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Oracle Active Data Guard

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Academic year: 2021

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Oracle Active Data Guard

リアルタイム・データ保護と可用性

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目次

概要 ... 1

Oracle Active Data Guard – 概要 ... 2

Oracle Data Guard によるスタンバイ・データベースの同期 ... 3

転送サービス ... 3

REDO Apply サービス ... 6

Oracle データの継続的な検証 ... 6

保護モード ... 6

Oracle Data Guard の構成の管理 ... 7

ロール管理サービス - スイッチオーバーとフェイルオーバー ... 8

ファスト・スタート・フェイルオーバー ... 9

クライアント・フェイルオーバーの自動化 ... 9

Oracle Data Guard による計画停止時間の短縮 ... 10

プラットフォームの移行、ハードウェアと OS のメンテナンス、 データセンターの移設 ... 10

Standby-First Patch によるパッチの保証... 10

一時ロジカル・データベース・ローリング・アップグレード... 10

Oracle Active Data Guard ... 11

リアルタイム問合せ – パフォーマンスと ROI ... 11

自動ブロック修復機能 – 高可用性 ... 12

Far Sync - いかなる距離でもデータ損失ゼロの保護 ... 12

Active Data Guard を使用したデータベース・ローリング・アップグレード ... 13

アプリケーション・コンティニュイティ ... 14

Oracle Global Data Services... 15

関連テクノロジー ... 15

ストレージのリモート・ミラー化... 15

Oracle GoldenGate ... 17

Oracle Zero Data Loss Recovery Appliance ... 18

Oracle Real Application Clusters(Oracle RAC) ... 18

Oracle Multitenant ... 18

Oracle Engineered Systems と Oracle Data Guard ... 19

顧客事例 ... 19

結論 ... 20

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概要

高可用性(HA)アーキテクチャを適切に導入すると、冗長システムとソフトウェアによってシング ル・ポイント障害が排除され、停止時間の発生とデータの損失を防ぐことができます。この原理は ミッション・クリティカルなデータベースにも当てはまります。管理者のミス、システムやソフト ウェアの障害によるデータの破損、またはサイト全体の障害によってデータベースの可用性が低下 する場合があります。複数のサーバー上で動作するクラスタ化されたデータベースでさえ、適切に 保護されていなければ、シングル・ポイント障害の影響を受けます。クラスタ化されたデータベー スでは非常に優れたサーバーHA を実現できますが、それも結局のところは、共有ストレージ上で 単一のデータベースを動作させる緊密に結合されたシステムにすぎません。 シングル・ポイント障害による影響を防ぐ唯一の方法は、すでに別のシステム上で動作している本 番データベースの完全に独立した(理想的には別の場所にデプロイされた)コピーを持ち、本番 データベースが何らかの理由で使用できなくなった場合にすぐにアクセスできるようにしておくこ とです。

Oracle Active Data Guard は、ミッション・クリティカルな Oracle Database のシングル・ポイント 障害を排除できるもっとも包括的なソリューションです。 このソリューションは、本番データベー スの同期された物理レプリカを遠隔地に保持することによって、もっとも単純かつ経済的な方法で データの損失と停止時間の発生を防ぎます。何らかの理由で本番データベースが使用できなくなる と、クライアント接続が、迅速に(また一部の構成では透過的に)、同期されているレプリカに フェイルオーバーされ、サービスがリストアされます。Oracle Active Data Guard は、レポート作成 アプリケーション、非定型の問合せ、およびデータ抽出の、本番データベースの読取り専用のコ ピーへのオフロードを可能にすることにより、コストのかかる無駄な冗長性を排除します。Oracle Active Data Guard には、Oracle Database との緊密な統合と、リアルタイム・データ保護および可 用性への十分な特化により、ストレージのリモート・ミラー化やその他のホストベース・レプリ ケーション・ソリューションに見られるような妥協点がありません。

このホワイト・ペーパーでは、Oracle Active Data Guard(オプション・ライセンス)と Oracle Data Guard(Oracle Database Enterprise Edition に組み込まれている)の両方について詳しく説明 します。このホワイト・ペーパーは、データの損失や停止時間の発生を防ぐ各種の方法を評価して いる IT マネージャーや、Oracle Active Data Guard の機能についての深い理解を求めている技術ス タッフを対象としています。

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Oracle Active Data Guard – 概要

Oracle Database 12c の Oracle Active Data Guard1が備える機能によって実現される、導入と管理が

容易な高機能のアクティブ・ディザスタ・リカバリ・システムにより、データ損失の防止、高可用 性の実装、リスクの排除、投資収益率の向上という戦略的な目標をさらに強化できます。

Oracle Active Data Guard(図 1)は、以下のような多数のメリットを提供します。

» 読取り専用レポート、非定型の問合せ、およびグローバル一時表への書込みを行う読取り中心 のアプリケーションを、ディザスタ・リカバリにも使用されるスタンバイ・データベースにオ フロードできます。これにより、使用可能な容量が増加します。また、競合するワークロード の分離により応答時間が改善されます。さらに、シンプルな物理レプリケーションを使用しな がらスタンバイ・システムの投資収益率(ROI)を向上させることができます。 » プライマリ・データベースとスタンバイ・データベースのいずれの場合も、どこで物理的なブ ロックの破損が生じても自動的に修復されるため、ユーザーへのサービス提供が中断されず、 管理者による手動操作も不要になります。 » データ損失ゼロの保護を、プライマリ・データベースとスタンバイ・データベースが数千マイ ル離れた構成に実装できます。これにより、プライマリ・データベースのパフォーマンスが低 下したり、複雑さが増したり、コストのかかる独自規格のストレージやネットワーク・デバイ スが必要になったりすることはありません。データ保護のためにパフォーマンス面で妥協する 必要はなくなります。 » データベースのローリング・アップグレードをより簡単かつ確実に実行できる新しい自動化機 能を使用することにより、計画停止時間は最小限に短縮され、本番データベース環境にさまざ まな変更を加えるリスクも抑えられます。

図1:Oracle Active Data Guard

Oracle Active Data Guard は、Oracle Database Enterprise Edition に付属する Oracle Data Guard 機 能のスーパーセットでもあります。このため、Oracle Active Data Guard は、シングル・ポイント障 害を排除して、リアルタイム・データ保護と可用性を提供できます。これは、障害、データ破損、 人為的エラー、災害から Oracle データを保護する 1 つ以上の同期スタンバイ・データベースを作成、 保持する管理、監視、自動化ソフトウェアで実現します。

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Oracle Active Data Guard ではシンプルな物理レプリケーションが使用されますが、Oracle Database と緊密に統合されているため、他に類を見ないプライマリ・データベースとスタンバイ・ データベースの分離により、データ損失に対する最高レベルの保護が実現されます。Oracle Active Data Guard は、同期保護(データ損失ゼロ)と非同期保護(データ損失ほぼゼロ)の両方をサポー トします。ミッション・クリティカルなアプリケーションの高可用性を保持するために、データ ベース管理者(DBA)は、プライマリ・システムが何らかの理由で使用できなくなった場合のスタ ンバイ・データベースへの手動のフェイルオーバーまたは自動のフェイルオーバーを選択できます。 Oracle Active Data Guard は、Oracle Database Enterprise Edition のライセンス・オプションです。以降 の項で説明するどの機能も、‘Oracle Active Data Guard’を明示的に指している場合は、Oracle Active Data Guard のライセンスが必要です。また、どの機能も、Oracle Database Enterprise Edition に付属す る‘Oracle Data Guard’を明示的に指している場合は、オプション・ライセンスは不要です。Oracle Active Data Guard は、Oracle Data Guard 機能のスーパーセットであり、その機能をすべて継承します。

「Oracle Active Data Guard は、高可用性とディザスタ・リカバリ(DR)の境界をなくします。 VocaLink では、合計で約 8 分の停止時間という、以前に使用していたディザスタ・リカバリ・アー キテクチャよりもはるかに短い時間で完全なサイト・フェイルオーバーを実行できるようになりま した。Oracle Data Guard の Standby-First Patch も、計画的なメンテナンスの停止時間を短縮する上 で役立ちます」 VocaLink、データベース・テクニカル・アーキテクト、Martin McGeough2

Oracle Data Guardによるスタンバイ・データベースの同期

Oracle Data Guard の構成には、プライマリ・データベースと呼ばれる本番データベース、スタンバ イ・データベースと呼ばれる最大 30 の直接接続レプリカが含まれます。プライマリ・データベー スとスタンバイ・データベースは、Oracle Net Services を使用した TCP/IP を介して接続されます。 データベース同士の通信が可能であれば、設置場所に関する制約はありません。スタンバイ・デー タベースは、最初はプライマリ・データベースのバックアップから作成されます。Oracle Data Guard は、プライマリ・データベースの REDO(トランザクションを保護するためにすべての Oracle Database によって使用される情報)を送信して、プライマリ・データベースとすべてのス タンバイ・データベースを自動的に同期し、スタンバイ・データベースに適用します。 転送サービス

Oracle Data Guard の転送サービスは、プライマリ・データベースからスタンバイ・データベースへ の REDO の送信に関するすべての側面を処理します。ユーザーがプライマリ・データベースでトラ ンザクションをコミットすると、REDO レコードが生成され、ローカルのオンライン・ログ・ファ イルに書き込まれます。Oracle Data Guard の転送サービスは、プライマリ・データベースのログ・ バッファ(システム・グローバル領域内で割り当てられているメモリ)からスタンバイ・データ ベースへと同じ REDO を同時に直接送信し、スタンバイ・データベースはスタンバイ REDO ログ・ ファイルに REDO を書き込みます。Oracle Data Guard による転送は、以下の理由から非常に効率 的です。

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» Oracle Data Guard によるメモリからの直接送信により、プライマリ・データベースでのディス ク I/O オーバーヘッドが回避されます。これは、他のホストベースのレプリケーション・ソ リューションが、レプリケーション・プロセスで使用する専用ファイルによって、ディスクか らデータを読み取り、取得したデータをディスクに書き込むことで、プライマリ・データベー スでの I/O を向上させるのとは異なります。

» Oracle Data Guard は、データベース REDO だけを送信します。これは、リアルタイム同期を維 持するためにすべての変更されたブロックを送信しなければならないストレージのリモート・ ミラー化とはまったく対照的です。オラクルが実施したテストによると、ストレージのリモー ト・ミラー化では、Oracle Data Guard よりも、最大 7 倍のネットワーク・データが送信され、 27 倍のネットワーク I/O 操作が必要であることが示されています。

» また、Oracle Data Guard の物理スタンバイでは、論理レプリケーション・ソリューションで必 要になるプライマリ・データベースでのサプリメンタル・ロギングの I/O オーバーヘッドも回 避されます。I/O への影響を最小限に抑える物理レプリケーションの利点は、スタンバイ・デー タベースにも及びます。論理レプリケーションとは異なり、Oracle Data Guard の適用プロセス では、スタンバイ・データベースでディスクに書き込んでアーカイブする必要のあるローカル REDO が生成されません。

Oracle Data Guard では、同期と非同期の 2 つの転送サービスを選択できます。

同期 REDO 転送では、REDO が受信され、ディスク(スタンバイ REDO ログ・ファイル)に書き込 まれたというスタンバイ・データベースからの確認を待ってから、プライマリ・データベースがコ ミットの成功を伝える信号をアプリケーションに送信します。同期転送と、Oracle Data Guard の適 用サービスによるトランザクション・セマンティクスの高度な認識との結合により、プライマリ・ データベースに突然障害が発生しても、データ損失ゼロが保証されます。 プライマリ・サイトとスタンバイ・サイトの距離には物理的な制限はありませんが、サポートでき る距離には実際的な制限があります。距離が遠くなるほど、プライマリ・データベースがスタンバ イ・データベースからの確認を待たなければならない時間も長くなり、アプリケーションの応答時 間とスループットに直接影響します。このパフォーマンスに関する懸念事項に対処できるように設 計された Oracle Database 12c では、次の 2 つの新しい同期転送オプションを使用できます。 » Fast Sync は、データ損失ゼロの同期構成でパフォーマンスを向上させるための簡単な方法を提

供します。Fast Sync を使用すると、スタンバイはスタンバイ REDO ログ・ファイルへのディス ク I/O を待たなくても、REDO をメモリ内に受信したらすぐにプライマリ・データベースに通知

できます。これにより、プライマリとスタンバイの間の合計のラウンドトリップ時間が短縮さ

れるため、プライマリ・データベースのパフォーマンスへの同期トランスポートの影響が軽減 されます。Fast Sync では、スタンバイ・データベースの I/O が完了する前にプライマリ・デー タベースとスタンバイ・データベースの両方で障害が同時発生するとデータが損失する危険性 がごくわずかながら存在します。ただし、その危険性のある時間は非常に短く(両方の障害が 数ミリ秒の間に発生する必要がある)、そのような状況は極めて特異なものであるため、発生 する可能性はほとんどありません。Fast Sync は、Oracle Data Guard に付属しています。

» Far Sync により、リモート・スタンバイ・データベースが数千マイル離れていても、プライマ

リ・データベースのパフォーマンスに影響したり、コストや複雑さを実質的に増したりすること なく、データ損失ゼロのフェイルオーバーを実現できます。Far Sync は、Active Data Guard に付 属しています(詳しくは、このホワイト・ペーパーの「Oracle Active Data Guard」の項を参照)。

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非同期 REDO 転送では、ローカル・ログ・ファイルへの書込み完了の直後にアプリケーションにコ ミットの成功が伝えられるため、プライマリ・データベースのパフォーマンスは低下しません。プ ライマリ・データベースは、スタンバイ・データベースの受信確認を待ちません。コミットされた トランザクションに対するすべての REDO が常にスタンバイ・データベースで受信されるという保 証があるわけではないため、このパフォーマンス向上には、少量のデータ損失に対する潜在的なリ スクが伴います。

Oracle Data Guard 転送と複数スタンバイ構成:複数のスタンバイ・データベースをサポートする Oracle Data Guard の機能を使用する企業が増えています。HA のためにローカルのスタンバイ・ データベースに同期送信するプライマリ・データベースは、その一例です。受信したローカル・ス タンバイ・データベースは、遠隔地にあるディザスタ・リカバリ用の第 2 のスタンバイ・データ ベースに REDO を転送します。リアルタイム・カスケード(Oracle Database 12c で使用できる Active Data Guard の機能)を使用すると、ローカルのスタンバイ・データベースは非同期転送を 使って、REDO をリモート・スタンバイ・データベースに送信して、スタンバイ・データベースと プライマリ・データベースの緊密な同期を維持します。 ローカルとリモートの両方のスタンバイ・データベースを持つ複数スタンバイ構成には、以下のメ リットがあります。 » 最高レベルのデータ保護:ローカルの Data Guard スタンバイ・データベースは非常に近くにあ るため、データベースのパフォーマンスにほとんど影響を与えずにデータ損失ゼロのフェイル オーバーを実現できます。Oracle Data Guard のファスト・スタート・フェイルオーバーでも、 人が介入する必要のない自動フェイルオーバーを実行できます。

» 最高レベルの可用性:クライアントのデータベース接続は、透過的アプリケーション・フェイル

オーバーと高速接続フェイルオーバーにより、迅速かつ透過的にフェイルオーバーできます。ア プリケーション・コンティニュイティ(Oracle Database 12c で使用できる新機能で、Oracle Active Data Guard または Oracle RAC に付属)により、実行中のトランザクションもフェイル オーバーされます。

» 継続的なデータ保護による容易な操作:ローカル・スタンバイ・データベースへのフェイル

オーバーが実行されると、リモート・スタンバイ・データベースがフェイルオーバーの発生を 自動的に検出し、新しいプライマリ・データベースから REDO を受信し始めるため、DR 保護機 能が常に維持されます。

» 優れた費用対効果と柔軟性:ローカル・スタンバイ・データベースは、Active Data Guard によ るプライマリ・データベースからの読取り専用ワークロードのオフロード、Active Data Guard による高速増分バックアップのオフロード、Oracle Data Guard スナップショット・スタンバイ によるテスト・システムとしての使用、データベースのローリング・アップグレードの実行と いったさまざまな目的に使用できます。 自動ギャップ解消:プライマリ・データベースとスタンバイ・データベースの接続が(ネットワー ク障害またはスタンバイ・サーバー障害により)切断された場合、使用している保護モードに応じ て、プライマリ・データベースは引き続きトランザクションを処理し、新しい接続が確立されるま での間、スタンバイ・データベースに送信できない REDO のバックログを蓄積します(アーカイ ブ・ログ・ギャップとして報告し、転送ラグとして測定)。この場合、Oracle Data Guard は、スタ ンバイ・データベースのステータスを監視し、接続が再確立されたことを検出すると、スタンバ イ・データベースとプライマリ・データベースを自動的に再接続し、再同期させます。

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REDO Applyサービス

REDO Apply サービスは、フィジカル・スタンバイ・データベース上で動作します。REDO Apply は、 スタンバイ REDO ログ・ファイルから REDO レコードを読み取り、Oracle 検証機能を実行して REDO が破損していないことを確認してから、スタンバイ・データベースに REDO の変更を適用し ます。REDO Apply は、REDO 転送とは無関係に機能するため、プライマリ・データベースのパ フォーマンスとデータ保護(リカバリ・ポイント目標(RPO))はスタンバイ・データベースでの REDO Apply のパフォーマンスの影響を受けません。REDO Apply サービスが停止するような極端な 場合でも、Oracle Data Guard の転送は、REDO をスタンバイ・データベースに送信することによっ てプライマリ・データベースのデータを引き続き保護し、スタンバイ・データベースでは、後で REDO Apply が再開されたときに使用できるように REDO がアーカイブされます。

Oracleデータの継続的な検証

Oracle Data Guard は、スタンバイ・データベースに REDO を適用する前に、Oracle Database プロ セスを使用して継続的に REDO を検証します。REDO は、プライマリ・データベースのログ・バッ ファから直接送信されるため(ネットワーク経由の memcpy ファンクションに相当)、プライマ リ・データベースの I/O の破損から完全に切り離されています。Oracle Database は、Oracle ブ ロック形式に関する情報を使用して、多数の主要インタフェースで、REDO の転送や REDO Apply の間に破損検出チェックを可能にすることで、物理と論理の両方のブロック内整合性を確保します。 また、スタンバイ・データベースで実行されるソフトウェア・コードパスは、プライマリ・データ ベースとは基本的に異なります。このため、プライマリ・データベースに影響する可能性がある ファームウェア・エラーおよびソフトウェア・エラーからスタンバイ・データベースが事実上切り 離されます。

Oracle Data Guard は、書込み損失によって発生する発見されにくい破損も検出します。書込み損失 は、永続ストレージで実際に発生しなかった書込みの完了を I/O サブシステムが確認すると発生し ます。この I/O サブシステムは、後続ブロックの読取りで古いバージョンのデータ・ブロックを返 します。次に、このブロックがデータベースの他のブロックの更新に使用されることで破損が広が ります。Oracle Data Guard は、スタンバイ・データベースで書込み損失検証を実行してこれを防ぎ ます(プライマリ・データベースからこのオーバーヘッドをオフロード)。Oracle Data Guard は、 書込み損失がプライマリ・データベースで発生した場合でもスタンバイ・データベースで発生した 場合でも、書込み損失による破損を検出します。

保護モード

表 1 に示すように、Oracle Data Guard にはコスト、可用性、パフォーマンス、データ保護のバラ ンスを取るためのモードが 3 種類用意されています。各モードは、特定の REDO 転送メソッドを使 用し、プライマリ・データベースとそのスタンバイ・データベースとの接続が失われた場合の Oracle Data Guard の構成の動作を定義します。

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表1:Oracle Data Guardの保護モード モード データ損失のリスク 転送 スタンバイ・データベースからの確認がない場合の処理: 最大保護 データ損失ゼロ 二重障害保護 SYNC トランザクションのREDOがディスクに書き込まれたことを示すスタンバ イ・データベースからの応答を受信してから、コミットの成功をアプリケー ションに通知します。 最大可用性 データ損失ゼロ 単一障害保護 SYNC FAST SYNC FAR SYNC スタンバイ・データベースからの応答を受信するか、またはNET_TIMEOUT しきい値に指定された時間が過ぎたら、いずれの場合もコミットの成功をア プリケーションに通知します。 最大 パフォーマンス 最小限のデータ損失の 可能性あり ASYNC プライマリはスタンバイからの応答を待つことなく、コミットの成功をアプ リケーションに通知します。

Oracle Data Guardの構成の管理

SQL*Plus を使用して、プライマリおよびスタンバイ・データベースとそれらのさまざまな相互作用 を管理できます。また、Oracle Data Guard には、Oracle Data Guard 構成の作成、メンテナンス、 監視を自動化および一元化するための、Oracle Data Guard Broker と呼ばれる分散型管理フレーム ワークも実装されています。

Oracle Data Guard Broker には、以下のような、Oracle Database 12c で使用できる多数の拡張機能 が含まれています。

» REDO 転送のラグおよび REDO Apply のラグに関する構成可能なしきい値により、ユーザーは、

データ損失の許容範囲(リカバリ・ポイント目標とも呼ばれる)を指定できます。Oracle Data Guard Broker は、データ損失が RPO を超える可能性が生じるような形で REDO 転送または REDO Apply が影響受ける場合には常に、警告ステータスを生成します。

» 新しい VALIDATE DATABASE コマンドにより、Oracle Data Guard 構成でスイッチオーバーまた はフェイルオーバー操作の準備が完了していることを確認するために広範囲の妥当性チェック が実行されます。 » 再開可能なスイッチオーバー:以前のリリースでは、スイッチオーバーが失敗すると、Oracle Data Guard 構成を削除して再作成する必要がありました。また、失敗状態を解消するためのすべ てのアクションは、SQL コマンドラインから実行されました。再開可能なスイッチオーバー機能 により、以下のいずれかの方法で、スイッチオーバーの失敗に対処できるようになりました。 » 問題を解決し、Oracle Data Guard Broker スイッチオーバーを再実行します(中断したところか

ら再開されます)。

» 問題を解決している間、Oracle Data Guard Broker を使用して元のプライマリ・データベースに スイッチバックします。

» Oracle Data Guard Broker を使用して、複数スタンバイ構成の別のスタンバイ・データベースに スイッチオーバーします。

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データベース管理者は、Oracle Enterprise Manager Cloud Control または Oracle Data Guard Broker のコマンドライン・インタフェースを使用して、Oracle Data Guard Broker を操作できます。Oracle Enterprise Manager には、Oracle Data Guard 構成の作成をさらに簡単にするウィザードがあります。 Oracle Data Guard の主要なメトリック(REDO Apply ラグ、REDO 転送ラグ、REDO 速度、構成ス テータスなど)は、Oracle Data Guard 管理ページ(図 2 を参照)と統合された HA コンソールの両 方に表示されます。Oracle Enterprise Manager は、いずれかのメトリックが事前に構成されたしき い値を超えると、自動通報を有効にします。

ロール管理サービス - スイッチオーバーとフェイルオーバー

Oracle Data Guard のロール管理サービスを使用すると、指定したスタンバイ・データベースをプラ イマリ・ロールに迅速に移行できます。スイッチオーバーは、オペレーティング・システムやハー ドウェアのアップグレード、Oracle Database のローリング・アップグレード、およびその他の データベースのメンテナンスなどの計画メンテナンス時の停止時間を短縮するために使用される計 画的なイベントです。メンテナンスは最初にスタンバイ・データベースで実行され、スイッチオー バーによって、プライマリ・データベースから新バージョンで動作するスタンバイ・データベース へと本番環境が移行されます。スイッチオーバーは、使用される転送方法や保護モードにかかわら ず、常にデータ損失ゼロの操作です。 フェイルオーバーを行うと、元のプライマリ・データベースが計画外停止している間、スタンバ イ・データベースが新しいプライマリ・データベースとしてオンラインになります。フェイルオー バーでは、プライマリ・ロールを引き継ぐためにスタンバイ・データベースを再起動する必要はあ りません。また、元のプライマリ・データベースがマウント可能であり、そのファイルが損傷して いないかぎり、フラッシュバック・データベースを使用して、元のプライマリ・データベースを迅 速に回復させてスタンバイ・データベースとして再同期できます。バックアップからリストアする 必要はありません。

手動フェイルオーバーは、Oracle Enterprise Manager の GUI インタフェース、Oracle Data Guard Broker のコマンドライン・インタフェース、または SQL*Plus を使用して、DBA が開始します。オ プションで、Oracle Data Guard は、ファスト・スタート・フェイルオーバーを使用して自動フェイ ルオーバーを実行できます。

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ファスト・スタート・フェイルオーバー

ファスト・スタート・フェイルオーバーでは、Oracle Data Guard は、事前に選択したスタンバイ・ データベースに自動的にフェイルオーバーできます。フェイルオーバーを起動するために人が介入 する必要はありません。Oracle Data Guard は、構成のステータスを継続的に監視し、必要に応じて フェイルオーバーを開始します。ファスト・スタート・フェイルオーバーには、スプリット・ブレ イン(複数のデータベースが同時にそのデータベースをプライマリと認識する状態)を回避する制 御が組み込まれています。このシンプルでありながら厳密に制御されたアーキテクチャにより、 ファスト・スタート・フェイルオーバーは、HA と DR の両方が必要な場合に最適です。 クライアント・フェイルオーバーの自動化 データベース・フェイルオーバーを迅速に実行する能力は、HA のための最初の要件にすぎません。 アプリケーションは、障害が発生したプライマリ・データベースへの接続をすみやかに解除し、新 しいプライマリ・データベースに迅速に再接続できる必要もあります。

Oracle Data Guard のコンテキストにおける効率的なクライアント・フェイルオーバーには、次の 3 つの要素があります。

» 高速データベース・フェイルオーバー

» 新しいプライマリ・データベースでのデータベース・サービスの高速起動

» クライアントへのすみやかな通知と新しいプライマリ・データベースへの再接続

Oracle Data Guard Broker によって管理されるロール移行により、人が介入することなく、スタン バイ・データベースのプライマリ・ロールへの自動移行、プライマリ・ロールに適したデータベー ス・サービスの開始、障害が発生したプライマリ・データベースとの接続の解除(TCP タイムアウ トからの切り離し)のクライアントへの通知、および新しいプライマリ・データベースへのクライ アントの接続を実行できます。また、グローバル・ロードバランサと DNS フェイルオーバーを使 用してユーザー接続を新しい中間層にリダイレクトする場合は、Oracle Data Guard のロール変更イ ベントを使用することによって、それを自動化できます。

アプリケーション・コンティニュイティは、データベース・フェイルオーバーの発生時に実行中の トランザクションを、新しいプライマリ・データベースでロールバックおよび再実行することなく 完了させることを可能にする Oracle Database 12c の新機能です。アプリケーション・コンティ ニュイティは、Oracle Active Data Guard に含まれています。

Oracle Global Data Services(Oracle GDS)は、インテリジェントなロードバランシングとクライア ント・フェイルオーバーの概念を、可用性を維持するために複数のフェイルオーバー・ターゲット を使用できるグローバルな分散環境に拡張する Oracle Database 12c の新機能です。前述の Oracle Data Guard の複数スタンバイ構成は、そのような環境の一例です。Oracle GDS は、Oracle Active Data Guard に含まれています。

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Oracle Data Guardによる計画停止時間の短縮

Oracle Data Guard を使用して、さまざまな種類の計画メンテナンスにおける停止時間とリスクを軽 減できます。一般的なアプローチでは、最初にスタンバイ・データベースに変更内容を実装し、テ ストしてからスイッチオーバーを行います。スタンバイ・データベースでメンテナンスを行ってい る間、本番データベースは、プライマリ・データベースで影響を受けずに動作します。停止時間は、 本番データベースをアップグレードが完了したスタンバイ・データベースに切り替えるために必要 な時間に限定されます。使用されるプロセスの具体的な詳細は、行われているメンテナンスの種類 によって異なります。 プラットフォームの移行、ハードウェアとOSのメンテナンス、データセンターの移設

Oracle Data Guard の REDO Apply によって実現される柔軟性により、プライマリ・データベースと スタンバイ・データベースは、オペレーティング・システムまたはハードウェア・アーキテクチャ が異なるシステム上で動作できるようになります。Oracle Data Guard 構成でサポートされている混 合プラットフォームの組合せについて、詳しくは My Oracle Support Note 413484.1 を参照してく

ださい3。REDO Apply を使用すると、テクノロジー更新や一部のプラットフォーム移行を最小限の

停止時間で容易に実行できます。REDO Apply は、自動ストレージ管理への移行、単一インスタン スの Oracle Database から Oracle Real Application Clusters(Oracle RAC)への移行、データセン ターの移設にも使用できます。

Standby-First Patchによるパッチの保証

Standby-First Patch Apply(Oracle Database 11.2.0.1 以降)により、フィジカル・スタンバイで REDO Apply を使用することで、プライマリ・データベースとスタンバイ・データベースの間で異 なるソフトウェア・パッチ・レベルをサポートできます。これは、ローリング方式で Oracle パッチ を適用し、検証できるようにするための機能です。適合するパッチは、以下のとおりです。 » Patch Set Update、Critical Patch Update、Patch Set Exception、Oracle Database のバンドル・

パッチ

» Oracle Exadata Database Machine バンドル・パッチ、Oracle Exadata Storage Server ソフトウェ ア・パッチ。

詳しくは、My Oracle Support Note 1265700.1 を参照してください4

一時ロジカル・データベース・ローリング・アップグレード

一時ロジカル・データベース・ローリング・アップグレード・プロセスでは、Oracle Data Guard の フィジカル・スタンバイ・データベースを使用して、最小限の停止時間で、完全な Oracle Database パッチ・セットのインストール(たとえば、Oracle 11.2.0.1 から 11.2.0.3 へ)および主要 リリースのインストール(たとえば、Oracle 11.2 から 12.1 へ)やデータベースのアップグレード が行われます。同じプロセスは、本番データベースのオフライン・コピーを使用して、データベー スの論理構造を変更し、検証して、本番環境を変更されたバージョンに切り替える、さまざまな種 類の計画的メンテナンスを実行する場合にも役立ちます。

3 https://support.us.oracle.com/oip/faces/secure/km/DocumentDisplay.jspx?id=413484.1 4 https://support.us.oracle.com/oip/faces/secure/km/DocumentDisplay.jspx?id=1265700.1

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一時ロジカル・プロセスは、プライマリ・データベースとフィジカル・スタンバイ・データベース によって開始されます。Standby-First Patch を使用するときと同様に最初にスタンバイ・データ ベースがアップグレードされますが、この場合、Oracle Data Guard の論理レプリケーション(SQL Apply)は、古いバージョンで動作するプライマリ・データベースから新しいバージョンで動作す るスタンバイ・データベースへのレプリケートのために一時的に使用されます。REDO Apply とは 異なり、論理レプリケーションは、バージョン間の同期のために SQL を使用し、異なる Oracle リ リース間に存在する可能性のある物理 REDO 構造の違いの影響を受けません。 アップグレードの完了後、スイッチオーバー(唯一の停止時間)により、本番データベースが、ス タンバイ・データベースで動作する新しいバージョンに移行されます。その後、元のプライマリ・ データベースは、アップグレード・プロセスが開始されたときの状態にフラッシュバックされ、新 しいプライマリ・データベースのフィジカル・スタンバイ・データベースに変換されます。フィジ カル・スタンバイ・データベースは、新しい Oracle ホームにマウントされて、アップグレードされ、 新しいプライマリ・データベースから受信した REDO を使用して再同期されます(2 回目のカタロ グ・アップグレードは不要)。

Oracle Active Data Guard

Oracle Active Data Guard は、Oracle Database Enterprise Edition のオプションです。Oracle Active Data Guard は、これまで説明した Oracle Data Guard のすべての機能と、以降の項で説明する機能 を備えています。

リアルタイム問合せ – パフォーマンスとROI

Oracle Active Data Guard は、読取り専用のレポーティング・アプリケーション、非定型の問合せ、 データ抽出などのオフロードを実現するとともに、障害に対する保護も提供します。Oracle Active Data Guard は、最高レベルのパフォーマンスを実現する高度にパラレル化された適用プロセスを持 つと同時に、プライマリ・データベースで使用される読取り一貫性モデルがスタンバイ・データ ベースでも使用される点で、他に類を見ません。これを実行する物理または論理レプリケーショ ン・ソリューションは他にありません。 グローバル一時表に書き込んだり、一意のシーケンスにアクセスしたりするという要件を除けば、 読取り専用データベースを使用するレポーティング・アプリケーションも存在します。Oracle Active Data Guard には、グローバル一時表への書込みや一意のシーケンスでのアクセスを可能にし て、本番データベースからオフロードできるレポーティング・アプリケーションの数をさらに増や す、Oracle Database 12c の新機能が含まれています。

Oracle Active Data Guard スタンバイ・データベースへの作業のオフロードによって、次の 2 つの 重要なメリットが生まれます。 » 障害が発生するまで高価な資産が使用されない状態に終止符を打ち、スタンバイ・システムを生 産的に使用することによって、それらの ROI が向上します。 » アクティブ・スタンバイが必要に応じてフェイルオーバー可能な状態になっている(この間も常 にアクティブ・スタンバイは動作している)ことの継続的なユーザー検証により、不明な状態に よるリスクが排除されます。

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自動ブロック修復機能 – 高可用性

ブロックレベルのデータ損失は、通常、断続的なランダム I/O エラーや、ディスクへの書込みによ るメモリの破損によって生じます。Oracle Database はブロックを読み取って破損を検出すると、 そのブロックを破損としてマークし、アプリケーションにエラーを報告します。そのブロックに対 する後続の読取りは、Oracle Active Data Guard を使用していないかぎり、そのブロックを手動でリ カバリするまで成功しません。

Oracle Active Data Guard は、アプリケーションに透過的なブロック・メディア・リカバリを自動実 行します。Active Data Guard は、プライマリ・データベース上の物理的破損を、スタンバイから取 得された正常なバージョンのブロックを使用して修復します。逆に、スタンバイ・データベース上 で検出された破損ブロックは、プライマリ・データベースの正常なバージョンを使用して自動的に 修復されます。 また、アクティブ・スタンバイ・データベース上の物理的な破損は、プライマリ・データベースで ブロックが変更されていない場合やスタンバイ・データベースで動作するアプリケーションによっ てブロックが読み取られた場合でも、検出され、自動的に修復されます。これは、プライマリ・ データベースとスタンバイ・データベースの両方で Oracle Data Guard の書込み損失保護を有効に することによって実行されます。この方法は、トランザクションが古いデータを使用することに よって発生する発見されにくい破損を検出するための標準のベスト・プラクティスです。書込み損 失保護には、スタンバイ・データベースで実行される物理的な破損の検証の全体的なレベルを劇的 に向上させるという副次的なメリットもあります。データが変更されても変更されなくても、プラ イマリ・データベースで読み取られたブロックごとに、スタンバイ・データベースで書込み損失検 証が実行されます。この方法でスタンバイ・データベースのブロックが読み取られると、物理的な ブロック破損に関する追加のチェックが実行され、スタンバイ・データベースでのみ発生し、プラ イマリ・データベースでは発生しない障害が検出されます。 Far Sync - いかなる距離でもデータ損失ゼロの保護 データ損失ゼロの同期保護がデータベースのパフォーマンスに与える影響により、望ましくない妥 協に結びつく場合があります。サイト間が遠く離れている場合は、保護について妥協し、非同期転 送を使用して、許容可能なパフォーマンスの代わりにデータの損失を受け入れる必要があります。 どうしてもデータ損失をゼロにする必要がある場合は、遠隔サイトによる保護について妥協し、同 じ都市圏内にすべてのサイトを配置する必要があります。Oracle Database 12c がリリースされるま では、長距離間でデータ損失ゼロを実現できる実行可能なオプションは、1 つ以上の独自仕様の高 価なストレージ・アレイ、専用のネットワーク・デバイス、複数の Oracle Data Guard スタンバ イ・データベース(ローカルとリモート)、および複雑な管理手順を特徴とする 3 サイト・アーキ テクチャだけでした。

Oracle Database 12c の新機能である Oracle Active Data Guard Far Sync は、複雑さを増大させるこ となく最小限のコストで、データ損失ゼロの保護をプライマリ・データベースから任意の距離にあ るスタンバイ・データベースへと拡張することにより、妥協点をなくします。

Far Sync は、Oracle Active Data Guard の新しいタイプの転送先です。これは、Far Sync インスタン スと呼ばれ、プライマリ・データベースから REDO を同期受信し、その REDO を最大 29 のリモー ト送信先に非同期転送します。Far Sync インスタンスは、制御ファイルとログ・ファイルのみを管 理する軽量のエンティティです。スタンバイ・データベースのわずかな CPU、メモリ、I/O を必要 とします。ユーザーのデータファイルを保持することはなく、REDO Apply を実行することもあり ません。唯一の目的は、リモート送信先に REDO を送信するプライマリ・データベースのオーバー

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ヘッドを透過的にオフロードすることです。Far Sync では、Oracle Advanced Compression を使用 する場合に発生する REDO 転送圧縮に関するプライマリ・データベースのオーバーヘッドをオフ ロードすることにより、ネットワーク帯域幅も節約されます。

例として、ニューヨークにあるプライマリ・データベースとロンドンにあるスタンバイ・データ ベースの間で非同期転送を実行する既存の Oracle Data Guard 構成について考えます。Oracle Active Data Guard にアップグレードし、単にニューヨークの同期レプリケーション距離(推定 48 ~240km)内にある第 3 の場所に Far Sync インスタンスをデプロイするのみで、データ損失ゼロを 実装します(図 3 を参照)。プライマリ・データベースと互換性があれば、どのようなサーバーで も使用できます。独自規格のストレージ、専用のネットワーク・デバイス、追加のライセンス、お よび複雑な管理は不要です。プライマリ・データベースに障害が発生すると、すべての Oracle Data Guard 構成で使用されるものと同じフェイルオーバー・コマンドやファスト・スタート・フェイル オーバーによる自動フェイルオーバーによって、ロンドンのデータベースがプライマリ・ロールに 迅速に移行し、データ損失は発生しません。

図3:Active Data Guard Far Sync:いかなる距離でもデータ損失ゼロのフェイルオーバー

Active Data Guardを使用したデータベース・ローリング・アップグレード

企業では、ミッション・クリティカルな本番環境に変更を加える際の計画停止時間の短縮とリスク の軽減に対する優先度が高まっています。データベース・ローリング・アップグレードには、次の 2 つの利点があります。 » 最小限の停止時間:データベースのアップグレードや、データベースの物理構造を変更する (ユーザー表の実際の構造体の変更を除く)その他のさまざまな計画的メンテナンスは、本番環 境をプライマリ・データベースで動作させたまま、スタンバイ・データベースで実施できます。 すべての変更が検証されると、スイッチオーバーにより本番アプリケーションがスタンバイ・ データベースに移行され、ユーザーが新しいバージョンで操作している間に元のプライマリ・ データベースをアップグレードできます。計画停止時間は、全体で、本番データベースをスタン バイ・データベースに切り替えるために必要なわずかな時間に限定されます。 » 最小限のリスク:すべての変更がスタンバイ・データベースで実装され、完全にテストされるた

め、本番バージョンで操作するユーザーにはリスクがありません。Oracle Real Application Testing を使用して、実際のアプリケーション・ワークロードを本番システムで取得し、スタン バイ・データベースで再生することにより、本番サービス・レベルに影響を与える可能性のない 厳密に制御された環境において実際の本番ワークロードが本番データベースの完全なコピー上で

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個別のコピー上でメンテナンスを行いたいときは、データベース・ローリング・アップグレード を使用できます。

データベース・ローリング・アップグレードでは、Oracle Data Guard SQL Apply を使用する必要が あります。Oracle Database 11g では、物理スタンバイ・ユーザーがデータベース・ローリング・ アップグレードを行うことを可能にする Oracle Data Guard 一時ロジカル・ローリング・アップグ レード・プロセス(一連の複雑な手動の手順によって実行される)が導入されました。複雑さは常 にリスクを増大させるため、当然のことながら、多くの物理スタンバイ・ユーザーが、比較的単純 な従来のアップグレードを使用しました。しかし、従来のアップグレードは、長い停止時間と前述 のような別のリスク要素という企業にとって望ましくない 2 つの事柄を生み出します。

Oracle Database 12c の新機能である Oracle Active Data Guard によるデータベース・ローリング・ アップグレードは、一時ロジカル・ローリング・アップグレードを実行するために必要な 40 以上 の手動の手順を、ほとんどのプロセスを自動化する 3 つの PL/SQL パッケージに置き換えることに より、複雑さに関する懸念を解消します。

Oracle Active Data Guard によるデータベース・ローリング・アップグレードは、Oracle Database 12c の最初のパッチ・セット以降のバージョン・アップグレードに使用できます。これは、Oracle Database 11g から Oracle Database 12c へのローリング・アップグレードまたは Oracle Database 12c の最初のリリースから Oracle Database 12c の最初のパッチ・セットへのアップグレードでは依 然として、このホワイト・ペーパーですでに説明した Oracle Data Guard による手動の手順を使用 する必要があることを意味します。

ただし、Oracle Database 12c 以降でのデータベース構造体を変更する他のメンテナンス作業では、 新しい Oracle Active Data Guard の機能をすぐに使い始めることができます。これらの作業には、 以下のものが含まれます。

» パーティション化されていない表へのパーティションの追加

» BasicFile LOB の SecureFile LOB への変更

» CLOB として格納される XMLType のバイナリ XML として格納される XMLType への変更 » 表の圧縮 アプリケーション・コンティニュイティ 高速アプリケーション通知(FAN)は例外条件をアプリケーションに迅速に配信する Oracle Database の機能ですが、アプリケーションの観点からは、最後のトランザクションの結果が報告さ れず、進行中のリクエストがリカバリされることもありません。その結果、動作の停止が表面化し、 ユーザーの不便や収益の減少につながる場合があります。また、ユーザーが誤って二重に購入した り、同じ請求に対して複数回の支払いを行ったりする可能性もあります。これらの欠点、複雑なサ ポート、および継続的な開発に対処するために、開発者は、カスタム・アプリケーション・コード を作成して保持する以外に選択肢がありませんでした。 アプリケーション・コンティニュイティは、アプリケーションの観点から完了していないリクエス トをリカバリし、多数のシステム、通信、およびハードウェアの障害やストレージの停止が表面化 してエンドユーザーに影響を与えることを防ぐ、アプリケーションに依存しない Oracle Database 12c の新機能です。これにより、エンドユーザーのトランザクションが複数回実行されることもな くなります。アプリケーション・コンティニュイティは、Oracle Active Data Guard に付属していま す。

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Oracle Global Data Services

Oracle Global Data Services は、よく知られた Oracle RAC スタイルの接続時および実行時ロードバ ランシング機能、サービス・フェイルオーバー機能、ワークロード管理機能(単一のデータセン ター内または複数のデータセンター間)をレプリケート・データベースのセットに拡張する Oracle Database 12c の新機能です。Oracle GDS は、Oracle Active Data Guard に付属しています。

関連テクノロジー

Oracle Data Guard と Oracle Active Data Guard は、高可用性とデータ保護の数々のテクノロジーで 緊密に結ばれた関係にあります。

ストレージのリモート・ミラー化

ストレージのリモート・ミラー化(EMC SRDF、Hitachi TrueCopy など)は、ディスク上のデータ のコピーのリモート同期コピーの保持に関する一般的なアプローチです。ストレージのリモート・ ミラー化は、Oracle Database 外部にあるファイル・システム・データのレプリケーションを実行 する際に、Oracle Active Data Guard を補完する役割を果たします。ストレージのリモート・ミラー 化は Oracle Database のレプリケーションのベスト・プラクティスにはなりません。Oracle Active Data Guard スタンバイ・データベースと同じ高いレベルの保護、可用性、機能性、ROI を実現する 上で必要なデータベース・ブロックと REDO 構造体の情報がないためです。

ストレージのリモート・ミラー化と Oracle Active Data Guard 間のアーキテクチャの違いをざっと 見てみれば、その理由が分かります。Oracle Database で I/O(たとえば、データ・ファイル、制御 ファイル、フラッシュバック・ログ・ファイル、オンライン・ログ・ファイル、アーカイブ・ロ グ・ファイルへの書込み)を発生させるデータベース・プロセスは多数あります。各プロセスは本 番データベースに関して最大限のパフォーマンスとリカバリ能力を実現するように設計されていま すが、I/O の総量によっては、リモート・レプリカのリアルタイム同期を維持するためにすべての ファイルへのすべての書込みをミラー化する必要のあるストレージのリモート・ミラー化ソリュー ションにとって問題となる場合があります(図 4 を参照)。テストの結果によると、ストレージの リモート・ミラー化では、リアルタイム・データ保護を維持するために Oracle Data Guard よりも 最大 7 倍のボリュームのデータが送信され、27 倍以上のネットワーク I/O 操作が行われる可能性の あることが示されています。

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対照的に、Oracle Data Guard は、Oracle が認識する軽量のレプリケーション・プロセスを使用し て、帯域幅の消費をプライマリ・データベースによって生成される REDO ボリューム(図 4 に示さ れるリカバリ・ファイルに書き込まれる 1 本の赤色のデータ・ストリームに相当するボリューム) に限定します。他には何も送信されません。Oracle Data Guard は、この REDO をメモリから直接 送信することで、プライマリ・データベースでのディスク I/O への影響を排除するとともに、スト レージ層で発生する破損からの完全な分離を実現します(図 5 を参照)。

図5:Oracle Data Guard – ネットワークの消費が削減されるとともに、破損からの強力な分離が実現される

帯域幅消費の削減は、Oracle Active Data Guard の使用による一つのメリットに過ぎません。その他 の重要なメリットは、以下のとおりです。 » プライマリ・データベースとスタンバイ・データベースの強力な物理的分離により、管理者のエ ラー(ストレージ管理作業による重要なデータベースやその他のファイルの誤った削除など)に よる影響が広がりません。 » 動作中の Oracle Database インスタンスによって変更がスタンバイ・データベースに適用される 前に、Oracle が認識する物理および論理ブロックのチェックによる継続的な検証が実行されます。 この検証により、破損がプライマリ・データベースからスタンバイ・データベースに広がること が防止され、Oracle Active Data Guard を使用するプライマリ・データベースまたはスタンバイ・ データベースのいずれのディスクでも独立して発生する物理的なブロックの破損が検出され、自 動的に修復されます。

» 読取り専用レポート、非定型の問合せ、Oracle Data Pump の本番オフロードが Oracle Active Data Guard スタンバイ・データベースにエクスポートされ、最大限の ROI が実現されます。 » リスクが軽減されるとともに高可用性が実現されます。Oracle Active Data Guard は、ミラー化さ

れたボリュームによるデータベースのコールド起動が成功するかどうかに関する不確実性を排除 します。また、ボリュームがマウントされる間の遅延も排除します。Oracle Active Data Guard ス タンバイ・データベースは、常に稼働状態で、本番環境として使用する準備が完了しています。 このスタンバイ・データベースは、読取り専用のワークロードを使用して、継続的な Oracle Database 検証とエンドユーザー検証を実行します。

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Oracle GoldenGate

Oracle Active Data Guard と Oracle GoldenGate はどちらも、オラクルのソフトウェア・ポートフォ リオに含まれる戦略的製品です。これらの製品はどちらもおおまかにはレプリケーション・テクノ ロジーとして分類されますが、それぞれの重点領域は大きく異なります。

Oracle Active Data Guard を使用するケース:Oracle Active Data Guard は、レプリケーションをア クティブにしたまま読取り専用でオープンされる本番データベースの正確な物理レプリカを遠隔地 に維持することにより、もっとも単純かつもっとも経済的な方法によって Oracle Database の最高 レベルのデータ保護と可用性を実現します。単純さ、最高レベルのデータ保護、データ可用性、最 高レベルのパフォーマンスを重視する場合は、Oracle Active Data Guard を使用してください。 Oracle GoldenGate を使用するケース:Oracle GoldenGate は、高度な論理レプリケーション製品で あり、双方向のマルチマスター・レプリケーション、ハブ・アンド・スポーク展開、データ変換を サポートすることで、あらゆる種類のレプリケーション要件に対応した非常に柔軟なオプションを 提供しています。また、さまざまな異種プラットフォームおよびデータベース管理システム間のレ プリケーションをサポートしています。

Oracle Active Data Guard とは異なり、Oracle GoldenGate はディスクから REDO レコードを読み取 り、これらのレコードをプラットフォームに依存しない証跡ファイルの形式に変換してターゲッ ト・データベースに送信することで、プライマリ・データベースの変更を取得します。また、証跡 ファイルを SQL に変換し、この SQL をターゲット・データベースに適用することで、論理レプリ カを維持します。ターゲット・データベースは、同期化中も読取り/書込みモードでオープンされま す。 レプリカ・データベースを、レプリケーションをアクティブにしたまま読取り/書込みモードでオー プンにする必要がある場合、または、Oracle Active Data Guard では対処できない高度なレプリケー ション要件がある場合は、Oracle GoldenGate を使用してください。

Oracle Active Data Guard と Oracle GoldenGate を一緒に使用するケース:Oracle Active Data Guard と Oracle GoldenGate の両方のテクノロジーを使用する次の高可用性アーキテクチャの例で も明らかなように、これらのテクノロジーが相互に排他的ではないことを強調することは重要です。 » Oracle Active Data Guard スタンバイ・データベースは、ミッション・クリティカルな OLTP デー

タベースの障害に対する保護とローリング・アップグレードのために使用されます。Oracle GoldenGate は、エンタープライズ・データウェアハウスの ETL 更新のために Oracle Data Guard プライマリ・データベースから(または Oracle GoldenGate ALO モードを使用するスタンバイ・ データベースから)データを抽出するために使用されます。

» Oracle Active Data Guard がディザスタ・リカバリに使用されますが、Oracle Active Data Guard が直接支援できない計画的メンテナンスのアクティビティ(クロスエンディアン・プラット フォーム移行、バックエンド・データベース・オブジェクトを変更するアプリケーション・アッ プグレードなど)に対処するために Oracle GoldenGate の柔軟性が使用されます。Oracle GoldenGate は移行やアップグレードを実行するために使用され、それが完了すると、新しい本 番環境の障害に対する保護を実現するために新しい Oracle Data Guard スタンバイ・データベー スがデプロイされます。

これらのテクノロジーのいずれかまたは両方の使用が最適な要件について詳しくは、『Oracle Active Data Guard and Oracle GoldenGate』を参照してください5

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Zero Data Loss Recovery Appliance

Zero Data Loss Recovery Appliance は、Oracle RMAN および Oracle Database と完全に統合された 革新的なデータ保護ソリューションです。社内にある複数の Oracle データベースのバックアップと リカバリ・プロセスを刷新し、標準化も行う大きな技術革新を備えた統合ハードウェアおよびソフ トウェア・アプライアンスです。このリカバリ・アプライアンスにより、永続的な増分バックアッ プ戦略とあらゆる時点のポイント・イン・タイム・リカバリが実現します。複数のレベルのバック アップ検証を実行することで、リカバリを正常に完了させます。その際、ソース・データベースに オーバーヘッドは生じません。Enterprise Manager を使ってエンド・ツー・エンドの管理コント ロールを実行することで、管理者が目的のリカバリ時間を確実に達成できるようにします。 このリカバリ・アプライアンスは、REDO が生成されると、Oracle Data Guard 転送サービスを利用 してすぐに転送することでデータ損失を排除し、本番データベースでアーカイブ・ログのバック アップを取得する必要性をなくします。Oracle Data Guard 転送のリアルタイムの性質により、リカ バリ・アプライアンスは最新のトランザクションでもデータベース・バックアップからリストアで きます。これは、スタンバイ・データベースなしで、Oracle Data Guard リカバリ・ポイント目標を 達成することに相当します。

リカバリ・アプライアンスは、データベースのバックアップのリストアにより、可用性をリストア します。それとは対照に、Oracle Data Guard と Oracle Active Data Guard は、すでに実行中の同期 されたスタンバイ・データベースへの高速フェイルオーバーを実現し、追加のリアルタイムの検証、 本番オフロード、このペーパーで説明されているその他の高度な機能を提供します。

Oracle Real Application Clusters(Oracle RAC)

Oracle Active Data Guard と Oracle RAC または Oracle RAC One Node は補完的なテクノロジーです。 Oracle RAC は、サーバー障害からの保護に最適な HA ソリューションを提供するとともに、クラス タ環境でのワークロード管理とスケーラビリティのために独自の機能も提供します。Oracle Data Guard スタンバイ・データベースは、強力な分離とエンド・ツー・エンドの冗長性を実現すること によって、Oracle RAC プライマリ・データベースを保護するために使用されます。これにより、ク ラスタ全体が使用できなくなる問題(データベース障害やサイト障害を引き起こすデータの破損、 オペレータのミス、複数の相関障害など)が発生した場合でも、データが保護され、高度な HA が 実現されます。Oracle Data Guard により、オンラインで行うことができない、または複数の Oracle RAC にわたるローリング方式の計画的メンテナンスでの停止時間が短縮されます。 Oracle Multitenant Oracle Multitenant は、データベース統合のためのまったく新しいアーキテクチャを提供する、 Oracle Database 12c の新しいオプションです。マルチテナント・アーキテクチャにより、複数の Oracle Database が統合された(それぞれプラガブル・データベース(PDB)と呼ばれる)、単一の Oracle Database ソフトウェア群(マルチテナントのコンテナ・データベース(CDB))の下で動作 します。アーキテクチャ上の区別は、各 PDB(ユーザー・データおよびメタデータ)とその CDB (Oracle メタデータ)の間で行われます。PDB は、CDB に含まれない従来の Oracle Database と互 換性を持ちます。

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Oracle Data Guard と Oracle Active Data Guard は、コンテナ・レベルで保護を提供することにより、 マルチテナント・アーキテクチャにおいて透過的に機能します。たとえば、50 の PDB を含む CDB は、単一の Oracle Data Guard スタンバイ・データベースを持ち、単一の Oracle Data Guard 構成と して管理されます。Oracle Enterprise Manager Cloud Control での 1 つのコマンドの実行またはマ ウスの 1 回のクリックにより、すべての PDB がディザスタ・リカバリ・サイトに一度にフェイル オーバーまたはスイッチオーバーされます。

CDB は、ストレージ・コンシステンシ・グループに似たポイント・イン・タイム機能も提供します。 上記の例において、50 の PDB はすべて、Oracle Data Guard フェイルオーバーの実行後に、自動的 に、全体的に一貫した時点を持ちます。これは、複数のデータベースにまたがる時点依存関係があ る場合には重要な特性です。そのようなデータベースは、ストレージのリモート・ミラー化を使用 する場合は事前に同じコンシステンシ・グループに入れることができ、Oracle Data Guard を使用す る場合は一貫性のあるポイント・イン・タイム・リカバリのために複数回のフラッシュバック操作 が必要になります。

Oracle Engineered SystemsとOracle Data Guard

Oracle Data Guard は、Oracle Engineered Systems で動作する Oracle Database に使用できるディ ザスタ・リカバリ・ソリューションです。Oracle Data Guard フィジカル・スタンバイ・データベー スは、Oracle Exadata Database Machine によって動作する非常に大きな容量のデータをサポートで きる唯一のレプリケーション・テクノロジーです 6。Oracle Data Guard REDO Apply は、Oracle

Exadata 上のすべてのワークロード(大規模データウェアハウス、Web スケール OLTP アプリケー ション、データベース統合など)をサポートする実際の環境で、その能力を証明しています。 Oracle Exadata 上で Oracle Active Data Guard を使用する各種のワークロードの注目すべき例には、 以下のものがあります。

» 大きな負荷の ETL 処理の実行中でも 800MB/秒以上の速度を維持して Oracle Data Guard が Oracle Exadata スタンバイ・データベース(11.2.0.3)に変更を適用した本番データウェアハウス。 » Oracle Open World で行われたプレゼンテーションにおいて PayPal によって紹介された、Web

スケールでデプロイされ、Oracle Active Data Guard によって保護された、世界でももっとも要 求の厳しい OLTP アプリケーションの一つ7

» コストを削減するとともにサービス・レベルを向上させる Oracle Active Data Guard を使用して、 Garmin International によって Oracle Exadata 上にデプロイされた統合データベース環境8

顧客事例

Oracle Data Guard の機能は、Oracle Version 7 で始めて利用可能になり、後続の Oracle リリースで 継続して拡張され、さらに充実したものになっています。このことから、Oracle Data Guard および Oracle Active Data Guard は、世界中の顧客のミッション・クリティカルなアプリケーションに使用 されています。多くの詳細な実装の事例は、Oracle Technology Network で入手できます9

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結論

Oracle Active Data Guard は、本番データベースの正確な物理レプリカを遠隔地に維持することによ り、もっとも単純でもっとも経済的な方法によって Oracle データの最高レベルのデータ保護と可用 性を実現します。他のテクノロジー(ストレージのリモート・ミラー化、論理レプリケーションな ど)でも本番データベースの同期コピーを保持できますが、Oracle データを保護するために使用す る場合はどれも、コスト、複雑さ、破損の検出、自動修復、可用性、投資収益率といった領域のい ずれか、または複数の領域において大きな妥協が必要になります。Oracle Active Data Guard は、 Oracle Database との緊密な統合と、Oracle データに関するリアルタイム・データ保護および可用 性の実現への十分な特化により、妥協を排除します。

参照

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