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小学校低学年における体つくり運動の授業づくりの研究 : リズムを取り入れた活動を通して

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Academic year: 2021

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(1)小学校低学年における体づくり運動の授業づくりの研究     一リズムを取り入れた活動を通して一.                       教育実践高度化専攻                       小学校教員養成特別コース.                       P10087G  溝畑 約 1 研究報告書の構成. 法について分析・考察する。併せて,r主運動に. 第1章 研究の目的と方法. つながる体づくり運動」を進める実習校の実態に. 第2章 r体づくり運動」領域について 第3章 リズムを取り入れたr体づくり運動」 第4章 実習校における授業実践の分析と考察 第5章 総括. 合わせ,具体的な実践事例として示すことで,体 づくり運動の在り方を一考することを目的とす る。. .(2)研究の対象と方法. ①研究の対象. 2 研究の概要 (1)研究の目的.  兵庫県K市立Y小学校 低学年 ②研究の方法.   平成20年度学習指導要領よりr体づくり運. ・「体づくり運動」の授業づくりについて文献研. 動」が小学校低学年から高校3年まで「必修」.  完を行い,小学校低・中学年における授業の在. と位置づけられた。しかし,小学校段階では自.  り方について考察する。. 分自身の必要に応じて体力を向上させていくこ. ・音楽やリズムを取り入れた体づくり運動に関す. とが困難である。現場では,体力に無意識であ.  る文献や先行研究について分析し,効果的な取. る子どもに対して,体力向上を目的にする授業.  り入れ方や活用法について考察し,実践への手. が成立するのかという声や,トレーニング化を 危惧する声が挙げられている。特に,小学校低・.  掛かりを得る。. 中学年では,基本的な動きを身に付けると共に,.  ムを取り入れた運動を行い,単元前後の運動の. 動くことの楽しさを十分に味合わせることが重.  捉え方の変化と各授業後の児童のアンケート,. 要である。現在,子どもの興味・関心を引き立.  各授業の様相観察,動き方の観察により分析す. てる工夫が模索されているが,その一つに音楽.  る。. やリズムを取り入れた取り組みがある。リズミ カルに身体を動かすことは,内的な欲求に働き. 3 研究の成果  r体づくり運動」は本来,必要充足の運動とし. かけるため,日的や競争を伴わずとも,誰もが. て捉えられてきた。しかし,低・中学年段階では. 爽快感や心地よさを感じることが出来る動作で ある。また,体を思い通りに動かすカや巧みに. 体力向上を直接の目的とする必要充足の運動は そぐわないとされている。そのため,欲求充足の. 動くカなど,調整力の向上にもつながると考え. 運動として指導し,「動く楽しさ」「爽快感」を感. られている。しかし,現行の学習指導要領では,. じさせることが大切である。また,小学校低学年.  「リズミカルに動く楽しさ」が強調されている. 段階は,発達段階上「調整カ」を高めるのに適し. ものの,体の動かし方と関連させた運動の例示. ており,神経系の回路が形成されている時期であ. は少ない。さらに,小学校低・中学年の「体力. る。そのため,この時期に多様な動きを経験して. を高めるための運動」は未だ模索の段階であり,. おくことが大切である。. 今後,多様な活動例の報告と検討が必要である.  リズミカルな運動は「活動の欲求」に働きかけ,. と考える。. 動く楽しさを味わうことが出来る運動である。さ. ・連携協力校での授業実践において,音楽やリズ.  このことから本研究では,小学校低学年におけ. らに,タイミングやリズムよく動くことは巧緻性. る体を動かすことの心地よさを感じさせ,体力の. に含まれ,調整カとも関係深い。. 向上を目指す体づくり運動の在り方として,音楽.  そこで,児童の「楽しさ」と「巧みな動き」に. やリズムを取り入れた運動を行い,効果的な実践. っなげるためにリズムを取り入れた「体づくり運.

(2) 動」の授業を行うこととした。また,実践校の実. を変化させる姿がみられる。. 態に合わせて,主運動までの約15分間で行った。.  実践中の児童の姿からは,.  本実践で明らかにしたい項目は,①運動によっ.  ・空間を広く使おうとする姿. て動く楽しさと巧みな動きの向上が可能である か②音やリズムの有効な活用法について③実習 校の実態に合わせ,主運動につながる運動が出来.  ・動きを工夫しようとする姿. たか,の3点である。. ためには,速度変化やリズムパターンの変化など.  各項目の成果として,以下のことを挙げる。. のr音やリズムの活用」に応じて,工夫の時間や. (1)動くことのr楽しさ」を感じながら、巧み.  ・友だちと一緒にリズムにのろうとする姿 が見受けられ,音やリズムを効果的に取り入れる. 空間を広く利用するなどの「音やリズムを活かす.    な動きの向上を目指す. ための指導の工夫」が求められることが分かった。.  タンバリンの運動では,運動前のrはりきる気 持ち」が増加し,運動後の「爽快感」は,「いい.  上記の児童の姿は,音やリズムを有効に活用す. え」と回答している児童はO名になり,「はい」. る。. と回答している児童は5名増加した。このことか. るための指導の手掛かりとして改善案につなげ (3)主運動とのつながり. ら,サーキットトレーニングのような形式の活動.  主運動の中で見られた3歩の動きの合計得点. に比べ,音やリズムに合わせて動く活動は動くこ. が増加した。一人当たりの平均得点は,第4時か. とのr心地よさ・爽快:感」につながっている。各. ら第6時にかけてやや下がっているものの,第1. 授業のアンケートの記述には,. 時から約1点増加している。r体づくり運動」に. rなんかうごくのがたのしかった。」(1年生). おける動きが直接的に主運動における動きの改. 「きょうのタンバリンはいろんなうごきをして. 善につながったとは考え難いが,主運動において. たのしかったです。」(2年生). 児童の動き方が向上した結果を示すことが出来. のように,r動く楽しさ」について記述している. た。. 児童が多い。同時に,. 4 本実践における課題  本実践における課題として,①児童にとって十. 「からだをタンバリンのおとにあわせてうごか せてたのしかったです。」(1年生). 分な運動量が確保できていない。②rフープわた. のように,音やリズムに関する記述も多い。つま. り」において場の設定や活動中に待ち時間が発生. り,音やリズムに合わせて「動く」ことに楽しさ. した。③仲間と交流する時間を確保していない。. を感じていた児童がいたと言える。. ④「工夫の時間」は動き方に個人差が生じた。⑤.  r巧みな動き」について,児童の動きは,rリ. 一部の児童に「できる」「できない」という感覚. ズム走」rフープわたり」の活動において,得点. を感じさせた。の5点を挙げる。これらの課題に. が上がった。第1時から第6時にかけてrリズム. ついて改善案を作成した。. 走」は平均0,7点,rフープわたり」は平均O..  作成した改善案の実践と修正については,筆者. 4点上がった。よって,授業の活動を通してrリ. の今後の課題としたい。. ズム走」とrフープわたり」の基本となる動きの 質が向上したといえる。. (2)音やリズムの活用法と効果的な指導法  本実践では,「速度の変化」と「リズムパター ンの変化」,「声と手拍子でリズムをつくる」の3. 点の活用法を取り入れた。児童の記述には,音に 合わせて動く楽しさと共に,動きを工夫する楽し さに関する記述が多い。また,遅いテンポの時に. 参考文献 ・後藤幸弘・上原禎弘編,「内容学と架橋する保  健体育科教育論」,晃洋書房,2012. ・細江文利・鈴木直樹・成家篤史編,r体づくり  運動の授業づくり」,教育出版,2011 ・文部科学省,「学習指導要領保健体育編」東洋.  館出版社,2008. は空間を大きく使う動き,速いテンポでは系岡やか. な動きをするなど,速度変化に合わせて体の動き. 修学指導教員  松下 健二.

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