論文
関連指導をめぐって
生野金三・北村好史・豊澤弘伸
TheInterdisciplinaryProgramsonReadingandWriting
1はじめに
昭和52年改訂された学習指導要領において、国語科の指導内容は「言語 事項」と「A表現」及び「B表現」の一事項二領域に改められた。これは、 両者の関連を密接にすることによって、文章表現力をはじめ、言語表現力 全般の向上と充実を(1)志向してのことである。この背景には、教育課程の 基準の改訂において、国語科に対する強い要請、つまり「言語教育として の立場を一層明確にし、表現力を高めるようにする。その際、小学校及び 中学校においては、国語力を養うための基礎となる言語に関する事項が系 統的に指導できるようにし、高等学校においては、それが発展的に指導さ れるようにする。」(2)等があったためである。このようなことからも国語 科は言語教育としての立場を一層明確にし、とりわけ言語による表現力の向上を強調するといった意図のもとに「A表現・B表現」の領域構成になっ ていることが理解できるのである。 国語科では、二領域で言語による表現力と理解力を中核に据えた指導内 容(A表現領域には表現力を養うための内容が示され、B理解領域には理 解力を養うための内容が示されている。)が示されているため、これはあ たかも相反する対立する概念のように考えられるが決してそうではない。 言語活動の実態をつぶさに見てみると、理解活動の中には理解するものの 表現に関する要素が存在し、表現活動の中にも表現するものの理解に関す る要素が存在する故、言語による表現力と言語による理解力とは全く無縁 なものでなく、相互に依存し合いながら養われ向上していくものである。 理解力に基づかない表現力は成立しない。また、理解力の形成は理解者の 表現力を要素としていることから、両者の能力は全く別個のものではなく、 相互に相依り相補う能力であるといえる。このことを人間の言語活動にお いて詳しく見てみると、人間の言語活動は「聞く」「話す」「読む」「書く」 の四つの形態によって営まれているが、それらを伝達空間を軸として考え るとき、「話す」と「書く」は表現者の側に属し、「聞く」と「読む」は理 解者の側に属する。それらを一人の言語主体に即して考えてみれば、人間 は本来理解者であると同時に、表現者である。このことを念頭に置くとき、 四つの言語活動(表現と理解)は個々ばらばらに行われるものではなく、 それらは統一あるものとして関連付けられていると考えられる。
表現
理解
立士一…}圭五 日月筒口口話す
聞く
文字言語書く
話す
このようなことより表現と理解とは相互に関連し合いながらそれらの能 力は高められていると考えられる。したがって、指導の方向としても両者の関連を図り得る部分は十分考慮して指導を展開していく必要がある。表 現力は表現活動、理解力は理解活動というように、それぞれ独立的に扱っ てもそれなりの効果は期待できる。しかし、独立した活動と同時に、両者 を機能的に関連させるといった指導においてそれぞれの活動の質を高め、 確かな能力の育成が期待できるのである。 このような言語の能力とそれを育成する言語活動の関係から、関連指導 はその必要性を明らかにされ、実践界ではさまざまな関連的指導の提案・ 研究が行われてきた。本論では、これまでの成果を踏まえ、読みより作文 への関連指導(学習)の展開を考察する。具体的には、読みの学習によっ て理解した教材文の表現形式や表現方法等を作文に活用する表現法習得の あり様を具体的実践事例をもとに探究することとする。
■単元設定の課題
既に述べたように、関連指導は、その目的と学習効果の観点から種々の 展開を認めることができる。単元の設定に際しては、その目的とそれにそっ た展開(方法)を把握しておくことが重要となる。そこで、様々な関連指 導の実践について分類しておくこととする。 関連指導の多くは、読み書きの関連に関わるものであるが、これらはま ず、「顕在的関連」と「潜在的関連」の二者に大別することができる。 前者のr顕在的関連」とはr二つの活動(例えば読みと作文)の関連が 意図的にも過程的にも明確であるような関連」のことであり、一方後者の 「潜在的関連」とは「関連が明確に意図され、実際に具現されているわけ ではないが、常時他の領域の能力や活動への配慮をもつような関連」のこ とである。 次に、それらを具体的に見てみる。<顕在的関連>
1読みの指導で取扱った教材の話題や内容等に関連した作文学習一これは、読みの学習が終了した後、その作品についての感想を書 いたり、その作品続きを創作したりすることである。換言すれば、 それは読みの教材と類似(共通)の文種・内容・題材等に関する作 文学習のことである。これを別の視点から見るとき、それは話題上・ 素材上の関連、あるいは動機的関連と考えることができよう。 2読みの過程において理解や鑑賞を深めるための書く作業 一これは、読みの過程の中で必要な部分を書き抜いたり、原文に明 確に叙述されていない人物の気持ちを等を書き加えたり、文章の全 体又はある段落(場面)の要約をしたりして読みを一層確かに深く すると共に、書く力の基礎を身に付けるようとするものである。こ れは「……を深めるため」とある故、手段的・補足的関連といえよ
う。
3読みの学習によって理解した教材文の表現形式を作文に活用する表現法の習得
一これは、説明文や意見文等を読んで、その知識や情報等の読みを 受容するのみでなく、その述べ方や文章形態等を明確に認識し、表 現法上のポイントを個々人の作文に応用することである。これは、 言わば能力的関連と考えられよう。(3)<潜在的関連>
1理解学習の中で絶えず表現の潜在力を高めるために表現上の機微に ふれ、言葉の論理力に目ざめさせる関連 一これは、文章中の語句や文について、それと類似・反対等の関係 にある多くの周辺語彙や文や群の名でその語句や文が選ばれた理由 について思考させることである。その考察によって言語感覚を豊か にし、また個々人が表現活動を行う際、その表現の論理と感覚に生かしえよう。(4)
今日認められている関連指導は、およそ上記の様な諸型に分類され、そ れぞれに実践への方途を確認することができる。(5)関連指導というと、単にr表現」とr理解」の融合であったり、これら の領域を主従関係で捉え、表現学習を主とするもの、理解学習を主とする もの、表現と理解が同等のものと三者に大別し、それぞれにウェートをか けたりといっただけの展開も見られるが、それだけでは関連指導の意義は 充分に果たされない。形式的な寄せ集めだけの関連指導では意味がない。 単元の設定に当たっては、目的とそれに見合った方途を考慮し工夫しな ければならない。また、課題解決・問題解決能力といった今日的な学習課 題の観点からも、能力的な関連を重視した展開を組み入れることは重要と なろう。
皿指導の研究
1単元(rあふれる思いを伝えよう」)展開の概要とめあて 携帯電話の普及は、家族が本人に取り次ぐ過程を省き、言葉による待遇 表現を身に付ける機会を奪った。メールの顔文字は、言葉による感情表現 を陰に追いやった。閉じられた社会(親しい間柄)でのみ命を持つ、刹那 的な感性に操られた造語・語彙がその範躊を広げつつある。いざ、学習の 場で自らの思いを筋道たてて述べようとする中学生は、場のコンテクスト に沿った言葉、伝える術(音声言語・文字言語)が見付けられず、苛立ち にも似た思いを吐露する。そのような生徒の実態に鑑み、新聞投書記事に 学ぶことから導入し、作文への苦手意識(「何を書けばよいのか」「どう書 けばよいのか」など)の克服を手始めに、第2・3学年の二年間を通して、 学習指導要領に示された「さまざまな材料をもとにして自分の考えを深め、 自分の立場を明らかにして、論理的に書き表す能力」を高めていく単元を 設定した。換言すれば、「複数の資料を収集し、取捨選択し、類別整理し、 関係付けていく過程から、自己の感想や意見をまとめあげ、自らの論を導 き、社会に向けて発信していくこと」をめざす言語活動を、顕在的関連指 導を意識して、機能させていく単元である。さて、国語科教育の目標は、次に挙げる力の育みを、表現領域(r書く」 r話す」)・理解領域(r読む」r聞く」)における情報操作活動(言語行動) によって達成することである。 ・情報を収集し、目的に従って取捨選択(評価)し、相手意識をもって 構成(論立て)し、発信するといった、コミュニケーションを図って いくことのできる力(能動的な言語行動力)を育むこと。 ・言語のもつ曖昧性から生まれるrそうぞう(創造・想像)性・感性」
を育むこと。
・伝統としての言語文化を受容し、継承していこうとする力を育むこと。 r学習者の国語学力の実態」からrめあて・付けたい力」が導き出され r素材の持つ価値」とそれとが響き合うことでr教材(教育的価値をもつ)」 が生まれる。「めあて」は、学習者への「学習内容」「学習活動」となって 具現化する。続いて学習過程の中でなされた様々な評価活動を経て個への 「てだて」が施され、次の学習活動への橋渡しとなる。指導と評価との一 体化である。そこでは、r言語能力の定着を目指す系統立った指導」r言語 能力の螺旋的な高まりを意識した指導」r国語だからこそ培える言語能力 (情意面)の指導」が、国語科教育として計画的になされる。具現化に向 けたそれぞれの言語活動では、意識するとしないとにかかわらず、関連指 導が展開される。「顕在的関連指導」を意識した実践をとおして、各領域 の中で行われるr潜在的関連指導」も意識化され、相互に高まりを見せる。 当然のことながら、言語事項に係る領域も関連して指導されるこことなる。2指導計画
本単元を設定するに当たって、第2学年では、「ア広い範囲から課題 を見つけ、必要な材料を集め、自分のものの見方や考え方を深めること。」 に、第3学年では、「工自分の意見が相手に効果的に伝わるように、根 拠を明らかにし、論理の展開を工夫して書くこと。」に重点を置いた。い ずれも、学習指導要領に示された内容である。具体的な構想を次に示す。単冗の構想 単元名 あふれる思いを伝えよう 三年生になったら:r十五歳の主彊大会」を開こう。新聞に投書
しよう。関係機関にむけて発信しよう。
画麟の資糀収瓢鵬翻し、類膿理嘱鮒けてい
く過程から、自己の感想や意見をまとめあげ、畠らの講を導き、 社会に肉けて発信していくことをめざす蓄語活動を仕組むこと。㊥一鞭へ頒蜘動を囎する。痛単元r気臆る諺から」r投齢
紹介」「気づいたことコ
投書に学ぶ・}う①構成に学ぶ:論理の農開②情報に学蕊:賛成、反対③使用語彙に学ぶ
情報を集めるゆ①身の回りの事象を扱った投醤から②岡じテーマをもった投書を複数集め、沈較検討
自己の意見をまとめる(立場の明確化) 投書の構成にのっとり、文章構成を考える文章にまとめる㊥2敬の学習磁かして
夏休みの課題→①興味を持ったコうムの全文を視写⑫使用語彙に学ぶ③意晃・感想を簡単にまとめる
投書に学ぶ嚇①構域に学ぶ:段落ごとに情報をカード化したものを論理の展開に含わせ並べ替える(筆奮の立場から見つめる)
情報の収集峠①テーマに従って、論を支える資料を収集する③分類整理:多くの意見1こ触れる
③慧見の構築④文章構成を壱える文章化(推敲)
以上の醤語活勤が、関連指導に係るζと。@発瀧経て、さら臆髄確蹴る勧1こする:班内詳伽繍焔
r十五歳の主張大会」開催 それぞれの思いを社会に向けて発信する:投書、少年の主張大会参加、 さまざまな作文コンクールヘの参茄・関係機関への働きかけ では、この指導過程を、顕在的関連指導とのマトリクスから眺めてみよ う。目途とする表現力の育成を支える理解領域の存在価値が見出される。2年次に展開 ねっい
指過程
衰現域
鍍 ア広い範囲から 課題を見つけ、 必要な材料を集 め、自分のもの の見方や考え方 を深めること。 A:無:石原知の唱えたディーノレ車排}こする慧を一に ユの趣旨の・え ワークソートの活用によ り、流れに則った表現活 動を行いながら理解を深 めていく。 2論理展開の捉え ・く結論→対案の撰示→反 論→聞題邊起唖結論〉 の∼れえる 3使周語に学ぷ 謹㍍ら語紮へ B・厚κられたから’を持ったん
e 42で学んだ康闘を参 考にして構成し文章 化する, ・ワークシートヘの記入に よリ、1∼3の活動を再 現し、農龍の中に自らの 意見を採り入れて、文案 ヒ ・自分の文攣をメタ教材と して捉え、論理の展開を 確認する。 3年次に展闘 C・味を持った聞 コラムをにく季休羅11の題として> 工自分の意晃が 梱手に効果的に 伝わるように、 根拠を明らかに し、論理の展開 を工夫して審く こと, 糖報の発信ま で〔辮報処理 〈2年次ク)学_潜か して> 5論旨の捉え 6論理農朋の提え 7使用膳彙に学ぶ まとめる ・用、にまとる。①簗ラムの視写 ②意味翻べ・漢字鯛べの
なるべく多くのコラムに目を通す。 筆者のいいたいことを捉 える. 、、瑠.齪.麗塁.か、ら使、飼.語.藪△. 推敲 8意見・”感憩署樒箪だ”’燭薫寛閣’二’ 一感類閣δ衷閣どあ…㌦D・敏を’に
くカレンダー0)から > 能力の宵成) をも見据えて 指導に当たる。 (自分の2年次の ポートフォリオ を資料とする) 9教材文の段落にある 鰺報をカード化し、 論理の展開にしたが って並べ替えを行う 情報を並び替えることに より、必要な情報量と箪 者の思考過程を追う。 ECで選択した素材を元に、情報発信(弁齢大会)上げる
までをも見えて、見文 1{}論を支える資料の収 と整理 図議館資新闘言己事・コラムを‘’ 11怠見の構築 2年次に用いたワークシ ート形式もしくはカード ンでとめる 捻意見文に蜜ンめる 作文朗にく 紅 3関連指導の実際 ここでは、3年次における顕在的関連指導の有効性について、女子生徒 Yのポートフォリオを追いながら検証してみたい。 (1)第2学年の関連学習概観 2年次の学習後、生徒Yは次のような感想を残している。 いつも作文を書くときは、そのまま作文用紙に書いていたけれど、 なかなか進まなかった。今回の勉強で、構成表にしたがって思ったこ とを箇条書きにまとめた後だと、作文がすらすらと書けたことに驚い た。また、新聞の投書欄を読んで自分の考えをもつことは大切だと感 じた。これから気をつけて投書欄にも目を通そうと思う。 新聞投書記事に学ぶことから導入し、上記マトリクスに示した関連指導 “を行うことで、作文への苦手意識(「何を書けばよいのか」「どう書けばよいのか」など)の克服ととともに、学習指導要領に示された「さまざまな 材料をもとにして自分の考えを深め、自分の立場を明らかにして、論理的 に書き表す能力」育成のきっかけづくりは達成された。 (2)2学年の学習内容の想起と視写による理解活動 ポートフォリオに残された記録を3年の1学期末に返却し、次の学習計 画を伝え、力を付けることのできた2年次の学習を振り返るよう示唆し、 意欲を喚起した。生徒Yは、夏季休業中に次の新聞コラムを素材として見 付け出し、丁寧な文字で視写した。 <どうも釈然としないのです。>ある高校一年生から次のような手紙 が届いた。 ▼夏休みに入って最初の一週間、彼女は知り合いの家に泊まった。共 働きの両親と小学生の子ども二人の四人家族だ。<おじさんが言うの です。>r我が家の子どもたちは、どうもおかしいよね。友達が遊び に来たっていうから、あいさつでも、と部屋をのぞいたら、みんなバ ラバラに本を読んだり、ゲームをしたりしてるんだ。せっかく遊びに 来たのに、あれじゃ意味がないよね。」▼<私は前日の、この家の夕 食を思い出しました。飲み会や残業で忙しいおじさんが珍しく居合わ せたのですが、彼はテレビの野球中継に夢中だし、おばさんは台所と 行ったり来たりでほとんど座らない。子どもたちは食べてばかり、仕 方なく私も食べるだけ、といったふうで結局みんなバラバラでし た。>▼<おじさんは、子どもたちのバラバラを問題にしました。で も、遊びに来る子どもたちは学校でも塾でもお互いほとんど毎日顔を 合わせている。おじさんはわが子と一緒にいる時間がとても少ない。 なのにテレビにかじりついている。子どもたちがバラバラというのな ら、この親子関係はもっとバラバラなのではないでしょうか。>▼ <「あの子たちの友情の感覚というのがわからん」と、おじさんは言
います。自分が同じようなことをしているという自覚がまったくない のです。子どもがパーティーで使う赤鼻でもつけないかぎり、わが子 だとは気がつかないのでしょう。これでは、子どもの心の状態などわ からないと思います。>▼おじさんの家は、例外ではあるまい。現代 の、ごくありふれた夕食の光景だろう。それだけに手紙の指摘は怖い。 参考までに、手紙のくれた高校生の家庭では、食事をしながらテレビ を見る習慣はないそうだ。▼まず、テレビを消してみましょうか。
朝日新聞8月4日r天声人語」
視写は、生活の中で意識するとなく行われている言語活動である。写本 や写経などもその典型的な例である。正確さを求められる点で、精神作用 を伴う高次な言語活動といってよい。r読む」という認知活動(理解領域) と「書く」という書字活動(ある意味で表現領域)との間を行き来する潜 在的関連指導である。筆者の立場から文章を追うとともに、構成力、助詞・ 助動詞の使い方並びに言語感覚の育成するうえで寄与している。 意味調べを経て、コラムの視写を終えた生徒Yは、論旨について次のよ うな感想を記している。 私は、このコラムを読んで、おじさんの家族は少し悲しい家族だと 思いました。 「少し悲しい家族」と思った原因は、みんな違うことをしていてバ ラバラだったからです。私が予想するに、会話もなかったんじゃない かと思います。おじさんはテレビに夢中、おばさんは台所と行ったり 来たり、子どもたちは食べてばかり。これでは、バラバラになってし まうのは当たり前です。コラムの最後にもあるけれど、まずおじさん がテレビを消せばいいと思います。そして、おばさんは、なにか用事 があったら一回でするようにすれば、みんなご飯を食べるということ をするようになる。そして会話をするようになり、バラバラは解消されると思います。 私に家では、小さいころから食べるときにはテレビを消すと決まっ ています。たまにテレビをつけておくと会話があまりありません。 やはり、テレビは消した方がいいと思いました。 視写も経て、論旨に正対はできたものの、自分の生活の域どまりの感想 となっている。この作文が、次の学習では本人にとって何物にも代え難い メタ教材となる。 (3)理解活動から表現活動への架橋 次に、教科書にある作文教材(rカレンダーの絵から」pp.156∼157)を 用いて、rこんな構成で書かれた」と銘打ち、論理の展開について可動カー ドを用いた立体的な学習を組んだ。 尾括の文章であることをおさえ、まず、題材と主題文の内容(一番筆者 が訴えたいこと)とを、読み取った(理解領域)。さらに、教師の側で用 意した段落の内容をまとめたカードを切り離し、個の学びの中で、丁寧に 文章を読み取りながら、展開に沿って並べ替えた(理解領域)。続いてA 3版のワークシート(pp.158∼159)を提示し、論理の展開が明確になる ような作業を行った。
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⑦遡帯
一
の カレソダマの給6・あう熟た 淳・砦君命四窪・ギ,わたtか血ワ の恩u,阜
②主題文︵蕃.諮委いこき︵、三で︶ 人題毫tて、さわ煮いが ぜでま、でぐに﹂工亥二︵ 題祁ドかかわる暦蔚 −ー⋮④カレンダーの給りゑ⑧緬い︽人からの守納 ◎奏・稗ユ乃への凶にい租魯
承、系構成表
前え”ぼピこ斥−.諮葬を文える材舞︵例ホ.捧厭馨︶
気鋤影
!,轟嚢
糺魑辺⑨
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め講バドどんな土象帆あろのだδク(4)理解を踏まえた表現活動の構想 以上の関連指導の過程を通して、「起・承・転・結の論立て」と「書き 出し→事実のおさえ→経験をもとにした実証→思いの提示→結び」の流れ を、「読み手」「書き手」両方の立場からおさえることができた。続いて生 徒Yは、夏の課題として選んだコラムを素材とした自らの感想(p.154) を敷術するとともに、相手に自分の思いを伝えること(相手意識)を念頭 に置き、次のような構想図を作り上げた。 ・構成 ゆ︵書き出し文﹀
囎ー窪
レ︵疑問﹀
プい︶
レ︿体験︶
⑧
↑、考え.
③︵結び﹀
こんなバラバラな状態が続いてしまって大丈夫な のか。 お父さんがその原因をつくっているのではないか。 私の自宅では、食事中テレビを消すことに決まっ ている。つけているときは、あまり会話がない。 テレビだけが原園ではないだろう。 お父さんの仕事上での大変さもわかるが、テレ ビを消すなど心がけた方がいい。 家族の会話は心をいやしてくれる。会話がある 時問を大切にしていこう。 実は、この家族は⋮ なってしまうことが書かれていた。 朝日新開の﹃天声人語﹄には、家族がバラバラに 毎日のタ食の時、家族での会話はありますか? あふれる思いを伝えよう ・題材バラバラな家族のことについて ・主題文家族でいる時問を大切にした方がいい。 この構想図をもとに、幾度かの推敲を重ね、作文を書き上げた。推敲も また、自らの作文をメタ教材とする理解領域の言語活動(関連指導)であ る。以下に、生徒Yが書いた作文と一通りの学習を終えた際の感想を掲げる。
「家族での会話」生徒Y
毎日の夕食の時、家族での会話はあるでしょうか。近年は会話がだ んだん減っているそうです。朝日新聞の「天声人語」というコラムに もこのことが書かれていました。その内容とは次のようなものです。 ある高校一年生が、共働きの両親と小学生の子ども二人の四人家 族の知り合いの家に泊まりに行きました。その高校生は、夕食の 風景がおかしいと感じました。飲み会や残業で忙しいおじさんが 珍しく居合わせたのに、彼はテレビの野球中継に夢中だし、おば さんは台所と行ったり来たりでほとんど座らない。子どもたちは 食べてばかり、といったふうに結局バラバラだったのです。 という内容でした。 私は、このコラムを読んで、このままの状態が続いてしまって大丈 夫なのか、と思っていました。こんな状態が続いてしまっていたら、 そのうち家族みんながすれちがってしまい、よく耳にする「家庭崩壊」 になってしまうのではないでしょうか。そもそも、原因は誰がつくっ ているのでしょうか。私もおじさんだと思います。毎日早く帰ってく るならともかく、残業などいろいろあってあまり居合わせないおじさ んが珍しく家にいたのに、テレビの野球中継なんぞに夢中になってい るのが悪いのです。おばさんも、台所と行ったり来たりで座らないと いう問題もあります。子どもたちも食べてばかりです。しかし、おじ さんがテレビを見なければ、会話は成り立っていたのかも知れません。 私の家では、食事中、絶対にテレビを見ません。しかし、たまにテ レビがつけっぱなしになっている時があります。すると、テレビに夢 中になってしまい、家族での会話はあまりありませんでした。 そこで、私は考えてみました。原因はやはりテレビにあるのではな いかと思うのです。テレビでは、常に誰かが音を発しています。その 音をみんなは聞きのがすまいと、静かにしてしまうのではないでしょうか。その結果、誰もしゃべらなくなり会話がなくなってくるのです。 解決策は、テレビを消すことです。そうすれば、会話は出てくると思 うのです。 でも、夕食の時に会話がないくらいで、家族がすれちがっていって、 r家庭崩壊」というものになってしまう、というのは少し考えすぎか もしれません。しかし、そういう小さなきっかけでも可能性は充分に あります。もし、r家庭崩壊」などという深刻な問題にならなくとも、 会話がない夕食なんてとても寂しいことです。それに、時間がもった いないです。どうせ同じことをするのなら、“寂しい”よりも“楽し い”方が断然いいです。不景気などそのようなことも、今の日本には たくさんあります。だから、働いているお父さんは大変です。残業も 増えてしまっています。そういう時代だからこそ、“いやし”がとて も大事だと思います。 私は家族での会話の時間こそいやしてくれるものだと思います。 だから、これからも家族でいる時間と会話とを、もっともっと大事に していきたいです。 <学習を終えて> たった数時間という短い時間で、下手なりにも作文を書くのが上手 になったという気がしました。夏休みに書いた感想文と今回の作文の 清書とを比べてみると、全然違います。例えば、夏休みの作文の方は、 感想といいながら、自分の考えが入っていなかったり、疑問点がはっ きりしなかったりなど、ただ何となく書いているだけといった感じで した。しかし、清書したものは、それなりに整理がされていて良くなっ ていると感じます。 ほかの人はもっとすごいなと感じました。一番印象に残っているの は、Xさんです。犯罪という難しい題材でした。しかし、文章の展開 などとてもなめらかで、意見や解決策などよくまとまっていました。
私は、まだまだ上手にはなれないけれど、今回の学習を活かして、 もっと上手な作文が書けるように努力していきたいです。 (5)関連指導の分析と考察 以上、顕在的関連指導の有効性について、一人の女子生徒Yのポートフォ リオを追いながら検証してきた。各指導過程の表現領域と理解領域におけ る言語活動、さらには、立ち止まっての形成的評価があいまって、螺旋的 な高まりを見せている。「工自分の意見が相手に効果的に伝わるように、 根拠を明らかにし、論理の展開を工夫して書くこと。」という目標に対し て、それなりの成果が挙げられたものと考える。ある時点での言語活動が どちらの領域にあり、それは対峙する領域のどのような言語活動と響きあっ ているのか。さらには、その相乗効果が、どのようなねらいに向いて機能 しているのか。このようなことを意識して指導過程を構築していくことは、 指導時数が限られている現状にあって、密度の濃い指導を展開していく上 でのストラテジーとなる。
lVおわりに
今回取りあげた実践は、文章表現化を終着点とするのではなく、弁論へ とつなげる単元の一環である。書き言葉をどのように話し言葉に持ち込む かの実践に外ならない。したがって、相手意識・目的意識が確立されるこ と、他の学習者・指導者から意見をもらい聴き手(聴衆)に自分の思いを より伝えることのできる原稿を作り上げること(形成的評価の繰り返し)、 ノンバーバルも含む表現方法について学ぶこと、などが求められてくる。 また、一連の過程を顧みるとき、関連指導が総合的学習を支える証であ ることも明らかとなる。これらのことについては、稿を新たにして論じた い。【注】 (1)文部省『小学校指導書国語編』(昭和52年改訂)大阪書籍p.3 (2)湊吉正他編r小学校国語科教育法』桜楓社p.171 (3)生野金三「友田宜剛の綴り方教授論の研究(皿)」(『西南学院大学児童教育学 論集第15巻第2号』所収)p.83 (4)同上書p.83 (5)関連指導の類型については、『国語教育指導用語辞典』(教育出版)、『国語教育 研究大辞典』(明治図書)、『国語教育辞典』(朝倉書店)において、<顕在的関 連>と同様の捉え方を示している。