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通信教育併習による小学校教員の「養成」--その3:小学校の教師を目指す動機付けの必要性

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(1)通 信 教 育 併 習 に よ る小 学 校 教 員 の 「養 成 」 一 そ の3:小. 学 校 の 教 師 を 目指 す 動 機 付 け の 必 要 性 一. 通 信 教 育 併 習 に よ る小 学 校 教 員 の 「養 成 」 その3小. 学校 の教師 を 目指す動機付 けの必要性. 小. 口. 功*. は じめ に 本 稿 を含 む 一 連 の 研 究(1)は、通 信 教 育 に よ る小 学 校 教 員 の養 成 を、 近 畿 大 学 で の 事 例(「 小 学 校 教 員 一 種 免 許 取 得 プ ロ グ ラ ム」:通 称 「小 学 校 プ ログ ラ ム」)を も と に分 析 す る もの で あ る。 今 回 は、 プ ロ グ ラ ム に参 加 す る学 生 の 学 習 の 動 機 付 け に関 して 考 察 す る。 この プ ロ グ ラ ム は、 合 計46単 位 を取 得 して や っ と小 学 校 の1種 免 許 が で き る もの で あ り、 根 気 の い る学 習 プ ロ グ ラ ムで あ る。 プ ロ グ ラ ム に参 加 して も、 中途 で 挫 折 す る可 能 性 が な い と は いえ な い。 そ れ ゆえ 教 員 免 許 を取 得 して 小 学 校 の 教 師 にな ろ う と い う強 い意 欲 が な い と、 根 気 よ く学 習 を 続 けて 本 プ ロ グ ラ ム を修 了 す るの は難 しい。 本 稿 で は、 小 学 校 プ ロ グ ラ ム に参 加 す る学 生 に と って 、 プ ロ グ ラ ム修 了 へ の重 要 な推 進 力 とな る、小 学 校 の 教 師 を 目指 す動 機 付 け の必 要 性 を まず検 討 す る。 そ して どの よ うな 支 援 策 が 考 え られ るか 検 討 し、 最 後 に近 畿 大 学 で 現 実 に行 わ れ て い る支 援 策 の 一 部 を分 析 して 、 さ らな る支 援 策 の 必 要 性 を検 討 す る。. 1.学. 生 の 学 習 意 欲 を 向 上 させ る必 要 性. (1)資 格 志 向 の 大 学 生 近 年 の 日本 社 会 で は、 学 歴 志 向 よ りも資 格 志 向 が 強 くな る傾 向 に あ る。 大 学 生 の 間 で も、 資 格 の 取 得 意 識 が 高 くな り、 資 格 を 習 得 す る講 座 や 就 職 試 験 対 策 関 連 の 講 座(例:公. 務員試験対. 策 、 公 認 会 計 士 試 験 受 験 対 策)を 専 門 学 校 に通 って 受 講 す る大 学 生 が 増 え て 、 ダ ブル ス クー ル 現 象 が 生 じて い る。 ま た大 学 も学 生 の 資 格 志 向 や 就 職 志 向 の ニ ー ズの 高 ま りに応 え て 、 資 格 取 得 の 講 座(単 位 認 定 され る正 規 の 科 目 と異 な り、 「課 外 講 座 』(2)等 の 名 称 で 呼 ばれ る)や 就 職 試 験 対 策 講 座 を学 内で 開 講 し始 めて い る。 資 格 取 得 に対 して の 学 生 の 真 剣 な 態 度 は、 その 課 外 講 座 の 授 業 の 様 子 か ら も分 か る。 正 規 の *近 畿大学教職教育部教授. 15.

(2) 近畿大学教育論叢. 第22巻 第2号(2011・2). 授 業(卒 業 単 位 に認 定 され る授 業)の 受 講 生 と比 べ て 、 私 語 ・居 眠 りな どの 行 為 が 圧 倒 的 に少 な いか らで あ る。 この こ と は現 代 の 日本 の 大 学 に勤 務 す る教 職 員 な ら ば、 多 くの 者 が 経 験 上 よ く知 って い る。 資 格 取 得 は単 に趣 味 や 嗜 好 の 問 題 で はな い。 自分 自身 の 将 来 の 生 活 、 特 に就 職 に何 らか の プ ラ ス に作 用 す る と い う動 機 が あ るか ら、 学 生 は真 剣 に学 習 す るの で あ る。 そ れ ゆ え 就 職 す る気 の な い職 業 に関 連 した資 格 につ いて は、 逆 に学 生 は あ ま り真 剣 に学 習 しな い もの で あ る。 そ も そ も小 学 校 プ ロ グ ラ ム は3年 間 に及 ぶ 長 期 間 の 学 習 で あ り、 近 畿 大 学 の 場 合 、 合 計46単 位 を取 得 しな けれ ばな らな い。 現 在 の 大 学 設 置 基 準 に よ る と、 大 学 卒 業 の 最 低 限 の 取 得 単 位 が 124単 位 で あ るか ら、46単 位 とい う数 は、 大 学 卒 業 に必 要 な単 位 の約1年. 半 分 にな る。 小 学 校. プ ロ グ ラ ム は それ だ け多 くの 単 位 を 取 得 す る学 習 な の で 、 単 に資 格 を 増 や した い とか 趣 味 で と る と い っ た学 生 の 場 合 、 学 習 量 が 予 想 以 上 に多 い た め、 辟 易 して 学 習 意 欲 を な く し、 最 後 まで 学 習 を継 続 す るの が 困 難 とな る。 つ ま り将 来 小 学 校 の 教 師 にな って 、 取 得 した 免 許 を 有 効 に活 用 した い と い う思 いが な い と、 学 習 が 続 か な いの で あ る。 それ ゆえ 小 学 校 プ ロ グ ラ ム に参 加 し て い る学 生 の 学 習 支 援 に お い て、 「小 学 校 の 教 員 に な りた い」 とい う動 機 付 け を行 う こ と は、 大 切 で あ る。 もち ろん レポー トの 書 き方 を 教 え た り、 レポー トや 試 験 の 課 題 の 内容 につ いて 説 明 す る と い っ た、 学 習 内容 その もの の 指 導 が 、 学 習 支 援 の 中心 にな るの は言 う まで もな い。 し か した だ単 に 「勉 強 を 教 え る、 学 習 を促 す 」 と い った指 導 だ け で は 不 十 分 で 、 「な ぜ小 学 校 の プ ロ グ ラ ム を学 習 しな い と い けな いの か 」 と い う学 習 の 動 機 付 けを 行 わ な い と、 小 学 校 プ ロ グ ラ ム に対 す る学 生 の 学 習 姿 勢 は強 固 にな らな い。. (2)孤 独 で 挫 折 しや す い学 習 ス タイ ル ま た最 近 の 大 学 生 は、 活 字 の 読 書 よ りも、 テ レ ビな どの 視 聴 覚 媒 体 や イ ン ター ネ ッ トの サ イ トの 閲 覧 な どの 行 為 を好 む 。 コ ミュニ ケー シ ョンの 手 段 と して 手 紙 を 書 く機 会 は減 り、 逆 に携 帯 や パ ソ コ ンか らの メー ル の 送 受 信 が 激 増 して い る。 その よ うな ネ ッ ト時 代 の 生 活 習 慣 が 身 に つ い た学 生 の 多 くは、 テ キ ス トや 参 考 文 献 の 記 述 を 文 章 に ま と め る、 旧来 形 式 の 学 習 で あ る通 信 教 育 の レポ ー トの 作 成 の 作 業 を、 嫌 う傾 向 に あ る。 通 常 の 授 業 で は、 教 員 と学 生 が 顔 を 合 わ せ る た め、 毎 週 授 業 に 出席 す れ ば教 師 と受 講 生 の 間 に若 干 の 親 近 感 が わ く。 そ して 授 業 を 重 ね る う ち に、 教 師 と受 講 生 の 間 に は共 通 の 話 題(授 業 の 内容)が で きて くる。 この よ う に多 少 な りと も教 師 との コ ミュニ ケ ー シ ョンが 、 通 常 の 授 業. 16.

(3) 通 信 教 育 併 習 に よ る小 学 校 教 員 の 「養 成 」 一 そ の3:小. 学 校 の 教 師 を 目指 す 動 機 付 け の 必 要 性 一. で は成 立 して い る。 しか し通 信 教 育 の レポ ー トを 作 成 す る学 習 の 場 合 、 レポー ト課 題 の 出題 者 の 顔 や 採 点 者 の 姿 が 、 学 生 か らは全 くイ メー ジで きな い。 も ち ろん 大 学 で の 教 室 の 授 業 と は異 な り、 身 近 に仲 間 も いな い。 一 人 で パ ソ コ ンに向 き合 い、 キ ー ボ ー ドを 叩 いて 文 字 を 入 力 して い るの が 普 通 で あ る。 通 信 教 育 の 学 習 特 に通 信 科 目の 学 習 は、 本 来 一 人 で 行 う孤 独 な 学 習 形 態 で あ る。 若 い学 生 達 は、 一 人 だ けの 学 習 にな る と ど う して も挫 折 しや す い。 特 に難 しい課 題 の レポ ー トを作 成 す る と きな ど、 「ま あ 明 日 にで もす れ ば い い や 」 と途 中で 投 げ 出 して し ま う。 そ の よ うな場 合 、 「小 学 校 の 教 師 に な りた い!」. と い う強 い意 志 が あ れ ば、 や め た い とい う誘. 惑 に打 ち勝 ち、 レポー トを完 成 させ る まで 頑 張 れ る もの だ 。. (3)レ ポ ー ト作 成 の 苦 労 近 畿 大 学 の 小 学 校 プ ロ グ ラ ム に お いて は、 通 信 科 目(レ ポー ト作 成 と試 験 受 験 が 単 位 取 得 に 必 要 な 科 目)の 単 位 数 は、2010年 度 に プ ロ グ ラ ム に参 加 した2009年 度 の 入 学 生 の 場 合 、37単 位 で あ る(3)。 具 体 的 な 学 習 量 で 示 す と、 字 数 が1,200字 以 上1,600字 以 内の レポー トを37題 作 成 して 提 出 し、 合 格 す る必 要 が あ る。 通 信 教 育 で は、 レポー トが 不 合 格 にな り再 提 出を 求 め られ る場 合 が 、 か な りの 割 合 で 生 じる。 近 畿 大 学 の2010年 度 現 在 の プ ロ グ ラ ムの 提 携 先 で あ る近 大 姫 路 大 学 の 通 信 教 育 課 程 の 場 合 、 採 点 基 準 が 厳 しい科 目が 多 く、 学 生 が 一 度(初 回 提 出)で トを合 格 しな い 科 目が、10科 目程 度 は あ る。 中 に は3度. レポー. も4度 も連 続 して不 合 格 の判 定 を して、. 繰 り返 し再 提 出 を求 め る科 目 も あ る。 その た め プ ロ グ ラ ム参 加 の 学 生 は、 平 均 して50回 程 度 、 レポ ー トを作 成 し提 出(含 む 再 提 出)す る こ と にな る。 レポ ー トを合 格 す るだ けで も この よ う に大 変 で あ るが 、 学 生 は さ ら に試 験 に合 格 しな い と、 通 信 科 目の 単 位 ④ を 取 得 で きな い。 試 験 は、 レポー ト提 出 に よ り受 験 資 格 が 得 られ て 受 験 で き る。 その 試 験 も現 行 の プ ロ グ ラ ムで は、 合 計16科 目受 験 して 合 格 す る必 要 が あ る。 そ れ ゆえ レ ポ ー トと試 験 の 双 方 を合 格 す る に は、 大 変 な 学 習 の 量 が 必 要 とな る。 単 な る資 格 マ ニ アの 気 分 で や り遂 げ る こ とが で き る よ うな もの で はな い。 当然 な が ら、 将 来 小 学 校 の 教 師 と して 就 職 し よ う と い う強 い意 志 が な い と、 プ ロ グ ラ ムの 学 習 を 全 部 終 了 させ て 、 小 学 校 教 諭 の1種 免 許 を 取 得 す るの は容 易 で はな い。. (4)教 職 志 向 の 強 さ と教 職 課 程 の 受 講 態 度 との 相 関 関 係 資 格 取 得 へ の 熱 意 と将 来 の 就 職 に備 え る意 識 との 間 の 強 い相 関 関 係 を 実 証 す るの に、 教 職 課. 17.

(4) 近畿大学教育論叢. 第22巻 第2号(2011・2). 程 は典 型 的 な 事 例 で あ ろ う。 教 員 養 成 大 学 で な い一般 の 大 学 で も、 まず 教 職 へ の 就 職 を 真 剣 に 考 え て い る学 生 は、教 職 課 程 の 授 業 を熱 心 に受 講 す る。 中 に は 自分 の専 攻 す る学 問 や科 目(例: 経 済 学 部 の 学 生 に と って は経 済 学)よ. りも、 教 職 課 程 の 授 業 を 熱 心 に受 講 す る学 生 も あ る。 こ. の よ う に熱 心 に受 講 す る教 員 志 望 の 学 生 は、 教 員 養 成 系 の 大 学 や 学 部 ・学 科 で 教 員 を 目指 す 学 生 と比 べ て も、 教 職 の 授 業 の 学 習 意 欲 や 熱 意 に お いて は少 しも劣 る と こ ろ はな い。 しか し一 方 、 と りあえ ず 教 員 免 許 は 欲 しい が逆 に教 職 に就 く気 持 ちが 全 くな い 学生 の 中 に は、 と にか く単 位 さえ 取 れ ば い い と い う考 え で 、 教 職 の 授 業 で は必 要 最 低 限 の 労 力 で 済 まそ う と い う学 生 も多 い。 その よ うな 学 生 の 中で 最 も困 るの は、 と にか く単 位 さえ 取 れ ば い い と考 え 、 授 業 中 に 私 語 、 居 眠 り、 内 職(他. 教 科 の 宿 題 や レポ ー トの 作 成 な ど を 行 う)、 携 帯 電 話 の操 作. (メ ー ル の送 受 信)、 ひ どい場 合 は小 型 の通 信 機 器(携 帯 電 話 、 ス マ ー トフ ォ ン、iPod等)を. 操. 作 して ゲ ー ム を して 遊 ぶ な ど、 授 業 と無 関 係 も し くは授 業 を阻 害 す る迷 惑 行 為 を 、 や りた い放 題 に行 う学 生 達 で あ る。. (5)授 業 運 営 の 困 難 さ らに最 近 の 一 部 の 学 生 達 に は、 これ ら私 語 や 居 眠 りな どの 行 為 を 、 教 師 が 口頭 で 注 意 して も一 切 止 め よ う と しな い者 が 増 え て い る。 も ち ろん これ らの 迷 惑 行 為 を 根 絶 す る に は、 授 業 内 容 や 方 法 を、 受 講 生 の ニ ー ズ に合 わ せ 魅 力 的 にす るの が 理 想 で あ る。 しか し教 員 は魔 法 使 いで はな い。 そ もそ も単 位 取 得 だ けが 目的 で 学 習 意 欲 が 皆 無 の 学 生 達 は、 学 習 自体 に何 の 魅 力 も感 じな いわ けで あ るか ら、 彼 らに と って 魅 力 的 な 授 業 の 内容 を 考 え つ くこ と は大 変 難 しい。 しか も受 講 生 の ニ ー ズや 関 心 が 多 様 な 、 昨 今 の 大 学 の 教 室 内 に お け る状 況 の も とで は、 受 講 者 全 員 の 興 味 を引 き付 け る授 業 にす る こ と 自体 が 困 難 で あ る。 結 局 の と こ ろ、 座 席 指 定 に して 迷 惑 行 為 者 を特 定 しや す く した り、 必 要 に応 じて 迷 惑 行 為 に対 して 減 点 した りペ ナル テ ィを 課 した り して 、 単 位 取 得 に 「脅 威 」 を与 え る、 強 圧 的 な 指導 を す る しか な いの が 現 状 で あ る。 「単 位 取 得 」 だ けが 目的 の学 生 に 対 して は、 「単 位 取 得 を 脅 か す 」 方 法 こ そ が、 残 念 な が ら最 も有 効 な の で あ る。 しか しな が ら、 この よ うな 厳 しい指 導 さえ も、 学 生 に よ る授 業 評 価 ア ンケ ー ト(5)を 実 施 す る現 在 で は、 か つ て よ りも行 いづ らい状 況 に あ るの は間 違 いな い。 教 師 にな る気 の な い 者 に、 教 育 に関 す る勉 強 を させ るの は、 それ だ け難 しいの で あ る。. 18.

(5) 通 信 教 育 併 習 に よ る小 学 校 教 員 の 「養 成 」 一 そ の3:小. 学 校 の 教 師 を 目指 す 動 機 付 け の 必 要 性 一. (6)小 学 校 プ ロ グ ラム に参 加 す る学 生 と中 途 脱 退 者 通 信 教 育 課 程 との 併 習 で 小 学 校 教 諭1種 免 許 の 取 得 を 目指 す 、 小 学 校 プ ロ グ ラ ムの 学 生 の 場 合 、 通 信 教 育 を学 習 す る意 欲 を 維 持 す る上 で 、 次 の3点 の ハ ンデ ィを 抱 え て い る。 まず 第1に 教 員 養 成 の 学 部 に在 学 して いな い た め、 大 学 に お け る 日頃 の 学 習 で 、 教 員 を 目指 そ う と い う刺 激 を受 けな い。 第2に 小 学 校 プ ロ グ ラ ム は、 中学 校 教 員 免 許 の 取 得 を 条 件 と して い るた め、 大 学 で 受 講 す る教 職 課 程 の 授 業 で は、 中学 ・高 校 の 教 育 が 内容 の 中心 とな り、 小 学 校 の 教 員 志 望 の 意 識 を高 め る こ とが 容 易 で はな い。 刺 激 を う けな けれ ば、 小 学 校 の 教 師 を 目指 そ う と い う意 欲 が いつ しか 萎 み 、 通 信 教 育 の 学 習 をや めて しま う こ と も十 分 に起 こ りう る。. 表1小 プ ロ グ ラム 参加時期. 学 校 プ ログ ラム の 年 次 別 参 加 者. 通信教育 提携先. 近畿大学卒業時期. 参加 学生 数. (2011年1月. プログラム 修了者数. 時 点). 中途 中途 脱退者 数 脱退者比率. 第1期 生. 2005年4月. 聖徳大学. 2008年3月. 20. 18. 2. 10%. 第2期 生. 2006年4月. 聖徳大学. 2009年3月. 20. 15. 5. 25%. 第3期 生. 2007年4月. 聖徳大学. 2010年3月. 15. 12. 3. 20%. 55. 45. 10. 18%. 第1期 生 ∼ 第3期 生[既 卒 者]小 計 第4期 生 第5期 生 第6期 生. 2008年4月 2009年4月 2010年4月. 合. 聖徳大学 近大姫路大学 近大姫路大学. (予 定)2011年3月 (予 定)2012年3月 (予 定)2013年3月. 計. 2. 33%. 37. 一. 1. 3%. 18. 一. 0. 0%. 171. 90. 23. 13%. 6. それ で は、 小 学 校 プ ロ グ ラ ム に大 学2年 へ の 進 級 時 期 と 同時 に参 加 した 学 生 の 内、 プ ロ グ ラ ム を修 了 して 小 学 校 教 諭 の1種 免 許 を 取 得 す る学 生 は、 どの 程 度 いた の だ ろ うか 。 表1に 各 年 度 の 参 加 者 、 修 了 者 、 中途 脱 退 者 の 人 数 を ま と めて み た。 小 学 校 フ゜ロ グ ラ ム は、 近 畿 大 学 で は2005年 度 か ら開 始 され た。2010年 度 現 在 、3期 生 まで が プ ロ グ ラ ム を修 了 して い る。 プ ロ グ ラ ムの 参 加 人 数 は表1に 示 す よ う に、 年 度 に よ り変 動 が 激 しい。 第5期 生(近 大 姫 路 提 携 の 最 初 の 学 年)が 最 も多 く37名 が 参 加 し、 そ の 前 年 度 の 第4期 生 が1番 少 な く、 わ ず か6名 の 参 加 で あ る。 第1期 生 か ら第3期 生 ま で は、 全 員 が 既 に 大 学 (学部)を 卒 業 して い る。 大 学 を 卒 業 した3期 分 の人 数 を合 計 す る と、 参 加 者55名 、 修 了 者45 名 、 中途 脱 退 者10名 で あ る。 参 加 した学 生 の 内、 中途 で 免 許 取 得 を 断 念 した 者 は18%で. あ る。. この 数 字 は、教 員 免 許 を取 得 す る通 信 教育 課 程 の 中 で は、低 い方 で あ る と考 え て もよ い だ ろ う。. 19.

(6) 近畿大学教育論叢. 第22巻 第2号(2011・2). 通 信 教 育 は、 途 中で 断 念 す る者 が か な り多 いか らで あ る。 しか し参 加 者 は多 額 の 学 費(授 業 料 等)を 納 入 して 参 加 して い る。 で き る限 り中途 脱 退 者 を な くす よ う にす るの が 、 学 習 支 援 に携 わ る者 の 役 目で あ る。 な お現 在 学 習 を進 めて い る第4期 生 か ら第6期 生 につ いて は、 中途 脱 退 者 は今 の と こ ろ合 計 3名 にす ぎず 、 大 変 少 な い。 しか し中途 脱 退 者 は、 学 習 の 経 過 に伴 い今 後 さ ら に 出 る可 能 性 が あ る。 その た め現 時 点 で 何 名 が 最 終 的 に小 学 校 教 諭 の1種 免 許 を 取 得 す るか は、 まだ 断 定 で き な い。 しか し中途 脱 退 者 が 多 数 出 る こ とが 今 後 な い とす るな らば、 中途 脱 退 者 が 年 々減 少 して い く傾 向 を読 み とれ る。 試 行 錯 誤 の 中で 始 め た小 学 校 プ ロ グ ラ ムの 学 習 支 援 の 、6年 間 に及 ぶ 努 力 の 成 果 の 現 れ で 中途 辞 退 者 が 減 少 して い るな らば、 喜 ば しい こ とで あ る。. (7)中 途 脱 退 者:ほ. とん ど単 位 を 取 得 せ ず に脱 退 す る. それ で は 中途 脱 退 者 は どの よ うな 理 由で 、 プ ロ グ ラ ムの 学 習 を 断 念 す るの で あ ろ うか 。 今 まで に プ ロ グ ラ ムの 脱 退 手 続 きを した学 生 と、 手 続 きを しな い ま ま通 信 教 育 課 程 を 自動 的 にや め た(翌 年 度 の 「科 目等 履 修 生 」 の 手 続 き を しな い と、 プ ロ グ ラ ムを 事 実 上 や め る こ と に な る。)学 生 合 計13名 につ い て、 そ の脱 退 理 由 を表2に 示 す 。 脱 退 手 続 きの 書 類 に書 く 「脱 退 の 理 由」 は、 必 ず しも本 当の 事 情 を 書 くわ けで はな い。 今 回 の 分 析 で は、 学 生 本 人 、 その 友 人 な ど に筆 者 が 直 接 聞 い た こ と を も と に、 脱 退 理 由を 筆 者 な り に想 像 して み た。 その た め必 ず しも正 確 と は言 え な い場 合 も あ る。 けれ ど も本 人 や そ の 友 人 に 直 接 き いて み る と、 それ な りに比 較 的 納 得 の ゆ く理 由が 返 って くる もの だ 。 注 目す べ き は、 脱 退 者 の 大 半 が 、 ほ とん ど学 習 を進 めず にや めて い る こ とで あ る。1単 位 も 取 得 して な い者(表2の. ① 、 ⑧ 、 ⑨ の3名)、10単. の ② 、 ③ 、 ④ 、 ⑦ 、 ⑪ 、 ⑬ の6名)を. 位 未 満 の単 位 しか取 得 して い な い 者(表2. 合 わ せ る と、 合 計9名. とな り、 脱 退 者13名 の 約3分 の2. を 占 め る。 つ ま りプ ロ グ ラ ム に参 加 して か な り早 い段 階 で 学 習 をや めた か 、 そ れ と も全 然 学 習 を しな か っ た者 が 多 い。 その 中 に は、 単 に通 信 教 育 の 学 習 の 仕 方(レ. ポー トの 作 成 等)に な じ. めず に、 学 習 に本 格 的 に取 り組 めな か っ た者 も い たか も知 れ な い。 また 将 来 の 進 路 や 就 職 の こ とな ど を よ く考 え ず に、 目前 の アル バ イ ト、 サ ー クル 活 動 につ い没 頭 した 者 も いた か も知 れ な い。 それ ゆえ プ ロ グ ラ ム参 加 直 後 の 学 生 の 学 習 支 援 、 学 習 意 欲 の 向 上 の 必 要 性 を 痛 感 す る。. 20.

(7) 通 信 教 育 併 習 に よ る小 学 校 教 員 の 「養 成 」 一 そ の3:小. 表2近. 学部. 性別. 学 校 の 教 師 を 目指 す 動 機 付 け の 必 要 性 一. 畿 大 学 の 小 学 校 プ ログ ラ ム の 中 途 脱 退 者 脱 退 理 由(推 定). プ ロ グ ラ ムの 単 位 取得状況. ①. 第1期 生. 文芸. 男. プ ロ グ ラ ムの 仲 間 にな じめ ず. 0単 位. ②. 第1期 生. 理工. 男. 学部で留年. 10単 位 未 満. ⑧. 第2期 生. 農. 女. 学部の勉強に追われ る. 10単 位 未 満. ④. 第2期 生. 農. 女. 栄養教諭へ進路変更. 10単 位 未 満. ⑤. 第2期 生. 農. 男. 大学院進学. 10単 位 ∼15単. 位. ⑥. 第2期 生. 法. 女. 他 大 学(神 戸 大 学)へ の 編 入. 10単 位 ∼15単. 位. ⑦. 第2期 生. 理工. 女. 学部の勉強に追われ る. 10単 位 未 満. ⑧. 第3期 生. 経済. 男. 親 に強 制 され て 入 った の で 、 教 師 にな る意 欲 が な い. 0単 位. ⑨. 第3期 生. 文芸. 男. 親 に強 制 され て 入 った の で 、 教 師 にな る意 欲 が な い. 0単 位. ⑩. 第3期 生. 理工. 女. 他 大 学(京 都 教 育 大 学)へ の 編 入. 10単 位 ∼15単. ⑪. 第4期 生. 文芸. 女. 教 師 にな るの に母 親 が 反 対. 10単 位 未 満. ⑫. 第4期 生. 文芸. 女. 異 性 との 交 際. 10単 位 ∼15単. ⑬. 第5期 生. 農. 女. 親 に強 制 され て 入 った の で 、 教 師 にな る意 欲 が な い. 10単 位 未 満. 位. 位. (8)中 途 脱 退 の 理 由 それ で は13名 の 脱 退 者 の 脱 退 理 由を み て い こ う。 理 由 は次 の5種 類 に区 分 で き る。. ①. 進路の変更. や む を得 な い脱 退 理 由 は、 進 路 の 変 更 で あ る。 小 学 校 プ ロ グ ラ ム は1年 生 の11月 ∼12月 に募 集 を行 う。 しか しまだ 卒 業 後 の 進 路 を決 めて いな い学 生 は多 いだ ろ う。 参 加 者 の 内若 干 名 が 、 小 学 校 の 教 師 以 外 の 職 業 を その 後 目指 す よ う にな るの は避 け られ な い。 この 理 由で プ ロ グ ラ ム を脱 退 した者 は4名 で あ る。 内3名 が 希 望 した 進 路 は それ ぞ れ、 栄 養 教 諭(表2の 者(⑤)、. 弁 護 士(⑥)で. ④)、 研 究. あ った。 な お⑩ の学 生 は、 小 学 校 教諭 を 志 望 して い た 。 しか し本 格. 的 に教 育 の こ と を学 び た い と い う理 由で 、 国 立 の 教 育 大 学 に編 入 学 して い った 。 これ らの 学 生 は皆 大 学 の 成 績 も よ く、進 路 変 更 を 決 断 す る まで は、 プ ロ グ ラ ムの 学 習 も積極 的 に行 って い た。. ②. 学 部(専 門)の 勉 強 に追 わ れ る. 教 職 担 当の 教 員 が 対 応 で きな い次 の 理 由 は、 参 加 者 が 自分 の 学 部 の 勉 強 に追 わ れ て 、 プ ロ グ ラ ムの 学 習 をす る余 裕 が な い場 合 で あ る。 これ は理 系 の 学 部 に学 生 に起 こ る。 中 に は留 年 す る. 21.

(8) 近畿大学教育論叢. 第22巻 第2号(2011・2). 者 も い る。 教 職 課 程 や 通 信 教 育 の 勉 強 ど こ ろで はな いわ けだ 。 表2の ② 、 ③ 、 ⑦ の3名 が 、 こ の 理 由で プ ロ グ ラ ムを 中止 した。 この よ うな 学 生 へ の 対 応 と して は、 特 に理 系 の 学 生 で 学 業 成 績 が あ ま り芳 し くな い者 に対 して 、 プ ロ グ ラ ム参 加 前 に プ ロ グ ラ ムの 大 変 さを 説 明 して 、 や り 遂 げ る 自信 が な い場 合 は、 申 し込 み の 是 非 を 検 討 して も らう こ と ぐら い しか な い。. ③. 親の反対. 本 人 は小 学 校 の 教 師 にな りた いの に、 母 親 が 強 く反 対 して 断 念 した 場 合 が あ った 。 これ は特 殊 な ケ ー ス で あ る(⑪ の 学生1名)。. 母 親 が小 学 校 の 教 師 を して い て、 そ の仕 事 の大 変 さを 感. じて 、 娘 に は 同 じ道 を 歩 ん で 欲 し くな か っ た よ うで あ る。 学 費 を 親 が 支 払 って い る以 上 、 親 が 強 く反 対 す れ ば ど う しよ う もな い。. ④. や る気 が な い. プ ロ グ ラ ムの 参 加 手 続 きを した もの の 、 学 習 にな か な か と りか か らず 、 や が て 脱 退 す る学 生 が 時 折 い る(⑧ 、 ⑨ 、 ⑬ の3名)。. 本 人 と話 を して み る と、 ど う もプ ロ グ ラム の 参 加 は親 に勧. め られ た もの で 、 も と も と嫌 々通 信 教 育 の プ ロ グ ラ ム に入 っ た よ うで あ る。3名 の 内2名 は、 親 の 職 業 が 教 員 で あ っ た。 や る気 の な い学 生 の 指 導 ほ ど困 難 な もの はな い。 しか しこの タ イ プ の 学 生 に対 して こ そ、 我 々が 学 習 の 動 機 付 け を行 わ な けれ ばな らな い。. ⑤. その 他. そ の他 の脱 退 理 由 と して 、 プ ロ グ ラ ムの 仲 間 と な じめ な い(①)、 い(⑫)の2名. 異 性 との交 際 で 時 間 が な. が あ っ た。 残 念 な が ら学 生 間 の 人 間 関 係 に関 す る こ と は、 我 々大 学 の 教 員 で は. 対 応 が 困 難 な場 合 が 多 い。. (9)プ. ロ グ ラム 修 了 者 の ほぼ 全 員 が 小 学 校 の 教 師 を 目指 す. プ ロ グ ラ ム を修 了 した学 生 の 内、 どの 程 度 の 人 数 が 小 学 校 の 教 師 を 目指 す の で あ ろ うか 。 卒 業 生 の 出て い る第3期 生 まで と、 来 年4月. に教 壇 に立 て る第4期 生 の 進 路(予 定 進 路)を. 表3に 示 す 。 修 了 者 の 過 半 数 は、 小 学 校 の 教 員 にな る道 を 選 択 して い る。 第1期 生 は18名 の 修 了 者 の 内、 5名 が 教 員 以 外 の 職 業 を 選 ん だ 。 しか し第2期 生 か ら第4期 生 にか けて の 修 了 者(第4期. 22. 生は.

(9) 通 信 教 育 併 習 に よ る小 学 校 教 員 の 「養 成 」 一 そ の3小. 表3近. 畿 大 学 に お ける 小 学 校 プ ログ ラム 修 了 者 の 進 路. プ 参 加 者. 進. 口 グ ラ. 中 途 辞 退. 小. ム 修 了者. 煮. 学 校 の 教 師 を 目指 す 動 機 付 け の 必 要 性 一. 学. 校. 教. [現役]. [卒業1年 後]. 教員小計. 小学校教員 (正規)就 職. 13. 8. 3. 小学校. 路. 員. 教. [卒業2年 後]. 教員採用試験. 小学校教員. 小学校教員. 次年度に受験. (正規)就 職. (正規)就 職. 予定. 1. 1. 員. 教員以外. 大学院. 小計. 進学. 5. 2. 以. 外. 警察官. 民間企業 に就職. 0. 3. 備. 考. 大学院進学者はそ の 後 、2名. 第1期 生 (2008年3. 20. 2. 18. 2009年4月. 月修了). と も か らそ. れそれ民間企業、 公益法人に就職 1名 、小学校の常. 第2期 生 (2009年3. 20. 5. 15. 12. 8. 2. 1. 1. 3. 1. 1. 勤講師勤務後、病. 1. 月修了) 第3期. 気療養中. 生. (2010年3. 13. 3. 10. 9. 6. 2. (f彦 了予定) 4名. (予定). 2011年4月 5. 、. 一. 3. 1. 0. 0. 1. 一. 2. 0. 0. 0. 0. 1名 予 定. 月 修 了). 第4期 生 (2011年3. 月修了予. 4. 2011年4月. 、. 一. 2名 予定. 定). 修 了 予 定 者)合 計25名 の 内、小 学 校 の 教 員 以 外 の 進 路 を 選 択 した 者 は、わず か4名 に過 ぎ な い。 その4名 の 内、3名. は小 学 校 教 員 が 第1志 望 だ っ たが 、 教 員 採 用 試 験 に不 合 格 にな った 結 果 、. 他 の 職 業 に就 い た(表4の. ① 、 ② 、 ④)。 ま た大 学 院 に進 学 した 農 学 部 の 学 生 は、 修 士 課 程 の. 修 了 後 に小 学 校 の 教 員 を 目指 す 意 向 を 示 して い る(③)。. ま た4名 の うち3名 は キ ャ ンパ スが. 異 な る農 学 部 の 学 生 で あ っ た。 な お第3期 以 降 近 畿 大 学 の 小 学 校 プ ロ グ ラ ム に は、 農 学 部 の 学 生 はわ ず か2名(第5期)し. か 参 加 して いな い。. この よ う に個 々の 学 生 達 の 事 情 を 検 討 して い くと、 第2期 以 降 の プ ロ グ ラ ムの 修 了 者 は、 ほ ぼ全 員 が小 学 校 の教 師 を 目指 した こ とに な る。 また キ ャ ンパ ス の異 な る農 学 部 の 学生 を 除 け ば、 教 員 採 用 試 験 に落 ちて も、1名. を除 いて 全 員 が 再 度 教 員 採 用 試 験 に挑 戦 して い る。 つ ま り小 学. 校 プ ロ グ ラ ム は、第2期 生 以 降 は、小 学 校 教 員 の免 許 を与 え るだ けの プ ロ グ ラム で は な くな り、 小 学 校 の 教員 を養 成 す る プ ロ グ ラム と して機 能 して い る。そ れ ゆ え プ ロ グ ラ ムを 修 了 す るに は、 小 学 校 の 教 師 にな りた い と い う強 い意 欲 を学 生 が もつ こ とが 、 必 要 で あ る と推 察 で き る。. 表4小. 学部. 性別. 学 校 教 員 以 外 の 進 路(第2期. 生 ∼ 第4期 生). 進 路(就 職 先). 教員採用試験受験状況. ①. 第2期 生. 農. 男. 民間会社. 2次 試験不合格. ②. 第2期 生. 農. 女. 警察. 1次 試験不合格. ③. 第2期 生. 農. 女. 大学院. 大 阪 市 ・小 学 校 合 格. ⑬. 第3期 生. 経済. 男. 地方銀行. 1次 試験不合格. 23. 備. 考. 修士課程修了後、小学校教員を志望.

(10) 近畿大学教育論叢. ⑩. 第22巻 第2号(2011・2). 総 合 大 学 にお け る小 学 校 の 教 師 を 目指 す 困 難 近 畿 大 学 と い う規 模 の 大 きな 総 合 大 学 で は、1学 年 の 学 生 が 約5千 名 に近 いた め、1学 年10. 名 ∼40名 程 度 の プ ロ グ ラ ムの 学 生 の(表1参. 照)全 学 生 に 占め る比 率 は、1%を. 大 き く下 回 る。. その た め小 学 校 プ ロ グ ラ ムの 学 生 は、 各 学 部 ・学 科 に散 在 す る こ と にな る。 普 段 の 授 業 や ク ラ ブ ・サ ー クル 活 動 な どの 学 生 生 活 で は、 小 学 校 の 教 員 を 目指 そ う と い う仲 間 が 、 周 囲 に まず い な い。 人 間 は常 に環 境 や 周 囲 の 人 間(家 族 、 友 人 等)の 影 響 を 受 け る。 小 学 校 の 教 員 を 目指 す 人 間 や 、 小 学 校 の 教 員 を 目指 す こ とを 勧 め る人 間 が 周 囲 に いな い状 況 下 で 、 小 学 校 プ ロ グ ラ ム の 参 加 学 生 が 、 プ ロ グ ラ ムの 学 習 意 欲 を維 持 ま た は向 上 させ るの は困 難 で あ る。 た だ し比 較 的 小 規 模 な 大 学 で は、 プ ロ グ ラ ムの 参 加 者 ど う しが 、 学 生 生 活 の 中で 比 較 的 コ ン タ ク トを と りや す い。 中 に は特 定 の 学 部 ・学 科 の 学 生 が 、 集 中的 に プ ロ グ ラ ム に参 加 して い る 場 合 も あ る(6)。 この 場 合 は、周 囲 に小 学 校 プ ロ グ ラム に参 加 す る学 生 が、 多 数 い る こ とに な る。 それ ゆえ 前 述 の よ う に、 参 加 学 生 が 将 来 小 学 校 の 教 員 にな りた い と い う気 持 ちを 維 持 しに くい 状 況 は、 通 信 教 育 併 習 の プ ロ グ ラ ムを 導 入 して い る大 学 の 内、 在 校 生 の 人 数 が 多 く学 部 ・学 科 の 数 も多 い総 合 大 学 で 、 よ り深 刻 な 問 題 で あ る。 そ こで 総 合 大 学 で あ る近 畿 大 学 の 場 合 、 学 生 の 小 学 校教 員 を志 向す る動 機 を 高 め るた め に、何 らか の支 援 策 を講 じる必 要 が 生 じるの で あ る。. 2.小. 学 校 教 員 へ の 就 職 志 向 を 向 上 させ る対 策. それ で は 「小 学 校 プ ロ グ ラ ム」 に参 加 す る学 生 に対 して 、 小 学 校 の 教 師 にな ろ う とす る意 欲 を 向上 させ る対 策 と して 、 大 学 が 取 り得 る もの に は どの よ うな もの が あ るだ ろ うか 。 と りあえ ず 一 般 に考 え られ る もの と して 、 次 に7種 の 対 策 を示 そ う。 も ち ろん(1)の課 程 認 定 と(2)の専 任 教 員 の 採 用 に関 して は、 学 校 経 営 の 基 本 方 針 に関 す る こ とで あ り、 プ ロ グ ラ ムの 学 生 を 指 導 す る担 当の 教 員 に は、 実 施 す る権 限 が そ も そ もな い。 それ ゆえ 小 学 校 プ ロ グ ラ ムの 学 生 を 指 導 す る教 員 の 立 場 と して で き るの は、(3)以下 の 向 上 策 の み で あ るの は明 白で あ る。 その 中で(3)∼(5)に示 す 対 策 は、 毎 週 、 隔 週 、 毎 月 に それ ぞ れ1回 開 催 す る よ うな 、 定 期 的 に 行 う対 策 で あ る。 けれ ど も それ ぞ れ の 項 に事 情 を 記 述 す る よ う に、 これ らの 定 期 的 な 対 策 を 行 う こ と も現 状 で は難 しい。 と い う こ とで 結 局 の と こ ろ、 我 々 は小 学 校 プ ロ グ ラ ム に参 加 す る学 生 に対 して 、 ⑥ 以 下 に述 べ る単 発 の イベ ン トも し くは行 事 を 、 動 機 づ けの 対 策 と して 企 画 す る こ と に な る。 しか しな が らこれ らの 単 発 的 ・非 定 期 の 行 事 も、 近 畿 大 学 の 現 状 で は実 行 が 難 し い状 況 に あ る。. 24.

(11) 通 信 教 育 併 習 に よ る小 学 校 教 員 の 「養 成 」 一 そ の3:小. 学 校 の 教 師 を 目指 す 動 機 付 け の 必 要 性 一. な お本 稿 で は、教 員 を 目指 す 動 機 付 け の対 策 と して 、教 員 採 用 試 験 に 向 け た筆 記 試 験 対 策 や、 面 接 指 導 の よ うな 受 験 対 策 は扱 わ な い。 大 学 生 の 就 職 活 動 は、3年 生 の 夏 休 み か ら始 ま る。 そ の た め プ ロ グ ラ ム に参 加 す る学 生 も、3年 生 の 後 期 にな れ ば、 多 くが 採 用 試 験 を 意 識 す る よ う にな る。 しか しプ ロ グ ラ ムの 学 習 に入 る2年 生 、 そ して プ ロ グ ラ ムの 最 も忙 しい3年 生 の 前 半 まで の 学 生 に と って は、 まだ 実 感 の 沸 か な い採 用 試 験 に関 す る話 よ りも、 教 師 と い う仕 事 そ の もの の 魅 力 が 、 プ ロ グ ラ ム に対 す る学 習 意 欲 を 高 め る と思 わ れ る。 そ こで 本 稿 で は、 あ くまで 教 師 と い う職 業 に対 す る魅 力 を 高 め る、 動 機 付 け に関 す る もの に限 定 して 分 析 を 行 う。. (1)小 学 校 教 諭 の 免 許 を 学 内 で 取 得 で き る よ う、 課 程 認 定 を 受 け る こ と 小 学 校 プ ロ グ ラ ム に参 加 す る学 生 の 、 学 習 意 欲 を 高 め る何 よ りも効 果 的 な 対 策 は、 学 内で 小 学 校 免 許 を取 得 で き る よ う に、 文 部 科 学 省 に 申請 して 課 程 認 定 を受 け、 小 学 校 教 諭 の 免 許 を 学 内で 取 得 で き る よ う にす る こ とで あ る。 課 程 認 定 を 受 け た場 合 は、 小 学 校 教 育 を 専 門 に研 究 ・ 教 育 す る専 任 教 員 が 、 一一 定 数 配 置 され 、 小 学 校 教 育 に関 す る専 門 の 授 業 が 学 内で 多 数 開 講 され る。 ま た設 備 や 備 品 も充 実 す る。 例 え ば音 楽 室 が で き、 ピ ア ノ も多 数 備 わ る。 また 家 庭 科 の 調 理 実 習 が 可 能 な 調 理 室 な ど も、 設 置 され る。 う ま くい け ば プー ル な ど も、 設 置 され るか も知 れ な い。 この よ うな 人 的 、 物 的 両 面 で の 画 期 的 な 改 善 策 が 、 小 学 校 の 教 員 を 養 成 す るた め に講 じ られ る。 その 結 果 、 学 生 は 日常 の 大 学 生 活 の 中で 、 小 学 校 の 教 員 と い う職 業 を 常 に意 識 す る こ とが で き る よ う にな る。 も ち ろん 小 学 校 課 程 の 認 定 を 受 け る ぐ らいな ら、 わ ざわ ざ他 大 学 の 通 信 教 育 課 程 と連 携 す る 小 学 校 プ ロ グ ラ ムな ど を運 営 しな い。 しか しな が ら総 合 大 学 の 中 に は、 特 定 の 学 部 ・学 科 の 学 生 に限 り課 程 認 定 を 受 けて 、 小 学 校 教 諭 の 免 許 の 取 得 を 可 能 に し、 そ れ 以 外 の 学 部 ・学 科 の 学 生 に は従 来 ど お り 「小 学 校 プ ロ グ ラ ム」 に参 加 させ て 、 小 学 校 教 諭 の 免 許 を 取 得 させ る、 複 数 の 養 成 方 法 を併 用 す る大 学 も あ る(7)。. (2)小 学 校 教 諭 の 経 験 者 を 専 任 教 員 と して 招 膀(採 用) 次 に効 果 的 な の は、 小 学 校 教 諭 の 経 験 者 を 専 任 教 員 と して 採 用(招 聰)し て 、 小 学 校 プ ロ グ ラ ムの 学 生 の 教 育 と指 導 に あ た って も らう こ とで あ る。2010年 度 現 在 、 近 畿 大 学 に お いて 全 学 の 教 職 課 程 と教 員 採 用 試 験 対 策 を 担 当 す る教 職 教 育 部 に は、 小 学 校 教 諭 の経 験 者 は皆 無 で あ る(8)。また そ もそ も小 学 校 教 諭 の免 許 の 取 得 者 も、 専 任 教 員 に は1名 ∼2名 程 度 しか い な い よ. 25.

(12) 近畿大学教育論叢. 第22巻 第2号(2011・2). う だ。 さ らに教 員 養 成 大 学 や 教 員 養 成 学 部 の 出身 者 で す ら、 それ ほ ど多 くはな い。 専 任 教 員 の 過 半 数 は、 旧帝 大 系 の 国 立 大 学(9)、 旧 高 等 師 範 系 の総 合 大 学(広 島大 学 、 筑 波 大 学)、 私 立 の 総 合 大 学(関 西 学 院 大 学 、立 命 館 大 学 等)な どの 出 身者 で あ る。多 様 な学 歴 の教 員 が揃 って い る。 そ も そ も近 畿 大 学 で は、 中学 校 や 高 校 の 教 員 免 許 の 課 程 認 定 を 受 けて い る。 当 然 教 職 課 程 の 授 業 の 内容 は、中学 校 や高 校 の教 育 に関 す る こ とが 中心 で あ る。そ の た め 小 学校 教 諭 の経 験 者 を、 専 任 教 員 に採 用 す る必 然 性 はな い。 本 学 に お いて は、 専 任 教 員 に小 学 校 で の 勤 務 経 験 の あ る者 が いな いた め、 ど う して も小 学 校 教 育 の 詳 しい話 を、 多 くの 授 業 で 行 うの は困 難 で あ る。 その 結 果 教 職 課 程 の 授 業 を 受 けて も、 小 学 校 の 教 員 を 目指 そ う と思 わ せ る刺 激 を 、 学 生 が 受 け に くい と想 像 で き る。 また 近 畿 大 学 で は、 小 学 校 プ ロ グ ラ ムの 学 生 を 支 援 す る た め、 教 職 教 育 部 内 に小 学 校 プ ロ グ ラ ム委 員 会 が 設 置 され て お り、2010年 度 は委 員5名 で 指 導 に あ た って い る。 しか し残 念 な が ら、 委 員 全 員 に小 学 校 の 勤 務 経 験 が な い た め、 現 場 の 切 実 な 問 題 や 小 学 校 教 員 と して の や りが いな ど、 経 験 者 の み が 語 れ る指 導 が で きな いの が 、 苦 しい と こ ろで あ る。 けれ ど も総 合 大 学 の 場 合 で も、 例 え ば立 命 館 大 学 で は、 教 職 支 援 セ ン ター に小 学 校 教 諭 の 経 験 者 が 専 任 教 員 と して 勤 務 して いて 、 小 学 校 の 教 員 を 志 望 す る学 生 に対 して 、 経 験 に裏 付 け ら れ た指 導 を行 って い る と聞 く。 この 立 命 館 大 学 の事 例 の よ う に、 「小 学 校 プ ロ グ ラム」 を 開 設 す る大 学 の 場 合 は、 専 任 ス タ ッフ に小 学 校 教 諭 の 経 験 者 が 少 な くと も1名 は い るの が 理 想 で あ ろ う。. (3)小 学 校 で の ス クー ル ・イ ン ター ン シ ップ 、 ボ ラ ン テ ィ ア 実 際 に職 場 へ 出向 き仕 事 を 体 験 す る と、 学 生 は その 職 業 を 深 く理 解 し、 中 に はそ の 職 業 に就 くこ と を強 く志 望 す る者 もで て くる。 それ ゆえ イ ンタ ー ンシ ップ と ボ ラ ン テ ィ アな どの 職 場 で の 実 地 体 験 は、そ の職 業 に必 要 な 資 格 を と るた あ の学 習 の動 機 付 け と して、 とて も有 効 で あ る。 近 畿 大 学 教 職 教 育 部 に お いて は、 地 元 の 教 育 委 員 会(大 阪 府 、 大 阪 市 、 東 大 阪 市 、 八 尾 市) と提 携 して 、 教 職 課 程 の 受 講 生 に対 して 、 ス ク ール ・イ ンタ ー ンシ ップ、 ボ ラ ン テ ィ アな どの 体 験 を奨 励 して い る。 そ して 小 学 校 に も、 多 くの 学 生 を派 遣 して い る。 また ボ ラ ン テ ィ ア につ いて は、 学 生 が 個 人 的 に学 校 や 教 育 委 員 会 に応 募 して 行 く場 合 も あ る し、 教 員 が 個 人 的 に校 長 先 生 等 に頼 ん で 、 学 生 を 派 遣 して い る場 合 も あ る と思 わ れ る。 ただ し小 学 校 プ ロ グ ラ ムの 学 生 を対 象 と して 、 特 別 に イ ン タ ー ン シ ップや ボ ラ ン テ ィ アを 派 遣 す る こ と は、 現 在 近 畿 大 学 で は. 26.

(13) 通 信 教 育 併 習 に よ る小 学 校 教 員 の 「養 成 」 一 そ の3:小. 学 校 の 教 師 を 目指 す 動 機 付 け の 必 要 性 一. 行 っ て い な い ⑩。 ま た 現 在 の 仕 組 み で 、 小 学 校 へ の イ ン タ ー ン シ ッ プ や ボ ラ ン テ ィ ア に 誰 で も 参 加 で き る た め、 小 学 校 プ ロ グ ラ ムの 学 生 に限 定 した イ ン ター ン シ ップや ボ ラ ン テ ィ ア指 導 の 必 要 性 を、 特 に感 じる こ と もな い。. (4)小 学 校 教 育 に関 す る補 習 ・講 座 等 小 学 校 の 教 員 を志 望 す る学 生 と小 学 校 の 教 員 に関 心 を 持 つ 学 生 とを 対 象 に、 週 に一 コマ の よ う に定 期 的 に授 業 を 行 うか 、 ま た は夏 休 み な ど に集 中的 に授 業 を 行 う こ と も、 有 効 な 対 策 で あ る。 教 員 採 用 試 験 の 受 験 対 策 で はな く、 小 学 校 教 育 その もの に関 す る授 業 を 行 う。 しか しこれ は あ くまで も理 想 論 で あ る。 小 学 校 プ ロ グ ラ ムの 学 生 を 実 際 に指 導 して み る と、 彼 ら に は時 間 的 な 余 裕 が あ ま りな い こ とが 分 か っ た。 小 学 校 プ ロ グ ラ ム に入 った 学 生 は、 レポー ト作 成 等 の 通 信 教 育 の学 習 に追 わ れ、 時 間 的 に余 裕 が な い(ID。しか も専 門 の勉 強(例:経 生 が 経 済 学 につ いて 学 ぶ)を. 済 学部 所 属 の 学. こな し、 さ らに 中学 校 教 諭 の 教 職 課 程 の 履 修 も して い る。 そ の 上. 学 校 に ボ ラ ンテ ィ ア と して 定 期 的⑫ に 出向 く学 生 も い る。 ま た経 済 的 な 理 由で アル バ イ トを せ ざ る を得 な い学 生 も い る。 この よ う に時 間 的 な 余 裕 が プ ロ グ ラ ム参 加 の 学 生 に ほ とん どな い状 況 で は、 毎 週 定 期 的 に補 習 を開 催 して も、 参 加 者 が 多 い と は思 え な い。 ま た そ も そ も複 数 の 学 部 に分 散 す る プ ロ グ ラ ム の 学 生 は、 それ ぞれ の 学 部 や 個 人 の 事 情 に応 じて 、 時 間 割 を組 ん で い る。 そ の た め全 員 ど こ ろ か 、 半 数 以 上 の 学 生 が 共 通 に授 業 を 履 修 して いな い 「空 き時 間 」 は、 平 日 に は まず な い。 土 曜 日の 午 後 な らほ ぼ全 員 が 授 業 を 履 修 して いな いが 、 学 生 た ち は さ ま ざ まな 理 由(ア ル バ イ トが 一 番 多 い よ うで あ る)で 、 土 曜 日午 後 の 授 業 の 開 講 を歓 迎 しな い。 この よ うな 理 由か ら、 近 畿 大 学 で は この種 の講 座 を定 期 的 に開 講 して も、学 生 の 参 加 が残 念 な が ら見 込 めな い状 況 に あ る。. (5)附 属 小 学 校 との 交 流 近 畿 大 学 に は幸 いな こ と に、 附 属 小 学 校 が1校. あ る。 教 育 委 員 会 が 管 理 運 営 す る公 立 の 小 学. 校 と違 い、同 じ学 校 法 人 が 運 営 す る附 属 小 学校 で は、本 学 の 学 生 を ボ ラ ンテ ィア と して派 遣 し、 小 学 校 の 授 業 や 行 事 を 見 学 させ て 、 さ らに手 伝 いを させ る こ と も容 易 な はず で あ る。 しか しな が ら大 学(特. に教 職 教 育 部)と 附 属 学 校 との 人 事 面 や 活 動 面 で の 交 流 が 、 近 畿 大 学 の 場 合 これ. まで 組 織 的 に行 わ れ て い た状 況 に はな か っ た。 も ち ろん 前 述 の よ う に、 個 々の 教 職 員 レベ ル で さ ま ざ まな 試 み が 行 わ れ て い た こ と も事 実 で あ る。 しか しな が ら、 これ らの 試 み が 制 度 と して. 27.

(14) 近畿大学教育論叢. 第22巻 第2号(2011・2). 結 実 す る よ り早 く2010年4月. に、奈 良県 奈 良 市 の 近 鉄 奈 良 線 菖蒲 池 駅 前 の 旧菖 蒲 池遊 園地 跡 に、. 附 属 小 学 校 は附 属 幼 稚 園 と と も に、 東 大 阪 市 か ら移 転 した。 以 前 の 東 大 阪 市 内の 小 学 校 の 校 舎 は、大 学 キ ャ ンパ ス か ら1km程. 度 離 れ て い る だ け で あ った。 けれ ど も新 校 舎 へ は、大 学 の キ ャ. ンパ スか ら徒 歩 と電 車 を 利 用 して 、 片 道1時 間 以 上 か か る。 この 地 理 的 な ハ ンデ ィの た め、 小 学 校 プ ロ グ ラム の学 生 と附属 小 学 校 との 交流 の機 会 を設 け るの が 、大 変 困難 にな って しま った。. (6)現 役 の 教 員 との 交 流 附 属 小 学 校 を含 めて 現 場 の 小 学 校 の 教 員 との 交 流 の 場 を設 け る こ と は、 小 学 校 の 教 師 を 目指 す 意 欲 を高 め る た め に は、 有 効 な 対 策 で あ ろ う。 ただ しこの よ うな 交 流 は、 学 生 と教 員 の 双 方 と も に メ リ ッ トが な い と、 長 続 きせ ず に線 香 花 火 の よ う に単 発 で 終 わ る。 小 学 校 教 員 の 養 成 課 程 が な い近 畿 大 学 で は、 た とえ 両 者 の 交 流 機 会 を設 け て も、現 役 の 学 生 に しか メ リッ トが な い。 教 員 志 望 の 学 生 と交 流 す るだ けで は、 現 場 の 先 生 が 定 期 的 に 出向 いて くる メ リ ッ トが な いの で あ る。近 畿 大 学 で は、前 述 の よ うに小 学 校 教 育 に関 して 専 門 に研 究 す る専 任教 員 が い な い た め、 現 場 の 教 員 が 小 学 校 教 師 と して の 技 量 を高 めて 、 小 学 校 教 育 に関 す る専 門 知 識 を 深 め る研 修 等 の 機 会 も設 け に くい。 残 念 な が ら、 多 忙 な 業 務 に追 わ れ る現 場 の 先 生 方 にわ ざわ ざ来 て 戴 くの は、 ま だ ま だ難 しい状 況 に あ る。. (7)OB教. 員 との 交 流. た だ し本 学 卒 業 のOB教. 員 を 年 に1∼2回. 招 くこ と は、 それ な りに現 場 の 教 員 へ も プ ラ ス に. な る。 あ りが た い こ とで あ るが 、 母 校 を懐 か しむ 卒 業 生 は多 い。 そ して 母 校 の 後 輩 で あ る教 員 志 望 の 現 役 の 学 生 達 と語 りた い と思 うOB教 年 よ り毎 年1回11月. 員 も、 結 構 お られ る。 そ こで 近 畿 大 学 で は、2004. 頃 に、 同窓 教 員 の 会 「近 畿 大 学 同窓 教 員 親 睦 会 」 を 開 催 して 、OB教. 員と. の 交 流 を進 めて い る。2010年 度 に は、11月27日 の 土 曜 日の 午 後 に、 この 親 睦 会 を 開 催 した 。 しか しな が ら、 小 学 校 プ ロ グ ラ ムの 卒 業 生 が 輩 出 したの は、2008年3月. と まだ 最 近 の こ とで. あ る。 その た め 出席 す る 同窓 教 員 の 多 くは、 小 学 校 で はな く、 中学 校 と高 等 学 校 で 勤 務 され て い る。 ま た この 同窓 教 員 の 会 は、 あ くまで も 「同窓 会 」 と して 位 置 づ け られ て い るの で 、 在 学 生 で 参 加 を許 され るの は、 その 年 の 夏 に実 施 され た教 員 採 用 試 験 に、 見 事 合 格 した4年 生 の 学 生 に限 られ る。 と い う こ とで 、 小 学 校 で 働 く同窓 教 員 と小 学 校 プ ロ グ ラ ムの 学 生 との 交 流 を 行 う に は、 別 の. 28.

(15) 通 信 教 育 併 習 に よ る小 学 校 教 員 の 「養 成 」 一 そ の3:小. 学 校 の 教 師 を 目指 す 動 機 付 け の 必 要 性 一. 形 の イベ ン トを開 始 しな い と い けな い。 しか しな が ら、 現 場 の 職 務 に多 忙 なOB教. 員を定期的. に招 くこ と 自体 、 非 常 に困 難 で あ る。 そ して 事 務 局 機 能 を 誰 が 担 うか と い う、 事 務 負 担 の 問 題 が 生 じる。 その た め この 種 の 交 流 の 機 会 を 、 小 学 校 プ ロ グ ラ ム担 当教 員 だ けで 、 定 期 的 に設 け るの は困 難 で あ る。 教 員 が 卒 業 生 を 個 人 的 に招 いて 、 出席 可 能 な 在 学 生 に話 を 聞 か せ る と い っ た、 非 定 期 的 な イベ ン トに ど う して もな らざ る を得 な い。. 3.採. 用 試 験 合 格 者 に よ る パ ネ ル ・デ ィ ス カ ッ シ ョ ン. 結 局 の と こ ろ実 現 可 能 な の は、 教 員 採 用 試 験 に合 格 した4年 生 を、 秋 以 降(教 員 採 用 試 験 の 最 終 合 格 を、 毎 年9月 ∼10月 前 後 に行 う 自治 体 が 多 いの で 、 合 格 者 の 体 験 談 は9月 以 降 で な い と実 施 で き な い)に 数 名 招 い て 、 後 輩 で あ る3年 生 以 下 の 学 生 を 対 象 に、 「合 格 者 」 の体 験 を 語 って も らう と い う こ とで あ る。 残 念 な が ら、 忙 しいOBの. 教 員 を招 くよ りも、 日頃 か ら接 触. し教 員 採 用 に 向 けて 指 導 を 行 っ た学 生 に直 接 頼 む の が 、 手 間 が か か らな い し、 話 し手 を 確 実 に 招 集 で き る。 教 職 に 関 す る事 務 局(近 畿 大 学 で は 「学 務 部 」)や 全 学 組 織 の 校 友 会 な どを 煩 わ さな い限 り、 現 場 の 教 員 やOB教. 員 の 動 員 は難 しい。 その 結 果 在 学 生 に対 す る教 職 へ の 動 機 づ. け は、 「在 学 生 に よ る在 学 生 へ の体 験 発 表 」 の形 に、 ど う して もな らざ る を得 な い。 さて 近 畿 大 学 に お いて は、 この 種 の 「発 表 会 」 は、 毎 年2回 行 わ れ て い る。 そ の う ち教 職 教 育 部 が主 催 す る採 用 試 験 合 格 者 の体 験 談(「 パ ネ ル ・デ ィス カ ッ シ ョン」 とい う名 称 で 呼 ん で い る)に つ いて 述 べ よ う。 な お残 りの1つ の 「体 験 発 表 会 」 は、 文 芸 学 部 が 主 催 して い る。 た だ し これ は話 し手 も聞 き手 も文 芸 学 部 の 学 生 が大 半 で あ る。 平 日午 後 の 同 学 部 の ア ッセ ン ブ リー ・ア ワ ー(2010年. 度 は火 曜 日の 第4次 限)の 時 間 帯 に開 催 され る。 そ の た め、 文 芸 学 部 の. 学 生 は授 業 と重 な らず に 出席 しや す い。 しか し他 学 部 の 学 生 は、 授 業 を 受 講 して い る時 間 帯 な の で 参 加 しに くいの で あ る。 小 学 校 プ ロ グ ラ ム は全 学 対 象 の プ ロ グ ラ ムで あ るの で 、 この 文 芸 学 部 の 主 催 す る催 しにつ いて は、 本 稿 で は特 に検 討 しな い。. (1)「 パ ネ ル ・デ ィス カ ッ シ ョ ン」 の開 催 主 体 教 職 教 育 部 が 主 催 す る合 格 者 の 体 験 談 は 、正 式 名 称 は、「ス タ ー ト講 座 の パ ネ ル ・デ ィ ス カ ッ シ ョ ン」 と呼 ば れ る。 最 近 は 例 え ば 「教 職 支 援 セ ン ター[立 命 館 大 学]」 の よ うな名 称 の 全 学 共 通 の 組 織 を立 ち上 げて 、 教 職 課 程 の カ リキ ュ ラ ムの 管 理 運 営 と は切 り離 して 、 教 員 採 用 試 験 の 対 策 を主 と して 行 う部 局 を 設 け る総 合 大 学 が 増 加 して い る。 しか し近 畿 大 学 で は、 全 学 共 通. 29.

(16) 近畿大学教育論叢. 第22巻 第2号(2011・2). の 機 構 で あ る教 職 教 育 部 が 、 教 職 課 程 の カ リキ ュ ラ ムの 管 理 運 営 及 び教 員 採 用 試 験 の 対 策 の 両 方 を、 担 当 して い る。 な お教 員 採 用 試 験 の 対 策 は、 職 務 分 担 の 上 で は、 教 職 教 育 部 の 部 内委 員 会 組 織 で あ る 「進 路 委 員 会 」 が 担 当 して い る。 パ ネ ル ・デ ィ ス カ ッシ ョン は、 同委 員 会 が 主 催 す る教 員 採 用 試 験 対 策(「 ス タ ー ト講 座 」)の 一環 で あ る。 ネ ー ミン グの 経 緯 は知 らな い けれ ど も、1年 後 に迫 っ た教 員 採 用 試 験 に向 けて 、 学 習 を ス ター トさせ るね ら いで 、 「ス タ ー ト講 座 」 と呼 ぶ と思 わ れ る。. (2)教 育 委 員 会 出 身 者 に よ る指 導 教 員 採 用 試 験 の 合 格 を 目標 とす る指 導 は 、単 に筆 記 試 験 の知 識 を教 え るだ けで はな い。面 接 、 集 団 討 論 、 模 擬 授 業 な ど多 くの 選 考 方 法 に、 学 生 を 習 熟 させ な い と い けな い。 だ か ら、 学 生 に 対 して き め細 か な 指 導 をす る こ とが 求 め られ る。 委 員 会 組 織 で 担 当す る に は、 実 務 的 な 教 育 指 導 の 負 担 が あ ま りに も重 い。 そ こで 近 畿 大 学 で は、 大 阪 府 の 府 立 高 校 や 府 下 の 公 立 中学 校 の 校 長 経 験 者 で 、 か つ 教 育 委 員 会 の 管 理 職 を 務 め られ た有 能 な 先 生 方 を 招 聰 して 、 教 員 採 用 試 験 対 策 の 指 導 を 担 当 して戴 いて い る。な お あ くまで も教 職 教育 部 の教 員 と して お招 き して い るの で、 教 職 課 程 の 授 業 を本 務 と して 担 当 して 戴 いて い る。 決 して 採 用 対 策 専 属 の 教 員 で はな い。2010 年 度 で は、 この よ うな 経 歴 を 持 つ 教 職 教 育 部 の3名 の 教 員 が 進 路 委 員 会 の 委 員 にな り、 学 生 の 受 験 指 導 の 中心 的 役 割 を果 た して い る。 そ して 進 路 委 員 会 の 他 の 委 員 及 び教 職 教 育 部 の 全 教 員 が 、 必 要 に応 じて(例:面. 接 練 習 の 面 接 官 の 役)指 導 に加 わ って い る。. (3)「 パ ネ ル ・デ ィス カ ッ シ ョ ン」 の開 催 時期 進 路 委 員 会 は、 教 員 採 用 試 験 の 対 策 と して 、 面 接 指 導 、 宿 泊 合 宿 、 筆 記 試 験 対 策 の 補 習 な ど の さ ま ざ ま な活 動 を 行 って い る。3年 生 の 後 期 の 開 始 時(9月. 中旬)か. ら、 採 用 試 験 の 指 導 を. 本 格 的 に開 始 して い る。 指 導 の 最 終 段 階 が 、4年 生 の 夏 に実 施 され る採 用 試 験 で あ るの は言 う まで もな い。 約1年 近 い期 間 、 教 員 採 用 試 験 の 合 格 を 目指 す 学 生 達 を 、 懇 切 丁 寧 に指 導 す る。 まず 指 導 の 開 始 時 期 で あ る10月 に、 採 用 試 験 対 策 の 第 一 歩 と して 、 翌 年 教 員 採 用 試 験 の 受 験 に挑 む3年 生 を 対 象 に、採 用試 験 に合 格 した直 後 の先 輩 の体 験 談 を聞 か せ よ うと して 、パ ネル ・ デ ィ ス カ ッシ ョ ンを 開 催 す る。 しか しな が ら過 半 数 の 学 生 が 受 験 す る地 元 の 大 阪 府(政 令 都 市 の た め単 独 で 募 集 を す る大 阪 市 と堺 市 も)の 、 最 終 合 格 発 表 が 例 年10月 下 旬 で あ るた め、 パ ネ ル ・デ ィ ス カ ッシ ョンが 開 催 され る10月 中旬 時 点 で は、 大 阪 府(大 阪 市 、 堺 市)の 受 験 者 は結. 30.

(17) 通 信 教 育 併 習 に よ る小 学 校 教 員 の 「養 成 」 一 そ の3:小. 学 校 の 教 師 を 目指 す 動 機 付 け の 必 要 性 一. 果 待 ちの 状 況 で あ る。 その 結 果 パ ネ ル ・デ ィ ス カ ッシ ョンで は、 大 阪 府 の 合 格 者 の 体 験 談 を 、 残 念 な が ら聞 くこ とが で きな い。 そ こで その 時 点 で 結 果 が 判 明 して い る他 の 自治 体(愛 知 県 、 神 奈 川 県 、 東 京 都. 等)の 合 格. 者 を、 パ ネ ラ ー に選 ん で パ ネ ル ・デ ィ ス カ シ ョンを 開 催 して い る。 た だ しこれ らの 自治 体 の 合 格 者 の ほ ぼ全 員 が 、 大 阪 府(ま 大 阪 府(ま. た は大 阪 市 、 堺 市)を 第 一 希 望 に して 受 験 して い る。 そ の た め. た は大 阪 市 、 堺 市)の 教 員 採 用 試 験 の 内容 と その 準 備 対 策 につ いて も、 パ ネ ラー に. 語 って も らう こ とが で き る し、 実 際 例 年 語 って も らって い る。 総 合 大 学 の 悲 しい と こ ろだ が 、 この よ うな 催 しを全 学 の 教 員 志 望 の 学 生 を 対 象 に開 く場 合 、 日時 の 設 定 が 容 易 で はな い。 学 生 の 多 くが 平 日全 日 と土 曜 日の 午 前 中 に、 学 部 及 び教 職 課 程 の 授 業 を受 講 して い るか らで あ る。 それ ゆえ 土 曜 日の 午 後 に しか 、 全 学 の 学 生 を 対 象 とす る この 種 の 行 事 は行 え な い。 さ らに9月 、10月 は後 期 開 催 直 後 で も あ り、 土 曜 日の 午 後 に は、 学 内の 教 員 を対 象 とす る人 権 研 修 、 教 育 実 習 や 介 護 等 体 験 の 事 前 ガ イ ダ ンスな どの 予 定 が 、 集 中 して い る。 それ らの 行 事 との 日程 調 整 の 結 果 、 パ ネ ル ・デ ィ ス カ ッシ ョン は、 必 ず しも理 想 の 日程 と は言 い難 い、10月 の 中旬 の 土 曜 日 に開 催 す る よ う にな っ た と思 わ れ る。 パ ネ ル ・デ ィ ス カ ッシ ョン は、 形 式 上 「進 路 委 員 会 」 の 開 催 す る教 員 採 用 対 策 指 導 の 一 つ の 行 事 で あ る。 しか し実 質 的 に は、 「教 職 ナ ビ」 と い う名 称 の、 教 員 希 望 の学 生 の サ ー クル が 運 営 して い る。 顧 問 の 教 員(前 述 の 教 育 委 員 会 出身 者3名)の. 指 導 の も と、 同サ ー クル の4年 生. の 合 格 者 が 、 同サ ー クル に加 入 して い る3年 生 の 後 輩 に語 る形 を と って い る。2010年 度 は、10 月22日 の 土 曜 日の 午 後 に開 催 され た。. (4)「 パ ネ ル ・デ ィ ス カ ッ シ ョ ン」 の 進 行 パ ネ ル ・デ ィ ス カ ッ シ ョ ンの 企 画 ・運 営 は 、 前 述 の サ ー ク ル 教 職 ナ ビ の 役 員(4年. 生)を. 中. 心 に行 わ れ る 。 司 会 進 行 は 主 に役 員 が 行 う 。2010年 度 の パ ネ ル ・デ ィ ス カ ッ シ ョ ン の ス ケ ジ ュ ー ル は 、次 の よ う に な っ て い た(な. お 当 日会 場 配 布 さ れ た 進 行 予 定 表 が 執 筆 時 に手 元 に な い た め 、. 筆 者 が 当 日 に 書 い た メ モ を も と に 再 現 して い る 。 そ の た め ス ケ ジ ュ ー ル の 詳 細 に 関 して 、 正 確 で な い 部 分 が あ る か も 知 れ な い 。)。. 31.

(18) 近畿大学教育論叢. 第22巻 第2号(2011・2). 2010年. 第1部. 合 格 者 体 験 談(13時. 度. パ ネ ル ・デ ィ ス カ ッ シ ョ ン の 進 行 予 定. ∼15時). ① 先 生 か らの お 話 、 ② パ ネ ラー に質 問 、 ⑧ 質 疑 応 答 、 ④ これ か ら教 員 採 用 試 験 を 受 験 され る皆 さん へ 第2部. 模 擬 授 業(15時. ∼17時). この パ ネル ・デ ィ ス カ ッシ ョ ンの 再 現 は、 本 稿 の 主 旨で はな い。 以 下 本 稿 の 展 開 上 必 要 な パ ネ ル ・デ ィ ス カ ッシ ョン に関 す る事 項 につ いて 、 簡 潔 に述 べ た い。 まず パ ネ ラ ーの 体 験 談 は、 主 に② の 「パ ネ ラー に質 問 」 の コー ナー で 行 わ れ る。 司 会 の 学 生 か らの質 問 に答 え る形 で 、 大 教 室 の 教 壇 の 上 か ら話 をす る の で あ る。 あ らか じめ 司 会 とバ ネ ラ ーの 事 前 打 ち合 わ せ が 十 分 行 わ れ て い る よ うで 、 話 の ま とが 絞 れ て いて 、 聴 衆 に は分 か りや す い話 で あ っ た。 聴 衆 は教 職 ナ ビに所 属 す る3年 生 が 中心 で 、 あ と1、2年. 生 も多 少 い る。 学. 生 の 聴 衆 は合 計70∼80名 程 度 い た よ う に思 う。 な お教 員 の 聴 衆 が 、 教 職 教 育 部 の 教 員 を 中心 に して 、 約10名 程 度 い た よ う に思 う。. (5)パ ネ ラー 2010年 度 の パ ネ ル ・デ ィ ス カ ッシ ョン に お いて は、 パ ネ ラ ー は合 計6名 で あ った 。 全 員 教 職 ナ ビで 熱 心 に活 動 して い る4年 生 で 、 人 選 は採 用 試 験 合 格 者(大 阪 府 と大 阪 市 は、 合 格 発 表 が 10月26日 に控 え て い た た め、 発 表 の 済 ん だ 首 都 圏 や 愛 知 県 の 採 用 試 験 の 合 格 者 か ら選 ばれ た) の 中か ら、 校 種 ・教 科 の バ ラ ン スを 考 え て 、 顧 問 の 教 員 が 指 名 した と思 わ れ る。 パ ネ ラ ーの 性 別 、 学 部 、 合 格 した校 種 ・教 科 、 合 格 した 自治 体 は次 の 通 りで あ る。 パ ネ ラー に は、 小 学 校 の 合 格 者 は1名 の み で あ っ た。 しか も小 学 校 プ ロ グ ラ ムの 参 加 者 で はな く、 小 学 校 資 格 認 定 試 験 ⑱を 受 験 して、 小 学校 教諭 の2種 免許 を前 年 度 に 取 得 した 学生 で あ った。. パ ネ ラ ー の プ ロ フ ィ ー ル(性. ①男、法学部、小学校、神奈川県、. 別 、 学 部 、 校 種 、 合 格 した 自 治 体). ② 女 、 理 工 学 部 、 中 学 ・理 科 、 愛 知 県 と神 奈 川 県. ③ 女 、 理 工 学 部 、 中 学 ・数 学 、 神 奈 川 県 、 ④ 女 、 文 芸 学 部 、 中 学 ・英 語 、 愛 知 県 と埼 玉 県 ⑤ 男 、 文 芸 学 部 、 中学 ・国 語 、 愛 知 県 、. ⑥ 男 、 文 芸 学 部 、 高 校 ・社 会 、 神 奈 川 県. 32.

(19) 通 信 教 育 併 習 に よ る小 学 校 教 員 の 「養 成 」 一 そ の3:小. 学 校 の 教 師 を 目指 す 動 機 付 け の 必 要 性 一. (6)体 験 発 表 の 内 容 各 パ ネ ラ ー に次 の8項. 目を 話 す よ う に、 「パ ネ ラ ー に質 問」 の コー ナ ー で 司会 が依 頼 した。. 本 稿 の 目的 で あ る、 小 学 校 教 員 を 目指 す 動 機 付 け に関 連 が 深 いの は、 ⑤ の 動 機 付 けの 項 目で あ る。 しか しパ ネ ラ ー に よ って は、 教 師 にな る動 機 付 けを 話 す 者 も いれ ば、 採 用 試 験 の 受 験 勉 強 の 動 機 付 けに つ い て語 る者 もいた 。パ ネ ラ ー1名 あ た りの 回答 時 間 は大 体5分 以 内 で あ った。 ま た 「質 疑 応 答 」 の コ ー ナ ーで は、 フ ロ ア ーか らの 質 問 に答 え る形 で 、 体 験 談 等 を パ ネ ラー の 学 生 が 披 露 した。 あ らか じめ教 職 ナ ビの3年 生 、2年 生 に、 司 会 の 方 か ら質 問 を 準 備 させ て い る よ うで 、 結 構 重 要 な 事 柄 につ いて バ ラ ン ス よ く質 問 が 連 続 して 行 わ れ た 。 テ レビ番 組 の 収 録 の よ う に、 脚 本 が あ るの か も知 れ な い。 小 学 校 につ いて は、 学 校 で の ボ ラ ン テ ィ アの 体 験 、 採 用 試 験 の 実 技 特 に体 育 や 図 画 工 作 の 内容 、 資 格 認 定 試 験 な ど につ いて 質 問 が あ り、 小 学 校 の 採 用 試 験 に合 格 したパ ネ ラー が 答 え て い た。 質 問 内容 の それ ぞ れ が 、 中身 の 濃 い項 目で あ り、 時 間 の 関 係 上 パ ネ ラ ー は重 要 な 事 柄 を 挙 げて 、 要 領 よ く回 答 して いた 。 しか しパ ネ ラ ー1名 当 た り5分 程 度 の 質 疑 応 答 だ けで 、 小 学 校 の 教 師 の 仕 事 と して の 魅 力 を 十 分 に伝 え き る こ と は、 到 底 無 理 で あ る。. パ ネ ラー の 発 表 内 容 ① 筆 記 試 験 対 策(1次. 試 験 を 中 心 に)、 ② 実技 対策(2次. 面 接 対 策 、 ④ 模 擬 授 業 の対 策(神. 試 験 の小 学校 と中 学校 の 英語 、 理 科)、 ③. 奈川 県 と大 阪府)、 ⑤ 動 機 付 け、 ⑥ 教 職 ナ ビの宣 伝 、 ⑦ 不 明(筆. 者. の メモ に記 載 漏 れ が あ るた め)、 ⑧ 最 後 に 一・ 言。. (7)さ. らな る動 機 付 けの 必 要. こ の パ ネ ル ・デ ィ ス カ ッ シ ョ ンの 開 催 が 、 教 員 を 志 望 す る 学 生 に と っ て 、 よ い 刺 激 と な っ て い る こ と は 間 違 い な い 。 ま た パ ネ ル ・デ ィ ス カ ッ シ ョ ン に 始 ま る 学 生 サ ー ク ル 教 職 ナ ビ の 一 連 の 活 動 は 、 教 員 に な ろ う と す る 動 機 付 け を 大 い に 高 め て くれ る も の で あ る 。 小 学 校 プ ロ グ ラ ム の 参 加 者 の 多 くが 、 教 職 ナ ビ に 入 っ て い る 。 しか し小 学 校 教 員 へ の 動 機 付 け に つ い て は 、 小 学 校 プ ロ グ ラ ムの 学 生 を対 象 に一 層 の 支 援 策 を講 じる必 要 が あ る。 ま ず パ ネ ル ・デ ィ ス カ ッ シ ョ ン に 登 場 す る 学 生 の 大 半 が 、 中 学 校 の 合 格 者 で あ る 。2010年 の 場 合 、 小 学 校 の 合 格 者 の パ ネ ラ ー は わ ず か1名. で あ っ た(年. 度 に よ っ て は2名. 度. の ときもあっ. た)。 し か も こ の 催 しは 、 教 員 採 用 試 験 の 対 策 と し て 開 い て い る の で 、 話 の 内 容 の 大 半 が 試 験. 33.

(20) 近畿大学教育論叢. 第22巻 第2号(2011・2). の 対 策 につ いて で あ る。 教 員 と して の 心 構 え や 、 教 員 志 望 の 動 機 な ど、 教 員 にな る こ と に関 す る話 も当然 出 るが 、 それ は限 られ たわ ず か の 時 間 内で しか 話 され な い。 そ して 通 信 教 育 の 学 習 に関 す る話 は まず 出な い。 さ らに教 職 ナ ビに入 って いな い学 生 が 、 パ ネ ル ・デ ィ ス カ ッシ ョン に あ ま り参 加 しな い こ と も考 慮 しな い と い けな い。 小 学 校 プ ロ グ ラ ム に参 加 して 教 員 採 用 試 験 を 受 験 す る学 生 の か な り の 部 分 は、 教 職 ナ ビに加 入 す る。 しか しな が ら、 この サ ー クル に入 らず に採 用 試 験 を 受 験 す る 学 生 も い る。 人 生 観 や 人 間 関 係 が 複 雑 な 現 代 の 学 生 気 質 を 考 え れ ば、 教 職 ナ ビ に加 入 して いな くて も教 員 を志 望 す る学 生 や 、 そ も そ も現 時 点 で 教 員 にな るか ど うか まだ 迷 って い る学 生 も い るで あ ろ う。 これ らの 教 職 ナ ビに入 らな い学 生 に対 して も動 機 付 けを 行 う こ と は、 決 して 無 駄 な こ とで はな い と思 う。 ま たパ ネ ル ・デ ィ ス カ ッシ ョン は、 教 員 や4年 生 が 多 数 参 加 す る 中、 大 教 室 で 行 わ れ る。 そ の よ う に物 々 しい雰 囲 気 の 中で は、 下 級 生 の 学 生 が 上 級 生 に対 して 質 問 を す るの も気 が ひ け る だ ろ う。 それ ゆえ 小 学 校 プ ロ グ ラ ムの 学 生 を 対 象 に、 小 学 校 の 教 師 を 目指 す 動 機 付 けの 対 策 を 独 自 に行 う必 要 が 生 じる。 特 に採 用 試 験 に合 格 した先 輩 か ら、 も っ と時 間 を か けて 、 で きれ ば 打 ち解 け た少 し気 楽 な 雰 囲 気 の 中で 、 後 輩 が 話 を 聞 く機 会 を 与 え た い と考 え る。. ま とめ 小 学 校 プ ロ グ ラ ムの 学 生 は、 レポー トの 作 成 を 中心 と した通 信 教 育 の 学 習 に、 何 よ り苦 労 し て い る。 この 困難 に立 ち 向か う に は、小 学 校 の教 師 に な りた い と い う強 い気 持 ちが必 要 で あ る。 通 信 教 育 の 学 習 を努 力 して や り遂 げ た先 輩 か ら、 心 暖 か くか つ や る気 を 鼓 舞 す る ア ドバ イ スを 聞 く機 会 を提 供 して も らい、 通 信 教 育 に取 り組 む 学 習 意 欲 の 向 上 を 図 って 欲 しい。 そ こで 次 に は、 小 学 校 の 教 師 を 目指 す 動 機 付 け と して 、 小 学 校 プ ロ グ ラ ム委 員 会 が 独 自 に行 って い る対 策 につ いて 検 討 を加 え た い。. 注 (1)本 稿 は次 の2つ の 論 稿 に続 くもの で あ る。 ①. 拙 稿 「通 信 教 育 併 習 に よ る小 学 校 教 員 「養 成 」 その1:通. 信 教 育 提 携 プ ロ グ ラ ムの 発 足. の 背 景 』 「近 畿 大 学 教 育 論 叢 第19巻 第2号 」pp.1-18、2008年3月 ②. 拙 稿 『通 信 教 育 併 習 に よ る小 学 校 教 員 「養 成 」 その2:近. 34. 発行. 畿 大 学 にお け る通 信 教 育 提 携.

(21) 通 信 教 育 併 習 に よ る小 学 校 教 員 の 「養 成 」 一 そ の3:小. 学 校 の 教 師 を 目指 す 動 機 付 け の 必 要 性 一. プ ロ グ ラ ムの 発 足 』 「近 畿 大 学 教 育 論 叢 第21巻 第1号 」pp.1-18、2009年9月. 発行. (2)近 畿 大 学 で は、 「課 外 講 座 」 と して 、2010年 度 に は合 計19種 類 の講 座(資 格 取 得 、 就 職 試 験 対 策 、語 学 力 向 上 等)を 、 学生 向 け に 学 内 の教 室 で 開講 して い る。 開講 す る講 座 の大 半 は、 学 外 の 業 者(専 門 学 校 等)が 授 業 を 担 当す る もの で あ る。 専 門 学 校 で 同種 の 講 座 を 受 講 す る よ りも、 受 講 料 が 安 価 に設 定 され て い る。 (3)近 畿 大 学 の 小 学 校 プ ロ グ ラ ム に お いて は、 提 携 先 の いか ん にか か わ らず 、 プ ロ グ ラ ム にお いて 小 学 校 教 諭1種 免 許 を 取 得 す るの に必 要 な 総 単 位 数 は、46単 位 で あ った 。 しか しそ の46 単 位 の 中で の 通 信 科 目(レ ポー ト+筆 記 試 験)と 面 接 科 目(ス クー リン グ:対 面 授 業)と の 単 位 数 の 比 率 は、 次 の よ う に変 化 して い る。 変 化 す る た び に学 生 が 不 得 意 とす る通 信 科 目の 比 重 が 高 ま って い るの で 、 学 習 の 実 質 的 な 負 担 が その 分 重 くな って い る。 特 に近 大 姫 路 大 学 との 提 携 プ ロ グ ラ ム は、 免 許 取 得 まで に必 要 な 費 用 が 約40万 円程 度 と、 小 学 校1種 教 員 免 許 を 通 信 教 育 で 取 得 す るの に通 常 必 要 な 額(約60万. 円程 度)に 比 べ て 、 大. 変 割 安 にな って い る。 その た め近 大 姫 路 大 学 が 、 コ ス ト削 減 の た め、 教 員 の 人 件 費 の か か る ス ク ー リ ング を最 少 限 度 の 開 講 に して い る よ うで あ る。 近 大 姫 路 大 学 の 初 年 度(2008年. 度近. 畿 大 学 入 学 生 に適 用)の 場 合 は、 文 部 科 学 省 の 課 程 認 定 の 問 題 な ど も あ り、 ス クー リン グの 科 目 は12単 位 あ っ た。 しか し翌 年 度 か ら同大 学 の 意 向 で 、 ス ク ー リン グ科 目を7単 位 に減 ら して い る。 ①. 聖 徳 大 学(2004年. 入 学 生 ∼2007年 入 学 生):通 信 科 目28単 位 、 面 接 科 目16単 位. 教 育 実 習2単 位 ②. 近 大 姫 路 大 学(2008年. 入 学 生):通 信 科 目32単 位 、 面 接 科 目12単 位. ③. 近 大 姫 路 大 学(2009年. 入 学 生 以 降):通 信 科 目37単 位 、 面 接 科 目7単 位. 教 育 実 習2単 位. 教 育 実 習2単 位 (4)近 畿 大 学 の 小 学 校 プ ロ グ ラ ムの 場 合 、 通 信 学 習(レ. ポー トの 作 成)を 求 め る科 目 に は次 の. 2種 類 が あ る。 ② の 場 合 に、 試 験 の 受 験 が 必 要 とな る。 同 プ ラ グ ラ ムで は、2009年 度 以 降 の 近 畿 大 学 入 学 者(2010年. 度 以 降 の プ ロ グ ラ ム参 加 者)に 対 して 、 試 験 の 受 験 が16科 目(32単. 位)も 必 要 とな って い る。 聖 徳 大 学 の 場 合 は試 験 受 験 は7科 目で あ った の で 、 試 験 の 負 担 が 倍 以 上 にな って い る。 ①. 全 部 が 「通 信 学 習 」 で 構 成 され る科 目(2単. ②. 半 分 が 「通 信 学 習 」 で 残 り半 分 が 「面 接 学 習 」 で 構 成 され る科 目(通 信1単 位 、+面 接. 35. 位 で 構 成).

参照

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