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JAIST Repository: 新たな事業モデル構築時代の成功戦略の策定

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Academic year: 2021

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https://dspace.jaist.ac.jp/ Title 新たな事業モデル構築時代の成功戦略の策定 Author(s) 旭岡, 勝義 Citation 年次学術大会講演要旨集, 25: 880-885 Issue Date 2010-10-09

Type Conference Paper Text version publisher

URL http://hdl.handle.net/10119/9431

Rights

本著作物は研究・技術計画学会の許可のもとに掲載す るものです。This material is posted here with permission of the Japan Society for Science Policy and Research Management.

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2G22

新たな事業モデル構築時代の成功戦略の策定

〇旭岡勝義((株)社会インフラ研究センター) はじめに 1.事業環境 2.新たな事業モデル 3.事業モデルの構造と成功条件 4.成功戦略と競争優位基盤 最後に はじめに 国際環境の激変の時代において、今や事業モデルの大転換期にある。2008年以降の 激変は、徐々に新たな経営戦略要素や価値構造の変化の将来構造を示し始めている。 そこでは、スマ-トグリッド、クラウドコンピューティング等が実験実証や新たな社会イ ンフラの構築と一体となって展開されていくが、その過程において、既存事業への影響や 新たな競争条件の変化が顕在化することで、新たな事業モデルが形成されようとしている。 こうした経営環境を踏まえて、世界企業では、これまで構築した成功条件等は今後通用 しない、大きな変化をもたらすという「危機意識」の中で、新たな事業構築を先行的に見 極め、目標の実現を図る成功戦略の確立が重要になっている。 企業競争も、国際的な展開の激化の中で業界再編やM&A、事業統合、事業選択等経営 課題もダイナミックな動きが要請されている。こうした環境の中で、成功企業を観察して みると、新たな未来価値に目標を定め、未来価値を戦略の中心に据えて、トップ自らイノ ベーションを主導し、実現のための仕組みや人材育成を強化している。グローバルな資金・ 人材流動化等企業経営は従来の枠を越え、多極化が進み、ますます経営構造革新とスピー ドある意思決定が必要になっている。 こうした変革期における新たな事業モデルの方向と競争優位のための、成功戦略の策定 方法や事業戦略の展開を強化する方法や展開体系を提示したい。 1.事業環境 事業環境は、世界規模で影響を与えるような環境の変化、世界経済の持続的な発展を阻 害するような環境の変化、国際的な競争条件を一気に変革する環境の変化、これまでの企 業が構築した開発生産販売等の機能及びプロセスの変革を余儀なくさせる環境の変化、従 来の積上げ的な経営モデルの延長では生き残れない環境の変化等々、環境の変化の見極め

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が極めて困難な状況が見え始めている。また、これまでの経営視点では乗り越えることの 出来ない新たな経営の視点や行動を必要とするものであり、こうした課題解決を踏まえて、 創造的な解決プロセスとして「次世代イノベーション」構築を迅速に展開し、企業の飛躍 的なパフォーマンスを変革する事業モデルの構築が不可欠である。

図1.事業環境

○事業環境は、次世代イノベーション構築へと迅速に転換していく。 企業戦略の 転換期 企業内経営 ⇒ 創造経営 課題解決への迅速な問 題発見 価値体系コンセプト 創造 価値の持続的評価 価値実現の資源の世界的獲得 実現プロセスのノウハウ蓄積 実行する持続的仕組み 人材の育成と知の形成 次世代イノベーション構造 イノベーション統合 コーポレートパフォーマンスの飛躍 環境やテクノロジーの急速な変化は、単なる環境条件を取り込むのみでは、経営として の持続的な収益を獲得する構造はできない。このためには、イノベーションの統合、価値 実現の資源の世界的な獲得、実現プロセスのノウハウの蓄積、実行する持続的な仕組み、 人材の育成と知の形成等の絞り込みが今後の事業の狙いとどう関係するのかまで、目標選 定することが必要である。実現すべき価値構造が、市場課題、顧客課題、社会課題を解決 し、競合企業がなしえない価値実現構造へのプロセスを示しうるまでの設定も条件とする。 2.新たな事業モデル 今後の事業モデルの特性は、 1)新たな国家政策に対応し、社会システムや社会インフラを構成する要素を取り込む トータルシステムの新産業を含む新たな事業展開とその参入 2)国際的な市場競争に対応して、シェアを拡大強化しようとする新たな統合体や複合体 の事業モデルの模索 3)国際消費構造を戦略の核にして、それぞれの国の消費スタイルに合わせた国別対応能 力の強化とそのための開発やメンテナンスサービス等の変革 4)コンピューティングの世界的な展開における新たな生活支援技術を含めた産業促進 及びデータマネジメントの産業形成 また要素としては、

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1)世界の情報(技術)や人材を集めて、目標となる社会システムを設計していくこと が可能な仕組み 2)国際的な消費動向や顧客のニーズの本質動向を分析して、迅速なハード、システム、 ソフト内容を変更して、販売ルート等の仕組みの構築 3)ハードのみならず、顧客が必要とするシステム内容を従来の企業の枠を超えて、 目標設定とネットワークできる能力 4)知の必要構造を、データマネジメントを基本として、個別の事業を統合し、顧客へ の一貫した価値を提供 さらに今日の経済危機を短期なものとは把握せず、 「新たな未来価値の構築」に向けて、 ①グローバルな課題解決の知の集積への挑戦的な仕組み ②従来の事業や産業の枠を超えて、価値実現または顧客アプローチの方法の変革 ③システムや仕組みに関する技術やソフトの統合 ④コンセプト主導による技術目利きや事業目利きとしての選択や資源配分、人材配置 の重点的な動き ⑤しかも資源配分に関係する事業においては、国家政策や相手国の政策との関係づけ をどう取り込むのか、 資源の一元的処理(垂直統合を視野に入れたプロセスの流れ)、 現地の流通販売等の統合を含めての顧客メリットの新たな販売方法(リースやファ イナンスの取り込み)等顧客への価値提供の考え方をビジネスそのものに取り入れ る要素が多様化している。 つまり、「顧客の多様なバリエーションの設定がキー」となってきた。

図2.新たな事業モデル

経済危機 ・経済対策 ・グリーンニューディール 等エネルギー環境事業 ・社会課題解決トータルシステム ・戦略パートナー連携 ・国際市場へのシェア競争 ・オープンイノベーションによる 技術人材の集積競争 戦略転換の仕組み 競争優位戦略 新たなシステム構築 社会価値の構築/経済効果 個別技術の優位性と評価 優先的な資源配分と公共政策との連携 横断的な解決とイノベーション人脈 社会システム の構築競争 業界再編 統合 ・システム運営等 トータル構築 ・技術及びソフトの 融合 ・世界的統合 ・事業連携 ・集積

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3.事業モデルの構造と成功条件 図3.社会映像事業モデルの構造 V-KITS応用事業の本質 顧客 新サービス 業態変化 機器・装置 コンテンツ サービス 顧客 機器・装置 メーカー コンテンツ メーカー サービス 業者 V-KITSの増加・内容変化 (多様な機能ソフト) 迅速化・ニーズの多様接点化 業態変化 顧客 の選 択の 多様 性 従来業界の変化 事業枠組み・主体の変化(成長新領域) 事業モデルの成功条件は、「これまでの枠を超えたソフトやサービスの一貫性」を顧客へ の価値として、再構築再編成を行うことにある。ここに取り上げるV-KITS(Vis ual Knowledge Interface Technology Syste m)は映像機器及びソフト、サービスをネットワーク化またはそれを連携し、単独で成立 していた事業部分を取り込み、もしくは不要にし、機能的な置き換えが展開されるものと 思われる。 つまり、こうした動きは「製品等における新たな展開を生み出すのみではなく、従来産業 の大きな消滅とともに、一方では、この変化を基本とする新たな業態変化やサービス事業 の創造が行われる」ということになる。 このことはもちろん顧客の側にたった視点が必要になるだけではなく、まったく予想され なかった顧客または顧客への潜在ニーズを生み出しているとも言えるのである。 今は存在していなくとも、新たな需要が生み出され、消費者への迅速なサービスの到達手 段になる。その際新たなサービス事業が生み出され、従来事業構造が崩壊し、さらに隣接 領域との事業連鎖が起こりだす。 こうした成長領域の創造は、V-KITSをどのように仕立て上げるかによって異なる のであるが、少なくともこれまでとは異なる顧客にニーズの大きな潮流が生み出されてい くのである。 このようにV-KITSが、新たな事業潮流の原点になる可能性が高く、今後この領域は、 社会生活全般に亘り、巨大な社会インフラを形成していくことに間違いはない。 我が国の産業界は、この変化の視点立って、これまでの業界推進とその延長としての領域 から、いち早くV-KITS事業応用領域を展開し、サービス事業を含む新しい事業形成

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とその事業モデルを戦略として実現することが望ましい。 つまり、現在の分社や分断された事業領域別組織では戦略の展開が不可能な事業モデル なのである。 またサービス事業では、

図4.サービス事業イノベーションモデルの構造

顧客

・届ける価値の 概念 ・「夢」 想い 持続的イノベーションの仕組み 問題意識 (カン) ・事業環境 ・顧客環境 実行/試行 錯誤 ・失敗の経験 イノベーション構造 事業モデル 業態開発 ネット応用 顧客の狙い 現場創造 シナリオ化 迅速化 組織化 ノウハウ 仕組み 経営的なカンを正し く認識し、経営やしく みのイノベーション に結合させていく 顧客へ価値を届けるための構造全体を「持続的なイノベーション」によって、仕組みとし 4.成功戦略と競争優位基盤 成功戦略は、こうした事業モデルを基本として、成功ストリーを先行的に確立し、 どのような成功条件を持続的に展開すべきかの実現を図るものである。 図4.成功戦略と競争優位基盤 現状 事業の現状 従来方法(積み上げ/ 見極め) 事業現状分析→戦略策定→実行→(見直し) 事業及び競合 環境 事業の環境や競合の変化 成功ストーリー策定 目標 ゴール 成功の姿 未知の世界 不確実性 成功要素の先取り 成功条件の枠組 戦略遂行の優先順位及び経営迅速化(スピード) 潜在能力 強化 目利き/ 先読み リスク管理 情報と行動 重点志向 情報共有/執念

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この成功戦略策定方法は、

図5.「成功ストーリーイメージ法」作業方法

1.事業環境・課題 ・事業環境 ・課題 2.目標 ・成功イメージ化 ・成功プロセス ・成功後の姿 (具体的) 4.現状 ・現状把握 3.成功ストーリー ・成功ストーリー ・成功プロセス ・成功要素抽出 5.成功要素 ・成功要素の優先順位 ・選定 ・成功モデル 6.実行プログラム ・具体的実行事項 ・実行プログラム ケ月 プロジェクト編成 (集中作業) 事業特性や事業の環境により異なるが、幾つかの事業での成功条件を調査分析取りまとめ た資料をアイディアの引き金として、事前に事業モデルや事業内容を読み込み、さらに将 来の事業環境や競争条件を想像しながら、成功条件となる要素とそのシナリオを創造する ことになる。この手法は、現実にまだ起こり得ない成功条件を策定することで、事業全体 の読みを深め、情報収集や今後の行動への執念を強化して、戦略策定後の行動や思考を変 革し、優先順位を明確化し、事業を推進する全体のコンセンサスを先行的に強化すること ができるのである。このことは、現在国際競争上課題となっている意思決定スピードを速 め,事業にとって重要な偶然の出会いや予想外の変化の見極めを早める結果をもたらす。 そして、事業戦略の飛躍、企業の経営風土革新、目標実現への実行力の強化等へとつなが るのである。 最後に 事業モデルの変革期における重要性は、経営の勘や志が重要な要素であり、転換マネジメ ントであり、迅速な判断と成功条件を形成するプロセスでの方法の創造なのである。 技術革新のみでなく、情報技術を駆使するサービスの業態開発は、異質ならの競争を可 能にし、そのための成功条件を事前に構築する戦略展開が、成功戦略として重要になる。 こうした成功戦略には、経営の勘や志が重要な要素であり、情報収集と実現プロセスの 中で、新たな方法が発見される場合も少なくない。 従来の経営手法は、分析を基本に、方法論を重視したが、今後の経営には、迅速な判断 と成功条件を形成するプロセスでの方法の創造こそが重視されなければならない。

参照

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