─岐阜県山県市の場合─
三輪聖子
生活科学科生活科学専攻 (2019年11月14日受稿)
Consciousness and Actual Situation on the Parent of the Child-Rearing
─ In the Case of Yamagata City, Gifu Prefecture ─
Department of Home and Life Science,Major in Home and Life Science,
Gifu Women s University, 80 Taromaru,Gife,Japan (〒501 2592)
MIWA Satoko
(Received November 14 . 2019) 要 旨 子育て環境を取り巻く状況は,家族の多様化や仕事と子育ての両立,待機児童など 多くの課題を抱えている。国は2015年4月から「子ども・子育て支援新制度」をスター トさせ支援を開始した。そこで,岐阜県山県市の「子ども・子育て支援事業に関する ニーズ調査」の結果を活用し,取り組み前の2013年と取り組み後の2018年では,子 育てに対する意識や実態にどの程度変化があるのかを明らかにしたいと考えた。結果 は,2013年に比べ2018年の方が母親の就労率は増加していることがわかった。また, 子育てへの困難さが軽減されてきている部分もあり,子育て支援の効果が表れている のではないかと推察される。 キーワード:仕事と子育て 母親 子育て支援 子育て環境 1 .目 的 子どもを取り巻く家庭環境や社会環境は, 少子化や家族関係の多様化,情報化,地域の コミュニティの変化などによって多大な影響 を受けている。子どもにとって一番身近な親 子関係もひとり親,ステップファミリーと いった家族のあり方をめぐって,子どもに とって最良のものとなっていない場合も少な くない。また,親にとっても仕事と子育ての 両立や保育所問題,子どもの育てにくさなど 子育ては,喜びを感じながらも大変さや困難 さが増幅される場合もある。 国は2012年に「子ども・子育て関連3法」 である①子ども・子育て支援法②認定こども 園法の一部改正法③児童福祉法の一部改正等 関係法律の整備法を成立させ,2015年4月か ら「子ども・子育て支援新制度」をスタート させた。これは「量」「質」の両面から子育 てを社会全体で支えようとするものである。また,2019年10月から幼児教育の無償化の 制度も実施されることとなった。このように 国は子育てをあらゆる面からサポートしよう と取り組みを始めている。 そこで,岐阜県山県市の「子ども・子育て 支援事業に関するニーズ調査」の結果を活用 し, 取 り 組 み 前 の2013年と取り組み後の 2018年では,子育てに対する意識や実態に どの程度変化があるのかを明らかにしたいと 考えた。 2 .山県市の子育て支援の取り組み 山県市では2015年度から2019年度までの 子ども・子育て支援事業計画を立案し実施し てきた。内容は,教育・保育事業として施設 を確保し待機児童は存在していない。子育て に関する相談支援や訪問系事業として乳児家 庭全戸訪問や養育支援訪問を実施している。 また,通所系事業として子育て短期支援事業, 一時預かり事業,ファミリー・サポート・セ ンター事業,病児・病後児保育事業,放課後 児童クラブ等を実施している。その他安心し て出産を迎える支援や子どもの健康支援など も行っている。 3 .調査方法 山県市における「子ども・子育て支援事業 に関するニーズ調査」が2013年と2018年に 実施されている。その中にある子育てに関す る意識と実態についての項目を対象に,保護 者が日頃の子育てをどのように感じている か,仕事の両立について,子どもの食事の実 態(2018年 の み ) 等 を 分 析 し,2013年 と 2018年を比較しながら,親の子育て状況を 明らかにする。 調査対象者は,表1に示す通り,2013年就 学前児童をもつ保護者589人・小学生をもつ 保護者683人,2018年就学前児童をもつ保護 者551人・小学生をもつ保護者785人である。 但し,2013年の小学生については,1∼4年 生の子どもをもつ保護者が中心となってい る。 配布数 回収数 回収率 就学前児童の保護者(2013) 870 589 68.7 % 小学生の保護者(2013) 779 683 87.7 % 就学前児童の保護者(2018) 760 551 72.5 % 小学生の保護者(2018) 876 785 89.6 % 表 1 調査票配布・回収 (件) 回収率は2013年就学前児童をもつ保護者 68.7%・小学生をもつ保護者87.7%,2018年 図 1 居住地域 0.3 0.1 9 4.5 2.8 1.7 0.3 0.9 0 8.7 3.2 3.6 5.9 6 26 27.3 2.4 0 11 4.7 3.1 1 0.6 1.2 0.4 9.9 3.5 0.1 4.3 5.7 22.6 29.4 1.1 2 7.4 4.7 1.1 1.6 1.5 0.4 0 9.1 2.9 3.3 4.9 4.5 26.9 28.7 3.5 0 9 4.5 3.5 1.7 0.7 0.7 0 8 3 4.5 5.5 6.5 23.2 25.6 0 10 20 30 40 ↓ᅇ⟅ ᒣ┴ᕷእ すṊⱁᆅ༊ ᐩἼᆅ༊ ᆅ༊ Ṋⱁᆅ༊ ㇂ྜᆅ༊ ⴱཎᆅ༊ ᒣᆅ༊ ༡ఀ⮬Ⰻᆅ༊ ఀ⮬Ⰻᆅ༊ ᱓ᆅ༊ ᱜᑿᆅ༊ ᱵཎᆅ༊ ᐩᒸᆅ༊ 㧗ᐩᆅ༊ % ᑵᏛ๓ඣ❺(2013) ᑵᏛ๓ඣ❺(2018) ᑠᏛ⏕(2013) ᑠᏛ⏕(2018)
(三輪聖子) 就学前児童をもつ保護者72.5%・小学生をも つ保護者89.6%であった。 調査方法は,保育園・小学校を通じて配布・ 回収と一部郵送による配布・回収である。 調査時期は,2013年11月25日∼12月6日 と2018年11月26日∼12月7日である。 調査対象者の居住地域は,図1に示した通 り,高富地区,富岡地区といった市の中心部 が半数以上を占めている。地区の人口比率と 連動していることがわかる。 調査回答者は,表2に示す通りすべての年, 年齢において母親が93%以上であった。 表 2 調査回答者 (人) 就学前児童 (2013) 小学生 (2013) 就学前 児童 (2018) 小学生 (2018) 母親 560 641 517 731 父親 24 24 31 41 その他 6 5 3 11 無回答 8 10 0 2 合計人数 598 680 551 785 4 .調査結果 (1)属性 図2の配偶者関係をみると,約10%がひと り親である可能性が高いことがわかった。母 子・父子かは,明らかではない。 89.1 90.4 90.1 93.8 8.7 9 7.2 5.8 2.2 0.5 2.7 0.4 0 20 40 60 80 100 図 2 配偶者関係 主なる子育て担当者は,「父母ともに」と 「主に母親」が各50%程度となっており, 二分していた(図3)。 図 3 主なる子育て担当者 44.8 48.5 50.5 49 0.2 0.5 2. 2.2 0.7 1 1.2 1.3 3 0 50.1 47.1 44.31 48.80.8 2 1.91.3 1. .1 1.2 0 0% 20% 40% 60% 80% 100% 図4から子ども数は,「2人」が最も多く 45%前後であった。次に「3人」が30%前後 であった。4人以上も2018年の小学生では 7.3%いることがわかった。国立社会保障・ 人口問題研究所が実施している「出生動向基 本調査」によると2010年では,4人以上が平 均2.2%である。ここから本地域はきょうだ い数が多いと推察される。 図4 子どもの人数 12.8 11.8 19.7 28.7 49.6 48 43.3 44.3 30.7 32.5 24.4 22.3 3.5 7.3 4.7 4.7 1.9 0.4 7.9 0 0 20 40 60 80 100 就学前児童の年齢は,4∼5歳が半数であっ た(図5)。 小学生は,前述したとおり2013年は1∼4 年生が中心であり,2018年は6年生がやや 多いが,1∼6年生となっていた(図6)。 図7から祖父母との同居は,2018年のみの
調査なので比較することはできないが,「同 居していない」核家族が65%であった。 しかし同居している人は35%おり,厚生 労働省「国民生活基礎調査」によると2016 年の三世代世帯は11.0%である。これからみ ると,同居率は非常に高いと言える。 図8から母親の就労状況をみる。就学前児 童,小学生ともに2013年と2018年を比較す ると「フルタイムで就労しており,産休・育 休・介護休業中でない」が5%程度増加し, 育休中の母親も就学前児童で4.5%から8%へ と倍増していた。また,「以前は就労をして いたが,現在は就労していない」が就学前児 童では10%も減少していた。つまり5年間で 仕事と子育てを両立する母親の増加が明らか となった。 3.9 1.3 8.5 1.4 52.8 1.1 31 4.4 1.9 15.9 0.4 52.8 0.9 23.7 1.6 1.6 15.4 4.5 44.5 8 24.3 3.5 1.3 25.8 0.8 45.2 4.5 18.9 0 10 20 30 40 50 60 (2013) (2018) (2013) (2018) 図 8 母親の就労状況 (2)子育ての意識と実態 図9は,子育ては楽しいかを尋ねた回答で ある。「とても楽しい」は就学前児童・小学 生ともに18%前後である。最も多いのは「つ 図 5 就学前児童の年齢 8.4 3.3 7.5 6.4 11.7 8.9 18.6 10.3 27.4 19.4 24.9 22.7 0 23.6 1.5 5.4 0% 20% 40% 60% 80% 100% (2013) (2018) 0 1 2 3 4 5 6 16 9.8 21.6 11.7 27.2 14.1 33.8 18.3 0 19.5 0 26.4 1.3 0.1 0% 20% 40% 60% 80% 100% (2013) (2018) 図 6 小学生の学年 23 24.1 11.5 11.8 65.5 64.1 0% 20% 40% 60% 80% 100% (2018) (2018) 図 7 祖父母との同居 18.1 17.4 18 16.6 73.6 72.6 75.5 75.1 7.6 9 5.4 7.2 0 0.1 0.2 0.3 0.6 0.9 0.9 0.8 0% 20% 40% 60% 80% 100% (2018) (2013) (2018) (2013) 図 9 子育ては楽しい
(三輪聖子) らいこともあるが楽しいことが多い」75%程 度であった。2013年と2018年の差はみられ なかったが,10%程度の人は,「楽しいこと もあるがつらいことが多い」「とてもつらい」 と答えていた。 子どもの成長については,図10に示す。 小学生より就学前児童の方が「楽しみ」と答 えた人が多く,成長著しい年齢なので日々の 成長を確認できるからであろう。しかし, 2013年と2018年を比較すると,就学前児童・ 小学生どちらも「楽しみ」と答えた人が減少 傾向にあった。そして1.5%前後の人が,「楽 しみではない」と回答していた。 83.9 87 89.5 91.1 14.9 11.6 8.9 7.4 0.6 0.3 0.7 0.3 0 0.3 0 0.2 0.5 0.9 0.9 1 75% 80% 85% 90% 95% 100% (2018) (2013) (2018) (2013) 図10 子ども成長が楽しみ 子育てに自信がもてなくなることがあるか を尋ねたところ,「ない」と答えた人は15% 前後であった。「ごくまれにある」「ときどき ある」と回答した人は70%程度であった。「よ くある」人は,やはり10%程度存在してい ることがわかった(図11)。 16.2 15.7 18 14.9 40.1 40.6 41.4 42.5 35.8 33.2 31.8 32.4 7.3 9.7 8 9.4 0.6 0.7 0.9 0.8 0% 20% 40% 60% 80% 100% (2018) (2013) (2018) (2013) 図11 子育てに自信がもてなくなる 子育てが嫌になるかを尋ねたところ,「な い」は,就学前児童が35%程度,小学生は 40%程度であった。就学前児童がやや少なく なっていた。「ときどきある」「よくある」を 合わせると20%以上存在していた(図12)。 39.7 43.5 34.3 36.5 38.1 33.4 45 39.8 20.1 17.9 17.1 18.7 1.7 4.3 2.7 4.2 0.4 0.9 0.9 0.8 0% 20% 40% 60% 80% 100% (2018) (2013) (2018) (2013) 図12 子育てが嫌になる カッとして子どもをたたくは,「ない」が 就学前児童は2013年29.8%,2018年42.3% と13.4 % 減 少 し た。 小 学 生 で は2013年 30.1%,2018年39.7%と9.6%減少した。ど ちらも減少しており,子どもの虐待に関する 事件が数多く起こり親も意識するようになっ たのではないかと考えられる。しかし,2% 程度の人は「よくある」と回答しており,心 配な状況もみられる(図13)。 39.7 30.1 42.3 29.8 43.6 45.4 39 47.7 14.4 21.3 16.5 19.4 1.7 2.1 1.1 2.2 0.6 1 1.1 1 0% 20% 40% 60% 80% 100% (2018) (2013) (2018) (2013) 図13 カッとして子どもをたたくことがある ゆったりした気分で子どもと過ごせるか は,「ある」が就学前児童は55%前後,2018 年の小学生は50%であるが,2013年は46% であった。2018年の方が少しゆとりがある ように感じられる(図14)。 子どもの家庭外での過ごし方を把握してい るかは,「よく把握している」と答えた就学 前児童が42%程度,小学生が34%程度であっ
た。小学生になると少し減少した。「あまり 把握していない」「把握していない」を合わ せると8%前後存在しており,ほぼ90%以上 の人は把握していることがわかった(図15)。 仕事と子育ての両立について尋ねると,「と ても大変である」「どちらかといえば大変で あ る 」 を 合 わ せ る と 就 学 前 児 童2013年 59.7%,2018年83.6%で23.9%増加していた。 小学生は2013年69.2%,2018年81.9%であ り,12.7%増えていた。母親の就労状況で働 く母親が増加していることに伴い,仕事と子 育ての両立に大変さを感じている人も増加し ていると考えられる(図16)。 27.5 24.7 36.5 23.6 54.5 44.5 47.1 36.1 12.8 9.3 11.1 6.5 4.7 4.8 4 2.3 0.4 16.7 1.4 31.5 0% 20% 40% 60% 80% 100% (2018) (2013) (2018) (2013) 図16 仕事と子育ての両立 同様に図17の仕事優先で子どもに我慢を させるは,「ある」「ときどきある」を2013 年と2018年で比較するとやはり増加してい た。就学前児童では18%,小学生は8.5%の 増加である。子どもに我慢を強いていると 思っている人は少なくない。 27.4 24.1 23.5 17.1 47.5 42.3 48.2 36.6 20.8 13.8 22.4 12.7 3.9 2.9 4.7 2.5 0.4 16.8 1.2 31.2 0% 20% 40% 60% 80% 100% (2018) (2013) (2018) (2013) 図17 仕事優先で子どもに我慢をさせる (3)子どもの食事について 子どもの食事については,2018年の調査 結果のみなので,現状把握となる。 朝食をどの程度食べているか(図18)尋 ねたところ,「週4∼5日以上食べる」子ども が95%前後であった。 95.4 93.2 2.8 3.9 0.4 0.7 0.8 0.7 0.6 1.5 88% 90% 92% 94% 96% 98% 100% (2018) (2018) 4 5 2 3 1 図18 子どもの朝食 食事内容(図19)は,「主食・主菜・副菜 そろえて食べる」は22%程度,「主食・主菜・ 50.2 46 57.2 54.7 33.5 42.1 30.9 35.3 14.9 9.7 9.8 7.7 1 1.5 0.9 1.5 0.4 0.7 1.3 0.8 0% 20% 40% 60% 80% 100% (2018) (2013) (2018) (2013) 図14 ゆったりした気分で子どもと過ごせる 33 34.4 41.6 42 60.3 58.7 52.6 49 5.4 5.6 3.4 5.4 0.4 0.4 0.5 0.5 1.1 0.9 1.8 3.2 0% 20% 40% 60% 80% 100% (2018) (2013) (2018) (2013) 図15 子どもの家庭外での過ごし方を把握 22.4 21.6 61.7 55.1 15 21.8 0.3 0.2 0.6 1.2 0% 20% 40% 60% 80% 100% (2018) (2018) 図19 朝食の主食 ・ 主菜・副菜をそろえる
(三輪聖子) 副菜のうち2品食べている」は就学前児童が 55.1%,小学生は61.7%であった。「菓子な ど」は,就学前児童0.2%,小学生0.3%と非 常にわずかだが,存在している。 朝食を家族と食べているか(図20)は,「週 4∼5日以上食べる」就学前児童が74.3%,小 学生が72.2%で,70%以上がほぼ毎日家族と 食事をしていることがわかった。「ほとんど 食べない」が,就学前児童は4.6%,小学生 が6.6%であった。1人ないし子どもだけで食 べている様子がうかがえる。 72.2 74.3 17.1 14.3 2.9 4.6 6.6 4.6 1.1 2.2 0% 20% 40% 60% 80% 100% (2018) (2018) 4 5 2 3 1 図20 朝食を家族と食べる 夕食を家族と食べる(図21)は,「週4∼5 日以上食べる」が就学前児童は93%,小学 生は92.7%と,夕食は朝食に比べて家族と食 べている子どもが90%以上であった。1日の うちどこかで家族と食事ができていることが わかった。しかし「ほとんど食べない」子ど ももわずかではあるが存在していた。 図21 夕食を家族と食べる 92.7 93 4.7 3.4 0.3 1 0.6 0.7 1.7 1.9 88% 90% 92% 94% 96% 98% 100% (2018) (2018) 4 5 2 3 1 食事のあいさつ(図22)は,「必ずしてい る 」 が, 就 学 前 児 童 は57.3 %, 小 学 生 は 55.3%であった。「ときどきしている」を合 わせると80%以上がしているようである。 食事については,概ね良好であると推察さ れる。ただわずかではあるが,食べていない など不規則な子どももおり,注意が必要であ ると考える。 図22 食事のあいさつ 55.3 57.3 29.8 30.8 11.3 8.5 2 1.2 1.5 2.2 0% 50% 100% (2018) (2018) (4)地域の子育て環境・支援への満足度 山県市の子育て環境や子育て支援に対する 満足度(図23)を尋ねた。結果は,最も高 い「満足度5」が,就学前児童は2013年6.2%, 2018年10%で4.8%の増加であった。小学生 は2013年2.6%,2018年5.7%と3.1%増加し た。「 満 足 度4」 は, 就 学 前 児 童 が2013年 28.6%,2018年39.2%で10.6%の増加であっ た。 小 学 生 は2013年16.6 %,2018年24.6 % と8%増加した。このように5年間で満足度 は,高くなっており,特に就学前児童でより 高くなっていることが明らかになった。 図23 地域の子育て環境・支援への満足度 4.6 9.3 2.4 5.7 15.4 19.7 8 13.7 42.7 42.1 38.1 41.8 24.6 16.6 39.2 28.6 5.7 2.6 10 6.2 7 9.7 2.4 4 0% 20% 40% 60% 80% 100% (2018) (2013) (2018) (2013) 1 2 3 4 5 子育ての負担感について(図24)みると, 就学前児童の1位は「自分の自由な時間が持 てない」で2013年49.8%,2018年54.1%で あった。どちらも1位でより負担感を感じて いる人が増加傾向にあることがわかった。
小学生の1位は,どちらも「子育てで出費が かさむ」となり2013年47.8%,2018年49.3% であった。小学生は経済的負担感が1位で増 加傾向にあった。「子育てによる身体の疲れ が大きい」は小学生より就学前児童に多く, 「仕事が十分にできない」も高くなっていた。 「特に負担に思うことはない」人が,就学前 児童と小学生ともに2013年より2018年の方 が増加していた。負担に思うという人が減少 傾向にある。理由は明確ではないが,子育て 環境や支援に対する満足度が上がっているこ とにより,減少したとも考えられる。 また,就学前児童の子育ての悩み・気にな ることについて(図25)複数回答で尋ねた ところ,1位はどちらも「食事や栄養に関す ること」2013年28.6%,2018年33.4%であっ た。2位は「病気や発育・発達に関すること」 2013年27.3%,2018年29%であった。3位が 「子どもの教育に関すること」となっていた。 いつの年も悩みや気になることは,あまり変 化がみられず,就学前ということもあり栄養 や発達に関することが多いと考えられる。 小学生の子育ての悩み・気になること(図 26)について複数回答で尋ねた。2013年の1 位は「友達づきあいなど対人関係に関するこ と」31.6%,2位は「子どもの教育,塾,進 路に関すること」28.4%,3位は「子どもと の時間を十分とれないこと」28.2%となって いた。2018年の1位は「子どもの教育,塾, 進路に関すること」34.4%,2位は「友達づ きあいなど対人関係に関すること」28.7%, 3 位は「子どもとの時間を十分とれないこと」 28.7%となっていた。順位は入れ替わってい るが,悩みに大きな変化はみられない。小学 生になると教育や塾といったことが悩みと なってくることがわかる。 次に就学前児童において気軽に相談できる 人や場所(図27)について複数回答で尋ねた。 結果は,どちらも1位は「配偶者・パート 4.1 18.2 5.1 2.7 6.2 16.4 8.2 39.7 49.3 26.5 2.6 23.4 4.4 3.7 4.7 18.1 7.9 37.5 47.8 22.8 2.4 14.5 5.4 7.4 8 24 18.1 54.1 40.7 41.6 3.8 17.6 4.7 6.7 6.5 19.2 18.1 49.8 41.6 37 0 10 20 30 40 50 60 % (2013) (2018) (2013) (2018) 図24 子育ての負担感 図25 就学前児童の子育ての悩み・気になること 5.5 16.3 1.8 11.1 1.5 12.3 23.6 19.8 3 23.2 16.9 8.9 33.4 29 3.8 21.7 3.2 8.2 2.2 18.7 26.1 22.7 2.8 23.9 15.2 7.5 28.6 27.3 0 10 20 30 40 ( ) (2013) (2018)
(三輪聖子) ナー」2013年83.5%,2018年85%であった。 2位は「親族(親,兄弟姉妹など)」で83% 程度,3位は「知人,友人」で67%程度であっ た。身近な人が多くなっている。「保育園の 保育士」は,2013年40.4%,2018年32.5%と 減少傾向にあるが,「子育て支援施設」は7.3% から11.7%へと増加していた。また,「相談 できる人や場所はない」という回答は,2.3% から0.4%へと減少していることがわかった。 地域での支援事業により相談する人や場所が ない人は減少していることが明らかとなっ た。 小学生の気軽に相談できる人や場所(図 28)も複数回答で尋ねた。就学前児童と同様 で1位 は「 配 偶 者・ パ ー ト ナ ー」2013年 76%,2018年71.7%であった。2位は「親族 (親,兄弟姉妹など)」で2013年71%,2018 年62.8%,3位は「隣近所の人,地域の知人, 友人」2013年55.7%,2018年50.6%であった。 やはり身近な人が相談相手となっていること がわかった。 図26 小学生の子育ての悩み・気になること 4.3 14.6 3.8 2.7 10.2 10.6 34.4 14.5 2.8 14.8 28.7 21.8 10.2 21.8 12.1 5.4 17.1 17.8 3.5 12.9 2.9 1.8 12.2 9.4 28.4 8.4 1.3 15.6 31.6 27.5 16.2 28.2 15.7 5.3 18.2 16.8 0 10 20 30 40 ↓ᅇ⟅ ≉䛻䛺䛔 䛭䛾 Ꮚ䛹䜒䛻㛵䛩䜛ヰ䛧┦ᡭ䜔 ┦ㄯ┦ᡭ䛜䛔䛺䛔䛣䛸 Ꮚ䛹䜒䛻ⴠ䛱╔䛝䛜䛺䛔䛣䛸 䜔⮬ศ䛾䜔䜚䛯䛔䛣䛸 䛜༑ศ䛷䛝䛺䛔䛣䛸 Ꮚ䛹䜒䛾ᩍ⫱䚸ሿ䚸㐍㊰䛻㛵 䛩䜛䛣䛸 Ꮚ䛹䜒䛾Ꮫຊ䛾㐜䜜䛻䛴䛔 䛶 Ⓩᰯ䛺䛹䛾ၥ㢟䛻䛴䛔䛶 ㏆ᡤ䛻ྠᏛᖺ䛾㐩䛜䛔䛺 䛔(ᑡ䛺䛔)䛣䛸 㐩䛵䛝䛒䛔䛺䛹ᑐே㛵ಀ 䛻㛵䛩䜛䛣䛸 Ꮚ䛹䜒䛾䜋䜑᪉䞉䛧䛛䜚᪉䛜 䜘䛟䜟䛛䜙䛺䛔䛣䛸 䛔䛨䜑䛻㛵䛩䜛䛣䛸 Ꮚ䛹䜒䛸䛾㛫䜢༑ศ䛸䜜䛺 䛔䛣䛸 Ꮚ䛹䜒䛾᥋䛧᪉䛻⮬ಙ䛜䜒 䛶䛺䛔䛣䛸 ⫱ඣ䛾᪉ἲ䛜䜘䛟䜟䛛䜙䛺 䛔䛣䛸 㣗䜔ᰤ㣴䛻㛵䛩䜛䛣䛸 Ẽ䜔Ⓨ⫱䞉Ⓨ㐩䛻㛵䛩䜛 䛣䛸 䠂 ᑠᏛ⏕ (2013) ᑠᏛ⏕ (2018) 図27 就学前児童の気軽に相談できる人や場所 1.1 0.4 0.4 1.8 11.7 0.6 0.2 3.7 0.2 0.6 4.4 9 7.5 32.5 5 42.4 31.6 67.2 8.1 83.9 85 0 2.3 0 1.3 7.3 1.5 0.5 2.2 0.4 0.4 5.1 7.6 7.5 40.4 6.5 43.8 23.5 68.7 11.3 82.4 83.5 0 20 40 60 80 100 ↓ᅇ⟅ ┦ㄯ䛷䛝䜛ே䜔ሙᡤ䛿䛺䛔 ┦ㄯ䛩䜛䛣䛸䛜䛺䛔 䛭䛾 Ꮚ⫱䛶ᨭタ䠄㧗ᐩඣ❺ 㤋䚸Ꮚ䛹䜒䛢䜣䛝䛿䛖䛩䠅 ඣ❺┦ㄯᡤ ಖᡤ ᕷ䛾┦ㄯ❆ཱྀ(Ꮚ⫱䛶ᨭ ㄢ䚸⚟♴ㄢ䚸ᗣㆤㄢ) ᩍ⫱┦ㄯဨ ᐙᗞඣ❺┦ㄯဨ ಖᖌ䚸┳ㆤᖌ䚸ᰤ㣴ኈ 䛛䛛䜚䛴䛡་ ᗂ⛶ᅬ䛾ඛ⏕ ಖ⫱ᅬ䛾ಖ⫱ኈ Ꮚ⫱䛶䝃䞊䜽䝹䛾௰㛫 ಖ⫱ᅬ䞉ᗂ⛶ᅬ䞉Ꮫᰯ䛾ಖㆤ ⪅䛾௰㛫 ⫋ሙ䛾ே ▱ே䚸ே ㏆ᡤ䛾ே ぶ᪘(ぶ䚸ᘵጜጒ䛺䛹) 㓄അ⪅䞉䝟䞊䝖䝘䞊 䠂 ᑵᏛ๓ඣ❺ (2013) ᑵᏛ๓ඣ❺ (2018)
5 .ま と め 山県市は,全国平均からすると三世代同居 率が比較的高く,子どものきょうだい数も多 かった。母親の就労率は,就学前児童83 %, 小学生90.2 % でその半数がパート・アルバ イト等であった。しかし就労率は,常勤が増 加していることがわかった。ただ,仕事と子 育ての両立に大変さを感じている人は増えて いた。 子育てがつらい,子育てに自信がないと いった子育てに対しネガティブな人も全体で 10 % 程度存在していた。また,「子どもをた たく」といった虐待につながる行為は,2013 年と2018年ではかなり減少していることが わかった。 子どもの食事状況は,概ね良好であった。 朝食より夕食を家族で食べていたが,わずか ではあるが,食べていない,朝食がお菓子だ けの子どもも存在していた。 子育てに対する負担感は減少傾向にあり, 相談できる人や場所はないという人も減って いた。 2013年に比べ2018年の方が子育ての困難 さが軽減されてきており,子育て支援の効果 が表れているのではないかと推察される。 参考文献 1)岐阜県山県市『子ども・子育て支援事業に関 するニーズ調査報告書』2014 2)岐阜県山県市『子ども・子育て支援事業に関 するニーズ調査報告書』2019 3)内閣府・文部科学省・厚生労働省『なるほど BOOK すくすくジャパン!』2016 4)木村治生「幼児期の子育てと保護者の実態― 保護者を対象にした調査結果から―」2016 ベネッセ教育総合研究所 図28 小学生の気軽に相談できる人や場所 4.7 1.4 0.6 1.3 0.1 0.4 0.1 1.1 0.3 0.6 0.6 6.6 16.2 0.9 29.9 38.5 50.6 62.8 71.7 1.2 1.8 1.3 1.3 0 0.7 0.1 0.4 0.6 0.7 0.4 3.7 19.3 2.4 43.1 36.3 55.7 71 76 0 20 40 60 80 ( ) ( ) (2013) (2018)