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Academic year: 2021

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120(2) 光  学 実用性に磨きがかかるファイバーレーザー  

巻頭言

ファイバーレーザーの展開

西 澤 典 彦

(名古屋大学)

 私事,レーザーとその応用研究に長年携わってきたが,技術の成熟とともに本分野 の洗練が進み,最近では高いレベルの応用技術が実現されるようになってきた.その 根幹を支えているのは,やはり レーザー光源 の技術である.レーザーの発明以来

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数年が経ち,レーザーの姿も当初のものから大きな進化を遂げた.最近では,光ファ イバーで構成された ファイバーレーザー が,レーザー分野の主要な地位を占める ようになってきた.

 ファイバーレーザーは,レーザーが光ファイバーという最も理想的な光導波路で構 成されているために,特に実用面で多くの長所を有している.まず,光がすべて光ファ イバーの中に閉じ込められていることから,非常に安定な動作と,高い耐環境性を示 す.次に,出力光が真円の光ファイバーから射出されるため,空間的な品質が優れた ビームを安定に得ることができる.また,光ファイバーデバイスを接続するだけで レーザーができるため,低コストでコンパクト・軽量なレーザーができる.さらに,

光ファイバーは長さ方向に表面積が広いため,放熱性が高く,一般には水冷が不要で ある.電源さえあれば,スイッチオンですぐにどこででも使用することができる.

 ファイバーレーザーの最大出力は現在も指数関数的に増え続けており,本号にもあ るように,現在ではレーザー加工機の主要な光源になってきている.また,レーザー 顕微鏡などのバイオメディカル応用や,精密光計測の分野にブレークスルーをもたら した光周波数コムなど,さまざまな光応用技術においても主要な光源として活用され,

サイエンスと産業の両面で広く貢献しているといえる.

 レーザー応用の視点からは,よりよいパフォーマンスを得るためには光源を用途に 合わせて最適化する必要がある.ファイバーレーザー分野の興隆によって各種の特殊 ファイバーデバイスや周辺技術も進んできており,それらを駆使し,創意工夫をする ことでさまざまな新しい光源が開発されている.レーザー製品というと海外製のもの が多いのが現状であるが,国内にも多くのシーズがあり,世界に誇る特性の光源も増 えてきている.それらをサポートしながら深化・発展させることで,さらに世界を リードする光源や応用技術が産み出されていくであろう.

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