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編集後記
『年報社会学論集』第32号をお届けします。今号の投稿論文総数は34本と前号より7本 増えました。締切期日を過ぎて投稿された論文1本を不受理とした以外、33本を審査対象 とすることができました。61名の専門審査委員の先生方にご協力いただいた第1次審査で は18本を「第一次審査通過」、15本を「第一次審査不通過(掲載不可)」とし、つづく第2 次審査では修正のうえ再提出された16本(未着1本、辞退1本)のうち8本を「掲載可」、 8 本を「掲載不可」としました。最終的に「掲載可」となった 8 本を掲載することができ ました。 今号より更なる内容の充実を図るため、毎号において大会特集を組み、前年度の大会の テーマ部会A・Bの報告者の方々に、当日の報告を踏まえてさらにバージョンアップした 原稿を執筆していただくことになりました。今号は、第 66 回大会(武蔵大学)のテーマ 部会Aとテーマ部会Bの報告者各3名の原稿に加え、それぞれを担当する研究委員に「解 題」を執筆していただいています。各々のテーマ部会の設計思想や部会運営を踏まえて各 論文をお読みいただけると、当日参加いかんにかかわらず、テーマ部会の設計とその成果 を広く会員の皆さまに共有していただけるものになるかと思っております。 ごく簡単ではありますが、会員への情報提供としてこの数年間の『年報社会学論集』の 投稿論文や審査状況について記させていただきます。第29号∼第32号の掲載論文・投稿 論文数の推移は、第29号は投稿論文42本、掲載論文11本、掲載率26.2%、第30号は投稿 論文30本、掲載論文9本、掲載率30.0%、第31号は投稿論文27本、掲載論文8本、掲載率 29.6%、第32号は投稿論文34本、掲載論文8本、掲載率23.5%となります。投稿論文数は 42→30→27→34 本であり、第 32 号は多少持ち直したとはいえ、減少傾向です。掲載論文 数も 11→9→8→8 本と微減傾向です。直近 4 年の掲載率は 26.2%→30.0%→29.6%→23.5% とそれほど大きな変化はありません。投稿論文数の減少にもかかわらず、掲載率が一定水 準に保たれているのは専門審査委員や編集委員の方々が常に厳正に審査してくださってい る結果であると思っています。 もちろん、各号で投稿されてくる論文の質は一定ではありませんから、各号の評価は常 に同じような偏りとなっているわけではありません。たとえば、第31号は26本(1本不受 理)の第一次審査結果は、第一次審査通過論文 14 本のうち、A 評価 0 本、B 評価 2 本、B −評価5本、C+評価7本であり、不通過論文12本はC−評価4本、D評価8本でした。そ れに対して、第 32 号は 33 本(1 本不受理)の第一次審査結果は、第一次審査通過論文 18 本のうち、A評価0本、B評価1本、B−評価3本、C+評価14本、不通過論文15本はC− 評価10本、D評価5本でした。第31号がB評価(BないしはB−)7本、C評価11本(C+ ならびにC−)、D評価8本であり、B∼Dの評価がついた論文がそれなりに分散していた のに対して、第 32 号は B 評価(B ないしは B−)4 本、C 評価 24 本(C+ならびに C−)、 D評価5本であり、C評価が圧倒的に多くありました。 このように各号の評価には多少のバラツキはありますが、それでも一定に保たれた掲載 率や論文のクオリティに示されているように、専門審査委員・編集委員の方々のご尽力に よってきわめて厳正かつ透明な審査・編集のもと『年報社会学論集』は刊行されています。‒ 169 ‒ ぜひとも会員の皆さまにはこのように多くの方々に支えられて質保証が可能となっている 『年報社会学論集』に積極的に投稿をしていただければと思っております。どうぞ宜しく お願いいたします。 関東社会学会の役員任期は2年のため、この第32号で今期編集委員会はその任を解かれ ることになります。2年間という限られた期間でありますため、今期編集委員会が実行し た新たな取り組みも限られたものにならざるを得ませんでしたが、それでもいくつかは実 現できたと思っております。 第一に、2017 年 7 月 24 日の『年報社会学論集』投稿規定の改訂を受け、第 31 号からは 受付段階から投稿者の方々に電子データで論文を提出していただいたことによって、原則 として、全ての審査プロセスを電子媒体で行うことができました。加えて、こうした「全 審査プロセスの電子媒体化」がより適切かつ公正に運営できるよう、2019年4月1日に『年 報社会学論集』投稿規程、『年報社会学論集』執筆要項を改訂すると同時に、『年報社会学 論集』投稿チェックリストを作成・公開しました。第 33 号からは改訂された各種規程等 を十分に参照して論文を作成していただき、投稿前に「投稿チェックリスト」にて必ず点 検・チェックをしてから送付していただきますようお願いいたします。 第二に、今期は前期編集委員会が整備・構築した「編集委員会 10 名体制+編集委員会 幹事体制」と「編集委員会事務局メールアドレス」を積極的に活用し、投稿者と編集委員 会事務局、専門審査委員と編集委員会事務局のやりとりなど、ほぼ全ての審査プロセスに おいて情報を共有化しました。また、編集委員会でもメーリングリストを積極的に活用し、 厳重な情報管理のもと Dropbox で全ての投稿論文や審査結果などの情報を共有化できた ため、きわめて合理的かつ透明な編集委員会運営をすることができました。 第三に、編集委員会事務局運営がよりスムーズかつ持続可能なものになるよう、編集委 員会事務局運営マニュアルを作成しました。編集委員会事務局として、誰が、いつ、どの ような作業を、どのような手続きのもとで行うのかを時系列的に詳細に記し、新旧編集委 員会にて引き継がれるようにしました。このような運営マニュアルを参照・確認すること で編集委員会事務局運営コストも小さくなるのではないかと思っております。 第四に、編集委員会における情報を適切かつ公正に保存・管理できるようルール化しま した。これまで同様、各号・各期編集委員会は各々独立して情報管理しますが、各号・各 期の編集委員会業務が終了したのちには、それらの情報を一元的に保存・管理できるよう な仕組みを作りました。具体的には、各号・各期の業務が終わったのちには、編集委員会 情報(論文データや査読結果一覧や専門審査委員のコメントなど)を USB メモリ等に保 存し、学会事務センター(国際文献社)に送付するよう「関東社会学会編集委員会におけ る情報管理に関する申し合わせ」を作成しました。加えて、もし編集委員長等がこれらの 情報にアクセスを希望する場合、その使用目的や理由等を理事会にて説明し、承認を得た 場合に限って使用可能とするようにルール化しました。このような厳正なルールのもとで 編集委員会に関わる情報が適切に保存・管理されることで、一元的に情報が保存・管理さ れると同時に、情報アクセスについては厳正な手続きのもとで可能になる仕組みになって います。今後の課題はあるにせよ、一定程度の仕組みを構築することができました。 第五に、前述の通り、今号から毎号大会特集を組み、前年度の大会のテーマ部会 A B の報告者の方々に、当日の報告を踏まえてさらにバージョンアップした原稿を執筆してい
‒ 170 ‒ ただくようにしています。これで『年報社会学論集』がさらに充実したものになっていく であろうと期待しています。 第六に、ご存知のように、刊行から1年を経た『年報社会学論集』の論文はJ-STAGE(科 学技術情報発信・流通総合システム)にて公開されていますが、J-STAGE の『年報社会 学論集』のページにて当学会および当雑誌の紹介文を掲載しました。J-STAGE を今後ど のように更に活用していくかは編集委員会として検討中でありますが、「はじめの一歩」 として上記のような紹介文を掲載しています。 この2年間を振り返ると、きわめて多くの方々のご理解とご協力によって支えられてき たことを痛感しています。投稿者の方々、お忙しい中それらの投稿論文を査読してくだ さった専門審査委員の方々、英文校閲をしていただいたリングァ・ギルド社の担当の方、 印刷段階で大変お世話になった国際文献社の担当の方、広告の掲載によって刊行を支援し てくださった出版社各社の方々にこの場をお借りして厚くお礼申し上げます。本当にあり がとうございました。 そして、最後になりますが、ともに編集作業を行ってくださった編集委員の方々と編集 委員会幹事にも心より感謝申し上げます。関東社会学会の編集委員会を運営することは (編集後記の紙面を使って勝手なことを申し上げて恐縮ですが)おそらく他の学会の編集 委員会運営と比較しても、その負担は決して小さくはありませんが、前期編集委員会の先 生方からの大変なサポートを得ることができ、また、今期理事会と編集委員会、専門審査 委員の方々、そして会員の皆さまのご理解・ご協力・ご尽力によって、なんとか2年間無 事に運営することができました。この場をお借りして、すべての方々に、厚くお礼を申し 上げます。本当にありがとうございました。 (天田城介)