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TheJournaloftheJapanAcademyofNursingAdministrationandPoliciesVol.18,No.2,PP ,2014 資料 サークルベッドを使用する小児用の転倒 転落リスクアセスメントツール : C-FRAT 第 2 版および第 3 版の妥当

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資料

サークルベッドを使用する小児用の転倒・

転落リスクアセスメントツール:

C-

FRAT第2版および第3版の妥当性の検証

Validation oftheSecond and Third EditionsoftheChild FallRisk AssessmentTool forPediatricPatientsUsing Cribs

藤田優一

1) *

二星淳吾

2)

藤原千惠子

3)

YuichiFujita1)* Jungo Niboshi2)Chieko Fujiwara3)

Key words:safety management,accidentalfalls,child,crib

キーワード: 安全管理,転倒・転落,小児,サークルベッド

Abstract

Thisprospectivestudy aimed to clarify thevalidity ofthesecond and third editionsoftheChild-Fall Risk AssessmentTool(C-FRAT)forpediatricpatientsusing cribs.Thestudy included 697 pediatric patients(mean age2.4 years)currently using cribs.Thenumberofassessmentswas1,315,and the num-berofreported fallswas51 (25 whilewalking,26 from thecrib).Two risk factorsweresignificantly related to fallswhilewalking,including wearing slippersorsandals(p=0.04,OR=4.3),can’twatch out when child isrunning (p=0.02,OR=2.8).Two risk factorsweresignificantly related to fallsfrom cribs, including forgetsto raisebed railswhen leaving bedside(p<0.01,OR=9.7),improved physicals ymp-toms(p=0.04,OR=2.0).Themostvalid cutoffpointforthesecond edition was13,theareaunderthe curve(AUC)was0.81,and thesensitivity and specificity were0.78 and 0.73,respectively.Wedevel -oped threealternativetoolsforthethird edition oftheassessmenttool,using differentweightingsfor thevariousrisk factors.Each ofourthreenew toolswereanalyzed using thesecond edition’sresearch data,and theAUC foreach new toolwasfound to be0.83-0.84.Weconcludethatthesecond and third editionsoftheC-FRAT havemoderateaccuracy.

要 旨  サークルベッドを使用する小児用の転倒・転落リスクアセスメントツール:C-FRAT第2版 および第3版の妥当性を明らかにすることを目的として,10病棟に入院したサークルベッドを 使用する小児697名(平均年齢24歳)を対象に前向きコホート調査を行った.アセスメント回. 数は計1315回であり,調査期間中に報告された転倒(の危険)は25件,転落(の危険)は26件, であった.転倒(の危険)の発生を有意に高めた危険因子は「スリッパまたはサンダルを履か せている(p =004,OR . =43)」「お子様が廊下や病室を走っている時に,注意できていないこ. とがある(p =002,OR . =28)」の2項目であり,転落(の危険)の発生を有意に高めた危険因. 子は,「ベッドから離れる時に,ベッド柵を上げ忘れることがある(p <001,OR . =97)」. 「身体 症状が改善して活気が出てきた(p =004,OR . =2.0)」の2項目であった.アセスメントツール 第2版のAUC(ROC曲線下面積)は0.81であり,カットオフポイントが13点で感度078,特. 異度073を示した.第2版の調査結果をもとに危険因子の配点の異なる案1~3のアセスメン.

TheJournaloftheJapan Academy ofNursing Administration and PoliciesVol.18,No.2,PP 125-134,2014

受付日:2014年8月9日  受理日:2014年11月25日

1) 兵庫医療大学看護学部看護学科 SchoolofNursing,Hyogo University ofHealth Sciences 2) 兵庫県立こども病院 Hyogo PrefecturalKobe Children’sHospital

3) 大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻 Course ofHealth Science,Graduate SchoolofMedicine,Osaka University *責任著者 Corresponding author:e-mailyuichi1127@gmail.com

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Ⅰ.緒言

 入院患者の転倒・転落率はその施設の医療の質を 示す指標のひとつと言われており,転倒・転落を防 止するために様々な対策が実施されている.それら の対策のひとつとして患者の転倒・転落の危険性を 判定する転倒・転落リスクアセスメントツールがあ る.  成人看護の領域では,国内のアセスメントツール に関する研究論文は,2003年から2008年までの5年 間で52件が報告されている(森田,飯島,2009).そ の一方で小児看護の領域では,アセスメントツール に関する論文は1983年から2012年の30年間で国内文 献は7件,国外文献で7件の計14件と少ない現状が みられる(藤田,2013a).また,国内の小児用のア セスメントツールの研究では大規模な前向きコホー ト調査はされておらず,統計学的な妥当性の検証は 十分にされていない現状がみられた.国外の小児用 のアセスメントツールの研究ではケースコントロー ルスタディにより感度,特異度を算出し,アセスメ ントツールの妥当性を検証した論文もみられる (Hill-Rodriguez etal.,2009;Graf,2011).

 我が国の小児医療の特徴として,入院している小 児のうちの731%と大半に家族が付き添いをしてい. るという現状がある(藤田ら,2012a).また,入院 中の小児の転倒・転落事故のうち,家族がそばにい る状況で発生した事故の割合は714~83. 4%(伊藤,. 高橋,2007;前野ら,2012)と高いことが報告され ている.しかしながら,これまでに報告されている 国外のアセスメントツールは家族の状況については アセスメントの対象となっていなかったため,国外 のアセスメントツールをそのまま我が国で使用する には若干の問題がみられた.そこで,我が国の小児 医療の特徴に合わせるために,家族の状況もアセス メントの対象とし,家族とともにアセスメントを行 うツールの開発が必要と考えた.  藤田,藤原(2013a)は,家族の状況も含めた小児 のベッドからの転落の危険因子34項目と転倒の危険 因子34項目(藤田,藤原,2012a)をデルファイ法 の調査によって明らかにし,その結果をもとにサー クルベッドを使用する小児用の転倒・転落リスクア セスメントツール C-FRAT(シーフラット:Child FallsRisk AssessmentTool)第1版を作成した. そして,アセスメントツールを使用しサークルベッ ドを使用する小児90名(平均年齢33歳)を対象に前. 向きコホート調査を行った.その結果は,転倒や転 落の発生と有意に関連していた危険因子は計12項目 であり(藤田ら,2012b),カットオフポイントを13 点とした時の感度は095,特異度は0. 47であった.さ. らに,Receiveroperating characteristiccurve (以下,ROC 曲線とする)を作成し,ROC 曲線下面

積(Area underthe curve;以下,AUC とする) は076と報告されている(藤田,藤原,2013. b).  本研究では,それらの調査結果をもとに改良した サークルベッドを使用する小児用の C-FRAT第2 版および第3版について述べる.

Ⅱ.目的

 本研究の目的は以下の2つである.  サークルベッドを使用する小児用の転倒・転落リ スクアセスメントツール:C-FRAT第2版の妥当性 として,危険因子と転倒・転落との関連,感度,特 異度,AUC(ROC曲線下面積)について明らかに する.  上記の結果をもとに転倒・転落リスクアセスメン トツール:C-FRAT第3版を作成し,第2版調査時 のデータを用いて感度,特異度,AUCを明らかに する.

Ⅲ.方法

1.用語の定義 転倒:立位や歩行時に高低差のない所で倒れること トツール第3版を作成し,第2版調査時のデータを用いて分析した.その結果,案1~3の AUCは0.83~084であり,アセスメントツール第2版および第3版は中程度の予測精度を示し. た.

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を示す. 転倒の危険:転倒するまでには至らないが,ふらつ くなどして倒れる可能性があることを示す. 転落:高低差のあるベッドなどから落ちることを示 す. 転落の危険:転落するまでには至らないが,家族が ベッド柵を下げたまま小児のそばを離れるなどベッ ドから落ちる可能性があることを示す. サークルベッド:ベッド柵および床面が高いベッド であり,ベッド柵を患者自身が上げ下げできない特 徴を持つ.サークルベッドは,看護師が小児の年齢 や発達をもとに選択しており,おもに2~4歳の小 児が使用している(渡部ら,2012). 2.研究デザイン  前向きコホート調査. 3.調査対象  小児専門病院の6病棟および総合病院の小児病棟 3病棟と小児と成人の混合病棟1病棟の計10病棟に 入院したサークルベッドを使用する小児697名. 4.調査期間  2012年10月から2013年3月. 5.アセスメントツール第 2 版の作成過程 1)危険因子の決定  ア セ ス メ ン ト ツ ー ル 第 1 版 の 調 査(藤 田 ら, 2012b)では転倒または転落と12項目の危険因子が有 意に関連しており,それらの相対危険度(RR)は, 「2歳(階段をのぼれる)~3歳(片足で立てる) (RR =85)」「男の子(RR . =7.1)」「輸液スタンドを 押して歩行(RR =218)」. 「身体症状が改善して活気 が出てきた(RR =68)」「親の言うことを聞かない. (RR =10.5)」「危険に対する理解がまだできない (RR =7.5)」「行動が突発的で激しい(RR =63)」. 「母への後追いをする(RR =32)」. 「付き添い者の交 代が多い(祖父母が付き添う事がある)(RR =70)」. 「家族が肉体的または精神的に疲れている(RR = 159)」「お子様が走っていても家族は注意すること. を忘れる時がある(RR =54)」. 「活発(RR =算出不 可)」であったと報告されている.これらの危険因子 をアセスメントツール第2版の危険因子とした.な お,研究者間で討議した上で,疾患,症状,治療に 関する危険因子や性格に関する危険因子,家族の状 況などで重要と考えた危険因子については,アセス メントツール第2版でも採用することとした.これ らの過程を経て,20項目の転倒・転落の危険因子と した. 2)危険因子の配点およびカットオフポイントの 決定  危険因子の配点については,第1版と同様に1点 と2点の2段階のみとした.第1版の危険因子のう ち,転倒・転落の発生を有意に高めた危険因子を2 点,有意な関連はみられなかったものの研究者間で 検討し重要と考えた危険因子を1点と重み付けを 行った.  カットオフポイント(ローリスクとハイリスクの ボーダーラインとなる点数)は,第1版調査の結果 を参考にして13点以上をハイリスクとすることとし た. 3)家族の回答欄  アセスメントツールには小児の性格に関する危険 因子が含まれているが,入院したばかりの小児の性 格を看護師がアセスメントすること難しいため,入 院時は家族に小児の性格や家族の状況について回答 を求めた.その際に家族が記入する回答欄を設けた. 看護師はその結果をもとにアセスメントを行った. また,「肉体的または精神的に疲れている」「付き添 い者または面会者の交代が多い」など家族自身の状 況も転倒・転落の危険因子となるため家族に回答し てもらった.  さらに,入院日以降のアセスメントツールの評価 日ごとに,家族が適切に転倒・転落防止対策を実施 できているかについて自己チェックできるよう 「ベッドの上の整理整頓がされていないことがある」 「スリッパまたはサンダルを履かせている」について も家族に回答してもらい,家族の対策の実施状況も 転倒・転落の危険因子として調査した. 4)転倒・転落(の危険)発生の集計  成人患者を対象とした先行研究(Hainesetal., 2009)では,患者の転倒・転落の同じエピソードを みても看護師によって捉え方は異なることが明らか となっており,全ての転倒・転落がインシデントレ ポートとして報告されているわけではないと考えた. 特に小児患者においては,歩行が確立するまでの小

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児の転倒は珍しいことではないため,小児が転倒し ても外傷がなければインシデントレポートとして報 告されていないものが多数あると報告されている (藤田,藤原,2012b).そこで,インシデントレポー トの報告を捉えるのみでは不十分と考え,「転倒の危 険」として小児がふらついて転倒の危険があった場 面や「転落の危険」として家族がベッド柵を下げた まま小児のそばを離れた場面などについても集計を することで,短期間でより正確な調査が実施できる と考えた.そのため,転倒または転落の危険の有無 とその日時,時間についてチェックができる集計 シートを用いて集計を行なった. 6.アセスメントツール第 3 版の作成過程  アセスメントツール第3版は,第2版の調査で転 倒・転落の発生を有意に高めた危険因子のみを採用 した.以下のように危険因子の配点が異なる案1か ら3のバージョンを試作した.案1:危険因子の オッズ比にかかわらず配点は全て1点とする,案 2:有意差のあるオッズ比の危険因子を2点,有意 差のない危険因子を1点とする,案3:配点はオッ ズ比の値(2~10点)とする. 7.調査手順 1)アセスメントの方法  アセスメントツールを用いて,転倒・転落のリス クを評価した(図 1).まず,家族に小児の性格や家 族の状況について回答を求めた.次に,看護師は家 族の回答欄を参考にしてアセスメントを行い,ハイ リスクまたはローリスクであることを家族に伝えた. なお,2回目以降の評価日に家族が来院していない 場合には,「家族の状況がわからないためアセスメン トはしない」としてしまうと,アセスメントをする べきタイミングを逃すこととなる.そのため,研究 者間で協議の上,家族が不在であれば危険因子の有 無は前回と同じ結果とすることとした. 2)アセスメントの評価のタイミング  小児の入院日,入院2または3日目,手術直後, 点滴抜去時,入院1週間ごと,転倒・転落発生時に 転倒・転落のリスク評価を実施した. 3)対策  入院時のアセスメントの後,小児用の転倒・転落 防止DVDを視聴してもらい,パンフレットを配布 し小児の転倒・転落防止について説明を行った.小 児がローリスクであればDVD,パンフレットに記 載された対策(小児のそばを離れる時は必ず両側の ベッド柵を一番上まで上げる,ベッドの上は整理整 頓する,スリッパ・サンダルは使用しないなど)を 行った.ハイリスクであればローリスクの対策に加 えて,「①歩行時は看護師,または家族が必ず付き添 うようにする」「②医療者間で誰がハイリスクか分か るようにカルテなどに目印をつけて情報共有し,注 意を払い見守る」「③2回目以降のアセスメントでハ イリスクの場合には,再度 DVD の視聴とパンフ レットによる説明を行う」を実施した. 8.調査内容  アセスメントツールを用いて危険因子の有無と入 院日,退院日,小児の年齢,家族の対策の実施状況 について調査した.入院中の転倒および転倒の危険 の有無,転落および転落の危険の有無については, 転倒または転落の危険の発生状況とその日時,時間 についてチェックができる集計シートを用いて集計 を行なった. 9.分析方法  危険因子のうち「身体症状が改善して活気が出て きた」「輸液スタンドを押して歩行する」「(家族が) 肉体的または精神的に疲れている」などは入院中に 変化するため,アセスメントから次のアセスメント までの期間を1つの分析単位として分析を行なった. 転倒(の危険)の有無と危険因子(家族の対策の実 施状況を含む)の有無との関連,転落(の危険)の 有無と危険因子(家族の対策の実施状況を含む)の 有無との関連についてはフィッシャーの正確確率検 定を用いて分析した.  なお,転倒の危険(小児がふらついて転倒の危険 があったなど)や転落の危険(ベッドから転落しそ うな状況があったなど)については,結果的に転倒 や転落は発生しなかったが状況によっては発生して いた可能性もあるため,転倒および転落と同義とみ なして分析した.フィッシャーの正確確率検定にて, 有意差がみられた危険因子については相対危険度 (RR)を算出した.さらに,転倒(の危険)の有無, 転落(の危険)の有無を従属変数とし,有意差がみ られた危険因子を独立変数としたロジスティック回

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帰分析(強制投入法)を行い,オッズ比を算出した.  転倒・転落(の危険)の有無別でのアセスメント ツールの合計得点について,差異の有意性を独立標 本のt検定で分析した.合計得点と転倒・転落(の 危険)の有無との関係より,感度,特異度を算出し た.ROC曲線(縦軸が感度,横軸が1-特異度)の 作 成 と,Youden index(感 度 + 特 異 度 - 1) (Greiner,Pfeiffer,& Smith,2000)の算出により, AUC(ROC曲線下面積),カットオフポイントの妥 当性について検討した.リスク判定(ローリスク, ハイリスク)と転倒(の危険)の有無の関連につい てカイ2乗検定で分析した.  アセスメントツール第3版の分析については,第 2版調査時に得られたデータを使用した.第2版の 分析と同様にアセスメントから次のアセスメントま での期間を1つの分析単位とし,試作した危険因子 の配点の異なる案1から3の各アセスメントツール に対して,危険因子ありの場合にはその配点を与え 合計得点を算出した.合計得点と転倒・転落(の危 険)の有無との関係より,感度,特異度,AUC, Youden indexが最も高くなるカットオフポイント を算出した. 10.倫理的配慮  本研究は兵庫医療大学倫理審査委員会の承認を受 けて実施した.アセスメントツール第1版の著作者 らより,改訂版の作成および研究実施についての了 承を得た.小児の家族へ調査依頼書を用いて,研究 の目的,方法,プライバシー保護等の倫理的配慮と 対策,研究への協力は任意であること,研究に協力 しなくても不利益を被ることはないこと,研究結果 は学会等で発表する可能性があることを説明した. 小児へはイラスト入りの小児用のパンフレットを用 いて,研究の協力依頼と転倒・転落防止について説 明した.入院日に家族がアセスメントツールの家族 の回答欄を記入することで,その後のアセスメント も含めて調査に同意したと判断した.また,一度同 意した後であっても随時同意の撤回ができることを 説明した.

Ⅳ.結果

1.アセスメントツール第 2 版  対象者697名(うち男児385名57.4%)の平均年齢 は24(SD . =1.9)歳,平均在院日数は67(SD . =56). 日,アセスメント回数は合計1315回であった.調査, 期間中に報告された転倒は18件,転倒の危険は7件, 転落は12件,転落の危険は14件の計51件であった. 転倒者の割合は2.4%,転落者の割合は17%であっ. た.  転倒(の危険)の発生日は入院2日目が最も多く 10件(400%),次いで入院日,4日目,5日目がと. もに3件(12.0%)であった.転落(の危険)の発 生 日 に つ い て も 入 院 2 日 目 が 最 も 多 く10件 (400%),次いで入院日7件(26. 9%),3日目4件. (154%)であった..  転倒(の危険)の発生を有意に高めた危険因子は, 「生後9か月(つかまり立ちができる)~1歳11か月 (1人で歩くことができる)(p =004,RR . =22)」. 「輸液スタンドを押して歩行する(p <001,RR . = 33)」「身体症状が改善して活気が出てきた(p . < 001,RR . =4.4)」「行動が突発的で激しい(p <001,. RR =49)」「活発(p . <001,RR . =133)」「親の言う. ことを聞かない(p <0.01,RR =45)」. 「男の子(p = 002,RR . =26)」. 「付き添い者の交代が多い(祖父母 が付き添う事がある)(p =002,RR . =27)」. 「お子様 が走っていても家族が注意できていないことがある (p <001,RR . =175)」「スリッパまたはサンダルを. 履かせている(p <0.01,RR =63)」の10項目であっ. た(表 1).  一方,転落(の危険)の発生を有意に高めた危険 因子は,「輸液スタンドを押して歩行する(p =001,. RR =26)」「身体症状が改善して活気が出てきた . (p <001,RR . =39)」「行 動 が 突 発 的 で 激 し い . (p <001,RR . =34)」. 「危険に対する理解がまだでき ない(p =003,RR . =59)」「親への後追いをする . (p <001,RR . =49)」「活発(p . =002,RR . =31)」. 「親の言うことを聞かない(p <0.01,RR =37)」. 「男 の子(p =004,RR . =2.2)」「家族が肉体的または精 神的に疲れている(p =004,RR . =2.4)」「ベッドか ら離れる時に,ベッド柵を上げ忘れることがある (p <001,RR . =74)」. 「ベッドの上の整理整頓がされ ていないことがある(p =0.04,RR =30)」の計11項.

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目であった.  ロジスティック回帰分析では,転倒(の危険)は 「スリッパまたはサンダルを履かせている(p =004,. OR =4.3)」「お子様が廊下や病室を走っている時に, 注意できていないことがある(p =0.02,OR =28)」. に 有 意 差 が み ら れ た(表 2).転 落(の 危 険)は 「ベッドから離れる時に,ベッド柵を上げ忘れること がある(p <001,OR . =97)」「身体症状が改善して. 活気が出てきた(p =004,OR . =2.0)」に有意差がみ られた.  ROC曲線を作成した結果,アセスメントツールの AUC(ROC 曲 線 下 面 積)は0.81で あ っ た. Youden indexはカットオフポイントが13点で最高 値051を示し,その時の感度は0. 78,特異度は0. 73で. あった.  転倒・転落(の危険)があった小児のアセスメン トツールの合計点は平均149(SD . =41)点,転倒・. 転落(の危険)がなかった小児の平均は97(SD . = 44)点で有意差がみられた(p . <001,t. =822).. カットオフポイントを13点とした時のリスク判定 (ローリスク,ハイリスク)と転倒・転落(の危険) の 有 無 は 有 意 な 関 連 が み ら れ た(p <001,. χ2 =5974,RR . =91).. 表 1 サークルベッド用 C-FRAT第 2 版の危険因子と転倒および転落との関連 p値 95% 信頼区間 相対 危険度 転落(の危険) 転倒(の危険) 危険因子 あり なし あり なし * 4.9 ~ 1.0 2.2 (2.9) 15 (97.1) 510 はい 【小児】生後9か月(つかまり立ちができる)~1 歳11か月(1人で歩くことができる) いいえ 761(98.7)10(1.3) ** 7.5 ~ 1.5 3.3 (4.3) 7 (95.7) 154 (5.0) 8 (95.0) 153 はい 【小児】輸液スタンドを押して歩行する * 6.1 ~ 1.1 2.6 (1.7) 19 (98.3) 1,113 (1.5) 17 (98.5) 1,115 いいえ ** 9.8 ~ 2.0 4.4 (4.3) 16 (95.7) 358 (4.3) 16 (95.7) 358 はい 【小児】身体症状が改善して活気が出てきた ** 8.6 ~ 1.8 3.9 (1.1) 10 (98.9) 912 (1.0) 9 (99.0) 913 いいえ ** 13.0 ~ 1.9 4.9 (3.3) 19 (96.7) 560 (3.5) 20 (96.5) 559 はい 【小児】行動が突発的で激しい ** 7.9 ~ 1.4 3.4 (1.0) 7 (99.0) 709 (0.7) 5 (99.3) 711 いいえ (2.4) 25 (97.6) 1,022 はい 【小児】危険に対する理解がまだできない * 43.7 ~ 0.8 5.9 (0.4) 1 (99.6) 248 いいえ (2.9) 23 (97.1) 769 はい 【小児】親への後追いをする ** 16.1 ~ 1.5 4.9 (0.6) 3 (99.4) 499 いいえ ** 98.3 ~ 1.8 13.3 (2.6) 22 (97.4) 811 (2.9) 24 (97.1) 809 はい 【小児】活発 * 8.8 ~ 1.1 3.1 (0.9) 4 (99.1) 459 (0.2) 1 (99.8) 462 いいえ ** 11.7 ~ 1.7 4.5 (3.3) 20 (96.7) 592 (3.3) 20 (96.7) 592 はい 【小児】親の言うことを聞かない ** 9.2 ~ 1.5 3.7 (0.9) 6 (99.1) 675 (0.7) 5 (99.3) 676 いいえ * 6.5 ~ 1.1 2.6 (2.7) 19 (97.3) 691 (2.7) 19 (97.3) 691 はい 【小児】男の子 * 5.3 ~ 0.9 2.2 (1.2) 7 (98.8) 578 (1.0) 6 (99.0) 579 いいえ (3.5) 12 (96.5) 328 はい 【家族】肉体的または精神的に疲れている * 5.1 ~ 1.1 2.4 (1.5) 14 (98.5) 938 いいえ * 5.9 ~ 1.2 2.7 (4.0) 9 (96.0) 217 はい 【家族】付き添い者の交代が多い(祖父母が付き 添う事がある) いいえ 1,053(98.5)16(1.5) ** 44.6 ~ 6.9 17.5 (28.6) 6 (71.4) 15 はい 【家族】お子様が廊下や病室を走っている時に, 注意できていないことがある いいえ 542(98.4) (1.6) (13.2) 5 (86.8) 33 はい 【家族】ベッドから離れる時に,ベッド柵を上げ 忘れることがある いいえ 384(98.2) 7(1.8) 7.4 2.5~22.4 ** (5.6) 6 (94.4) 101 はい 【家族】ベッドの上の整理整頓がされていないこ とがある いいえ 316(98.1) 6(1.9) 3.0 1.0~ 9.1 * ** 18.8 ~ 2.1 6.3 (10.2) 6 (89.8) 53 はい 【家族】スリッパまたはサンダルを履かせている (1.6) 6 (98.4) 364 いいえ フィッシャーの正確確率検定 *p <0.05 **p <0.01 括弧内は% 相対危険度,95%信頼区間,p値については上段が転倒,下段が転落 を示す

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2.アセスメントツール第 3 版  第2版の調査で,転倒および転落の発生を有意に 高めた小児の危険因子9項目と家族の危険因子3項 目および家族の対策の実施状況3項目の計15項目を アセスメントツール第3版の危険因子とした.危険 因子の配点の異なる案1(危険因子のオッズ比にか かわらず配点は全て1点),案2(有意差のあるオッ ズ比の危険因子を2点,有意差のない危険因子を1 点),案3(配点はオッズ比の値:1~10点)のアセ スメントツールそれぞれに対して第2版調査時の 1315件のデータを使用し,危険因子ありの場合には, その配点を与え合計得点を算出した.その結果,案 1のAUCは0.83,案2,案3のAUCは0.84であっ た(表 3).

Ⅴ.考察

1.症状,治療に関する危険因子と性格に関する危 険因子  症 状,治 療 に 関 す る 危 険 因 子 の う ち,ロ ジ ス ティック回帰分析で有意差がみられた危険因子は 表 2 サークルベッド用 C-FRAT第 2 版のロジスティック回帰分析によるオッズ比 p値 95% 信頼区間 オッズ比 危険因子 転倒(の危険) * 18.7 ~ 1.0 4.3 【家族】スリッパまたはサンダルを履かせている * 6.6 ~ 1.2 2.8 【家族】お子様が廊下や病室を走っている時に,注意できていないことがある 5.2 ~ 0.6 1.7 【小児】活発 3.1 ~ 0.8 1.6 【家族】付き添い者の交代が多い(祖父母が付き添う事がある) 3.3 ~ 0.7 1.6 【小児】男の子 7.7 ~ 0.3 1.5 【小児】生後9か月(つかまり立ちができる)~1歳11か月(1人で歩くことができる) 2.5 ~ 0.5 1.1 【小児】親の言うことを聞かない 2.3 ~ 0.6 1.1 【小児】身体症状が改善して活気が出てきた 3.2 ~ 0.3 1.0 【小児】輸液スタンドを押して歩行する 2.1 ~ 0.4 1.0 【小児】行動が突発的で激しい 転落(の危険) ** 36.9 ~ 2.6 9.7 【家族】ベッドから離れる時に,ベッド柵を上げ忘れることがある 6.4 ~ 0.7 2.1 【小児】活発 * 3.7 ~ 1.0 2.0 【小児】身体症状が改善して活気が出てきた 3.2 ~ 0.8 1.6 【小児】男の子 3.2 ~ 0.7 1.5 【小児】親の言うことを聞かない 3.1 ~ 0.6 1.4 【小児】行動が突発的で激しい 2.4 ~ 0.6 1.2 【小児】親への後追いをする 1.7 ~ 0.5 1.0 【家族】肉体的または精神的に疲れている 3.2 ~ 0.2 0.8 【家族】ベッドの上の整理整頓がされていないことがある 2.1 ~ 0.2 0.7 【小児】輸液スタンドを押して歩行する 1.8 ~ 0.3 0.7 【小児】危険に対する理解がまだできない *p <0.05 **p <0.01 表 3 サークルベッド用アセスメントツール第 3 版 案 1 から 3 の妥当性 AUC 特異度 感度 ハイリスクとローリスク のカットオフポイント (点) 得点範囲 (点) 危険因子の配点 バージョン 0.83 0.76 0.78 7 0~15 オッズ比にかかわらず全て1点 案1 0.84 0.74 0.88 8 0~19 有意差のあるオッズ比の危険因子を2点, 有意差のない危険因子を1点 案2 0.84 0.87 0.78 14 0~33 オッズ比の値(1~10点) 案3

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「身体症状が改善して活気が出てきた」のみであっ た.成人用のアセスメントツールでは,転倒と有意 に関連がみられたリスク要因として,「麻薬」「浣腸 緩下剤」「不穏」(森田ら,2010),「歩行障害」「歩行 補助具の使用」「症状(めまい,立ちくらみ)」(鈴木 ら,2006)など疾病による症状や治療に関する危険 因子が転倒・転落の誘引となっていることが指摘さ れている.しかしながら,サークルベッドを使用す る小児においては病気で入院しているにもかかわら ず,症状や治療の状況は転倒・転落発生の誘引には なりにくいという結果が得られた.これらの結果よ り,サークルベッドを使用する年少の小児では,病 気による症状や活動性の低下の影響が転倒・転落発 生の誘引となっているのではなく,症状が改善して 活気が出てきたことが転倒・転落発生の誘引となっ ていることが示された.佐藤ら(2009)の研究では, 入院2,3日目に転倒・転落が発生しやすく,その 理由として入院2,3日目になると病状が改善して 活動性が高まるためと報告されている.本研究でも 転倒(の危険),転落(の危険)ともに入院2日目に 最も多くみられており,同様の結果であったと言え る. 2.家族に関する危険因子  家族に関する危険因子のうち,ロジスティック回 帰分析で転倒や転落の発生を有意に高めていた危険 因子は,「スリッパまたはサンダルを履かせている」 「お子様が廊下や病室を走っている時に,注意できて いないことがある」「ベッドから離れる時に,ベッド 柵を上げ忘れることがある」といった家族の対策の 実施状況であった.入院している小児の731%に家. 族が付き添いをしており(藤田ら,2012a),半数以 上の小児の転倒・転落は家族がそばにいる状況で発 生していることからも(伊藤,高橋,2007;前野ら, 2012),家族にも転倒・転落防止に協力を求めること は必要不可欠であろう.  また,スリッパの使用は成人患者を対象とした研 究(津野ら,2012)においても,転倒・転落発生の 要因であると報告されている.特に年少の小児では 歩行が確立しておらず不安定であることに加えて, 足のサイズも大きくなる時期であるため,スリッパ やサンダルの使用により転倒しやすくなると考える.  サークルベッドの柵が下がった状態は,加藤ら (2007)の調査でも,転落が有意に発生しやすいこと が報告されている.家族がベッド柵を上げ忘れるこ とは,転落発生の重要な危険因子であることが示さ れた. 3.アセスメントツールの予測精度  アセスメントツール第2版のYouden indexが最 も高くなるカットオフポイントは13点であり,感度 は078,特異度は0. .73,AUCは0.81であった.また, リスク判定と転倒・転落の有無は有意な関連があり, 転倒・転落ハイリスクの小児はローリスクの小児と 比較して91倍転倒・転落しやすい傾向がみられた..  アセスメントツール第3版の作成過程として,ア セスメントツール第2版の1315件の調査データを用, いて,危険因子の配点の異なる案1から3にあては めた.その結果,危険因子の配点が全て1点の案1 のAUCは0.83とわずかに低いものの3者間のAUC に大差はなかった.森田ら(2010)が作成した成人 患者用の転倒アセスメントスコアシート(改定後 シート)は,感度が0745,特異度が0. 796,AUCが. 0822で あ っ た と 報 告 さ れ て い る.ま た,Hi. ll -Rodriguez etal.(2009)が作成した小児用のアセス メントツールであるHumpty Dumpty FallsScale は感度085,特異度0. 24と報告されている.Graf. (2011)の小児用アセスメントツールGRAF‐PIF は感度0.76,特異度084と報告されていることから. も,アセスメントツール第2版,第3版は既存のア セスメントツールと比較して遜色ない予測精度で あったといえる.AUCは0.9以上でHigh accu-racy,0.7~09未満で. Moderate accuracy,0.5~ 07未満で. Low accuracyと言われていることから (Swets,1988),アセスメントツール第2版および第 3版はModerate accuracyであり中程度の予測精 度を示した.アセスメントツール第3版は案1から 案3まで予測精度に大きな違いはみられなかったた め,配点を全て1点とした案1が簡便であり臨床に おいて実用的と考える. 4.研究の限界と今後の課題  今回の調査ではハイリスクと判定された小児には 転倒・転落の防止対策を追加して実施していること から結果に何らかの影響を与えた可能性があり,こ の点は本研究の限界と考える.今後は,アセスメン

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トツール第3版に関する信頼性の検証として,アセ スメントの結果が看護師間でどの程度一致するかに ついても調査を行っていく.

Ⅵ.結論

 転倒(の危険)の発生を有意に高めた危険因子は 「スリッパまたはサンダルを履かせている」「お子様 が廊下や病室を走っている時に,注意できていない ことがある」の2項目であった.転落(の危険)の 発生を有意に高めた危険因子は,「ベッドから離れる 時にベッド柵を上げ忘れることがある」「身体症状が 改善して活気が出てきた」の2項目であった.アセ スメントツール第2版のAUCは0.81であり,カッ トオフポイントが13点で感度0.78,特異度073を示し. た.アセスメントツール第2版の結果をもとに作成 したアセスメントツール第3版は案1から案3の予 測精度に大差はなく,アセスメントツール第2版お よび第3版は中程度の予測精度を示した. 謝 辞:本 研 究 は,科 学 研 究 費 補 助 金(課 題 番 号 24792526)を用いて実施した. ■引用文献 藤田優一(2013a).入院している小児の転倒・転落に関する 文献検討.兵庫医療大学紀要,1(2),23-34. 藤田優一(2013b).小児用転倒・転落リスクアセスメント ツール28件の分析.兵庫医療大学紀要,1(1),35-45. 藤田優一,藤原千惠子(2012a).入院している小児の転倒の 危険因子:デルファイ法による調査.日本看護研究学会 近畿・北陸地方会学術集会プログラム抄録集,25,67. 藤田優一,藤原千惠子(2012b).小児の転倒・転落リスクア セスメントツールの使用状況とその効果.日本看護学会 論文集 小児看護,42,80-83. 藤田優一,藤原千惠子(2013a).入院している小児のサーク ルベッドからの転落に関する危険因子:デルファイ法に よる調査.日本小児看護学会誌,22(1),32-39. 藤田優一,藤原千惠子(2013b).小児用転倒・転落リスクア セスメントツールC-FRATのROC曲線を用いたカット オフポイントの検討.日本看護研究学会近畿・北陸地方 会学術集会抄録集,26,45. 藤田優一,石原あや,藤井真理子,他(2012a).全国の総合 病院における小児の入院環境の実態調査.小児保健研究, 71(6)883-889. 藤田優一,湯浅真裕美,二星淳吾,他(2012b).入院してい る幼児用の転倒・転落リスクアセスメントツール: C-FRATの危険因子と転倒・転落との関連.日本小児看護 学会第22回学術集会抄録集,185.

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