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高齢者・障害者にやさしい高速道路に関する基礎的検討

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Academic year: 2022

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(1)IV‑024. 土木学会第57回年次学術講演会(平成14年9月). 高齢者・障害者にやさしい高速道路に関する基礎的検討 (財)阪神高速道路管理技術センター 正会員 久利 良夫 近畿大学 理工学部 正会員 三星 昭宏 大阪府立公衆衛生研究所労働衛生部 非会員 北川 睦彦 大阪市 正会員 橋本 典雄 (社)阪神有料道路サービス協会 正会員 江原 武 1.はじめに. 道路交通の各分野では高齢者や障害者に対応した交通システムの構築が望まれるようになってきた.しか し,高齢者・障害者のモビリティ確保は個別対応の域を出ず,交通システム全体の体系のあり方や計画・設 計の方法論についてはほとんど確立されていない.一方,高齢者や障害者の社会参加が活発になり,移動手 段として自動車交通を利用する機会が増加してきている.これら高齢者や障害者の社会進出を考慮した高速 道路の望ましいあり方を検討することが重要である. 本稿は,高齢者ドライバーや障害者ドライバーの運転環境の実態把握から,これからの高速道路に求めら れる課題や方向性についての基礎的な検討を開始したのでその報告を行うものである. 2.検討概要 本検討では,高齢者・障害者ドライバーと高速道路との関わりについて把握することから始めた.次に,高 齢者・障害者を被験者とした高速道路上での走行実験を予定しており,視力,動作,判断力などを中心とし た運転特性や走行時の問題点についての検討を行うこととしている.これらの結果をもとに,現状の高速道 路を高齢者・障害者が利用した場合の課題や改善点を抽出し,今後の高速道路に求められるものについて検 討する. 3.調査概要 障害者ドライバーに対するアンケート調査は,大 阪府身体障害者福祉協会および大阪市身体障害者自 動車協会の協力を得た.高齢者ドライバーに対する アンケート調査は,大阪府老人大学講座にて行った. アンケートの調査概要は表 ‑1 のとおりである.本調 査では障害者ドライバー,一般障害者の調査結果 1). 表−1 対象 実施日 配布・回収方法 配布数 回収数 回収率. アンケート調査概要. 障害者ドライバー (免許保有者のみ) 平成13年11月~12月 郵送による配布・回収 126票 75票 59.5%. 高齢者 (免許非保有者も含む) 平成13年12月 講座中の配布・回収 1500票 1040票 69.3%. および第3回京阪神パーソントリップ調査 2) (以下PT 調査)との比較を行った.また,調査対象者は社会活動などに 積極的な比較的元気な障害者・高齢者である.. 表−2 性別 年齢. 4.高齢者・障害者ドライバーの自動車利用 今回調査を行った障害者ドライバーの基本的な属性は,表 ‑. 職業. 2 のとおりである.また,高齢者の免許保有率は約 42%であっ た.図 ‑1 の自動車の利用目的からは,高齢者・障害者ドライ. 障害等級. バーに共通して買い物や社交・娯楽といった自由目的での利用 が多い.また,障害者においては通院の利用割合も高い.この ことから,自動車は免許を保有している高齢者や障害者にとっ てモビリティ確保の有効な手段であり,積極的な社会参加に必. 障害種別. 障害者ドライバーの基本属性. 男性:78% 女性:19% 不明:3% ~54歳:23% 55歳~64歳:47% 65歳~:27% 不明:3% 無職:34% 主婦:8% 会社員:23% パート・アルバイト:5% 自営業:21% その他:9% 1級:8% 2級:32% 3級:23% 4級:26% 5級~:6% 不明:5% 上肢障害:11% 上下肢障害:7% 下肢障害:66% 下肢・内部障害:1% 体幹機能障害:9% 聴覚障害:5% 不明:1%. 高速道路,高齢者ドライバー,障害者ドライバー,活動ダイアリー調査 (財)阪神高速道路管理技術センター 開発研究部 開発研究課 (大阪市中央区南本町 4‑5‑7 東亜ビル内・06‑6244‑6047・06‑6244‑9612) ‑47‑.

(2) IV‑024. 土木学会第57回年次学術講演会(平成14年9月). 要な交通手段で,外出機会の増加にも関与しているものと思 80%. 75% 68%. われる.. 60%. 57% 40%. 次に,阪神高速道路に対する意見は,高齢者・障害者ドラ. 40%. イバーともに,図 ‑2 のように「PA の数が少ない」「車線変更. 20%. 59% 26%. 利 用 しな い. 50%. 認するといった意見や,洋式トイレでも不自由しない方もい. 40%. ることがわかった.. 30%. 障害者ドライバー N=75 高齢者ドライバー N=443. 高齢者ドライバー. 41% 36%. 30%. 6%. 障害者ドライバー N=69 高齢者ドライバー N=384. 高齢者ドライバー. 図−2 阪神高速道路に対する意見. 障害者では自動車の分担率が 38 〜 45%と非常に高い.逆に, 50%. 45% 40%. 38%. 者と障害者ドライバーの代表交通手段の分担率を比較すると,. 33%. 30%. 比較的類似した傾向を示しているが,公共交通機関での分担. 22%. 29%. 22% 26%. 20% 13%. 20%. 18%. 16%. 10%. に関係なく多く,鉄道での移動は中距離帯では見られなかっ. 8%. 6%. 3% 0% バス. 0% 鉄道. た.以上のことより,障害者ドライバーは移動距離に関係な. 自動車. 障害者ドライバー. く自動車を頻繁に利用しており,特に中・長距離帯では公共. 図−3. 二輪車 一般障害者. 徒歩. 1% 0% 0% その他. PT調査. 代表交通手段分担率. 交通機関の代替えとなっていることが明らかとなった.これ 100%. は,障害者ドライバーの高速道路の利用頻度が高いことを示 80%. 唆しているとも考えられる. 60%. 6.まとめ 40%. 今回の調査からは,これまで実施してきた高齢者・障害者へ 20%. の対応策が必ずしもニーズに一致しているとは限らないことが 0%. 示された.さらに,障害者ドライバーにとって高速道路の利用 が不可欠になっている状況から,これらのドライバーに対して. 0~10. 10~20. 20~30. 30~40. 40~. 距離帯(km) 鉄道. 自動車. 二輪車. 徒歩・車いす. 図−4 距離帯別代表交通手段分担率 (障害者ドライバー). やさしい道路づくりの必要性を改めて認識した. 参考文献 1 )三星昭宏,大藤武彦:大阪府における障害者の交通特性と自動車利用に ついて,交通科学 V o l . 2 3 ,N o . 1 N o . 2 合併号 7 〜 1 3 ,1 9 9 4. 2 )京阪神都市圏交通計画協議会:京阪神都市圏の人の動き−第 3 回パーソントリップ調査から−,1 9 9 2. ‑48‑. 駐 車 マナー が悪 い. 2%. 駐 車 マ スが少 な い. 障害者ドライバー. 16%. 11%. ト イ レ が 使 い にく い. 図 ‑3 の代表交通手段の分担率からは,PT 調査結果に比べ. 19%. ト イ レ が 混 ん で いる. 性が見られた.. 20%. 14%. ト イ レが清 潔 でな い. で無職の方が多いが,様々な場所に立ち寄る回遊型の行動特. 係 員 の対 応 が悪 い. プ数は 2.91 トリップ / 人・日となっている.回答者は高齢者. 20%. 20%. 4%. 支 払 い に時 間 が か か る. 料 金 の受 け渡 し が困 難. 車 線 変 更 が困 難. トリップ数は 67 トリップであった.1 人 1 日あたりのトリッ. 19%. P Aの数 が少 な い. 0%. 12%. 標 識 が 降 雨 時 見 え にく い. 性の把握を行った.なお,サンプル数は 23 人・日であり,総. 27%. 26%. 28%. 27%. 17%. 標 識 が 夜 見 え にく い. 10%. 32%. 29%. 29%. 30%. 20%. アンケート調査と同時に活動ダイアリー表を用いた行動特. 段分担率からは,自動車利用はトリップ長の短・中・長距離. 0%. その他. 買 い物. い.特に障害者用トイレに関しては,設置位置を運転前に確. 率の差は非常に大きい.また,図 ‑4 の距離帯別の代表交通手. 2%. 図−1 自動車の利用目的. 「トイレの使用」についての意見が障害者ドライバーには多. 通機関の代替交通手段になっていることがわかる.一般障害. 社 交 ・娯 楽. 障害者ドライバー. 把握が必要であると考えられる.また, 「料金の受け渡し」や. 15%. 11%. 業務. 大きく影響されると思われるため,今後の詳細な運転特性の. 通院. 通 勤 ・通 学. 0%. や標識の視認性に関しては,ドライバーの視線や動作状況に. 鉄道は 6%,バスは 0%であり,障害者には自動車が公共交. 27%. 29%. 13%. が困難」 「標識が見えにくい」などで共通していた.車線変更. 5.活動ダイアリー表を用いた障害者ドライバーの行動特性. 69%.

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