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化学療法中の患者の看護ー看護師の食事変更の根拠とタイミング

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Academic year: 2021

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(1)

看護研究

化学療法中の患者の看護

看護師の食事変更の根拠とタイミング

土肥千夏

1

今村 彩

2 大阪府済生会中津病院 北11階病棟[ 東9階病棟2 はじめに 化学療法中の患者は様々な有害事象により, 食事摂 取量が低下し体菫滅少を認めることがある。 化学療法 中の患者の体重減少が生存期間を短縮するという報告 もあるため, 栄養状態を保つことは非常に垂要である。 当院では, 抗癌剤投与後の食思低下に対して抗癌剤 治療食(スマイル食)が存在するが変更するタイミン グ等の基準はない状態である。 今回は患者の食事変更 を, 看護師がどのような根拠で実施しているか実態調 査し, 適切なタイミングを検討したいと考えた。 研究目的 化学療法中の患者の食事変更を, 看護師がどのよう な根拠で行っているかを明らかにする。 1)研究対象 院内で化学療法を実施している病棟看護師

134

名 2)調査方法 無記名式質問紙調査 3)調査杓容 ①スマイル食を知っているか, ②スマイル食の特 徴を知っているか, ③患者にスマイル食について説 明したことがあるか, ④スマイル食へ食種変更した ことがあるか, ⑤何を根拠に変更したか⑥変更時期 はいつが多いか, ⑦根拠となった症状はどういった ものか, ⑧スマイル食へ変更する前の食事量は何割 かについて, 択一回答方式, 順位付け方式, 自由記 述方式とした。 結果 回収数は

133

名で, 回収率

99.2%

であった。 スマイ ル食の認知度は

133

(100%)

であり, スマイル食の 特徴を理解しているのは,

117

(87.9%)

であった。 ス マ イ ル 食 へ 変 更 し た 経 験 が あ る の は, 106名

(79.6%)

であった。 スマイル食へ食事変更した根拠としては, 症状102 受付け:平成

31

3

18

日 名

(96.2%),

食事量

99

(93.4%),

患者に言われて

82

(77.4%),

続いて, 時期, 主治医からの指示, 栄養士, 血液データの順であり, 症状と食事量をみて 判断している看護師が多かった。(図1) 診療科ごとや看護師経験年数ごとでも食種変更した 根拠は症状と食事量を選択したものが多く, 有意差は みられなかった。 スマイル食へ食事変更した根拠となった症状は食思 低下が

93

(88.5%),

嘔気· 嘔吐が

68

(64.7%),

味覚異常は

55

(52.3%)

口内炎や食道炎が

20

(19%)

だった。 下痢を選んだ看護師はいなかった。 食事変更する前の食事量は「

3

割」が

31

(29.2%)

と最も多く, 次いで「

2

割」 が

26

(24.5%),

1

割」 が

21

(19.8%)

であった。 看護師経験年数で見ると, 5年H未満の看護師は, 食事量が1~2割まで低下し ないと食種変更をしていないのに対し, 5年目以上の 看護師は

3

割程度になった時点で食種変更を行ってい る。(図2) 診療科ごとには, 変更するタイミングに差はなかっ た。 考察 スマイル食の存在および特徴は多くの看護師が理解 しており, 変更も8割の看護師が経験し, 看護師の多 くは食事量や食思低下をみて変更している事が多いこ とがわかった。 変更するタイミングとしては, 5年目 未満は1から2割, 経験年数が増すごとに3割程度の 段階で変更しており, 経験年数5年目以上の看護師は 今までの経験を活かして早期に対応していると考えら れた。 診療科ごとには, 変更する根拠やタイミングに 特に有意差はなく, 主治医・栄養士に指示されて変更 する看護師は少ない。 化学療法中の患者の食事量を増やし, 栄養状態を維 持することは重要であるが, 経験年数に多少の差はあ

―250

(2)

化学療法中の患者の看護 図1 食種変更に至った根拠 図2 食種変更する根拠となった症状 1碑 8(洸 6ぼ 4磁 2磁 0% 3% 4-a&- 會 ,,.-<­

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ゥゃ令 ‘ ・応状 100'6 ●食事璽 80'6 巴者(こ言わ 叩% れて •時期 40'6 主治医から の指示 ●栄驚士 20% 0%

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図3 変更する前の食事摂取呈 叩9 40!l 30!i 2叩 ■O割 ■ 10和、 ー●1割 .頌 !OIi 潤i

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a)3年禾渦 b)3年以上 c) 5年目以上 d) I炉F目以上e) 15年目以上 るものの, 多くの君護師が3割程度の食亭量になって からの変更であった。 栄養部によると, スマイル食は患者アンケー トの 「味の濃いもの, フルーツが欲しい, 麺類が食ぺやす い」などの結果から献立を考えられている。 食思低下 した患者に食べやすいものの提供になるのでカロリー は

1400~1500kcal

となっている。 そのため, 摂取量に かかわらず食思低下や嘔気があった時点ですぐに変更 することが望ましいと考えているという情報であった。 調査の結果より看護師は食思低下の症状観察は大多 数できている。 しかし食種変更しているのは, 食事量 が3割まで下がってからであるため, 少しでも食事量 が減った時点で食種変更を行ってい<必要がある。 ー 般的には, 抗癌剤投与後の食思低下は

2 ~14

日で出現 すると言われている。 食思低下が長期間続けば, 闘病 意欲の低下や治療そのものの継続が困難になる場合も ある。 そのため, 少しでも 「食べにくい」「食ぺる気 がしない」と感じたら, 食事量が明らかに減る前にス マイル食へ変更し, 食事量を保ってい<ことが重要で ある。 スマイル食は抗癌剤治療食であり, 臭気による 嘔気や味覚異常に対応した食事である。 看護師はその ことを認識し, 患者の食事・食欲等について投与後早 期から観察し, 患者の栄養状態惟持のために検討を行っ てい<必要がある。 栄養管理は看護師の重要な役割であり, 詞査結果か らも看護師は食事量の観察を行っていたが, 主治医, 栄養士と連携し, 患者の食種変更を行っている看護師 は少なかった。 今後, 患者の栄養管理を行う上では, 多戦種と連携すること, さらに, 患者の栄養管理につ いてスタッフヘの教育を行ってい<ことも重要である。 引用, 参考文献 1 . 広田奈巳 他:癌化学療法中の食欲不振食を導入した 患者の摂食行動の変化について

251

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