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南 北 韓 の 経 済 交 流 ・協 力 と 法 律 問 題

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南 北 韓 の 経 済 交 流 ・協 力 と 法 律 問 題

一 東西 ドイ ツの 経済 交 流 ・協 力 が

我 々 に与 え た教 訓 を 中心 に

延 基榮 著 サ 秀一 訳

1.は じめ に

南 北 韓(訳 者 注:韓 国 ・北 朝 鮮,以 下 南 北 韓)は,第46次 国連 総 会 の 開幕 日で あ る9月17日,分 断46年 に して各 々が 国連 会 員 国 と して加 入 した 。 去 る40年 間 余,南 北 韓 が 正 統 性 を め ぐる伝 統 的 な消 耗 戦 を終 え て,韓 半 島 に二つ の政府 が存 在 す る とい う̀実 体'を 認 め た の で あ る。

も ち ろん,わ が 韓 民族 の宿 願 で あ る統 一 を成 し遂 げ る にあ た って,こ の よ う な南 北 韓 の 国連 同 時加 盟 が肯 定 的 に作 用す るの か,否 定 的 に作 用 す る のか は未 知 数 で あ る。 しか し,明 らか な こ とは,和 解 と協 力 の 雰 囲気 と と も に南 北 韓 の 関係 が新 た な時 代 に入 った と い う点 と,こ れ に よ る法

本 論 文 は,法 と社会 理 論 研 究 会 編 『法 と社 会 』(韓 国/創 作 と批 評 社)第 5号(1992年 所 収)を 翻 訳 した も の で あ る。 刊 行 後,暫 く経 過 して い るが, 分 断 国家 の統 一 に 向け て の法 律 問題 を ドイ ツと比 較 して い る点 に興味 を も ち, 是 非 日本 に紹 介 した い と念願 してい た 。

た また ま,本 学 のサ 龍 澤助 教 授 が 延 基 榮 教 授 と交 流 が あ った ので,日 本 語 へ の 翻 訳 を 打 診 した と こ ろ,延 教 授 よ り快 諾 を 得 た の で こ こ に 翻 訳 を 試 み た 。

尚,「 北 韓 」 の 訳 出 に際 して は,日 本 で は北 朝 鮮 とす る のが 一 般 的 な ので,

これ に従 った が,「 南 北 韓 」 にっ い ては 原 語 の ま まで 使 用 した 。

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南北韓 の経済交流 ゼ協力 と法律問題

的 ・制 度 的 な整 備 が 切 実 に必 要 に な った と い う点 で あ る。

7・4共 同声 明以 後,現 在 まで に数 多 くの政 治 会 談 と離 散 家 族 の再 会 な どに よ り,統 一 のた め の 基 盤 を 固 め て きた こ とは事 実 で あ る。 しか し, 未 だ 法 的 ・制 度 的 装 置 は統 一 の た め の 初 歩 段 階 に も及 ぼ な い水 準 に と ど ま って い る状 況 で あ る 。 まだ 南 北 間 の政 治 的 な攻 防 が あ るだ け で,協 約 とか 協 定 な どの結 実 は 見 出せ ない 実 状 に あ る。 これ は ベ ル リンの壁 を崩 壊 して 統 一 ドイ ヅ を誕 生 させ た ドイ ツ民 族 の汗 と苦 痛 が,各 種 の 協 定 ・協 約 と して蓄 積 され 統 一 条約 の結 実 を もた ら した こと と比較 す る時, 多 くの 問題 が 提起 され る。

政 治 統 合 を最 後 に統 一 を遂 げ た ドイ ツの 場 合,経 済 統 合 が 先 行 され て お り,経 済 交 流 が 基 礎 に な っ と い う こ とは 周 知 の事 実 で あ る。 しか し, 何 よ りも重 要 な こと は,経 済 交 流→ 経 済 統 合 → 政 治統 合 の進 行 過 程 で 国

際 法 的,国 内法 的 な制 度 の 整備 を怠 らなか った こ とが統0を 早 め る よ う に な った 点 を認 識 す る こ とで あ り,こ こか ら我 々は大 き な教 訓 を得 る こ とが で き る。

ドイ ツの統 一過 程 にみ る経 済 交 流 ・協 力 に関す る内容 は,明 らか に我 々 の 分 断 を克 服 す るた め の努 力 と方 向 に大 き な示 唆 を もた らす と考 え る。

も ち ろ ん ドイ ツ統 一 の モ デ ル が 我 々に あわ な い とい う見解 も一理 あ る。

しか し,第2次 世 界 大 戦 のた め に̀分 断 され た世 界 の下 の 分 断 され た 国

1)

家'(DiegeteilteNationindergespaltensenWelt)い う運 命 を 我 々 と と も に 負 っ て き た が,既 に 統 一 の 宿 願 を 成 就 した 東 西 ドイ ツ の 統 一 過 程 に 関 心 を も っ こ と は 当 然 で あ ろ う 。

従 っ て,こ こ で は 東 西 ドイ ツ の 経 済 交 流 ・協 力 の 法 的 な要 点 が 何 な の

か を 明 ら か に し,南 北 韓 の 経=済 交 流 に よ る 法 律 問 題 を 検 討 して み よ う と

思 う 。

(3)

2.東 西 ドイツ経済交 流の内容 と法律的対応

① 第1段 階:初 歩 的段 階

分 断 以後,諸 政 策 に 現れ た もの を分 析 す れ ば,東 独 は 分 断 固定 的 な姿 勢 で2つ の主 権 国家 を堅 持 して きた の に比 べ て,西 独 は2つ の ドイ ツ を

̀特殊 な関係 丁 ない し̀内 部 関係'(i

nnerdeutscheBeziehun.g)で あ る こ とを 強 調 しなが ら政 治 ・経 済 ・社 会 ・文 化 な ど全 て の領 域 で 交 流 を拡 大 発展 させ て きた 。 西 独 は統 一 国家 の建 設 を 目標 に,全 て の分 野 にわ た り東独 に対 す る政 策 を,① 分 断 の長 期 化 に よ る同 質性 回 復 の た め の長 期 的 漸進 的 な交 流 ・協 力 の構 築,② 政 権 交 代 に関係 な く東 独 に対 す る一 貫

した い わ ゆ る̀小 さ な歩 み の 政 策'(PolitikderkleinenSchri七te)に

よ り実 行 した 。 この よ う な姿 勢 は政 権 交 代 の た び に 一 時 的 な宣 伝 に利 用 され た り,政 権 の 危機 克服 の た め に利 用 され て い た我 々の 統 一 政 策 と は 大 き な差 が あ る とみ る◇

ドイ ツに お い て経 済 交 流 ・協 力 も統 一され る前 ま で,内 部 的 に は 特殊 な経 済 関 係 と して み な され̀内 部 ドイ ツ の 経 済 関 係'(innereleutsche Wirtschaftsbeziehungen)あ る い は̀内 部 ドイ ツ の 貿 易'(idh:

innnerdeutscheHandel)と よび,外 部 的 に は独 自的 な主 権 国家 間 の経 済協 力 関係 で 認 定 され た 。

まず,第1段 階 の初 歩 的 な経 済 交 流 ・協 力段 階 にお け る法 的 基 盤 を 準 備 した の は,ま さに1951年 の ベ ル リン協 約(BerlinerAbkommen)で

あ った 。 も ちろ ん 国 際 政 治 の冷 戦 気 流 の も とで の ベ ル リ ン封 鎖,分 断 障 壁 の 設 置 あ る い は 東 独 に対 す る ソ連 の 影 響 力 強 化 な どで,60年 代 の 経 済 交 流 は悪 化 す る ほ か な か った。 そ れ に も か か わ らず,1961年 ベ ル リ

ン協 約 の再 締 結 が な った とい う こ と は,東 独 に よ る分 断 固 定化 政 策 を克

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南北韓 の経 済交流 ・協 力 と法律問題

服 しぬ いた 西独 の統 一 政 策 の た ゆ まぬ努 力 で あ った ことを立 証 してい る。

1951年 と1961年 に2回 締 結 され た ベ ル リン協 約 は,両 側 の貿 易 は ド イ ツ 内部 の交 易 で あ る こと を大 前 提 に して,次 の よ う な2つ の 基 本 原 則 を確 立 した 。 一 っ 目は 厳 格 な相 互 性(Bilateralitat)の 原 則 で あ る。 即 ち2国 の 通 貨地 域 間 に成 立 す る載 貨 や用 役 は ドイ ツ 内で 生産 され た もの

と し,貿 易 の決 裁 の た め に使 用 され る通 貨 は̀通 貨 決 裁 単位'(VE:Ve rrechnungseinheit)を 使 用 す る よ う に した 。 こ の 単位 は交 換 性 が な い 名 目単位 と して 両 独 間 の貿 易 決 裁 に だ け使 う よ う に な って お り,決 裁 単 位 と ドイ ツマ ル ク の交 換 比 率 は1:1で あ った 。 二 っ 目は2地 域 間 の 貿 易 の大 部 分 が ベ ル リンを通 る よ うに して,ベ ル リ ンの需 要 充 足 に応 え る よ うに対 策 を 強 化 した 。 これ は ドイ ツ問題 の状 況 か ら、 ベ ル リ ンと西 独 の連 関 関係 を 強 化 させ る ことが 重 要 で あ る とい う西独 の政 策 的 な戦略 と 関連 して い る こ とが わ か る。

西 独 は 東 独 を 外 国 と して 認 定 しな いの で̀関 税 境 界 線'(Zollgrenze) が な く,関 税 とEC交 易 に適 用 され る負 担 金 も支払 わ なか った 。 西独 は 大部 分 の商 品輸入 を 自律 化 させ なが ら,輸 出の場合 には ココム(COCOM) の規 定 に違 背 しな いか ぎ り制 約 を加 え なか った。 この よ う な東 西 ドイ ツ の 内部 的 交 易 関 係 を̀1951年 関 税 及 び貿 易 に関 す る一 般 協 定'(GATT) の トル ケ 覚 書(Torquai‐Protokoll)お よび1957年 のEC条 約 を通 じ

2)

て,西 独 の 努 力 で 国 際 的 な認 定 を受 け る まで に した 。19世 紀 前 半 の 関 税 協定(Zollverein)を 通 じて ドイ ツ統 一 の基 盤 を な した リス ト(F.List) の歴 史 的 な経 験 を よみ が え らせ,東 独 に対 す る政 策 に活 用 した とみ る こ と もで き る。

(2)第2段 階:成 熟 の段 階

分 断 克 服 の た め の 東 西 ドイ ツ の初 歩 的 な経 済 交 流 は,人 的交 流 を 自由

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に 保 障 す る 通 行 協 定(Transitabkommen:1971.12.17)の 締 結 を 推

3}4}

進 し,̀基 本 条 約'(Grundlagenvertrag)を 誕 生 させ る試 金 石 に な っ た 。 政 治 的 な 硬 直 性 と は 異 な り,分 断 を 克 服 して 統 一 に 向 か う橋 渡 し を な し

5)

た 。1971年9月3日,4大 占領 国が 締 結 した̀ベ ル リ ン協 定'で,東 独 の 正式 名 称 を使 用 して 事 実 上 国 家 と して 承 認 した が,̀内 部 的 な特 別 関 係'を 継 続 して維 持 しなが ら̀民 族 統 一'の 意 志 を放 棄 しなか った 。 基 本 条 約 は0民 族 二 つ の ドイ ツ間 の経 済 協 力 をふ くめ た全 般 的 な関 係 を整 理 す るた め の重 要 な法 的 ・制 度 的基 盤 に な った 。 と りわ け この条 約 の付 帯 覚 書II条1項 に は,両 ドイ ツ 間 の 既 存 協 約(と くに1951年 と61 年 のベ ル リン協 約)を 基 本 に して持 続 的 で 安 定 的 な経 済 交 流 協 力 を推 進

しな けれ ば な らな い点 を 明示 して,法 的 な要 点 を掲 げ て い る。

そ の結 果,東 西 ドイ ツ 間 の交 易 量 は 急 増 し,1960年20億 マ ル ク か ら 1970年45億5千 万 マ ル ク,1985年150億 マ ル ク,統 一 直 前 に は200億 マ ル クを 突 破 した 。(表1参 照)西 独 の東 独 に 対 す る経 済 援 助 は,や は

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り随 時 に多 角 的 に試 み られ た。 通 行 税 の 支給,借 款 の提 供,輸 入 超 過 政

7}

策 な どで そ の 実 践 的 な姿 をみ せ た。 この よ う な東 西 ドイ ツ間 の緊 密 な経 済協 力 は 米 国 ・ソ連 ・ECな ど周 辺 諸 国家 を 刺 激 しな い よ うに,静 か な 方 法 で 初期 の 目的 を達 成 した。 と くに東 独 国 民 の 自尊 心 を喪 失 しない よ う細心 の努 力 を傾 け,先 回,米 の引 渡(訳 者 注:韓 国 の水 害 救i援に北 朝 鮮 が韓 国側 に米 を送 った こ と を さす)を め ぐるわ が 政 府 の態 度 とは対 照 的 で あ り,我hに 多 くの 教 訓 を あた え た。

西独 の統 計年 鑑 には 内独 貿 易 と して東 独 を表 して い な い。 しか し,東 独 は1985年 の資 本 国家 主 義 諸 国 家 に対 す る貿 易依 存 度 が34%で あ るが, そ の う ち 西 独 に対 す る も の が28.4%で あ った 。 東 独 は社 会 主 義 国 家 の

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中 で ソ連 を ぬ い て,1人 当た りの 国民 所 得 が最 高 を記 録 した 。 東 西 ドイ

ツ 間 の取 引 方 法 は ベ ル リン協 定 に も とつ い て清 算取 引 制 で1982年 まで,

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南北韓 の経済交流 ・協 力 と法律問題

<表1>内 独 貿 易

ドbnU50ζ

000LL.

東 西 ドイ ツ の 交 易 推 移(単 位:百 万VE)

年 度 東独供給 西独供給 交易規模 増加率(%)

1975 3,342 3,922 7,264

1980 5,580 5,293 10,$73 16.8

1985 7,636 7,901 15,537 9.8

;if 7,454 s,s3Y 14,285 08.1

1987 7,406 6,650 14,056 01.7

1988 6,789 7,234 X4,023 XO.1

資 料:韓 国貿 易 協 会 「東 ・西独 交 易 の形 態 と発展 過 程 」1989.12

9)

東 独 は東 独 貿 易 省 が,西 独 は 内 国交 易信 託 所 が処 理 した 。 一・ 方,東 西 ド イ ツ の経 済 交 流 の形 態 は貿 易 以外 に も生 産 協 調 お よび合 作 投 資 が あ る。

そ の 実 例 をみ れ ば,フ ォル ク ス ワ ー ゲ ン社 は1984年11月11日 に東

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独 政 府 とバ ー ター貿 易 形 式 の協 定 に調 印 して生 産 販 売 の協 力 を推 進 した。

これ は 東 独 の 古 び た 自動 車 モ デ ル を現 代 式 の デ ィー ゼ ル エ ンジ ンに変 え

て,40%の 燃 料 節約 と大 気 汚 染 を 防止 す る環 境 生 態 系 の保 護 まで も考慮 し

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た 経 済 協 力 のモ デ ル と して評 価 され る。この よ う な経 済協 力 は統 一 ドイ ツ前 ま で東 西 ドイ ツ企 業 に よ り多 様 な形 態 で7千 件 以 上 が 推 進 され,東 独 が 西欧 で 巨額 の借 款 を受 け る時 には 西 独 は支 払 い保 障 ま でお こ な った。

一 方 ,東 独 の 貨 幣 と 西独 マ ル クの 公 式 の交 換 率 は1:1で あ るが,闇 値

11)

で1:8〜9で 漁 られ て い た こ とを 考 え あ わ せ る と,西 独 が 公 定 交 換率 を使 用 す る こ と に よ り,貿 易 関係 にお い て も間接 的 な経 済 援 助 を与 えた こ と

に な る。 この よ う な交 換 率 の 問 題 か ら東 西 ドイ ツの貨 幣統 合 に対 す る論 議 が で て,経 済 交 流 を こ え て経 済 統 合 の段 階 に接 近 で き る雰 囲気 が醸 成 され た の で あ る。 基 本 条 約 の効 力発 生 後 に2つ の ドイ ツ国 家 は 断絶 と対 決 に よ る相 互 不 信 を 除 き なが ら経 済 交 流 協 力 の活 性 化 の た め に各種 の 後 続 法 令 を整 備 した。 重 要 な諸 協 定 を列 挙 してみれ ば 次 の 通 りに な る・

① 両 独 間旅 行 及 び 贈 り物 小 包 協 定 改 正 案 発 効,及 び ベ ル リン ー ザ ル ツベ デ ル 間 他 の高 速 道路 開 通(1973.6.21)

② 東独 に よ る入 国旅 行 の 最 小 交i換量 の増 大 指 示(1973.11.5)

③ 西 独旅 行 社 と東 独 旅 行 局 間 の観 光 旅 行 協 定(1974.1.21)

④ 西 独 域 間 貿 易 事 務 所 と東 独 対 外 貿 易 省 間 の機 械 工 具 購 買 及 び 引 渡 協 定(1974.2.13)

⑤ 両 独 旅 行 社,観 光 旅 行 ・ 協 定 の年 次 毎 の 延 長 合 意(1974.12.4)

⑥ 西独 交 易 信 用 の 上 限水 準 の年 次協 定(1976.1.14)

⑦ ベ ル リ ン往 来 改 善 に 関す る協 定:ベ ル リン ー ハ ン ブル グ 間 の 高 速 道路 建 設 及 び 財 政 負 担;西 ベ ル リ ン行 き水 路 補 修 及 び財 政 負担;デ

ロ ウ運河 の 財 政 負 担(1978.11.16)

⑧ 両 独 間 長 期 貿 易 協 定(1979.9.7)

この よ う な経 済 交 流 は 国家 や 政 府 の 次 元 だ け で な く,民 間次 元 の各 分

野 別 に推 進 され て いた こ とがわ か る。 東 西 ドイ ツ経 済 交 流 を推 進 して き

た 要 因 の 中で は,東 西 ドイ ツ 内の都 市 間 の 姉 妹 結 縁 も重 要 な意 味 を もっ

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南北韓 の経済交流 ・協 力 と法律問題

と い え る だ ろ う 。1986年4月 か ら1988年9月 ま で ト リ ロ ー ワ イ マ ー ル, ハ ノ バ ー 一 ラ イ プ チ ッ ヒ,ボ ン ー ポ ツ ダ ム な ど43ヵ 所 の 諸 都 市 が,

12)

この姉 妹 都 市 を結 ん だ とい う。

そ の他 に 民 間交 流 に よ る財 貨 の移 動,郵 便 を通 じた 商 品 移 転 の方 式, 交 通 ・輸 送 分 野 な どにお い て,西 独 の東 独 資 源 が 経 済 交 流 の触 媒 の役 割

ユ3)

を担 った の で あ る。 こ の時 期 に東 独 は西 独 との経 済 交 流 に,一 次 的 に は 経 済 的,実 用 的 な動機 を重 要 視 した が,こ れ が 経 済 統 合 の礎 石 と な り統 一 を もた ら した ので あ る 。

(3)第3段 階1経 済 統 合 の(模 索)段 階

1989年11月9日 ベ ル リ ンの壁 が 崩 壊 した後,ド イ ツ人 自身 も想 像 で き な か った ほ ど急 速 に統 一 ドイ ツ誕 生 の た め の 統 合(lntergratiOn)が か な った 。 この 時 期,̀第4帝 国'と 第2の 経 済 奇 跡'に 対 す る懸 念 と期 待 が と も に表 出 してい た こ とを我 々 は言 論 を通 して知 る こ とが で き た 。一 方,東 独 で は ク ラ ンツ書 記 長 が辞 任 し,ハ ンス モ ドロ ウ首 相 が就 任 して各 分 野 の 改 革 を試 み た が,ラ イプ チ ッ ヒな ど諸都 市 で 改 革 と統 一 を 唱 え る民 衆 の声 に よ り,5月 に 予 定 して い た 総 選 挙 が3月18日 に 繰 り上 げ られ̀共 産 小 数 連 立 政 権'を 形成 した 。 この よ う な急 速 な変 革 は 経 済 的 危 機 を もた ら し,同 年11月28口 西 独 の コール 首 相 は統 独 方 案10

14)

項 を 提 案 した 。 そ の 重 要 な 内 容 は,東 独 が 自 由 選 挙 を 実 施 す れ ば 経 済 的 支 援 を 惜 し ま ず,契 約 共 同 体(Vertragsgemeinschaft)を 通 じた 共 和 国 連 合(Konfoderation)を 作 ろ う と い う も の で あ った 。

東 独 の ハ ン ス モ ドロ ウ 首 相 も1990年2月1日,4段 階 の 統 一 方 案 を 提 示 し た が,東 独 の 民 主 化 → 契 約 共 同 体 → 連 邦 制 → 統 一 と い う 基 本 過 程 は コー ル の 提 案 と ほ ぼ 一 致 す る も の で あ る 。

コ ー ル 首 相 は1990年2月2日,東 西 ドイ ツ 間 の 経 済 ・通 貨 の 統 合 間

(9)

題 を論 議 す るた め に両 ドイ ツ政 府 が̀ド イ ツ統 合 委 員 会'を 構 成 し,す ぐに会 談 を 開催 す る こ と を提 議 した が,東 独 政府 は これ を歓 迎 す る と発 表 した 。

政 治統 合 と 関連 して,̀政 党 統 合'を 推 進 しな が ら̀経 済 統 合'に 着

15)

手 した 。̀第2の 経 済 奇 跡'が 予 見 され る中 で,東 独 の 避 難 民 が っ め か け た 難 しい状 況 下 で も西 独 経 済 は1989年,13年 ぶ りに最 も高 い4。6%

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の成 長 と770万 ドル の貿 易 黒 字 を記 録 した 。 現 在 まで10年 以 上 あ ま り, 西 独 政府 が 負 担 した統 一 の ため の費 用 は天 文学 的 な も の と予測 され るが, 統 一 前 後 にそ の費 用 が 急 増 した の は 当然 な こ とで あ った 。結 局,ド イ ツ

17)

統 一 基 金(FondsDeutscheEinheit)で 充 当 して,残 り は ドイ ツ 政 府 の 予 算 節 減 ・追 加 負 債 を 通 じて 解 決 す る ほ か は な か っ た 。

も ち ろ ん 統 一 ドイ ツ の 経 費 は 西 独 の 既 存 の 経 済 力 で み る時,十 分 に 克 服 で き る も の と展 望 され る が,今 年 度 予 算 の 赤 字 が1千 億 マ ル ク に 達 す る と 予 想 さ れ,イ ン フ レの 圧 力 が 加 重 され る と み え る 。

東 独 の 総 選 挙 で 圧 勝 した 基 民 党 党 首 の テ ・メ ジ エ ル は1990年3月19 日の 記 者 会 見 で,統 一 の た め に 最 も緊 急 な 政 策 は1対1の 貨 幣 統 合 と 経 済 統 合,そ して 社 会 構 造 の 転 換 で あ る と 明 らか に した 。 こ の よ う な 提 案 が 具 体 的 な 成 果 と して で た の が 、 ま さ に̀通 貨 ・経 済 ・統 合 条 約'

(VertragfiberdieSchaffungeinerWahrungs‑一 一,Wirtschafis‐and

18)

SozialunionzwischenderBRDundderDDR)で あ る 。 こ の 条 約 は 1990年5月8日 に 締 結 さ れ,重 要 な 諸 規 定 は 統 一 前 で あ る1990年7月

1日 か らそ の 効 力 を 発 生,統 一 の た め に 動 脈 の 役 割 を した 。 通 貨 地 域 を

単 一 化 して ドイ ツ マ ル ク(DM)を 共 通 の 貨 幣 に す る通 貨 統 合 が で き た 。

同 時 に東 独 の 経 済 秩 序 に 対 して は 私 有 財 産,生 産 競 争,自 由 な価 格 形 成,

労 働 ・資 本 ・財 貨 ・サ ー ビス の 完 全 な 自 由移 転 な ど を 骨 子 と した 西 独 の

社 会 的 市 場 経 済 体 制(diesozialeMarkwirtschaft)が 宣 言 さ れ た 。 そ

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南北韓 の経済交流 ・協 力 と法律 問題

して,こ の よ う な社 会 的市 場 経 済 体 制 に付 号 す る労 働 法 お よ び社 会 保 障 体 制 が1990年7月1日 か ら東 独 地 域 に導 入 され た 。

この 通 貨 ・経 済 ・社 会 統 合 条 約 の付 属 規 定 に よ り,東 独 内 の経 済 や 社 会秩 序 に関 す る諸 法 令 は廃 止 され るか,改 正 また は制 定 され ね ば な らな い運 命 に あ った 。 しか し,こ の 条 約 は形 式 上,継 続 的 な効 力が あ った東 独 憲 法 と合致 しな い面 が あ った が,こ の 条 約 の第2条1項 の基 本権 と類 似 した保 障 規 定 を助 け と して,憲 法 上 の 衝 突 を避 け る こ とが で き る法 技

19)

術 的 な 知 恵 を 発 揮 し た 。

こ の 通 貨 ・経 済 ・社 会 統 合 条 約 は1990年8月31日 に 締 結 さ れ,同 年 10月3日 に 効 力 を 発 し た 東 西 ド イ ツ 統 一・条 約(Einigungsvertrag:

VertragzwischenderBRDandderDDRuberdieHerstellungder

20)

EinheitDeutschalands)の 橋 頭 塗 の 役 割 を 担 い,統 一 ドイ ツ に 向 か う 道 を 法 的 ・制 度 的 に 確 立 した こ と に 大 き な 意 義 が あ る。

3.南 北韓 経済交流 の内容 と法律 的対応

(1)北 朝 鮮 経 済 の 開放 と改 革

北 朝 鮮 経 済 の特 徴 は̀経 済 的 自立'を 目標 にす る̀自 力 更生 原則'と

̀重工 業 優 先 政 策'を 追 求 してお り

,生 産 要 素 の量 的動 員 を通 じた 生産 増 大 を は か る外 延 的 な成 長 方 式 を 採 択 して い る。̀閉 鎖 的 な 自給 自足 経

済'の 体 制 を原 則 にす る点 で は,伝 統 的 な マ ル クス ・ス ター リ ンのL

国社 会 主 議 論'を 教 条 的 に 信 奉 した初 期 の社 会 主 義 諸 国家 と一 脈相 通 じ

るが,最 近,ソ 連 お よび東 欧 圏 が 開放 ・改 革 政 策 で大 き な変 革 を経 験 し

て い る こと とは対 照 的 な姿 で あ る。 しか し,最 近 の 中 国 の経 済 改 革 や ソ

連 の 革 命 的 な変 化 に よ り北 朝 鮮 も 閉鎖 的 な 自給 自足 経 済 の 限 界 を克 服す

るた め,先 進 国 の技 術 と資 本 を導 入 しよ う と合 営 法 まで制 定 してい る。

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① 対 内的 改 革

1984年9月8日 に制 定 公 布 され た 合 営 法 に よ り,北 朝 鮮 の対 内 的 改 革 が徐 々に進 行 してい る とみ られ る。 も ち ろ ん̀既 存 の枠'を 守 りなが ら経 済 活性 化 の た め に,諸 政 策 を部 分的 に修 正 ・補完 す る程 度 に と どま っ て い る と判 断 され る。

合 営 法 が 制 定 施 行 され た後,北 朝 鮮 は工 場 ・企 業 所 な どの部 門 に対 し て,̀独 立 採 算 制'を 積 極 的 に奨 励 し,生 産 目標 の超 過 部 分 を 労働 者 に 分配 した。 また工 場 経 済 制 度 を大 幅 に改 編 して独 立採 算 制 を個 人 と作 業 組 に区 分 して 適用 す る こ と に よ り,余 剰 金 を再 投 資,従 業 員 の厚 生 福 祉 金,奨 励 金 な どに使 う こ と を許 可 して,超 過 達 成 の 労働 者 に対 して は住 宅 入 居 の優 先 権 と旅 行 特 典 を 付 与 した 。

21}

1985年 に は1960年 代 初 め に試 み た 半 独 立 採 算 制 を非 生 産 部 門 で あ る 芸 術 団,公 演 団体 な どに まで適 用 した 。 また 農 民 市 場 を拡 大 発 展 させ, 都 市 地 域 に常 設 自由市 場 と して許 容 した 。 これ は 北 朝 鮮 が 固守 して きた

自己 完結 的 な 自給 自足 の経 済 体 制 の 閉鎖 的 な態度 を止 揚 して,漸=進 的 な 変 革 を試 み て い る とみ られ る。

② 対 内的改革

70年 代 に入 り西側諸 国家 に対す る延滞金 が 累加 して,対 内指 向の産 業政策 の限界 と輸 出拡大政 策の必要性 を痛感 して,対 西側貿 易を積極 的

22)

に推進 す る よ う に な った。

1980年 に 輸 出拡 大 の 対 策 を講 じて,中 央 に̀輸 出指 揮 部'を 設 置 し

23}

て 輸 出の年'と まで 定 め た。

1984年1月,最 高人 民 会 議 の 第7期3次 会 議 で は,対 外 経 済 協 力 が

対 内経 済 発 展 と人 民 生 活 向上 のた め に必 須 の条 件 で あ る と規 定 した 。 こ

の会 議 で は,資 本 主義 国家 の 中 の未修 交 国家 と も相 互利 益 原 則 の も とで,

(12)

南北韓 の経 済交流 ・協 力 と法律問題

技 術交 流 お よび経 済 合 作 を推進 す る こ とを提案 す る こと まで お こ な った 。 1985年3〜5月 に は̀合 営 法 施 行 計 画'̀合 営 会 社 所 得 税 法 及 び細 則'

̀外国 人所 得 税 法 と細 則'な どが 制 定 され た

しか し,百 貨 店,コ ー ヒー シ ョ ップ,ホ テ ル,海 運業 な どにの み 外 国 人 の投 資 が成 立 して い るだ けで,産 業 施 設 に対 す る合 作 投 資 は 不 振 で あ

る。 合 営 法 推 進 の実 績 は1989年3月 現在,日 本朝 総 連19件,ソ 連3件, 中 国2件,フ ラ ンス1件,在 米 韓 国 人1件 な ど,あ わ せ て26件 にす ぎ

なか った。 この よ う に西側 国家 の投 資 が 不 振 で あ る理 由 は,合 営 法施 行 細 則(1985.3公 布)が あ ま り に煩 項 で,国 内 市 場 が 狭 い た め 外 債 が 延

24)

滞 ・累 積 した た め で,主 体 思 想 に根 を お い た教 条 的 な計 画 経 済 体 制 の硬 直性 の なす 所 以 で あ る と分 析 され る。

北 朝 鮮 は1986年8月,対 外 開放 措 置 の 第2段 階 と して̀朝 鮮 国際 合 営 総 会 社'を 設 立,1988年 に は 政 務 院 の中 に合 業 工 業 部 を設 置 し,1989年 に は̀財 務 証 券'を 発 行 して外 資 導 入 を さ らに積 極 的 に推進 してい る。

(2)南 北 韓経 済 交 流 ・協 力 の現 況

北 朝 鮮 は開 放 措 置 の 一環 と して,韓 国 と の物 資 交 易 を推 進 して き て い る。1988年10月̀南 北 韓 物 資 交 易 指 針'が 制 定 され る前 に は 第3国 を 通 した 間接 交 易 の 形 態 を と り,お も に香 港 で 南 北韓 の 商社 の 関 係 者 が仲 介 商 を通 じて契 約 した 後,両 側 の船 舶 が公 海 を 経 て物 品 を直 送 す る形 式 で 成 り立 ってい た 。 上 記 の指 針 は韓 国政 府 の 対 北 朝 鮮 経 済 交 流 の許 容 方 針 の一 環 で 作 られ た が,何 らの 南 北 韓 の条 約 や 協 約 の法 的 根 拠 が な い た め,南 北 韓 の交 易 を活 性 化 させ る大 き な助 け とは な りえ ない の が実 状 で あ る。 未だ 間接 交 易 形 態 を と って お り,搬 出入 の 実績 は 全 然 お ぼ っ か な い。(表2,3参 照)

1988年11月21日 北 朝 鮮 産 の 貝 が釜 山 に,1989年2月2日 北 朝 鮮 産

(13)

〈表2>南 北 韓 の 品 目別 搬 出 入 の 実 績(1988.10〜90,10)

(単位:千 ドル,%)

区 分 品 目 金 額 構 成 比

亜鉛魂 9,217 22.7

鉄鋼材 8,415 20.7

無煙炭 2,940 7.2

電気鋼 2,550 6.3

セ メ ン ト 3,946 9.7

水産物 2,220 5.5

生糸 1,581 3.9

搬 入 承 認 農産 物 4,576 11.3

漢 方薬材 1,828 4.5

長石 655 1.6

ニ ッ ケ ル,鉛 魂 727 1.8

蕨(bracken) 631 1.5

人参 製品 512 1.3

切手 278 0.7

そ の 他 540 1.3

40,616 100.0

煙 草 フ ィ ル タ ー 83 51.2

搬 出 承 認 衣 料(jumper) 69 42.6

砂糖 10 6.2

計 162 100.0

資料:韓 国開発研究 院 無煙 炭 が 直 行 路 で 仁 川 に入 港 した 。1990年7月 末 ま で に南 北 韓 の 物 資 交 易 の実 績 は,北 朝鮮 か らの物 資 搬 入 にか た よ ってお り,政 治 的 な影 響

25}

に よ り敏 感 な反 応 を 見せ て い る ことが わ か る。

(3)南 北 韓 経 済 交 流 の 法 的基 礎

1972年 の 南 北 韓7・4共 同声 明 は 韓 半 島 の 緊 張 緩 和 に 寄 与 す る だ け で は な く,北 朝 鮮 経 済 の 開放 を 推進 す る契 機 に も な った。

また,韓 半 島 の脱 冷 戦 化 と平和 体制 構 築 のた め に,韓 国 は 第6共 和 国

の 出帆 と 同時 に7・7宣 言 を発 表 して 北 朝 鮮 政 策 と と もに 北朝 鮮 の 孤 立

感 を軽 減 させ よ う と努 力 した。

(14)

南北韓 の経済交流 ・協 力 と法 律問題

〈表3> 北 朝 鮮 の 地 域 別 貿 易(1988)

(単位:百 万 ドル,%)

輸 入

区 分

金 額 比 重 金額 比 重 金 額 比重

対共産圏 3,440 70.9 1,197 65.2 2,243 74.3

〃 ソ 連(1) 2,617 53.9 882 48.0 1,736 57.5

〃 中 国(2) 592 12.2 212 11.6 380 12.6

対西側 先進国 843 17.3 375 20.4 468 15.5

〃 日 本(3) 556 11.5 293 16.0 263 8.7

対開発途上国 573 11.8 264 14.4 308 10.2 (1)+(2)+(3) 3,765 77.6 1,836 75.6 2,379

資料:韓 国開発研究院 しか し,過 度 な政 治 的攻 防 に よ り,南 北 韓 の経 済 交 流 協 力 は 未 だ 初 歩 的 な段 階 に と どま って お り,法 的 ・制 度 的̀基 本型'を 構築 で きず,実 質 的 な成 果 を期 待 す る こ とは難 しい実 状 で あ る。 も ち ろん,わ が 政 府 は

̀南北 交 流協 力 に 関す る法 律'を1990年8月1日 制 定 公 布 し施 行 して

い るが,そ の根 拠 に な る上位 規 範(憲 法 や 条約 な ど)が 存 在 せ ず 実 効 性 に 限 界 が あ る。

この 法 で は,交 易 と経済 協 力 に関 す る事 項 を規 定 してお り(第12〜22 条),同 法 の施 行 令 に交 易,協 力 事 業 お よび 決 裁 業 務 に 関 す る細 部 事 項

(第22〜44条)を 定 め て い る。 また̀南 北 韓 交 易 対 象 物 品 お よ び搬 出 ・ 搬 入 の承 認 手順 に関 す る公 示'(国 土 統 一 院公 示 第90〜2号,1990.9.25)

で 南 北 韓 間 に お け る物 品 の搬 出搬 入 の承 認 手 順 を 規 定 し,"対 外 貿 易 法 第18条 お よ び19条 の 規 定 に よ り商 工 部 長 官 が 公 示 した輸 出入 公 告,別 途 公 告,統 合 公 告 な どは,南 北 交 流 協 力 に関 す る法 律 第14条 の規 定 に よ る南 北 韓 交 易 対 象 物 品 の公 告 で み る"と 規 定 した。(第1条)

しか し,上 記 の 諸法 令 は 南北 韓 の何 らの合 意 や協 約 ・条 約 に根 拠 をお

くもの で は ない 。 わ が政 府 が 一 方 的 に制 定 ・施 行 して い る も ので,南 北

(15)

韓 経 済 の交 流協 力 に関 す る基 本 的 な法 的 制 度 的 な型 を提 供 で き て い ない とみ る。1984年11月15日,第1次 南北 経 済 会 談 を始 め1年 間 にわ た り

5回 開 かれ た が 明確 な合 意 は得 られ ず,数 回 の南 北 高官 級 会 談 で も明 瞭 な合 意 書 を作 り得 な い のが 実 状 であ る。

4.お わ りに

以 上 を通 して南 北経 済 交 流 ・協 力 の現 況 と問題 点 を,法 的 ・制 度 的側 面 か ら検 討す る に際 して,我hと と も に分 断 国家 と して存 在 し統 一 を な

した ドイ ツの モ デ ル を紹 介 しなが ら提 起 してみ た 。 も ち ろ ん ドイ ツは 吸 収 統 合 方式 に よ り経 済 統 合 を成 就 した が,統 一 ドイ ツを誕 生 させ た方 式 が,わ が韓 半 島の 統 一 のた め に絶 対 的 な モ デ ル と は な り得 るも の で は な い 。 歴 史 的 ・文 化 的伝 統 と背 景 が こと な り,政 治 的 ・思 想 的 な基 盤 が違 うた め,そ の よ う なcド イ ツモ デル'を 我 々が 受 容 しなけれ ば な らない とは 言 え な い。

しか し,東 西 ドイ ツの 経 済 交 流協 力 に お いて,1951年 と61年 のベ ル リ ン協約 か ら出発 した 法 的 ・制 度 的 基 盤 が,政 権 が 交 代 して も継 続 して 交 流協 力 を拡 大 で き る契 機 と な った 点 は,明 らか に我 々に大 き な教 訓 を あ た え た 。 西 ドイ ツ人 が 見 せ た 誠 実 性 が 信 頼 を構 築 して,理 念 と体 制 の 壁 を 崩 した こ とは 学 ぶ べ き点 で あ る。 経 済 交 流 協 力 のた め の ドイ ツ人 の 緻 密 な法 律 的 対 応 は,我 々に示 唆 す る も のが 多 い。 我 々は現 在,南 北 韓

の経 済 交 流協 力 のた め に次 の よ う な法 律 的 な課 題 をか か え て い る。

(1)南 北 韓経 済 交 流 ・協 力 の ため の 基 本 条 約 や 協 約 の 締 結

国 連 加 盟 に よ り南 北 韓 関 係 を,対 外 的 に は̀1民 族2国 家'を 評 榜 しな

が ら,対 内 的 に は̀特 別 な 内部 関 係'で あ る̀1民 族1国 家'を 固守 して̀民

(16)

南北韓 の経済交流 ・協 力 と法律 問題

族 経済 共 同体'が 成 就 す る よ う に法 制度 を 整 備 しなけ れ ば な らな い。

まず,互 い に異 な った 経 済 体 制 に よ る障 害 要 因 を 除去 して,南 北 経 済 特 区 の建 設 を通 じた 南 北韓 自由貿 易 地 域 の設 定 → 関 税 同盟 → 共 同市 場 → 経 済 同盟 な どの段 階 をへ て経 済 統 合 が な され る とい う点 を認 識 して,経 済 交 流 協 力 を推 進 して民族 経 済 の 同質 性 を 回復 しなけ れ ば な らな い。 と

りわ け第3国 を通 じた 間接 取 引 に よ る形 態 の南 北 交 易 は,安 定 した 取 引 船 確 保 の難 しさ,費 用 の 上 昇,品 質 や納 期 の不 安,交 易 関 係 の情 報 不 在 な ど限 界 が あ り,実 質 的 な経 済 交 流 協 力 を推 進 す る ことが で き る協 定 や 条 約 の締 結 が 急 が れ る。

この よ う な法 的 基 盤 の造 成 が 初歩 的 な段 階 か ら必要 で あ り,ド イ ツ も ベ ル リ ン経 済 協 定 締 結 後20年 余 がす ぎ て基 本 条 約 が 締 結 され 国連 に 東 西 ドイ ツが 加 入 した の で あ り(1973),実 質 的 な経 済 交 流 協 力 が 推 進 さ れ た こと を想 起 す る必 要 が あ る。

プ ラ ン トが 言 った よ うに,我hはLつ の家'と して,こ れ 以 上別h に生 き る こ と(auseinander)を や め,相 互 共 存(nebeneinander)を へ て 互 い に 一 緒 に生 き る(miteinander)時 まで 到 達 で き る よ う努 力 す る

26)

時期 であ る。

南北経 済会談 を再開 して経済交流協力基 本協定(ま た は条約)を 速 や か に締結 し,商 用 通信文の疎通,常 設交易合議機 構の窓 口開設,共 通連 絡事務所 な どの設置が優先的 に考慮 されね ばな らない。 また,北 朝鮮 が 南北 間の公 開的 な交流 に反 対 しなが ら,秘 密 と大義名文 が保 障 され る条 件で あれ ば直接交 易 を受容す る態度 にも関心 を もっ必要が あ る。

この協定 の主要 な内容 と しては,次 の ような ものが検討 され なけれ ば な らない。

① 南北韓 の経済 交流協 力事業 を円滑 に推進 して民族経済共 同体 を建設

し,さ らに平和 的 な民族統 一 をなす 目的で この協定 を締結す る。

(17)

② 通 貨 経 済 単 位(Verrechnungseinheit)を 定 め,南 北 間 の 貿 易 経 済 に使 え るよ うに しなけれ ば な らない 。 取 引 方 式 は清 算 決 裁 方 式 を原 則 に す るが,北 朝 鮮 の場 合,外 貨 保 有 高 の 不足 に よ る支 払 能 力 に 限界 が あ る の で,バ ー ター貿 易 に依 存 す る可能 性 が 高 い。 しか し,南 北 韓 の中 央 銀 行 に相 互 決 裁 勘 定 を設 置 して,統 一 した決 裁 単 位 に よ り1年 単 位 で 勘 定 を清 算 し,無 利 子 の借 越 制 度 あ るい は 無利 子 の 掛 売 に よ る取 引 制 度 と も い え る ス ウ ィン グ(Swing)制 度 の導 入 も必 要 で あ る。

③ 交 易 摩 擦 を仲 裁 で き る制 度 と,訴 訟 制 度 が 設 け られ ね ば な らな い。

④ 物 資 輸 送 お よ び輸 送 方 式 に 関す る規 定 が 必 要 で あ る。

⑤ 民 間 主 導 の交 易 お よ び通 商 視 察 団 を構 成 して長 期 的 な相 互 交 換 を推 進 し,相 互 現 地 訪 問 を通 じた経 済 交 流協 力 事 業 を推 進 す るた め の市 場 調 査 ・相 談 な どが設 け られ る機 構(仮 称 南北 韓 交 易協 議 会)の 設 置 を規 定 す る必 要 が あ る。

⑥ 本 格 的 な南 北 経 済 交 流 の た め,金 融 支 援 制 度 の保 障 お よ び基 金 の助 成 が 必 要 で あ り,輸 出入 銀 行 の転 貸 資金 の 支援,輸 出保 険 の支 援,南 北 経 済 協 力 基 金 の助 成 な どに 関す る事 項 を規 定す る。

⑦ 合 作 投 資 と共 通 資 源 の 開発 事 業 を推 進 す る ことが で き る法 的 根 拠 を 作 る。 このた め に特 殊 銀 行(仮 称 北 東 ア ジ ア合 作銀 行,統 一 銀 行 な ど)

を合 作 会 社 しと て設 立 し,経 済 協 力基 金,投 資管 理 お よび 資 源 を 円滑 に 遂 行 で き る よ う にす る。

⑧ 非 武 装 地 帯 に南 北 経 済 特 区 あ るい は共 同市 場(仮 称統 一 市 場)を 模 範 と して運 営 し,経 済 交 流 ・協 力 を推 進 す る よ う にす る。

⑨ 南 北 韓 の 経 済 交 流 協 力 委 員 会 を常 設 で お い て,南 北 韓 の経 済 特 区 ・

共 同市場 あ る い は共 同警 備 区域 内 に,南 と北 の 常任 通 商 代 表 部 また は共

同 連 絡事 務所 な どを設 置 す る問 題 もふ くまれ て い る。

(18)

南北韓の経済交流 ・協力 と法律問題

(2)南 北 韓 の通 行 ・通 信 協 定 の締 結 お よび そ の 他

南 北 韓 の 人 的 ・物 的 交 流 の推 進 の た め に,南 北 韓 の通 行 ・通 信 協定 が 優 先 して締 結 され ね ば な らない 。 閉 鎖社 会 と開 放 社 会 が 交 流 の 門 を開 け れ ば,民 族 経 済 と文化 な どの 同 質 性 回復 に大 き く寄 与 す る よ う に な るだ ろ う。 この よ う な協 定 はす で に ドイ ツで̀接 触 を通 じた 変 化'と い うス ロー ガ ンの も と,無 血 革命 を通 じた 平和 的 な統 一 を実 現 す る の に大 き く 貢 献 した とい う点 を想 起 す る必要 が あ る。 北 朝 鮮 地 域 の 道 路 使 用 金,補 修 費 な どを我 々が 支給 して で も道 路 や航 空 路,海 洋 船 路 を利 用 で き るよ

う に協 定 を締 結 す る。 この通 行 協 定 の内 容 は 通 行 に関 す る一 般 原 則,通 行 時 の事 故 ・突発 事態 な どに関す る処理 問 題,紛 争 解 決 のた め の共 同委 員 会 の設 置運 営,犯 罪行 為(濫 用 行 為)に 対す る処 理 問 題 な どが 含 まれ る。 また,通 信 協 定 には郵 便 や 電 信,電 話 に関 す る事 項 を規 定 す る。 こ の二 つ の 内 容 を と も に規 定 す る こ と も正 しい と考 え る。

上 記 の 南北 経 済 交 流 ・協 力 の基 本 型 を提 供 す る協 定 や 条 約 を締 結 す る 以前 で も,す べ て の 人 的 ・物 的交 流 に支 障 を もた らす 国 内法 制 の改 正, 補 完 が 至急 に要 請 され るだ ろ う。 北 側 の 閉 鎖 性 と イデ オ ロギー の偏 向性 に よ る開 放 改 革 を求 め る前 に,̀我hか ら'自 身 の法 制 を 整 備 して 南 北 韓 の経 済 交 流 が膠 着 した事 態 に陥 る こ と を予 防 しなけ れ ば な らな い。 国 家 保 安 法,税 法,労 働 関係 法,通 信 関係 法 な どにお い て,南 北 経 済 交 流 に支 障 を きたす 条 項 は まず 果 敢 に改 廃 しなけ れ ば な らな い。 あわ せ て 資 本 主 義体 制 の 矛盾 で あ る̀貧 益 貧,富 益 富'の 現 象 を克 服 し,経 済 の不 正 義 を た だせ る よ う法 制 度 を整備 して労働 者,農 民,都 市 貧 困者,中 小 企 業 な どの不 満 を解 消す る。̀一 緒 に住 め る社 会'を 作 り,体 制 に対 す る確 信 を もっ よ う にす る こ と に よ り,社 会 主 義 体制 で あ る北 朝 鮮 と の統 合 へ の足 かせ を 除 去 しなけ れ ば な らない 。

南北 高 官級 会 談 は継 続 して維 持 しなけれ ば な らず,中 断 され た経 済 会

(19)

談 を再 開 し,こ の 間,南 側 が 提 案 した 通 行 ・通 信 ・経 済 交 流 協 力 に関 す るが 合 意 書(案)と,北 側 が 提 案 した 北 南不 可侵 宣 言 を綿 密 に研 究 ・検 討 して,ま ず,南 北 韓 が 共 有 で き る内容 だ け を 取 り急 ぎ合 意 して,実 質 的 な交 流協 力 の制 度 的 な装 置 を作 らね ば な らない時 で あ る。

注(韓 国 語 文 献 は 日本 語 に 訳 し た)

1)W.Conze,DeutscheNation,Gottingen,Vandenhoeck&Ruprecht 1958,pp.146‑‑164

2)連 合 通 信 編,『 ドイ ツ統 一 か ら何 を 学 ぶ の か(専 門 学 者 現 場 レ ポ ー ト)』

1990.

3}AbkommenzwischenderRegierungderBundesrepublikDeutschland andderRegierungderDeutschenDemokratischenRepublikuberden

TransitverkehrvonzivilenPersomenundGUternzwischenderBundesrepublik DeutschlandundBerlin(West)で あ り,普 通̀Transitabkommen'と

よ ぶ 。 こ れ に 関 す る 詳 細 な 内 容 は,李 「東 西 ドイ ツ 通 行 協 定 に 関 す る 研 究 」 『統 一 問 題 研 究 』 第2巻1号,1990年 春,pp.252〜277参 照

4)こ れ に 関 す る 詳 細 な 内 容 は,GeorgRess,DieRechtslageDeutschlands

nachdemGrundlagenvertragvom21.Dezember1972,1978を 参 照 。 5)本 協 定 は 米 ・英 ・仏 ・ソ 連 合 国 が 締 結 した も の で,プ ラ ン ト政 権 が 作 っ

た 基 本 条 約 の 試 金 石 で あ っ た 。 東 方 政 策 の 結 実 で あ る ソ 連 と の̀モ ス ク ワ 条 約'(1970.8.12),ポ ー ラ ン ド と の 国 境 紛 争 を 終 わ ら せ た̀独 ・ポ ー ラ ン ド不 可 侵 条 約'(1970.12,17)な ど が,本 協 定 の 基 礎 と な っ た 。 6)240億 マ ル ク の 東 独 の 外 債 に 対 す る 元 利 償 還 が 可 能 に な る よ う,西 独

は1983年10億 マ ル ク,1984年9億5千 万 マ ル ク の 借 款 を 提 供 し た 。 詳 し い 内 容 は,徐 『統 一 の た め 東 西 ドイ ツ の 関 係 の 証 明 』 知 識 産 業 社, 1988,pp.18〜19参 照 。

7)こ れ は 東 独 に 劣 等 感 を 与 え な い た め の 政 策 で あ り,内 独 貿 易 と い う 名

の も と ヨ ー ロ ッパ 共 同 体 に 準 じた 待 遇 を 受 け る よ う に し て,東 欧 国 家 の

中 で 唯 一,両 側 国 家 と 国 際 経 済 力 を も っ よ う に す る 目 に 見 え な い 手 助 け

を 与 え た と 評 価 さ れ る 。

(20)

南北韓 の経 済交流 ・協 力 と法律問題

8)1986年,東 独 の 一 人 当 た り の 国 民 所 得 が6749ド ル に 比 し て,ソ 連 は 3000ド ル に 達 し な か っ た 。

9)朴 「東 西 ドイ ツ 間 の 貿 易 」 『統 一 問 題 研 究 』 第1巻 第4号(1980.12),p.36 10)同 上 書,pp.47〜49

11)同 上 書,p.49

12)JoachimNawrocki,DieBeziehungenzwischendenbeidenStaaten inDeutschlandGebr,Holzapfel,Berlin1988,pp.143‑‑145

13)関 税 の 弁 済,付 加 価 値 税 率 の 引 下 げ,代 金 決 裁 に お け る 清 算 勘 定 (Clearingaccount)を 通 じ た 債 権 債 務 の 相 殺,ス ウ ィ ン グ(Swing) 制 度(東 独 企 業 が 西 独 に 対 す る 物 品 が 供 給 物 品 を 超 過 し た 場 合,一 定 の

限 度 内 で 信 用 を 無 利 子 で 提 供 す る 制 度)な ど 多 様 な 形 態 の 支 援 を 提 供 し た 。

14)「 コ ー ル 西 独 総 理 東 独 方 案10ヶ 項 目 」 東 亜 日 報,1989.11.29 15)「 東 独 の 第2経 済 奇 跡 の 可 能 性 」 韓 国 日 報,1989.7.8

「第4ド イ ツ 帝 国 登 場 遠 く な い 」 東 亜 日 報,1989.11.13 16)「 西 独 の 第2経 済 奇 跡 」 朝 鮮 口 報,1981.1.15

17)ド イ ツ 社 民 党 のKlausvonDohnanyiが 推 定 し た 方 式 に よ る と,間 接 資 本 お よ び 環 境 部 門 に 対 す る 支 払 経 費 年200〜250億,東 独 の 産 業 に 対 す る 支 援 経 費 で 年200億 マ ル ク 東 独 の 社 会 保 障 の 赤 字(1991年 推 定 経 費1180億 マ ル ク)に 対 す る 保 険 経 費 な ど を 合 算 す れ ば,約600億 マ ル ク 程 度 に な る 。 と こ ろ で ドイ ツ 統 一 基 金 と し て 計 画 し て い る 支 払 い 規 模 は1990:297億5千 万 マ ル ク,1991:238億 マ ル ク,1993:170億 マ ル ク,1994:85億 マ ル ク で,追 加 支 援 経 費 は 追 加 租 税 負 担 で 補 う ほ か な い と い う 結 論 が で る 。 一 方,DeutscheBankの 分 析 に よ る と,2001 年 ま で 約590億 ドル の 統 一 費 用 が 必 要 で あ る と 予 測 し て お り,そ の 調 達 方 法 は 以 下 の 通 り で あ る 。

ドイ ツ の 統 一 費 用(1991〜2001)

統 一 費 用 総 計 590億 ド ル

法 人 税 の 削減 取 消 140億 ド ル

調 西 ベ ル リ ン支 援 金 の廃 止 120億 ド ル

達 税 収 の 自然 増 100億 ド ル

内 付 加 価 値 税 の引 き 上 げ 90億 ド ル

訳 財 政 赤 字 民 間 資本 増 加 参 与 80億 ド ル

60億 ド ル

資 料:BusinessWeek,April9,1990

(21)

18)BGBL199011p.537以 下

19)TilmannFichter,NeueGesellschaft,FrankfurterHefto,Aug.1990.

20)Einigunsvertrag:VertagzwischenderBRDandderDDRfiberdie

HerstellungderEinheitDeutschlands,BGBL199011p.885.こ の条 約 を 準 備 す る た め 西 独 の行 政 官 僚 は 驚 くほ どの 活 動 を して,付 録 を ふ くめ 1000頁 に達 す る膨 大 な 作 業 を遂 行 した 。 この 条 約 は9条 に分 け規 定 さ れ て お り,重 要 な 内容 を概 括 的 に整 理 す れ ば次 の よ う に な る。 第1条 は

"基 本 法 第23条 に従

って東 独 が 西 独 に編 入 され る効 力 に よ り ブ ラ ンデ ン ブル グ マ ク レン ブル グ ー ポ プ メ ル ン,ザ クセ ン,ザ ク セ ンア ンハ ル ト,ト ゥ リ ンエ ン州 な どは 西 独 の 州 に な る …"と 吸 収 統 合 を宣 言 して い る。

第2条 で は ベ ル リ ンを ドイ ツの 首 都 と規 定 して い る。 ボ ンに あ る議 会 と政 府 の位 置 を ベ ル リ ンに移 さね ば な らな いの か と い う多 くの論 議 が あ るが,全 体 ドイ ツ議 会 に任 せ てい る。 第2章 に は基 本 法 の地 域 的 な効 力 範 囲 の拡 大(新 た に編 入 され る州 に効 力 が あ る と い う 内容)と 基 本 法 お よ び 諸規 定 の改 定 ・廃 止 な どを規 定 した 。 第3章 は 実 質 的 に重 要 性 を も っ 法 統 合(Rechtsangleichung)の 問 題 を規 定 して い る。 こ こ で は 既 存 の西 独 法 律 の効 力維 持 に 関 す る原 則 を 規 定 して い る。 一 般 的 に西 独 連 邦 法(Bundesrecht)は 東 独 か ら編 入 され た 州 に も効 力 を もっ も の と推 定 され る。 具 体 的 に第1付 属 規 定(Anlagl)に は 西 独 連 邦 法律 の何 な る 部 分 が 編 入 され た新 た な 領 土 に効 力 を もた ず,何 な る部 分 が 改 正 ・補 完 され ね ば な らない か,あ るい は特 定 基 準 に 従 うだ け で 効 力 を 発 す る こ と が で き る のか 等 が 規 定 され て い る。

第2付 属 規 定(AnlaglI)で は 同 様 に体 系 に よ り,東 独 の何 な る法 規 範 が 例 外 的 に継 続 して効 力 を もち,部 分廃 止 ・補 完 ・改 定 され るの か を 規定 してお り,何 な る基 準 の 下 で そ の よ う に な るのか 等 を規 定 して い る。

そ の 他 に も第4章 は 国際 法 上 の条 約 と協 定 の効 力 問題,第5章 は公 共 行

政 と司 法 の 問 題,第6章 は公 法 財 産 と債 務 問題,第7章 は 労働 ・社 会 ・

家 族 ・女 性 保 険 お よ び 環 境 問 題 第8章 で は 文 化 ・教 育 ・学 問 お よ び ス

ポ ー ツ,第9章 で は経 過 規 定 お よび 終 結 規 定 な どに分 け て規 定 され た 。

この 統 一 条 約 は1990年9月20,21日 に東 西 ドイ ツ の立 法 機i関に よ り

(22)

南北韓 の経済交流 ・協 力 と法律 問題

圧 倒 的 多 数 で 推 進 され,1990年10月3日 に は東 独 の 西 独 へ の編 入 が 成 立 し た 。 しか し,ま だ 法 的 な適 応 と改 善 の 重 大 な課 題 が 山 積 して お り,将 来,行 政 ・司法 お よび 立 法 を通 じて克 服 しなけれ ば な らない もの で あ る。

21)自 己輸 入 で 運 営 費 お よ び従 業 員 の 生活 費 を充 当 した 後,不 足 分 は 国家 が 補 助 す る制 度 。

22)1973年 か ら対 西側 貿 易 が積 極 的 に推 進 さ れ た 。 そ の 結 果,1970年 は 対 西 側 貿 易 の 占有 率 が18.6%に 過 ぎ なか ったが,1974年 に は48.5%に 急 増 した 。 と くに この期 間 中 に 北 欧 は もち ろ ん,フ ラ ンス,西 独,日 本 な どとの 交 流 が 拡 大 され て お り,対 北 朝 鮮 の プ ラ ン ト類 の輸 出が 増 大 し た 。 この期 間 中,西 側 は北 朝 鮮 に約13億 ドル の借 款 を提 供 した 。

23)こ の時 に北 朝 鮮 は貿 易 政 策 の 一 大転 換 を 迎 え る よ う に な った が,そ の 政 策 目標 を① 信 用 第 一 主 義,② 輸 出 商 品 の優 先 生 産,③ 包 装 お よ び品 質 改 善,④ 納 期 厳 守,⑤ 輸 出業 の 多角 化 な ど にお い た 。

24)1987年 末 現 在,西 側 の被 害 は約28億 ドル だ とい う。

25)こ れ に対 す る詳 細 な統 計 と内 容 は,任 「北 韓 経 済 の 開 放 お よ び改 革 展 望 」 『統 一 問題 研 究』 第3巻 第1号(通 巻 第9号)1991年 春,pp.85〜

86参 照 。

26)申 「西 独 社 民 党 の平 和 政 策 」 『平 和研 究 』 第7巻1号(慶 煕 大 学 校 国

際 平 和 研 究 所)1998.7,p.59参 照 。

参照

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