岡山大学環境理工学部研究報告
第9巻,第1号, pp.12ト135,2004年2月
鳥取県の農業生産の多様度 とその変化
市南文一*
Diversity ofAgriculturalProductionan dItsChan geinTottoriPrefecture FumikazuICHIMINAMⅠ●
(ReceivedNovember28,2003)
Inthispaper,diversityoragriculturalproductionanditschangewasexaminedfわrsome45years inJapanandfor1960,1980,and2000inTottorIPrefecture.Theconceptofentropywasusedin ordertomeasurethediversltyOrtheagrlCulturalproductionwhichconsistsorsomesections. AgriculturalproductionsectioninJapanhasbeendiversifiedinthelongrun.Theratioofricehas
beendecreaslnggraduallyfわrapolicyorcuttingbackontheacreageundercultivation Although theratioofstockraisingandfruitshasincreased,ittendsinrecentyearstostagnate.Therateof vegetableshasincreasedremarkably.Combinationtypefわreverymunicipalitieswasdetem inedwith thestandardvalueAmethod,andcomplementedexaminationofagriculturaldiversity・
Kq woT血 :AgrL'culturalProduction.DL'versio7,Entropy,Sustainabilio,,TottoriP
r
efecture1 は じめに
日本の農業 ・農 山村 ・食料 を取 り巻 く情勢は,世界の 気象や経済動向に関連 してお り,農産物 の生産量は,農 業就業者数の減少に伴 って,全般的に低 下 して きた. こ の主原 因には, 日本の農業生産費が諸外 国に比較 して高 価であることか ら,安価 な農産物 を外国か ら輸入す るこ とが合理的であるとの判断があった. もっ とも,最近で は,食品安全性の重要性 が次第 に再確認 されて きている ので,価格のみで農産物が主に選択 され る とい う傾 向は 薄れている感 があるが,消費者 に とって安価 な農産物 は 魅力的である.
さらに,国内での農業の生産性 が他産業のそれ よ りも 一般的にかな り低い ことか ら,一部の例外的な部門を除 いては,新規に農業 に就業す る労働者 が少ない ことが根 本的原 因である.他産業での就業を定年 まで勤 めて退職 したのちに,農業に就業す る熟齢 の農業従事者は少な く ないが,それ らの生計は年金や預貯金で主に支 え られ て いるので,た とえ,低生産性 ・低収入であって も,農地 をある程度利用で きれば満足す ることもある. この場合
*岡山大学大学院自然科学研究科資源管理科学専攻
121
の農業は,専業 とい うよ りは副業や兼業 とみ る方が適切 である.
一方で, この よ うな農業の低迷期 に,先祖伝来の農地 を維持す るために,他産業での就業 を主 としなが らも, 土曜 ・日曜 な どの休 日を利用 して農業を経営す る兼業農 家の比率は依然 として高 く, 日本 の農地管理 に果たすそ の役割 は貴重であ り,決 して軽視す るこ とはできない.
しか し,兼業農家が食料 の一部 を 自給す ることは可能で あって も,余剰分 を市場 に供給す る割合 は大 きくないの で,兼業農家の意義 はある程度是認 され る として も,限 定的な ものにな らざるをえない.加 えて,長期的にみ る と,現在の農業就業者が高齢化 して後継者が見込めない 場合,それ に見合 う新規の就農者が期待 で きなけれ ば, 農業就業者数が現状 の傾 向を敷術 しなが らさらに減少 し て,農地管理 も困難 になってい くことは 自明である.
また,近年ではW TOでの農業交渉が相次いで不調 に 終わってお り,いわ ゆる経済先進国 と発展途上国 との溝 が,農業 を含む広範 な経済で拡 大 しつつあるよ うに思わ れ るので,単なる外 交圧 力や戦略 に もとづ く取引交渉で はな く,各国の経済や食 文化事情 な どに よる差異 を尊重 した総合的な理解 が求 め られ てい る.多数の国家が存在 す る限 り,関税の 自由化は簡単ではな く,関税 を低 くし
122 岡山大学環境理工学部研究報告, 9 (1)2004年
た り撤廃す ることがで きる として もかな りの時間が必要 であることは,元来, 自明なはずであ り,拙速 ・強 引な 単純化は賢明な選択肢 ではない. しか し,現状では, 日 本は世界に対 して外交上の指導 ・説得力 を発揮 で きない ままにきわめて不透 明な国際協調環境 の もとで,対応 ・ 追随 していか ざるをえない よ うである.
1990年代以降の経済不況か ら脱 しきれ ない 日本では, かつての土地神話 は次第に崩壊 している.資産価値や預 貯金に も労 りが見え始めてお り,外交に必ず しも巧みで はない事情 を交えて考慮す る と,従来の方式の貨幣価値 のみで農産物 を判断 して安価 な海外の農 産物 をほぼ恒久 的に容易に輸入できる保証 は揺 らいで きた と,考 えざる をえない.
また,都市部 に居住す る人 口が増加 し,農 山村で暮 ら す人 口が少な くなって きた20世紀後半以降, とくに都 市部で,農 と食の世界の乗離 が進んで きた.都市 と農 山 村の交流事業について鋭意,努力が払われ てきた とはい え,単発的なイベ ン トで終われ ば,生産者 と消費者 との 距離は農業に限 らず,相変わ らず遠 い印象が強い.
以上 にあげた諸点 を意識 して,本稿では農業生産の持 続性 と多様性 を検討す る. これ には以下の よ うな背景が ある.農業経営 を理想的にす るには,兼業方式は専業方 式に改め,需要に見合 った経営規模 (借入地 を含む農地 面積,労働者 な ど)の拡大をはか ることが考 え られ る.
この場合,経営部門数が増加す る,つま り,複合経営化 す るのか,あるいは単一経営的な方向に減少す るのかに は,経営規模 な どの要因が関わ るので,求める解 は一意 的に決定できない. しか し,U.S.A.でみ られ るよ うな 大規模 な農業経営であれば,経営部門は単一経営化す る 傾 向が強い と考 え られ る.また, 日本の よ うな小規模 の 耕地で耕作す る兼業農家であれ ば,米作 な どを中心 とし た単一的経営にほぼ収欽す る可能性 が大 きい.
一方で, 日本の都 市近郊 では,高集約性 の生産 を実現 しなけれ ばな らないか ら,限 られた面積 の もとでは,早 一的経営になる可能性 が大 きい と想定で きる. しか し, 土地が農業生産に利用 され る保証は必ず しもな く,採算 が合わない場合 には,農地が転用 され る.
他方,現状の食生活 を維持 してい くには,一定の種類
・量の農産物の確保 が必要である,先述 した よ うに,農 産物の輸入が恒久的に必ず しも保証 され ない事態発 生の 可能性 を考慮すれ ば,食料の 自給力の向上は 当然の こと として,多様 な農業部門を維持 しつつ,多種類の農産物 を生産す ることは,かな り重要な こととして考 え られね ばな らない.
そ こで,最初に, 日本の農業生産の長期的傾 向を具体 的に検討す る.資料 は
,
「生産農業所得統計」 を利用 し た. この資料 は1955年か ら毎年発行 されている.本稿 では紙幅 な どの都合 によ り,不本意なが ら5年 ごとの年次の資料 を分析す ることに した.
次に,一層細か く検討す るた めに,事例地域 を選 定 し て,農業生産の多様度 を検討 した.大阪,東京な どの大 都 市を含む都府 県のほ とん どの市町村では,農地 も農業 従事者 も,年次的減少が きわめて顕著であ り,一部 に稀 有な農産物生産が点的にみ られ ることがあって も,ま と まった範囲で多様 な農業部門の生産がみ られ ることはな い. ここでは,市町村 レベルでみた場合 には,農業数値 の減少傾 向が一様 ではな く,増加 してい る地域 も適度 に み られ る地域 の 1事例 として鳥取県 を選定 した.農業生 産の多様度の計測 には,エ ン トロピーの概念 を援用 した.
2 日本 の 農 業 粗 生 産 の 変 化 と 多様 度 2‑1 日本の農業粗生産の変化
農業粗生産額 を金額で把握す るために
,
「生産農業所 得統計」の10部門 (米,麦類,雑穀 ,豆類,芋類,野 莱,果実 (果樹),花 き,工芸農作物 ・その他 ,畜産 ・ 養蚕)別 の資料 を利用 した.図‑1は, 日本の10部門別 の農業粗生産額 の推移 を 1955年か ら2000年 にかけて5年毎に10年次分,示 して いる.
周知の よ うに,米 (1955年 の粗生産額 を】00とした場 合の2000年のその指数 は269.以 下,同様 に2000年の 指数 をカ ッコ内に表示)は,高度経済成長期以前 には 日 本の農業生産額の約 半分 を占めていたが,農業基本法 に
もとづ く農政 によ り,やがて,畜産 (1,059)や野菜 (1,775)部 門の伸張が顕著になった. これ らに次いで, 果実 (1,225),花 き (5,653),工芸農作物 (409),芋類
(360)の増加 も目立つ.豆類 (202)の生産額 は増加 し たが,麦類 (113)や雑穀 (59)では停滞 ・減少 してい
る】
'.
図‑2は, 日本 の農 業粗生産額の部 門別 の比率 (%) の推移(1955‑ 2000年)を示 している.米の比率は1955 年 に52.7%であったが,徐 々に低 下 して1980年 に30.2
%,2000年 には25.6% にな った.畜産 (養蚕 を含む) 比率は1955年の14.2%か ら上昇 し続 けて,1980年 に 31.6%に伸びた.その後は停滞 ・低 下傾 向にあ り,2000 年 では27.1%である.
1955年 に 7.3%の野菜比率は,順調 に伸びて1980年 に18.7%,2000年 に23.3%になった.果樹 (莱) の比 率 は1955年 に4%であったが, 1970年 に8.6%に伸び た.その後 は低 下 したが,2000年 には8.9%になってい る.工芸農作物の比率は6%前後であるが, 1980年代以 降は低 下 している. これ ら以外 の部門の比率 は,おおむ ね5%以 下である.花 き比率は1975年 までは1%以 下 であったが,その後 は上昇 して,最近では4%を超 える よ うになった.麦類 の比率は1960年以前には5%以上
市南 文一 /鳥取県の農業生産の多様度 とその変化 123
(tzj準)ぜ増刊蜜琳唯
図 ‑ 1 日本 の 部 門 別 農 業 粗 生 産 額 の 推 移
「生 産 農 業 所 得 統 計」 に よ り作 成
O
L16LⅣEのj
XR333
ⅣⅣ333
図‑ 2
LLT O
ド‑ CO
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LL) O LL) O
CO O) の ⊂)
の の か ⊂>
▼‑ ▼‑ T 〜
E3 工 芸 農 作 物 その他
■ 花 き
団 芋 類
d7 豆 類
●
雑 穀EB 麦 類
■
果 実□ 野 菜
J
畜 産 .養 蚕四 米
年 次
日本 の 農 業 粗 生 産 額 の 部 門 別 比 率 の 推 移
「生 産 農 業 所 得 統 計」 に よ り作 成
124 岡山大学環境理工学部研究報告,9 (1)2004年
であったが,それ以降の比率は低迷 している.雑穀 の比 率は常に1%以下である.
2‑2 日本の農業粗生産の多様度の変化
いま,加 工農産物 を除いた農業粗生産額 (A g)が先 述 したn (‑ 10)部門か ら構成 され ている とし, これ を 以下の よ うに表わす.
Ag ‑ (Agl, Agュ, .,Agn)
次に,部門別 の構成比率 をpとす る と,
p ‑ tp(Agl), p(Agコ), ., p(Ag。))
= (pl, pコ, ‥‥, pn)
したがって,農業粗生産額か らみた地域A,にお ける 農業生産の多様度D(AJ)は,エ ン トロピー概念 を用いて 次の よ うに表わす ことができる.
D(A,)‑ f(p 】J, p コ」, ., p。,)
n
‑ ∑ p
. J
・log=p" (1) i‑In
ただ し,p り ≧ 0, ∑ pり ‑ 1
「∈‖
p日は,地域A,における農業生産部門 iの構成 比率 である.エ ン トロピー を表現す る場合,対数の底 と して
2が用 い られ, この単位 は ビッ ト(bit)である.エ ン ト ロピー は,熱力学の第2法則や情報理論 では混乱や無秩 序 さの程度 を示す ものである.別 の表現 をす る と,デ タ ラメさ,乱雑 さを内容 としてい るとも言 える.社会科学 で も,都市群 システムの分化度や土地利用の多様度 な ど を表現す るために用い られて きた (高阪 ;1978,高橋 ・ 村上 ・久保 ;1978).本稿 では, これ らの先行研究にな
らって,エ ン トロピーの概念 を利用 して農 業生産の多様 度 を測定 した.
上の場合では, D(AJ)の数値が大 きいほ ど,農業生産 がよ り多様化 してい ることにな り,逆 に, この値が小 さ いほ ど農業生産が特 定の部門によ り集 中 していることを 意味す る と考える.
多様度Dは,式 (1)か ら明 らかなよ うに,部門数n と単位地 区の広狭によって影響 を受 けることになる. し か し,本稿 では単位地 区を共通 に して年次比較す るので,
義‑1 日本の農業生産の 多様度の推移
「生産農業所得統計」に よ り筆者 が算定.
単位地 区による影響 は結果 を大 き く左右す るものではな い と考 えた.
式 (1) によって農業生産の多様度 を計算 し,秦‑ 1 の数値 を得た. Dの最大値 は理論的 には,log2n であ
り, n‑ 10の場合 には約3.3222であるので, これ によ り各年次の数値 を除 して相対化 し,相対的多様度 を求め た.相対的多様度 は1960年 か ら1975年 にか けて低 下 し ていたが,その後は1990年 にか けて多様化が進んだ.
長期的には,改めて指摘す るまで もないが, 日本の農業 生産は全体 として多様化 して きた ことがわか る.
3 鳥 取 県 の 部 門 別 農 業 生 産 とそ の 変 化
次 に,国内の1事例 として鳥取県 を選定 し,市町村別 の農業生産 を部門別 に検討す る. 日本全体の場合 とは異 な り,特定部 門の比率が著 しく少な くな る場合があるの で,麦 ・雑穀 ・豆 ・芋類 を1つ にま とめ る一方で,種苗
・苗木類 ,養蚕 を独立 させ て, 9部門 とした.また, 9 部門の うち,割合が比較的大 きい米,野菜,果樹 (果 実),お よび畜産のそれぞれが,全体 に 占める比率の2 次元分布 を検討す る.
3.11960年の場合
表‑2は,1960年の市町村 ごとの比率 に関す る基礎統 計 を部 門別 に示 してい る.比率の平均では,米が約50
%,畜産が約21%,果樹 が約 10%、麦 ・雑穀 ・豆 ・芋 類が約8%である.栄,麦 ・雑穀 ・豆 ・芋類,お よび畜 産の比率の市町村 ごとの差異は少 ないので,変動係数 は 相対的 に小 さい.逆 に,果樹,花 き,種苗 ・苗木類 ,秦 蚕の比率のそれ は1以上で相対的 に大 きいので,市町村
ごとの差異が大 きい.
図‑ 3は,1960年の米比率の分布 を示 している.60
%以上の高率は内陸の町村 でみ られ, 日南町は最高の 78.5%であ る.平均値 を挟 む50%台の比率 を示す市町 村は,11ある.米比率 は,県中部の 日本海 に沿った町村 では低 い.
市南 文一 /鳥取県の農業生産の多様度 とその変化
秦‑2 鳥取県の市町村別の農業粗生産額の部門別 比率の基礎統計数値(1960年)
部 門 平 均 標準偏差 変動係数 米 49.7% 13.2% 0.266 よ.雑穀.豆.芋類 8.3 2.7 0.329 野 菜 4.9 2.6 0.525 果 樹 9.6 10.8 I.125 花 き 0.2 I.1 4.941 工芸農作物 3.2 2.5 0.782 種苗 .苗木類 0.7 I.0 I.451 養 蚕 2.8 3.7 I.322 畜 産 20.6 7.8 0.38
「昭和35年 生産農業所得統計」 によ り筆者が算定.
図‑ 4は,1960年の野菜比率の分布 を示 している.宿 部村 (13.1%)と米子市 (12.9%)以外の市町村では,10
%未満の低比率であった.
図‑5は,1960年の果樹比率の分布 を示 してい る.半 数以上の市町村では,10%未満 の低比率であるが,泊村 と東郷町の果樹比率は40%台,佐治村 と中山町のそれ は,それぞれ,30%台,20%台 を示 した.
図‑ 6は,1960年の畜産比率の分布 を示 している.県 西部か ら中部にかけて,20%台が多 く分布す る.境港市 は55.9%,溝 口町は30.8%の高率 を示す .
3.21980年の場合
次に,1980年の場合 を検討す る.秦 ‑ 3は,1980年 の市町村 ごとの比率に関す る基礎統計 を部門別 に示 して いる.平均比率では,畜産が約30%,米が約28%,果 実が約17%,野菜が約14%であ る.1960年 と比較す る
と,畜産,野菜,果実の比率は大幅 に上昇 し,米のそれ は大幅 に低下 した.変動係数の変化か らは,米,麦 ・雑 穀 ・豆 ・芋類,野菜,工芸農作物,養蚕,お よび畜産の 市町村 間の格差が拡大 したが,果実,花 き,種苗 ・苗木 類のそれ は縮小 した こ とがわかる.
図‑7は,1980年 の米比率の分布 を示 してい る. 日野 町 と西伯町では50%以上であるが,境港市か ら県中部 の町村 にかけての低率地帯の数値は さらに低下 した.
図‑8は,1980年の野菜比率の分布 を示 してい る.15
表‑3 鳥取県の市町村別の農業粗生産魚の部門別
比率の基礎統計数値(1980年)
部 門 平 均 標 準偏差 変動係 数 米 28.2% 13.0% 0.461
1.8 0.7 0.406 野 菜 14.2 10.6 0.746 果 実 17.1 16.7 0.977 花 き I.8 3.4 1.873 工芸農作物 5.5 6.5 I.193 種苗 .苗木類 1.5 1.3 0.841 義 ‑ 秦 0.3 0.6 1.966
「昭和55年 生産農業所得統計」によ り筆者 が算定
%以上の比率 をみせ る地 区が数 多 く現れ た. とくに,大 栄町 (50.2%) と福部村 (48.1%)が飛び抜 けた高率 を 示す.
図‑ 9は,1980年 の果実比率の分布 を示 している.30
%以上の比率 を もつ町村 が増加 した.佐治村 (69.2%) と東郷 町 (63%)では,60%以上の高比率 を示す.
図‑10は,1980年 の畜産比率の分布 を示 している.30
%以上の比率 をみせ る市町村が増加 した.境港市 (67.9
%),東伯町 (55.1%),名和町 (55%) な ど,西部か ら 中部にかけて高率の市町村 が多い.
3.32000年の場 合
引き続 いて,2000年の場合 を検討す る.秦‑4は,2000 年の市町村 ごとの比率に関す る基礎統計 を部門別 に示 し てい る.米の比率は約34%,野菜が約20%,果実が17
%,畜産が約21%である.1980年 と比較す る と,栄, 野菜,花 きの平均が上昇 し,果実,工芸農作物,種苗 ・ 苗木類 ,畜産のそれ は,低下 した.変動係数 に注 目す る
と,花 き以外の部 門では,地域差が拡大 した ことになる.
図‑11は,2000年 の米比率の分布 を示 している.智頭 町,鹿野町,江府町、 日野町は60%台の高率であるほ か,50%台が東部 に3町ある.
図‑12は,2000年の野菜比率の分布 を示 してお り,1980 年 と比べて全般的に高率化 している.
図‑13は,2000年の果実比率の分布 を示 している.1980 年 と比較す る と,比率の上昇 ・低下は市町村 によって様 々であ るが,果実全体では退潮傾 向がみ られ る.
図‑14は,2000年 の畜産比率の分布 を示 している.県 の西部 か ら中部 にか けて高率 を示す市町村 がみ られ るが, 東部で30%以上の比率 を示す地 区がな くなった.
4 鳥 取 県 の 農 業 生 産 の 多様 度
次に,前章で登場 した鳥取県の市町村別農業粗生産額 か らみた9部門別比率に もとづ く農業生産の多様度 を式 (1) によって1960年,1980年 ,お よび2000年の3年 次について求め,それ らを類型 化 した結果 を図化 して検
表‑4 鳥取県の市町村別の農業粗生産額の部門別 比率の基礎統計数値(2000年)
部 門 平 均 標準偏差 変動係数 米 34.2% 17.3% 0.507
1.8 I.I 0.637 野 菜 19.5 14,8 0.760 果 実 17.0 18.9 1.114 花 き 2ー9 2.8 0.988 工芸農 作物 2.5 4.4 1.746
種苗 .苗木類 1.2 I,7 0.I.381748
養 蚕 0 0
「平成12年 生産農業所得統計」 によ り筆者 が算定
125
岡山大学環境理工学部研究報告,9 (1)2004年
■
} 60% 以上図
50‑ 60% . 2。 km匡
∃ 40 ‑ 50% l ' A[ コ
30 ‑ 40%E∃
20 ‑ 30%E 3
∃ 20%未 満図‑ 3 鳥 取 県 の 米 比 率 (1960年 )
「昭 和 35年 生 産 農 業 所 得 統 計」 に よ り作 成
図‑ 4 鳥 取 県 の 野 菜 比 率 (1960年 )
「昭 和 35年 生 産 農 業 所 得 統 計」 に よ り作 成
市南 文一 /鳥取県の農業生産の多様度 とその変化
図‑ 5 鳥 取 県 の 果 樹 比 率 (1960年 )
「昭 和 35年 生 産 農 業 所 得 統 計 」 に よ り作 成
図‑ 6 鳥 取 県 の 畜 産 比 率 (1960年 )
「昭 和 35年 生 産 農 業 所 得 統 計 」 に よ り作 成
127
128 岡山大学環境理工学部研究報告,9 (1)2004年
図‑ 7 鳥 取 県 の 米 比 率 (1980年 )
「昭 和 55年 生 産 農 業 所 得 統 計 」 に よ り作 成
大 栄 町
』
■ 25% 以 上図
20 ‑ 25%「
1 15 ‑ 20%⊂二
コ 10 ‑ 15%E∃
5‑ 10%[ ≡∃
5 %未 満0 20 km
l l l
図‑ 8 鳥 取 県 の 野 菜 比 率 (1980年 )
「昭 和 55 年 生 産 農 業 所 得 統 計 」 に よ り作 成
市南 文一 /鳥取県の農業生産の多様度 とその変化
佐
図‑ 9 鳥 取 県 の 果 実 比 率 (1980年 )
「昭 和 55年 生 産 農 業 所 得 統 計 」 に よ り作 成
図‑10 鳥 取 県 の 畜 産 比 率 (1980年 )
「昭 和 55 年 生 産 農 業 所 得 統 計 」 に よ り作 成
129
130 岡山大学環境理工学部研究報告,9 (1)2004年
智諌 町
図
50‑ 60% 。 2。 km団
40 ‑ 50% J . I⊂コ
30 ‑ 40%[ =
] 20‑ 30%【 三
重] 20% 未 満図‑11 鳥 取 県 の 米 比 率 (2000年 )
「平 成 12年 生 産 農 業 所 得 統 計 」 に よ り作 成
■コ
60% 以 上m
50‑ 60%倉 富 市 福 部 村
‑
25% 以 上図
20 ‑ 25%
。 2。 km「1
15 ‑ 20% L一一⊥」[ コ
10 ‑ 15%[ =
] 5‑ 10%[ 享 享 ∃
5 %未 満図‑12 鳥 取 県 の野 菜 比 率 (2000年 )
「平 成 12年 生 産 農 業 所 得 統 計 」 に よ り作 成
市南 文一 /鳥取県の農業生産の多様度 とその変化
図‑13 鳥 取 県 の 果 実 比 率 (2000年 )
「平 成 12年 生 産 農 業 所 得 統 計」 に よ り作 成
図‑ 14 鳥 取 県 の 畜 産 比 率 (2000年 )
「平 成 12年 生 産 農 業 所 得 統 計」 に よ り作 成
131
132 岡山大学環境理工学部研究報告, 9 (1)2004年
討す る.数値 は小数点以下第4位 まで計算 したが, ここ では誤差 を考慮 して,同第2位 までで表記す る.
図‑15は, 1960年の農業生産の市町村別多様度 を示 し ている.多様度 の平均は2.00,変動係数は0.16である.
後出の1980年・2000年の平均 をも念頭 に置いて,共通 の基準で区分すれ ば年次変化 を把握 し易い と判断 し,図 中に示す よ うな等間隔の幅 を もつ 5類型 に分 けた.1960 年の場合,階級 に属す る市町村数は最高位 か ら最低位階 級 まで順次,8,9,8, 7, 7であ り,ほぼ均等 に分 布す る.最高位階級 は県の中部や西部 にみ られ,最偲位 のそれ は県の西部にま とまって分布す ることが特徴的で あ り,県中部か ら西部にかけては,東部 に比較 して,農 業生産の多様化が顕著である.
大栄町 と東伯町では,2.5以上の数値 がみ られたが, 日南町 と日野町は1,5未満 の数値 を示 している.最 大値 を示 した大栄町の主要な部門の比率 をあげ ると,米が 33.1%,畜産が23.8%,養蚕が13%,麦 ・雑穀 ・豆 ・ 芋類が12.7%,野菜が8.4%である. これ らの上位 の5 部門で91% を占めることになるが,第1位や2位 の部 門の比率が突 出 して大きい訳で もない.最小値 を示 した 日南町の主要な部門の比率では,米が78.5%で突出 して お り、第2位 は畜産の13.6%である.特定の部 門に約8 割が集 中 しているので,多様度 が低 くなる.
図‑16は, 1980年 の農業生産の市町村別多様度 を示 し ている.多様度の平均 は1960年 よ りもやや増加 して2.06 になったが,それぞれの市町村での変化 を反映 して分布 状況は様変わ りした よ うに もみ える.特 に,2.I‑ 2.3の 階級 の市町村数が15に増加 した ことが特徴的である.
多様度 の最大値 は,北条町で現れた.同町の主要部 門 の比率では畜産が26.4%,野菜が20.3%,果実が18.8
%,米が16.7%,工芸農作物 が14.7%な どである.果 実比率が高い佐治村や東郷町では,多様度が低い.佐治 村の主要部門の比率では果実が69.2%,米が15.7%, 種苗 ・苗木類が5.2%,野菜が5.1%な どであ り,畜産
と養蚕 は ともに 0である.
図‑17は,2000年の農業生産の市町村別多様度 を示 し ている.多様度の平均は1.92に減少 した. これ は,最高 位階級 が2地区に減少 し,最低位 階級が8地区に増加 し た ことに関連す ると考え られ,ほ とん どの市町村で多様 度が低 下 した.多様度が時間的に低下 した意味は,数値 が示す以上に大 きい と考 える.変動係数 は0.17であ り, 市町村間の差異は相変わ らず全体 としては少ない.
北条町が多様度の最大値 を示 してお り,同町の主要部 門の比率 をあげる と,果実が30.7%,野菜が20.8%, 工芸農作物 が17.8%,米 が14.1%,畜産が14%な どで ある.最小値は東郷町で現れ ,同町の主要部門の比率で は,果実が78.5%,米が14.5%であ り,花 き,工芸農 作物,養蚕,畜産の4部 門の比率は 0である.
農業生産か らみた多様度やその階級 区分は,何 を意味 す るであろ うか. さま ざまな見解 があ り得 るが, ここで は持続的観点か ら考察す る.農業生産が農産物価格 に支 え られ,後継者 に も恵 まれ て順調 に推移 している地域や 段階であれ ば,高収益性 の部門に特化 した生産であって もとくに大 きな問題 がある訳ではない.農業生産にライ フサイ クル的な周期 があるか否 かはわか らないが,多 く の条件が関連 し合 っ て農業生産 が成立 しているとすれ ば, 一部が欠落 した り,不充分な状態 になれ ば,生産水準 に 変化 をきたす可能性 がある.また,農業生産者側 の条件 が不変であって も,輸送条件や市場 に関連す る状況が変 化す ることによって,生産水準が変わ ることもあろ う.
た とえば, さま ざまな地域 での近郊農業の変化 を想定 し てみれ ば,参考事例 になる.
都 市化の進展 につれて,農業生産部門は空間的に移動 す る とい う立地論 に よる説明は多 くの経験的事例 にある 程度支 え られているが,一定の地域や農 業生産部 門を中 心に据 えた り, よ り微視 的な見方 をす る場合な どには, 異 なる説 明が成 り立つ場合があ る.特殊 な事例であ るか も しれ ないが,兼業農家率が高 く,農業後継者 も見込み 難 い地域や段階においては,短期的に高収益 を期待 でき る部門の導入 を企画す るよ りも,持続的 な視点で技術 の 習得やその水準の向上 をはか りなが ら,農業の発展 に必 要な条件 を整備 してい くことが適切 ではないだろ うか.
この よ うな ことを勘案す る と,多様 な部門か ら成 る農 業生産 を検討す ることには意義 がある. ここでは,農業 生産の多様度の単年の区分 を集 計 して各市町村の持続性 を点検す ることを試行 したが,多様度 の年次的変化が大 きい地域 もみ られたので,統合的な結論 を導 くことは容 易ではない と判断 した. したが って,農業生産の持続性 について個別 に言及す ることは控 えたい.ただ し,兼業 化がかな り進展 して,農業生産部門の組合せ数が少 ない 地域 では,農業 を長期 的に どの よ うに位 置づ けるかを抜 本的に検討す る必要があることは指摘 したい.
5 農 業 生 産 の 多様 性 と潜 在 的 農 業 力
ここでは,農業生産 の多様度 の意味の一端 を考察す る ために,2000年の食料 自給率や 専業 ・兼業に関す る諸指 標 を取 りあげて,それ らと農業生産 の多様度 との相 関係 数 を検討 した. しか し,農業生産の多様度 と,専業農家 率 ・第2種兼業農家率 ・専業農家 と第1種兼業農家 の合 計が販売農家数 に占める比率 との関係 は,意味ある内容 を示 さなかった.また,農業生産の多様度 と先 に登場 し た主要部門別 の比率や市町村別 自給率'2)との相関係数 を も求 めたが, 目立った対応 関係 を兄い出す ことは同様 に できなかった. これ らの主な理 由は,農業生産の多様度 の変動係数が他 の諸指標 のそれ らよ りもかな り小 さい こ
市南 文一 /鳥取 県の農業生産の多様度 とその変化
図‑15 鳥取 県の農業生産の 多様度(1960年)
「昭和35年 生産農 業所得統計」 に よ り作成 .
133
134 岡山大学環境理工学部研究報告,9 (1)2004年
図‑17 鳥取県の農業生産の 多様度 (2000年)
「平成12年 生産農業所得統計」 に よ り作成.
とによるもの と考 え られ る.
最後に,農業生産の多様性 と潜在的農業力の関係 を補 足的に考察 し,ま とめに代 えたい. ここで言 う 「農業生 産の多様性」は,単純明快 な基準値A法 (能美 ;1992) で決定 した組合せ分析法による部門数 を意味す るもの と
した.また,潜在的農業力 とは,食料の持続的 自給力 に 近い概念であ り,究極的には各部門の等分型 を基準 に考 えることになろ う.つま り, ある国や地域 の農業が多様 な部門によって構成 されていれ ば,仮 に特定の部門が農 産物価格の暴落や貿易 ・輸送の停止 な どによ り打撃 を受 けるよ うなことがあって も,他 の部門による補完作用で 難局を維持できると考 えられ るので,持続 的観 点か らは 望ま しい.逆に,地域農業の生産が一部 の特定部門に特 化 し過 ぎてい ると,その部門の好調時には問題 がないが, 不都合 になれば生産が減少 して大 きな弱点 になる可能性 があ り,万一の事態 になれば,農業が消滅す ることもあ り得 る とい う訳である.最大利益 を追求す ることを優先 す るのか,利益 を程 々に して持続性 を選択す るのかな ど については,生産者 の事情 に よるので,具体的な場面で 判断す るのは常に困難である.なお,消費者側 か らの農 業 ・食料への対応 については, ここでは立ち入 らない.
さて,義‑ 5は基準値A法で決定 した部 門の組合せ を 市町村 ・年次別 に示 している.図で描 くと組合せの細部 を適切 に表す ことが困難であるので,ある程度 の繁雑 さ を承知 の うえで掲載 した.
組合せの平均部門数は,1960年か ら2000年 にかけて
表 ‑ 5 基準値 A法による農業生産部門の組合せ 市 町 村 1960年 1980年 2000年 鳥 取 A l A IL A IL 著 書 A ⅠA ⅠC C ⅠA FⅠA CD CA ⅠDCA F Ⅰ 境 港 ⅠA B ⅠC C Ⅰ 匡l肘 PJ Al lAU A c 上
∴ A Ⅰ ⅠA A Ⅰ
ADC CAD CAD
A D Ⅰ D ⅠA AD ⅠC A ⅠB A ⅠFD A C Ⅰ T
JPi業 鎧 A IUAD Ⅰ AD lD ⅠA ADDA 芳 嘉 許 A ⅠA Ⅰ AD ⅠⅠA CD A C ⅠA ⅠCD 佐 治 村 AD Ⅰ DA DA 翼 鷲 旨 A 1A Ⅰ A lA F ⅠC A CAC Ⅰ 曹 誓 FFTT A ⅠA ⅠD A ⅠDA Ⅰ A ⅠEAD ⅠC 羽 合 町 AD B DA C ADC 巽 郷 箭 UADA U ICDA D ICADA 沼 訂 A ⅠA Ⅰ ⅠADⅠAD AD ⅠA ⅠD
AD Ⅰ ⅠCDAF DCFA Ⅰ 日 計 A IH tA IBj C IAⅠDC C 1ⅠD
A ⅠB ⅠDA C D ⅠAC 西 伯 町 A Ⅰ A Ⅰ ⅠA 会 見 町 A Ⅰ A FD Ⅰ AD 庁:本 tq] A l lA C A IL
日吉 津 村 A ⅠH A ⅠEC A C 淀 江 町 A ⅠF ⅠA F ⅠA 大 山 町 A Ⅰ ⅠA F ⅠA FC 名 和 町 A ID I ⅠA
甲 LU PIJ AU 1 D ICA lDCA 日 南 町 A Ⅰ ⅠA ⅠA 日 野 町 A Ⅰ A ⅠC A ⅠC
̲江 府 町 A Ⅰ A C Ⅰ A C 溝 口 町 A Ⅰ A ⅠC A ⅠC 半珂郡門数 2.49 3.O3 2.87
A ;米 B ;麦 ・雑穀 ・豆 ・芋類 C ;野菜 D ;果樹 (果実) E ;花 き F ;工芸農作物 G ;種苗 ・苗木類 H ;養蚕 Ⅰ ;畜産
市南 文一 /鳥取県の農業生産の多様度 とその変化
増加 した.1960年 では, 2部門の市町村が21, 3部門 のそれ は17である.2部 門の組合せ の うち
,
「米 +畜 産」型が19である.3部 門の組合せ は さま ざまである が,第1位 は米で,第2位 は畜産か果樹 になる類型 が多 い .1980年では,2部門の市町村が8,3部門の市町村 が 20,4部門のそれ は9である.組合せ数 が増 え,生産部 門の多様化が一気 に進展 した.畜産や果実が第 1位 を占 める類型が多い.
2000年では,2部門が15,3部門が13, 4部門が9 であった.類型は多様化 し,野菜,栄,果実,畜産が第
1位 を占めるそれ らが括抗す る様相 を呈 した.
組合せ法による通年的な検討 は,農業生産の多様性 自 体には直接 に関係 しないが,多様性 の傍証の一部 にな る
と考える.
注
1)1975年以前は,沖縄県を含 まない.また,野菜 には もや しを含 まない.
2)農林水産省 が,2002年4月 に発表 した 「地域食料 自給率試算 ソフ ト」 を もとに算 出 され た市町村別 の食
料 自給率 (2000年)で あ り,人 口と主要な農産物 の 生産量 を入力す る ことに よって得 られ る,カ ロ リーベ ースの食料 自給率である.
ただ し
,
「自給率」 は,国や地域 での生産が消費に 占める比率であるので,特定の比率が政策 目標 に掲 げ られ た として も,その組合せ の数 は無 限にあ り得 る.そのため、 目標 を実現す る主体 (生産者や消費者)の 責任 の所在が不明瞭 にな りが ちであるので,本稿 では この用語の使用 をなるべ く回避す るよ うに し,別 の意 味 をもつ 「自給力」 を頻用 していることに留意 された い .
参考 文献
高阪宏行 (1978):都市規模分布の動態的分析 一新潟県 を事例 として ‑.地理学評論,5ト3,pp.223‑234.
高橋潤二郎 ・村上研 二 ・久保 幸夫 (1978):埼 玉県草加 市にお ける土地利用 ‑その現状 と評価 ‑.地理学評論, 51‑7,pp.528‑544.
能美 誠 (1992):組合せ分析法の考察 と新方法の提示.
経済地理学年報,38‑3,pp.179‑193.
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