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miR-509-5p and miR-1243 increase the sensitivity to gemcitabine by inhibiting epithelial-mesenchymal transition in pancreatic cancer

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Academic year: 2021

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論 文 内 容 の 要 旨

論文提出者氏名 平本 秀一 論 文 題 目

miR-509-5p and miR-1243 increase the sensitivity to gemcitabine by inhibiting epithelial-mesenchymal transition in pancreatic cancer.

論文内容の要旨 がん転移は、予後不良の最たる原因であり、複雑かつ多段階のステップによって成立す ることが今までの研究から明らかとなってきている。しかし、未だ不明な点が多く残され ており、その分子機構の解明はがん治療薬開発における喫緊の課題である。がん転移のス テ ッ プ の 一 部 と し て よ く 知 ら れ て い る の が 、 上 皮 間 葉 転 換 (EMT: Epithelial Mesenchymal Transition)で、EMT は、上皮系の細胞が、間葉系形質を獲得する事象であ り、間葉系形質を獲得した細胞は移動・浸潤能が亢進し、がん転移を起こしやすいと考え られている。EMT を促進する遺伝子や EMT とは逆方向の間葉系形質から上皮系形質へ誘 導する (MET: Mesenchymal Epithelial Transition)遺伝子も、数多く報告されており、そ の分子機構は徐々に解明されてきている。今回、申請者らは独自に開発したレポーターシ ステム (EMT 可視化システム)と 1090 種類のマイクロ RNA (miRNA)を搭載した miRNA ライブラリーを組み合わせた大規模EMT 関連 miRNA スクリーニングを用いて、EMT 抑 制性の miRNA を同定することを目的として解析を行った。このレポーターシステムは、 上皮系マーカー遺伝子であるCDH1 (E-cadherin)のプロモーター領域にプロモーターを持 たないベクターに挿入することにより、CDH1 の転写活性依存的に蛍光タンパク質である GFP (Green Fluorescent Protein)が発現するもので、このシステムを用いることにより、 EMT 変化を GFP の強度により可視化・定量化することが可能とした。

膵臓がん細胞株 (Panc1)を用いて EMT 可視化システムを構築し、1090 種類の miRNA をそれぞれ形質導入することにより、GFP の蛍光強度を測定した。また、EMT 可視化シ ステムを構築に際しては、スクリーニング精度を向上させるため、2 つの独立した細胞を樹 立した。miRNA 導入後、細胞増殖を著しく阻害する miRNA は、候補 miRNA から除外し た結果、2 つの細胞株から共通して得られた EMT 抑制性候補 miRNA は、6 つに絞られ、 最終的にEMT 抑制性 miRNA として miR-509-5p と miR-1243 を同定した。まず、2 つの miRNA を用いて Western blot にて E-cadherin のタンパク発現の上昇と VIM の発現低下 を確認した。次にCell migration/invasion assay で遊走能や浸潤能を確認し、2 つの miRNA で抑制されることを確認した。両者のtarget gene を同定するために、公共データベースで あるTarget Scan 7.1 を用いて探索し、最終的に miR-509-5p は、EMT 促進性遺伝子とし て知られているHMGA2 や間葉系マーカー遺伝子である vimentin を、miR-1243 は EMT

誘導経路の代表と知られるTGF-β経路の重要な構成因子である SMAD2, 4 を直接的に翻 訳抑制することにより、MET を引き起こすことが考えられた。次に、EMT を起こした細 胞は、抗がん剤に耐性を獲得するとことが知られているため、申請者らはこれら miRNA を細胞に導入した際に抗がん剤 (ゲムシタビン)の効果が上昇するかどうかの検討を行った。 その結果、それぞれのmiRNA を導入後、ゲムシタビンの腫瘍抑制効果を計測したところ、 コントロール群に比べ、miRNA 導入群ではゲムシタビンの効果が増強されることがわかっ た。このことから、この2 つの miRNA は、MET を促進させることにより、抗がん剤の感 受性を高める効果があると考えられた。また、ヒト膵臓がん組織中における miR-509-5p の発現について手術検体のFFPE を用いて検討したところ、発現の低い群に比べ発現の高 い群では予後が良好であるということがわかった。 EMT 可視化システムと miRNA ライブラリーを組み合わせた大規模スクリーニングによ ってEMT 抑制性 miRNA である miR-509-5p と miR-1243 を同定することができた。同定 したmiR-509-5p と miR-1243 のがん組織中での発現を調べることにより、予後のバイオ マーカーとしてだけではなく、抗がん剤の効果を予測することができる可能性がある。今 後、上記miRNA を対象とした核酸薬の開発が成されれば、がん組織中において上記 miRNA の発現がない場合においても、抗がん剤との併用治療を行うことにより、腫瘍抑制効果を 増強できる可能性が示唆された。

参照

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