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不正咬合を有した女児における骨成熟自動評価システム(CASMASⓇ)を用いた骨年齢と顎顔面成長の関連性の検討 利用統計を見る

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Academic year: 2021

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氏 名 今村 美穂 博士の専攻分野の名称 博 士 ( 医 学 ) 学 位 記 番 号 医工博 4 甲 第 133 号 学 位 授 与 年 月 日 平成26年3月20日 学 位 授 与 の 要 件 学位規則第4条第1項該当 専 攻 名 先進医療科学専攻 学 位 論 文 題 名 不正咬合を有した女児における骨成熟自動評価システム(CAS MASⓇ)を用いた骨年齢と顎顔面成長の関連性の検討

(Assessment of relationship between bone age and growth of maxillofacial morphology using the computer aided skeletal maturity assessment system (CASMASⓇ) in young girl patients with malocclusion)

論 文 審 査 委 員 委員長 教 授 安達 登 委 員 准教授 西郷 達彦 委 員 講 師 髙橋 博

学位論文内容の要旨

(研究の目的) 本研究の目的は、不正咬合を有した女児の手指骨X線による骨成熟自動評価システム(CASMAS®) を用いた骨年齢と側面頭部X線規格写真(セファロ)分析による顎顔面形態の成長との関連性を評価 することである。 (方法) 対象は、不正咬合を有した89 人の女児(年齢 7.1 歳~15.8 歳の平均年齢 10.3 歳±2.0)で、全員に 手指骨X線およびセファロの撮影を数カ月の間隔をとり2回撮影した。セファロ分析項目ANB より、 I 級 27 人(ANB: 2.0°以上 3.9°以下)、II 級 27 人(ANB: 4.0°以上)、 III 級 35 人(ANB: 1.9°以下) として3 群に分けた。手指骨X線をスキャンした後、CASMAS を用いて骨年齢 A(末節骨、中節骨、 基節骨を使用)と骨年齢B(末節骨、中節骨、基節骨および橈骨を使用)を算出した。また各セファ ロ分析項目(上顎骨長、下顎骨長、下顎枝張、下顎骨体長、下顎角)の月間成長率=(2 回目の数値-1 回目の数値)/(2 回目の月齢-1 回目の月齢)と定義した。骨年齢とセファロ分析項目の成長率との関連 性を統計的に検討した。 (結果) 歴年齢および骨年齢A と各セファロの計測項目の成長率との間に有意差は見られなかった。しかし、 I 級では骨年齢 B と上顎骨長(ANS-PNS) (P=0.0476)、II 級では骨年齢 B と下顎角(Gonial Angle) (P=0.0122)、III 級では骨年齢 B と下顎枝の長さ(Cd-Go) (P=0.0307) に有意な相関関係が認められた。

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(考察) 本研究の結果からは、女子において、暦年齢に関してはIII 級が高値であったことは、下顎の成長が 上顎よりも遅くまで続くことから、III 級の下顎が大きい反対咬合の治療は、叢生や上顎前突などの I 級、II 級よりも治療開始年齢が遅くなることが考えられる。I 級では、骨年齢A、B、歴年齢の順 で高―低値に計測されたことは、上下顎間関係が正常な成長を遂げている場合でも、骨成熟の方が歴 年齢よりも早熟になり、顎骨成長が早熟で小さいうちに永久歯が萌出してしまい、永久歯のスペース が不足し、顎骨と歯牙萌出の不調和につながり、叢生のような歯列不正の問題になると考えられた。 またIII 級では骨年齢や歴年齢に有意差がなかったことは、骨の成長は歴年齢と同様に進み骨成長の 早熟傾向や遅延傾向がないケースに多いことが示唆された。 セファロの分析結果においては、ANS-PNS の上顎骨長においてのみ I 級と III 級に有意差を認めた が、これはIII 級では上顎骨の成長率に問題があり、上顎骨劣成長により相対的下顎突出傾向になる ことが考えられた。 また、相関関係の結果からは、手指骨第3指から骨年齢の B(末節骨 中節骨 基節骨 橈骨の 4 種類の骨成熟を計測した骨年齢)がI 級(骨格的上下関係正常)では上顎骨の長さに、II 級(上顎骨 が下顎骨より前方傾向)では下顎角に、III 級(下顎骨が上顎骨より前方傾向)では下顎枝の長さに 有意な相関関係が出たことにより、他の歴年齢や3 種類の骨からの分析(末節骨 中節骨 基節骨) である骨年齢 A より骨年齢 B が骨成長を予測する際には比較する評価が高いことがわかった。 CASMAS の骨年齢 B においてのみ今回の分析結果は有意差が出たことから、癒合が完了していない 橈骨の情報を骨年齢A に加えたもので、橈骨を含めることでより正確になっていることを示唆した。 骨年齢 B は、癒合の早い場合や、癒合に差がある場合には、橈骨の分析を加えることでより正確な データが出たとも考えられる30) 。また、成長完了期に近い患者より低年齢の患者の方が成長予測の 必要性があるとともに、精度も高く判定可能であることを示唆しているといえるだろう。 そして、各レントゲン分析項目との相関からは以下のような考察が考えられる。骨格性Ⅰ級における 上顎骨長への相関があったことからは、上下顎関係が正常な関係で成長するためには、上顎の正常な 成長がまず必要であることを示唆している。 (結論) 手指骨からの橈骨計測を含む骨年齢Bは成長期の顎顔面成長との関連性があることが示唆された。 (キーワード) 骨年齢A,B、CASMAS(骨年齢自動評価システム)、側面頭部X線規格写真(セファロ)分析、月間 成長率

論文審査結果の要旨

本 論 文 は 、 不 正 咬 合 を 有 し た 矯 正 患 者 の 女 児 手 部 骨 X 線 に よ る 骨 成 熟 自 動 評 価 シ ス テ ム (CASMAS®)を用いた骨年齢と側面頭部X線規格写真(セファロ)分析による顎顔面形態の成長との 関連性を検討し、評価したものである。手部レントゲンからの橈骨計測を含む骨年齢Bにおいて、成

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長期の顎顔面成長との関連性があることが示されている。身体の成長発育と手部骨の関係や、手部骨 の成熟度評価表について検討した報告は多くみられが、従来の方法は術者の知識や経験に基づく習熟 度に依存した主観的なものであり、再現性や作業効率に問題があった。本論文では、客観的で能率的 な評価方法としてのコンピューターを利用した骨年齢の自動評価法に着目し、女児の各不正咬合分類 における骨年齢と顎顔面形態成長率の関係を詳細に検討したもので、先見性と独自性が認められる。 本論文は、審査以前の状態と比べ、各委員の質問に対して概ね適切に回答する形で修正されており、 この結果、評価に耐え得るものとなっている。よって、学位論文として、ふさわしい内容と考えられ る。 なお、審査内容の詳細については、別紙「各委員からの質問およびそれに対する回答」を参照され たい。 西郷委員の質問 1. 3 群に分けてそれぞれ処置を変えているが、それが相関を強くする方向に働いているのか、弱く する方向に働いているのか、あまり影響がないのか、歯科口腔外科的な根拠の元での記述をお願 いします. 回答 I 群では顎骨全体に力を加えていないため相関結果にほとんど影響はなかったと考えられます。I 群では顎顔面骨格異常はなく歯列異常(歯槽部に限局した咬合不正)のみが生じている群であり、こ れと比較して II 群、III 群を考えていいものと思われます。II 群、III 群ともに上顎骨のみに力を 加えている介入であり下顎骨長、下顎枝、下顎骨体、下顎角などにはあまり影響を与えていないと考 えられます。III 群(下顎前突)では、上顎骨を前方に牽引する力を加えているにも関わらず上顎骨 長において I 群に比較して小さい傾向があり、介入治療を行っていたにもかかわらずそれほど奏効し ていなかったとも考えられます。II 群(上顎前突)では有意差はないものの、I群に比較して下顎 骨長、下顎枝が小さい傾向があり下顎骨の劣成長が残存しているものと考えられます。もともと上顎 骨長が大きいのではなく相対的に下顎の後退があったとも考えられます。上顎骨長は I 群と有意差が なかったため、多少介入治療の影響があったと思われますが、上下顎の相対的位置の把握しかできて おらず、今回の研究ではわかりませんでした。治療介入をしていなければ、むしろ各群の成長特性が されに顕著になり相関はさらに強くでることが予想されます。 ちなみにお送りいただいた赤線の質問のANBでの数値からの群わけですが、数値の低~高で群わけ しなかった理由ですが、矯正歯科では大臼歯関係のAngle分類が一般的に使用されている分類で、 Ⅰ級:正常咬合(大臼歯関係正常) Ⅱ級:上顎前突出(大臼歯関係上顎大臼歯前方位) Ⅲ級:下顎 前突出=反対咬合(大臼歯関係上顎後方位)となっているためそれに準じて本研究も3群に分けまし た。

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2.回帰分析を行っている箇所で、回帰計数の意味を歯科口腔外科的な知見と結びつけて論じてくださ い。 回答 いずれも回帰係数は非常に小さくかろうじて有意差は認められたものの、非常に弱い相関と考えら れます。治療年齢幅が小さいため年間ではなく月間成長率として算出していることも影響している と思われます。しかしながら、非常にサンプルの少ない研究においてこのような結果が出たことは、 サンプルが大きくなればさらに明確な結果につながるものと期待できます。臨床知見と照らし合わ せますと、I 群ではこの治療期間に上顎骨長成長が、II 群では下顎骨長が、III 群では下顎枝長が 骨年齢Bの経過とともにわずかではあるが大きくなることが考えられます。しかし、各個人におい てばらつきが大きく、この治療時期の成長が直線で回帰できない可能性も十分あると思われます。 また、0.035、0.033という数値は月間成長率としての係数としては、下顎骨成長率の推 移 金沢大学医学部解剖学第三講座(主任 松田健史助教授)(昭和 43 年 12 月 13 日受付)相模 嘉夫先生の論文が古いデータですが比較しますと、下顎枝0.0352でしたので、かなり近い数 値だと思われます。Ramus hight が下顎枝の長さなので本研究の対象年齢であるst ageⅠ~Ⅳまでの平均が0.0352となりました。 3.表 3B に一つはずれ値と思われるデータが存在し、これのために回帰式が大きく動いています。も しこのデータが何らかの根拠の下で異質なものであれば、はずした上で相関や回帰を調べてくださ い。 回答 一つのはずれた値の患者の暦年齢は決して治療年齢から逸脱するものではなく、たまたま骨年齢Bが 比較的大きく算出されたものとなっていますが、特に異質であるとは思われずデータに含めています。 4.考察について今回の結果との関係がいくらか見えにくい部分があります。結果に関連付け、適宜文 献を引用しつつ述べてください。 回答 論文訂正して添付しました。 *この他、西郷委員から幾つか重要な指摘がなされた。指摘内容については最終訂正論文内に全て反 映されているため、紙幅の関係で割愛した(安達)。

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髙橋委員の質問 1. 一般に骨年齢と暦年齢の差は咬合障害のない(正常な)児童ではみられないのでしょうか。(ど の程度の差があれば異常と考えるのでしょうか) 回答 骨年齢と暦年齢の差は咬合異常のない児童でも生じ得ます。治療においては歯牙萌出年齢との差が重 要であり骨年齢で治療介入のタイミングを推定しています。したがって正常、異常の明確な基準はな いと思われます。 臨床的にも咬合障害のない児童でも、骨年齢と歴年齢との差は個人差が大きくみられます。身長の差 で考えるとかなり個人差が大きいように、咬合や歯列もかなり個人差が大きく、また歴年齢と骨年齢 におおきな差がなくても咬合障害(不正咬合や歯列不正)は多くみられます。遺伝傾向の家族性などの 先天的要因と生活習慣などの機能的、環境的問題からくる後天的要因のいずれからも影響を受けてい ることが考えられます。1個人でも継時的にレントゲンにより同一検査を行っていますが、時期によ っても、また震災時の研究から精神的な要素からも影響を受けるという報告があります。今年の成長 学会でも以下のような報告がありました。 1)阪神淡路大地震が学童の成長に及ぼした影響を顧みて 武田 眞太郎1、後和 美朝3、五十嵐 裕子4、松本 健治5、森岡 郁晴2、宮下 和久1 1 和歌 山県立医科大学衛生学教室、2 同 保健看護学部、3 大阪国際大学 4 園田学園女子大学、5 鳥取大学 地域学部 2)東日本大震災が学童の成長に及ぼす影響に関する実態調査 佐藤亨至 東北大学大学院歯学研究科、いさはい歯科医院 3)放射能汚染地域における小児の身体計測調査 有阪 治1、西連地利巳 2、日本成長学会東北震災委員会 1 獨協医科大学小児科、2 同公衆衛生学 またどのくらいの差があれば異常と考えるかについては、成長曲線の平均値より+-2SD 以上, 以下と考えられ、そのようなケースを小児科に紹介しますと成長ホルモン等の分泌異常や脳腫瘍等の 可能性を疑う検査に入ります。 2. P8 の 1~3 行目、“Ⅲ級では骨年齢や暦年齢に有意差が~示唆された。”という表現について、 表 1 でⅢ級の骨年齢の SD 値が大きい点から、骨成長の早熟や遅延がないのではなく、骨年齢の 早熟、遅延の両方が存在すると考えた方がよいのではないでしょうか。 回答 先生のご指摘の通りだと思われます。加筆訂正いたします。「III 級では骨年齢や歴年齢に有意 差がなかったことは、骨年齢の早熟、遅延の両方にばらつきが存在することが示唆された」に訂正し ます。

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3. 表 3A~C の横軸の単位が months になっているのは測定した 2 回目と 1 回目の月齢の差を表して いるのでしょうか。また横軸が years(年)とすると、対象の女児の年齢が 7.1~15.8 歳となっ ていますが、これに当てはまらない年齢の女児がいることになると思いますが、この点はどの ように理解したらよろしいのでしょうか。ご説明をお願いいたします。 回答 単位が間違っていましたことをお詫び申し上げます。months から years に訂正しました。対象 の年齢は暦年齢で記載されており、グラフでは横軸は骨年齢Bとして算出された年齢となっています。 この骨年齢は、2回検査した骨年齢の平均値を骨年齢Bとして成長率との相関を調べましたのでここ での単位は、Yearとなります。 また対象年齢は歴年齢で7.1~15.8才ですが、グラフでは横軸は骨年齢Bとなっています。骨 年齢Bは歴年齢と異なり8.0才~19.8才、平均10,6歳でした。 安達委員の質問 1. 論文中、骨年齢A と B が設定されていますが、これらは CASMAS のプロトコール中に予 め設定されているものでしょうか。それとも、先生が独自に設定されたものでしょうか。 回答 すでにCASMASに組み込まれた設定になっております。 2. 考察でも述べられていますが、歯列矯正のための医療行為が顎骨の成長に影響を与えてい る可能性があります。この影響を排除した、つまり未治療例での手指骨と顎骨の成長の相 関についての研究はあるのでしょうか。 回答 東京臨床出版 佐藤亨至先生の「歯科医師のための顎顔面成長発育」から抜粋。 女子9才と14歳の未治療群をⅢ級とⅠ級で比較し増加量の相関を調べたデータです。Cd-Gn、 Cd-Goは本研究の下顎骨長、下顎枝長と同じ計測なので比較は可能かと思われます。

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3. 本研究では女児のみを対象としていますが、男児を対象としなかった理由はあるのでしょ うか。 回答 1:男子で女子同様に検討した結果、相関関係の結果がなかった。 2:男子の成長の方が女子に比べて成長期間も長く、ばらつきが大きく出る傾向があったので年齢 幅も20歳くらいまで広げる必要があった。 3:来院患者の母集団総数で抽出する際に男子の全体数が少なかった 以上の理由から女子に限っての研究といたしました。 4. 本研究では手指骨の成熟段階から顎骨の成長を予測しようと試みていますが、折角頭蓋のX 線画像撮影をしているのですから、頭蓋の画像から顎骨の成長を予測した方がより確実な 予測が出来るものと思います。そうしなかった理由は何でしょうか。 回答 頭蓋のなかではCASMASの中にも頚椎年齢を側面頭部規格写真(セファロ)から第3、第4頸椎 から計測して出すプログラムがあり、日常臨床でも計測いたしますが、データとしての信憑性やばら つきが大きく臨床活用することが少なくなってきています。特に頚椎計測は思春期性成長のピークを 過ぎると、椎体の形態変化はわずかになり、誤差も大きくなります。論文や具体的にデータとして示 しているものは見つかりませんでした。また東北大学の専門の先生にも確認いたしましたが、同様の 回答でした。根拠の一つは頚椎の変化は思春期のピーク以後はほとんど変化がなくなるため、女子で はおおむね12 歳、男子で 13 歳以後の評価は特に信頼性が乏しくなります。また低年齢(6~7 歳以 前)でも精度が悪くなりますが、CASMASでは低年齢でも思春期とそれほど精度は変わりません。 手のレントゲン撮影が増えることで、被ばく線量が増加しますが、もし頚椎年齢を算出した結果、歴

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年齢と大きく差異が求められた場合は、やはり骨年齢を出して確認する必要があるといわれています。 5. 論文中、手根骨と手指骨という言葉が、同一の解剖学的部位を指す言葉として用いられて います。また、撓骨は手根骨でも手指骨でもないはずです。これらの用語について、はっ きりした定義づけをした上で適切な用語に統一してください。 回答 矯正臨床的に用いられているものが現在まで骨年齢Aの手指骨分析だったことから一般的に手指骨 分析といわれる。またおもに手根骨上でみられる骨の成熟度を、指標としては、手根骨骨核の出現数 や成熟度、骨端軟骨の癒合の程度などを用いる方法もあり、臨床的には、母指尺側種子骨は、身長の 思春期最大成長の1~2 年前に出現し、それより少し遅れて下顎骨成長スパートが到来するとされて いる。その後橈骨の分析がそれに加わり骨年齢Bとなった。そこで今回は総称して<手部X線写真> で統一することが望ましいと考えました。 6. 本研究が今後の歯列矯正臨床治療に与える具体的な意義について、先生のご意見を伺いた く存じます。 回答 骨年齢Bを矯正治療前後に継時的に計測することで、効率の良い治療時期の選定と矯正治療後の成 長予測などから成長完了までを管理することは他の年齢評価(歴年齢、骨年齢A)や予測に比べて有効 な手段であることが確認されました。 患者さんの来院時期にかかわらず、経時的個人のデータを蓄積することにより、成長率を算出する ことで、各上下顎関係の特徴ごとに成長傾向がある程度予測でき、治療開始時期の設定や長期に成長 予測しながら治療計画を立てることが歴年齢だけでなく骨年齢を加えることで、より正確になると思 われます。 今までのように歯科的な症例分析を用いて臨床医の経験に基づいて行う上下顎関係の治療計画か ら、骨格的成長傾向を参考にした診断や治療を行うことができると思われます。静的資料による検査 時点の骨格的、客観的なデータを継時的に定期的に蓄積し、分析、評価、予測することで、治療計画 の立案、見直し、最適な治療時期の設定、効率的顎外装置等の使用の有無が考慮されやすくなること を期待しています。 最後に骨年齢Bと各群で上下顎骨の成長部位との相関関係がわずかでも認められたので、部位ごと の計測データの変化量を計測し、治療中いつでも参考にできるデータベースの構築が可能になり、質 の高い効率的な治療および管理ができると考えています。また骨年齢Bをもとに上顎骨への矯正治療 のアプローチを早期に予防的に行うことで将来の推察される上下顎成長の問題を未然に防いでいく ことにつながることを期待しています。

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