• 検索結果がありません。

電気事業の経営多角化戦略 : 東京電力と西独RWE社との比較を中心にして

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "電気事業の経営多角化戦略 : 東京電力と西独RWE社との比較を中心にして"

Copied!
14
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

電 気 事業 の経 営 多 角化 戦 略

一 東 京電 力 と西 独RWE社

との比 較 を中心 に して一

田 輝

Diversification

Strategies

of Electric

Utilities

—Comparative

Study

between

TEPCO

and RWE—

Teruhiro TOMITA

In this paper, we wil examine several reasons why electric utilities have been diversify-ing their business recently. For this purpose, we will analyze the diversification strategies of TEPCO (Japan) and RWE (West Germany), comparing the strategies and financial performance between them.

The diversification strategy of TEPCO since 1985 has been to develop the infrastructure such as telecommunications and a total energy (cogeneration) system for the . ment of urban areas.

On the contrary, RWE' s strategy has been to restructure the business in such sectors as machines, petroleum and chemical products, in order to cope with the decline of electricity demand.

In terms of financial performance, RWE is doing much better than TEPCO, because of a lower debt ratio and a lower electricity price.

The diversification ratio of RWE will be more than 50% next year, but the ratio of TEPCO will reach about 50% at the beginning of 21st century.

1.は じ め に 本 稿 は,公 益 事 業 の 中 で も強 い独 占的 地 位 を持 つ電 気 事 業 が,い ま なぜ,経 営 多 角化 を 進 め よ う とす るの か,'そ の根 拠,実 態 及 び, 問 題 点 を解 明す る こ とを 目的 とす る。 そ の た め に わが 国最 大 の 東 京 電 力 と,西 ドイ ツ最 大 ノ のRWEの2社 の 国 際 比 較 に焦 点 を あ て なが ら明 らか に した い。 企 業 の 多 角 化 戦 略 に つ い て は これ まで に多 くの 理 論 的,実 証 的 研 究 が 行 わ れ て い る。 Rumeltら ハ ー バ ー ドグ ル ー プ の 一 連 の 研 究 や,わ が 国 につ い て も吉 原 らの研 究 が あ る。 吉 原 らは,わ が 国企 業 の 多 角化 戦 略 を経 営 資 源 の蓄 積 過 程 とい う観 点 か ら と ら え,多 角 化 の経 営 成 果 を明 らか に して い る。 しか し,多 角化 戦 略 に関 す る研 究 は これ ま で そ の 対 象 とす る業 種 は ほ とん ど製 造 業 に 限 られ て い た とい って い い で あ ろ う 。公 益事 業 につ い て は,規 制 緩 和,民 営化 の世 界 的傾 向

(2)

の 中 で,現 在,精 力 的 に研 究 が 進 め られ て い るが,ま だ 多 くの 未 開 拓 の分 野 が 残 され て い る領 域 な の で あ る。1) 2.公 益 事 業 に お け る経 営 多 角 化 の 問 題 点 公 益 事 業 の 多 角 化 は,私 鉄 事 業 を例 外 とし て,ま だ そ の 緒 に つ い た ばか りで あ る。 公 益 事 業 に お い て は きび しい規 制 の た め,多 角化 に ふ み きれ な い とい う側 面 が あ っ たが,最 近 の 規 制 緩 和 の流 れ の 中 で,規 制 の見 直 しが検 討 され る よ う にな った 。 製 造 業 な ど と比 べ て,公 益 事 業 が 多 角 化 す る場 合 に は 一 般 企 業 と異 な る 問 題 が 存 在 す る。 そ れ は 一 方 で 独 占力 を有 す る本 業 部 門 を 持 ち な が ら,他 方 で競 争 分野 に進 出 し て い く こ とか ら生 ず る 問題 で あ る。 そ こで,こ れ ら の 問題 を電 気 事 業 に つ い て 考 察 す るが,そ の 前 に,企 業 が 多 角化 を行 う動 機 は何 か に つ い て ふ れ て お きた い 。 多 角 化 の 主 た る動 機 は経 営 資 源 の活 用 と組 織 の活 性 化 の た めで あ る。2) 資 源 と して は,電 気 事 業 の 場 合,電 力 設備, 特 に,情 報 通 信 設 備 の ネ ッ トワー ク とし て の 有 効 利 用 が 挙 げ られ る。 また,人 的 資 源 に つ い て は,中 高 年 な どの人 員 対 策 が 考 え られ る。 組 織 の 活 性 化 につ い て は,電 気 事 業 も成 熟 産 業 とな っ て今 後 需 要 の 大 き な伸 び が 期待 で き な い。 む し ろ,衰 退 の 可 能 性 もあ る 中 で, 企 業 組 織 内部 に活 力 を吹 き込 み,活 性 を維 持 す る た め必 要 とな る。3) (1)地 域 独 占の 問 題 地 域 独 占 に関 連 し て生 じる 問題 に つ い て み る と,電 気事 業 は資 源 蓄 積 の過 程 で独 占 の 特 権 を享 受 して い る。 例 え ば,土 地 収 用 法,道 路 占有 権 お よび 地 役 権 の設 定 な どに よ る土 地 資 源 の蓄 積 で あ る。 従 っ て,こ れ らの特 権 と 裏 腹 に 当 然 責任 も生 じ る と考 え る の が 妥 当 で あ ろ う。利 益 や 将 来 の 成 長 が 見 込 め る,あ る い は経 営 資 源 の 活 用 の た め な ら,ど ん な 事 業 に で も多 角 化 す る とい う わ け に は い か な い 。 そ こに は 自ず か ら社 会 的 に認 め う る制 約 が あ る と こ ろが 一 般 産 業 と相 違 す る点 で あ ろ う。 独 占 に関 し て第2の 問題 点 は,い わ ゆ るX 非効 率 に関 す る 問題 で あ る。 電 気 事 業 は これ まで マ ー ケ テ ィ ング の経 験 が ほ と ん ど な い。 それ が 他 企 業 との競 争 に さ ら され た 場 合,ど の 程 度 競 争 力 を発 揮 で き るか とい う問 題 で あ る。しか し,こ の 点 に関 し て は,JR,NTTの 最 近 の 経 営 成 果 を見 る と,多 角 化 がX非 効 率 を低 め る要 因 の 一 つ にな って い る と考 え られ る。4) (2)内 部 補 助 関 連 の 問 題 内部 補 助 の 問 題 は多 角 化 部 門 で 赤 字 が 発 生 した 場 合,そ の 赤 字 を本 業 部 門 が補 填 した り, あ るい は本 業 部 門 が 多 角化 部 門 か ら資 材 を高 く購 入 した りす る事 に よ っ て生 じ る内 部振 替 注1)電 気事 業 の 規制 緩 和 につ いて は,富 田輝 博 「電 気料 金 の概 要 と電気 事 業 の規 制 緩和 」(植草益 編 著 「産 業組 織 の変 化 と公 益事 業 」工 業開 発研 究 所1988.3所 収)を 参 照 され た い。 公 益事 業 の経 営 多角 化 に関 す る最 近 の研 究 として は,佐 々木 弘 編著 「公 益 事 業 の 多角化 戦 略」 が 有益 で あ る。 注2)企 業 が多 角 化 を行 う経 済 的根 拠 と して は次 の3つ が挙 げ られ る。a.範 囲 の経 済性:範 囲の経 済 性 と は,い くつか の製 品 を別々 の 企業 が そ れ ぞれ生 産 した時 の費 用 の合計 よ りも,1社 が す べ て生産 した 方が コス トが 安 い場 合 で あ る。b.危 険 の分 散:財 務理 論 にお け るポ ー トフ ォ リオ選 択 理 論 で は多 くの 株式 に投 資す る こ とに よっ て,危 険 を分散 し よ う とす る。 同様 に,企 業 の事業 活 動 も1つ の事 業 に全 資 源 を投 入 しない で い く つ か の製 品分 野 に進 出す る こ とに よ り,リ スク を減 らそ う とい う もの で あ る。c.情 報 の経 済:多 角 化 した企 業 が様 々 な情 報 へ の ア クセ ス とい う点 で専 門 企 業 よ りも優 位 に た ち,そ の結果,新 分野 へ の参 入 費用 を安 くで き る こ と。詳 細 は青木,伊 丹 「企業 の経済 学 」 第4章 参照 。 注3)最 近 の産 業 構 造 の将 来 展望 に よれ ば,電 気 事 業(ガ ス,水 道事 業 も含 む)の 成 長 率 は,1985-1993年 間 は2.9%,1993-2000年 間 は3.3%と,同 期 間 の全 産 業平 均 の 成長 率3.5%,4.0%と 比 べ て い ずれ も低 い とい う想 定で ある。(出 所:経 済企 画 庁 総合 企 画庁 「21世紀 へ の基 本戦 略 」1987年 参 照)

(3)

価 格 の 問 題 で あ る。 さ らに,本 業 部 門 と多 角化 部 門 との 間 で 共 通 費 を どの様 に配 分 す るか とい う問題 が あ る。 需 要 の 価 格 弾 力 性 の低 い本 業 部 門 に配 賦 す る な ら,一 種 の 内部 補 助 に相 当 す る。 内 部 補 助 に関 連 して重 要 な 問題 は 多 角 化 部 門 で 利 益 が で た 場 合,こ れ を本 業 に還 元 す べ きか 否 か, また,還 元 す る と した ら どの様 な形 態 で 還 元 した ら良 い の か とい う点 で あ る。 子 会 社 の場 合,会 計 的 に は経 理 勘 定 は分 離 され るが,兼 業 の場 合 も明 確 に,本 業 と分 離 し記 載 す る必 要 が あ る。 そ して,利 益 が で た 場 合,積 立 金 と して 内部 保 留 す るか,電 気 料 金 の引 き下 げ に使 うか 議 論 の あ る と こ ろで あ ろ う。 しか し, わ が 国 の電 気 料 金 を国 際水 準 と比 較 す る と, 各 国 の制 度,費 用 構 造 の差 異,さ らに は為 替 レ ー トとい ろ い ろの条 件 は考 慮 の 余 地 は あ る が,世 界 最 高 の部 類 には い る こ とは間 違 い な い で あ ろ う。 従 って,経 営 多 角 化 の成 果 が あ が っ た場 合 に は料 金 を値 下 げ し,消 費 者 に還 元 す る こ と も必 要 で あ ろ う。5) (3)多 角 化 の 組 織 形態 の 問 題 経 営 多 角 化 の組 織 形 態 と して,兼 業 に よ る 経 営(直 営),別 会 社 として 独 立(子 会 社 あ い は分 社),持 株 会 社 の3つ が 挙 げ られ る。 この うち,わ が 国 で は持 株 会 社 は独 占禁 止 法 で禁 止 さ れ て い る。 また,現 行 の 電 気 事 業 法 で は, 第12条 に よ り兼 業 は許 可 制 と規 定 さ れ て い る。 しか し,子 会 社,関 連 会 社 な どへ の投 資 に つ い て は特 段 の規 制 は行 わ れ て い な い。 従 っ て, 多 角 化 の た め の組 織 は,直 営,子 会 社 あ る い は共 同 出資 に よ る別 会 社 しか 行 な う こ とが で き な い。 しか し,最 近 の本 業 部 門 に お け る規 制 緩 和 に伴 い,兼 業 規 制 を な くす べ きだ とい う意 見 もあ る。6) 3.製 造 業 に お け る経 営 多 角化 の動 向 最 近,わ が 国 大 企 業 で は リス トラ クチ ャ リ ング(事 業 再 構 築)が 盛 ん に行 わ れ て い る。 そ こで,公 益事 業 に お け る 多角 化 戦 略 を考 察 す る前 に,一 般 製 造 企 業 に お け る 多角 化 の動 向 につ いて まず 見 て お こ う。 公 正 取 引 委 員 会 の 定 義 に よれ ば,リ ス トラ クチ ャ リン グ は,事 業 ・製 品 ミッ ク ス の変 更, 事 業 の 統 合 ・再 編 ・撤 退,特 定 事 業 部 門 の分 離 独 立,成 長 事 業 分 野 の 新 規 事 業 化,他 企 業 の 吸 収 ・合 併 な ど に よ り事 業 構 造 を再 構 築 し よ う とす る企 業 行 動 で あ る。 最 近 の 公 正 取 引 委 員 会 の 調 査 に よ る と,主 要 企 業156社 の 売 上 高 本 業 比 率 は低 下 傾 向 に あ る(表1)。 子 会社 を含 め な い 場 合 の 売 上 高 本 業 比 率 の 高 い業 種(90%以 上)は 食 料 品, パ ル プ ・紙,石 油 ・石 炭 製 品 な どで あ り,低 い業 種(79%未 満)は 繊 維 工 業,非 鉄 金 属, 精 密 機 械 な どで あ る。 調 査 対 象 企 業 に そ の子 会 社 も含 め た場 合,平 均 子 会 社 数 は26.5社 で あ り,子 会 社 の売 上 高 の ウエ イ トは全 売 上 高 の34%と か な り高 い 。 注4)X非 効 率 に関 して は,富 田「電気 料金 の概要 と電気 事業 の規制 緩和 」,前 掲参 照 。な お,NTTの63年 3月 期 の決 算 によ る と,利 益 はわ が 国企 業 で曇 大 で ある。 また,JR各 社 の予 想外 の好 決 算 の要 因 につ い て は, 岡野 行 秀 「JRの 活 性 化」 日本 経 済新 聞63年9月13-19日 参 照。 注5)多 角 化 の成 果 の評 価 に関 す る理 論 的考 察 に つい て は,今 後 の検 討 課題 と したい。 ちな み に,NTTは これ まで に153の 子会 社 をつ くり,経 営 多 角化 を進 めて い る。 しか し,利 益還 元 とな る と民 営化 効 果 は まだ十 分 に表 れ てい な い。そ の原 因 の一 つ は政府 の料金 規 制 で あ り,NTTは 自由 に電 話 料金 を引 き下 げ られ な いか ら と して い る。(日 本経 済 新 聞63年9月18日)ま た,英 国 の電気 事 業 は現在,民 営 化 の ための 審議 を行 なっているが, 英 国 中央 発電 局(CEGB)総 裁 は民営 化 に反 対 してい る。 そ の理 由 として,英 国の電 気 料金 は世界 一 安 く,現 状 で も十分 経 営成 果 を挙 げて い る と述 べ て い る(「海外 電 力 」1988.5参 照)。 注6)米 国 で は持株 会 社が 認 め られ て い るた め,持 株 会社 に よる多 角化 が最 近 盛 ん にな りつ つ あ る。 なお, わが 国 で も,持 株 会社 を復 活 しよ う とす る動 きが経 団連 を中心 に進 め られて い る。 兼業 ・投資 規 制 に関 して は, 井 出秀樹 「公 益事 業 の兼 業 ・投 資規 制 につ いて 」植 草益 編著 前 掲書 参 照 。 、

(4)

表1売 上 高本 業比率 (単位:%) 区 分 子会社 を含 まない 子会 社 を含 む 年度 業種 1979 84 86 86 食料品 96.1 ・ ・ 97.0 76.6 繊維工業 66.3 60.3 57.1 40.2 木 材 ・木 製 品 :. 72.8 .. 57.4 パ ル プ ・紙 :・ 93.0 92.5 74.5 出 版 ・印刷 99.9 100.0 .. 69.5 化学工業 88.4 .. 84.6 65.6 石油 ・石 炭製 品 99.2 99.7 99.2 83.7 ゴム製 品 ・11 :・ ・ .. 58.5 窯 業 ・土石 製品 75.6 76.4 71.4 64.2 鉄鋼業 85.8 81.8 78.6 ・ 非鉄金属 ・ ・ 67.7 ・1 47.4 金属 製 品 91.5 90.9 ・11 71.9 一般 機 械器具 75.9 77.9 73.1 58.9 電気機械器具 93.3 95.3 83.6 59.2 輸送用機械器具 79.4 77.0 79.0 65.6 精密機械器具 59.1 45.1 37.6 32.0・ そ の他 製造 業 71.0 69.7 67.4 55.1 平 均 :. 84.5 :1 62.1 出所:公 正 取 引 委 員会 「リス トラ クチ ャ リ ング の 実態 につ い て」1988年2月 売 上 高 本 業 比 率 の 最 近 の経 年 的 推 移 を見 る と,製 造 業 平 均 で は79年 の86.7%,84年 の84.5 %,そ して86年 の80.2%へ と着 実 に減 少 して い る。特 に,子 会 社 を含 め た 場 合,86年 に は 本 業比 率 は62.1%と,含 め な い 場 合 に比 べ20 %弱 低 くな っ て い る 。 従 って,最 近 に な る ほ ど,わ が 国主 要 企 業 は 子 会 社 を活 用 す る こ と に よ っ て多 角化 を 一 層 進 め て い る とい え よ う。 4.東 京電 力の経 営多 角 化 戦 略 4.1東 京 電 力 に お け る関連 事 業 の 特 徴 東 京 電 力 の 関 係 会 社 は10年 前 の20社 か ら43 社 へ と倍 増 した 。 増 加 の理 由 と し て東 電 で は, 本 体 自体 の ス リム 化 と専 門特 化 に よ る効 率 化, さ らに 環 境 変 化 に よ る未 来 の 先 取 り戦 略 め3 点 を挙 げて い る。86年1年 間 に3つ の会 社 が 誕 生 した が,い ず れ も情 報 化 関 連 企 業 で あ る。 東 電 グ ル ー プ の もつ 経 営 資 源 を い か に 水 平, 垂 直 に展 開 し て い くか とい う狙 い か ら設 立 さ れ た も の で あ る。 親 会 社 と関 係 会 社 の 関係 も ピ ラ ミ ッ ド型 か らネ ッ トワー ク型 に変 化 させ, 親 会 社 依 存 か らパ ー トナ ー と して 自立 す る こ とを 目指 して い る(「エ ネ ル ギ ー フ ォー ラ ム」 1986.11)o 電 気 事 業 にお け る最 近 の 多 角 化 の特 徴 は, まず 通 信 事 業 分 野 へ の進 出 か らは じま っ て き た こ とで あ る。 電 力9社 が 通 信 分 野 で手 が け て い る の は電 話 専 用 線 サ ー ビ ス,ポ ケ ッ トベ ル,自 動 車 電 話 な どで,こ こ,2,3年 の 間 に設 立,資 本 参 加 し た事 業 会 社 は40社 に達 し

(5)

て い る。 な か で も最 も積 極 的 な の は東 京 電 力 で,86年 の東 京 通 信 ネ ッ トワー ク(TTNet) 設 立 以 来,通 信 分野 で15の 関 連 会 社 が で き て い る。 例 え ば,86年12月 に設 立 した 東 京 テ レ メ ッセ ー ジ は ポ ケ ッ トベ ル の 会 社 で,東 電 グ ル ー プ は13%の 資本 参加 を行 な っ て い る。 1987年 に は 東 京 ガ ス との競 争 を に らみ なが ら本 格 的 に 熱 供 給 事 業 に も乗 り出 した。87年 3月,千 葉 県 幕 張 ハ イ テ ク地 区 で直 営 に よ る熱 供 給 事 業 に 着 手 し た の が 最 初 で あ る。 兼 業 規 制 が あ り,2節 で指 摘 した よ う に問題 点 が 多 い に もか か わ ら ず直 営 に した 理 由 は, 厂将 来,コ ジ ェ ネ レ ー シ ョ ン(熱 電 気 併 給) シス テ ム で 小 規 模 分 散 型 発 電 を手 が け るた め の布 石 」 とみ られ て い る 。 コ ジ ェネ レー シ ョ ンが 普 及 す る に つ れ て,ガ ス 会 社 側 か らコ ジ ェネ で 発 生 す る電 力 の 売 電 自由 化 を求 め る声 が 高 ま っ て き た。 しか し,こ れ まで 電 力 会 社 以 外 の 電 力 供 給 者 が独 自 に需 要 家 へ 電 力 を売 る こ とは,特 定 供 給 以 外 電 気 事 業 法 で禁 じ ら れ て い た。 と ころ が 通産 省 は87年11月,こ の 規 制 を緩 和 し,同 じ建 物 内 で あれ ば,自 家 発 電 に よ る電 力 を,他 の 需 要 家 に売 っ て も よい こ とに した。 つ ま り,こ の 規 制 緩 和 措 置 に よ り,電 力 会 社 の独 占供 給 に穴 が あい た こ とに な る。 この よ うな ク リー ム ス キ ミン グ をね ら う自家 発 の 増 加 傾 向 に対 す る電 力 会 社 の 対 抗 措 置 とな る の が コ ジ ェ ネ レーシ ョ ン シス テ ム で あ り,そ の た め の 熱 供 給 事 業 へ の参 入 な の で あ る。7) 幕 張 地 区以 外 に も東 京 日本 橋 ・箱 崎 地 区,宇 都 宮 中 央地 区,日 立駅 前 再 開発 地 区 な どが 現 在 推 進 中 で あ る。 事 業 形 態 として は,共 同 出 資 も増 えて い る。 例 え ば,厂 光 が 丘 パ ー ク タ ウ ン」 で は東 京 ガ ス,東 京 都 と共 同 で 「東 京 熱 供 給 」(資 本 金3 億 円)を 設 立,ま た,東 京 日比 谷 で は,三 井 不 動 産,三 井 銀 行 と共 同 で 「東 京 熱 エ ネル ギ ー 」(資 本 金1億 円)を 設 立 した。 この よ うに 東 電 に お け る熱 供 給 事 業 は,子 会 社 の東 電 不 動 産 管 理 が 手 が け るプ ロ ジ ェ ク トを含 め,直 営,共 同 出資 を合 わ せ た件 数 は11件 とな った。 一 方 の 東京 ガ ス は71年 に,新 宿 副都 心地 区 を 皮 切 りに20件 の 受 注 実績 を持 つ が,東 電 は こ れ を激 し く追 い 上 げ て い る と言 う状 況 だ 。 熱供 給 事 業 は都 市 ガ ス の 先 行,電 力 の 参 入 を見 て,日 本 石 油,出 光 興 産 な ど石 油 元 売 り も灯 油,A重 油 を燃 料 とす る熱 供 給 計 画 を掲 げて 参 入 を表 明 して お り,今 後,エ ネ ル ギ ー 間 競 争 の激 戦 地 とな るだ ろ う。 この よ うな動 き に東 電 で は い ち 早 く,首 都 圏 で の大 規 模 再 開発 事 業 にお い て 今 後,電 力, 熱 供 給,情 報通 信 の3分 野 を一 体 整 備 す る企 画 を提 案 して い くこ とを決 定 した 。 その た め の組 織 として,86年11月,首 都 圏 プ ロ ジ ェ ク ト推 進 部 を設 置 す る と と もに,新 設 部 長 とし て は異 例 の 取 締 役 を任 命 し て い る。 東 電 にお け る多 角 化 の方 向 は この よ う に都 市 再 開 発 地 域 にお け る エ ネ ル ギ ー,情 報 通 信 とい うイ ン フ ラ ス トラ ク チ ャ の 開発,整 備 に あ る とい う こ とが で き よ う。8) とこ ろ で青 木 昌彦 は,日 本 の大 企 業 は子 会 注7)東 京 電 力 の会 社定 款 に よれ ば,「電 気 事業,電 気 機械 器 具 の製 造 お よび これ らに付帯 す る関 連事 業 」 を営 む こと とな って い る。 なお ク リー ム スキ ミング に関 して は,富 田,前 掲 論 文参 照 。 注8)最 近 公表 され た関 西電 力 の長 期 ビジ ョン 「関西 電 力2030年 」によ る と,21世 紀 へ 向 けて電 気 事業 を核 と し,経 営 資 源 を多 角 的 に活 用 しな が ら豊 か な コ ミュニ テ ィラ イ フを支 えて い く として い る。 多 角化 の 内容 は, 熱供 給 を含 む トー タル エ ネル ギ ーサ ー ビス,情 報 通 信事 業 の ほか,周 辺事 業 と してエ ネ ルギ ー利 用 コ ンサ ル テ ィ ング,ホ ー ムオ ー トメ ー シ ョ ン,ハ イテ クベ ンチ ャー ビ ジネ スな どを展開 す る。 これ に よ り2030年 時 点 で の 関 電 グル ー プ全 体 の事 業規 模 は1985年 の売 上高 約2兆 円 の実 質4倍 の8兆 円 と試算 して お り,そ の うち,新 規 事 業 の売 上 高 は約4兆 円 と電 気事 業 の 売上 に匹敵 す る規模 を見込 んで い る。 これは新 日鉄 な ど鉄 鋼業が2000年 に 鉄 鋼 本業 の ウエ イ トを50%に し,残 りを新 規事 業 で稼 ぐとして い るの と同様 の発想 で あ る。

(6)

社 と下 請 け制 の 利 用 に よ り革 新 的 な適 応 を促 進 して い る と して ハ イ ビ ング ・オ フ率 な る概 念 を用 い て,わ が 国 企 業 に つ い て 適 応 過 程 の 分 析 を行 な って い る。9)ハ イ ビ ング ・オ フ率 とは親 会 社 に よ る関 係 会 社 へ の 投 資額 を 自 己 資 金 で 除 した もの で あ る。 そ こで,こ の比 率 を東 京 電 力 につ い て 求 め,NTTの そ れ と比 べ る こ とに し よ う。 表2に み る よ うに,東 電 とNTTで は,東 電 の方 が 投 資 額 は一 桁 多 く,従 って,ハ イ ビ ング ・オ フ率(投 資 比 率)も 高 い 。 これ は東 電 の 場 合,原 子 力 関 連 会 社 へ の 投 資 が 多 い た め で あ る。 しか し,表3に み る よ う に近 年, NTTの 新 規 事 業 へ の 進 出 は き わ め て 著 し く, 関 係 会 社 数 で は200社 を越 え東 電 を圧 倒 して い る。 また,両 社 とも年 々,投 資 額,投 資 率 と もに増 加 の傾 向 が み られ,大 企 業(製 造 業) に 関 す る青 木仮 説 が 最 近 の公 益 企 業 に も妥 当 表2東 電 、NTTに お け るハ イ ビ ング ・オ フ率 年 度 84858687 子 会社 関連会社 数 出資会 社 数 関係 会社投 資額 出 資金(億 円) 194876118 42167102 33182326478 出所:東 京電力、NTT各 社有価証 券報告書 表3NTTに お け る新 規 事 業 進 出 年 度 84 85 86 東 電NTT 東 電NTT 東 電NTT 投 資 等 自己 資本 投 資比 率 2425--10712-一 .226一 一 2695344 1135934976 .237.010 3087512 1260334667 .245.015 出所:昭 和63年版経 済白書 表4電 気 事 業 の 企 業 集 団 (単位10億円;%)86年9月 末現在 電力会社名 関係会社数 資本金総額 年間売上額 対電力売上率 北海道 9 9.2 49.1 85.7 東 北 23 122.5 383.9 62.3 東 京 39 275.2 1075.6 60.5 中 部 33 12.3 474.2 ・・1 北 陸 17 27.2 208.5 46.6 関 西 27 ・ 544.9 53.2 中 国 18 12.2 294.4 45.5 四 国 10 2.7 104.3 56.0 九 州 22 .. 348.1 46.3 合 計 198 !・ 3483.0 58.3 出 所:「 エ ネ ル ギ ー フ ォ ー ラ ム 」1986.11 注9)青 木 昌彦 ・擬 似 ツ リー隴 をつ う じ る鞠 的適 応 ・・ 「季 刊 現代 繍 …984年 夏 季号

(7)

しつ つ あ るの で は な いか と考 え られ る。 電 力9社 に つ い て そ の企 業 グ ル ー プ を見 る と表4の 通 り とな る。 この うち,電 気 通 信 事 業 が 自 由化 さ れ る前 か ら存 在 す る関 連 会 社 は, 電 力 購 入,燃 料 調 達,資 材 機 器,電 気 工 事, 管 理 保 守 な ど電 気 事 業 の 業 務(周 辺 業 務 も含 め て)を 補 完 す る分 野 に集 中 して い た。 しか し,す で に み た よ う に,85年 以 降 急 速 に新 分 野 に 多 角化 し始 め,関 連 会 社 も大 幅 に増 加 し た 。 電 気 事 業 に は表4の よ うな関 係 会 社 が 存 在 す るが,こ の う ち上 場 さ れ て い る子 会 社 は10 数社 程 度 にす ぎず,親 会 社 の有 価 証 券 報 告 書 に もほ とん ど情 報 はで て こな い。 そ の 資産 売 上 高 及 び利 益 の規 模 か らみ て 重 要 性 の 乏 し い 子 会 社 で あ る と判 断 され て い るた め,北 陸 電 力 を除 き連 結 決 算 の対 象 と され て い な い。 重 要 性 が 乏 しい と判 断 した根 拠 は,資 産 基 準, 売 上 高 基 準,利 益 基 準 の い ず れ を とって も10 %以 下 で あ り,親 会 社 の財 政 状 態 及 び 営 業 成 績 に及 ぼす 影 響 は僅 少 で あ るた め として い る。 従 って,会 計 情 報 利 用 の 点 で も,電 気 事 業 は 一 般 企 業 あ る い は ,外 国 の 電 気 事 業 と比 較 す る上 で 制 約 が あ る とい わ ざ る を えな い 。 5.RWE社 の 経 営 多 角 化 戦 略 5.1ラ イ ンベ ス ト フ ァ ー レ ン 電 力 会 社 (Rheinisch-WestfalischesElektrizitats-werkAktiengesellschaft,以 下RWEと 略 称 す る)は 西 ド イ ツ 最 大 の 電 力 会 社 で あ る 。 同社 の発 電 電 力 量 は西 ドイ ツ 全体 の40%を 占 め,供 給 区域 は ノ ル トラ イ ン ・ベ ス トフ ァー レ ン州,ラ イ ンラ ン ト ・プ フ ァル ツ州,ニ ー ダ ー ザ クセ ン州 の3州 に また が って い る。 同 社 の 最近 の経 営状 況 は次 の 表5の とお り。 RWE社 は85/86,86/87年 と2年 連 続,販 売 電 力 量 が 前 年 実 績 割 れ とな っ て い る 。87/ 88年 も1180億kWhと わ ず か な が ら前 年 実 績 を下 回 っ て い る。 そ の理 由 は景 気 の停 滞 に よ る需 要 の低 下,石 油 価 格 の下 落 に よる 自家発 の伸 び の た め で あ る。 そ こで,同 社 は 多 角化 に よ り本 業 の停 滞 を補 お う と努 め て い る。 た だ し,86/87年 度(1986年7月1日 一1987年 6月30日)のRWE社 の 売 上 額 が 伸 び た の は, 86年7月 の 料 金値 上 げ に よ る もの で,電 力 販 売 収 入 は対 前年 比2.3%の 増 収 とな っ た。 っ ぎ に,RWE社 の 経 営 体 制 につ い て ふ れ て お こ う。西 ドイ ツ の 場 合,わ が 国 と異 な り, 取 締 役 会 を監 視 す る監査 役 会 と,業 務 執 行 の 責 任 を もつ 取締 役会 の 二 重 の 制 度 とな って い る。 RWE社 の監 査 役 会 は20名 で 構 成 さ れ,そ の うち 半数 の10名 は 従 業 員 代 表 で あ る(1976 年 共 同決 定 法 に よ る)。監 査 役 会 の メ ンバ ー に は金 融 関係 者 が 多 い の が特 徴 で あ る。例 え ば, 監 査 役 会 会 長 のChristians氏 は ドイ ツ 銀 行 の重 役 で あ り,そ の ほ か の メ ンバ ー も,ド レ ス ナ ー銀 行,ア リア ンツ保 険 会 社,共 同 経 済 銀 行 の 役員 をそ れ ぞ れ 兼 任 して い る。 この ほ か,銀 行 に よ る株 式 議 決 権 の 集 中,銀 行 に よ 表5RWE社 の経営 指標 81/8282/8383/8484/8585/8686/87 売 上 高(億DM) 124130142150159163 純 利 益(億DM) 3.74.14.13.63.6一 設 備 投 資(億DM) 15.016.716.420.725.927.5 従 業 員 数(千 人) 23.123.423.723.723.724.6 販 売 電力量(億kWh) 一1162 .1217125912331186 出 所:RWEannualreport85/86年 版 お よ び 「海 外 電 力 」 1988.10に よ り作 成

(8)

る企 業 融 資 に伴 う関係 な ど,銀 行 ・企 業 間 に, 西 ドイ ツ特 有 の結 合 関係 が 存 在 す る。1°)一 方,取 締 役 会 は僅 か7名 で構 成 され るにす ぎない。 次 に,資 本 の 所 有 関 係 に つ い て 述 べ て お こ う。RWE社 の 資 本 金 は22億5000万 マ ル ク で あ るが,所 有 の 内 訳 は,個 人 株 主66.8%,地 方 自治 体(各 市 町村)31.4%,西 ドイ ツ100大 企 業1.8%と い う構 成 で あ り,公 私 混 合 営 で あ る。 し か し,地 方 自治 体 は議 決 権 の60%以 上 を行 使 して い る。 これ は 自治体 所 有 の株 式 は 1株 で20議 決 権 を有 す る こ と に よ って い る。 同社 の エ ネ ル ギ ー源 別 の発 電 電 力 量 は表6 の通 りで あ る。RWE社 の場 合,褐 炭 ・石 炭 火 力 が7割 を越 え,原 子 力 が2割,残 りが 水 力, ガ ス とな って お り,原 子 力 の ウエ イ ト(全 国 平 均34%)が 低 く,石 油 をほ とん ど使 用 して い な い の が 発 電 構 成 上 の特 徴 で あ る。 5.2RWEグ ル ー プ はRWE社 を 親 会 社 とす る大 コ ン ツ ェル を形 成 して い る。 同 グ ル ー プ は 西 ドイ ツ の売 上 高10大 企 業 の う ち, 8位 に 位 置 す る 巨大 企 業 で あ る。(表7参 照) RWEコ ン ツ ェル ン は連 結 対 象 の 親 会 社 及 表6RWE社 の エ ネ ル ギ ー 源 別 発 電 電 力量 84/85 85/86 億kWh% 億kWh% 褐 炭 70954.3 66752.1 石 炭 25619.5 25920.3 原子 力 26820.5 28222.0 ガ ス 292.2 262.0 石 油 o.so.1 0.40.0 水 力 443.4 463.6 合 計 1306100.0 1281100.0 出 所:RWEannualreport85/86年 版 表7西 ドイ ツ10大 企 業 ラ ン キ ン グ(1987) (単位:百 万DM) 企 業 名 業 種 売 上 高 1.Daimler-Benz 自動 車 67475 2.Volkswagenwerk 自動 車 54635 3.Siemens 電機 51431 4.BASF 化学 38944 5.VEBA エ ネ ル ギ ー ・化 学 38775 6.Bayer 化学 37143 7.Holchst 化学 36956 8.RWE エ ネ ル ギ ー 27155 9.Thyssen 鉄 鋼 ・機 械 26551 10.Bosch 電 気 ・機 械 23807 注:1987年(ま た は86/87年)の 売 上 高 ラ ンキ ン グ、 金 融 、 商 業 を除 く。 出 所:"Zeit"1988.10(日 本 経 済 新 聞1988年10月28日) 注10)詳 細 は,山 口博 教 「西 ドイ ツー 巨 大企 業 と銀 行 」,富 森 虔児 編 「現代 の 巨大 企 業 」所 収,を 参 照。

(9)

び 子 会 社71社,連 結 対 象外 の 子 会 社46社(う ち国 内26社,海 外20社),関 連 会 社52社 の 合 計 169社 か ら構 成 され る一 大 企 業 集 団 で あ る。(表 8,9参 照) グ ル ー プの 総 売 上 高 に 占 め る親 会 社 の 売上 の 割 合 は,1985/86年 で48%(前 年度47%), また,グ ル ー プ の総 発 電 量 に 占 め る親 会 社 の 割 合 は86%(前 年 度87%)で あ る。 連 結 対 象 の 子 会 社 は電 気 事 業(37社),褐 炭 ・石 油 ・化 学(14社),機 械 製 造(19社) の3部 門 に 分 か れ る。 各 部 門 毎 の 売 上 高 お よ び従 業 員 数 は,そ れ ぞ れ は表8,表9の 通 り で あ る 。 この う ち,最 近 停 滞 気 味 の褐 炭 ・石 油 ・化 学 部 門 にか わ って,業 績 好 調 な の は機 械 製 造 部 門 で売 上 高,従 業 員 数 と も年 々 増加 して い る。 RWEグ ル ー プ は70の 子 会 社 を有 す る が, そ の子 会 社 戦 略 を連 単 倍 率 とい う指 標 を用 い て検 討 す る こ とに し よ う(表10)。 連 単 倍率 は, 親 会 社 の単 独 決 算 と子 会 社 な どを含 め たグルー プ 全体 の連 結 決 算 を比 較 し,連 結 決 算 で の売 上,純 利 益 な どが,単 独 決 算 の そ れ の何 倍 に 当た るか を示 す 指 標 で あ る。11) RWEグ ル ー プ の連 単 倍 率 は84年 を ピー ク に最 近 や や 低 下 し て い る。86年 に連 単 倍 率 が 低 下 した 理 由 は86年 に入 っ て か らの石 油 価 格 の 下 落 と ドイ ツ ・マ ル ク に対 す る米 ドル相 場 の 落 込 み に よ っ て石 油 ・化 学 部 門 で の収 入 が 表8RWEグ ル ー プ の 売 上 高 (単 位:百 万DM) ・ ・ ・ ・ ・ … 電気 事業 褐 炭 ・石 油 ・化 学 機 械製造 166351755517815.17867 9170849659715681

2621273833693671 合 計 28426287892715527219 出 所:RWEannualreport85/86年 版 お よ び 「海 外 電 力 」1988.10よ り作 成 表9RWEグ ル ー プ の 従 業 員 84/85 人 85/86 人 (対前 年比) % 電 気事業 部 門 褐 炭 ・石 油 ・化 学部 門 機 械製 造部 門 31324 19753 19172 31299 19681 19307 一 〇 .1 1 0.7 合 計 70249 70287 0.1 出 所:RWEannualreport85/86年 版 表10RWEグ ル ー プ の 連 単 倍 率 年 度 81/82 82/83 83/84 85/86 86/87 売上 高 純 利 益 :・ 1.19 .・ 1.40 .・ ・: 1.81 1.61 1.67 一 出 所:RWE'社annualreport85/86年 版 お よ び 「海 外 電 力 」1988.10に よ り作 成

(10)

減 少 し た た め で あ る 。 一 方,機 械 製 造 部 門 で の 売 上 は 順 調 に 伸 び て い る 。12) そ の 中 で も,HeidelbergerDruck・ maschinen社,SAG社,Stirlen-MaqUet社 の3 社 は,RWEコ ン ツ ェ ル ン の 売 上 高 の1割 を 占 め る 稼 ぎ 手 で あ る 。 こ れ ら の 会 社 は い ず れ もRWE社 の 子 会 社 を 通 じ て の 孫 会 社 と い う 関 係 に な っ て い る 。 HeidelbergerDruckmaschinen社 は Rheinelektra社 を 通 じ て の 孫 会 社 で 西 ド イ ツ 最 大 の 印 刷 機 械 メ ー カ ー で あ る 。Rhein・ elektra社 は 電 力 会 社 で,RWE社 の 出 資 比 率 は62%と な っ て い るRheinelektra社 の 且 社 へ の 出 資 比 率 は52%,H社 の1985年 の 売 上 高 は1643百 万 マ ル ク で あ る 。 Starkstrom-Anlagen-Gesellschaft(SAG) 社 は そ の 社 名 の 通 り の 高 圧 電 流 設 備 メ ー カ ー で,Lahmeyer社(RWE社 の 出 資 比 率58%) とRheinelektra社 を 通 じ て の 孫 会 社 で あ る 。 SAG社 に 対 す るLahmeyer社 の 出 資 比 率 は 70%,Rheinelektra社 の 出 資 比 率 は30%で, SAG社 の1985年 の 売 上 高 は662百 万 マ ル ク と な っ て い る 。 Stirlen-Maquet社 はRheinelektra社 の 100%子 会 社 で あ る。同社 は 医 療 機 械 お よ び食 器 洗 い 器 メー カ ー で,1985年 の売 上 高 は175百 万 マ ル クで あ る。 RWE社 と こ の機 械3社 の 資 本 関 係 を図 示 す る と図1の よ うに な る。 87年 暮 よ り88年 春 に か けて,核 ス キ ャ ンダ ル と し て ヨ ー ロ ッパ の マ ス コ ミ を 振 わ せ た Transnuklear社(核 燃料 輸 送 会 社)は,NUK` EMと い うRWEの 関連 会 社(核 燃 料 会 社)の 子 会 社 で あ る。NUKEM社 はRWE社 か ら45% の 出 資 を受 け て い るが 連 結 決 算 の対 象 外 とな っ て い る。13) 西 ドイ ツ企 業 で 多 角 化 の もっ と も成 功 した 例 はMannesmamlグ ル ー プ で あ る。 同 グ ル ー プ は1987年 の 企 業 番 付 け で第16位 の 企 業 で あ る。70年 代,80年 代 を通 じて脱 鉄 鋼 の 道 を 歩 み続 け,現 在,8事 業 部 門 を抱 えて い るが, 売 上 は70年 の74億 マ ル ク か ら86年 は166億 マ ル ク に伸 び て い る。 また,売 上 の 構 成 も この 間 に大 き く変 わ っ た。 例 えば 鋼 管 は70年 の49 %が86年 に は29%に 落 ち,機 械,エ ンジ ニ ア リ ン グ は14%か ら44%に 拡 大 した 。70年 に は 図lRWEと 子 会 社 の 資 本 関 係 出 所:Hoppenstedt,"HandbuchderdeutschenAktiengesellschaft" 87/88,お よ びRWE社annualrcport85/86年 版 よ り作 成 わ が 国 に お け る 売 上 高 の 連 単 倍 率 の 上 位25社(86年 度)の う ち,私 鉄 が13社 を 占 め て い る 。 例 え ば, 注11) 24位 の 京 浜 急 行 電 鉄 の そ れ は1.81と85年 のRWE社 と同 じ倍 率 と 塗 っ て い る 。(「 日 経 ビ ジ ネ ス 」1988年7月18 日 号 参 照) 注12)以 下 の 記 述 はRWEannualreport85/86,"DerSpiegel"Nr.9,1986お よ び 「海 外 電 力 」1988.1に も とず い て い る 。 注13)"DerSpiegel",Nr.31988

(11)

存 在 し て い な か っ た エ レ ク トロ ニ ク ス も14% を 占 め る な ど,同 グ ル ー プ は 成 熟 し た 本 業 に こ だ わ ら ず,成 長 分 野 へ 事 業 を 広 げ る の に 成 功 し た と い え よ う 。14) RWEグ ル ー プ も こ のMannesmannの 成 功 に 刺 激 さ れ た の か,88年 に 入 っ て 一 段 と多 角 化 を 展 開 し て い る 。 ま ず6月 末 に 米 国 系 石 油 会 社 のDeutscheTexaco社 を22億 ド イ ツ マ ル ク で 買 収 し た 。88/89年 のRWEの 連 結 決 算 に は このTexacoの 売 上 も加 え ら れ,エ ネ ル ギ ー コ ン ツ ェ ル ン化 が 大 き く進 展 す る こ と に な る 。仮 に,RWE社 の87/88年 の 売 上 に テ キ サ コ の 売 上95億 マ ル ク を 加 え る と367億 マ ル ク と な り,褐 炭 ・石 油 ・化 学 部 門 の 売 上 額 の 比 率 は グ ル ー プ 全 売 上 額 の17%か ら41% へ と増 加 す る 。 逆 に,電 気 事 業 部 門 の 比 率 は 66%か ら45%へ と減 少 す る こ と に な る 。 さ ら に7月 に は,米 国 のHarrisGraphic 社 の 買 収 交 渉 が ま と ま っ た 。 前 述 のHeidel・ bergerDruckmaschinen社 が3億 ドル で 買 収 し よ う と い う も の で あ る 。HarrisGraphic社 は 米 国,フ ラ ン ス,メ キ シ コ で 営 業 活 動 を 行 な っ て い る 多 国 籍 企 業 で あ る 。15)RWEは す で に,同 様 の 孫 会 社 を 英 国(Heidelberg GraphicEquiplnent社),カ ナ ダ(Heidelberg CanadaGraphicEquipment社)に も 所 有 し て お り,HarrisGraphic社 の 買 収 に よ り RWEは 多 角 化 と と も に ま す ま す グ ロ ー バ ル 化 を 強 め る こ と に な る も の と 考 え ら れ る 。 6.東 京 電 力 とRWE社 の 多角化 戦 略の比 較 以上,4節 で 東 京 電 力 の 多角 化 戦 略 を,5 節 でRWE社 の 多角 化 戦 略 につ い て各 々 考 察 した 。 そ こで,本 節 で は,両 社 の 多角 化 戦 略 お よび 財 務 力 の比 較 分 析 を行 う。 表11は 両 社 に お け る 多角 化 の分 野,目 的,組 織 形 態 を一 覧 に した もの で あ る。 以 下順 に 見 て い くこ と に しよ う。 第1は 多 角 化 の 分 野 で あ る。 東 京 電 力 の 関 連 会 社 の 展 開 を見 る と,昭 和50年 代 ま で は燃 表11東 京 電 力 、RWE社 の 多 角 化 戦 略 の 比 較 東京電力 RWE 1多 角 化の 分野 a資 材 ・燃 料 調 達 a資 材 ・燃 料 調 達 b熱 供 給 ・コ ジ ェ ネ b石 炭 、 石 油 、 化 学 c情 報通 信 c機 械設 備製 造 d都 市再 開発 2多 角化 の 目的 a電 力需 要停 滞へ の対 処 a電 力需 要減 少へ の対 処 b新 た な需 要の創 造 bリ ス ク分 散 c経 営 資源 の社 会 的活用 c余 剰 資金 の活 用 d電 気 事業 自身 の活 性化 3多 角 化 の組 織形 態

a直 営 a子 会 社(M&Aな ど)

b子 会社 b共 同 出資

c共 同 出資(事 業 参画) c兼 営(ガ ス 、水 道 な ど)

注14)日 本 経 済 新 聞 昭 和62年3月31日 注15)「 海 外 電 力 」1988.10参 照

(12)

料 調 達,資 材 調 達 とい っ た い わ ば 電 気事 業 の 業 務 を補 完 す る分 野 に集 中 して い た。 電 力供 給 とい う本 業 の経 営 効率 化 の た め,垂 直 的統 合 の 一 環 と して 原 材料 部 門へ の進 出 が は か ら れ た 。 そ して昭 和60年 代 に入 っ て は じめ て本 格 的 な 多角 化 が 始 ま っ た。 多角 化 の分 野 も現 在 まで の とこ ろ熱 供 給,コ ジ ェ ネ レー シ ョン な どの エ ネ ル ギー シ ス テ ム や 情 報 通 信 な どの い わ ば イ ンフ ラス トラ クチ ャ が 中心 で あ る。 そ して こ こで の 経 験,経 営 資源 の 蓄積 を生 か して都 市(再)開 発 に乗 り出 そ うと して い る。 他 方,RWE社 は従 来 よ り関連 会 社 に よ る 燃 料 調 達,資 材 調 達 を行 っ て きた が,そ れ の み な ら ず,自 ら もガ ス,水 道 お よび熱 供 給 事 業 を兼 業 して きた 点 が 東 京 電 力 と大 き く異 な る。 さ ら に最 近 の ドイ ツTexacoの 買 収 に見 られ る よ うに,石 油事 業 へ の進 出 に よ り ます ます エ ネ ル ギー 多 角 化 を推 進 して い こ う と し て い る。 また,RWE社 で は印 刷 機 械 の分 野 で も西 ドイ ツ最 大 の規 模 を持 つ 子 会 社 を擁 し て お り,米 国 企 業 の 買収 に 見 られ る よ うに最 近 活 発 な合併 お よ び グ ロー バ ル 化 戦 略 を進 め て い る。 しか し,電 気 通 信 事 業 へ の 進 出 は行 われ て い な い。 そ の理 由 は 西 ドイ ツで は,電 気 通 信 事 業 は郵 電 省(DBP)に よ る国 家独 占 とな っ て い るか らで あ る。 とは い え最 近 よ う や く電 気 通 信 事 業 の 民 営 化 の動 きが見 られ る よ うに な っ て い る。 も し民 営 化 され れ ば 当 然, RWEも 参 入 す る こ とが 予 想 され,一 段 と多 角 化 が 進 む こ と とな ろ う。 ち な み に,フ ラ ン ス で は,EDF(フ ラ ン ス 電 力 公 社)が1988年 か らCATV,遠 隔 監 視,ホ ー ム エ レ ク トロ ニ クス な どの 情 報 通 信 事 業 へ 参 入 し,多 角 化 に 進 み始 め た。 第2に,多 角 化 の 目的 で あ る。 両 社 に共 通 の 要 因 と して は 電 力 需 要 の 停 滞 あ る い は需 要 減 少 へ の対 策 が 第 一 に挙 げ られ る。 製 品 の ラ イ フサ イ クル か ら い っ て電 力 需 要 は成 熟期 に 入 っ て い るか ら だ。 最 近 の 電 力 需 要 の 推 移 を 見 る と,東 京 電 力 で は1980年 の1311億kWhか ら86年 の1681億kWhへ と年 率4.2%の 伸 び な の に対 し,RWEは82年 の1162億kWhか ら86 年 の1186億kWhと 年 率 わ ずか0.5%の 伸 び に しか す ぎ な い。 さ ら に,西 ドイ ツ で は フ ラ ン ス か ら安 い電 力 が 輸 入 され る こ と も一 因 だ。 わ が 国 も将 来,中 国 や ソ連 か ら電 力輸 入 の 可 能 性 も考 え られ る上 に,ガ ス,石 油 な ど他 産 業 か らの 電 気事 業 へ の 参 入 が 今 後 一 層 強 ま る と見 られ るか らで あ る。 経 営 資源 の 活 用 に 関 して は,RWE社 で は 米 国 の電 気 事 業 の よ うに,余 剰 資 金 を活 用 し たM&Aが 盛 ん で あ る。 わ が 国 で は 兼 業 規 制 の 緩 和 な い し廃 止や,持 株 会 社 禁 止 条 項 の 削 除 が 前 提 とな るが,ど の よ うな事 業 分 野 に 進 出す るか は これ か らの 課題 だ 。 第3に,多 角 化 の組 織 形 態 で あ る。RWE社 で は ガ ス,水 道 お よび 熱 供 給事 業 を 兼営 で行 っ て お り,今 後 も拡 充 す る と して い る。 他 方, 東 京 電 力 は 直営,子 会 社 に よ る熱 供 給 事 業 を 今 後 一 層 推 進 して い くだ ろ う。 関 連 会 社 の 数 で は,RWEの168社 に対 して,東 京 電 力 は ま だ わず か43社 に す ぎな い。 民 営 化 した ば か り のNTTが わ ずか3年 で220社 とな って い るの と比 べ て も極 め て 少 な い。4節 で述 べ た よ う に本 体 の ス リム 化,活 性 化 の 要 請 か らみ て 今 後 子 会 社,出 資会 社 は 大 幅 に 増 加 す る と考 え られ る。 次 に,日 独2大 電 力 会 社 の 財 務 力 を比 較 す る (表12)。 東 京 電 力 は規 模 で は使 用 総 資 本 で,R 社 の3.7倍,売 上 高 で も,R社 の1.7倍 と圧 倒 し て いる。それに 対 して,収 益 性,効 率 性 で は ど う か。 自己 資 本 利 益 率 で み る と,東 電 はR社 よ り実 に13ポ イ ン トも高 い 。 その 理 由 は 財務 レ バ レ ッ ジが 正 に大 き く働 い た か らで あ る。財 務 レバ レ ッ ジ は次 の式 で表 わ され る。16) r=9十L/E(9-i) 注16)詳 細 は富 田・ 関 口・ 牧 野 「電 力 財務 モ デル の開発 と応 用」,電 力 中央研 究 所,1986,参 照 。

(13)

表12東 京 電 力 、RWE・ 社 の 財 務 力 比 較 東京電力 RWE 決 算 期 87/3 :・. 売 上 高(億 円) 39055 22355 営業 利益(億 円) 9479 1996 純 利 益(億 円) 1895 453 使用 総 資本(億 円) ・・:・ 26072 自己 資 本純 利益率 15.8 2.5 売上 高利 益率 4.8 2.0 使用 総 資本 回転率 0.4 0.9 総資本営業利益率 9.8 7.7 自己 資 本比率 13.0 26.9 借入金依存度 72:3 24.1 設 備投 資(億 円) 11302 3392 販 売電 力量(億kWh) 1681 1233 料 金単 価(円) 22.31 9.46 注:東 京 電 力 は 単 独 決 算 、RWEは 連 結 決 算 。 換 算 レ ー トは1マ ル クニ77.6円。 出 所:東 京 電 力 有 価証 券 報告 書 お よ びRWEannual report85/86年 版 よ り作 成 。 こ こ で, r=自 己 資 本 利 益 率 9=総 資 本 営 業 利 益 率 i=負 債 の 利 子 率 L/E=負 債 比 率 これ は,自 己資 本 利 益 率 が 負債 比率,負 債 の 利 子 率,総 資 産 の利 用効 率 の3つ の 要 素 に よ っ て決 まる とい う こ と を表 わ し て い る。 自 己資 本 利 益 率 の 実 績 を み る と,東 電 とRWE とで財 務 レバ レ ッ ジ の差 を明 確 に示 して い る。 つ ま り,東 電 は高 い負 債 比 率 を て こ に総 資 本 利 益 率 よ り6ポ イ ン トも高 い の に対 し,RWE は負 債 比 率 が 低 い た め,逆 に総 資 本 利 益 率 よ り5ポ イ ン トも低 くな って い る。 86年 は東 電 に と って 円 高,原 油 安,金 利 安 の トリプ ル メ リッ トが 重 な っ て大 幅 な利 益 が 計 上 さ れ,こ れ が,レ バ レ ッ ジの 原 理 に よ り 増 幅 され た もの で あ る。 しか し,東 電 は借 入 れ 依 存 度 が70%以 上 とい う高 い比 率 で あ る た め,こ の トリプ ル メ リ ッ トが な くな っ た と き に は逆 に ひ どい利 益 の落 込 み とな り,経 営 の 安 定 上,問 題 が あ る。 また,今 期 の よ う に, 公 益 事 業 と して は極 端 に高 い利 益 率 は,常 に 料 金 値 下 げ の潜 在 的 圧 力 とな る。 RWE社 の 設 備 投 資 は,原 子 力 発 電 設 備 よ りむ し ろ石 炭 火 力 の 公 害 防 除 投 資 に向 け られ て い る た め そ れ ほ ど巨額 を要 して い な い こ と, また,厚 い 内部 留保 が あ る こ とな どに よ り, きわ め て 借 入 れ 依 存 度 が 低 く,財 務 体 質 が優 れ て い る とい え よ う。RWE社 は この 豊 富 な 余 剰 資 金 を有 効 に活 用 して今 後 も活 発 に買 収 を進 め る こ とが 予 想 さ れ る。 また,電 気 料 金 につ い て は,総 合 平 均 単 価 で み る と,東 京 電 力 はRWEの2倍 以 上 の 高 さ とな って い る。 東 電 は 原 子 力 の ウエ イ トが 高 い の に対 して, RWEは 自国 産 の割 高 な 褐 炭 ・石 炭 を使 わ ざ る を えな い 点 を考 慮 す る と,こ の料 金 格 差 は か な り大 きい といわ ね ば な らな い。

(14)

7.む す び 以 上 日独 電 気 事 業 を事 例 と して 見 た よ うに, 公 益 事 業 に お け る経 営 多 角 化 は今 後 ます ます 進 展 して行 くもの と考 え られ る。 しか し,わ が 国 に お け る公 益 企 業 の多 角 化 は 一 般 製 造 業 と異 な る問題 点 を多 く抱 え て い る こ と も事 実 で あ り,こ れ らの問 題 点 を解 決 し なが ら多 角 化 を進 め る の で な け れ ば,本 業 自体 の経 営 に も影 響 が 生 じ,電 気 料 金 の 公 正 な形 成 が 危 ぶ ま れ る こ とに もな りか ね な い。 この 点 豊 富 な 実 績 を持 つRWE社 の連 結 決 算 をみ な ら って,各 事 業 部 門 ご と に明確 に分 離 した 経 理 を公 表 で きる よ う に整 備 す る こ と が 早 急 に望 まれ る。 今 後,資 金 調 達 や,燃 料 調 達 に お い て も海 外 の ウエ イ トが ます ます増 加 す る傾 向 に あ り,国 際 基 準 に も とず く会 計 情 報 の公 開 が 不 可 欠 で あ る。 この よ うな情 報 の 公 開 に よ り,よ り一 層 正 確 な 国 際 比 較 が 可 能 と な ろ う。 西 ドイ ツRWE社 はM&Aを 通 じ て録 近 急 激 と もヒ)える リス トラ クチ ャ リ ング を行 な っ て お り,来 年 度 は多 角 化 比 率 は50%を 越 え る見 込 み で あ る。 わ が 国 電 気 事 業 に お い て も本 業 比 率 が50%程 度 に な る の は,関 電 の 長 期 ビ ジ ョンの 描 く時 期 よ り意 外 に早 く訪 れ る の で は あ る ま いか 。(文教 大 学 情 報 学 部 教 授) 参 考 文 献 〔1〕 ア ル バ ッハ 著,栗 山 盛 彦 訳 「現 代 企 業 計 画 論 」 千 倉 書 房,1986 〔2〕伊 丹 敬 之 厂新 経 営 戦 略 の 論 理 」 日本 経 済 新 聞 社, 1987 〔3〕植 竹 晃 久 「西 ドイ ツ に お け る企 業 間 結 合 の 構 造 」, 「三 田 商 学 研 究 」1985年12月 〔4〕 宮 沢 健 一 「業 際 化 と情 報 化 」,有 斐 閣,1988 〔5〕 公 正 取 引 委 員 会 事 務 局 編 「経 済 構 造 の 変 化 と産 業 組 識 」,大 蔵 省 印 刷 局,1987 〔6〕 関 島 久 雄 編 「現 代 日本 の 公 益 企 業 」,日 本 経 済 評 論 社,1987 〔7〕 佐 々 木 弘 編 著 「公 益 事 業 の 多 角 化 戦 略 」白 桃 書 房, 1988 〔8〕 吉 原 英 樹 他 「日本 企 業 の 多 角 化 戦 略 」,日 本 経 済 新 聞 社,1981 〔9〕 河 野 豊 弘 「現 代 の 経 営 戦 略 」 ダ イ ヤ モ ン ド社,1985 〔10〕渡 辺 基 之 「わ が 国 企 業 の 株 式 所 有 と経 営 多 角 化 と の 関 係 」 日 本 経 営 学 会62回 大 会 報 告,1988 〔11〕坂 本 和 一 ・下 谷 政 弘 編 「現 代 日本 の 企 業 グ ル ー プ」 東 洋 経 済 新 報 社,1987 〔12〕岡 本 博 公 「事 業 構 造 の 変 革 と企 業 グ ル ー プ 」,「現 代 日本 の 企 業 グ ル ー プ 」 所 収 〔13〕坂 本 和 一 「現 代 工 業 経 済 論 」,有 斐 閣,1988 〔14〕新 飯 田 宏 他 編 「日本 経 済 の構 造 変 化 と産 業 組 織 」, 東 洋 経 済 新 報 社,1987 (15)Monopolkommission,Hauptgutachten1984 /85,Nomos1986 (16)RudigerLiedtke,WemgehortunsereRepublik?, Eichborn1988

参照

関連したドキュメント

う東京電力自らPDCAを回して業 務を継続的に改善することは望まし

在学中に学生ITベンチャー経営者として、様々な技術を事業化。同大卒業後、社会的

東京電力ホールディングス株式会社(以下,東電HDという。 ) ,東京電力パワーグリ ッド株式会社(以下,東電PGという。

当所6号機は、平成 24 年2月に電気事業法にもとづき「保安規程 *1 電気事業用 電気工作物(原子力発電工作物) 」の第

・各企業が実施している活動事例の紹介と共有 発起人 東京電力㈱ 福島復興本社代表 石崎 芳行 事務局

東京電力パワーグリッド株式会社 東京都千代田区 東電タウンプランニング株式会社 東京都港区 東京電設サービス株式会社

東京電力パワーグリッド株式会社 東京都千代田区 東電タウンプランニング株式会社 東京都港区 東京電設サービス株式会社

取締役(非常勤) 森下 義人 東京電力パワーグリッド株式会社常務取締役兼東京電 力ホールディングス株式会社経営企画ユニット経理室 監査役. 松下