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プロフェッショナリズム研究の現状と今後の課題

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Academic year: 2021

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要旨

本稿の目的は,多様な分野の職業を対象にしたプロフェッショナリズムに関 する先行研究をレビューし,Hall(1968)が提唱した 5 次元モデルの構造につ いて議論するとともに,重要であるにもかかわらず検討が不十分な要因を特定 する形で,プロフェッショナリズムの形成モデルと今後の課題を明らかにする ことにある。分析の結果,以下の 4 点が明らかになった。第 1 に,プロフェッ ショナリズム研究は,Hall(1968)の 5 次元に基づいて行われていたが,本稿 ではより高次の「自律性」と「献身性」に分類する必要性を提示した。第 2 に,

重要であるにもかかわらず検討が不足しているプロフェッショナリズムの決定 要因として「パーソナリティ」,「目標志向性」,「仕事経験」,「実践コミュニティ」

を,結果要因として「学習」,「心理的ウェルビーング」を特定した。第 3 に,

決定要因および結果要因を検討する上で「タスク特性」と「キャリア発達段階」

がモデレータとなる可能性を指摘した。第 4 に,以上の点を踏まえて,プロ フェッショナリズムの形成モデルを明示した。

1  .    はじめに

専門的職業人であるプロフェッショナルは,優れた知識や技術を基に,顧客 が抱える課題の解決を通して組織や社会に貢献しているが(Schon, 1983),プ ロフェッショナルとしての役割を遂行する上で鍵を握るのが,プロフェッショ

小野寺 美希子

〔87〕

(2)

ナリズムである(e. g., Evans, 2015; Evetts, 2013; Ginsburg Regehr, Stern et al., 2002; Hall, 1968; 瓜生原, 2012)。プロフェッショナリズムとは,ビリーフシ ステム(belief system)によって方向づけられている職業固有の態度と行動と 定義 さ れ て お り(Evetts, 2003a, 2011; Wynia, Papadakis, Sullivan et al., 2014),人間の認知活動に関係している概念である。ここでいうビリーフシス テムとは,個人の信念が機能的に連結した状態を意味し,人の信念を強固にす るといわれている(Rokeach, 1968)。信念は,認知心理学の分野においてビリー フとして検討がなされ,人間の態度や行動をコントロールする高次の認知的要 因である(Flavell, 1979; 松尾, 2006)。つまり,プロフェッショナリズムは,

メタ認知の一部として個人の態度・行動を統制する源泉と考えられることか ら,専門的職業人の活動に影響を与える重要な役割を果たしているといえる。

伝統的にプロフェッションとして認識されてきた職業は,医師,弁護士,聖 職者であったが(Freidson, 1970),現代では職業の多様性と専門性が進展し,

幅広い領域の職業がプロフェッションとしてみなされている(e. g., Evetts, 2003b, 2013; Noordegraaf, 2016)。例えば,病院組織では,医療が高度化およ び複雑化した結果,医師だけでなく,看護師,薬剤師,理学療法士等が専門職 として協働することで,はじめて適切な医療サービスを提供することが可能と なる(桑田・田尾, 1998; 瓜生原, 2018)。この他,建築士,情報処理技術者,

服飾デザイナー,コンサルタント,営業職においても高い専門性を持ったプロ フェッショナルとして働くことが求められている(松尾, 2006; 宮下, 2001; 太田, 1993; Von Nordenflycht, 2010)。このことから,知識や技術発達に伴う専門的 職業の増加に対応するためにも,プロフェッショナリズムの形成を通した,専 門性の追求と職業的地位の確立を促進する必要がある。

従来,プロフェッショナリズム研究は,Hall(1968)の 5 次元モデルを中心 に検討が行われてきたが(e. g., Bartol, 1979a, 1979b; Boyt, Lusch, and Naylor, 2001; Dinger, Thatcher, Treadway et al., 2015; Jang, Kim, and Kim, 2016;

Snizek, 1972; Wynd, 2003),先行研究には次の 2 つの課題がある。第 1 に,

Hall(1968)によって示されているプロフェッショナリズムの 5 次元は,並列

(3)

的に扱われており,その構造は明確になっていない。すなわち,Hall(1968)

のモデルには,使命感,価値観,能力,役割に関する次元が混在しており,よ り高次の次元に類型化する必要があると考えられる。第 2 に,プロフェッショ ナリズムの決定要因および結果要因として重要であるにもかかわらず,十分に 検討されていない概念が存在する。例えば,これまでの研究では,経験学習や 実践コミュニティ等の学習論的な観点が明示的に取り入れられていない。ビ リーフシステムとしてのプロフェッショナリズムは,専門職の学習を導くと指 摘されていることからも(松尾,2006),プロフェッショナリズムがいかに形 成され,どのような結果に結びつくかを,学習の側面から再検討する必要があ る。

以上の点を踏まえ,本研究は,プロフェッショナリズムの決定要因・結果要 因に関する先行研究をレビューし,Hall(1968)の 5 次元モデルの構造につい て議論するとともに,重要であるにもかかわらず検討が不十分な要因を特定す る形で,プロフェッショナリズムの形成プロセスに関するモデルと今後の課題 を提示したい。

2  .    プロフェッションとプロフェッショナリズム

以下では,プロフェッションを「専門的職業」,プロフェッショナルを「専 門的職業人」と捉えた上で,プロフェッションとプロフェッショナリズムの概 念について概観する1)

1) 本研究におけるレビュー対象は,Web of Science Core Collection,およびCiNiiに おける電子ジャーナルで入手可能な研究であり,研究分野は社会科学に限定した。

また,学術領域が確立されている医師,看護師,弁護士,教師,会計士といった

専門的職業に関する研究も対象にした。検索した年代は,プロフェッショナル研

究が開始された年代まで遡り,1950年代後半から2018年までとした。検索キーワー

ドは「プロフェッショナリズム(professionalism)」,「プロフェッショナリゼー

ション(professionalization)」,「プロフェッション(profession)」,「プロフェッ

ショナル(professional)」とし,これらの概念を検討している論文をレビューした。

(4)

2 - 1 .プロフェッションの概念

本稿は,プロフェッショナリズムを中心に検討するが,ここでは関連する概 念であるプロフェッションの特徴について整理する。近代において,プロフェッ ションとして認められてきた職業は,医師,弁護士,聖職者であるが(Freidson, 1970; 石村, 1969),現代においては幅広い分野の職業がプロフェッションと呼 ばれている(e. g., Evetts, 2013; Noordegraaf, 2016; 太田, 1993)。

プロフェッションの定義については合意が得られているわけではないが,そ の要素は,「長期的専門教育による知識と技術の習得」,「自律性と専門性」,「倫 理的規範」,「同業者コミュニティ」という 4 つに区分されている(太田, 1993)。「長期的専門教育による知識と技術の習得」とは,高等教育機関におい て 体 系 的 な 専 門 知 識 や ス キ ル を 獲 得 す る こ と で あ る(Greenwood, 1957;

Wilensky, 1964)。ただし,近年は,高等教育機関だけでなく,仕事現場にお けるトレーニングを通して得られる専門的知識や技術の構築も含まれる傾向に ある(McGivern, Currie, Ferlie et al., 2015; 宮下, 2001; Noordegraaf, 2016)。

また,プロフェッションは,専門的な知識やスキルを基に「自律性と専門性」

を追求し自己の分野における独占的権限を得ていることが多く(Cruess and Cruess, 2012; 太田, 1993),こうした専門領域における権限は,職業団体によっ て認められた「倫理的規範」,能力や倫理的基準を維持するための「同業者コミュ ニティ」によって統制されている(太田, 1993)。

以上の点を踏まえ,本稿ではプロフェッションを「長期的専門教育あるいは 仕事現場において専門的な知識と技術の習得が求められ,同業者コミュニティ や倫理的規範が存在し,自律性と専門性を追求している職業」と定義する。こ のようなプロフェッションの特徴を前提とした上で,次にプロフェッショナリ ズムの概念について整理する。

2 - 2 .プロフェッショナリズムの概念

プロフェッショナリズムは,専門的職業人の態度(Hall, 1968; Hwang, Lou, Han et al., 2009),行動(Miller, Adams, and BecK, 1993),あるいは態度と行

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動(Boyt et al., 2001; Hammer, 2000)として捉えられてきたが,Evetts (2003a, 2011)は,この態度や行動を方向づけるビリーフシステム(信念体系)として のプロフェッショナリズムを概念化している。

信念であるビリーフは,個人の知識の習得や経験からの学習によって主観的 な理論や価値を認識することを通して形成される(Abelson1979; Bandura, 1986; Schommer-Aikins, 2004)。複数のビリーフが機能的に連結した状態をビ リーフシステムといい(Rokeach, 1968),ビリーフシステムは人の態度や行動 をより強固に方向づける機能を持つことが報告されている(Pajares, 1992;

Richardson, 1996; Rokeach, 1968)。Rokeach(1968)によると,ビリーフシス テムは,中心領域と周辺領域から構成されるが,中心領域のビリーフシステム は,アイデンティティ,対人的相互作用,学習によって形成され,変化しづら い特性を持つことが報告されている。この点から考えると,中心領域のビリー フシステムとしてのプロフェッショナリズムを形成することが,専門的職業人 の成長にとって不可欠である。さらに,信念は,人間を高次のレベルでコント ロールするメタ認知としても機能している(Flavell, 1979; 松尾, 2006; Matsuo, 2011)。つまり,プロフェッショナリズムは,メタ認知の観点からプロフェッショ ナルの態度や行動を統制する重要な概念であるといえる。以上を踏まえ,本研 究では,プロフェッショナリズムを「ビリーフシステムによって方向づけられ ている職業固有の態度と行動」と定義する(Evetts, 2003a, 2011; Wynia et al., 2014)。

先行研究では,Hall(1968)によって提示された 5 次元モデルを基に,プロ フェッショナリズムが概念化されてきた。これまでの研究を整理したものが 表 1 である(Bartol, 1979a, 1979b; Freidson, 1970; Hall, 1968; Miner, 1993; Miner, Crane, and Vandenberg, 1994)。「自主的行動」とは,外的圧力がなく自身の判 断で物事を決定して行動すること,つまり権限や能力に関係している次元であ る。「自己統制」は,仕事の質を保証する態度や行動および能力を意味し,同 業者間による仕事の質の評価といったことが含まれている。「職業集団への準 拠」とは,職業団体や組織の規定に沿った行動をとることや職業団体への帰属

(6)

を意味する。「公益への献身性」は,他者を助けたいという欲求に基づく公共 利益への献身性のことであり,「職業への献身性」は,外的報酬がなくてもそ の専門分野で働きたいと思う職業への召命感を表している。

表 1  プロフェッショナリズムの類型

著者 プロフェッショナリズムの次元

Hall

(1968)

自主的行動  外的圧力がなく 自身で決定できる

自己統制  同業者同士での 評 価による質の 保証

職業集団への準拠  同業者コミュニ ティへの関与

公益への献身性  公共利益への 奉仕の気持ち

職業への献身性  外的報酬がなく ても働きたいと思う 献身性 Freidson

(1970)

自主的行動  自主的に複雑な 仕事を個人の判断 で決定できる

自己規制の理念  同業者と自己の 行為を評価

 専門職としての 知識と技術の習得

職業集団への準拠  同業者集団が 認めた倫理の遵守

公 共サービスへ の献身性  公益への奉仕 という理念の基に 提供する利他的 サービス

専門的組織への 貢献

 組織化された 仕事への献身性

Bartol

(1979a, 1979b)

自主的行動  自身で仕事の 方法や目標を設定 することができる

同業者による標 準の維持  職業団体に所属 し標準的な信念を

維持

専門家としての自 己同一視  職業と職業集団 への一体化

倫理的規範  クライアントへの 関 心を優 先し,

質の高いサービス を提供

専門分野への帰 属化  自身の専門分野 で長期間働きたい という願望 Miner

(1993)

Miner et al.

(1994)

自主的行動  自身の判断を 基準とした自立的 行動をとることが できる

地位の承認  同僚や顧客間で 地 位を確 立して 保持する

他者への援助  他者を助けて 貢献したいという 欲求

職務への帰属化  職業への強い 絆と自己同一性

知識の獲得  顧客にサービス を提供するための 専門的知識の獲得

Hall(1968)がプロフェッショナリズムをモデル化したことによって,多様 な分野の専門的職業人の態度・行動を測定することが可能になり(e. g., Carlan and Lewis, 2009; Dinger et al., 2015; Hampton and Hampton, 2004; Lui, Ngo, and Tsang, 2003; Wynd, 2003),尺度の検討も行われるようになった(e. g.,

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Bartol, 1979a, 1979b; Kerr, Von Glinow, and Schriesheim, 1977; Miller et al., 1993; Morrow and Goetz, 1988; Snizek, 1972; 瓜生原, 2012)。例えば,Snizek

(1972)は,航空,原子力,化学工学のエンジニア,物理学者,科学者を対象 にプロフェッショナリズムを測定し,Hall(1968)の尺度を再評価している。

また,瓜生原(2012)は,病院内移植コーディネーターの測定尺度を開発する 上で,Hall(1968)とSnizek(1972)の尺度を用いている。さらに,Miller et al. (1993)が看護職のツールを開発する際にも,Hall(1968)のモデルを参考 に し て お り,Miller et al. (1993) の こ の 尺 度 は,Tanaka, Yonemitsu, and Kawamoto(2012)によって日本語版も作成されている。このように,プロ フェッショナリズム研究は,Hall(1968)のモデルを中心に発展していった。

3  .    プロフェッショナリズムに関する実証研究

これまで,多様な職業や組織で働く専門的職業人を対象にプロフェッショナ リズムが検討されてきたが,以下では実証研究のレビューを通して,プロフェッ ショナリズムのレベル,決定要因,結果要因について概観する。

3 - 1 .職業別プロフェッショナリズム

Hall(1968)は,プロフェッションとしての職業的構造にレベルの差がある ことを前提として,27の組織に所属する11種の職業(公認会計士,広告代理人,

エンジニア,弁護士,図書館員,看護師,人事管理者,医師,ソーシャルワー カー,株式ブローカー,教師)を対象に,プロフェッショナリズムを測定して いる。この研究で使用したプロフェッショナリズムの次元は,「自主的行動」,

「自己統制」,「職業集団への準拠」,「公益への献身性」,「職業への献身性」で ある。回答はリッカート法で求め,合計点が高いほどプロフェッショナリズム が獲得されていることを意味している。分析の結果,看護師,ソーシャルワー カー,弁護士はプロフェッショナリズムが高い傾向にあった。例えば,看護師 とソーシャルワーカーは「公益への献身性」,「職業への献身性」が,弁護士は

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「職業団体への準拠」,「自己統制」,「自主的行動」のスコアが高かった。医師 は「職業への献身性」,「自主的行動」のスコアが高い傾向にあった。その他に は,株式ブローカー,広告代理人は「自己統制」と「自主的行動」の次元が高 かった。

この研究で注目すべきこととして,次の 2 点を挙げることができる。第 1 に,

会計士は,所属組織によってプロフェッショナリズムのレベルが異なっていた。

すなわち,国際会計事務所や大学に所属している会計士の方が,企業の会計部 門に所属している会計士よりもプロフェッショナリズムが高い傾向にあった。

このことは,組織およびタスク特性の違いがプロフェッショナリズムに影響を 与える可能性を示唆している。第 2 に,伝統的にプロフェッションとして認め られてきた医師,弁護士のみならず,看護師,教師,広告代理人等においても,

プロフェッショナリズムを獲得していた。つまり,プロフェッショナリズムは,

職業を限定することなく多様な分野の職業において,欠かすことのできない概 念であるといえる。

ここでは,職業毎のプロフェッショナリズムのレベルを提示したが,次に,

プロフェッショナリズムの決定要因について概観する。

3 - 2 .個人属性に関する決定要因

Wynd(2003)は,看護師を対象に個人属性とプロフェッショナリズムとの 関係性を検討した結果,「職務経験年数」が長いほど,「職業集団への準拠」,「自 主的行動」,「公益への献身性」,「職業への献身性」が高い傾向にあり,また,

「学歴(教育レベル)」が高く「資格」を取得しているほど,「自主的行動」と

「 職 業 集 団 へ の 準 拠 」 が 高 ま る こ と を 報 告 し て い る。 さ ら に,Tanaka, Yonemitsu, and Kawamoto(2014)が我が国の看護師を対象に行った調査に おいては,管理職の方が非管理職よりもプロフェッショナリズムは高い傾向に あった。一方,Carlan and Lewis(2009)が警察官を対象に分析した結果から は,管理職であってもプロフェッショナリズムは高い項目と低い項目があるこ とが報告されている。すなわち,警察官の管理職は,「職業集団への準拠」は

(9)

高いものの,「自己統制」,「職業への献身性」,「自主的行動」は低くかった。

このように,個人属性はプロフェッショナリズムに影響を与えることが示され たが,これらの関係性はタスク特性によって差異が生じることも考慮に入れる 必要があるだろう。その理由として,タスク特性には,多様なスキル・能力を 必要とする技能多様性,最初から最後まで自身で責任を担う完結性,仕事の方 法を自身で決定できる自律性等の要素が含まれているため(Hackman and Oldham, 1975),これらの特性が高い職務と低い職務では,自律性や専門性の 追求に関するプロフェッショナリズムに与える影響も異なると考えられるから である。

3 - 3 .制度的な決定要因

Hwang et al.(2009)は,中国と韓国の看護師を対象に,「専門職としての 自己概念」,「社会的認識」,「看護サービスの役割」,「職業的地位」,「看護の独 自性」のプロフェッショナリズムの次元を基に調査を行っている。分析の結果,

韓国の看護師は「社会的認識」が高いが,中国の看護師は「専門職としての自 己概念」,「職業的地位」,「看護の独自性」が高い傾向にあることを明らかになっ ている。この結果から,Hwang et al. (2009)は,国の制度が異なると,職業 に対する社会の認識や職業的地位に差異が生じ,プロフェッショナリズムに影 響を与えると報告している。その他,Jang et al. (2016)が韓国の看護師を対 象にした調査と,Wynd(2003)が米国の看護師を基に分析した結果を比較す ると,同じ職業であってもプロフェッショナリズムのレベルは異なっていた。

このことは,個人的・組織的要因だけではなく,Martimiankis, Maniate, and Hodges(2009)が指摘しているように,制度や法といった国が定める権限に よっても,プロフェッショナリズムに相違が生じる可能性を示唆している。

3 - 4 .組織的な決定要因

報酬制度 本稿における報酬制度(reward system)とは,組織が専門的職 業人に対する評価基準を提示することで,適切な行動を促し,組織とプロフェッ

(10)

ショナルの関係性を構築しようとするものである(Bartol, 1979a, 1979b)。

Boy et al. (2001)は,市場調査担当者を対象に,Bartol(1979b)の尺度を 基に独自に作成した報酬制度の変数,すなわち「クライアントへの関与」,「自 己の分野に関する情報収集」,「組織や社会へのポジティブな影響」,「プロフェッ ショナルとして望ましい行動」,「社会的に有害なことへの関与を回避」を活用 して,プロフェッショナリズムとの関係を検討している。分析の結果,報酬制 度は,「自主的行動」,「職業集団への関与」,「自己統制」,「公共への献身性」,

「職業への献身性」のプロフェッショナリズムに正の影響を与えていた。また,

Hampton and Hampton(2004)は,助産師に対してBartol(1979b)の報酬制 度の変数を基に調査を行い,プロフェッショナリズムとの関係性を明らかにし ている。これらの結果から,報酬制度は,プロフェッショナルとしての行動を 認識させ,プロフェッショナリズムを高める機能があるといえる。

職業社会化 Lui et al. (2003)は,会計士を対象に,質問紙調査によって職 業社会化(professional socialization)とプロフェッショナリズムとの関係性 を定量分析している。職業社会化の変数である「プロフェッショナルとしての 在職期間」,「会計士の資格を取得してからの期間」,「職業団体への所属」,「仕 事のレベル」を基に分析した結果,仕事のレベルが高く,プロフェッショナル としての在職期間が長いほど,プロフェッショナリズムが高い傾向にあった。

つまり,職業社会化の過程で経験する仕事やタスク特性がプロフェッショナリ ズムに影響を与えると考えることができる。

一方,Altiok and Ustun(2014)は,看護学生を対象にインタビュー調査を 行い,ナラティブ分析を基に,病院実習による仕事経験が看護学生の職業社会 化を促進させる要因になり,プロフェッショナリズムの醸成に影響を与えてい たことを明らかにしている。また,Keeling and Templeman (2013)は,看護 学生を対象にグループフォーカスと個人に対する半構造化インタビュー調査を 行い,主題分析をしている。その結果,看護学生における病院実習は,Lave and Wenger(1991)がいう実践コミュニティの場となり,看護師をロールモ デルとした学習を促進するとともに,職業的アイデンティティを高め,プロ

(11)

フェッショナリズムの形成に影響を与えると分析している。これら 2 つの調査 から,キャリア初期において,実践コミュニティの中で学習の機会を与え,職 業社会化を促すことが,プロフェッショナリズムの形成に影響を与えるといえ る。

ここまで,プロフェッショナリズムに関する先行研究レビューを通して決定 要因について説明したが,次に結果要因について整理する。

3 - 5 .結果要因

内発的動機づけ Dinger et al. (2015)は,ITの専門家を対象に内発的動機 づけとプロフェッショナリズムとの関係について検討し,「職業への献身性」

と「自主的行動」が内発的動機づけを高めていたことを報告している。この結 果から,外的報酬がなくても働きたいと思う献身性と,外的圧力がなく自由に 意思決定ができる自律性といった 2 つの側面が,内発的動機づけには必要であ ると解釈することができる。さらに,「自主的行動」は,内発的動機づけを媒 介して職務満足を高めることも明らかになっている。

職務満足 Boyt et al. (2001)は,市場調査担当者を対象に,プロフェッショ ナリズムと職務満足の間の関係について検討した結果,「自主的行動」のみが 職務満足に影響していることを示している。「自主的行動」は,自身で仕事の 方法や目標を決定する機能を持つため(Bartol, 1979a, 1979b; Hall, 1968),仕 事の性質に関与する次元であると捉えることができる。そのため,この結果は,

仕事の性質が職務満足を高めるというTella, Ayeni, and Popoola(2007)の知 見と一致するものである。その他,職務満足に影響を与えるプロフェッショナ リズムの次元として,自主的行動(Dinger et al., 2015),専門分野への帰属化,

倫理的規範が提示されている(Bartol, 1979b)。これらの結果は,自律性や献 身性の信念を持つほど,自身の仕事に対する意味づけを行い,結果的に職務満 足を高めていると解釈することができる。

組織コミットメント Bartol(1979a)がITの専門家を対象に分析を行った 結果,「自主的行動」,「専門分野への帰属化」,「倫理的規範」のプロフェッショ

(12)

ナリズムが組織コミットメントに影響を与えることを明らかにしている。ま た,Norris and Niebuhr(1984)の会計士を対象にした調査では,「倫理的規範」

と「専門分野への帰属化」が組織コミットメントを高めていた。さらに,

Dinger et al.(2015)がITの専門家を対象に,プロフェッショナリズムと情動 的コミットメントとの関係について調査した結果,「職業への献身性」は,情 動的コミットメントを媒介して離職の意向を低下させていた。プロフェッショ ナルは所属組織に帰属しない傾向が指摘されてきたが(Gouldner, 1957),こ れらの結果は,プロフェッショナリズムを醸成することで,成員が所属組織に 留まる可能性を高めることを示唆している。

なお,組織コミットメントは,Allen and Meyer (1990)によって,情動的,

存続的,規範的な要素に分類されているが,それ以前は,ある組織への心理的 愛着という情動的な側面から捉えられてきた(Mowday, Steers, and Porter, 1979)。ここで提示しているBartol(1979a)と Norris and Niebuhr(1984)の 調査も,情動的コミットメントの観点から検討されているため,本稿における 組織コミットメントとは,情動的な側面を意味する。

バーンアウト Jang et al. (2016)は,Hall(1968)の次元を基に看護師を 対象に調査を行った結果,プロフェッショナリズムの 5 次元がバーンアウトを 低下させることを提示している。なお,この研究において,プロフェッショナ リズムは,対人援助職に特有のネガティブ感情である「 2 次的外傷性ストレス」

を低下させ,ポジティブ感情である「慈悲心」を高めることも報告されている。

これらのことは,ネガティブ感情を持ちやすい対人援助職であったとしても,

プロフェッショナリズムを形成することで,ポジティブ感情が高まり,バーン アウトを低下すると推察される。

職務業績 瓜生原(2012)は,病院内移植コーディネーターを対象に,「卓 越性の追求」,「自己統制」,「職務への献身性」,「責務」,「社会的責任」のプロ フェッショナリズムの次元と,業績変数である「臓器提供率」,「家族からの臓 器提供承諾率」との関係を調査した結果,「卓越性の追求」が職務業績に影響 していたことを明らかにしている。一方,Dinger et al.(2015)がITの専門家

(13)

を対象にHall(1968)の 5 次元を用いて検討した結果,「自主的行動」が職務 業績に影響していた。この 2 つの研究から,プロフェッショナリズムと職務業 績の関係は,専門性が高く自律的に仕事ができるというタスク特性によってモ デレートされている可能性を想定することができる。

組織市民行動 Cohen and Kol(2004)は,看護師を対象に,Hall(1968)

とMorrow and Goetz(1988)のプロフェッショナリズムの尺度を用いて,組 織市民行動の「役割内行動」,「一般的服従」,「愛他主義」(Wiliiams and Anderson, 1991)との関係について検討している。その結果,「職業集団への 準拠」のみが,「役割内行動」,「一般的服従」,「愛他主義」に正の影響を与え ることが報告されている。このことは,「公共への献身性」や「職業への献身性」

といったクライアントや仕事への献身性に関する次元よりも,職業集団への強 い関与が組織市民行動に影響を与えることを示唆している。

4  .    プロフェッショナリズムの形成モデルと今後の課題

これまでの研究では,プロフェッショナリズムの決定要因と結果要因につい ての包括的な説明は不足している。そこで,以下では,上述したレビューに基 づいてプロフェッショナリズムの形成プロセスに関する仮説的なモデルを提示 したい(図 1 )。その際,これまで明らかになっていることに加え,従来の研 究では十分に検討されていないが,理論的に予想できる点についても考察し,

今後の課題について議論した。

4 - 1 .プロフェッショナリズムの次元間の関係

これまでのプロフェッショナリズム研究は,Hall(1968)の 5 次元モデルに 基づいて行われてきた(e. g., Boyt et al., 2001; Carlan and Lewis, 2009; Dinger et al., 2015; Jang et al., 2016; Wynd, 2003)。しかし,各次元は,並列的に扱わ れる傾向にあり,次元間の関係や構造が検討されることは少なかった。例外と して,瓜生原(2012)は,独自で類型化したプロフェッショナリズムの 5 次元

(14)

を,職務に必要不可欠な「備わる」次元と,職務経験や教育を通して獲得され る「育てる」次元に区分している。

本研究は,次元の内容的な類似性に着目し,Hall(1968)の 5 次元を「自律 性」と「献身性」に分類することを提案したい。自律性は,「自主的行動」,「自 己統制」,「職業集団への準拠」の 3 次元から構成され,「自身の判断で行動し,

同業者間で評価し合い,コミュニティの基準に従う」ことを指す。一方,献身 性は「公益への献身性」と「職業への献身性」から構成され,「クライアント や公共利益への奉仕の気持ちと,自身の専門分野への同一化」を意味する。

このように 5 次元を 2 分類した理由としては,自律性に含まれる 3 次元が個 人の能力や付与された役割・権限に関係するのに対し(Evetts, 2013),献身性 に含まれる 2 次元は社会や職業への使命や奉仕についての要素で構成されてい る(Evetts, 2013)。つまり,「自律性」は,態度や行動,能力を指す次元であ るのに対し,「献身性」は信念に関する次元である。信念が態度・行動を方向 づけ,プロフェッショナルの学習を促すことを考えると(松尾, 2006; Matsuo, 2011),「信念→行動→学習→能力獲得」といった因果関係を想定することがで き,この関係性は,献身性が自律性の次元に影響を与える可能性を示唆するも のである。

ここで注目すべき点は,自律性は従事しているタスクの特性によって制約を 受ける可能性が高いが,献身性はタスク特性の違いに関わらず個人が保持でき ることである。したがって,献身性は高いものの,自律性に限界がある職業も 存在するであろう。例えば,医師は自律性,職業への献身性がともに高いのに 対し(Hall, 1968),医師と協働している看護師は,献身性は高いが自律性は低 い傾向にある(Hall, 1968; Wynd, 2003)。このように,職業によってプロフェッ ショナリズムの傾向は異なることを考慮に入れ,今後は,自律性と献身性を区 別した上でプロフェッショナリズムの決定要因,結果要因を検討する必要があ るだろう。

(15)

4 - 2 .決定要因

個人的要因 経験年数が長く,学歴が高く,また資格を取得しているほど,

プロフェッショナリズムは高くなる傾向にあったが(Wynd, 2003),その理由 としてWynd(2003)は,長く仕事に従事することで様々な仕事経験を通して 成長が促されること,また,教育レベルの高さや資格の取得によって,専門的 な知識や技術を活用して複雑な仕事に関与できることを挙げている。つまり,

このような個人的要因の背景には,量的と質的な仕事経験が影響していると考 えることができる。Tesluk and Jacods(1998)によると,仕事経験は,経験 の頻度や時間の長さを表す「量的要素」,どのような仕事をおこなったかとい う「質的要素」,またこれら 2 つの要素を組み合わせた「相互作用的要素」によっ て構成されている。したがって,「経験年数」,「学歴」,「資格」という個人的 要因は,組織における量的・質的な仕事経験と関係していると解釈できる。

この他,West and Shanafelt(2007)は,パーソナリティをプロフェッショ ナリズムの決定要因として検証する必要性を主張しているが,実証研究は行わ れていない。例えば,Barrick and Mount(1991)や McCrae and John(1992)

のBig Fiveパーソナリティ特性のうち,誠実性や協調性は,対人的な相互作用 を媒介してプロフェッショナリズムに正の影響を与えると予想できる。

さらに,先行研究では言及されていないが,目標志向性のうち学習志向性は,

経験学習を促す効果が報告されていることから(DeRue and Wellman, 2009;

松尾, 2013),プロフェッショナリズムを高める可能性があることを指摘した い。今後は,パーソナリティと共に目標志向性とプロフェッショナリズムの関 係を検討する必要があるだろう。

制度的要因 先に述べた個人的要因である学歴や資格は,国の制度によって も異なることが指摘されている(Hwang et al., 2009)。このことは,教育レベ ルや資格に付与される役割や権限等によってタスク特性に相違が生じ,その結 果,プロフェッショナリズムに影響を与えることが推察される。この点から考 えると,制度的要因はプロフェッショナリズムの決定要因として捉えることが できるだろう。

(16)

組織的要因 組織的要因としては,「報酬制度」,「職業社会化」,「実践コミュ ニティ」がプロフェッショナリズムに影響していた。具体的には,「クライア ントへの深い関与」,「自己の分野に関する最新情報の維持」,「プロフェッショ ナルとして望ましい行動」といった報酬制度が存在するほど(Boyt et al., 2001; Hampton and Hampton, 2004),また,対人的相互作用と仕事経験を通 して職業社会化が促進されるほどプロフェッショナリズムが高くなることが明 らかになっている(Altiok and Ustun, 2014)。ただし,実践コミュニティの働 きについては,仮説的な議論はされているものの,明確な結果は得られていな い。今後は,職業社会化や実践コミュニティにおいて,どのような経験から何 を学び,その結果として,プロフェッショナリズムがいかに醸成されるかを分 析する必要がある。

4 - 3 .結果要因

先行研究では,プロフェッショナリズムが高いほど「内発的動機づけ」,「職 務満足」,「組織コミットメント」,「職務業績」が高まり,「バーンアウト」や「離 職の意向」が低下することが報告されている。

このうち,バーンアウトや離職意向はウェルビーングと関係するものである が,ポジティブ心理学(positive psychology)の観点からも,プロフェッショ ナリズムが心理的ウェルビーング等のポジティブな感情に与える影響について 分析すべきであろう。

なお,先行研究において検証されていないが,重要な結果要因として,知識・

スキル獲得としての「学習」がある。この点について松尾(2006)は,信念と してのプロフェッショナリズムが,経験から学ぶ能力として機能していること を指摘している。今後は,専門的職業人の学習や成長を促す要因としてのプロ フェッショナリズムの役割を検討することが求められる。

4 - 4 .モデレータ

先行研究では,職業や経験年数によって,プロフェッショナリズムと決定・

(17)

結果要因の関係が異なっていたことから,「タスク特性」と「キャリア発達段階」

がモデレータとして作用している可能性がある。このことは,次のように考え ることができるだろう。

発達的挑戦(developmental challenge)研究によれば(DeRue and Wellman, 2009; McCauley, Ruderman, Ohlott et al., 1994),挑戦的なタスクであるほど,

高度な知識・スキルの獲得が求められる。したがって,タスクの特性によって,

プロフェッショナリズムの獲得を促す要因や,プロフェッショナリズムが成果 に与える影響が異なることが予想される。つまり,これらの特性が高い職務と,

低い職務とでは,「決定要因とプロフェッショナリズムの関係」および「プロ フェッショナリズムと結果要因との関係」に相違が生じる可能性がある。具体 的には,挑戦的なタスクであるほど,目標志向性,報酬制度,仕事経験,実践 コミュニティ,職業社会化がプロフェッショナリズムに強い影響を与えること が考えられる。さらに,挑戦的なタスクであるほど,プロフェッショナリズム 自体も高まり,結果要因へ与える影響も高くなるだろう。キャリア発達段階に ついては以下のように捉えることができる。

これまで,キャリア発達段階によって,経験学習のプロセスが異なることが 報告されている(松尾・正岡・吉田他, 2008; 松尾・武藤・小笠原, 2014)。熟 達の10年ルールによれば(Ericsson and Lehmann, 1996),高いレベルの知識・

スキルを獲得するには長期間の経験が必要になる。したがって,キャリア発達 段階によって,仕事経験と獲得する能力は異なるため,「決定要因とプロフェッ ショナリズムの間の関係」および「プロフェッショナリズムと結果要因との関 係」にも差異が生じる可能性がある。さらに,キャリアの各段階において,プ ロフェッショナリズムが形成されていくプロセスを分析することで,よりダイ ナミックな形成メカニズムを解明することができると思われる。

(18)

5  .    結

本研究は,プロフェッショナリズムの決定要因・結果要因に関する先行研究 をレビューすることで,Hall(1968)の 5 次元モデルの構造を検討し,重要で あるにもかかわらず十分に分析されていない要因を特定した。その結果,次の 点を明らかにすることができた。第 1 に,Hall(1968)の 5 次元は,「自律性」

(自主的行動,自己統制,職業集団への準拠)と「献身性」(公益への献身性,

職業への献身性)に区分できることを示した。このうち,自律性はタスク特性 による影響を受ける可能性があるといえる。第 2 に,今後さらに検討すべきプ ロフェッショナリズムの決定要因として「パーソナリティ」,「目標志向性」,「仕 事経験」,「実践コミュニティ」を,結果要因として「学習」,「心理的ウェルビー ング」を特定した。第 3 に,プロフェッショナリズムの決定要因および結果要 因を分析する上で「タスク特性」と「キャリア発達段階」がモデレータとなる

プロフェッショナリズム

自主的行動 自己統制 職業集団への準拠 自律性

公益への献身性 職業への献身性 献身性

決定要因

資格 学歴 経験年数 目標志向性 パーソナリティ 個人的要因

報酬制度 組織的要因

職業社会化 実践コミュニティ

仕事経験

タスク特性 キャリア発達段階

結果要因

内発的動機づけ 職務満足 組織コミットメント

バーンアウト(-)

離職の意向(-)

学習

(知識・スキルの獲得)

職務業績 心理的ウェルビーング 制度的要因

国の制度

注 1 :点線で囲った四角は検討が十分ではない概念を意味している。

注 2 :(-)は負の関係を意味する。

図 1  プロフェッショナリズムの決定・結果要因

(19)

可能性を提示した。これらのことは,専門的職業人がいかにプロフェッショナ リズムを形成するのかという議論に対して,一定の意義を持つといえる。

最後に本研究における問題点と限界について以下の 4 点を挙げておきたい。

第 1 に,本稿は,主に定量研究をレビュー対象にしているが,全てを網羅して いる訳ではない。今後は,より詳細なレビューを行う必要がある。第 2 に,先 行研究では,定量研究のみならず重要な定性研究が多く存在することが考えら れるため,定性研究も含めたレビューを通して,より明確な研究課題を示すべ きである。第 3 に,地域性,国の制度によってプロフェッショナリズムは異な ることや(Hwang et al., 2009; Jha, Mclean, Gibbs et al., 2015),組織風土が仕 事における態度や行動に影響を与えることが指摘されている(Pritchard and Karasick, 1973)。しかし,本稿においては,これらの要因とプロフェッショナ リズムの関係性は十分に分析していないため,今後,詳細な検討が求められる だろう。第 4 に,本論において提示したプロフェッショナリズムの形成モデル は,あくまでも理論的な仮説に過ぎない。今後は実証研究を行い,当該モデル の妥当性を検証する必要がある。

(20)

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