小学校低学年における体つくり運動の授業づくりの研究 : リズムを取り入れた活動を通して
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(2) 動」の授業を行うこととした。また,実践校の実. を変化させる姿がみられる。. 態に合わせて,主運動までの約15分間で行った。. 実践中の児童の姿からは,. 本実践で明らかにしたい項目は,①運動によっ. ・空間を広く使おうとする姿. て動く楽しさと巧みな動きの向上が可能である か②音やリズムの有効な活用法について③実習 校の実態に合わせ,主運動につながる運動が出来. ・動きを工夫しようとする姿. たか,の3点である。. ためには,速度変化やリズムパターンの変化など. 各項目の成果として,以下のことを挙げる。. のr音やリズムの活用」に応じて,工夫の時間や. (1)動くことのr楽しさ」を感じながら、巧み. ・友だちと一緒にリズムにのろうとする姿 が見受けられ,音やリズムを効果的に取り入れる. 空間を広く利用するなどの「音やリズムを活かす. な動きの向上を目指す. ための指導の工夫」が求められることが分かった。. タンバリンの運動では,運動前のrはりきる気 持ち」が増加し,運動後の「爽快感」は,「いい. 上記の児童の姿は,音やリズムを有効に活用す. え」と回答している児童はO名になり,「はい」. る。. と回答している児童は5名増加した。このことか. るための指導の手掛かりとして改善案につなげ (3)主運動とのつながり. ら,サーキットトレーニングのような形式の活動. 主運動の中で見られた3歩の動きの合計得点. に比べ,音やリズムに合わせて動く活動は動くこ. が増加した。一人当たりの平均得点は,第4時か. とのr心地よさ・爽快:感」につながっている。各. ら第6時にかけてやや下がっているものの,第1. 授業のアンケートの記述には,. 時から約1点増加している。r体づくり運動」に. rなんかうごくのがたのしかった。」(1年生). おける動きが直接的に主運動における動きの改. 「きょうのタンバリンはいろんなうごきをして. 善につながったとは考え難いが,主運動において. たのしかったです。」(2年生). 児童の動き方が向上した結果を示すことが出来. のように,r動く楽しさ」について記述している. た。. 児童が多い。同時に,. 4 本実践における課題 本実践における課題として,①児童にとって十. 「からだをタンバリンのおとにあわせてうごか せてたのしかったです。」(1年生). 分な運動量が確保できていない。②rフープわた. のように,音やリズムに関する記述も多い。つま. り」において場の設定や活動中に待ち時間が発生. り,音やリズムに合わせて「動く」ことに楽しさ. した。③仲間と交流する時間を確保していない。. を感じていた児童がいたと言える。. ④「工夫の時間」は動き方に個人差が生じた。⑤. r巧みな動き」について,児童の動きは,rリ. 一部の児童に「できる」「できない」という感覚. ズム走」rフープわたり」の活動において,得点. を感じさせた。の5点を挙げる。これらの課題に. が上がった。第1時から第6時にかけてrリズム. ついて改善案を作成した。. 走」は平均0,7点,rフープわたり」は平均O.. 作成した改善案の実践と修正については,筆者. 4点上がった。よって,授業の活動を通してrリ. の今後の課題としたい。. ズム走」とrフープわたり」の基本となる動きの 質が向上したといえる。. (2)音やリズムの活用法と効果的な指導法 本実践では,「速度の変化」と「リズムパター ンの変化」,「声と手拍子でリズムをつくる」の3. 点の活用法を取り入れた。児童の記述には,音に 合わせて動く楽しさと共に,動きを工夫する楽し さに関する記述が多い。また,遅いテンポの時に. 参考文献 ・後藤幸弘・上原禎弘編,「内容学と架橋する保 健体育科教育論」,晃洋書房,2012. ・細江文利・鈴木直樹・成家篤史編,r体づくり 運動の授業づくり」,教育出版,2011 ・文部科学省,「学習指導要領保健体育編」東洋. 館出版社,2008. は空間を大きく使う動き,速いテンポでは系岡やか. な動きをするなど,速度変化に合わせて体の動き. 修学指導教員 松下 健二.
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