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放牧乳牛における昼の放牧休止が食草量および乳生産に及ぼす影響

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Academic year: 2021

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北海道大学 大学院農学院 修士論文発表会,2018年28

放牧乳牛における昼の放牧休止が食草量および乳生産に及ぼす影響

生物資源科学専攻 家畜生産生物学講座 畜牧体系学 山本雄飛

1. 緒言

放牧飼養下において,放牧地が生産するエネルギーの摂取量を最大化し,土地当たりの乳生産量 を最大限上げることが重要な課題である。放牧下の乳牛は夕方の食草量が高い。また,夕方の放牧 草は

1

日で光合成した水溶性炭水化物などの栄養成分を多く含む。昼間の放牧を休止し,夕方の養 分含量の高い放牧草を集約的に採食させることで,放牧地からのエネルギー摂取量を高め,乳生産 を高められると考えられる。しかし,昼の放牧休止による夕方の食草量の集約程度は,補助飼料の 給与によって変化する可能性がある。本研究では,放牧草のみ,およびコーンサイレージ(CS)併給 下で昼間放牧休止が食草量および乳生産に及ぼす影響を検討した。

2.方法

【試験

1】放牧草のみでの飼養下において昼間放牧休止が食草量および乳生産に及ぼす影響につ

いて検討した。ホルスタイン種泌乳牛

12

頭を供試牛とし,ペレニアルライグラス主体草地

4 ha

で 定置放牧した。放牧は

1000h~1430h

および

1600h~0800h

に行った。昼夜放牧を行う昼夜区と,昼

1000h~1430h

の放牧を休止する休止区の

2

処理に供試牛を配置した。放牧草成分,食草量,食

草時間,ルーメン内

VFA

濃度,ME 摂取量,4%FCM 量を測定した。【試験

2】CS

併給下において昼間 放牧休止と

CS

給与量が食草量および乳生産に及ぼす影響について検討した。ホルスタイン種泌乳 牛

12

頭を供試牛とし,ペレニアルライグラス主体草地

4 ha

で定置放牧した。放牧処理は試験

1

と 同様に行い,

CS

10

または

20 kgFM/日給与する2

処理を組み合わせた

4

処理とした。試験は

6

月 から

10

月にかけての

16

週間を

8

週間ごと

P1

および

P2

として行った。処理を

1

14

日間(予備期

9

日+本期

5

日)とする

4

処理×4 期のラテン方格法により供試牛に配置し,

P1

および

P2

でそれぞれ 試験を行った。放牧草成分,食草量,食草時間,ME 摂取量,4%FCM 量を測定した。

3.結果と考察

【試験

1】放牧草のみの飼養下では昼間放牧休止によって食草量は減少した。休止区の夕方1600h

2000h

の食草時間は増加したが,

2000h~2400h

の食草時間はより大きく増加した。ルーメン内

VFA

濃度に処理間の差はなかったが,休止区の

VFA

濃度は

1400h

から

2000h

の間で,昼夜区に比べてよ

り高まった。

ME

摂取量は休止区で低かったが,FCM 量は処理間で差はなく,ME 摂取量当たりの

FCM

量は休止区で高かった。以上より,放牧草のみの飼養下では昼間放牧休止によって食草量は減少す

るものの,エネルギー摂取量あたりの乳生産が高まることが示された。 【試験

2】P1

P2

に比べ放

牧草の

NDF

含量が高かった。CS 併給下では昼間放牧休止によって食草量は減少せず,CS の増給に

よる食草量の減少程度への影響もなかった。

1600h~2000h

の食草時間は放牧処理間で差はなく,

P1

でのみ休止区の食草時間は

2000h~2400h

に増加した。P2 では乳生産は変わらなかったものの,P1

では休止区の

FCM

量が増加した。しかし,

ME

摂取量当たりの

FCM

量は

P1

および

P2

で放牧処理間の

差はなかった。以上より,

CS

併給下では昼間放牧休止によって食草量は減少せず,放牧草の質が低

い時には乳生産を高めることが示された。本研究から,放牧草のみで飼養できる時期では,昼間放

牧休止によって食草量は減少するものの乳生産効率は高まるが,補助飼料給与下では食草量は減少

せず,草地からのエネルギー摂取量が低い時期に乳生産を高めることが示唆された。

参照

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