 求 め る こ と は,3本 の 運 航 コ ス ト関 数 に 対 し て 最 小 限 の 時 間 間 隔 を 確 保 した 飛 行 時 間 の 組 み 合 わ せ の 中 で,運 航 コ ス トの 総 和 が 最 小 と な る 組 み 合 わ せ を 求 め る こ と と 同 じ で あ る.
運 航 コ ス ト関 数 を 求 め る に は,そ れ を 決 定 す る 機 体 の 重 量 や 諸 元 の 情 報 が 必 要 で あ る が,航 空 管 制 の 実 運 用 に お い て 管 制 官 は そ れ らの 情 報 を 知 る こ と は で き な い た め,管 制 官 は 運 航 コ ス ト関 数 を 知 る こ と は で き ず,図12の よ う に 複 数 の コ ス ト関 数 を 用 い た 最 適 化 を 行 う こ と は で き な い,従 っ て 参 考 交 通 流 に お け る 運 航 コ ス トは,運 用 上 は 実 現 不 可 能 で あ る が 理 論 上 は 実 現 可 能 な 運 航 コ ス トの 最 小 値 を 示 し,今 回 提 案 す る 遅 延 予 測 方 式 が ど れ だ け そ の 運 航 コ ス トの 最 小 値 に 近 づ け た か の 指 標 と して 扱 う事 が 出 来 る,
Cl‑一 一 一 一
c3榑 一 一 一 一 一
1 亡
△亡 禰 冗
2 ε
t3
飛 行 時 間[sec]
図12参 考交通流 における飛行 時間の最 適化
4.2各 ス ケ ジ ュ ー リ ン グ 方 式 の 評 価
実 運 航 デ ー タ の 日付 が2012年5月7日 か ら13日,同 年7月9日 か ら15日,9月3 日か ら9日,11月5日 か ら11日,2013年1月7日 か ら13日,同 年3月4日 か ら10日 の 計42日 間 の 中 で,西 方 面 か ら羽 田 空 港 へ 着 陸 す る 交 通 流 に 適 用 した 際 の 航 空 機1機
あ た りの 平 均 運 航 コ ス ト と参 考 交 通 流 に お け る 平 均 運 航 コ ス ト と の 比 率 の 結 果 を 示 す.
シ ミ ュ レ ー シ ョ ン 解 析 を し た 総 機 体 数 は17055機 で あ る.
ま ず 航 空 機 の 運 航 コ ス トに つ い て 全 航 空 機 の 時 間 係 数 硯を 統 一 し,な お か っ3,3章 で 述 べ た ス ケ ジ ュ ー リ ン グ す る 時 刻 の 制 約 条 件 で あ るXの 値 をXニQOと し た 場 合 の シ ミ ュ
レー シ ョ ン 結 果 を 図13か ら図17,表5か ら 表9に 示 す.な お 今 回,α の 値 はa=0, 0.25,0.5,0.75,1.0と し た.図13の 左 の 縦 軸 は 航 空 機1機 あ た りの 平 均 運 航 コ ス ト
を,右 の 縦 軸 は 参 考 交 通 流 に お け る 平 均 運 航 コ ス トを100%と した 時 の 比 率 を 表 して い る,
図 と 表 か ら遅 延 予 測 方 式 は 基 本 方 式 と 比 較 し て 参 考 交 通 流 に お け る 理 論 上 実 現 可 能 な 運 航 コ ス トの 最 小 値 に 大 き く 近 づ い て い る こ と が 読 み 取 れ る.
850 800 ρ ム750
K 口700 製650 降600
550 500
実 運 航 デ ー タ 基本方式 遅延予測方式 参考交通流
150 140 130 120癬 竃
110
100 90
図13シ ミ ュ レ ー シ ョ ン 結 果(a=OXニoo)
表5シ ミ ュ レ ー シ ョ ン 結 果(a=OX=oo)
実運航データ 基本方式 遅延 予測方 式 参考交通流 平均運航 コスト 822.4 676.0 574.2 569.6
比率岡 144.4 ll8.7 100.8 100.0
850 800 'ム750
「1700
製650 肝600
550 500
実 運 航 デ ー タ 図14
表6
一 平均運航コス ト +比 率
基 本 方 式 遅 延 予 測 方 式 シ ミ ュ レ ー シ ョ ン 結 果(Ct=O,25
シ ミ ュ レ ー シ ョ ン 結 果(α ニ0.25
参 考 交 通 流 Xニoo)
Xニoo)
150
140
130 120癬 竃
110
100
90
実運 航データ 基本方式 遅延予測方式 参考交通流 平均運航コスト 807.9 693.1 583.9 578.6
比 率[%] 139.6 ll9.8 100.9 100.0
850 800 ρ ム750
「1700 鍛650 肝600 550
500
実 運航 デ ー タ 図15
表7
基 本 方 式 遅 延 予 測 方 式 シ ミ ュ レー シ ョ ン 結 果(炉05
シ ミ ュ レー シ ョ ン 結 果(aニ0.5
参 考 交 通 流 Xニoo)
X=Q。)
150
140
130 120癬 竃
110
100
90
実運航データ 基本方式 遅延予測方式 参考交通流 平均運航 コスト 793.4 662.8 588.8 587.0
比 率[%] 135.2 112.9 1003 100.0
800
750 ム
rく700
渥650 興600
550 500
一
一 平 均 運航 コス ト ー
一■一 比 率
\\
\
一 ■
■ 一 「一一一一一一 一一 一 一「 一 一一一一一 』 一「 一 一一一一 ■
実 運 航 デ ー タ 図16
表8
基 本 方 式 遅 延 予 測 方 式 シ ミ ュ レ ー シ ョ ン 結 果(α ニ0.75
シ ミ ュ レ ー シ ョ ン 結 果(α=O.75
参 考 交 通 流 X=Q。)
X=oo)
150
140 130
竃
120斑
110
100 90
実運航 データ 基本方式 遅延予測方式 参考交通流 平均運航コスト 779.0 633.7 591.9 591.1
比 率[%] 131.8 107.2 100.1 1qo.0
800 750
⊥ K700
「1 添650
{i?600 550
500
実 運 航 デ ー タ
図17
表9
基 本 方 式 遅 延 予 測 方 式
シ ミ ュ レ ー シ ョ ≧ 結 果(crニLO
シ ミ ュ レ ー シ ョ ン 結 果(α ニLO
参 考 交 通 流
XニOQ)
Xニo。)
150
140
130 120斑 竃
110
100
90
実運航データ 基本方式 遅延 予測方 式 参考交通流 平均運航コスト 7645 612.4 581.6 579.7
比 率[%] 1319 105.6 100.3 100.0
次 に時間係 数毎 に基本方式 と比 較 して遅延予測方式 によ って削減 された運航 コス ト と実運航デー タ との比率差 をま とめた 図と表 を示す,図 の左 の縦軸 は航空機1機 あた り の平均 の削減 コス トを,右 の縦軸は基本方 式 と遅延予測方 式の実運航デー タに対す る比 率差 を表 して いる,
また時間係 数毎 の遅延 予測 方式によって基本方 式と比較 して運航 コス トが減少,増 加, 変化 しなか った機体 の割 合についての結 果を表11に 示す.こ の結果か ら遅延 予測方 式
によって約6‑・7割の航空機の運航 コス トを削減できる ことがいえる.
120.0 100.0 4
bく80,0
驚60.O 竈 細40.0
20.0 0.0
α=0 α=O.25
570
= α
数五係司間α時
α=1
16,0 14.0 12,0 10.0竃 8.o網 6・0鯉 4,0 2.0 0.0
図18時 間係 数毎の平均削減 コス トと比率差
表10時 間係数毎 の平均削減 コス トと比率差
時間係数 肛=0 砒=025
侃 二 〇.5吼=0,75 α=1
平均削減コスト 101.8 109.2 74.0 41.9 30.8
比 率 差[%] 12.4 135 9.3 5.4 4.0
表11時 間係数毎の遅延 予測方 式によるコス ト増減 の機体割 合
時間係数 航=0 砒二 〇,25 砿=05 侃二〇.75 砒置1
コス トが 減 少 75.1% 74.3% 73.9% 69.3% 635%
コス トが 増 加 75% 18.0% 18.1% 135% 10.4%
コス トが 同 じ 17.4% 7.7% 8.0% 172% 26.1%
次 に 時 間 係 数 毎 に 基 本 方 式 と 比 較 し て 遅 延 予 測 方 式 に よ っ て 削 減 さ れ た 運 航 コ ス ト の 分 布 を 図 に 示 す.図19,図21,図23は 時 間 係tWa‑O,X・o。 と した と き の 航 空 機1 機 毎 の 削 減 コ ス ト分 布 を,図20は 削 減 コ ス トを そ の 航 空 機 の トン 単 位 の 機 体 重 量 で 割
っ た 値 の 分 布 を示 し て い る.図19を み る と,分 布 が 広 が っ て い る が,こ れ は 機 体 重 量 を 考 慮 して い な い た め で あ り,機 体 重 量 が 大 き い 航 空 機 と 小 さ い航 空 機 の そ れ ぞ れ の 削 減 コ ス トの 値 は 大 き く異 な る と考 え られ る.そ こ で こ の よ う な 機 体 重 量 の 大 き さ に 関 係 な く削 減 コ ス トの 値 を 正 規 化 す る た め に,削 滅 コ ス トを そ の 航 空 機 の トン 単 位 の 機 体 重 量 で 割 っ た 値 を 考 え る.図20は 正 規 化 し た 削 減 コ ス トの 分 布 を示 し て い る.
各 時 間 係 数 の 削 減 コ ス トの 分 布 をみ る と ば ら つ き が 大 き い が,機 体 重 量 で 割 る こ と で 正 規 化 した 削 減 コ ス トの 分 布 を み る と ば らつ き は とて も 小 さ く,こ の こ と は 遅 延 予 測 方 式 は 機 体 重 量 に 関 係 な く 平 等 に コ ス トを 削 減 で き る こ と を 示 す.こ れ は 遅 延 予 測 方 式 は 機 体 重 量 を考 慮 せ ず に 時 間 だ け を 考 え て ス ケ ジ ュ ー リ ン グ を 行 っ て い る か ら で あ る.
0.15 O,1
O.05
0
ド β 建 β 喬 ρ ρN"bi"や ⑤ ・ 爵33ヂ ザ 。 β 番 調 評 調
削 減 コス ト
図19削 減 コ ス ト の 分 布(Ctニoxニ 。 。)
0,4
O,3
壕 ・・2 0.1
0
.2
・101234
削 減 コ ス トノ 機 体 重 量(ト ン)
55以 上
図20機 体 重 量 あ た り の 削 減 コ ス ト(Ct=OXニ 。 ・)
O,2
0.15
0,1
0.05
0
ド 調 β β ㊥ 癖 ρN"瀞 やず ず3ず ヂ 翁 瞬 調 諺 諭 β
削 減 コ ス ト
図21削 減 コ ス ト の 分 布(Ct・O,25X・ 。 。)
0.4
0.3
11・ ・2 0.1
0
一2・10123455以 上
削 減 コ ス ト1機体 重 量(ト ン)
図22機 体 重 量 あ た り の 削 減 コ ス ト(a=0.25Xニ 。 。)
O,2
0.15
鍛 α・
0,05 0
調 調!調 β 喬 癖 ρ"ρ ・03ず3ず ヂ 瞬3調 諭 ず 評
削 減 コ ス ト
図23削 減 コ ス トの 分 布(or=O,5X=。 。)
O,5 0.4
遡0・3
懸0 .2
0,1 0
一2・10123455以 上
削 減 コ ス ト1機体 重 量(ト ン)
図24機 体 重 量 あ た り の 削 減 コ ス ト(砒 二〇.5Xニ 。 。)
・li ll:li
O
浦,調 β が)建 癖 ρN"Pt"・oず33ず ヂ 翁 ヂ 調 謹 認 ρ
削 減 コ ス ト
図25削 減 コ ス ト の 分 布(Ct=O.75Xニ 。 。)
O.6
1:1
鞠:l o'1
・2・1012345
削 減 コ ス ト1機体 重 量(ト ン)
図26機 体 重 量 あ た り の 削 減 コ ス ト(aニO.75X=。 。)
5以 上
0.35 03 0.25 遡02
.Obll o'og
ド,漕 建 β 建 癖 ρN"ρ ・0333ず ヂ 絆 絆 調 調 評 ρ
削 減 コ ス ト
図27削 減 コ ス トの 分 布(aニ1x=。 。)
0.6
1:1
鞠:l o'1
一2‑10123455以 上
削 減 コ ス ト1機体 重 量(ト ン)
図28機 体 重 量 あ た り の 削 滅 コ ス ト(or=1Xニ 。 。)
4.3ス ケ ジ ュ ー リ ン グ を 行 う時 刻 の 制 約 条 件 の 影 響
3.3章 で 述 べ た ス ケ ジ ュ ー リ ン グ を 行 う時 刻 の 制 約 条 件 で あ るXの 値 が 運 航 コ ス トに 与 え る 影 響 に つ い て 考 え る.図31か ら図33と 表12か ら表16は 時 間 係 数 毎 に,X=0, 5,10,20,30,Q。(分)と し た 場 合 の 遅 延 予 測 方 式 の 平 均 運 航 コ ス ト を 示 し た も の で あ
る.ま た 比 較 の た め に 基 本 方 式 で の 平 均 運 航 コ ス ト も 示 し た.こ れ らか らXニ10・‑oo(分) で は 平 均 運 航 コ ス トの 値 は ほ ぼ 等 し く,X=O〜10(分)で は あ る 程 度 の コ ス ト の 差 が 生 じ る こ と が 読 み 取 れ る.こ の こ とか ら,Xニ10・‑oo(分)で は 平 均 運 航 コ ス トの 値 に 与 え る 影 響 は ほ と ん ど 小 さ く,XニO〜10(分)で は 影 響 が 大 き い こ とが 言 え る,し か し,Xが ど の 値 で
も 基 本 方 式 と 比 較 して コ ス ト を 大 き く 削 減 す る こ と が で き る.
700,0 680,0 ゐ 〆660・0
口640 .O
鑛 姻620・0
硬600 .0
580.0 560,0
■
■
■
■
■
■
一
1 一
一 凸 ■
一
一一
1
■
■ ■■ 一 ■
1X=co X=30X=20X=10X=5
図29Xの 値 毎 の 平 均 運 航 コ ス ト(α ニ0)
表12Xの 値 毎 の 平 均 運 航 コ ス ト(Ctニ0)
X=0基 本 方 式
α=0 X=QO X=30 X=20 X=10 X置5 X=0 基本方式
平均運航 コスト 574.2 575.3 575.6 577.9 583.6 604.5 676.0
700.0 680.0 よ K660・0
口640 .0
鍛620・0
鯉600 .0
580.0 560.0
X=oDX=30X=20X=10X=5X=O基 本 方 式
図30Xの 値 毎 の 平 均 運 航 コ ス ト(α=0,25)
表13Xの 値 毎 の 平 均 運 航 コ ス ト(a=0.25)
αFO.25 X=◎o X=30 X=20 X=10 X=5 X=0 基本方式
平均運航コスト 58a9 584.1 584.2 585.6 589.9 612.8 693.1
680.0 660,0 よ
K640.0
「1 温620.0
{iT600・0 580.0 560,0
X=。oX=30X=20X=10X=5X=0基 本 方 式
図31Xの 値 毎 の 平 均 運 航 コ ス ト(Ct=O,5)
表14Xの 値 毎 の 平 均 運 航 コ ス ト(or=O.5)
乱二〇5 X=oo Xニ30 Xニ20 Xニ10 Xニ5 X=0 基本方式
平均運 航=ス ト 588.8 588.8 588.9 589.0 590.2 599.9 662.8
6400 6300 'ム6200
口6100 渥6000 鍛5900 陰卜5800
5700 5600
X=。 。X=30X=20X=10X=5X=0基 本 方 式
図32Xの 値 毎 の 平 均 運 航 コ ス ト(砒二〇.75)
表15Xの 値 毎 の 平 均 運 航 コ ス ト(Ct=O.75)
αFO.75 X=◎o X=30 X=20 X=10 X=5 X=0 基本方式
平均運航コスト 591.9 591.9 591.9 591.9 591.9 594.7 633.7
620,0 610.0 よ trく600 .O
「1 渥590.0
鯉580・0 570.0 560.O
X=。 。X=30X=20X=10X=5X=0基 本 方 式
図33Xの 値 毎 の 平 均 運 航 コ ス ト(Ctニ1.0)
表16Xの 値 毎 の 平 均 運 航 コ ス ト(αロLO)
σF1.0 X=◎o X=30 X=20 X=10 X=5 X=0 基本方式
平均運航コスト 581.6 581.6 581.6 581.6 581.7 583.1 612.4
また混雑交通 流の先頭よ りも前方の航 空機群 を再ス ケジュー リングす る時 に先頭 の CDO開 始時刻 か らどれ だけ前のCDO開 始時刻の航空機の 再スケジュー リングを行 うか
どうか について考え る.図 の様 に混雑交通流 の先頭の黒色 の航空機が時間短縮 した時 に, 赤 色の航 空機 までの航空機群が時間短縮 した際 に,最 後 に再ス ケジュー リング した赤 色 の航空 機 と混 雑交通 流の先頭 の黒色の航 空機のCDO開 始時刻 との差 をY(分)と す る.
最 後 に再 スケジュー リング した
機 体のCDO開 始時 刻Y分 先 頭 のCDO開 始 時 刻
CDO開 始 時 刻
時間 短 縮 した際 の 合流 地 点 到 着時 刻
最 終 的な
合 流 地 点到 着 時 刻
120秒 以 上120秒120秒1ZO秒120秒
図34再 ス ケ ジ ュ ー リ ン グ 時 のCDO開 始 時 刻 の 差
図35か ら 図39はX=ooと した と き の,時 間 係 数 毎 のYの ヒ ス ト グ ラ ム で あ る,Yの 値 が10分 以 上 と な っ た 再 ス ケ ジ ュ ー リ ン グ の 回 数 の 割 合 は 全 体 の 約1・‑2割 で あ り,約 8〜9割 の 場 合 に お い て はYの 値 が10分 以 下 とな っ た.そ の た め 実 運 用 に お け る ス ケ ジ
ュ ー リ ン グ を す る 時 刻 の 制 約 を 考 慮 す る と,管 制 官 は あ る 航 空 機 の ス ケ ジ ュ ー リ ン グ を
行 う 際 に は そ のCDO開 始 時 刻 の 約10分 前 ま で に 終 え て い る こ とが 望 ま し い と い え る.
02
0.15
叢 …
0,05 0
や 譜 評
も ㌧ もlbへCb
Y[分 】 図35Yの ヒ ス ト グ ラ ム(a=0,Xニoo)
〜
0.2
0.15
0,1
0.05
0
o◎ ン
趣
も へ
Y[分]
〜
Yの ヒ ス ト グ ラ ム(Ctニ0.25,Xニoo)
図36 O,2
0.15 0.1 0,05
0
o説 趣
も へ
Y[分]
Yの ヒ ス ト グ ラ ム(or=O.5,Xニoo)
図37
〜
02 0.15
0.1
0.05
0
㌧%asbsrも も へCbCbo譜
Y[分]趣
図38Yの ヒ ス ト グ ラ ム(Ct=O.75,Xニoo)
02 0,15
0.1 0.05
0
㌧%も ㌧ も も へ も ら ⑤ 説
Y[分]ず
図39Yの ヒ ス ト グ ラ ム(aニ1.0,X=OQ)
4.4遅 延 予 測 方 式 と参 考 交 通 流 との比 較
遅延予測方 式 と参考交通 流 との比較 を行 う.表17は 参考交通流 にお ける平均運航 コ ス トを100と した時の遅延 予測 方式の平均運航 コス トの比率 を示 した表で ある.時 間係 数 毎の遅延予測方 式の比率 の平均値 は100、4で あ り,参 考交通流での運航 コス トとわず か な差 しか無い ことが言える.ま た表18は 遅延予測方式 と参考交通流 との平均 飛行時 間差 を示 した表である.飛 行時間差 も同 じく遅延予測方式 と参考交通流 との間でわずか な差 しか 無い ことが言える,
表17遅 延 予測方式 にお ける平均運航 コス トの参考交通流 との比率
時間係数 遅延予測方 式 参考交通流
α=0、0 α=0.25
α=0.5 α=0.75 α=1.0
100.8 100.9 100.3 100,l lOO.3
100.0 100.0 100.0 100.0 100.O
平均 100,4 100.0
表18遅 延予測方式 と参考交通流 との平均飛行時間差 時 間 係 数 平 均 飛 行 時 間 差[sec]
α=0.0 α=0,25 α=0,5 α=0,75 α=1.0
0,29 0.27 0,26 0,33 0,28
平均 029
次 に遅延予測方式 と参考交通流 とで,ほ ぼ同 じ結果 にな る理 由とわずか に差が 生じる.
由につ いて考察す る,図41は ある1日 のスケジュー リング方式毎の遅延時 間を表 した 図で ある.緑 色 は基本方式での,赤 色は遅 延予測方 式での,青 色 は参考交通流で の遅延 時間 を表 して お り,縦 軸は遅延 時間,横 軸 は航空機 の合流地点 の到着時刻 を秒 単位で表 して いる,ま た遅延 時間は各航 空機 の飛行時間か ら最小 コス ト飛行時間 を差 し引いた値 で ある.図 を見 ると遅延予測方 式は参考交通流 とほぼ重な って います,ま た両方 式とも 基本方 式よ りも同様 に遅延 時間が小 さい ことか ら飛行時 間の短縮 によ る運航 コス トの 低減の原理 は同 じで あると言 え,こ の ことが遅延予測方式 と参考交通流の結 果が ほぼ同 じにな る理 由 と考え られ る,し か し,赤 色の線が見え る部分 のよ うに遅延予測方 式と参 考交通流で一 部異な る部分が あ り,遅 延時間 に差異が ある,
遅延予測方 式と参考交通流 とで結果 にわずかな差 が生 じるのは,小 型機 と大型機が連 続す る交通流 の場合 に生 じるためで あると言える.図40は 図41の ある時 間帯 を拡大 した図であ る,こ の図の連 続 した3機 の航 空機 に着 目する.連 続 した3機 の航 空機 の内, 1機 目は重量 が58ト ンの小型機,2機 目は重量が65ト ンの小型機3機 目は重量が155 トンの大型機で ある,参 考交通 流において,こ の小型 の2機 は遅延予測方式 よ りも更 に 時間短縮 して いる,そ のた め運航 コス トが増加す るが,こ の2機 が前方 に詰 めて くれた ことで後方 に間隔の余裕が生 まれ,後 続 の大型機 の遅延 は遅延予測方 式よ りも小 さくな って いて,交 通流全体 として運航 コス トは小 さくな って いる,
この ように小型機 と大型機が連続す る交通流 において,参 考交通流で は小型機 の運航
コス トが遅延予測 方式 よ りも増加す る ことにな るが遅延 予測方 式の時 よ りも更 に時間
短縮す ることで後続 の大型機 の運航 コス トを小 さくし,交 通流全体の運航 コス トを小 さ
くす るような スケジュー リングを行 って いる.一 ・ 方,遅 延 予測方 式で は運航 コス ト関数
の情報か ら時 間短縮 を行 って いるので はな く,予 測 され る平均 の遅延時間か ら短縮す る
時間 を決めて いるので,小 型機や大型機 に関係な く平等 に時 間短縮 を行 う,そ のため,
小型機 と大型機が連続す る交通流 にお いて,遅 延予測方 式 と参考交通 流とで 結果に差が
生 じるため,全 体 としてわず かな が らも差が 生じる,
700 600
冒lll 壼:器 趨 ・ 。 ・ 騨 、 。1
・200 25000