第2学年 道徳学習指導案
日時 平成16年11月30日(火)
場所 2年2組教室
学級 男子13名女子11名 計24名 指導者 釜石市立釜石第一中学校
教諭 鈴木 耕子 1 主題名 きまりの中で守られている権利 4−(2)遵法の精神 2 資料名 怒りの救助活動(「心つないで 2年」 教育出版)
3 主題設定の理由
(1) 価値について
指導項目4−(2)は、「法やきまりの意義を理解し、遵守するとともに、自 他の権利を重んじ義務を確実に果たして、社会の秩序と規律を高めるように努 める。」である。
社会があればなんらかのきまりがあり、「法」とはこの社会におけるきまりの 一つである。法やきまりは、社会生活に秩序を与え、人と人との摩擦を最小限 にするために生み出されたものであることや、社会の秩序と規律を守ることに よって、個人の自由が保障されるということを理解することは大切である。
また、社会の秩序を維持するためには一人一人が他人の権利を尊重し、自分 の権利を正しく主張するとともに、自らに課せられた義務を確実に果たそうと する態度を育成することが重要である。権利ばかりを主張して、義務を遂行し なければ社会は維持できない。
中学生になると法やきまりに対する理解が深まってくるものの、「自分さえよ ければ」あるいは「他人に迷惑がかからなければよい」などど、とかく自己本 位になりがちである。きまりの意義を十分理解させ、法やきまりを遵守し、義 務を果たした上で、自分の権利を正しく主張することが、秩序と規律ある社会 を実現するということを理解させたい。社会の秩序を維持するためにきまりを 守るという心を育てるためにこの主題を設定した。
(2) 生徒について
中学校生活も2年目となり、昨年は生活やきまりに慣れることに精一杯だっ た生徒たちも、学校生活の慣れからか、生活のきまりに対して反発の気持ちを 口にすることが多くなった。
きまりの意義についての理解が十分でないために、おおむね表面上は守って いるものの、不十分な生徒が多い。また、社会の一員としての自覚も育ってお らず、社会に目を向け、きまりの意義を考えられる生徒は少ない。
1学期、この価値について一度授業を行っている。学活で「きまりの見直し」
について行い、「きまり(学校の)について考えていること」(別紙参照につい て行い、その結果をもとに、道徳を行った(資料名「許さない心」東書)。学活 ではたくさんの意見(本音)を引き出し、道徳では、きまりを守らない人がい て困るといった、あまり全面に出なかった意見を取り上げ、授業を行った。
現在は修学旅行を12月に控え、「きまり」について話し合いが進められてい るといった状況である。
(3) 資料について
この資料は山岳警備隊に所属する作者の体験である。夏山訓練の日に遭難事 故発生の連絡が入り、訓練は救助に変わった。二人のパーティのうち一人は遺 体で発見されたが、一人はなかなか発見されなかった。あきらめの声が上がっ ている中で、一人の隊員が危険なトンネルを捜索し始め、無事に助け出すこと ができた。隊員は自分も大変な状況の中で、手持ちの着替えを遭難者に貸し与 えたが、その後、血と泥で汚れたままで返ってきたのである。「助けられるのが 当然」と権利ばかりを主張する登山者に怒りを覚える作者であった。
「権利」と「義務」の立場をはっきりさせ、危険を冒してまで遭難者を救っ た隊員の気持ちを考えさせながら、遭難者に対する「人間失格」の意味を深く 考えさせ、権利はきまりの中で守られているということに気付かせたい。
(3) 指導について
① 導入の構想
「心のノート」を利用しながら、1学期に道徳で行った「きまり」についての 話し合いを振り返らせる。また、「きまりがなくなったらどうなるか」という投 げかけをし、「権利」という言葉を導きながら、価値の方向づけをしたい。
② 展開の構想
隊員の心の動きに視点をあてて授業を展開していく。義務を越えた人間愛を 踏みにじった遭難者が助けられる権利を当然のものと考えている大きな矛盾を、
「人間として失格といっている筆者はどういうことに対して怒りを感じている のか。」という筆者の立場から深く考えさせたい。
後段では権利ときまりのかかわりに目を向けさせ、価値の主体的自覚を促し たい。
③ 終末の構想
教師の体験談を紹介して終末とする。
(4) 他領域とのかかわり
4月の学級活動で学級のきまりについて話し合った。また、6月には学校の きまりを見直させ、道徳で「きまりを守る」という主題できまりについて考え させた。今回は切り口を「権利」とし、個々人の権利はきまりによって守られ ているということに気づかせ、道徳的実践力につなげていきたい。
4 本 時 の 展 開 (1) ね ら い
個 人 の 権 利 は 秩 序 や 規 律 に よ っ て 守 ら れ て い る こ と を 理 解 し 、 こ れ を 守 ろ う と す る 態 度 を 育 て る 。 (2) 展 開
段 階 学 習 活 動 予 想 す る 生 徒 の 反 応 指 導 上 の 留 意 点 評 価
導 価 1 「 心 の ノ ー ト 」 を 使
入 値 い 、 「 き ま り 」 に つ ・ 「 き ま り が 窮 屈
の い て 考 え 、 発 表 し だ 」 と 思 う 意 見
方 合 う 。 が あ っ た 反 面 、
向 ・ 「 き ま り に つ い て 思 き ま り を 守 ら な
付 う こ と 」 の プ リ ン ト い 人 が い る こ と
7 け を 使 い 、 前 回 の 話 し に よ っ て 困 っ て
分 合 い の 流 れ を 想 起 す い る 人 が い る こ
る 。 と を 確 認 す る 。
・ 「 き ま り が な く な る ・ 社 会 が 成 り 立 た な く な る 。 ・ 全 体 も 個 人 も 困 ど う な る か 」 に つ い ・ 一 人 一 人 が 安 全 に 暮 ら せ な る こ と を 確 認 し
て 考 え る 。 く な る 。 価 値 の 方 向 付 け
・ こ の 資 料 で の 二 つ の ・ 救 助 す る 側 → 義 務 を す る 。 立 場 を 確 認 す る 。 ・ 救 助 さ れ る 側 → 権 利
展 価 2 資 料 を 読 み 、 内 容 に
開 値 つ い て 話 し 合 う 。 【 心 情 】
の ○ 「 も う 一 度 さ が し て ・ も し か し て 生 き て い る か も ・ 命 を 救 い た い と 危 険 を 承 知 で 追 み る 。 」 と 言 っ た 一 知 れ な い 。 い う 強 い 気 持 ち 救 助 に 向 か っ 求 人 の 隊 員 は ど ん な 気 ・ 自 分 も 危 な い け れ ど 、 な ん が 、 大 変 な リ ス た 隊 員 の 心 情 持 ち だ っ た か 。 と か し て 救 い た い 。 ク を 背 負 い な が に 気 づ く こ と ら も 救 助 す る と が で き た か 。 い う 行 動 を 起 こ (発 言 で 把 握 ) し た こ と に 気 づ
か せ た い 。
・ 挙 手 と 意 図 的 指
名 【 心 情 】
○ 自 分 用 の 着 替 え を 貸 ・ 自 分 の こ と は さ て お き 、 人 ・ 義 務 を は る か に 強 い 人 間 愛 、 し 与 え た 隊 員 は ど ん の た め に し て あ げ た い 。 越 え た 人 間 愛 を 生 命 尊 重 の 心 な 気 持 ち だ っ た か 。 ・ 自 分 も つ ら い が 、 も っ と 大 深 く 考 え さ せ た 情 に 気 づ く こ
変 な 状 況 に あ る 人 の た め に い 。 と が で き た か 。 貸 し た 。 ・ 挙 手 と 意 図 的 指 ( 発 言 で 把 握 )
名
【 判 断 力 】
○ 「 人 間 と し て 失 ・ 助 け ら れ て 当 然 だ と 思 っ て ・ 助 け ら れ る こ と 周 囲 の 善 意 や 格 」 と 言 っ て い る い る こ と 。 を 当 然 の 権 利 と 社 会 の き ま 筆 者 は ど う い う こ ・ 恩 を 感 じ ず に 、 返 っ て 失 礼 考 え て い る 遭 難 り 、 法 に 個 人 と に 対 し て 怒 り を な こ と を し て い る こ と 。 者 に 気 づ か せ 、 が 守 ら れ て い 感 じ て い る の か 。 ・ 自 分 の こ と し か 考 え ず 、 ど 周 囲 の 善 意 や 社 る こ と に 気 づ
れ だ け の 危 険 を 冒 し て 救 助 会 の き ま り 、 法 い た か 。 し た か な ど 考 え も し な い こ に 、 個 人 が 守 ら (発 言 で 把 握
と 。 れ て い る こ と や
・ 遭 難 者 は 救 助 さ れ て あ た り 周 り と の バ ラ ン ま え と い う 間 違 っ た 「 権 ス が 大 切 な こ と 利 」 を 盾 に 、 周 囲 に ど れ だ を 深 く 考 え さ せ け 守 ら れ て い る か を 考 え ず た い 。
に 行 動 し て い る こ と 。 ・ 挙 手 と 意 図 的 指 名
【 価 値 の 自 価 3 自 分 の 権 利 を 主 張 す ・ 自 分 の 権 利 ば か り 主 張 す る ・ 個 人 の 権 利 は 社 覚 】
値 る こ と は 大 事 だ が 、 の で は な く 、 周 り と の バ ラ 会 の 秩 序 や 善 意 自 分 を 振 り 返 の そ の 権 利 を 保 つ た め ン ス を 考 え て 行 動 す る と よ き ま り に よ っ て り 考 え を 深 め
自 に 自 分 と し て ど の よ い 。 守 ら れ て い る こ る こ と が で き
覚 う に 行 動 す れ ば よ い ・ 個 人 の 権 利 は き ま り に よ っ と に 気 づ か せ 、 た か 。 と 思 う か 。 て 守 ら れ て い る こ と を 考 え 秩 序 や き ま り を (発 言 と 振 り
な が ら 、 自 分 も 暮 ら し や す 守 ろ う と す る 態 返 り カ ー ド で い 社 会 や 学 校 を 作 る 一 員 だ 度 を 引 き 出 し た 把 握 )
と い う 自 覚 を 持 っ て 行 動 す い 。
38 る 。 ・ 挙 手 と 意 図 的 指
分 名
終 ま 4 本 時 の ま と め を す る ・ 教 師 の 説 話 で ま
末 と と め る 。
5 め
分