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混和材混入が自己収縮に与える影響の一検討 〔1309〕

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Academic year: 2021

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(1)

混和材混入が自己収縮に与える影響の一検討

芝浦工業大学大学院 理工学研究科建設工学専攻 ○太田 真帆 芝浦工業大学 工学部土木工学科 水野博貴

伊代田岳史

1.はじめに

現在, JIS において規定されている混合セメントは 3 種類あり、それぞれ普通セメントとは異なる特徴を有し ている。その中でも特に、高炉スラグ微粉末を使用して 作製した高炉セメントは、普通セメントと比較して長期 強度の増進が大きいことや、化学抵抗性・水密性に優れ ていることが報告されており、実現場においても多くの 実績がある。一方で、高炉セメントは置換率が高くなる と、普通セメントよりも自己収縮が大きいことが報告さ れている。しかし、高炉セメントが普通セメントと比較 して自己収縮が大きくなる要因は明確ではない。

そこで、 本研究では自己収縮は水和に起因するために、

様々な置換率の高炉セメントの供試体を作製し、材齢ご とに供試体中の水の使用状態を測定すると同時に自己乾 燥に陥っているかを確認し、普通セメントと比較して自 己収縮が大きくなる要因を検討することを目的とした。

2.実験概要 2.1 供試体諸元

セメントの配合を表 -1 に示す。セメントは石灰石微粉 末を混和していない研究用普通ポルトランドセメント (OPC) を使用し、混和材には高炉スラグ微粉末 (BFS) を使 用し置換率が 50% 以上の高炉セメントを作製した。 また、

高炉セメントに対してフライアッシュ (FA) を置換すると、

自己収縮が低減することが報告

1)

されていることから、

高炉セメントに対して FA を置換した 3 成分セメントも 作製した。水結合材比は全て 50% と一定とした。

2.2 自己収縮測定方法

自己収縮の供試体概要図を図-1 に示す。自己収縮の測 定は簡易埋込ひずみゲージを用いて行った。供試体は打 ち込みした翌日に脱型を行い、直ちにアルミテープを用 いて封緘養生したものを恒温恒湿室(20℃,RH60%)にて静 置した。

2.3 水分使用状態の測定方法

セメント硬化体中の水は、水和に使用された水と使用 されていない水に分けられる。そこで、 TG-DTA を用い て水分使用状態を評価した。既往の研究

)

において,水 和に使用された水は 105 ℃ ~1000 ℃までの脱水量を用い

て評価している研究が多くある。しかし、一部の水和物 の脱水は 50 ℃付近においても開始しており、全水和物の 半分以上を占める CSH は 100 ℃付近で半分近く脱水する。

そこで、本研究では水和に使用された水は、表 -2 に示す ように、 40 ℃ ~105 ℃、 105 ℃~ 1000 ℃と設定し、それぞ れの温度域における脱水量を測定した。水和に使用され ていない水は室温 ~40 ℃までに脱水する水とし, TG-DTA の結果から計算して算出した。

TG-DTA に用いた試料は所定材齢において封緘養生を

終了させ、ハンマーを用いて粗粉砕し、多量のアセトン に 24 時間浸漬をさせた。その後、真空脱気を行いメノー 乳鉢を用いて微粉砕したものを試料とした。

2.4 飽和度測定

自己乾燥度合いを確認するために、アルキメデス法を 用いて算出した空隙量と,TG-DTA から算出した,室温~

40℃で脱水する水量を用いて飽和度の算出を行った。

表-1 セメント配合表

表-2 脱水量測定温度域

N BFS FA 一成分 OPC 100%

B80 20% 80%

B70 30% 70%

B60 40% 60%

B50 50% 50%

B50F10 40% 50% 10%

B50F20 30% 50% 20%

B60F10 30% 60% 10%

B60F20 20% 60% 20%

B70F10 20% 70% 10%

B80F10 10% 80% 10%

記号 W/B セメント種類(質量割合)

50%

二成分

三成分

測定温度 存在箇所 水和に使用されていない水

室温~40℃ 空隙

40℃~105℃ CSH,AFt,Afmの一部 105℃~1000℃ 水和物

水和に使用された水

157.8mm 38.9mcm 38.9mm 15mm

60mm

図-1 自己収縮供試体概要図

104

第71回セメント技術大会講演要旨 2017

〔1309〕

(2)

図-5 飽和度と40~105℃で脱水する水の割合

0%

2%

4%

6%

8%

10%

12%

60% 65% 70% 75% 80%

セメント1gに対して40~105℃で脱水する水の割合

飽和度(%)

OPC B80 B70

B60 B60F10 B70F10 B80F10

3.実験結果 3.1 自己収縮

図-2 に材齢 7 日時の自己収縮の測定結果を示す。高炉 セメントは、BFS の置換率が高いものほど普通セメント よりも自己収縮ひずみ量は大きい傾向を示した。また、

フライアッシュを混入した B60F10,B70F10,B80F10 と BFS の置換率が同量の B60,F70,B80 とそれぞれ比較す ると FA を混入したものの方が、 自己収縮量は小さくなっ た。また、セメント量が同一な配合(B80 と B70F10,B70 とB60F10)においてもFA が混入している配合の方が自己 収縮量は小さくなった。

3.2 水分使用状態

測定試料中の水分量に対するそれぞれの温度域で脱水 した水の割合を算出した、材齢 7,28 日時の結果を図 - 3 に 示す。 OPC は、水和に使用されていない水 ( 室温~ 40 ℃ ) の割合は材齢が経過すると減少し、 105 ~ 1000 ℃で脱水す る水の割合は、材齢が経過すると増加した。一方で、

40~105 ℃で脱水する水の割合は、ほとんど材齢が経過し

ても変化しなかった。高炉セメントと FA を混入したセ メントでは、水和に使用されていない水と 105~1000 ℃で 脱水する水は、普通セメントと同様に材齢が経過するに つれて増減した。しかし、 40 ~ 105 ℃で脱水する水の割合 は材齢が経過するにつれて増加する傾向を示した。 この、

40 ~ 105 ℃で脱水する水の増加割合は、 FA を置換した配 合程小さかった。以上の結果より、混合セメントは普通 セメントと比較して水分の使用状態が異なる。

3.3 飽和度

飽和度の測定結果を図 -4 に示す。飽和度は、 BFS の置 換率が高い配合程、材齢が経過するにつれて減少する傾 向を示し、自己乾燥が起きていると考える。 FA を置換し た配合においては、高炉セメントよりも若干飽和度は大 きかった。図 -5 に飽和度とセメント 1g に対する 40 ~ 105 ℃で脱水する水の割合の関係を示す。 40 ~ 105 ℃で脱 水する水の割合が増加することで、飽和度が減少してい ることから、 C-S-H などの水和物が水を利用することで、

飽和度が低下しているものと推察する。

4.考察・まとめ

以上の結果より、高炉セメントは、普通セメントより も自己乾燥が起こりやすいために、自己収縮が大きくな ったと考える。また、 FA を置換した配合において、自己 収縮が低減した要因は、自己乾燥が高炉セメントより低 減したためだと考える。高炉セメントの自己乾燥が大き くなる要因としては、 40 ~ 105 ℃で脱水する水が、材齢が 経過するにつれて多く生成するため、空隙内にある自由 水が使用される割合は、材齢が経過するにつれて増加す るために、 飽和度は減少し自己乾燥が発生すると考える。

【参考文献】

1) セメント協会:セメント硬化体研究委員会報告書,2001 年,pp273-290

図-2 自己収縮ひずみ

-236.67

-433.33-418.89 -283.33

-420.00-373.33 -261.11

-500 -400 -300 -200 -100 0

自己収縮ひずみ(10×-6)

39.5%35.2%54%

38%51.0%

40.9%55.9%

44.0%56.4%53.8%57.8%49.2%60.0%54.2%

18.7%19.3%

14%

18%

18.9%

18.3%

16.3%

21.8%14.5%16.4%14.9%18.5%

17.6%

20.8%

41.8%45.5%32%

44%31.9%

40.7%27.8%34.2%29.1%29.8%27.3%32.3%22.3%25.0%

0%

20%

40%

60%

80%

100%

7 28 7 28 7 28 7 28 7 28 7 28 7 28 OPC B60 B70 B80 B60F10 B70F10 B80F10

室温~40℃ 40℃~105℃ 105℃~1000℃

図-3 水分使用状態

50%

55%

60%

65%

70%

75%

80%

0 5 10 15 20 25 30

飽和度(%)

材齢(日)

OPC B60 B70 B80 B60F10 B70F10 B80F10

図-4 飽和度

105 第71回セメント技術大会講演要旨 2017

1日目   5月

29日

(月)

 1会場第

 2会場第

3会場

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