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平和について考えを深め、地域の人へよく分かるように発信しよう

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Academic year: 2021

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第6学年 国語科学習指導案 1 単元名 平和について考えを深め、地域の人へよく分かるように発信しよう 教材名 「平和のとりでを築く」 「自分の考えを発信しよう」 2 学習の構想 こんな子どもだから 本学級の児童は、「学級討論会をしよう」を通して、相手を納得させるには、具体的な事例や資料といった客観的な事 実を提示して自分の考えを話すことが有効であることを学んできた。また、「みんなで生きる町」では、資料提示のタイ ミングや提示時間の工夫が聞き手に分かりやすく伝わることを学んできた。しかし、事実と意見を区別して、話を組み 立てようとする意識は薄く、自分の考えを伝える力は十分に備わっているとはいえない。 こんな教材で 本単元は、教材文「平和のとりでを築く」を通して筆者の主張を読み取ると共に、「平和」についての自分なりの考え を持ち、「自分の考えを発信しよう」を通して、それを明確に伝えることをねらいとしている。 「平和のとりでを築く」は、原子爆弾によって「傷だらけ」になった物産陳列館が、多くの人々の平和を願う心によ って、世界遺産「原爆ドーム」となった経緯を述べた文章である。本教材文は「話題提示(筆者の思い)→史実→まと め(筆者の考え)」という3つのまとまりで構成されている。また、文章は短文で時間の流れにそって構成され、事実と 意見をはっきり区別して書かれている。そのため、筆者の考えを読み取るために文章構成をとらえたり文末表現や指示 語をおさえたりすることは、「自分の考えを発信しよう」を通して、自分の考えや意図が分かるように話の組み立てを工 夫して話すことの育成につながる。 「自分の考えを発信しよう」は、「平和」についての考えを持ち、発信していく学習である。前教材の学習だけでなく、 〈資料1〉〈資料2〉は、「平和」についての新たな視点を見出すことができ、自分の考えを広げる上で有効である。ま た、発信するまでの手順が書かれており、児童が表現過程を見通して活動することができる。 このような指導で ○ つかむ段階では 社会科の歴史学習や修学旅行との関連を図りながら、地域の戦争体験者の話を聞く活動をきっかけに、「平和」 について自分の考えを持ち、発信する学習を行うための見通しをもたせる。また、8 月の平和学習から戦争や平和 に関するニュースや新聞等の情報を集めさせておく。 ○ さぐる段階では 教材文「平和のとりでを築く」を読み、筆者の伝えたいことについて考えさせる。その際、文章構成を確かめ、 文末表現や指示語などに着目させ、自分の考えを伝える際の話の組み立ての工夫に活かせるようにする。また、ま とめの段落では、一つ一つの叙述の意味するところを押さえながら、筆者の伝えたいことを解釈させ、それに対す る自分の考えを書きまとめさせる。 「自分の考えを発信しよう」では、これまでの「平和」に対する自分の考えに教材文を通して考えたことをふまえ て、現時点で考えていることをまとめさせる。そして、それに説得力をもたせる材料を集めさせる。その後、集め た材料をもとに要旨をまとめ直させ、自分の考えを確定させる。その際、8月から集めさせておいた戦争や平和に 関するニュースや新聞等の情報を活用させたり、戦争体験者へのインタビューを行わせたりする。そして、教材文 の文章構成をもとにしたモデルを提示し、自分の考えがよく分かる話材の配列の工夫をさせる。 ○ あらわす段階では 保護者を中心とした地域の人々に発信する。聞いた人の感想ももとにしながら、話の組み立てとしてよかった点、 うまくいかなかった点について振り返らせる。それらの様子を録音するなどして振り返りしやすいようにする。 〈本単元におけるキャリア教育の視点〉 こんな子どもに(めざす児童像) ○ 「平和」について関心を持って文章を読んだり、自分の考えを積極的に話し合ったりしようとしている。 ○ 事実と感想・意見の区別をしたり資料や例示の活用をしたりなど、話の組み立てを工夫して話すことができる。 ○ 筆者の主張を読み取り、自分の考えを持つことができる。

(人間関係形成能力)

「平和」に対する自分の考えを資料と関係づけて説得力あるものになるよう、事実と 感想を区別して述べるなど、話の組み立てを工夫して、地域の人々に話すことができる。

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3 単元指導計画(総時数16 時間) 学習過程 学習活動 指導上の留意点 評価 つかむ ② 1 「平和」についての考えを地域 の人に発信することについて話 し合い、学習の計画をたてる。 (1) 「平和」についての考えを地 域の人に発信することにつ いて話し合う。① (2) 学習の計画を立てる。① ○ 事前に戦争や平和に関するニュースを 視聴させたり、新聞や資料を読んだりさ せておく。 ○ 地域の戦争体験者の話などの学習体験 や教材文の題名から、現時点での「平和」 について感じていることや考えているこ とを出し合わせる。 ○ 学習体験をもとに「平 和」に対する自分の考え を持ち、今後の学習に対 する見通しを持つこと ができる。 さぐる ⑫ 2 「平和のとりでを築く」を読み、 筆者の伝えたいことを考える。 (1) 題名と1段落から読みの課 題を持つ。① (2) 全文を読み、文章構成をとら える。① (3) 原爆ドームのたどった歴史 について読み取る。① (4) まとめの段落(12・13 段落) から、筆者の伝えたいことの根 拠を叙述に即して探り、自分の 読みを交流し合う中で、筆者の 伝えたいことを明らかにする。 ① (5) 筆者の伝えたいことに対す る自分の考えを書きまとめ る。① 3 自分の「平和」に対する考えを 発信する。 (1) 前時の考えや教科書 P41 の 資料をもとに「平和」に対する 自分の考えを交流し合う。① (2) 前時の考えをもとに、「平和」 について自分が伝えたいこと を決める。① ・ 伝えたいことの中心 ・ 調べる内容・方法 (3) 材料を集める。① ○ 題名読みや1 段落「わたしは、・・思 わずにはいられなかった。」という文か ら、読みの課題を持たせる。 ○ 「筆者の思い→原爆ドームがたどった 歴史→世界遺産への道のり→まとめ」と いう文章構成になっていることを捉えさ せる。 ○ ワークシートを使って事実を時間の流 れに沿って正確にとらえ、整理させる。 また、指示語や文末表現にも着目させる。 ○ 叙述に即して筆者の伝えたいことに対 する自分の読みを交流させる。 ○ 筆者の伝えたいことの根拠はどこなの か探らせることで、「世界の遺産なのだ。」 と強く訴える筆者の考えを明らかにさせ る。 ○ 前時までに学習した読みを自分なりに 解釈させる。 ○ ここまでの学習を通して、「平和」に対 して今感じていること、もっと知りたく なったことなどを出し合わせ、課題意識 を高める。 ○ 「平和」に対する自分の考えを、具体 的に表せるように助言する。 ○ 伝えたいことの中心は、短い文で書く ようにさせる。 ○ 調べる事柄が難しくならぬよう、同世 代の子どもに視点をあてた「平和」につ いて考えられるような情報提供を行う。 ○ 必要に応じて、文献・新聞記事等を準 ○ 題名や1段落の筆者 の思いをもとに、読みの 課題を持つことができ る。 ○ 具体的な事例と筆 者の考えを区別して、文 章全体の構成を捉える ことができる。 ○ 時間の流れにそって 原爆ドームが世界遺産 になった経緯を正確に 読み取ることができる。 ○ 「平和を守っていく強 い意志を持とう」という 筆者の思いを叙述に即 して読み取ることがで きる。 ○ 筆者の伝えたいこと に 対 す る 自 分 の 感 じ 方・考え方を書き表すこ とができる。 ○ 「平和」に対する自分 の考えを発表すること ができる。 ○ 「平和のとりでを築 く」で読み取ったことや 前時の交流をもとに、 「平和」について自分の 課題を持って取り組も うとしている。 ○ 自分の考えに必要な ・ 原爆ドームが世界遺産への仲間 入りを果たした経緯 ・ 筆者の伝えたいこと

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(4) 集めた材料をもとに、伝え たいことの中心を明確なも のにまとめ直し、効果的な構 成のために必要な材料を選 ぶ。①(本時) (5) 自分の考えを話の組み立 てのポイントにそって発表メ モにまとめていく。② 話の組み立てのポイント ・ 順序(思いを含んだ話題提 示→事実→伝えたいことの まとめ) ・ 事実と意見との区別 (6) 発信するための練習を行う。 ① 話し方のポイント ・ 文末表現・段落のつながり を考えた指示語や接続語の 活用 ・ 資料提示のタイミングや提 示時間 ・ 視線 ・ 声の大きさ、速さ、調子 備したり、インタビューを勧めたりする。 ○ 材料は、自分の考えの根拠となる事実 や引用などを選ぶ。 材料選びのポイント ・ 自分の伝えたいことの中心を述べる ために関係のあるものか ・ 自分の考えを相手に納得させられる ための資料であるか ・ 確かな事実であり、想像ではないか ・ 相手にとって分かりやすく関心をひ くものであり、自分で理解できている 事柄か ○ 相手を納得させるために反対意見を用 いることも有効であることを伝える。 ○ 意図的に発表内容の似たグループを作 り、上記した選ぶポイントにそっている か相談できるようにする。 ○ 話の概要を述べてから話すと相手に分 かりやすいことを伝える。 ○ 互いの考えを交流させ、話の組み立て のポイントにそって小グループで助言 し合えるようにする。 ○ 付箋を活用させ、付け加えや順序の入 れ替えがしやすいようにする。 ○ 必要な資料も用意させたり、作成させ たりする。 ○ 話し方のポイントにそって練習を行わ せる。 ○ 小グループで聞き合い、アドバイス し合うようにさせる。 ○ 話す声をテープレコーダーに録音して 自分の話し方を振り返ることができるよ うにする。 材料を自分なりに集め ることができる。 ○ 集めた材料の中から 自分の考えと関係付け るために必要なものを 選択することができる。 ○ 自分の考えが聞き手 によく伝わるような、効 果的な組み立てを自分 なりに考えたり、友達と の交流を通して改善し たりすることができる。 ○ 声の大きさや速さ、調 子、資料提示のタイミン グ、視線の向け方等、友 達の助言をもとに改善 することができる。 あら わす ② 4 「平和」について自分の考えを 発信する。 (1) 発信する。① (2) 学習したことを振り返る。① ○ 練習で行った話し方のポイントに気を つけて、話すようにさせる。 ○ 話を聞く側から、内容や話の組み立て 方について感想をもらうようにする。 ○ 学習を通して、自分の考えがどのよう に変わったり、広がったり深まったりし たかについての感想が交流できるように する。 ○ 声の大きさや速さ、調 子、資料提示のタイミン グ、視線の向け方等に気 をつけて話すことがで きる。 ○ 学習したことを振り 返って自分の考えの変 化や広がり深まりを見 い出し、学習した意味や 満足感・達成感を感じる ことができる。

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5 本時の学習 (1) 授業会場 於 第6学年教室 (2) 主眼 ○ 集めた材料の中から、伝えたいことの中心を明確にし、聞き手が納得するような話にするためにふさわしい 材料を選ぶことができる。 (3) 授業仮説 本時学習において、次のような場の設定や支援の工夫を行えば、自分の考えを明確にするための材料選びの方 法を知り、ふさわしい材料を選ぶことができるであろう。 ・ 主題の似ている3~4人の小グループで、互いの選材の仕方を助言し合える場を設定する。 ・ 材料選びのポイントを理解できるようなモデル提示を行う。 (4) 準備 モデル提示用材料カードと取材表 付箋(材料カード) ワークシート(取材表) (5) 展開 学習活動 教師の支援・留意点 評価 1 前時の学習活動を想起 する。 2 めあての確認をする。 3 提示用のモデルを吟味 しながら〈材料選びのポ イント〉を確かめる。 4 自分の材料カードを取 捨選択する。 5 互いの選んだ材料を 〈材料選びのポイント〉 に沿って評価・助言し合 う 6 本時の学習を振り返 り、次時の学習活動につ いて知る。 ○ 前時は、伝えたいと思っていることに対して必要な材料を 集めていったことを想起させる。 ○ 選材前と選材後の取材表のモデルを提示し、伝えたいこと にそってどの材料を選び、どの材料を取り除いたか、また、 どの材料を補ったか、理由をつけて話し合わせ、選材の観点 をつかむことができるようにする。 ○ 材料カードは「事実」と「感想・意見」に色分けさせてお き、資料が自分の考えと関連しているか判断しやすくする。 ○ 机間指導の際、前時までの取材表をもとに個に応じた助言 ができるようにする。 ○ 〈材料選びのポイント〉をカードにして各グループの机上 に置き、いつでも確認できるようにしておく。 ○ 自分の考えに対して、なぜその材料を選んだのか説明した 上で、吟味、修正を行っていくよう伝える。 ○ 改善点ばかりでなく、よさも認めるよう促しておく。 ○ 活動がうまく進んでないグループには、机間指導によって 助言を行う。 ○ 不足している材料について、適した材料を他の友達が持っ ているか確かめ、必要な場合は取り入れていく。 ○ 次時は、本時の活動で選んだ材料を用いて、話を構成して いくことを伝える。 ○ 集めた材料の中から 〈材料選びのポイン ト〉をもとに、伝えた いことの中心を明確に し、聞き手が納得する ような話にするために ふさわしい材料を選ぶ ことができる。 キャリア教育の視点(人間関係形成能力) 集めた材料の中から、伝えたいことの中心を明確にし、聞き手が納得するような話にするためにふさわしい 材料を〈選材の観点〉から選ぶことができる。 自分の考えを、伝えたいことの中心を明確にし、聞き手が納得できるような話にするために必要な材料を選ぼう。 〈材料選びのポイント〉 ・ 自分の伝えたいことの中心を述べるために関係のある資料であり、重複や不足はないか。A ・ 自分の考えを相手に納得させられるための資料であるか。(具体的数値、表やグラフ、写真、比較が ある、インタビュー、資料の引用)B ・ 確かな事実であり、想像ではないか。(資料元がある)B ・ 相手にとって分かりやすく関心をひくものであり、自分で理解できる事柄か。(意外性のあるもの、 切実なもの、違う立場の意見、資料の意味するところを説明できるか)C 〈選材の観点〉 ・ 関係性 A ・ 確実性 B ・ 読み手の関心 C

(5)

参照

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