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会計情報 システムの新展 開

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会計情報 システムの新展 開

山 田 萱 .

T.は じ め に

我が国の企業 をとりか こむ環境 は激変の様 を呈 している 経済面 では,大幅 な貿易収支の黒字 が生 じてお り,欧州 や米国などを中心 に,我が国の市場開放 や内需拡大 に対する要求が強 まっている。 自由貿易体制 を維持するには,なん らかの形 でこれ らの要求 を受 け入れね ばな らない状況 にあ り,そうすると,国 内市場 における企業間の競争 は,外国企業の参入 により,一層激化 すると考 え られる. さらに,市場 のニーズも多様化 ・高度化 してお り, これ らのニーズを どの ような形 で吸み上 げ,製品やサー ビスに反映 させてい くかが重要 なこと なる。

一方,国外市場 に目を転ず ると,急連 な円高が進展 してお り,従来 どお りの 輸出は難 しい状況 になってきている。 さらに,外国 より保護貿易主義的な政策

を構 じられるケースも増 え,状況 を一層悪化 させ るものとなってきている。

この ような状況 で,企業 は自らの企業生命 をか け,生 き残 り戦略 を展開 して いかなければな らない。 さらにその戦略 も,環境 とともに複雑化 ・高度化せ ざ るを得ず,それを実現化すべ き企業組織 もそれだ け複雑化 していかねばな らな い。 この組織 の複雑化 は,マネジメ ン トの機能 に影響 し,従来 にもま して高度 なマネジメン トの機能 が要求 される。

人間のみな らず企業体 も含 めて,有機体 がその生存 を保持 するためには,内 部環境 を外部環境 に照 らし合 わせてみて,自己調節す る必要があると,N.ウ イ ナー (N.Wiener)は述べ ている1)が,ま さに,経営 システム (management

1)N・Wiener,TheHumanUseofHumanbeings,HoughtonMifflin&C0.,1950( 原止文夫訳 『人間機械論』 みすず書房,昭和29,122頁)

l1 ]

(2)

2 38 1

system )は,つ ね に環境 の変化 に適応 しなが ら,歴史的 にも累積 的進化 の過 程 をたどる、有機的組織体 なのである。

ここで経営 システムをA.M .マ ク ドノウ (A.M .M cDonough) らの定義 に よって説明す ると,第 1の意味 は,組織 において論 理 の用途 に貢献するあ らゆ る活動 をあ らわす ものである。そ して,第 2の意味 は,組織の中の個 々の シス テム を全体 と してみるときに用 い られ る。2)っ ま り,経営 システムは,現実 に 財 または用役 を商品 と して生産,供給 する社会的 ・経済的 ・技術的 システムで あ り, さらに,資本主義経済のなか においては,経営 システムは明 らか に企業 組織 である。

企業組織のなかで,経営 システムを支える2本柱 となっているのが,組織機 構 と情報 システムであ り, その関連 は図 1‑ 1の ように示 され る。3)この組織

1‑ 1 マネジメ ン ト.システムの基本構造マネジメン ト

(inanagement) I

情報 システム

2)A.M.McDonoughandL.J.Garrett,ManagementSystems:Workingconc4,tsand pTlaCtices,Irwin,1965(今井謹吾訳﹃経営システムの設計‑その考え方と応用‑﹄産能短大出版部,昭和45年)3・)山田萱生著﹃組織変革と情報システム﹄文異堂,昭和56,233

(3)

会計情報 システムの新展開 3

機構 と情報 システムとの関連 に着 眼す ると以下 の ように考 え られ る

組織理論 における機構 とは,従来 よ りstructure(人間 と職能 の編成 )であ り, シス テム理論 にお ける機構 とは,mechanism (機械 的 しくみ )で あった。 そ れが両理論 の接近 によって,新 たに機構 とは, N.ウ イナーの主 唱す る ような organicism (有機体 )と して,組織機構 とい う用語 のなか に定着 す るようになっ てきたのである。す なわち,組織機構 と情報 シス テムとは,人体 にみ られる解 剖学 的構造 と神系 システムにみ られ る生理学的機構 との結 びつ きにあ らわれて いるように,有機 的 な接合 を, ます ます強 く要請 され る ことになるので ある

この経営 システムは,企業 の内部活動 な らびに外部環境 に関する生 の デー タ を集 めるスキ ャニ ング ・サ ブ システム,それ らの デ‑ 夕を分析 ,評価 す る組織 化サ ブシステム, さ らにそれ らの情報 を利用 し決定 を下 すためのデ シジ ョン ・ サ ブ システムの3つのサ ブ システムよ り構成 されている。4)

この ような企業組織 に対 す る情報 システムズ ・アプローチのね らいは,意思 決定 のための はっき りした客観的組織 を発展 させ ることにあると考 え られ る。

経営 シ.ステムにおいて,情報 は経営管理者 の意思決定 を補佐 す るもの と して 必須 である。情報 システム開発 の 目的 は, この意思決定 の ための情報 を,.組織 的かつ動的 に把握 しようとす るところにある。

激 変する環境 の もとで,企業組織 を維持,発展 させ てい くためには,複雑化 す る組織 の さき ざまな レベルにおいて要求 され る情報 を供給 す る情報 システム の確立が 必要 である。現実 の企業 内部か らだけで はな く,経済状況,社会状況,

さ らには環境へ と情報 の ア ンテナ を伸 ばす必要 がある。反面,高度情報社会 と 呼 ばれ る現在 は,VAN (ValueAddedNetwork)などに代表 され るデータ通信 ネ ッ トワー クの発展 や,キ ャプテ ン,衛星放送 などに代表 され るニューメデ ィ アの登場 によ り,供給 できうる情報 の量 は急速 に拡大 している。しか しなが ら, 情報 システムはただいたず らに情報 を最大限 に供給 すればよい とい うもので は

4) C.G.Schoderbek,p.p.SchoderbekandA.G.Kefalas,ManaBlementSystems, BusinessPublications,1980.(鈴木幸毅,西賢祐,山田萱生監訳 『マネジメン ト・

システム』文異堂,昭和58,362頁)

(4)

4 38 1

な く,企業組織内のそれぞれの レベルよ りもた らされる情報需要 との関連 で, 情報 の量 と質 とを選択することが重要である。

本節では,企業組織 を情報 システムの観点か らとりあげ検討 したが,次節で は,会計への情報 システムズ ・アプローチを展開する

2

.会計への情報システムズ ・アプローチ ̲

企業組織 は環境 の変化 に応 じ,その組織機構 お よび情報 システムを変化 させ てきた.また,企業組織 のなかの‑職能である企業会計 も,当然,その過程 に おいてその職能の変化 を求 め られてきている。

会計の基本 的機能 は,測定 (measurement)と伝達 (communication)に あるのであ り,会計発達史上,つねに経営計算制度 と しての役割 を果 た してき た会計 は,その測定方法の多元化 と,伝達方法の改善 を必須の もの と している のである。

現在,企業会計 は大 きく財務会計 と管理会計 とにわけ られる。

現代の企業 は現代社会 を支え,現代社会 を動か し,現代社会 を規制す る強大 な影響力 を持 っている。企業の活動 および状態が,出資者,債権者,消章者, 従業員 ,税務 当局 などの利害関係者 に,重大 な直接 ・間接の影響 を及 ぼすもの なのである このため,企業 に関する情報 を利害関係者 が入手 することが,社 会全体 にとって不可欠 とな り,定期 的に企業 の情報 を社会 に公開する仕組 みが 確立 している。 したがって企業 と しては, 日頃か ら自己 に関す る情報 を公開す るための資料 を収集 ・整理 し,必要時 にいつでも報告書 が作成 しうるように し ておかなければな らない。 この ような目的 をもって行 われる会計が,財務会計 である。5)

一方,経営管理者 にとっでも,合理的 な経営 目的の達成 に必要 な計画 を設定 し,また これ ら諸 目的 を達成す るために行 うさまざまな意思決定 を行 う際 には, それに役立つ会計情報が必要である。 このように,企業 内部の利害関係者 に会

5)古川栄一,柴川林也編 『経営用語辞典』東洋経済,昭和53年,102

(5)

会計情報 システムの新展開 5

計情報 を提供 する会計が管理会計である。6)

管理会 計 は経営管理者 の種 々の経 済的意思決定 に役立 つ資料 を提供 す るた め,計画 の資料提供 と して,損益分岐分析 ,直接原価計算,特殊原価調査,投 資 の経済計算 などの技術 が駆使 され,また統制 のための資料提供 と して予算制 皮,標準原価計算 ,経営分析,責任会計 などの技術 や概念 が利用 されている。

しか し, この ような展開 は,今 日,財務会計制度 を基礎 と して, これ に管理会 計が標準原価計算,予算 などの形 でつ け加 え られ,あるいは組 み入 れ られてい

くというものであるといえる。7)

現代の激変す る環境の もとで生 き残 り戦略 を くりひろげる企業で は,上述 の ように,従来か らの会計職能 による情報 だけでは,大 きな限界が生 じてきてお り,経営 の基本構造 につ いての意思決定 である戦略的意思決定 や,その もとに おいて反復 的 に展 開 され る業務活動の個 々の部分 につ いての意思決定 であると ころの業務執行的意思決定の両者すなゎち,経営意思決定 に役立つ会計情報 を 提供することが要求 されている。

財務会計や管理会計 は,過去か ら現在 にか けてを対象 に したものであ り,令 後 はどうなるのか,どうしていけばよいのかなどといった判断 を下 すためには, 戦略会計,行動会計,意思決定会計などの未来志向の会計が必要であるとの声 が高 い。8)

このように,企業会計制度の もとに,長期間 にわたる伝統的会計処理技術 が 支 え られた会計 システムは,新 しい会計領域 の拡張 を余儀 な くされているが, そ こに形 成 され るべ き新 しい会 計 シス テム を総称 して,会 計 情報 シス テ ム (AccountingInformationSystems,以下 AISと略称 )と しての展 開 をはか る突 破 口 の役 割 を果 声 した の が,1966年 に ア メ リカ会 計 学 会 (American AccountingAssociation,以下 AAAと略称 )か ら公表 された報告書 「基礎 的

6)同編,同書,90

7)涌田宏昭編 『経営情報管理論 増補版』実教出版,昭和58年,150

8)西順一郎著 『知的戦略の方向』ソ‑テ ック社,原田盛夫著 『経営戦略 と しての会計』

経営実務出版 などを参照 されたい。

(6)

6 38 1

会計理論」 (AStatementofBasicAccountingTheory,以下 ASOBATと略称 ) で ある。

ASOBATに よれ ば, 「会 計 は本質 的 に は1つ の情報 シス テムで あ る。 もっ と正確 にいえば,会計 は情報 の一般理論 を効果的 な経済活動 に関す る問題 に適 用 したものである。会計 はまた,量的 に表現 され た意思決定 の ための情報 を提 供 す る一般的情報 システムの うちでの大部分 を占めている。 この ような状況 の もとでは,会計 は活動全体 の一般情報 システムの一部 で あるとともに,情報概 念 と境 を接 している基本領域 の一部分 で もある.」9)と している.

す なわち,会計理論 を情報 システムの理論 と してと らえ,会計情報 システム は,企業 の経営活動 の全般 にわ たって,(1)事後 計算 (報告 的会計 ),(2)現在 計 算 .(管理的会計 ),(3)事 前計算 (予測 的会計 )の それぞれの情報 を提供 し,経 営意思 に役立つ情報 システムとなるので ある。

ASOBATの公表以 降, わが国で は,企業会計 の領域 を機能的観点 か ら制度 会計 と情報会 計 とい う2つ の分野 に分 ける考 え方 が一般化 して きた。

これ は,単一性 の原則 の もとでの多 目的利用 を重視 す る制度会計 と,意思決 定 へ の役立 ちを重 視 した利用者 指 向的会計 で ある情報会 計10)と位置づ け,従 来 の財務会計,管理会計の区分 にと らわれず, 目的や方法論 に よりと らえた も ので ある。

.E.マクネイル (I.E.M cNeill)に よれ ば, 「会計 とは,意思決定 に役立 つ財務情報 を提供 す る情報 システムであ り, システムと しての会計 を研究 す る

ことは,よ り有意義 なかつ理解 しやすい多 くの問題 を提供 す るもので ある。11)

と,会計 を定義 している これ は,明 らか に情報会計 の立場 をとった もので あ

9) A.A.A.,AShZtementOfBasicAccountingTheory,A.A.A.,1966,p.64.(飯野利 夫訳 F基礎的会計理論』 国元書房,昭和44,92頁 )

10) J,T.GodfreyandT.R.Prince,"TheAccountingModelfrom anInformation SystemsPerspective",TheAccountingRemlew;January 1971. (武 田隆二訳 『情報 会計論』 中央経済社,昭和46年,7

ll) I.E.McNeill,FinancialAccounting:A DecisionInformationSystem,Goodyear Pub.,1971,prefacex

(7)

会計情報 システムの新展開 7

り,会計への情報 システムズ ・アプローチの適用である。

情報 システムズ ・アプローチ は, さまざまの環境 の もとでの企業活動 を 「 理」 しようとす る試 みであ り,企業組織 あるいはその部門や部分 を研究するた めの1つの新 しいアプローチ をな している。基本的 には, システム分析者 は, 企業経営者が行 わなければな らない主要 な意思決定 を,(1)意思決定 が関係 して いる一般領域,(2)決定過程 の時間の次元,(3)決定過程 における類似 した情報要 求,の3つの組合 せにもとづいた範噂 に分類 しようと している。

これ らの3つの性格 を もった意思決定 の集 ま りこそが, 「情報 システム 核 である。 システム分析者 は,組織 の大小 にかかわ りな く, この意思決定の集 ま りと意思決定 に関連 した,すべての情報の流 れ を明 らかにすることに関係 し ている。関連 する意思決定 のそれぞれの集 ま りを描 き図式化 したこの情報の流 れのネ ッ トワークは, 1つの 「システム」 を構成 する。それぞれのネ ッ トワー クない し 「システム」 は 「情報 の流れ」 を焦点 とするので,そのネ ッ トワ‑ ク

,

情報 システム」と呼 ばれる。この ように,情報 システムズ ・アプローチは, システム分析者が,企業活動の プロセスにお ける主要 な情報 システムの1 1 つ を把握 しうるように,企業組織 あるいはその部分 を観察 し,分析 するための 特殊 な方法 である。

この情報 シス テムズ ・ア プローチの特徴 は, T.R.プ リンス (ThomasR.

prince)が そ の 著 書 ′(InformationSystemsForManagementPlanning and control12))のなかで説 明 したものだが,そのアプローチの重点が

,

情報利用」

ではな く

,

情報要求」 におかれていることであ る。

これは,会計情報 を利用する者 の立場 にたって,いかなる情報 を提供するの が よいか,情報の種額 と内容の相異が意思決定者の決定 にいかに作用するか,I 伝達 ない し報告の仕方 によって決定者 はいかなる影響 を受 けるかなどの問題 を

もその対象 とする。

12) T.R.Prince,InformationSystemsforManagementPlanningandControl,Irwin, 1966,pp.8‑ 9.(宮川公男監訳 『計画 と管理 のための情報 システム』 ダイヤ モ ン ド社,昭和46年,8‑9頁 )

(8)

商 学 究 第 38 1

この よぅな システムズ ・アプローチの企業組織への適用 は, コンビュ‑夕や データ通信技術 の発展 に加 え,管理科学,行動科学,情報科学 などの関連諸科 学 の発展 によって, よ り現実的要請 が高 まっ てきたのである。

ここで,AISの発展過程 につ いて,情報処理技術 の発達 とむす びつ けて と らえる ことは,AIS構築 への アプローチ と して も有効であろう ここで は, 会計 システム を形成 す るための情報処理技術 の発達 を中心 に して,マニュア ル ・システムか らマ シン ・システムへ, さらにマ ン‑マ シン ・システムへの発 展 をあとづ けてみ よう。

手作業時代の会計 システムは, ヨ ミ ・カキ ・ソロバ ンという言葉 に象徴 され るように,帳票 を中心 とす る手作業 システムとして展開 され,今 日の複式簿記 機構 にまで精激化 されている。

この ような手作業 による会計業務 の第 1期の機械化 システムと して,多 くの 単能機 が開発 されて適用 され,次第 に記録 ・計算 ・分類 ・作表 ・伝達 という各 機能 は複合 されて,多能機が登場す るようになる。

会 計 業 務 の 第 2期 の 機 械 化 シ ス テ ム は, パ ンチ ・カー ド・シ ス テ ム (punchedCardSystem,以下 PCSと略称 )と して,パ ンチ ・カー ドを媒 体 とす る機械化 シス テム相 互 の統 合化 をはか ったと ころに特徴 が あ り, デー

タ ・プロセ シング ・システムの基礎 を形成 したのである

会計業務 の第 3期 の機械化 システム は,エ レク トロニ クスを導入 してデ‑

タ ・プロセ シング ・システムを形成 するEDPSを登場 せ しめる。 この ような pcs とEDPSの発展 は,会計 システムの形成 に与 える影響 も大 きく,会計業 務の機械化か ら,機械化会計,EDP会計 と して新 しい会計の領域 をもたらし

たのである

このデータ処理の側面 を強調 したデータ ・プロセ シング ・システムは,次第 に トータ)t'・システム概念 を導入 して,デー タの伝達の側面 を強調 したインテ グ レイテ ド・データ ・プロセ シング ・システム (IntegratedDataProcessing System,以下IDPSと略称 )と して,ますます大規模一貫集中処理方式 を特 一徹 とす る情報の大量生産時代 をむかえることになるが, この情報氾濫時代 を通

(9)

会計情報 システムの新展開 9

じて,情報 の価値 とコス トが注 目されるようになる。

こうしてデー タ ・プロセ シング ・システムは,情報処理 システムと して,情 報 の量か ら質への転換 をはかることにな り,情報 システムと しての会計モデル の時代 をむかえたのが,今 日の

AI S

の展開である

このようにマニュアル ・システム‑機械化 システム (部分的機械化 ・全体 的 機械化 )‑ デー タ ・プロセ シング ・システム

‑I DPS

‑情報 システムへ と, 会計情報の処理方式が変遷 してきたのは,ただ単 にコンピュータの処理能力の 向上 やネ ッ トワー ク ・アーキテクチ ャーの発展 などに代表 される情報処理技術 が発達 したことによるばか りでな く,企業環境 の複雑化 に伴 う情報利用者の情 報要求の多様化か らも,その必然性 をみ ることができよう。

いずれに しても,情報 システムと しての会計モデルの展開 をめざす ことにな るのであるが,その会計モデルの情報処理ル‑)i,として,伝統 的会計処理技術 (複式簿記機構 )のみをと りあげる場合 に形成 される情報 システムが,伝統 的 会計 システムである。これに対 して,コンビュ‑ タ ・プログラ ミング技術 によっ て会計処理ルール を展開す る場合 の情報 システムが, コンビュ‑夕 ・ベースの 会計情報 システムである。

この

2

つ の会計 モデルの融合可能性 を検討 す る ことこそ,

AI S

研究 の主要 な課題の

1

つであると考 え られ るが,

ASOBAT

公表以来の,会計の新 しい領 域の拡張 はめ ざま しく,企業環境の変革 と複雑性 のJ増大 とともに,会計学の領 域 の拡大 にともな うコンピュータ ・ベースの会計乍 デルのテ リ トリー も拡大 さ れ続 けて きたujで, ど こまで を対象 とす る システムをも▲って,

AI S

を設計 す べ きであるのか,決断 しがたいのが実状 である。13)

3

.会計情報システムの再検討

すでに述べてきたように,会計 システムは,外部の利害関係者への報告 を目 的 と LIf=伝統的会計 システムか ら情報 システムズ ・アプローチによ り,種 々の

13)山田萱生著,前掲書,210‑212

(10)

70 38巻 1

利害関係者 の情報利用 を目的 と したAISへ と展 開 されて きている。本節 で は, AISの意義 お よび特 質 を明確 に した うえで, その実現 を目指 したモ デル を検 討 し,AISの現状 を把握 してい く。

AISは経営意思決定 に役立 つ情報 を提供 す るアプローチ とな るので あると, すで に述 べ たが, この観点 にたて ば,AISとい う名称 にとどまる ことな く, よ り高次 の管理情報 システムあるいは企業情報 システムと して全体 の フ レーム ワー クをと らえ, その 1つ のサ ブ システム と してAISをと らえる とい う方法 が,一番取 り組 みやす いであろうO

そ こで まず,意思決定過程 とマネ ジメ ン ト活動 の関係 につ いて明 らか に して い こ う

l

.A .サ イ モ ンは,意 思決定 ■(decisionmaking) を経営 と同義 語 に取 り扱 う こと に よ っ て ,その一体化 をはか っている。すなわち,企業経営 にお ける意 決 定 活 動 は , 経 営活動 の根幹 であ り, この活動 は両極 にある決定 の型 によっ

て 図 3 ‑ 1の よ に示 され る。円錐形 のマネ ジメ ン ト階層 お よびマ ネジメ ン ト

活 動 に 対 応 し て , 戦 略的計画,マネ ジメ ン ト・コン トロール,オペ レ̲‑ シ ョナ

・ コ ン ト ロ ー ル へ と 下部 に移行 す るにつれて,意思決定 の型 が, ノンプログ

ラ ム ド な 決 定 か ら プ ロ グラム ドな決定 へ と移 ってゆ くので ある。

R .N :ア ン ソ ニ ー は , この戦 略 的計 画 ,マ ネ ジメント・ン トロール , オペ レーョナ ル ・コ ン トロール の 3つ に分類され た経営管理ロセ ス,そ して財 務 会を外 部 指向の プロセ ス とと らえて,図 3‑2に示さ れ る よ うに,組 織 と 画化の プ ロ セス と して体 系 化 して い る。14)これ,情報 処理 シス テム を外 部 向のプ ロセ スと しての財 務 会 計 と, 内部指 向 のプロセス と してのマネ ジ メ ン

・ファ ンク ションズの双 方 を支 え る共通基 盤と してとえて お り,この よ う 情報シス テ ムの こと を AIS と名 づ けれ ば, AISの一 モ デル と一致 す る フ

‑ムワー ク とな るの で あ る。

14)R.N.Anthony,PlanningandControlSystems;AFrame&orkforAnalysis,Harvard University,1965,p.22(高橋吉之助訳 『経営管理 システムの基礎ダイヤモン

ド社,昭和43年,27頁)

(11)

会計情報 システムの新展開 Il

3‑2 アンソニーの管理 プロセス

内部指向のプロセス

ト.コ̲ン トロー

シヨン ..コ ン トロール 戦 略 的 計 画

マネジメン

オベ レー‑

外部指 向のプロセス

財 務 会

(12)

12 38巻 1

び外部 の利害関係者 がどの ような会計情報 を必要 とし, どのように利用 される かにつ いて考察する。

内部利害関係者 につ いて は,前述 したようにマネジメ ン ト活動 と意思決定過 程 の関係か ら,戦略的計画,マネジメン ト・コン トロJ)し,オペ レーシ ョナル ・

コン トロールの3つの階層 においての情報 ニーズを明確 に してい くことが必要 だが,そり前段階 と して一般的な意思決定 に関 して簡単 に考察 してい く。

意思決定 とは,い くつかの選択可能な行動の うちか ら1つ以上 の行動 を選ぶ ことであ り,H.A.サ イモ ンはその過程 を,①情報活動 (intelligenceactiv‑

ity),②設計活動 (designactivity),③選択活動 (choiceactivity)の3 の過程 に分察 し,図 3‑ 3の ように示 している。15) 1の情報活動 は,意思決 定 を必要 とす る,経済 ・政治 ・技術 的な諸条件 を設定す るための環境調査が主 な活動 になる。第 2の設計活動 は, い くつかの考 え られ うる行動 の諸過程 を発 明 し,開発 し,分析 す るのが主 な行動である。第 3の選択活動 は,第 2で設計 された行動の諸過程 のなかか ら,1つの行動過程 を選択す ることが主 な活動で ある。図3‑ 3か らも明 らかなように,一般的 に,情報活動 は設計活動 に先行 し,設計活動 は選択活動 に先行する。実際 には, もっと複雑 で混 み入 った意思 決定過程 になることは避 け られないが,そのプロセスには常 に情報が重要 な役 割 を果 た している。.

企業経営 における意思決定活動 は,戦略的計画,マネジメン ト・コン トロー

3p‑ 3 H.Aサ イモ ンの意思決定過程 ・一 設 動 ‑

I l

15)H.A.Simon,TheNewScienceofMa7LagementDecision,PrenticeIIall,1960,p.

1 (宮城浩祐他訳 『コンピュータと経営』日本生産性本部,昭和43,13頁)

(13)

会計情報 システムの新展開 13

ル,オペ‑ ショナ)i,・コン トロールのマネジメ ン ト活動 に対応 して,意思決定 の型 が, ノンプログラム ドな決定か らプログラム ドな決定へと移 ってゆ くとす でに述べ た。 ここで, プログラム ドとは, コンピュータの決定 ルール と して, 情報 の自動化 をはか ることを意味 し,プログラム ドな意思決定過程 は,情報 シ ステムと決定 システムとを連結 す る,情報決定 システムと して とらえ られる。

マ ネジメ ン ト階層 によ りマネジメン ト活動の 目的や対象 は異 な り, さらに意 思決定の型 も異 なってお り, したがってそこで必要 となる情報 の種類 や性質 も 異 なっている。 この点 に関 しては, ブルメンター)I/が提示 している企業 階層 に

おける情報 システム観 が参考 になろう。16)

3‑4 企業階層 における情報 システム

組織 区分 . イ ンプ ッ ト 情報 システム アウ トプッ ト

・全社 的 お よ ・目標 の設定 .予測不可能 . ・不 ・ス タ ッフの ・1回か ぎ り ・目

ツ7‑マ ネ

ジメ ン ト 源 の決定 ・対.ス タ ッフ的 ・外 部 環 境・経営成果 の報告 p ・シ ミユ レ(無 限定 の )シ ヨン調査 ・制

マネ ジメ ン ト‑ コン ・全社 お よび ・割 り当て ら ・個 ・反復 的 ・要約的資料 ・多数 の定例 ・意 思 決 定 トロール 部 門 れ た資源 の ・組織 が変動 ・4半期 ごと ・例 外 事 項 報告個 人的 リ

・プロフイ ツ 配分 ・月 次 ご と ・多種類 の フ ‑ ダー シツ

トーセ ンタ ・)レールの決 ・ラ イ ン 的 ・過 オーマ ッ ト

・業 績 測 定

・統 ・判断が必要・対 ・調査 (・ 「デー ター・抽つき)バ ンク」 的限定 ・手 続

オペ レ‑ シ ヨナルー . ・)レールに し ・安 ・リアル タイ ・社 内 事 象 ・定 ̲ ・行

16) S・C・Blumenthal,ManagementhformationSystems:A FrameworkforPlanning a7ulDevelopment,Prentice‑Hall,1969.(菊地和聖訳 『経営情報 システムの設計 一 計画 と開発のフ レームワーク』東洋経済新報社,昭和46,38頁)

(14)

14 38 1

内部 p利害関係者 の場合 に比較 し,外部の利害関係者の情報ニーズ,利用の 形態の把握 は困難 な ことである。外部利害関係者 としては,株主,債権者,従 業員 ,消章者,証券取引所,政府機関などを含 めて非常 に広範囲 に及 び企業 と の関係 も様 々である。そのため,各利害関係者 と企業 との関係,そこにおける 意思決定 の種類 と過程 が明確 にされなければ,完全 には把握することができな い。またさらに,それ らの関係 は変化する可能性 が大であ り,一層,問題 を困 難 なものと している。

ASOBATは,第 3章外部利用者 のための会計情報 において,会計情報 は財 務管理 につ いて報告するための重要 な手段 であると同時 に,外部利用者 が行動 する場合の不確実性 を軽減するための主要 な手段 でもあると述べている。 しか し, さまざまの情報利用者の利用 目的に適合する報告 を作成するに虜 たって, 会計情報 のあ らゆる利用者の要求 を詳細 に知 ることは必要 でない。すなわち, 現荏 および将来の投資家,債権者,従業員 ,株式取引所,政府機関,取引先そ の他 などの外部利用者 にとって,会計情報 はとりわけ重要 ではあるが, それ ら の外部利用者 の行動特性 につ いてもっとよくわか るまでは,ある程度 まで大 ま かな情報要求 のパ ター ン化 による,多元的評価 による情報提供機能 を強調す る のである。そ して,(1)現荏 および将来の持分投資家 な らびにその代表者 によ る将来の数期間の利益 の予測,(2) 短期債権者 による将来 の財政状態 と債務弁 済能力の予測,(3)外部利用者のすべての集団による将来 の期間の経営効率の 予測,(4) 資源の委託者 によるその管理保全 に関する判断 などの意思決定 に役 立つ情報提供機能 こそが,外部報告会計 に課せ られた新 しい課題 であると して

いる。17)

いままで述べてきた内部利害関係者 および外部利害関係者の情報ニーズを満 たす ことを目的 と したAISの一般 モデルを,∫. T.ゴ ッ ドフ リイ (James T.Godfrey)T. R.プリンス (ThomasR.P血 ce)は,外部指 向で あ

る伝統的会計 システムと内部指向と してのマネジメン トの基本的機能 (管理会

17) A,A.A.,op.cit.,pp.19‑36.(同訳,29‑54頁 )

(15)

会計情報システムの新展開 15

計の領域 )との関連 に留意 しなが ら,図31 5の ようなフローチ ャー トを描 い て説 明 している。18)

このAISの一般モ デ)I,は,阜SOBATの主張 する,財務会 計 と管理会計 と を統 合す るAISと して設計 された ものである このモ デルは,デー タ処理 に つ いて,「システムに対 す る設計 の明細

」(B

7).と 「経 営計画 と統制 に対 す る設計の明細」(B 8)の対応

,

財務的諸概念」(BIO)と 「管理諸概念」(B

12)の対応 という2つのステ ップで統合 プロセスを示 し, さらにデ‑夕の変換 につ いて, 「財務会 計諸手続」 (B14)か らの 「選択 の ための規準」 (B15) と 「経営計画 と統制 のモ デル」 (B18)か らの 「モデルの選択」 (B17)の対 応 というステ ップで,それぞれの情報要求 に適応 するための伝達 システムへの 分岐 を示 している。

このモデル は,マネ ジメ ン トの基本的機能 である計画化 (planning)と統 刺 (control)のための システムと しての管理会計 システムと,財務会計 シス テムとの統合 を意 図 しているが,複雑多岐 にわたって拡張 され る新 しい会計領 域のすべてを包含 するものではない し,この フローチ ャー トに示 されるほどに, その実践的展開 も容易で はない。

ゴ ッ ドフ リー, プ リンス らも,意思決定モデルの解 明と情報要求の特定化 の 問題 , インプ ッ トされるデータの タイプと範囲の拡張化 に関する問題,業務 シ ステム内部 でのパ ラメー タや変数 の変更 に対 す る機構 の問題 , コモ ン ・デー タ ・バ ンク構築の問題 などを,問題点 と して取 り上 げている。19)

つ ま り,企業組織 内の各 レベルおよび外部利害関係者 の情報ニーズとその意 思決定 システムとの関連 を解明す ること,およびそれ らの情報 ニーズとの適応 プロセスなどの設計 を進 めること,そ して単 に会計情報 と しての取引事実 だけ ではな く,企業の他 の情報 システムか らの情報 を含 めて,それ らに付随する関 連情報の収集方法 と管理方法 を確立 し, データ ・ベースを形成 することなど,

18) J.T.GodfreyandT.R.PrinceL,op.cit.,pp.86‑87(同訳,57‑62貢 ) 19)Ditto:,op.cit,pp.88‑89.

(16)

76 38 1

3‑5 会計情報 システムの一般モデル B 5

B19

B28

B 21

B

2 4

B29

珍 ‑

@

(17)

会計情報 システムの新展 開 17

今後 の課題 が, きわめて豊富 に残 されているのである。

ASOBATの表 明以来,今 だ に, その実践 的展 開 に よる検証 を経 た,真 の AISの一般 モ デルが登場 で きない根 本原 因 は,その展 開 され たモデルのすべ てが,あ くまで も概念モデルに終 り,その実証研究への手 がか りにす ぎない こ とに帰結す るのである。

AISの具体 的,実践 的展 開 を図 るためには,企業全体 を企業情報 システム とい うフ レーム ワー クで と らえ, その 1つのサ ブ システム と してAISを位置 づ けることを念頭 におき,現在 ,企業の会計業務 において大 きな比重 を占める 財務会計 をベースに し,その 日常業務 の内に,管理会計 に代表 される管理のた めの手法 さらには,戦略会計,行動会計,意思決定会計 などに代表 され る未来 志向の会計がとけこんでいるシステムを検討 してい くことが大切であろう

4

.会計情報 システムの新展開

AISの実践 的展 開 を図 るためには,企業情報 システムとい う全体 の フ レー ム ワ‑クの1つのサブシステムとしてと らえなが らも,現実の会計業務 をベ ー ス と して,そ こか らの展開 を図 ってい くべ きだと,前節 で述べ た。本節では, この認識 にたち,AISの新 たな実践的展 開 を検討 してい くのであるが,その ためには,現実の会計業務 にコンピュー タがどの ように関係 しているのかなど の点 につ いて触れてい くことが必要である。

複式簿記機構 を背景 と した伝統的会計技術 は,複式簿記の原唾 という明確 な ルールに従 い,記録 ・計算 ・分類 ・作表 ・伝達の機能 を果 たす ものだが,その 作業 は計算,転記 といった機械的作業が主 である。そのため,会計業務の省力 化 などを目的 とし,早 くか らコンピュー タが用 い られ,現在 も広 く普及 してい

る。EDP会計 と呼 ばれるものが これである。

しか しなが ら, このEDP会計 が充分 に機能 しているか とい うことを考 える と,否定的 な答えにな らざるを得 ない。

ここでまず,一般的 なEDP会計の処理 につ いて触 れ ると,その処理 の流 れ は図4‑ 1の ように表す ことができる。

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18 商 学 討 究 38巻 1

これは,取 り引 きの発生 により生 じた仕訳デ ータを入力 し,そのチェ ックを 行 い,各種 の トランザ クシ ョン ・フ ァイルなどを更新 し,元帳や財務諸表 を出 力するというものである。 もちろん,企業の取 り組 み度合 や時代の流れによっ て新 たな機能が付加 されているなど,ケースは様 々であるが,基本的には上述 の ような流れになっていると言 えよう。

確 かにこの流 れでは,転記,集計,計算 などの機械的作業 は大幅 に省力化 さ れる。 しか しなが ら,勘定科 目コー ドなどに代表 され る各種 の コ‑ ドによる入 力作業, それ を元 に したチェ ック作業が必要 とな り,作業量の増大 につ ながっ ている。

この ような苦労 の多 い入 力 ・チ ェ ック作業 に よ り,財務諸表 な どの ア ウ ト プ ッ トが得 られ るのであるが,経営管理者 レベルの要求す る情報 は,ほとんど 得 られ ることができない現状である。

この ような一連 の流 れは,企業内の コンピュータ部門 と会計担当部門,′また は,外部 の計算 セ ンターなどと会計担当部門 との間で,バ ッチ処理 で行 われて いたのが一般的であった。

しか し,時代 の経過 とともに, この処理 の流 れに大 きな変化が生 じて きた。

その変化 を生 みだ したもの は, まず,超 LSIに代表 され る各種素子 の飛躍

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会計情報 システムの新展開 19

的 な発達 によ り, コンピュー タの コス トパ フォーマ ンスが著 しく向上 し,パ ー ソナル ・コンピュータに代表 され るように, その普及 が急速 に拡大 した ことで ある。

また, コンピュータの性能 の向上 は設計思想 の変化 を生 みだ し, コンピュー タに計算機 と してだけではな く,通信 とい う機能 も付加 されて きた ことである。

これには,通信 回線 の利用法規 の緩和 などの利用制度上 の発展 も影響 している。

さ らに, ワー プ ロ, FAX, イ ンテ リジェ ン ト・コ ピー な ど OA (Office Automation)関連機器 の普及 も, ひとつ の イ ンパ ク トと して あ げる ことがで

きる。

つ ま り,従来 は,手書 きの原始伝票 を正規 の会 計伝票 と し,それ をコンピュー タに入 力 し, チェ ックす るとい う流 れであったものが,人間が会計伝票 を発行 する過程 と同 じように,直接 コンピュー タとの対話形式 で必要事項 を入 力 し, その結果 と して,会計伝票 が作成 され るとい うことが可能 になったので ある。

ーソナル ・コンピュータなどの普及 やネ ッ トワーク技術 の発達 によ り,必要 な時,手近 か なところで入 力す るということが可能 であ り,その入力 とい うコ

ン ピュー タとの共 同作業 も, OA関連機 器 の操作 を通 じて,誰 もが スムーズ に行 える下地 がで きて きたのである。

前節 で,AIS構築 の課題 と して,(1) 内外 の利害 関係者 の情報 ニーズ とそ の意思決定 システムとの関連 を解明 し, それ らの情報 ニーズとの適応 プ白セス などの設計 を進 めること,(2)会計情報 お よびそれ らの関連情報 の収集方法 と 管理方法 を確 立 し, データ ・ベースを確立 す ることの2点 をあげたが,特 に後 者 の問題 に関 して は,それが解決 で きうる環境 となって きたので ある。

ここで, この2つ の問題 につ いて, よ り具体 的 にふれ, AISの新展 開へ向 けての検討 を進 め よう。

まず,第 1の問題 につ いて考察す る。前節 で も述べ たように,内部利害 関係 者 は, オペ レ‑ シ ョナ)I,・コン トロ‑)I,,マ ネジメ ン ト ・コン トロ‑ル,戦略 的意思決定 の3つ の意思決定 の レベ ルに分 け られ る。

オペ レー シ ョナル ・コン トロール において は, 日常 の業務活動 をフォーマル

(20)

20 38 1

な決定 ルール によ り行 うものであるか ら,十分 な システム分析 により, ほぼ完 全 な形 での システム化が可能 である。注意 すべ き点 は,各業務間の関連 や処理 手順 を十分 に把握 し,人手 による作業量 を極力減少 させ,操作性 を向上 させる

ことである。

マ ネジ メン ト・コン トロ‑)t'においては,オペ レー シ ョナル ・コン トti‑ル において蓄積 された各種 の情報 をもとに,種 々の分析 ・評価 を行 うのであるが, そのためには,それ以外の情報 も必要 となって くる。 さらに,その方法 も定型 的で はあるが,・変更の可能性 の高 いものである

さらに,戦 略的意思決定 においては,蓄積 された各種 の情報 より,外部か ら の情報 が重要性 を増 し,非定形的 な意思決定がほとんどである。

また,夕帽締り害関係者の必要 とする情報 や意思決定 の方法 は様 々で ある。

これ らの ことを考 え合わせ,第 1の問題 を考 えると,それぞれの立場 の情報 ニ‑ズやその意思決定 システムを解 明することは非常 に困難であ り,、たとえそ れ らを解明 し,情報 システムに組 み込 んだと して も,それ らが変化す る可能性 が高 く,非効率的であるといえる。

これを解決 してい く方法 と しては,オペ レーシ ョナル ・レベルにおける日常 の業務活動 を基盤 と し,そ こで蓄積 された情報 を目的 に応 じて 自由に加工 でき る)レーテ ンや,必要 に応 じて外部 か らの情報 をも取 り入 れて加工できるルーチ ンを付 け加 えた形 の システムの構築 を図ることが考え られる。

次 に第2の問題 につ いて考 えてみる。

コンピュー タよ り各種の情報 を出力 させ るためには,その元 になるデータの 入力が必要 な ことは自明の ことである。 このデー タの入力作業 はすでに述べた ように,非常 に労力のかか るものであるが,それ を解決する下地 ができてきて いる。

さて,入力 されたデータは, コンピュータ内においてフ ァイル と して管理 さ れているのであるが,従来か らの システムの場合 ,その フ ァイル はアウ トプ ッ ト指向の単一管理 目的 ファイルであることがほとんどである。 この ことは,同 じデータが種 々の異 なるフ ァイル上 で管理 されていることを示 し,そのため,

(21)

会計情報 システムの新展 開 21

非効率的なコンピュータ ・リソースの使 い方 を していると言える。

原始 データをアウ トプ ッ トの目的 によ り各種 の トランザ クシ ョン ・フ ァイル に振 り分 けて管理す るのではな く,原始 デー タは原始 データの イメージのまま, それ も後 に検索 しやすい形 で貯蔵 し,アウ トプ ッ トが必要 な場合 は,その目的 に応 じて原始 デー タを検索 ・加工 し出力す るとい う形 が望 ま しいと言 える。

ここで,第 1お よび第 2の問題 につ いての検討 を踏 まえ, AISの新展 開の ためのフ レーム ワー クを検討 してみる。

4‑ 2で示 したフ レームワークは,(a) データの入力,(b) データq)管理, (C) データの利用 の3つの部分 よ り構成 されているが,それぞれを最新の動 向

などにも触 れなが ら解説 してい く。

(a) デー タの入力では,必要 なデータを最小限の労力で入力することが大 き なポ イン トとなる。

そのためには,会計部門が中心 とな り,起伝 し,入力 し,チ ェ ックを行 うと

参照

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