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早期職業意識涵養を目的とした体感型教育の先進事例 (3) --北海道の専門学校の取り組み--

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(1)大阪経大論集・第72巻第1号・2021年5月. 19. 早期職業意識涵養を目的とした 体感型教育の先進事例(3) 北海道の専門学校の取り組み. 吉 1 2 3 4 5 6 7. 野. 忠. 男. はじめに 卒業後の就職・離職実態 専門学校在学生の意識 都道府県専各連における「職業体感型教育」の実施状況 先進的な取り組み事例 新たな連携枠組みの検討 職業体感型教育の課題と今後の展望 参考文献. 5! 2! 3 キャリアサポートセミナー(北海道教育委員会主催事業) (4)参加生徒のアンケート結果 ①参加生徒感想(職業体験講座・日高会場) 全く 役立たなかった. あまり 役立たなかった. まあまあ 役だった. とても 役だった. 0名. 0名. 21名. 78名. 0名. 0%. 0%. 21.2%. 78.8%. 0%. 未記入. (感想) ・将来への視野が広がった。 ・お客さんへの接客方法を学べた。 ・多くのことを学べた。新しい発見をすることができた。 ・楽しく保育の仕事について学べ,仕事の大変さも分かった。 ・知りたい職業について知ることができた。 ・普段体験できないことができて,良い経験となった。 ・先生方が優しくアドバイスしてくれたので楽しく学ぶことができた。 ・仕事の中身や何が重要かを詳しく説明してもらえた。 ・自分の将来への選択肢が増えた気がする。 ・正直まだ将来何をしたらいいのかなど夢がない。しかし,少しずつ色々なことに興味を持つこと ができ,将来に向けて積極的にがんばっていこうと思った。 ・本日はありがとうございました。とても自分のためになりました。.

(2) 20. 大阪経大論集. 第72巻第1号. ・知らないことばかりだったからとても勉強になったし,楽しかった。 ・自分と関わりのなさそうなものを選んだので,驚くことも多く,新しい発見もあった。調べたい と思いもしなかったことを知り,想像とは違った内容だったので受けてよかったと思った。 ・自分の将来について悩んでいて,今の自分に役立つこと,礼儀や自分が興味のある内容を実際に 受講してみて将来につながると思った。 ・体験講座は楽しかったが,どんな人がその仕事に向いているのかなどを教えてくれる時間がほし かった。 ・このセミナーを通じて自分の進路を改めて考えるきっかけとなり,勉強にもなった。 ・仕事についての考えや知っておかなければならないことなど何が必要かをゆっくりと考えること ができた。 ・とても勉強になった。職業体験講座がためになった。 ・自分には何ができて,どうしていけるのかという課題を見つけ,まだ分からないこともこの先沢 山あると思うが,今日教えてもらったことを忘れずにこれからも取り組んでいきたい。 ・明るく楽しそうな先生方ばかりで楽しく授業を受けることができた。 ・動物関係の仕事の大変さや楽しさを知ることができた。自動車整備士の仕事にも興味を持った。 ・職業体験講座がとても楽しかった。 ・今まで関わりのなかった職業体験ができたこと,知っていたことも深く知ることもでき勉強に なった。 ・最初から最後まで内容たっぷりの濃い時間だった。学んだことを生かせるよう頑張ります。あり がとうございます。 ・将来就きたい仕事が複数あり,それらについて分かりやすく教えていただき勉強になった。夢の 実現に向けてオープンキャンパスなどにも参加して色々調べようと思う。. ②参加生徒感想(職業体験講座・後志会場) 全く 役立たなかった. あまり 役立たなかった. まあまあ 役だった. とても 役だった. 0名. 1名. 6名. 33名. 3名. 0%. 2.3%. 14%. 76.4%. 7%. 未記入. (感想) ・自分が将来就きたいと考えている職種の話を聞き,仕事の内容が分かった。 ・音楽もデザインも自分には向いていない職業と感じた。 ・将来への視野が広がった。 ・知りたい職業について知ることができた。 ・将来やりたいことが見つけられた。 ・とても楽しく将来の夢を真剣に考えることができた。 ・公務員講座は聞きやすい内容で参考になった。デザインの仕事内容が沢山あることを知ることが できて良かった。 ・進路選択の参考になった。 ・オープンキャンパスに参加してみようと思った。 ・初めて体験することもあり楽しかった。 ・分かりやすく興味のある内容ばかりだった。.

(3) 早期職業意識涵養を目的とした体感型教育の先進事例(3). 21. ・デザインの職業では色んな職業があることが分かった。また,MV 制作にも携わっていることも 知ることができて満足。 ・興味のあった職業について知ることができて,とても役に立った。 ・とても興味深い内容が多く,将来の選択が楽しみになった。 ・とても楽しく,新たな発見も沢山あり,有意義な時間を過ごすことができた。. ③参加生徒感想(職業体験講座・釧路会場) 全く 役立たなかった. あまり 役立たなかった. まあまあ 役だった. とても 役だった. 0名. 1名. 7名. 48名. 0名. 0%. 1.8%. 12.5%. 85.7%. 0%. 未記入. (感想) ・自分の就きたい職業について深く考えることができた。 ・自分が学びたい講座だったのでとても役立つ内容だった。 ・今まで分からなかった仕事の内容の話を聞けてためになった。 ・就職に向けて興味を膨らますことができた。 ・自分の将来の選択肢が広がった。 ・色々な業種の仕事内容の詳細を知ることができてよかった。 ・将来希望していた仕事(音楽)に就くまでの道筋が見えた。 ・私の興味がある食品系がなかったのでつまらなかった。 ・内容も面白く,教え方も丁寧だった。 ・それぞれの仕事の大変さが身に染みて分かった。 ・興味のあったホテル業界の仕事を深く学ぶことができた。 ・とても充実した時間を過ごすことができた。 ・それなりに知識はあると思っていたことも,更に専門的な内容で面白かった。 ・体験入学に行きたくなった。 ・音楽業界,公務員について詳しく学べてよかった。 ・トランスミッションの内部を初めて見ることができ,とても楽しかった。 ・まだ進路がはっきり決まっていなかったが,興味ある職業をたくさん体験できてよかった。 ・毎年開催してほしい。様々な分野を体験したい。 ・とてもためになった。来年も開催してほしい。 ・公務員の講座では自分の進路について詳しく学ぶことができた。今の自分が今後どんな勉強をし ていけばよいのかを改めて考えることができとてもためになった。 ・今日学んだことは必ず将来役に立つことばかりだった。 ・今回のセミナーで普段学ぶことのできないことがたくさん学べた。これからに生かしていきたい。 ・今まで話の聞けなかった仕事のことを聞けたのでよかった。 ・将来の就職に向けて前向きな気持ちになった。 ・将来専門学校には行けないけど,行けないなりの努力の仕方を教えてもらい,とても勉強になっ た。 ・すごくやってみたかった体験や講話が聞けたり,学べたことが良かった。 ・食品以外のことを知ることができてよかったが,あまり必要性を感じられる内容はなかった。.

(4) 22. 大阪経大論集. 第72巻第1号. ・公務員志望だったのでその話を聞けてとても良かった。自分の知りたかった情報や今後やるべき ことも見つけることができた。 ・様々な職業に触れたことで人間関係形成や自己理解能力の必要性を感じた。 ・今まで分からなかったことや知らなかったことについてセミナーを通じて知ることができたので, 今後の進路選択に生かしていきたい。 ・自分の気になっていたことを詳しく知ることができた。 ・どの講座の内容も自分の将来に向けて役に立つ時間だった。専門的な知識をこれからに役立てた い。 ・本当に公務員講座の先生のお話に感動した。名刺がほしかった。 ・工業とデザインの体験講座が楽しくて体験入学に行きたくなった。社会に出ても必要なことをた くさん知ることができてよかった。 ・諦めかけていた音楽・放送業界への夢も話を聞いて頑張ってみようと思った。また,専門学校の オープンキャンパスにも行ってみたいと思った。 ・自分の進路選択の幅が広がり,見たことのないものや,知らなかった知識などを学び,多くの情 報をもらえてとても良かった。車のパーツや部品を見ることができて楽しかった。 ・自分の進路に役立つ良い機会だった。今日学んだことを生かしてまた進路について考えたいと 思った。 ・自分の興味のある講座を中心に学べたので楽しかった。たくさん身になる話やためになる話を聞 くことができて良かった。 ・とても役立ったと思う。自分はまだなりたい仕事とかないので,今回いろいろ学べたことで将来 の進路選択の幅が広がった。 ・今の自分,これからの自分の両方に必要な情報や知識を得ることができた。. ④参加生徒感想(職業体験講座・根室会場) 全く 役立たなかった. あまり 役立たなかった. まあまあ 役だった. とても 役だった. 0名. 1名. 28名. 80名. 0名. 0%. 0.9%. 25.7%. 73.4%. 0%. 未記入. (感想) ・その職業に就いた時にどういう人になりたいのか,どういうことができる人になりたいのかしっ かり自分自身で考えてみることができた。 ・職業を知ることができた。(同意28) ・実際に体験することができ,学ぶことが多かった。(同意20) ・自分は漁師を目指しているので,希望する職業ではなかったが,どんなことも何回もやれば成長 できることが分かった。 ・将来に向けての資料となった。(同意11) ・公務員のことを多く知ることができた。(同意8) ・就職先の決め方などが大切だということが分かった。 ・興味があるスポーツのことを知ることができた。(同意1) ・興味のある職業を体験したことにより,さらに興味関心がわき,進路活動について,真剣に取り.

(5) 早期職業意識涵養を目的とした体感型教育の先進事例(3). 23. 組めるようになった。 ・調理講座がとても勉強になった。 ・専門的な話を多く聞けた。(同意2) ・職業としても,日常生活を送る上でもプラスになることが多かった。 ・いろいろなことを包み隠さず説明があり,分かりやすかった。 ・スポーツの講座が面白かった。(同意1) ・音楽の講座が面白かった。 ・楽しく学ぶことができ,自分のイメージしていたものとの違いに気付くこともあり勉強になった。 ・義手・義足の着用など貴重な体験ができた。 ・悩んでいた進路をしぼることができた。 ・将来働くとはどういうことであるか,それをかなえるためにどうするべきかが分かった。 ・講座数が少ない。 ・興味のある分野の講座がなかった。 ・自分のなりたい職業ではないので,とても役に立ったとまではいえないが,様々な話を聞くこと ができてよかった。(同意1) ・業界の人(それぞれの講師)の話に説得力があった。 ・離職率の話はどの業種でも役立つと思った。 ・民間企業に就職するリスクや,求人サイトなどの見方が分かったから。 ・仕事の内容だけでなく体験談や周りの様子などもきけて,将来のことを見直す良い機会になった。 ・時間が足りなかった。 ・話を聞いて,実際にこの職業に就きたいなと思うものがあった。 ・進路先の視野が広がった。(同意1) ・将来の夢を見つける良いきっかけとなった。 ・動物に興味があったので良い経験ができた。. (4)生徒の参加写真 後志会場では,倶知安農業高等学校の生徒7名が北海道自動車整備大学校の「自動車整 備士の仕事」に取り組んでいる。生徒は大手自動車メーカーのスポーツカーを教材にエン ジンルームの検査やタイヤの脱着を実地で指導を受けた。写真はまさにタイヤの脱着作業 に身をもって経験している姿である。 根室会場では,別海高等学校の生徒36名が札幌スイーツアンドカフェ専門学校の「製菓 技術体験」に取り組んだ。男子生徒の参加もみられ製菓の基本的な知識や技術,さらに実 際の製菓づくりを体験した。写真は製菓づくり前の講義を行っている場面である。.

(6) 24. 大阪経大論集. 第72巻第1号. ①倶知安農業高等学校の作業写真(講座名:自動車整備士の仕事). 出所:北専各連提供. ②別海高等学校の実演写真(講座名:製菓技術体験). 出所:北専各連提供. 6. 新たな連携枠組みの検討. 6! 1 先行研究からの示唆 吉野(2019)は,金井(2012)の提唱する「企業家活動」の苗床となる社会的プラット フォーム1)の形成に着目し,その基点となる「産業セクター」と「学セクター」との関係 1)金井は社会的プラットフォームと企業家プラットフォームを明確に使い分けて議論してる。社会的 プラットフォームと企業家プラットフォームは,「市民セクター」「行政セクター」「産業セクター」 「学セクター」の4セクターからの参加を前提にすることは同様であるが,社会的プラットフォー.

(7) 早期職業意識涵養を目的とした体感型教育の先進事例(3). 25. 性について専門学校の産学連携の実態を調査し,社会的プラットフォーム形成プロセスの 一例を提示した。 金井(2012)は社会的プラットフォームを「市民セクター」「行政セクター」 「産業セク ター」「学セクター」から参加する交流の場と位置付けている。各セクターからの参加者 は自由度が高く何らかの制約事項も要求されない。これは自由度に応じて参加者の目的が 変わることも予想されることから参加者が柔軟に交流できることを意味している。参加者 は制約事項があれば他の参加者との交流が制限されることになり活発な議論に発展しない ことが懸念される。一般的に,異業種交流会と称する場は自治体から経済団体まで様々な 主催団体を中心に開催されているが,異業種とはいえ同業者が多くなるという主催団体に 左右される。結果的に特定の企業が企業規模に応じた階層をつくりそれぞれに参加が容易 な場に「いつもと変わらない同じメンバー」で交流することになる。これでは, 「新事業・ 新企業創造」に発展することは困難であり,業界情報の交換の場に陥る。また,こうした 異業種交流会には,「市民セクター」あるいは「学セクター」からの参加は容易ではなく, そもそも参加が制限されていることが多い。金井(2012)は,こうした異業種交流会のよ うな場ではなく,自由度の高い参加機会を担保しつつ「市民セクター」 「行政セクター」 「産業セクター」「学セクター」を明確に分類し,それぞれの参加者が交流できる場を重視 している。 図表 6-1 市民セクター. 行政セクター. 社会的(企業家)プラットフォーム 産業セクター. 学セクター. 社会的問題・課題の解決 / 新事業・新企業創造 出所:金井(2012)をもとに一部著者加筆. ムが社会における問題や課題の解決に向けた交流の場であることに対し,企業家プラットフォーム は新事業・新企業創造の場と位置付けている。本稿では,新事業・新企業創造に限定するのではな く,社会の問題や課題の解決に向けた交流の場として社会的プラットフォームを中心軸に検討して いる。.

(8) 26. 大阪経大論集. 第72巻第1号. しかし, 「市民セクター」「行政セクター」「産業セクター」 「学セクター」それぞれから の参加者が存在し自由度の高い交流の場の創造は容易ではない。一般的に異業種交流会で は主催者が存在し,目的をもって開催している。この時点で,異業種交流会は参加におい て何らかの制限,例えば,業種をある程度制限し競合企業の参加調整を行うこともある。 また,参加者にしても主催者からの参加要請や招待など主催者に配慮した参加をとること が予想される。こうした主催者あるは参加者の側で目的や思惑などが背景にあると交流は 成立しても交流の場から新事業・新企業創造に展開することは困難が予想される。仮に交 流の場の目的を新事業・新企業創造としても目的を達成するプロセスに参加者がどのよう な役割や責任を負うのか,そのことをイメージすることも難しい。異業種交流会が単なる 親睦会に終わることはこうした主催者そして参加者の事情が背景にあるものといえる。 吉野(2019)は,「市民セクター」「産業セクター」 「学セクター」 「行政セクター」の4 セクターからの参加者が交流の場を形成する前に,各セクター間で交流の機会を創造し段 階的に交流の機会を発展しているケースに着目した。企業と学校の交流の機会は,産学連 携として各地の取り組み事例が報告されている。 企業と学校の産学連携は,一般的に学校側が生徒や学生に企業の「仕事」を理解させる 機会として捉えていることが多い。これは卒業後の進学として生徒であれば進学(大学卒 業後は就職となることから大学の専攻や学修内容の早期検討)や就職,学生であれば就職 を検討する際に,将来的に担当する「仕事」から就職を検討する上で重要との認識が背景 にある。生徒や学生の中には将来どんな「仕事」を担当するのか,目標やイメージするこ とを苦手とするケースがある。そもそも中学・高校,大学において就職先や「仕事」を考 える機会は正規の授業の中では学習の機会が少ない。そうした状況を踏まえ,学校では生 徒や学生に職業意識を高める機会を模索している。産学連携はそうした学校側の思惑に合 致し早期の職業体験の場として重視され取り組まれている。一方,企業側においても産学 連携を通じて生徒や学生に接触することは企業を始め職業の理解深耕や生徒や学生の気質, 意欲,関心事項などを確認する機会となる。企業の中には「青田買い」ともとれる採用活 動の一環として取り組む例もある。いずれにしても生徒や学生を中心軸に企業そして学校 にとっては産学連携が有益であるとの認識から意欲的な取り組みがみられる。吉野(2019) はこうした産学連携から社会的(企業家)プラットフォームへの参加プロセスを「社会的 プラットフォーム形成プロセスにおける原始行動」をテーマに2つの専門学校の産学連携 への取り組みを調査検討している。情報科学専門学校2)(岩崎学園)と吉田学園3)は企業 2)情報科学専門学校は,1927年に設立された岩崎洋裁専門女学院(現:横浜fカレッジ)を起源に 1983年神奈川県下初の情報系専門学校として開校した。他に岩崎学園は専門学校教育としては,医 療情報専門学校,横浜fカレッジ,横浜デジタルアーツ専門学校,横浜リハビリテーション専門学 校,横浜保育福祉専門学校,横浜実践看護専門学校を展開している。岩崎学園グループとしては, 大学院教育から幼児教育・子育て支援,就職支援・生涯教育,文化振興・NPO 支援事業をおこなっ ている。 3)学校法人吉田学園は,1956年に開校した「北海珠算専修学院」を起源に,現在,札幌保健医療大学, 吉田学園情報ビジネス専門学校,北海道スポーツ専門学校,専門学校北海道福祉大学校,専門学校.

(9) 早期職業意識涵養を目的とした体感型教育の先進事例(3). 27. を始め自治体との産学連携を数多く手掛けている。産学連携には企業と学生の意見交換・ 質疑応答のような交流から一定の成果を目的にした共同作業まである。情報科学専門学校 (岩崎学園)と吉田学園の産学連携は後者の共同作業を基本にした内容であり一定期間を 要している。企業と専門学校の共同作業には学生の負担もさることながら専門学校側のス タッフの段取り,実施,報告会など計画に基づいた取り組みは相当な重労働である。また, 企業側にしても企業概要や業務の説明だけではなく成果に重点を置いた取り組みになるこ とから担当者の体力的負担,金銭的負担は大きい。こうした企業と専門学校の負担は単な る交流のような連携に留まることを忌避するばかりでなく,一定の成果をあげることを目 的化し意欲的な取り組みに発展する。情報科学専門学校(岩崎学園)へのインタビューで は,当初,企業との連携に試行錯誤が多く具体的な成果を認識できるような状況には無 かったが,企業連携の実績を積み重ねることで企業や地元自治体から声がかかるようにな り連携の幅や内容が多様化したことで連携の成果を実感できたということであった。また, 参加した学生の態様変化が認められた。中でも学修の内容を踏まえた就職意識の変化は顕 著であり,産学連携において経験した業務は企業選択の重要な指針になったとの回答が あった。 以上のことは,図表6-2の「産業セクター」と「学セクター」の①産学連携を経験あ るいは産学連携の基盤を形成することで,社会的(企業家)プラットフォームへの②参加 を刺激するものである。情報科学専門学校(岩崎学園)と吉田学園の産学連携は,こうし た社会的(企業家)プラットフォームへの参加プロセスとして重要な取り組みであり,産 図表 6-2. 産学連携から社会的(企業家)プラットフォームへの参加プロセス 産業セクター. 社会的(企業家)プラットフォーム. ②参加 ①産学連携. 新事業・新企業創造. 学セクター 出所:著者作成. 北海道リハビリテーション大学校,専門学校北海道自動車整備大学校,吉田学園動物看護専門学校, 吉田学園医療歯科専門学校,社会福祉法人吉田学園福祉会の8学校,1福祉法人のグループを形成 する。.

(10) 28. 大阪経大論集. 第72巻第1号. 学連携をさらに発展させる上で段階的取り組みと理解できよう。 6! 2 「学セクター」における「学・学連携」 本稿の「早期職業意識涵養を目的とした体感型教育」は,現段階において企業との連携 を基本にしたものではない。しかし,職業意識の涵養には実際の職業を展開する企業の関 与は不可欠である。また,情報技術の進化や企業を取り巻く法制度の整備などを考えれば 企業の「職業」は変化し,まさに最新の職業実態を理解する上で企業の協力は欠かせない。 このような考えに立てば,企業との連携は体感型教育のさらなる充実を視野に入れた取り 組みが必要となる。その際,学校側が個々の企業との連携を模索しても一朝一夕に連携の 成果を実感できるものではない。連携のノウハウを積み重ねるプロセスには学校の特徴, 言い換えれば学校の継続的な活動とさらなる成長に不可欠な競争優位性を獲得することが 重要なテーマとなる。 本稿の「北海道の専門学校の取り組み」事例は,専門学校と高校,中学校との「学・学 連携」を具体化したものである。 金井(2012)が提唱する社会的(企業家)プラットフォームは,「市民セクター」 「行政 セクター」「産業セクター」「学セクター」からそれぞれの参加者によって成立する。金井 は長年にわたる起業家活動の調査を通じて新事業・新企業の創造には起業機会を認識する 「場」の重要性を指摘してきた。同様な視点ではポーターの「産業クラスター」が議論の 対象にはなるが,金井(2005)は「産業クラスター」の位置づけと役割を評価しつつも起 業家の認識や活動がより重要であるとの分析結果を提示している。その成果が社会的(企 業家)プラットファームである。しかし, 「市民セクター」 「行政セクター」 「産業セクター」 「学セクター」がそれぞれの参加を背景に「妥当な構成」については言及していない。 「妥 当な構成」は新事業・新企業の創造を生み出す構成内容である。理解を深めるために例示 すれば, 「市民セクター」「行政セクター」「産業セクター」 「学セクター」から①均等の参 加が望ましいのか,②参加人数ではなく4セクターそれぞれから参加すれば良いのか,③ 参加者の業界,職種,職位などは考慮しないのかなど参加に向けた指針の有無も重要とな る。つまり「市民セクター」 「行政セクター」 「産業セクター」 「学セクター」の4セクター からそれぞれ参加することは新事業・新企業の創造において有効との認識に止まるものと いえる。言い換えれば,結果的に新事業・新企業の創造には4セクターからの参加が望ま しいと言えなくもない。こうした認識,理解には実際の社会的(企業家)プラットフォー ムを考える上でやはり違和感を禁じ得ない。なぜなら4セクターのうち「産業セクター」 の参加者がある一定割合(4セクターの均等割合25%)を超過,例えば50%以上の参加が あれば社会的(企業家)プラットフォームを主導することが可能になることから偏重した 活動に陥ることが懸念される。一方で,4セクターからの参加者が「様子見」のような指 向では「得るものが無い」との判断に至れば社会的(企業家)プラットフォームの形骸化 は避けられない。社会的(企業家)プラットフォームにおける新事業・新企業創造の内容 や成果は推察するまでもなく期待水準を上回るものにはならないだろう。.

(11) 早期職業意識涵養を目的とした体感型教育の先進事例(3). 29. 以上のような視点から,「市民セクター」 「行政セクター」 「産業セクター」 「学セクター」 の4セクターからの参加による社会的(企業家)プラットフォームの形成はさまざまな交 流の機会から新事業・新企業の創造に結実するプロセスが必要となる。しかし,新事業・ 新企業の創造に至るプロセスは「市民セクター」「行政セクター」「産業セクター」「学セ クター」の4セクターからの参加ではなく,そのプロセスを着実に前進する活動が段階的 に行われることが不可欠である。 吉野(2020)は専門学校の産学連携の取り組みを調査分析した結果,社会的プラット フォーム形成プロセスには専門学校と企業の産学連携のような原始行動があると指摘した。 つまり「産業セクター」と「学セクター」が産学連携に取り組む中で,様々な交流から一 定の成果を導き出し,それを基盤としてさらなる連携活動に発展させているのである。 一方で,本稿の調査では専門学校と中学校・高校の「学・学連携」の実態を明らかにし た。専門学校は中学校・高校の進学先であることから進学に関する相談や情報交換の対象 である。中学校・高校そして生徒は将来の就職を考えて何を学修しなければならないのか, 自分の目標を達成できるのか,生徒の進学先として適切かなどの観点から専門学校を見て いる。専門学校は進学選択を優位にするために学修の特徴や就職状況の説明,在学時の バックアップなどを広報する。専門学校と中学校・高校は相互の関係から対立と協力が併 存する関係にあるものといえる。対立は,例えば専門学校が広報する内容と中学校・高校 の期待のミスマッチから生じる。協力は,例えば専門学校が受け入れる生徒への教育指導 において中学校・高校が行った教育内容と成果にある。専門学校は生徒の学修成果と目標 に応じた教育指導を行うことでさらなる成長を支援する。そのためには中学校・高校との 情報・意見交換を行う協力関係は不可欠である。しかし,専門学校と中学校・高校との情 報・意見交換の場はさまざまな制約から容易に実現できるものではない。その中で,近年 の若年層の早期離職4)において職業意識の希薄が要因として指摘されてきた。2020年初 春5)まで「売り手市場」といわれてきた就職状況においても早期離職は一定割合6)であっ た。 こうした卒業後の早期離職が指摘される中,公益社団法人北海道私立専修学校各種学校 連合会(北専各連)が北海道内の専門学校と中学校・高校に「職業体感型教育」をテーマ に北海道,札幌市の支援のもと職業教育を開催7)している。北専各連が展開する「事業の 4)卒業後の就職・離職実態は,『早期職業意識涵養を目的とした体感型教育の先進事例(1)―北海 道の専門学校の取り組み―』大阪経大論集第71巻第5号. 2021年1月 PP. 39!44 を参照。. 5)新型コロナウィルスの感染拡大にともない経済活動の低迷から企業が新卒採用の停止あるいは縮減 が本格化したため「買い手市場」に転換したといわれている。 6)「7・5・3 現象」は中卒の7割,高卒の5割,大卒の3割が卒業後3年以内に退職する早期離職が 起きている。 7)実施内容は,『早期職業意識涵養を目的とした体感型教育の先進事例(1)―北海道の専門学校の 取り組み―』大阪経大論集第71巻第5号. 2021年1月 PP. 45!59 及び『早期職業意識涵養を目的と. した体感型教育の先進事例(2)―北海道の専門学校の取り組み―』大阪経大論集第71巻第6号 2021年1月 PP. 77!101 を参照。.

(12) 30. 大阪経大論集. 第72巻第1号. 流れ」は本稿8)に記載の通りである。北専各連は専門学校が提供する「職業体感型教育」 メニューを中学校・高校に案内し,その受講要請に基づき各講座を開講している。各講座 は専門学校が講師を派遣し,興味関心のある生徒が参加できるようになっている。北専各 連は, 「職業体感型教育」の開催主体であり,事業全体の管理運営を担っているのである。 ここで注目すべきことは,北専各連は開催主体ではあるものの自ら講義を担当し生徒の 指導に当たるわけではなく,専門学校と中学校・高校の調整役を担っていることである。 つまり専門学校と中学校・高校は「学・学連携」の関係にはあるものの「職業体感型教育」 の全体運営は北専各連が重要な役割を果たしているのである。前述のように専門学校と中 学校・高校は対立,協力関係にあることから生徒の進路選択や職業意識の涵養においては 共通の利益はあるものの開催時期や開催内容では共通の利益にならない場合もある。北専 各連はこうした状況の調整役としての機能を有するとともに専門学校と中学校・高校の緩 衝的な役割を担っている。また,「職業体感型教育」の運営に関わる費用は北海道,札幌 市の補助金に負うところが大きく,こうした補助金の管理9)においても北専各連は重要な 役割と立場にある。 「学セクター」における「学・学連携」は専門学校,中学校・高校の関係性を濃密化す る上で不可欠である一方で,容易に実現できるものではない。専門学校と中学校・高校は そもそも対立関係の一端があり,それは容易に解決できるものではない。その中で,北専 各連のような主催者の存在は,明確なテーマ,ここでは「職業体感型教育」を設定し,専 門学校と中学校・高校の「学・学連携」を効果的に進める重要な役割を担っているのであ る。つまり「学セクター」では社会的(企業家)プラットフォームへの単なる参加ではな く「学セクター」においても「学・学連携」のような「学セクター」内の交流の機会,場 が必要なのである。それをさらに発展させる機会,場として社会的(企業家)プラット フォームが位置付けられ,形成されなければならない。同時に,北専各連のように「学・ 学連携」を推進し関係性を強化する主催者の存在も重要となる。「学・学連携」の強化は, 「職業体感型教育」を例にすれば,やがて企業の参加を想定して新たな連携,産学連携を 視野に入れて取り組む必要がある。「職業体感型教育」の職業は企業の日々の営みであり 企業そのものといえるからである。その企業の参加がなければ進化する職業を体感するこ とは困難であり,後進の職業では先進の職業を理解することも困難である。これは「産業 セクター」との連携を意味するものである。 6!3. 社会的(企業家)プラットフォームの形成プロセス. 本稿は,早期職業意識涵養を目的とした職業体感型教育の事例から北専各連という主催 組織が専門学校と中学校・高校の「学・学連携」を具体化する取り組みを検討している。 8) 『早期職業意識涵養を目的とした体感型教育の先進事例(2)―北海道の専門学校の取り組み―』大 阪経大論集第71巻第6号. 2021年1月 P. 80 を参照。. 9)実際に専門学校,あるいは中学校・高校が補助金の申請から実施報告までを単独で行うことは難し く,何よりも膨大な事務手続きを負担しなければならない。.

(13) 早期職業意識涵養を目的とした体感型教育の先進事例(3). 31. これは社会的(企業家)プラットフォームを構成する「学セクター」内の活動ととらえた 場合,社会的(企業家)プラットフォームの形成プロセスと考えることができる。同時に, 「学セクター」はそのセクター内でさまざまな活動が想定さる中,社会的(企業家)プラッ トフォームの成果となる新事業・新企業創造を具体化する上で,より有効性が期待される 活動といえなくはない。つまり「学セクター」から社会的(企業家)プラットフォームに は構成メンバーとしての単なる参加ではなく,「学・学連携」の蓄積をもとに新たな課題 を創出し「産業セクター」「市民セクター」「行政セクター」と交流する際に,新たな問題 提起を可能とするのである。こうした問題提起は「学・学連携」を主催する北専各連にし てみればその解決に向けて産業界との連携,既に具体化しつつある生徒の保護者への情報 提供や交流,さらに北海道,札幌市の支援関係は社会的(企業家)プラットフォームの基 盤を期せずして形成しつつあるものといえる。生徒の保護者への情報提供や交流は「職業 体感型教育」をさらに充実させるためには保護者の理解,協力を無くして実現できるもの ではない。一方で,保護者の「職業体感型教育」への関心は少なからずあることが各種ア ンケート結果から確認できることである。ただし保護者は「学・学連携」の枠組にあるも のであり, 「市民セクター」として位置付けるには無理がある。今後,保護者とともに 「職業体感型教育」への関心を高める中で,賛同するあるいは関心のある市民に広く開放 することで「市民セクター」としての参加が期待される。北海道,札幌市の参加は「行政 セクター」と位置づけられることは言うまでもない。 北専各連の取り組みは「学・学連携」を端緒にした社会的(企業家)プラットフォーム の形成プロセスと考えることができる。そしてその形成プロセスは,「学セクター」内に おける①学・学連携による学習基盤の形成から社会的(企業家)プラットフォームへの② 参加とともに,今後「産業セクター」との③産学連携,そして④参加へと段階的に進むこ 図表 6-3. 学・学連携から社会的(企業家)プラットフォームの参加プロセス 産業セクター. 社会的(企業家)プラットフォーム. ④参加. ③産学連携 ②参加 ①学・学連携. 新事業・新企業創造. 学セクター 出所:著者作成.

(14) 32. 大阪経大論集. 第72巻第1号. とになる。 6! 4 小括 本稿は,北専各連が主催し展開する「職業体感型教育」を分析検討した結果,社会的 (企業家)プラットフォームの形成の要因となる「学セクター」内の「学・学連携」の存 在を明らかにすることができた。これは北専各連が「学・学連携」を意図的に指向したの ではく「職業体感型教育」をテーマにした専門学校と中学校・高校の共同事業から具体化 したものである。「職業体感型教育」は若年層への早期職業意識の涵養において期待され るものであることにくわえ入社後の早期離職の抑制に何らかの影響を与えている10)と指摘 されている。北専各連が「職業体験」とは表現せず「職業体感」と呼称しているのは中学 校・高校の段階で「学習する職業から何かを感じ取ってほしい」という「きっかけ」を大 切にしていることがポイントである。実際に「職業体験」と称する教育活動は学校が主体 的に生徒を企業に引率し「仕事の現場」を見学するケースが多く,それは「職業体験」と いうよりも「職場見学」の意味合いが強い。「職業体感型教育」は生徒が実際に職業の一 端を受け持ち,従業員の同じ目線で「仕事」に触れ考えることができる。加えて「仕事」 を教える担当者は専門学校の講師であることから「仕事」に必要な知識や技術を指導する ことから将来この「仕事」を担当するためにはどんな勉強が必要なのか,どんな資格が必 要なのかなど将来の就職に向けた計画的な勉強の意欲を醸成することが期待される。企業 の従業員が「仕事」そのものを「教える」ことに対し,専門学校の講師は将来の「仕事」 に必要な知識,技術を「教える」ことである。前者は「産学連携」における「職業体感型 教育」として期待されることであるが,生徒が「仕事」に関心をもつ「きっかけ」づくり とそこからの学習に結びつく「機会」として専門学校の講師の教育の機会は重視すべきで ある。こうした「学・学連携」そして「産学連携」に展開することは,段階的なプロセス であり,漸進的変革と不連続変革(Nadler et al. 1997, Nadler 1998, Tushman et al. 1997) の機会を生み出し,収斂の場(金井 2002b)として発展することが期待される。 同時に,こうした収斂の場は,社会的(企業家)プラットフォームの形成プロセスに通 じることであり吉野(2020)の指摘する「原始行動」に他ならない。その際,北専各連の ような主催組織の存在は「原始行動」を方向付ける上で不可欠である。今回の調査対象で ある「学・学連携」の事例は,北海道,札幌市の支援を背景に北海道全域の中学校・高校 が対象であるが,実際の「職業体感型教育」開催実態は全中学校・高校で開催されている 訳ではない。中学校,高校の年間行事計画からすれば「職業体感型教育」を開催できる時 期は一定の時期に集中することもあり中学校・高校の開催要請に全て対応できるものでは ない。また,専門学校はやはり年間の講義日程との関係から特定の時期にしか「職業体感 型教育」を開催できない事情がある。専門学校と中学校・高校の諸般の事情を考慮すれば. 10)今回の調査を通じてインタビューをした専門学校等の教育関係者の声である。既に専門学校をはじ めとする教育機関で「社会人基礎力」の学習効果の認識が反映されていることも推察される。.

(15) 早期職業意識涵養を目的とした体感型教育の先進事例(3). 33. 開催時期,開催件数は制限せざるを得ない。これにくわえ開催予算に制約されることもあ り,中学校・高校の開催要請通りに「職業体感型教育」が開催できないという現実もある。 こうしたことから北専各連が主催する「職業体感型教育」は関係各学校,そして生徒に おいて評価を得て拡大の基調にある。「職業体感型教育」が北海道全域の中学校・高校の 生徒を対象に開催されることが今一層期待されるとともに,社会的(企業家)プラット フームが具体化されることで,新事業としての新たな教育を創造することが重要となる。 最後に, 「職業体感型教育」における「学・学連携」「産学連携」に向けた連携の枠組み を次章で課題と今後の展望として提示する。. 7. 職業体感型教育の課題と今後の展望. 7! 1 職業体感型教育の課題 現在,北海道内で展開をみせている「職業体感型教育」は専門学校の知識や技術の専門 性,特異性を背景に,確かな実績と成果を生み出している。企業が実施しているインター ンシップにみられる職場体験とは異なり,生徒や学生は仕事そのものに触れ,考え,感じ 取るまさに体感する機会を得て職業意識を高めることができる。しかもこの職業体感は中 学校や高校など若年層から参加の機会があり,その体感を中学,高校時代で様ざまな学習 の機会を得て熟成する期間をつくることができる。企業のインターンシップは,長期短期 はあるものの仕事を知り就職先を考えるという限られた時間の中で決定しなければならな い問題がある。「じっくり考える機会」はもとよりそのために必要な学習の時間を確保す ることが難しい。どうしても「いずれかの会社に入るため」という就職に帰結してしまう。 生徒や学生の仕事への適性を始め仕事の課題や自分自身が担当し遂行する上で必要な知識 や技術の不足状況,場合によっては資格の取得など山積する課題に対策を考える時間的猶 予はほとんどない。 また,専門学校が「職業体感型教育」を推進していることに高い意義がある。専門学校 は専門分野に特化した知識や技術を教授する専門機関である。そして専門分野に特化した 専門家を養成する教育機関である。職業を体感する上では企業がまさに適任であるし企業 の仕事そのものが職業であることからすれば職業教育は企業の担うべき役割ともいえる。 しかし,企業は採用した人材を通じて業績向上に資する人材の養成をおこなうものであっ て多様な分野を希望する段階の生徒や学生に幅広く教育をすることは困難である。企業が 生徒や学生の希望を見極め自社への適性を判断するインターンシップの開催は専門学校の 「職業体感型教育」とは全く異質なものである。専門学校は専門性を高める基礎力から応 用力まで知識や技術の教育に専念している。その習得した知識や技術を活かせる環境とし て職種,企業への就職を支援している。卒業生はその自覚を持って就職しているのである。 その中で,今後,「職業体感型教育」を開催していく上で,課題を整理しておく。.

(16) 34. 大阪経大論集. 第72巻第1号. 7! 1! 1 専門学校の取り組み (1)特徴を活かした「職業体感型教育」の実施 専門学校には,専門分野に特化した学校と各専門分野を有する総合学校がある。「職業 体感型教育」は専門学校の特徴を活かした教育であることから専門学校間の競合関係を生 む場合がある。令和元年に開催されたキャリアサポートセミナー(北海道教育委員会主催 事業)は開講講座とそれを担当する専門学校の分類が考慮され競合関係を生まない工夫が されている。一方で,生徒や学生からすれば同じ分野に複数の専門学校が参入していれば 選択の幅を拡げることや専門学校の特徴を比較検討できるメリットがある。専門学校側で は他校との差別化や特徴を出す工夫など学校全般の改善に向けた動機付けになる。しかし, 開催日や開催場所,教育内容などが特定されればそれを担当できる専門学校間の摩擦を生 むことも考えられる。今後,「職業体感型教育」に賛同する専門学校が増えれば開催回数 の増加とともに専門学校間の摩擦が避けられないものと懸念される。専門学校の特徴に配 慮した開催日や開催場所,教育内容などから開催計画を策定する必要がある。 (2)専門学校間の開催調整 「職業体感型教育」という教育テーマはそのテーマによって専門学校間の教育内容に重 複が生じることが想定される。札幌市内近郊の専門学校は,区域内の小・中・高における 「職業体感型教育」が特定の小・中・高に集中することが考えられる。小・中・高の側に しても「職業体感型教育」の効果や重要性を認識すればするほど特定の専門学校への依頼 が集中することが考えられる。実際,アンケート調査結果や生徒の感想では「職業体感型 教育」への参加,満足度は高い水準にあり,こうした満足度の高い専門学校には継続して 開催を希望する志向は強くなるものと考えられる。 現段階では, 「職業体感型教育」への意欲的な取り組みの成果が高いことから専門学校 間の調整への懸念はないものと考えられるが,「職業体感型教育」の評価が高い中,賛同 する小・中・高が増加するものと考えられる。それだけに専門学校間の調整は重要になる ものと考えられる。 7! 1!2. 学校(小・中・高)への要請. (1)中学校・高校における一貫した「職業体感型教育」 中学校における「職業体感型教育」は生徒に刺激を与えることがアンケート調査結果や 講座への参加お礼からも推察される。一方で,中学校の教員側では「少し早いのではない か」という疑念があるものと推察される。確かに,美容業界を例にすれば生徒は専門用語 さえ理解に当惑するばかりで,それによって生徒は「実際どんな資格が取得できるのか」 という疑問が生じる。一方で,生徒のアンケートの回答や自由意見,さらに教員からのお 礼状が示すように,生徒は職業や職種の一端を実際に触れることで「将来の仕事を考える きっかけ」に成り得る。その体感を今度は高校生の段階で再度「職業体感型教育」の機会 を得れば職業や職種の選択に向け慎重かつしっかりした考えをもつことが期待される。.

(17) 早期職業意識涵養を目的とした体感型教育の先進事例(3). 35. 「職業体感型教育」は中学校から高校までの長期的な観点から「きっかけづくり」そし て「熟成」を踏まえた一貫型教育を目指していくべきである。 (2)小学生を対象にした「職業体感型教育」の実施 中学校の段階で「職業体感型教育」は「まだ早い」という認識がある中,小学生を対象 にした「職業体感型教育」は無謀ともいえる。しかし,保護者は「職業体感型教育」に参 加した子息から職業や職種への気づきに「仕事を考えるきっかけ」になったと感謝を表明 している。一般家庭において家族が従事する会社や組織から生徒や学生が「仕事」をイ メージすることは意外に容易ではない。このことは家庭内で生徒や学生が「将来の自らの 仕事を考える」ことを一層困難なものにしている。高校生や大学生の一部では,アルバイ トを通じて仕事を考える機会を得るが,それはあくまでも収入を得るためであり将来の仕 事を決めるものではない。結果として生徒や学生は自らが担当する将来の職業や職種のイ メージをもつ機会に巡り合うことがないまま就職を考える高校,大学の3年生時に至り企 業説明会やインターンシップに参加する就職活動を経て内定を獲得し就職することになる。 「職業体感型教育」に参加した生徒のアンケートやお礼状には「仕事のきっかけ」や「考 えるきっかけ」という言葉が散見された。将来に担当する,あるいは担当したい仕事の, まさに第一段階の「きっかけ」を創る場は,高校生や中学生のみならず小学生においても 有効性が期待される。もちろん講師側で提供する教育内容のわかりやすさは必要であると ともに,小学生が何かを発見する楽しみを交えた新たな「職業体感型教育」を実施するこ とは必要であり重要である。その際,「職業体感型教育」には保護者の参加を促し家族で 考えるテーマを与える機会となれば,中学生さらに高校生へと保護者とともに考える機会 をつくることにもなる。生徒や学生本人の意識を高め,保護者とともにじっくり考えるこ とができれば,高校生の段階で受講する「職業体感型教育」は高い受講効果が期待され, しっかりした職業意識を涵養できるものと考えられる。 (3)校内担当者の養成 アンケート結果では,進路相談の相手として最も高い割合を示したのは「母親」であり 親族である。「自分で決めた」とする割合も高い一方で,通学先の「進路の先生」への相 談は, 「母親」と比較すれば5分の1程度の水準にとどまる。「進路の先生」は,職業や職 種,企業名から就職状況,進学状況まで豊富な知識と経験を有しているが,その豊富な知 識や経験が活かされる「生徒の相談」相手としては厳しい現実を示した。 こうした中,個々の専門学校が「進路の先生」との情報交換の機会を増やし連携を強化 する動きについては改めて考える必要がある。そもそも専門学校の情報はパンフレットや 就職情報誌,インターネット等で提供されている。インターネットで公開されている情報 は,現在の入学者や卒業生の生の声をはじめ進学先の専門学校を検討する上で重要な情報 収集手段になっている。つまり「進路の先生」を専門学校の進路選択における情報提供者 の役割だけではなく, 「職業体感型教育」に参加する生徒が気づきや発見を刺激できる 「進路の先生」の育成研修の実施や「職業体感型教育」の場を通じて「ともに考える」関.

(18) 36. 大阪経大論集. 第72巻第1号. 係を構築する必要がある。また,「進路の先生」以外の「職業体感型教育」を担当できる 教員育成など,連携の枠組みを構築していく必要がある。「職業体感型教育」に参加しな くても, 「オープンキャンパスへの参加や個別のセミナーに参加することで十分」とのア ンケート自由意見は,少なくとも,その認識を変えていく取り組みとして「職業体験型教 育」の理解を深める工夫が必要である。 (4)中・高の進路担当者との連携 現在の「職業体感型教育」は,中学校と高校を分けてそれぞれの事情,中学生であれば 今後の進学と高校卒業後の進路のこと,高校生であれば専門学校進学や就職のことをふま えて講座内容を整備している。これは専門学校側で,中学生あるいは高校生への配慮であ り進学や就職に向けて必要な知識や技術を教示して「考えるきっかけ」をつくることを目 的にしているからである。中学生で「職業体感型教育」に参加していれば職業や職種で考 えた学習成果を基に高校生で「職業体感型教育」に改めて参加することで,職業に関して 「考えていたこと」をさらに深耕し自分に合った進路の策定が期待される。現在の学校制 度から見れば,中・高連続して生徒それぞれの進路を把握することは現実的ではないが, 少なくとも専門学校が提供した「職業体感型教育」の内容の理解からある程度の継続性の あるサポートが実現できるものと考えられる。そのためには,中・高の進路担当者の連携 が必要であり,専門学校側ではこうした認識のもと「職業体感型教育」を実施していくべ きである。 7! 1!3. 運営資金の確保. 本稿で調査対象とした「次世代人材職業体験推進事業」や「進路探究学習オリエンテー リング事業」などは北海道,札幌市の支援で開催している。貴重かつ重要な支援策として 「職業体感型教育」開催に不可欠である。全道的な広域開催を実現することや中学校・高 校の協力を得る上でも北海道,札幌市の支援は重要である。しかし, 「職業体感型教育」は 全道の中学校・高校から期待されるものの日程や場所,講座内容の制約がある一方で,事 業費予算内の開催は中学校・高校の「職業体感型教育」開催の要請に十分に対応できない 現実がある。 「職業体感型教育」が教育関係者から評価されていることや参加者である生 徒・学生の満足度,さらに保護者の理解が高まることで開催スケジュールや施設・設備の 手配が困難となり開催に至らないケースは増加傾向にある。さまざまな工夫や努力,そし て関係者の協力は前提とすべきことではあるが,やはり運営資金の確保は最重要課題であ る。北海道,札幌市へのさらなる協力要請に説得力を持たせる意味でも「職業体感型教育」 の生徒・学生そして保護者の“生の声”を丁寧に聞き取り関係部門への具申を図るべきで ある。 7! 2 今後の展望 「職業体感型教育」は,現在の早期退職者減少の防波堤として大きな期待が寄せられて.

(19) 早期職業意識涵養を目的とした体感型教育の先進事例(3). 37. いる。本稿で紹介した「職業体感型教育」に参加した多くの生徒・学生が職業意識を高め 「将来の就職を考えるきっかけになった」と回答しているように就職前に自らの職業に 「何らかの自覚」を持ち学生生活を送ることは職業へのこだわりや目標を涵養し強い職業 意識を育むものと期待される。また,保護者が「職業体感型教育」に関係することで子息 の変化を実感し家庭内で「将来の就職」を考える機会づくりにも貢献している。こうした 子息の生徒・学生の変化を専門学校や中学・高校の教職員が認識し共有することで,「職 業体感型教育」のさらなる質的向上をもたらし,生徒・学生に新たな刺激を与える機会と なる,まさに好循環を生む端緒になるものと考えられる。早期退職を決断する前に,本人 の自覚そして周囲の理解が鮮明に記憶にあれば,改めてじっくり考えることができるので はないか。「職業体感型教育」は本人の自覚をうながし刺激を与える機会として様々な取 り組みを試行していく必要がある。 そこで,今後の企業との関係性,さらに生徒・学生と保護者との新たな関係性,北海道, 札幌市との関係について提言する。 7! 2! 1 三位一体としての専門学校,児童・生徒・保護者,教員 生徒は進路の検討に際しアンケート結果からは「母親」への相談が最も高い割合を示し ていた。卒業生の進路結果や業界情報が豊富にあるとされる学校内の「進路担当者」への 相談は実際のところ低い水準にあった。この背景には何があるのか判然としない中,「母 親」への相談は幼少の頃から自分自身を知り最も身近な存在であることから生まれた親和 性や信頼感が根底にあるものと考えられる。 しかし, 「母親」や「親族」が多岐にわたる職種や業界を精通していることは想定でき ず「母親」が知る範囲に限定された職種を進路検討の中心に置かざるを得ない状況が存在 している。このことは「母親」の期待と生徒の進路希望が一致している場合は支障がない が,「母親」と生徒の志向や希望が異なった場合,職種のミスマッチから早期離職に至る ケースが考えられる。その意味でも「母親」などの保護者との関係性の構築と教育の機会 は不可欠なものである。 現在の「職業体感型教育」では主が生徒・学生であり保護者の囲い込みまでは至ってい ない。関心のある保護者が生徒・学生を通じて進路を検討する機会となっている。これは 生徒・学生そして保護者を一体と見ているからであり,今後は専門学校,生徒・学生・保 護者,そして教員が三位一体となり,「職業体感型教育」のあり方を考える必要がある。 生徒・学生と保護者を一体で見ることは外形的に見ているだけであり,生徒・学生は希望 の職種,仕事,企業への就職,保護者はそれを方向付けたり応援する立場であり本質的に は異なる思いにある。生徒・学生そして保護者に理解,納得してもらうためには教員の存 在が欠かせない。生徒・学生の職業意識は発芽の状況である中,その保護者でさえ職業意 識は自己の経験の域を出ることは困難である。こうした状況に客観的な視点で経験に基づ いた意見具申や企業,職業情報を有しているのは教員に他ならない。 生徒・学生に必要な情報は何か,保護者に必要な情報は何か,そうした状況,事情を知.

(20) 38. 大阪経大論集. 図表 7-1. 第72巻第1号. 専門学校と児童・生徒・保護者,教員の三位一体化. 専門学校. 専門学校. 生徒・学生 保護者. 生徒・学生 保護者. 教員. 出所:著者作成. る最も身近な教員,それを俯瞰できる立場となる専門学校が生徒・学生・保護者,教員の 三位一体となる新たな関係性を構築していくべきである。 7! 2! 2 新たな企業連携の枠組み 学生を中心に就職側と採用側の認識は対立関係にあると考えることができる。学生は給 与などの好条件や自己の能力発揮を希望するしそれを支援する学校や保護者は「できるだ け良い会社への就職」を切望している。一方,企業側は人事担当者が口にする「自分で考 えて行動できる人材」いわゆる能力の高い人材の採用を切望している。「就職」と「採用」 はそもそもこうしたミスマッチともいえる状況から何らかの接点を見出すことにある。そ の際,企業側の業務内容は,例えば販売や製造のように基本的な業務があり日々の業務改 善などから進化する業務がある。進化する業務には,新たな知識の創造や先進的な技術が あり,そこに企業の先進性が存在する。 企業の先進的な知識や技術は,企業から創造されるものでありそれを吸収し専門学校の カリキュラムに反映できれば学生の知識や技術は企業に後れをとることはなくなる。まさ に先進的な知識や技術を習得する場が専門学校として存在することになる。その意味では, 企業との新たな連携の枠組みを検討しなければならない。ここに「就職」や「採用」の思 惑が入ると,就職側はいたずらに学生間の競争を刺激することや企業側の「青田買い」を 助長することになる。 「職業体感型教育」では,企業の先進的な知識や技術を学ぶことができる場として企業 の協力のもと開催できる企業との新たな連携枠組みを創造することが不可欠である。 専門学校にとって企業は学生の就職先である。この関係に基軸となる「職業体感型教育」 を設定し,専門学校は先端にある企業の知識や技術を小学校・中学校・高等学校の生徒に 教授する。ここで重要なことは,企業側に職業体験型教育の基本理念を周知し生徒の職業 認識をいかに高める場であるかを徹底することである。企業の会社説明会や商品・サービ スの解説のような営業や採用活動に陥ることがないように留意しなければならない。.

(21) 早期職業意識涵養を目的とした体感型教育の先進事例(3). 図表 7-2. 39. 企業との新たな連携構図 小 学 校. 職業・職種 企. 中 学 校 高 校. 業. 業. 職 業 体 感 型 教 育. 企. 就 職 先. 企. 専 門 学 校. 業. 専門学校. 出所:著者作成. 7! 2! 3 国・自治体との関係 現在, 「次世代人材職業体験推進事業」や「進路探究学習オリエンテーリング事業」は 自治体支援のもと実施されている。自治体による支援は公益的かつ広域的な観点から北海 道全域を網羅した事業展開を可能にしている。そもそもこうした支援事業が無ければ, 個々の専門学校だけで,あるいは複数の専門学校がある程度連携して「職業体感型教育」 を実践することは不可能である。例えば専門学校が,学校所在地から他地域,とりわけ全 道的な「職業体感型教育」を実践することは他の専門学校と無用な軋轢を生むだけである。 また,同様な分野を展開する専門学校が共同して「職業体感型教育」を実践することにも 限界がる。それ以上に,専門学校の経費負担は甚大になり本業の学校運営にも支障が出る。 資金的な負担はもとより人的な負担,例えば教員の講義や職員の会場手配,中学高校との 交渉や場所の選定,そして開催日程では自校の行事日程を考慮しなければならず個人の業 務負担は計り知れない。実際,年間相当数の「職業体感型教育」講座を開講しているが, これは自校の開講講座以外のものであることにくわえ毎月のように「職業体感型教育」を 開講していることもある。 こうした大きな負担をともなう「職業体感型教育」は,各専門学校の自助努力では限界 がある。また,「職業体感型教育」を展開していく上で,北海道内全域の中学校,高校を 対象とする場合,国,自治体の支援は不可欠である。地域に密着した人材育成機関である 市町村立の中学校,道立の高校は,地域経済への影響は大きく,とりわけ若年層の早期離 職者は少子高齢化にともない人材不足が指摘される中,地域企業に定着し長期的な労働力 の提供が不可欠である。その意味でも国,自治体の「職業体感型教育」において大きな役 割を果たすことを期待せざるを得ないし,「職業体感型教育」を推進する上で不可欠な存.

(22) 40. 大阪経大論集. 図表 7-3. 第72巻第1号. 国・自治体との関係構図. 職 村. 感. ・. 体. 門. 教. ・. 型. 学 校. 町. 専. 中 学 校. 育. 高等学校. 市. 業. 小 学 校. 国・都道府県の支援 出所:著者作成. 在である。 以上 謝辞 本稿は,文部科学省委託事業「専修学校と地域の連携深化による職業教育魅力発進力強化事 業―専修学校と各地域の連携による「職業体感型教育」等の効果検証―」において,職業体感 型教育の効果を検証するとともに,あり方を協議した成果となる報告書をもとにしたものであ る。その報告書の原稿に著者の分析視点,社会的(企業家)プラットフォームを取り入れ論考 として再検討をくわえたものである。また,協議会には著者も委員として出席し,各委員から 貴重な意見やアドバイスを頂戴した。中でも本協議の委員会会長である吉田松雄氏は「職業体 感型教育」を北海道で立ち上げた全国初の事業の先頭に立ち,本事業への思いれは格段に高く, それだけに会議の発言は重く深い内容ばかりであった。紙面を借りて深く感謝申し上げたい。 そして委員の立場であり報告書への適切なアドバイスを頂戴した青森大学学長金井一賴先生に は本稿の枠組の構築と金井先生の研究成果の検討に際し的確な指導を頂戴した。改めて深く感 謝申し上げたい。 また,公益社団法人北海道私立専修学校各種学校連合会の関係者には深く感謝するとともに 報告書の校正段階で過分なご負担をいただいた湯田邦晴氏には格別の感謝を申し上げたい。委 員会の各委員にも感謝の言葉しかみつからない。 参考文献 D. ヘントン,K. ウォレシュ,J. メルビル,加藤敏春訳(1997) 『市民起業家―新しい経済コ ミュニティの構築』日本経済評論社 金井一賴(2002a) 「ベンチャー企業とは」金井一賴・角田隆太郎編『ベンチャー企業経営論』 有斐閣.

(23) 早期職業意識涵養を目的とした体感型教育の先進事例(3). 41. 金井一賴(2002b)「起業のプロセスと成長戦略」金井一賴,角田隆太郎編『ベンチャー企業 経営論』有斐閣。 金井一賴【編著】(2010)『大学発ベンチャーの日韓比較』中央経済社 金井一賴(2003) 「クラスター理論の検討と再編成:経営学の視点から」石倉洋子・藤田昌久・ 前田昇・金井一賴・山崎朗『日本の産業クラスター戦略―地域における競争優位の確立』有 斐閣 金井一賴(2005)『産業クラスターの創造・展開と企業家活動―サッポロ IT クラスター形成プ ロセスにおける企業家活動のダイナミクス―』 「組織科学」vol. 38, no. 3, pp. 15!24 金井一賴(2012a) 「企業家活動と地域エコシステム構築プロセスのミクロ-メゾ統合論」金井 一賴(2012b)『企業家活動と地域イノベーション―企業家プラットフォームの意義―』「ベ ンチャーレビュー」vol. 20, pp. 3! 13 Nadler, D. A, Shaw, R. B, Walton, A. E and Associates(1994)“Discontinuous Change Leading Organizational Transformation” SanFrancisco : Jossey-Bass Inc.[齋 藤 彰 悟 監 訳,平 野 和 子 訳 (1997) 『不連続の組織変革. ゼロベースから競争優位を創造するノウハウ』ダイヤモンド社]. Nadler, D. A(1998)“CHAMPIONS OF CHANGE” SanFrancisco : Jossey-Bass Inc.[齋 藤 彰 悟 監 訳,平野和子訳(1998)『組織変革のチャンピオン. 変革を成功に導く実践ステップ』ダイ. ヤモンド社] Tushman, M. L, O’Reilly, C. A(1997)“Winning through Innovation” Harvard Business School Press, Boston, MA, U.S.A.[齋藤彰悟監訳,平野和子訳(1997) 『競争優位のイノベーション 組織変革と再生への実践ガイド』ダイヤモンド社] 吉野忠男(2011)『ベンチャー企業 吉野忠男(2015)『起業論再考. 起業の認識と成長プロセス』晃洋書房。. 調査事例からの示唆』晃洋書房。. 吉野忠男(2019)『社会的プラットフォーム形成プロセスにおける原始行動(1)―専門学校 の産学連携事例を基点として―』大阪経大学会第70巻第1号 吉野忠男(2019)『社会的プラットフォーム形成プロセスにおける原始行動(2)―専門学校 の産学連携事例を基点として―』大阪経大学会第70巻第5号.

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