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日本機械学会論文集(B 編) 原著論文 No.2012-JBR-0797

©2013 The Japan Society of Mechanical Engineers

複合燃料 HCCI の運転限界に及ぼす主燃料の酸化特性の影響

*

(トルエンとメタンの比較)

江口 貴啓

*1

,木村 優介

*2

,前島 亨

*1

,金野 満

*3

HCCI operating range can be expanded by using two fuels with different ignition characteristics. In this study, the effect of oxidation characteristics of main fuel on the operating range was investigated. Toluene and methane were used as main fuel, and DME as ignition trigger fuel. Engine experiments using a single cylinder research engine showed that methane/DME HCCI operating range extended to higher equivalence ratio compared with toluene/DME HCCI. This is explained by numerical analysis based on elementary chemical reaction model that steep heat release rate can be controlled when higher ignition temperature fuel is used, because time lag between the first stage of high temperature oxidation induced by decomposition of hydrogen peroxide (H2O2) and onset of chain-branching reaction of main fuel increases. It was also found that the higher the reactivity with OH, the more the trigger fuel requirement, because low temperature oxidation of the trigger fuel was suppressed.

Key Words 1. 緒 言 予混合圧縮着火(以下 HCCI)燃焼は,高効率,低 NOx,低 PM が実現可能な燃焼法として注目されているが, HCCI 燃焼における着火時期は化学反応によって支配されるため,ノッキングや失火により,運転範囲が低負荷 に制限される.著者らの研究グループでは,HCCI 燃焼における燃焼制御や運転範囲拡大の観点から,適切な燃 料種や燃料組成の提案を目的として,着火性の大きく異なる燃料を組み合わせた複合燃料 HCCI 燃焼の実験およ び数値解析を行い,燃料間の相互作用が運転範囲に及ぼす影響を検討してきた. 図 1 に複合燃料 HCCI 燃焼の運転マップ(1)(2)の一例を示す.これは,着火性が乏しく最も単純な炭化水素である メタンを主燃料とし,着火トリガー燃料に DME(ジメチルエーテル)(以下メタン/DME)を用いた例である. メタン/DME HCCI 実験では,DME の量を失火限界付近の狭い範囲に調整することで燃焼を空間密度の減少する 膨張行程側へ移行することができ,失火やノッキングを回避して総括当量比を増やすことができた(1)(2).メタンと DME を用いた HCCI 燃焼に関する研究は,飯島らの研究グループでも行われており,メタン投入割合の増加によ って,高負荷条件における燃焼を緩慢化できると報告されているが(3)(4),これは著者らの研究グループの報告(1)(2) と一致する.また,メタンと同様に着火性の乏しいトルエンを主燃料とした場合(以下トルエン/DME)にも, DME を着火に必要な最小量とすることで運転範囲が拡大することを示した(5).これら二種類の実験では,主燃料 の違いにより最大総括当量比および高温酸化の発熱形態に違いが見られた.一方,詳細素反応モデルを使用した

Takahiro EGUCHI, Yusuke KIMURA, Toru MAEJIMA and Mitsuru KONNO

*3

*3 Department of Mechanical Engineering, Ibaraki University, 4-12-1 Nakanarusawa, Hitachi-shi, Ibaraki, 316-8511 Japan

: Internal Combustion Engine, Chemical Reaction, Ignition Mixed Fuel Combustion, HCCI, Methane, Toluene, DME * 原稿受付 2012 年 10 月 19 日 *1 学生員,茨城大学大学院理工学研究科(〒316-8511 茨城県日立市中成沢町 4-12-1) *2 いすゞ自動車(株)(〒252-0881 神奈川県藤沢市土棚8) *3 正員,茨城大学工学部 E-mail: [email protected]

Effect of Fuel Oxidation Characteristics on Dual Fuel HCCI Operating Limit

(Comparison of Main Fuel between Methane and Toluene)

79 巻 803 号 (2013-7)

(2)

©2013 The Japan Society of Mechanical Engineers 解析では,トルエンは低温酸化反応の抑制効果がメタンよりも高く,熱炎誘導期間もトルエンのほうが長くなる ことが報告されている(6).柴田らはノルマルヘプタンをベース燃料とし,これに燃料組成の異なる種々の燃料を 混合した HCCI 実験を行っており,組成の異なる燃料を用いることで高温酸化反応の熱発生過程が異なることを 報告している(7).とくにトルエンを用いた場合には,高温酸化反応が二段階で進行し,最大圧力上昇率の低下と 高負荷運転に有効であると報告している(7).以上のことは,着火トリガー燃料の低温および高温酸化反応の酸化 過程に及ぼす影響が主燃料によって異なることを示唆している.ただし,このような燃料間の相互作用の違いが HCCI 燃焼の熱発生過程および運転範囲に及ぼす影響について,燃料の酸化反応メカニズムと関連付けて実験と 数値解析の両面から深く検討した例はない.

そこで本研究では各種条件を統一した上で,メタン/DME およびトルエン/DME の HCCI 燃焼実験を行って,燃 焼特性を比較すると共に,詳細素反応モデルを使用した数値解析による酸化反応メカニズムの理解を通じて,主 燃料の違いが運転限界に及ぼす要因を検討した. Methane/DME/Air Mixture Operating 0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5

Equivalence ratio of methane

Eq u ival en ce r ati o of D M E Misfire Knocking

Fig.1 Engine operational range of methane/DME HCCI(1)(2).

2. 実験装置および方法 2・1 供試燃料 本稿では着火性の乏しい燃料を主燃料,着火性に優れる燃料を着火トリガー燃料と位置付け,実験ではこれら 2 種類の燃料を組み合わせて HCCI 燃焼させた.表 1 に供試燃料の主要性状を示す.着火トリガー燃料には低温 酸化反応が活発な DME を使用し,主燃料にはオクタン価 103.5 の環状構造を持つトルエン,およびオクタン価 130 であるメタンを使用した. 2・2 実験装置 図 2 に実験装置の概略を示す.主燃料は吸気バルブの上流 1200mmの吸気管中央に気体状態で導入し,その下 流に設置したスタティックミキサにより空気と攪拌して,混合気ができるだけ均一になるように努めた.主燃料 にトルエンを用いる際は,トルエンボンベを 453K のシリコンオイルバスで加熱し,気化させたものを吸気管へ 導入した.燃料ボンベから吸気管までの配管はリボンヒータにより加熱し,凝縮を防いだ.主燃料にメタンを用 いる際は,レギュレータにより 0.25MPa に調圧し,吸気管へ導入させた.DME は常温で気体であるが,気化熱 によりボンベ内温度が変化するため,温度調整器により DME ボンベ温度が 313K 一定となるように調節した. トルエンと DME の流量測定は電子天秤を用いて消費重量を計測することにより行った.メタンの流量測定は マスフローコントローラを用いて行った. ― 85 ―

(3)

©2013 The Japan Society of Mechanical Engineers

Table 1 Test fuel properties

Fuel DME Toluene Methane

Chemical formula CH3OCH3 C6H5CH3 CH4

Octane number(MON) - 103.5 130

Cetane number 60.6 - 0

Lower calorific value [kJ/kg] 28430 40862 49900

Boiling point [K] 248.1 383.6 111.5

Stoichiometric air/fuel ratio 9 13.5 17.2

Heater Mixer Gas out Rotary encoder Air in Surge tank :Thermo couple Pressure transducer Manometer Exhaust-Gas Analyzers Flame arrestor Insulator A/D Converter Amplifier Computer T Dynamo meter T T DME 12345678 12345678 Toluene Electronic scale 36.8 35.0 Heater Flow valve

Oil bath with heat regulator Heat regulator

Mass flow meter

Methane

T

Fig.2 Specifications of test engine

筒内圧力データは,燃焼室ヘッド部に設けた歪みゲージ式圧力センサーを用いて,クランクアングル 0.5 deg 毎に 45 サイクル分サンプリングを行った.燃焼解析の際には 45 サイクル分の圧力データを平均化し,使用した. 表 2 に供試機関の主要諸元を示す.供試機関には排気量 638cc の単気筒 4 サイクルディーゼル機関を用い,HCCI 用に改造して使用した.圧縮比は 14.7 とし,機関回転速度は 960rpm 一定とした.吸気温度は吸気管内に取り付 けたヒータを用いて 303K に調整した.

Table 2 Specifications of test engine

Engine type Single-Cylinder, 4-Stroke

Bore×stroke 92mm×96mm Displacement 638cc Compression ratio 14.7 2・3 燃焼解析に用いた定義 燃焼解析に用いた諸量は図 3 のように定義した.図 3 は,複合燃料 HCCI 燃焼および着火トリガー燃料単体 HCCI 燃焼の典型的な熱発生率を示している.いずれの燃焼においても,着火トリガー燃料の当量比は同じとした. 各燃焼の圧縮行程における一段目の発熱を低温酸化開始時期θ1,θ’1とし,この時期における温度を低温酸化反 応の反応開始温度と定義した.θ1,θ’1は,低温酸化反応における熱発生の傾きが最大となる点で接線を引き,熱 ― 86 ―

(4)

©2013 The Japan Society of Mechanical Engineers 発生ゼロとの交点として求めた.続く高温酸化反応による発熱開始時期をθ2,θ’2と定義し,この時期における温 度を高温酸化反応の反応開始温度と定義した.θ2と θ’2も同様に熱発生の傾きが最大となる点で接線を引き,熱 発生ゼロの交点とした.θ1およびθ’1の差を低温酸化の遅れ期間τLTRとし,θ2およびθ’2の差を高温酸化の遅れ期 間τHTRと定義して,主燃料の遅延効果を評価した. ノッキングの定義は,最大筒内圧が 7.5MPa 以上または最大圧力上昇率が 1MPa/deg.となった場合とし,失火は 最大熱発生率が 5J/deg 以下となった場合とした. τLTR θ1 θ2 Ra te o f hea t relea se [J /deg .]

Crank angle [deg.ATDC] 100 80 0 -10 -5 0 5 10 -15 -20 -25 -30 τHTR θ’1 Trigger fuel θ’2 (DME) HCCI Dual fuel HCCI 60 40 20

Fig.3 The definition of starting reactions,

delay of Low temperature reaction (τLTR) and delay of High temperature reaction(τHTR)

3. 詳細素反応モデルおよび数値解析方法 3・1 詳細素反応モデル

燃焼の反応機構を理解するために詳細素反応モデルに基づく化学反応計算を行った.使用したモデルの詳細を 表 3 に示す.メタン単体およびメタン/DME 燃焼の解析には Curran らの DME2000(8)を用いた.このモデルでは, メタンの反応機構と DME の反応機構の両方が考慮されている.トルエン単体およびトルエン/DME の解析には, Sakai らのトルエン酸化モデル(9)をベースに DME2000 中の DME 酸化にかかわる素反応式を加えたモデルを用い た.この際,競合する素反応および化学種は全てトルエン酸化モデルを優先させた.図 4 に,トルエンと DME2000 の混合モデルを用いてトルエンおよび DME 単体の解析を行った結果を示す.同図において,混合モデルはオリ ジナルモデルと差異が小さく,単体燃焼の発熱パターンを良好に再現出来ている.

3・2 数値解析方法

化学反応計算には,CHEMKIN-PRO の 0 次元の圧縮膨張行程および熱損失を考慮した IC-Engine model を使用 した.解析条件は,供試機関を想定し,排気量 638cc,圧縮比 14.7,回転速度 960rpm とした.計算は供試機関の バルブ閉じ時期である-140deg.ATDC から 50deg.ATDC までとした.このときの初期温度および初期圧力は実験に おける値を参考に,温度 357 K,圧力 0.12 MPa とした.

初期組成は N2:O2=79:21 の乾燥空気と燃料を加え,混合気体積が行程容積となるように計算し,この混合気 に,完全燃焼を仮定して求めた隙間容積分の残留ガス組成 N2,O2,H2O および CO2の 4 成分を与えた.

Table 3 Detailed chemical kinetics mechanism

Model DME2000(8) Toluene(9) Toluene/DME

researcher H.J.Curran Y.Sakai -

Number of chemical species 79 758 784

Number of elementary reaction 351 2877 2993

(5)

©2013 The Japan Society of Mechanical Engineers Ra te o f hea t relea se [J /deg .]

Crank angle [deg. ATDC]

Toluene combustion

DME combustion

DME2000 model Toluene model

DME2000 + Toluene model

-10 -5 0 5 10 -15 -20 -25 -30 300 200 100 0

Fig.4 Comparison of DME2000/ toluene mixed model and original models.

4. 実験結果および考察 4・1 メタン/DME およびトルエン/DME HCCI の燃焼特性

複合燃料 HCCI の運転当量比範囲を図 5 に示す.メタン/DME,トルエン/DME どちらの場合においても DME 当量比を着火の確保出来る最小限の値に調整することで運転領域が拡大する.最大総括当量比を比較すると, DME 単体の場合は 0.30 であるのに対し,トルエン/DME では 0.43,メタン/DME では 0.56 となった.次節にて 詳細に述べるが,主燃料によって運転領域・負荷が異なる結果となった.

最も総括当量比が拡大した DME 当量比(以下φDME) 0.13 において熱発生特性を比較する.メタン/DME およ びトルエン/DME HCCI 実験から得た熱発生率を図 6 に示す.二つの燃焼の共通点を整理すると,最初に低温酸化 に伴う発熱が生じ,一旦発熱が見られなくなった後に再度高温酸化に伴う発熱が生じる.また,主燃料の増加に 伴い低温酸化が抑制され,高温酸化の開始が遅れる.そして,主燃料の投入量が多くなると最終的に失火に至る ことである.ただし,メタン/DME ではメタン当量比φm= 0.45,トルエン/DME ではトルエン当量比φtol= 0.33 で失火に至り,失火条件における主燃料の投入量に違いが見られた.続いて,二つの燃焼の相違点について整理 する.メタン/DME では,低温酸化の後,上死点直前の比較的小さな発熱,および大きな熱発生の二段階で高温 酸化反応が生じている.一方,トルエン/DME の高温酸化ではφ= 0.30 を除いて一段で発熱しており,主燃料に よる発熱パターンの違いが確認できる. Eq u ival en ce r ati o of D M E

Equivalence ratio of main fuel

○:Operating ×:Knocking ▲:Misfire Methane/DME ○:Operating ×:Knocking ▲:Misfire 0.3 0.4 0.5 0.2 0.1 0 0.3 0.2 0.1 0 0.3 0.2 0.1 0 Toluene/DME

11069

11132

11150

11115

11116

11118m

0 50 100 150 φm=0.0 φm=0.11 φm=0.25 φm=0.39 φm=0.43 φm=0.45 (Misfire) R ate of h eat r el eas e [J/ d eg.] φDME=0.13(const.) φm=φmethane, φtol=φtoluene

11069

11070

11071

11072

11060

11074m

0 50 100 150 -30 -20 -10 0 10 20 30 φtol=0.0 φtol=0.11 φtol=0.21 φtol=0.27 φtol=0.30 φtol=0.33 (Misfire) Methane/DME Toluene/DME

Crank angle [deg.ATDC]

Fig.5 Engine operational range of dual fuel HCCI Fig.6 Rate of heat release for methane/DME and Toluene/DME HCCI combustion

(6)

©2013 The Japan Society of Mechanical Engineers

4・2 複合燃料による運転負荷の拡大と機関性能の比較

図 7 に複合燃料 HCCI の総括当量比に対する最大圧力上昇率と各 HCCI 燃焼における CA50 を示す.CA50 は, 1 サイクル中の総発熱量の 50%を実現するクランクアングルを示すものであり,燃焼の重心位置を示す指標であ る.また,図 7 の×は失火した条件を示している.DME 単体の場合ではφDME の増加に伴い,圧力上昇率は単 調に増加し,ノッキングに至る.これに対しメタン/DME HCCI においては総括当量比 0.53,トルエン/DME HCCI では総括当量比 0.39 を境として圧力上昇率が低下する.これは,主燃料の増加に伴い高温酸化反応が膨張 行程で生じるためである.図 7 から,CA50 が膨張行程に移行するに従い,最大圧力上昇率の上昇が一時的に頭 打ちになるが,上記の点を境として次第に低下する傾向が確認できる.

主燃料の最大圧力上昇率への影響を比較すると,トルエンを主燃料とした場合に圧力上昇率が高くなる.メタ ン/DME の総括当量比 0.38(φm=0.25)とトルエン/DME の総括当量比 0.40(φtol=0.27)における CA50 は概ね 同じ値を示すが,最大圧力上昇率はトルエンを用いた場合に高い.図 6 においてφm=0.25 とφtol=0.27 の熱発生 率を比較すると,熱発生率の最大値はφtol=0.27 で高く,急峻な熱発生となることが確認できる.5 章にて詳細 な検討を行うが,これはトルエンと DME の高温酸化反応が同時に進行することにより,高温酸化反応が一段で 進行したためだと考えられる.これに対してメタン/DME では,DME とメタンの高温酸化反応が時間差を持っ て段階的に進行し,このことが圧力上昇率の低下に副次的な効果をもたらしたと考えられる.

図 8 に,複合燃料 HCCI の総発熱量に対する正味平均有効圧(BMEP)を示す.DME 単体の場合,最大 BMEP はφDME = 0.3 のときで 0.19MPa であった.一方,メタン/DME における最大 BMEP は 0.59MPa,トルエン/DME では 0.52MPa となり,複合燃料により運転負荷が大きく向上する.これは,主燃料による低温酸化反応の抑制に より、高温酸化反応の開始時期が膨張行程に遅延すること,およびトリガー燃料の低温酸化によって高温酸化の 開始に供する H2O2等の中間生成物が蓄積するため,膨張行程に入っても主燃料の着火を確保できることが主な 要因である.このため,複合燃料 HCCI では,図 8 に示すようにノッキングを避けつつ投入熱量を大幅に増加で きるため運転範囲を高負荷側へと拡大できると考えられる. -25 -20 -15 -10 -5 0 5 10 15

(メタンDME)CA50

(メタンDME 失火)cA50

(トルエンDME)CA50

(トルエンDME 失火)CA50

(DME)CA50

(メタン

DME)CA5

0

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2 1.4 0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6

メタンDME)圧力上昇率

メタンDME_失火)圧力上昇率

トルエンDME)圧力上昇率

トルエンDME_失火)圧力上昇率

DME単体)圧力上昇率

メタンDM

E)圧力上

昇率

Equivalence ratio of overall

M axi m u m p re ss u re r is e rate [MPa /d eg.] Knocking Toluene/DME Methane/DME DME only C A 50 [d eg.A TD C ] Methane/DME DME only Toluene/DME Expansion stroke 0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6

BMEP

BMEP

100 200 300 400 500 600 700 800 900

BMEP

Toluene/DME Methane/DME B M E P [ M P a ]

Total heat release (J)

4・3 主燃料による燃焼特性の違い

前節までに主燃料によって発熱パターンおよび失火限界に違いがあることを述べた.本節では DME 酸化反応 に対する主燃料の影響について検討する.図 9 に,メタン/DME およびトルエン/DME HCCI において,主燃料の 当量比を変化させたときの低温酸化および高温酸化反応の開始遅れを示す.2.3 節に示したように,遅れ時間は DME 単体燃焼のときの発熱開始時期とメタンあるいはトルエンを加えたときの発熱開始時期との差としている.

Fig.8 BMEP for methane/DME and toluene/DME HCCI combustion

Fig.7 CA50 and Maximum pressure rise rate of methane/DME and toluene/DME HCCI combustion

(7)

©2013 The Japan Society of Mechanical Engineers 主燃料の当量比が増えると低温酸化および高温酸化の開始時期が遅延するが,低温酸化,高温酸化を問わず, 遅延の程度はトルエンを主燃料とした場合に大きくなる. 図 10 に低温酸化および高温酸化開始時期の温度 T1,T2を示す.T1,T2は DME 単体のときの低温および高温酸 化開始温度にほぼ対応しており,主燃料による大きな違いは確認できない.江口らが Sakai トルエン酸化モデル を用いて行なった解析(6)では,トルエンはメタンより低温酸化反応の抑制効果が大きいことを OH との反応性か ら説明しているが,本実験の遅延効果の結果と符合する.このため,OH との反応性がメタンよりも大きいトル エンを用いた場合に遅延効果が大きくなると考えられる. 図 11 に主燃料の当量比を変化させたときの低温酸化反応の発熱量 QLTRを示すが,主燃料が増加するにつれて 低温酸化は抑制される.このため,主燃料が多いほど低温酸化反応以降の温度上昇が遅れ,高温酸化反応が膨張 行程へ遅延すると考えられる.これは高負荷になるほど主燃料の発熱が遅延することを意味しており,複合燃料 HCCI によりノッキング限界が拡大する主要因と考えられる.ただし,図 11 を詳細に見ると,トルエン DME は メタン DME における失火条件よりも大きな発熱量で失火している.これは,トリガー燃料との干渉性および発 熱形態の違いが影響しているものと考えられるが,この点については次章にて検討を行う. 以上,複合燃料 HCCI 燃焼では,発熱が多段化するとともに熱炎の開始時期が膨張行程まで遅延することによ り運転限界が拡大することを明らかにした.また,着火トリガーである DME の低温酸化反応は主燃料の影響を 受け,その程度は燃料種によって異なることが示された.次章では,数値解析によって燃料種による違いの要因 および複合燃料 HCCI の燃焼メカニズムについて考察する. 0 1 2 3 4 5

遅延

度L

TR

Equivalence ratio of main fuel

D el ay of LT R τLTR [d eg.] 2 4 6 8 10 12 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5

遅延

度L

TR

Toluene/DME Methane/DME Toluene/DME Methane/DME D el ay of H TR τHT R [d eg. ]

Fig.9 Effect of main fuel quantity on delay of Low temperature reaction(τLTR) and High temperature reaction(τHTR) ○:Toluene/DME □:Methane/DME 500 600 700 800 900 1000 0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 T1 T2

Equivalence ratio of main fuel

Te m p er atu re [K ] 0 10 20 30 40 50 60 0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5

(メタンDME)QLTR

(トルエンDME)QLTR

(メタンDME_失火)QLTR

(トルエンDME_失火)QLTR

(メ

タン

DME

)Q

LTR

○:Toluene/DME □:Methane/DME misfire

Equivalence ratio of main fuel QLTR

[J]

Fig.10 Effect of main fuel quantity on low temperature reaction and High temperature reaction starting temperature

Fig.11 Effect of main fuel quantity on low temperature reaction heat release

(8)

©2013 The Japan Society of Mechanical Engineers 5. 数値解析結果および考察 5・1 詳細素反応モデルの妥当性 図 12 に,メタンを主燃料とした場合の実験および数値解析結果における熱発生率を示す.数値解析結果におけ る熱発生は実験における熱発生よりも急峻であり,失火条件におけるメタン当量比も実験と数値解析結果で異な っている.3・2 節で述べたように,数値解析は燃焼室内予混合気の完全均一を仮定しているため,高温酸化の反 応条件を満たした予混合気は同時着火による急峻な燃焼を起こす.実験では燃焼室内予混合気の完全均一を実現 できず,燃焼室内に当量比および温度分布が存在したため,穏やかな熱発生形態となり,それが失火条件におけ るメタン当量比に影響したと考えられる.ただし,定性的な熱発生過程は実験と数値解析で同様の傾向を示した. 図 12 の実験と数値解析結果の比較から,メタン当量比の増加に伴う低温酸化反応の抑制と高温酸化反応の遅延が 確認できる.また,数値解析結果における高温酸化反応は,実験結果と同様に二段階で生じている.以上より, Curran らの DME2000 モデルは,メタン/DME HCCI 燃焼を定量的には表現できないものの,熱発生形態を定性的 に表現できるものと判断した.

図 13 にトルエンを主燃料とした場合の実験および数値解析結果における熱発生率を示す.メタンを主燃料にし た場合と同様の理由で数値解析結果における熱発生は実験における熱発生よりも急峻だが,トルエン当量比の増 加に伴う低温酸化反応の抑制と高温酸化反応の遅延が再現され,また高温酸化反応に伴う熱発生が一段で生じる ことも実験結果と一致する.このため,今回使用した DME2000+sakai トルエンモデルにより,トルエン/DME HCCI 実験において,高温酸化反応が一段で進行する要因を検討できると判断した. 以上より,今回用いた数値解析法は,実験の熱発生過程を定性的に再現できると判断し,これらのモデルを用 いて燃料間の相互作用について検討した.相互作用の影響については 5.2 節に詳細を述べる. 0 100 200 300 400 500 600 (MD D=0.15 M=0.0)ROHR (MD D=0.15 M=0.1)ROHR (MD D=0.15 M=0.21)ROHR (MD D=0.15 M=0.4)ROHR (MD D=0.15 M=0.6)ROHR (MD D=0.15 M=0.75)ROHR (MD D=0.15 M=0.78)ROHR (MD D=0 .1 5 M=0.0)R OH R Ra te o f hea t relea se (J /deg .)

Crank angle (ATDC deg.) φm=0.21 φm=0.0φm=0.1 φm=0.78 (Misfire) φm=0.4 φm=0.75 φm=0.6 11069 11132 11150 11115 11116 11118m 0 50 100 150 -30 -20 -10 0 10 20 30 φm=0.0 φm=0.11 φm=0.25 φm=0.39 φm=0.43 φm=0.45 (Misfire) experiment calculation φm=φmethane Calculation: φDME=0.15(const.) Experiment: φDME=0.13(const.) 0 100 200 300 400 500 600 (φtol=0.0_φD=0.15)ROHR (φtol=0.1_φD=0.15)ROHR (φtol=0.15_φD=0.15)ROHR (φtol=0.24_φD=0.15)ROHR (φtol=0.27_φD=0.15)ROHR (φtol=0.28_φD=0.15)ROHR (φtol= 0. 0_φD=0. 15) ROHR Ra te o f hea t relea se [J /deg .] 11069 11070 11071 11072 11060 11074m 0 50 100 150 -30 -20 -10 0 10 20 30 φtol=0.0 φtol=0.11 φtol=0.21 φtol=0.27 φtol=0.30 φtol=0.33 (Misfire)

Crank angle [deg.ATDC] φtol=0.15 φtol=0.0 φtol=0.1 φtol =0.28 (Misfire) φtol=0.24 φtol =0.27 experiment calculation φtol=φtoluene Calculation: φDME=0.15(const.) Experiment: φDME=0.13(const.) 5・2 運転限界と燃料の OH との反応性 図 14 に,今回の実験に用いた 3 種類の燃料と OH との反応速度定数を示す.図 14 中の反応式は感度解析の結 果から,支配的な素反応式を示したものである.ただし,トルエン酸化反応モデルにおいては,トルエンと OH の反応が複数存在したため,その中で反応速度の高い 2 つ反応を示した.図 14 中の(a),(b)は以下の反応を示す. (a) C6H5CH3+OH  C6H5CH2+H2O (1) (b) C6H5CH3+OH  C6H4CH3+H2O (2) Fig.12 Comparison of rate of heat release between experiment

and calculation results in methane/DME HCCI

Fig.13 Comparison of rate of heat release between experiment and calculation results in toluene/DME HCCI

(9)

©2013 The Japan Society of Mechanical Engineers トルエンその反応速度定数は広い温度領域において DME>トルエン>メタンの順で高い.低温酸化反応が開 始される 750K 前後の低温領域においては,DME と主燃料との反応速度定数の差が小さい傾向にある.実験では, 主燃料をトルエンとした場合に,低温酸化の開始が遅れ,低温酸化における発熱量がメタンよりも高い条件にも 関わらず,失火に至った.これらはトルエンの OH との反応性が DME に近い値をとるために,トルエンがメタ ンよりも DME の低温および高温酸化反応で生成した OH を多く消費した結果であると考えられる.すなわち, 着火トリガー燃料の OH との反応性が主燃料のそれに近いほど,主燃料の着火トリガー燃料への干渉が強まり, 失火に至りやすくなると考えられる. 0 1 1013 2 1013 3 1013 4 1013 5 1013 500 1000 1500 2000 2500

tol sakai

DME

methane

c6h4ch3

R eac ti on r ate c on stan t k Temperature [K] DME+OH Toluene+OH (a) (b) Methane+OH

Fig.14 Comparison of reaction rate constant for OH consumption reactions with DME, methane and toluene

5・3 複合燃料の酸化機構と燃料による高温酸化特性の違い 図 15 にメタン/DME HCCI の数値解析から得た熱発生率,温度履歴および主要中間生成物のモル濃度履歴を示 す.メタンは,DME の低温酸化反応に伴い生成される OH の水素引抜きによって酸化反応が始まる.低温酸化 による雰囲気場の温度上昇により,DME の低温酸化が縮退し,メタンの酸化も停止する.反応場の温度が約 1050K に達し,DME の低温酸化機構により蓄積した H2O2が解離すると,多量の OH が反応場に供給され,CH2O と DME が急速に消費されるようになり,その後メタンの酸化反応が再開される.DME が完全に消費され, DME の高温酸化反応に伴う活性化ラジカル生成が減衰するとメタンの消費反応は一旦縮退するが,反応場の温 度が 1300K を超え,CO の酸化反応 CO+OH=CO2+H が生じると,H+O2=O+OH および O+H2O=OH+OH 等の反応 による連鎖分岐反応が活発になり,CO の酸化反応が急速に進行するため激しい発熱を起こす.メタン/DME HCCI では高温酸化において二段階の発熱を起こすが,これは DME の高温酸化開始温度とメタン自身の酸化開 始温度に 250K 程度の差があるためだと考えられる.

(10)

©2013 The Japan Society of Mechanical Engineers 0 0.005 0.01 0.015 0.02 -30 -25 -20 -15 -10 -5 0 5 10 0 200 400 600 0 500 1000 1500 2000 M ol e F racti on φDME=0.15, φmethane=0.16 CH3OCH3 CH4 CO CH2O R ate of h eat re le as e [J/ d eg .] Te m p er atu re [K ] H2O2

Crank angle [deg. ATDC]

Fig.15 Rate of heat release, temperature and major chemical species mole fraction in methane/DME HCCI

一方,図 16 に示すように,トルエン/DME HCCI の場合も,DME の低温酸化反応による OH 供給を受け,トル エン酸化反応が開始される.ただし,低温酸化反応におけるトルエン消費量はメタン消費量よりも多い(6).これ は上述の通り,トルエンと OH との反応性が DME のそれに近いためである.このため,トルエンは DME の低温 酸化反応の開始をメタンよりも遅らせたと考えられる.また,OH との反応性が近いために,温度が約 1050K に 達して H2O2の解離反応が活発になると,DME とトルエンがほぼ同時に消費される.そして,1200K に達し, C6H5CHO(ベンズアルデヒド)が消費されるようになると,トルエン自身の連鎖分岐反応が活発化し,急速に酸 化反応が完結する.

図 17 に感度解析から得たトルエン/DME HCCI 燃焼における酸化経路の概略図を示す.DME の酸化反応によっ て供給される OH により,メチル基の水素が順次引き抜かれてベンズアルデヒドや 6 員環構造の OC6H4O(O ベ ンゾキノン)が生成される.ベンズアルデヒドはさらに OH と反応し酸化が進行する一方,H ラジカルとも反応 する経路が存在する.高温酸化において,トルエン酸化反応は DME と同時に進行するため,低温酸化で蓄積さ れたベンズアルデヒドに加え,高温酸化においてもベンズアルデヒドが蓄積される.このため,DME の高温酸 化反応における主要な発熱反応の一つである H+O2 (+M) = HO2 (+M)の反応を阻害する結果となったと考えられる. 以上より,メタン/DME のように一段目の高温酸化反応に伴う発熱が顕著に表れずに,発熱量が低下するため, トルエン量が多い場合には,吸熱反応である O ラジカルと OC6H4O の反応障壁を越えることができず,トルエン の酸化反応が停止すると考えられる.以上,トルエンは DME の低温酸化反応を抑制するだけではなく,高温酸 化反応も抑制することが示された. トルエン/DME では,トルエンの中間生成物が DME 高温酸化反応の進行を阻害することに加え,H2O2の解離 温度とトルエンの連鎖分岐反応開始温度が比較的近いために,実験では見かけ上一段の発熱になったものと考え られる.したがってトルエンを主燃料とする場合は,メタンより多くの着火トリガー燃料を供給し,一段目の高 温酸化において発熱量を確保する必要性がある. ― 93 ―

(11)

©2013 The Japan Society of Mechanical Engineers 0 0.0001 0.0002 0.0003 0.0004 0.0005 -30 -25 -20 -15 -10 -5 0 5 10

C6H5CH3

CH3OCH3

H2O2

CO

0 0.005 0.01 0.015 0.02 0 0.01 0.02 0.03 R ate of h eat re le as e [J/ d eg .] M ol e F rac ti on C O m ol e F rac ti on M ol e F rac ti on C6H5CH3 CH3OCH3 CO H2O2 OC6H4O C6H5CHO φDME=0.15, φtoluene=0.15 0 200 400 600 0 500 1000 1500 2000 Te m p er atu re [K ]

Crank angle [deg. ATDC]

Fig.16 Rate of heat release, temperature and major chemical species mole fraction in toluene/DME HCCI

+O2 +OH +O2 +O +O Toluene +OH C O C H H H CO O O O CO H + O2(+M) → HO2(+M)

High temperature oxidation for DME

+H

Competing chemical species

… CH H H H CO H

Fig.17 Major reaction paths of toluene/DME oxidation on the basis of Sakai’s scheme(9)

(12)

©2013 The Japan Society of Mechanical Engineers 6. 結 言 主燃料をメタンおよびトルエンとする複合燃料 HCCI 燃焼の比較実験および詳細素反応モデルを用いた数値解 析から以下の知見を得た. 1. 反応開始温度の高い燃料を主燃料とし,低温酸化反応の活発な着火トリガー燃料を着火が確保できる最小 当量比とした場合に運転負荷範囲が大幅に拡大する.これは,着火トリガー燃料の低温酸化反応によって 生成した H2O2等の中間生成物が一定期間後 OH を生成するため,空間密度が低下する膨張行程で高温酸化 反応を生じ,ノッキングに繋がる急激な圧力上昇を回避できるためである. 2. 酸化反応における主燃料と着火トリガー燃料間の相互作用,および主燃料の酸化特性により発熱形態およ び運転限界が異なる.OH との反応性が高い燃料ほど発熱の主体を膨張行程に移行させることができるが, 着火トリガー燃料の低温酸化および高温酸化反応を阻害するため,着火を確保するためにはより多くの着 火トリガー燃料を必要とする. 3. 主燃料の反応開始温度が高いほど,着火トリガー燃料の低温酸化反応,H2O2解離に伴う第一次高温酸化反 応,主燃料の高温酸化反応が時間差を持って生じるために反応開始時期が大きく遅延し,急激な圧力上昇 の回避に副次的に寄与する. 謝 辞 本研究で使用したトルエン酸化モデルを提供していただきました福井大学の酒井康行先生に感謝の意を表しま す. また本研究は,科研費・基盤研究(C)(24560219)の助成を受けて実施したものである. 文 献

(1) Konno, M., Chen, Z., and Kashiwagi D., “Compression Ignition Mechanisms of Methane/DME Composite Fuel”, Proceedings of Mechanical Engineering Congress (MECJ-03), Vol.III (2003), pp.119-120

(2) Konno, M., and Chen, Z., “Ignition Mechanisms of HCCI Combustion Process Fueled with Methane/DME Composite Fuel”, SAE Paper, 2005-01-0182 (2005), pp.1-13 (3) 小松聖志,稲葉州亮,清水亮介,飯島晃良,庄司秀夫,“混合燃料を用いた過給 HCCI 機関に関する研究(第 1 報)-DME とメタンの混合燃料による影響-”,日本機械学会 2010 年度山梨講演会講演論文集,pp.120-121. (4) 飯島晃良,浅沼光雄,小松聖志,清水亮介,吉田幸司,庄司秀夫,“混合燃料を用いた過給 HCCI における多段 熱発生機構の研究-FTIR による中間生成物測定,筒内分光測定,素反応数値計算を用いた反応解析-”,自動 車技術会論文集,Vol.43,No.2 (2012),pp.337-344 (5) 金野満,松澤聡,飛田直樹,佐藤良祐,“異なる酸化反応機構を持つ燃料の組み合わせによる HCCI 燃焼の運転範 囲拡大”,日本機械学会論文集 B 編,Vol.76,No.770 (2010),pp.153-159 (6) 江口貴啓,木村優介,金野満,“燃焼構造に起因する高温酸化特性が熱発生速度へ及ぼす影響”,日本機械学会 2011 年度年次大会,No.11-1 (2011),G080022 (7) 柴田元,漆原友則,“燃料による HCCI エンジンの運転性能改善に関する研究”,自動車技術会 2008 年春季大会講 演前刷集,No.25-08 (2008),pp.13-18

(8) H.J.Curran, S. L. Fischer., and F. L. Dryer., “The Reaction Kinetics of Dimethly Ether.Ⅱ: Low Temperature Oxidation in Flow Reactors”, International Journal of Chemical Kinetics, Vol.32, No.12 (2000), pp.741-759

(9) Sakai, Y., Miyoshi, A., Koshi, M., and William J. Pitz., “A kinetic modeling study on the oxidation of primary reference fuel-toluene mixtures including cross reactions between Aromatics and Aliphatics”, Proceedings of the Combustion Institute , Vol.32 (2009), pp.411-418

図

Table 2 Specifications of test engine  Engine type  Single-Cylinder, 4-Stroke
Table 3 Detailed chemical kinetics mechanism
図 8 に,複合燃料 HCCI の総発熱量に対する正味平均有効圧(BMEP)を示す.DME 単体の場合,最大 BMEP はφDME = 0.3 のときで0.19MPa であった.一方,メタン/DMEにおける最大 BMEP は 0.59MPa,トルエン/DME
図 13 にトルエンを主燃料とした場合の実験および数値解析結果における熱発生率を示す. メタンを主燃料にし た場合と同様の理由で数値解析結果における熱発生は実験における熱発生よりも急峻だが,トルエン当量比の増 加に伴う低温酸化反応の抑制と高温酸化反応の遅延が再現され,また高温酸化反応に伴う熱発生が一段で生じる ことも実験結果と一致する. このため, 今回使用した DME2000+sakai トルエンモデルにより, トルエン/DME HCCI 実験において,高温酸化反応が一段で進行する要因を検討できると判断し

参照

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