• 検索結果がありません。

<研究>わが国の公的年金財政の将来推計モデルの開発

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "<研究>わが国の公的年金財政の将来推計モデルの開発"

Copied!
10
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

<研究>わが国の公的年金財政の将来推計モデルの開

著者

横山 寛和

雑誌名

産研論集

40

ページ

99-107

発行年

2013-03-21

URL

http://hdl.handle.net/10236/10731

(2)

99 - 1.「財政検証」と厚生労働省モデルの公表  わが国においては5 年に 1 度、厚生労働省が年 金財政の将来推計のために構築してきた年金数理 モデル、いわゆる厚生労働省モデルを用いて、国 民年金および厚生年金財政の将来見通しを示すこ とになっている。厚生労働省モデルは厚生労働省 (2005)において具体的な計測方法が示され、社会 保障国民会議(2008)および厚生労働省(2009) においては、そのプログラムおよび基礎データが 公開された。  「厚生労働省モデル」は、厚生労働省の内部デー タを利用しており、高い予測能力を実現している ことが予想される1)。その一方で、複数のコン ピューター言語で書かれているプログラムであり、 研究目的に合わせて研究者が改良、拡張を施すこ とには不向きである。  本稿の目的は、広く公表されているデータのみ を使用して厚生労働省(2009)の推計結果を可能 な限り再現できる年金数理モデルを開発すること である。かつては、公的年金の将来推計に必要な データを公表分のみから収集することには限界が あるとされていた。しかしながら、近年では厚生 労働省モデルのプログラム自体や使用している基 礎データをはじめ、よりパフォーマンスの高い推 計を可能にするデータに比較的容易にアクセスで きるようになった。  以下、第2 節では、過去にわが国で開発された モデルを概観する。第3 節では、本稿において開 発されたモデルの概略を述べる。第4 節では、モ デルの詳細を述べる。第5 節では、本稿を総括す る。 2.先行研究  わが国において開発、発表された年金数理モデ ルは小倉・山本(1994)、八田・小口(1999)、鈴 木・小口・小塩(2005)、田近・金子・林(1996)、 深尾・金子・中田・蓮見(2006)、山本・佐藤・岡 田・斉藤(2002)、横山(2008)など多数存在す る。それらのモデルの多くは、直前の厚生労働省 の年金財政再計算結果をベンチマークとして、そ の結果を主に公表されているマクロデータを利用 して可能な限り再現できるように設計されている。  本稿は厚生労働省(2009)をベンチマークとし て、横山(2008)を改良、拡張したモデルを開発 する2)。横山(2008)は、厚生労働省(2005)を ベンチマークとして、八田・小口(1999)、深尾・ 金子・中田・蓮見(2006)を基に開発されている。 具体的には、被保険者数の推計においては八田・ 小口(1999)を、年金給付の推計においては深尾・ 金子・中田・蓮見(2006)を踏襲しつつ、いくつ かの点で独自の手法を採用している。  具体的には、国民年金保険料納付率(以下、納 1) とりわけ、深尾・金子・中田・蓮見(2006)が指摘するように、厚生労働省モデルでは被保険者および年金受給者に関するミクロ データにアクセスできる点が大きい。厚生労働省(2009)によれば、厚生労働省モデルでは、受給者は全数、被保険者は 1/100 を抽 出して基礎数を算出し、公表している。 2) 本稿のモデルはスプレッドシートと VBA マクロを組み合わせている点で横山(2008)と異なる。 ・2012 年 10 月 3 日査読開始 2012 年 12 月 22 日掲載決定 ■■研究■■

わが国の公的年金財政の将来推計モデルの開発

横 山 寛 和

(3)

100 - 産研論集(関西学院大学)40 号 2013.3 付率)や国民年金保険料免除率(以下、免除率) を年齢階級別に推計する方法がある。先行するモ デルで納付率に関して明確に言及しているものは 少ない。また、厚生労働省(2005)は 2002 年 3 月 末、厚生労働省(2009)は 2007 年 3 月末の年齢階 級別納付率を基礎率としている。  本稿のモデルは、それらの基礎率を基に、平均 納付率の変化や人口動態に応じて年齢階級別納付 率や免除率が調整されるように設計されている。 ある年度の年齢階級別納付率や免除率を外挿する 場合、平均納付率の変化や人口動態に従って年齢 階級別納付率や免除率を変化させなければ、推計 結果の信頼性を損なうことが予想されるためであ る3)。  また、先行する年金数理モデルは、可能な限り シンプルな構造による同等のパフォーマンスの達 成を目標とすることが多い。それに対して、本稿 は、可能な限り制度を忠実に再現できるように設 計することで、年金政策の変更等、制度改革の効 果を分析できるようにした。  例えば、2000 年改革によって施行された 5% 適 正化に伴う従前額保障の反映がある。本稿では、 支給開始が2000 年度の場合は、5% 適正化前の裁 定額と5% 適正化後のそれを共に算出し、高い方 を給付裁定額とした。また、給付改定率、所得代 替率、あるいは再評価率などの内生変数も、厚生 年金保険法および国民年金法に定める規定に忠実 に推計している4)。特別国庫負担についても、各 世代の保険料免除者数をもとにモデル内で内生的 に算出している5) 3.年金数理モデルの基本構成  本稿は図1 のようなモデルを構築した。具体的 には、以下の手順で推計する。 (1) 推計の基礎値である人口、賃金、物価上昇率 などの各種指標を整理する。 (2) (1) を基に標準報酬額あるいは各制度の被保険 図 1 推計モデルの基本構成 3) 期間を通じて一定の年齢階級別保険料納付率を適用することは、定常状態においては問題を起こさない。他方で、たとえばベビー ブーム世代のようなその前後と比較して人口が多い世代がある場合、第1 号被保険者全体の平均に合わせて年齢階級別の納付率を調 整しなければ、各時点の保険料収入の実績値と予測値の間に乖離が生じることが予想される。 4) 給付改定率は、1994 年改革以降はネット賃金スライドを適用する。2000 年改革以降は、基準年度 (2004 年度まで 65 歳、2005 年度 以降67 歳 ) 以降の給付改定率に物価スライドのみを適用する。2004 年改革以降は、調整期間内はマクロ経済スライドを適用し、そ の後はネット賃金スライドを適用する。調整期間は、世代ごとに 平均的な給与を得た年金受給者の 65 歳時点の所得代替率を算出し、 それが50% に達するまでとする。 5) 深尾・金子・中田・蓮見(2006)は、モデルの簡略化のため、特別国庫負担を基礎年金給付額の一定割合として推計している。 4 料 免 除 者 数 を 推 計 す る. (3) 給付改定率 や調整期間 を決定する 所得代替率 , 厚 生 年 金 給 付 の 裁 定 に 必 要 な 再 評 価 率 を 推 計 す る. (4) (2), (3)を基に年金給付および保険料収入を推計する. (5) (2), (4)を基に基礎年金拠出金や国庫負担などの制度間移転を算出する. (6) (3), (4), (5)を集計する. 図 1 推計モデルの基本構成 ・人口 ・賃金 ・各種経済指標 ・被保険者数 ・保険料納付者数 ・保険料免除者数 ・標準報酬額 ・厚生年金保険料 ・国民年金保険料 ・厚生年金給付 ・基礎年金給付 ・特別国庫負担 ・基礎年金拠出金 ・国庫負担 ・積立金運用益 ・財政収支 ・改定率 ・所得代替率 ・再評価率 人 口 や 賃 金 か ら, 年金給付や保険料収入を算出するための基礎数となる被保 険 者 数, 保 険 料 納 付 者 数 , 保 険 料 免 除 者 数 や 標 準 報 酬 額 が 算 出 さ れ る . そ れ ら に 加 え て, 各 種 経 済 指 標 を 利 用 す れ ば , 年 金 給 付 の 裁 定 額 や 年 金 給 付 , 国 民 年 金 保 険 料 単 価 の 算 定 に 必 要 な 改 定 率 や 再 評 価 率, 所得代替率が得られる. 厚 生 年 金 保 険 料 は, 標 準 報 酬 額 に 保 険 料 率 を 乗 じ て 決 定 さ れ , 厚 生 年 金 給 付 額 は, 被 保 険 者 期 間 の 標 準 報 酬 (月 )額 に 基 づ い て 決 定 さ れ る . 国 民 年 金 保 険 料 は , 定 額 の 保 険 料 を 負 担 し, 基礎年金給付は定額の給付を受ける.したがって, 先に算 出 し た 被 保 険 者 数(保 険 料 納 付 者 数 )お よ び 標 準 報 酬 (月 )額 に 加 え て , 再 評 価 率 や 年 金 給 付 改 定 率, 国 民 年 金 保 険 料 単 価 改 定 率 を 利 用 す れ ば , 毎 年 度 の 年 金 給 付 額 と 保 険 料 収 入 額 が 得 ら れ る.

(4)

101 - わが国の公的年金財政の将来推計モデルの開発 者数、保険料納付者数、保険料免除者数を推 計する。 (3) 給付改定率や調整期間を決定する所得代替率、 厚生年金給付の裁定に必要な再評価率を推計 する。 (4) (2)、(3) を基に年金給付および保険料収入を 推計する。 (5) (2)、(4) を基に基礎年金拠出金や国庫負担な どの制度間移転を算出する。 (6) (3)、(4)、(5) を集計する。  人口や賃金から、年金給付や保険料収入を算出 するための基礎数となる被保険者数、保険料納付 者数、保険料免除者数や標準報酬額が算出される。 それらに加えて、各種経済指標を利用すれば、年 金給付の裁定額や年金給付、国民年金保険料単価 の算定に必要な改定率や再評価率、所得代替率が 得られる。  厚生年金保険料は、標準報酬額に保険料率を乗 じて決定され、厚生年金給付額は、被保険者期間 の標準報酬(月)額に基づいて決定される。国民 年金保険料は、定額の保険料を負担し、基礎年金 給付は定額の給付を受ける. したがって、先に算 出した被保険者数(保険料納付者数)および標準 報酬(月)額に加えて、再評価率や年金給付改定 率、国民年金保険料単価改定率を利用すれば、毎 年度の年金給付額と保険料収入額が得られる。  また、基礎年金拠出金は国民年金、厚生年金お よび共済年金が当期の基礎年金給付費用を、各年 金制度の保険料納付者数に応じて分担する制度間 移転である。国庫負担は基礎年金拠出金に対する 補助金であり、基礎年金拠出金の一定割合であ る6)。特別国庫負担は、保険料の一部、あるいは 全額免除を受けた期間の国庫負担によって発生し た年金受給権のうち、保険料免除割合分に相当す るものを、国民年金勘定を経由して基礎年金勘定 へ交付する補助金である。それは、基礎年金拠出 金算定の際に基礎年金給付額から控除される。し たがって、年金給付額と保険料納付者数を用いれ ば、特別国庫負担や基礎年金拠出金、国庫負担な どの制度間移転が得られる。  最後に、積立金の運用収益を算出し、保険料収 入、年金給付および制度間移転の推計結果を集計 して毎年度の財政収支を算出する。それらから積 立金残高や積立金比率の推移が算出される7) 4.モデルの詳細 4.1. 被保険者数の推計 4.1.1. 雇用者数の推計  まず、雇用者数を厚生労働省(2009)を踏襲し (1) 式から算出する。   s a t s a t s a t s a t s a t s a t s a t EMD EME LFP EMD LFP POP E , , , , , , , , , , , , , , = ・ ・ ・ (1) ここで、E は雇用者数、POP は人口、LFP は労働 力率、EMD は就業率、EME は雇用者比率、t は年 度、a は年齢、s は性別である。人口は、将来分は 国立社会保障人口問題研究所『日本の将来推計人 口(平成18 年 12 月推計)』を利用した。LFP と EMD、EME は、2005 から 2010 年度は総務省『労 働力調査』を利用した。2011 年度以降は、LFP お よびEMD は、労働政策研究研修機構『労働力需 給の推計-労働力需給モデル(2007 年度)におけ る将来推計-』を利用した8)。EME は、年齢とと も に 低 下 す る 傾 向 に あ る た め に、厚 生 労 働 省 (2009)を踏襲して算出した9)  続いて、雇用者を正規雇用者と非正規雇用者に 分ける。その際、「労働力調査」に基づき、2005 年度から2010 年度の雇用者に占める非正規雇用者 の割合を算出し、2011 年度以降は、2010 年度の値 を用いた。 6) 保険料一部免除者への国庫負担は、保険料の免除割合に応じて減額される。 7) 積立金比率とは、積立金の期首残高を当期の年金勘定の支出(年金給付や基礎年金拠出金等の合計)で除したものである。 8) ただし、「労働力人口の推移推計」は 2030 年までの推計となっている。そのため、本稿では 2031 年以降は、2030 年の労働力率で 一定になると仮定する。 9)各コーホートの毎年度における雇用者比率の変化率が、過去 5 年間の変化率の平均になると仮定し、以下のように算出した。 6 度 以 降 は, LFP および EMD は, 労 働 政 策 研 究 研 修 機 構『 労働力需給の推計-労働 力 需 給 モ デ ル(2007 年度)における将来推計-』を利用した8. EME は, 年齢ととも に 低 下 す る 傾 向 に あ る た め に, 厚生労働省(2009)を踏襲して算出した9. 続 い て, 雇用者を正規雇用者と非正規雇用者に分ける. その際, 「労働力調査」 に 基 づ き, 2005 年度から 2010 年度の雇用者に占める非正規雇用者の割合を算出 し, 2011 年度以降は, 2010 年度の値を用いた. 4.1.2. 被用者年金被保険者数の推計 被 保 険 者 数 は, 1999 から 2010 年度は社会保障審議会年金数理部会『公的年金 財 政 状 況 報 告 』(平 成 11-22 年 度 )を 利 用 す る . 厚 生 年 金 (共 済 年 金 )被 保 険 者 数  MW PI or の 将 来 分 は, 正 規 雇 用 者 に 対 応 す る 部 分 と 非 正 規 雇 用 者 に 対 応 す る 部 分 を 分 け て 算 出 し た. 先 に, 非正規雇用者分を(2)式から算出する. s a IE s a s a t s a t s a t IE s a t E IEE IEPI PI , , 2006 , 2 , , 2006 , , , , , , , 2 , ,    (2) た だ し, IE は 非 正 規 雇 用 者 数 , PI2,IEは 被 用 者 年 金 被 保 険 者 数 の う ち, 非 正 規 雇 用 者 に か か る 部 分 で あ る. IE s a IE s a IE PI 2, , , 2006 , 2 , , 2006 は, 厚生労働省『パートタイム労働 者 総 合 実 態 調 査 』(2006 年度)を利用した. 正 規 雇 用 者 分 は, 2010 年度までは被用者年金被保険者数

 

PI から2 PI2,IEを 控 除 し て 算 出 し た. 2011 年度以降は, (3)式から算出する. 8 ただし, 「労働力人口の推移推計」は 2030 年までの推計となっている. そのた め, 本稿では 2031 年以降は, 2030 年の労働力率で一定になると仮定する. 9 各コーホートの毎年度における雇用者比率の変化率が, 過去 5 年間の変化率の 平 均 に な る と 仮 定 し, 以下のように算出した.

       5 1 11 , 1 , 51 t aa t t a a t a t a t EME EE EME

(5)

102 - 産研論集(関西学院大学)40 号 2013.3 4.1.2. 被用者年金被保険者数の推計  被保険者数は、1999 年度から 2008 年度は社会 保障審議会年金数理部会『公的年金財政状況報告』 (平成11 年度から 20 年度)を利用する。厚生年金 (共済年金)被保険者数PT W(or M)の将来分は、正規 雇用者に対応する部分と非正規雇用者に対応する 部分を分けて算出した。  先に、非正規雇用者分を(2) 式から算出する。   s a IE s a s a t s a t s a t IE s a t IE PI E IE E PI , , 2006 , 2 , , 2006 , , , , , , , 2 , , = ・ ・ (2) ここで、IE は非正規雇用者数、PI 2,IEは被用者年 金被保険者数のうち、非正規雇用者にかかる部分 である。 6 度 以 降 は, LFP および EMD は, 労 働 政 策 研 究 研 修 機 構『 労働力需給の推計-労働 力 需 給 モ デ ル(2007 年度)における将来推計-』を利用した8. EME は, 年齢ととも に 低 下 す る 傾 向 に あ る た め に, 厚生労働省(2009)を踏襲して算出した9. 続 い て, 雇用者を正規雇用者と非正規雇用者に分ける. その際, 「労働力調査」 に 基 づ き, 2005 年度から 2010 年度の雇用者に占める非正規雇用者の割合を算出 し, 2011 年度以降は, 2010 年度の値を用いた. 4.1.2. 被用者年金被保険者数の推計 被 保 険 者 数 は, 1999 から 2010 年度は社会保障審議会年金数理部会『公的年金 財 政 状 況 報 告 』(平 成 11-22 年 度 )を 利 用 す る . 厚 生 年 金 (共 済 年 金 )被 保 険 者 数MW PI or の 将 来 分 は, 正 規 雇 用 者 に 対 応 す る 部 分 と 非 正 規 雇 用 者 に 対 応 す る 部 分 を 分 け て 算 出 し た. 先 に, 非正規雇用者分を(2)式から算出する. s a IE s a s a t s a t s a t IE s a t IE PI E IE E PI , , 2006 , 2 , , 2006 , , , , , , , 2 , ,    (2) た だ し, IE は 非 正 規 雇 用 者 数 , PI2,IEは 被 用 者 年 金 被 保 険 者 数 の う ち, 非 正 規 雇 用 者 に か か る 部 分 で あ る. PI20062,IE,a,s IE20062,IE,a,s, 厚生労働省『パートタイム労働 者 総 合 実 態 調 査 』(2006 年度)を利用した. 正 規 雇 用 者 分 は, 2010 年度までは被用者年金被保険者数

 

PI から2 PI2,IEを 控 除 し て 算 出 し た. 2011 年度以降は, (3)式から算出する. 8 ただし, 「労働力人口の推移推計」は 2030 年までの推計となっている. そのた め, 本稿では 2031 年以降は, 2030 年の労働力率で一定になると仮定する. 9 各コーホートの毎年度における雇用者比率の変化率が, 過去 5 年間の変化率の 平 均 に な る と 仮 定 し, 以下のように算出した.

       5 1 11 , 1 , 51 t aa t t a a t a t a t E E EME EME は、厚生労働省『パー トタイム労働者総合実態調査』(2006 年度)を利 用した。  正規雇用者分は、2008 年度までは被用者年金被 保険者数

(

PI 2

)

からPI 2,IEを控除して算出した。 2009 年度以降は、(3) 式から算出する。   s a RE s a s a t s a t s a t RE s a t RE PI E RE E PI , , 2008 , 2 , , 2008 , , , , , , , 2 , , = ・ ・ (3)  最後に、それらを厚生年金分と共済組合分に、 (4) 式によって按分する。   ( ) (2 ) , , or , , 2 , , or , , s a t M W s a t s a t M W s a t PI PI PI PI = ・ (4) こ こ で、W は 厚 生 年 金、M 共 済 組 合 で あ る。 7 s a RE s a s a t s a t s a t RE s a t RE PI E RE E PI , , 2010 , 2 , , 2010 , , , , , , , 2 , ,    (3) 最 後 に, それらを厚生年金分と共済組合分に, (4)式によって按分する.     2 , , or , , 2 , , or , , s a t M W s a t s a t M W s a t PI PI PI PI   (4) こ こ で, は 厚 生 年 金, は 共 済 組 合 で あ る. PItW,a,or sMPIt2,a,s は, 厚 生 労 働 省 (2009) の被保険者数基本ケースから得られる値を利用した. 過 去 分 は, (5)式から算出する.     s a t M W s a t s a t M W s a t POP PI POP PI , , or , , , , or , ,   (5) 人 口 は, 総 務 省 統 計 局 『 日 本 の 長 期 時 系 列 』 を 利 用 し た . PIWt,a,sor MPOPt,a,s, 八 田・小 口 (1999) を踏襲し, 1999~2030 年度の総人口に占める被用者年金被保険 者 数 の 割 合 の 指 数 曲 線 を 基 に 予 測 値 を 算 出 し た. 4.1.3. 国民年金第 1 号被保険者数, 第 3 号被保険者数 第1 号被保険者数 は, 1999 年度から 2010 年度は『公的年金財政状況報告』 の 値 を 使 用 す る. 過去分, 将来分共に男性

 

m は(6)式から算出する.

2 , , 1 , 2 , , , 1 , , m a m a m a m a m a t m a t

POP

PI

PI

PI

POP

PI

(6) 女 性

 

f は, 以下の(7)式から算出する.

3 , 2 , , 1 , 3 , 2 , , , 1 , , f a f a f a f a f a f a f a t f a t

POP

PI

PI

PI

PI

PI

POP

PI

(7)

2

, 1 , 1 ,m am am a POP PI PI  お よ びPI1a,f

POPa1,fPIa2,fPIa3

は, 過去分は 1998 年度の値 を, 将来分は 2010 年度の値を利用した. 厚 生 年 金(共済組合)にかかる第 3 号被保険者数

PI3,Wor M

(8)式から算出する. は、厚生労働省(2009)の被保険 者数基本ケースから得られる値を利用した。  過去分は、(5) 式から算出する。   ( ) ( ) s a t M W s a t s a t M W s a t POP PIPOP PI , , or , , , , or , , = ・ (5)  人口は、総務省統計局『日本の長期統計系列』 を 利 用 し た。 7 s a RE s a s a t s a t s a t RE s a t RE PI E RE E PI , , 2010 , 2 , , 2010 , , , , , , , 2 , ,    (3) 最 後 に, それらを厚生年金分と共済組合分に, (4)式によって按分する.     2 , , or , , 2 , , or , , s a t M W s a t s a t M W s a t PI PI PI PI   (4) こ こ で, は 厚 生 年 金, は 共 済 組 合 で あ る. PItW,a,or sMPIt2,a,s は, 厚 生 労 働 省 (2009) の被保険者数基本ケースから得られる値を利用した. 過 去 分 は, (5)式から算出する.     s a t M W s a t s a t M W s a t POP PI POP PI , , or , , , , or , ,   (5) 人 口 は, 総 務 省 統 計 局 『 日 本 の 長 期 時 系 列 』 を 利 用 し た . PIWt,a,or s MPOPt,a,s は, 八 田・小 口 (1999) を踏襲し, 1999~2030 年度の総人口に占める被用者年金被保険 者 数 の 割 合 の 指 数 曲 線 を 基 に 予 測 値 を 算 出 し た. 4.1.3. 国民年金第 1 号被保険者数, 第 3 号被保険者数 第 1 号被保険者数, 1999 年度から 2010 年度は『公的年金財政状況報告』 の 値 を 使 用 す る. 過去分, 将来分共に男性

 

m は(6)式から算出する.

2 , , 1 , 2 , , , 1 , , m a m a m a m a m a t m a t

POP

PI

PI

PI

POP

PI

(6) 女 性

 

f は, 以下の(7)式から算出する.

3 , 2 , , 1 , 3 , 2 , , , 1 , , f a f a f a f a f a f a f a t f a t

POP

PI

PI

PI

PI

PI

POP

PI

(7)

2

, 1 , 1 ,m am am a POP PI PI  お よ びPI1a,f

POPa1,fPIa2,fPIa3

は, 過去分は 1998 年度の値 を, 将来分は 2010 年度の値を利用した. 厚 生 年 金(共済組合)にかかる第 3 号被保険者数

PI3,Wor M

(8)式から算出する. は、八 田・小 口 (1999)を踏襲し、1999 年度から 2030 年度の総人 口に占める被用者年金被保険者数の割合の指数曲 線を基に予測値を算出した。 4.1.3. 国民年金第 1 号被保険者数、第 3 号被保険 者数  第1 号被保険者数 PI 1は、1999 年度から 2008 年度は『公的年金財政状況報告』の値を使用する。 過去分、将来分共に男性(m) は (6) 式から算出す る。  

(

)

2 , , 1 , 2 , , , 1 , , m a m a m a a,m t m a t m a t PI POP PI PI POP PI − ・ − = (6) 女性( f ) は、以下の (7) 式から算出する。  

(

)

3 , 2 , , 1 , 3 2 1 , , f a f a f a f a , , fa t t, fa, t, fa, f a t POP PI PI PI PI PI POP PI − − ・ − − = (7) 7 s a RE s a s a t s a t s a t RE s a t RE PI E RE E PI , , 2010 , 2 , , 2010 , , , , , , , 2 , ,    (3) 最 後 に, それらを厚生年金分と共済組合分に, (4)式によって按分する.     2 , , or , , 2 , , or , , s a t M W s a t s a t M W s a t PI PIPI PI   (4) こ こ で, は 厚 生 年 金, は 共 済 組 合 で あ る.   2 , , or , , M tas W s a t PI PI は, 厚 生 労 働 省 (2009) の被保険者数基本ケースから得られる値を利用した. 過 去 分 は, (5)式から算出する.     s a t M W s a t s a t M W s a t POP PI POP PI , , or , , , , or , ,   (5) 人 口 は, 総 務 省 統 計 局 『 日 本 の 長 期 時 系 列 』 を 利 用 し た . PIWt,a,or sMPOPt,a,sは, 八 田・小 口 (1999) を踏襲し, 1999~2030 年度の総人口に占める被用者年金被保険 者 数 の 割 合 の 指 数 曲 線 を 基 に 予 測 値 を 算 出 し た. 4.1.3. 国民年金第 1 号被保険者数, 第 3 号被保険者数 第1 号被保険者数 は, 1999 年度から 2010 年度は『公的年金財政状況報告』 の 値 を 使 用 す る. 過去分, 将来分共に男性 m は(6)式から算出する.

2 , , 1 , 2 , , , 1 , , m a m a m a m a m a t m a t POP PI PI PI POP PI    (6) 女 性 f は, 以下の(7)式から算出する.

3 , 2 , , 1 , 3 , 2 , , , 1 , , f a f a f a f a f a f a f a t f a t POP PI PI PI PI PI POP PI       (7)

2

, 1 , 1 ,m am am a POP PI PI  お よ びPI1a,f

POPa1,fPIa2,fPIa3

は, 過去分は 1998 年度の値 を, 将来分は 2010 年度の値を利用した. 厚 生 年 金(共済組合)にかかる第 3 号被保険者数

PI3,Wor M

(8)式から算出する. お よ び 7 s a RE s a s a t s a t s a t RE s a t E REE REPI PI , , 2010 , 2 , , 2010 , , , , , , , 2 , ,    (3) 最 後 に, それらを厚生年金分と共済組合分に, (4)式によって按分する.     2 , , or , , 2 , , or , , s a t M W s a t s a t M W s a t PI PI PI PI   (4) こ こ で, は 厚 生 年 金, は 共 済 組 合 で あ る.   2 , , or , , M tas W s a t PI PI は, 厚 生 労 働 省 (2009) の被保険者数基本ケースから得られる値を利用した. 過 去 分 は, (5)式から算出する.     s a t M W s a t s a t M W s a t POP PIPOP PI , , or , , , , or , ,   (5) 人 口 は, 総 務 省 統 計 局 『 日 本 の 長 期 時 系 列 』 を 利 用 し た . PIWt,a,or sMPOPt,a,sは, 八 田・小 口 (1999) を踏襲し, 1999~2030 年度の総人口に占める被用者年金被保険 者 数 の 割 合 の 指 数 曲 線 を 基 に 予 測 値 を 算 出 し た. 4.1.3. 国民年金第 1 号被保険者数, 第 3 号被保険者数 第1 号被保険者数 は, 1999 年度から 2010 年度は『公的年金財政状況報告』 の 値 を 使 用 す る. 過去分, 将来分共に男性 m は(6)式から算出する.

2 , , 1 , 2 , , , 1 , , m a m a m a m a m a t m a t POP PI PI PI POP PI    (6) 女 性 f は, 以下の(7)式から算出する.

3 , 2 , , 1 , 3 , 2 , , , 1 , , f a f a f a f a f a f a f a t f a t POP PI PI PI PI PI POP PI     (7)

2

, 1 , 1 ,m am am a POP PI PI  お よ びPI1a,f

POPa1,fPIa2,fPIa3

は, 過去分は 1998 年度の値 を, 将来分は 2010 年度の値を利用した. 厚 生 年 金(共済組合)にかかる第 3 号被保険者数

PI3,Wor M

(8)式から算出する. は、過去分は1998 年度の値を、将来分は 2008 年 度の値を利用した。  厚生年金(共済組合)にかかる第3 号被保険者 数 7 s a RE s a s a t s a t s a t RE s a t E REE REPI PI , , 2010 , 2 , , 2010 , , , , , , , 2 , ,    (3) 最 後 に, それらを厚生年金分と共済組合分に, (4)式によって按分する.     2 , , or , , 2 , , or , , s a t M W s a t s a t M W s a t PI PIPI PI   (4) こ こ で, は 厚 生 年 金, は 共 済 組 合 で あ る.   2 , , or , , M tas W s a t PI PI, 厚 生 労 働 省 (2009) の被保険者数基本ケースから得られる値を利用した. 過 去 分 は, (5)式から算出する.     s a t M W s a t s a t M W s a t POP PIPOP PI , , or , , , , or , ,   (5) 人 口 は, 総 務 省 統 計 局 『 日 本 の 長 期 時 系 列 』 を 利 用 し た . PItW,a,or sMPOPt,a,sは, 八 田・小 口 (1999) を踏襲し, 1999~2030 年度の総人口に占める被用者年金被保険 者 数 の 割 合 の 指 数 曲 線 を 基 に 予 測 値 を 算 出 し た. 4.1.3. 国民年金第 1 号被保険者数, 第 3 号被保険者数 第1 号被保険者数 は, 1999 年度から 2010 年度は『公的年金財政状況報告』 の 値 を 使 用 す る. 過去分, 将来分共に男性 m は(6)式から算出する.

2 , , 1 , 2 , , , 1 , , m a m a m a m a m a t m a t POP PI PI PI POP PI    (6) 女 性 f は, 以下の(7)式から算出する.

3 , 2 , , 1 , 3 , 2 , , , 1 , , f a f a f a f a f a f a f a t f a t POP PI PI PI PI PI POP PI     (7)

2

, 1 , 1 ,m am am a POP PI PI  お よ びPI1a,f

POPa1,fPIa2,fPIa3

は, 過去分は 1998 年度の値 を, 将来分は 2010 年度の値を利用した. 厚 生 年 金(共済組合)にかかる第 3 号被保険者数

PI3,Wor M

は (8) 式から算出する。(8)式から算出する.   ( ) 2( ) , , or , , 3 , or , 3 , m a t M W m a t a a a t M W a t PI PI POP PI POP PI = ・ ・ (8) PI 3 a

/

POPa は、将来分は『公的年金財政状況報告』 (平成22 年度)より得られる 2010 年度の値を使用 した。過去分は、1999 年度から 2030 年度の総人 口に占める被用者年金被保険者数の割合の指数曲 線を基に予測値を算出した10) 4.1.4. 国民年金保険料全額免除者数、一部免除者数、 全額納付者数  全 額 免 除 者 数

(

REM F

)

お よ び 一 部 免 除 者 数

(

REM P

)

(9) 式から算出する。   ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( P) F t P F a t a t a ta ta a t P F t a t P F a t P F a t a t P F a t RRE RRE PI α α PI RRE RRE α RRE PI REM or 20 , or , , 1 , , 1 , or 20 , , or , or , 1 , or , = ・ ・ ・ = ・ =

Σ

(9) ここで、RRE Fは全額免除率、RRE Pは一部免除率 である。全額納付者数

(

NPP F

)

(10) 式から算出 10) 被保険者数の過去分に関しては、『公的年金制度の現状』より制度、性別の実績値が得られるので、それらを使って調整している。

(6)

103 - わが国の公的年金財政の将来推計モデルの開発 する。   QU P s a t HA P s a t TH P s a t P s a t YO F s a t ST F s a t FL F s a t F s a t P s a t F s a t s a t s a t F a t s a t F s a t REM REM REM REM REM REM REM REM REM REM PI OBL RNP OBL NPP , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , 1 , , , , , , , , , + + = + + = − − = ・ = (10) 一部納付者数

(

NPP P

)

(11) 式から算出する。  NPPt,Pa,sREMtP,a,sRNPt,Pa (11) ここで、OBL は保険料納付義務者、AL は全額納 付、FL は申請全額免除者、ST は学生納付特例、 YO は若年者猶予特例、TH は 4 分の 3 免除、HA は 半額免除、QU は 4 分の 1 免除、RNP Fは全額保険 料納付率、RNP Pは一部免除者の保険料納付率で ある。RRE および RNP は (12) 式から算出する。   ( ) ( )

(

)

(

)

20 , , , , , , or , , or , or or t a t a t a ta P a t a t P P F a t a t P F a t RNP RNP REM OBL REM OBL RNP RNP = ・ ・ ・ =

Σ

β β β (12) RRE および α は、厚生労働省(2009)および厚生 労働省『国民年金被保険者実態調査』に基づく。 RNP Pは厚生労働省(2009)に従う。RNP Fは厚生 労働省『公的年金制度の現状』および厚生労働省 (2009) に従う。β t,aは、『国民年金被保険者実態調 査』、厚生労働省『国民年金の加入・納付状況』、 厚生労働省(2009)に基づく11)12) 4.2. 年金給付 4.2.1. 厚生年金給付額  老齢厚生年金

(

PB WO

)

の支給開始時点の給付額 は、(13) 式から算出する。   Σ Π

(

)

= + = − − ・ ・ ・ ・ =69 15 69 , , , , 1 a sa WS s WD s g a g A W a g a g WO A g RW PI ER BR AR AR PB (13) ここで、A は支給開始年齢、g は出生年度、BR は 給付乗率、ER は再評価率、RW は標準報酬額、AR WDは障害年金発生率、AR WSは死亡脱退率である 13)。支給開始降の給付額は、前年度の値から失権 分を控除し、給付改定率を乗じて算出する。  障害厚生年金発生額

(

PBWD

)

は、(14) 式から算出 する。  

(

)

g W A g A g A a A a s WS s WD s g a g A W a g a g A g D WD D WD D A A WD A A g WD A g BR ER PI RW AR AR BR ER PI RW TRW CA CR LW LW AR TRW PB ・ ・ ・ + − − ・ ・ ・ ・ = ・ ・ ・ ・ =

Σ

Π

Σ

− = -= + = , , 1 15 1 , A g g +, , , , 3 1 , , 1 (14) ここで、D は障害等級、TRW は標準報酬額合計、 LW は被保険者期間、CR WDは障害等級割合、CA WD は障害等級別加算乗率である。障害厚生年金給付 額は、前年度の給付額から失権分を控除し、スラ イド率を乗じたものに新規発生分を加算した。被 保険者期間は、厚生労働省(2009)の基礎数から 得られる年齢別平均被保険者期間を利用する。な お、年齢別平均被保険者期間が25 年未満の場合に 平均標準報酬額に乗じる被保険者期間は、厚生年 金保険法に沿って25 年とした14)  遺族厚生年金発生額PB WSは、被保険者が死亡 した場合は(15) 式から算出する。  

(

)

g A g g W A g A g A a A a s WS s WD s g a g g W a g a g A g WS A A A WS A g A g WS A g BR ER PI RW AR AR BR ER PI RW TRW DR LW LW AR TRW PB ・ ・ ・ + − − ・ ・ ・ ・ = ・ ・ ・ ・ = + = -= +

Σ

Π

, , , 15 1 , , , , , , , 1 75 . 0 (15) ここで、DR WSは遺族年金発生率である。老齢厚 生年金受給者が死亡した場合は、(16) 式から算出 11) いずれも、将来分は最新の値を利用する。過去分は最も古い値を利用する。数年毎にしか得られない場合は、前後の値から線形補 完したものを利用する。 12) 2000 年の一部免除導入以降の RNP Fは、平均納付率から一部免除者分を控除している。また、本稿の手法では平均納付率が100% を超える年齢階級が現れる。その場合は、その階級の納付率を98% として他の階級を再計算した。 13) (13) 式で老齢厚生年金給付額を推計する場合、その結果は実際よりも低めに算出されることが予想される。もっとも、その分が障 害遺族年金や遺族厚生年金に反映されることによってその効果は相殺されると考えられる。 14) その点は、遺族厚生年金においても同様である。

(7)

104 - 産研論集(関西学院大学)40 号 2013.3 する。  PBgWS,APBWOg,ADRWSAARWSA ・0.75 (16) 障害厚生年金受給者が死亡した場合は(17) 式から 算出する。  PBgWS,A=PBWDg,ADRWSAARWSA ・0.75 (17) ここで、DR WSは死亡脱退率である。  遺族厚生年金の給付額は、死亡した被保険者あ るいは年金受給者の年齢によって遺族年金受給者 の支給開始時点の年齢が異なる。そのため、被保 険者、あるいは年金受給者の死亡年度毎に前年度 の給付額から失権分を控除し、スライド率を乗じ て算出した。それらを、遺族厚生年金受給者の出 生コーホート毎に集計して、遺族厚生年金給付額 を算出した15)。  標準報酬額は、厚生労働省『賃金構造基本統計 調査』から得られる年齢階級別きまって支給する 現金給与額・所定内給与および賞与の平均および 年齢階級・所定内給与額階級別労働者数を利用し、 年齢階級別標準報酬額の平均を推計する。将来分 はそれらに賃金上昇率を乗じて推計した16) 4.2.2. 基礎年金給付額  老齢基礎年金

(

PB BO

)

の支給開始時点の給付額は (18) 式から算出する。   ( ) ( ) Σ Σ Σ = + + + = = ・ + ・ + + ・ + + ・ + = = + + = ・ ・ = 59 20 , , , , , , , , 59 20 or , or , 59 20 , , 4 3 4 1 2 2 1 4 4 3 a a g TH P a g a g HA P a g a g QU P a g F a g N a g a M W a g M W g N g M g W g g A g a ga g BO t BO A g + ・ +REMgFL,a RNSga RNS NPP RNS NPP RNS NPP NPP HIS PI HIS HIS HIS HIS HIS POP POP HIS UP PB (18) ここで、UP BOは老齢基礎年金給付単価、HIS は保 険料納付実績、HIS Wは保険料納付実績厚生年金 分、HIS Wは保険料納付実績共済組合分、HIS N 保険料納付実績国民年金分、RNS は国庫負担率、 NPP QU4 分の 1 免除、NPP HAは半額免除、NPP TH4 分の 3 免除である17)  障害基礎年金発生額PB BD(19) 式から算出す る。  

Σ

= ・ ・ ・ = 2 1 , , D BD D BD A A g BD t BD A g UP PI AR CR PB (19) ここで、UP BDは障害基礎年金給付単価である。障 害基礎年金給付額は、前年度の給付額から失権分 を控除し、スライド率を乗じたものに、新規発生 分を加算して算出する。  遺族基礎年金発生額は、配偶者が受給する場合

(

PB BS,S

)

と第1 子が受給する場合

(

PB BS,C

)

あるいは 寡婦年金

(

PB BS,w

)

があるが、いずれも(20) 式から 算出する。  

(

)

BS A N A A g BS t BS A g UP NPP DR AR PB, = ・ ,・1− ・ (20) 遺族基礎年金給付額は、遺族厚生年金と同様に被 保険者、あるいは年金受給者の死亡年度ごとに前 年度の給付額から失権分を控除し、スライド率を 乗じて算出する。その後に、遺族基礎年金受給者 の出生コーホート毎に受給額を集計し、遺族厚生 年金給付額を算出する18)  加給年金給付額は、年金受給者数と加給年金発 生率および給付単価の積としている。ただし、老 齢厚生年金分は、算出された老齢厚生年金給付額 を、平均的な賃金を得てきた被保険者の年金受給 額よって老齢厚生年金給付額を除したものを受給 者数としている。 15) 支給開始時点の受給者の年齢は、厚生労働省(2009)から得られる死亡した被保険者あるいは年金受給者と遺族厚生年金受給者の 年齢相関表のものを採用した。失権率は、その年齢に基づいて適用している。遺族基礎年金も同様である。 16)厚生労働省モデルでは、支給開始年齢時点の被保険者数と受給待機者数の合計を老齢厚生年金の新規受給者数としている。その場 合、受給待機者数の推移の推計値が必要であるが、脱退と再加入を繰り返した場合の納付履歴の通算は困難であり、支給開始年齢時 点の受給待機者数の予測も困難である。それに対して、本稿が踏襲する深尾・金子・中田・蓮見(2006)は、各世代で納付履歴をプー ルして相当の新規裁定額を算定している。それにより、年金受給者数の予測を回避しつつ、保険料納付履歴を給付額に反映している。 17) この手法では、受給資格期間を満たさなかった者の納付履歴も給付に反映することには留意が必要である。 18) 寡婦年金は 60 歳から 64 歳の間に給付される。

(8)

105 - わが国の公的年金財政の将来推計モデルの開発 4.3. 保険料収入  厚生年金保険料

(

PP W

)

(21) 式から算出する。  

Σ

= ・ ・ =69 15 , , a t W t a t a W t RW PI PR PP (21) ここで、PR は保険料率である。国民年金保険料は (22) 式から算出する。  

Σ

= ・ + ・ + ・ + ・ = 59 20 , , , , , , , 4 3 2 1 4 1 a QU P t a HA P t a TH P t a F t a t N t NPP NPP NPP NPP PU PP (22) ここで、PU は国民年金保険料単価である。 4.4. 制度間移転・国庫負担  まず、特別国庫負担

(

SUB S

)

(23) 式から算出 する。  

Σ

Σ

Σ

= + + + + = ・ + ・ ・ + ・ + ・ = ・ ・ = 59 20 , , , , , , , , , 59 20 , , 4 3 2 4 a a g FL a g a g TH P a g a g HA P a g a g QU P a g N S g g a ga gA N S g BO t ts RNS REM RNS NPP RNS NPP RNS NPP HIS POP POP HIS UP SUB (23) 続いて、特別国庫負担を当期の基礎年金給付額か ら控除し、基礎年金拠出金単価(UP BPC) を (24) 式 から算出する。   , , , 2 3 , t t QU P t HA P t TH P t F t s A g BS t BD t BO t BPC t NPP NPP NPP NPP PI PI SUB PB PB PB UP + + + + + − + + = (24)  (24) 式を基に、厚生年金にかかる基礎年金拠出(BPC W) を (25) 式から算出する。   ― ・ = tBPC tW tW W t UP PI PI BPC 3, + ・ = M t W t W t t 3,W t PI PI PI PI PI 3

(

)

(25) 国民年金分BPC N(26) 式から算出する。   = ・ +4・ + 2 + 4 3 , , ,QU tPHA tPTH P t F t BPC t N t UP NPP NPP NPP NPP BPC (26)  最後に、厚生年金にかかる国庫負担SUB W(27) 式より算出する。  

(

W

)

t W t t BPC t W t UP RNS PI PI SUB = + 3, (27) 国民年金にかかる国庫負担は(28) 式から算出する。 (28)   + + ・ + ・ ・ = 4 2 4 3 , , , TH P t HA P t QU P t F t t BPC t N t NPP NPP NPP NPP RNS UP SUB  国庫負担率は、厚生労働省(2009)が想定する スケジュールに従っている。以上のようなモデル に、厚生労働省(2009)の中位推計と同様の経済 前提を適用して得られた推計結果は図2 に示した。 5.年金数理モデルのパフォーマンスと今後の課 題  本稿は、公表された資料のみを利用して、わが 国の公的年金の制度設計に可能な限り忠実に、か つ厚生労働省(2009)における推計結果を可能な 限り再現することができるような年金数理モデル の開発を試みた。  図2 に示したように、厚生年金、国民年金とも、 全体的にはほぼ厚生労働省(2009)と同様の傾向 を示すことに成功しており、一定のパフォーマン スを達成できている。  他方で、とりわけ国民年金には推計モデルの違 いに起因するものであると考えられる軽視できな い誤差も発生している。その誤差は、国民年金保 険料納付者数が厚生労働省(2009)と比較して低 く算出されたために生じたと考えられる19)。結果 的に積立金残高や積立金比率の初期値と2105 年度 時点の値は一致したものの、財政収支や積立金残 高や積立金比率の推移に一定の誤差が生じている。 一部に厚生労働省(2009)以降に公表された最新 のデータを利用していることも一因として考えら れる。それらは今後改善すべき課題である。  今後の展開としては、様々な仮定の下でシミュ レーションを行うことが第1 の課題である。続い て、短時間労働者への被用者年金の適用拡大の年 金財政への影響を検証できる推計モデルへの拡張 が考えられる。被用者年金の適用拡大題は、わが 国の公的年金が直面する重要課題の1 つである。 19) 国民年金第 1 号被保険者数の推計結果に無視できないほどの乖離は観測できない。

(9)

106 - 産研論集(関西学院大学)40 号 2013.3 さらに、被用者年金一元化の年金財政への影響を 検証するためのモデルの拡張も重要である。被用 者年金一元化問題は、わが国の公的年金の長年の 課題の1 つである20)  その他では、マクロ計量モデルや世代重複モデ ルなどの経済モデルと接続することには大いに意 味がある。また、他の社会保険や国、地方財政モ デルと組み合わせて大規模な世代会計モデルに発 展させることも大いに意味がある。とりわけ、世 代会計において財政モデルから得られる予測値を 用いることは、制度改革のシミュレーションを行 う上で非常に有用と考えられる。 参考文献 [1] 小椋正立・山本克也(1993)「公的年金保険のコス トと負担のシミュレーション」『日本経済研究』 No.26。 [2] 鈴木 亘・小口登良・小塩隆士(2005)「年金財政 モデルによる2004 年年金改正の評価」日本経済研 究センター『社会保障財政の全体像と改革の方向』 社会保障改革の政策評価研究報告書。 [3] 厚生労働省『賃金構造基本統計調査』各年度 (http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/chingin_zenkoku. 厚生年金       国民年金 図 2 推計モデルのパフォーマンス : 厚生労働省 (2009) との比較 15 わ が 国 の 公 的 年 金 が 直 面 す る 重 要 課 題 の 一 つ で あ る. さ ら に , 被 用 者 年 金 一 元 化 の 年 金 財 政 へ の 影 響 を 検 証 す る た め の モ デ ル の 拡 張 も 重 要 で あ る. 被用者年金一 元 化 問 題 は, わが国の公的年金の長年の課題の一つである20. 図 2 推計モデルのパフォーマンス: 厚生労働省(2009)との比較 厚 生 年 金 国民年金 -30 -25 -20 -15 -10-5 0 5 10 15 20 2010 2020 2030 2040 2050 2060 2070 2080 2090 2100 (兆円) 財政収支 本稿 厚生労働省(2009) -1.5 -1.0 -0.5 0.0 0.5 1.0 2010 2020 2030 2040 2050 2060 2070 2080 2090 2100 (兆円) 財政収支 本稿 厚生労働省(2009) 0 10 20 30 40 50 60 2010 2020 2030 2040 2050 2060 2070 2080 2090 2100 (兆円) 積立金残高 本稿 厚生労働省(2009) 0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 2010 2020 2030 2040 2050 2060 2070 2080 2090 2100 (兆円) 積立金残高 本稿 厚生労働省(2009) 20 2012 年 8 月の法改正で, 従業員規模 500 人以上の企業に関する被用者年金の 適 用 拡 大 と, 被用者年金一元化が決定された. 15 わ が 国 の 公 的 年 金 が 直 面 す る 重 要 課 題 の 一 つ で あ る. さ ら に , 被 用 者 年 金 一 元 化 の 年 金 財 政 へ の 影 響 を 検 証 す る た め の モ デ ル の 拡 張 も 重 要 で あ る. 被用者年金一 元 化 問 題 は, わが国の公的年金の長年の課題の一つである20. 図 2 推計モデルのパフォーマンス: 厚生労働省(2009)との比較 厚 生 年 金 国民年金 -30 -25 -20 -15 -10 -50 5 10 15 20 2010 2020 2030 2040 2050 2060 2070 2080 2090 2100 (兆円) 財政収支 本稿 厚生労働省(2009) -1.5 -1.0 -0.5 0.0 0.5 1.0 2010 2020 2030 2040 2050 2060 2070 2080 2090 2100 (兆円) 財政収支 本稿 厚生労働省(2009) 0 10 20 30 40 50 60 2010 2020 2030 2040 2050 2060 2070 2080 2090 2100 (兆円) 積立金残高 本稿 厚生労働省(2009) 0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 2010 2020 2030 2040 2050 2060 2070 2080 2090 2100 (兆円) 積立金残高 本稿 厚生労働省(2009) 20 2012 年 8 月の法改正で, 従業員規模 500 人以上の企業に関する被用者年金の 適 用 拡 大 と, 被用者年金一元化が決定された. 16 0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 6.0 7.0 2010 2020 2030 2040 2050 2060 2070 2080 2090 2100 積立金比率 本稿 厚生労働省(2009) 0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 3.5 2010 2020 2030 2040 2050 2060 2070 2080 2090 2100 積立金比率 本稿 厚生労働省(2009) そ の 他 で は, マクロ計量モデルや世代重複モデルなどの経済モデルと接続する こ と に は 大 い に 意 味 が あ る. ま た , 他 の 社 会 保 険 や 国 , 地 方 財 政 モ デ ル と 組 み 合 わ せ て 大 規 模 な 世 代 会 計 モ デ ル に 発 展 さ せ る こ と も 大 い に 意 味 が あ る. とりわけ, 世 代 会 計 に お い て 財 政 モ デ ル か ら 得 ら れ る 予 測 値 を 用 い る こ と は, 制度改革のシ ミ ュ レ ー シ ョ ン を 行 う 上 で 非 常 に 有 用 と 考 え ら れ る.

参考文献

[1] 小椋正立・山本克也(1994)「公的年金保険のコストと負担のシミュレーショ ン 」『 日 本 経 済 研 究 』No.26. [2] 鈴 木 亘 ・ 小 口 登 良 ・ 小 塩 隆 士 (2005)「年金財政モデルによる 2004 年年 金 改 正 の 評 価 」日 本 経 済 研 究 セ ン タ ー『 社 会 保 障 財 政 の 全 体 像 と 改 革 の 方 向 』 社 会 保 障 改 革 の 政 策 評 価 研 究 報 告 書. [3] 厚生労働省『賃金構造基本調査』各年度. [4] 厚生労働省『公的年金制度の現状』. [5] 厚生労働省『国民年金の加入・納付状況』各年度. [6] 厚生労働省『国民年金被保険者実態調査報告』各年度. [7] 厚生労働省『パートタイム労働者総合実態調査』平成 18 年. [8] 厚生労働省(2005)『国民年金・厚生年金 平成 16 年年金財政再計算結果』. [9] 厚生労働省(2009)『平成 21 年財政検証結果レポート: 「国民年金及び厚生 20) 2012 年 8 月の法改正で、従業員規模 500 人以上の企業に関する被用者年金の適用拡大と、被用者年金一元化が決定された。

(10)

107 - わが国の公的年金財政の将来推計モデルの開発 html)。 [4] 厚生労働省『公的年金制度の現状』 (http://www.mhlw.go.jp/topics/nenkin/zaisei/zaisei/data/ dat-f01.html)。 [5] 厚生労働省『国民年金の加入・納付状況』各年度 (http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/nenkin/nenkin/ toukei/k-nenkin/)。 [6] 厚生労働省『国民年金被保険者実態調査報告』各 年度(http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/140-15.html)。 [7] 厚生労働省『パートタイム労働者総合実態調査』 平成18 年 (http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/132-23.html)。 [8] 厚生労働省(2005)『国民年金 ・ 厚生年金 平成 16 年年金財政再計算結果』 (http://www.mhlw.go.jp/topics/nenkin/zaisei/zaisei/ report/index.html)。 [9] 厚生労働省(2009)『平成 21 年財政検証結果レポー ト: 「国民年金及び厚生年金に係る財政の現況及び 見通し」(詳細版)』 (http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/nenkin/ nenkin/zaisei-kensyo/index.html)。 [10] 国立社会保障人口問題研究所(2007)『日本の将来 推計人口(平成18 年 12 月推計)』 (http://www.ipss.go.jp/pp-newest/j/newest03/newest03. asp)。 [11] 社会保障国民会議(2008)『公的年金制度に関する 定量的なシミュレーション結果』 (http://www.kantei.go.jp/jp/singi/syakaihosyoukokuminkaigi/ simulation.html)。 [12] 社会保障審議会年金数理部会『公的年金財政状況 報告』各年度 (http://www.mhlw.go.jp/topics/nenkin/zaisei/04/04-02. html)。 [13] 総務省『日本の長期統計系列』 (http://www.stat.go.jp/data/chouki/index.htm)。 [14] 総務省『労働力調査』各年度 (http://www.stat.go.jp/data/roudou/index.htm) [15] 田近栄治・金子能宏・林 文子(1996)『年金の経 済分析:保険の視点』東洋経済新報社。 [16] 八田達夫・小口登良(1999)『年金改革論:積立方 式へ移行せよ』日本経済新聞社。 [17] 深尾光洋・金子能宏・中田大悟・蓮見 亮(2006) 「年金制度をより持続可能にするための原理・原則

と課題」RIETI Discussion paper Series 06-J-012 (http://www.rieti.go.jp/jp/publications/summary/ 06030005.html)。 [18] 山本克也(2003)「財政収支から見た短時間労働者 の厚生年金保険適用拡大の効果」『季刊社会保障研 究』Vol.39, No.3 (http://www.ipss.go.jp/syoushika/bunken/data/ pdf/17188805.pdf)。 [19] 山本克也・佐藤 格・岡田壮一郎・斉藤真二(2002) 「公的年金財政収支モデルの解説」『社会保障改革 分析モデル事業平成13 年度報告書』所内研究報告 No.5。 [20] 横山寛和(2008)「公的年金のバランスシート・ア プローチにおける将来推計モデルの構造と概念」 KG-SANKEN Discussion Paper No.3

(http://kgsaint.kwansei.ac.jp/Discussion%20Paper/ No.3.pdf)。

参照

関連したドキュメント

• 1つの厚生労働省分類に複数の O-NET の職業が ある場合には、 O-NET の職業の人数で加重平均. ※ 全 367

MPの提出にあたり用いる別紙様式1については、本通知の適用から1年間は 経過措置期間として、 「医薬品リスク管理計画の策定について」 (平成 24 年4月

後援を賜りました内閣府・総務省・外務省・文部科学省・厚生労働省・国土交通省、そし

[r]

(2) 令和元年9月 10 日厚生労働省告示により、相談支援従事者現任研修の受講要件として、 受講 開始日前5年間に2年以上の相談支援

【サンプル】厚⽣労働省 労働条件通知書 様式

[r]

さらに国際労働基準の設定が具体化したのは1919年第1次大戦直後に労働