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相対論と量子論の統合への道 清水哲男(

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Academic year: 2021

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相対論と量子論の統合への道

清水哲男(Tetsuo Shimizu)

相対論と量子論は,ミクロコスモスからマクロコスモスに至る全自然の全階層におい て成立する普遍法則であり,量子電磁気学いわゆる相対論的量子場の理論の成立によ って統合されたかに見えたが,そこには本質な困難,いわゆる「発散の困難」が潜ん でいる.朝永-Schwinger-Feynmanらの「くりこみ理論」によって多くの物理量が計 算可能となりこの困難は一応克服されたかに見えるが,しかし無限大の「裸の」質量 や「裸の」無限大の電荷が自然界に「実在する」はずもないことから本質的な解決に はなっていない,という意見は,その創設者の一人である P.A.M. Dirac(1902-1984) からも表明されてきた.他方筆者によって「自乗するとそれぞれミンコフスキー計量 (Minkowski metric)およびダランベール演算子(d’Alembertian)になるような(1,0)次 微分ベクトル場および(0,1)次微分形式の存在」が見出された.それを明に書けば,

   

   

 

 

2 2 2 2 2 2

4 4

2 2 2 2 2 2

4 4

2 2 2 2 2

2 2 2 2

1 1 1 1 ,

1 1 1 1 ,

, ,

t s t s

t t s s t t s s t x y z

s x y x s x y z

d dt ds d dt ds dt dx dy dz

ds i dx j dy k dz ds dx dy dz dr

i j k

                  

       

                 

である.

1,1 ,1 ,1 ; , , ,s t st i j k

または,1, ,   i  j k, ; , , ,i j kと表記される(ここで , 2  1

は,全ての要素と可換な,いわば「普遍虚数単位」とでもいえるものであり,i j k, , 混同しないように) 「奇妙な数学的形式」であるこの 8 元代数システム,の出所をよ くよく探究してみれば,Hamilton4元数(quarternion) の発展形であるところの多 4元数(multiple quarternion)および複素(complex quarternion)に帰着し,それらを 統合した「多重・重複」4 元数に相当するものであり,それはまたクリフォード代数

(Clifford algebra)システムの一種でもあった.この 8 元代数システムの反対称

(anti-symmetric)交換子積および対称(symmetric)交換子積は,以下の通り定義できる.

     

     

     

, 2 , , 2 , , 2 ; , 0 , , ,

1 ,1s t 2 1 , 1 ,1st t st 2 1 , 1 ,1s st s 2 1 1 ,1t s t 0 1 ,1t st 1 ,1 ,st s i j ij ji k j k i k i j i j ij ji j k k i

      

 

さらに,(1,0)次微分ベクトル場

   t; x, y, z

および(0,1)次微分形式dt dx dy dz; , ,は,

  

 

, , , 0, , 0 , , ,

l l m

x dxm lm x x dx dxl m xl t x y z

 

という反対称交換子積(量子力学的正準交換関係)によって,(無限次元)テンソル代数シ ステム(Lie代数)を構成し,その8元代数システムとの接合積(joint product)を,

(2)

1 , 1 , 1 , 1 ;

1 , 1 , 1 , 1 ,

t t t x s x y s y z s z

t t x s y s z s

X X i X j X k

dt i dx j dy k dz

   

によって定義すると,これら諸要素は,反対称子積および対称子積によって(無限次 元)8元テンソル代数システム(8-fold tensor algebra)を形成することができ,それらか ら構成される諸要素と,それらが満たす交換関係の一部をあげれば,たとえば,

       

   

 

 

   

 

 

 

, 1, , 1 , , , , 2 2 , ,

, 2 , , 0 , , , ,

, 2 2 , , 2 2 , , 2 2 , ,

, 0 , , , ; , ,

t t x x y y z z t x tx t x

t t t t t t t t x t y t z

t x tx t x t y ty t y t z tz t z

t x t y t z xy yx yz z

X X X X X Z X

X S X X X X X

X X X X X X X X X X X X X X X

X X X X X X Z Z Z Z

   

  



    y 

Zzx,Zxz

0, 等々,そこに真空運動解が存在し,ローレンツ変換に対して反変的(contravariant)あ るいは共変的(covariant)なd4   t x yzあるいは 4 Xt Xx Xy Xzが,

構成可能であることが判明した.さらにこれらの演算子の,反対称子交換積および対 称交換子積を計算してみると,

4, 4

, 2

1 1 2

,

, ,

t x y z t x y z st

x y x x y z

d X X X X N M

N iN jN kN M iM jM kM

   

 

 

   

4 4 4

,

2 , , 2 ,

2 , 2 , 2 2 ,

t x y z t x y z t x y y

t t t t t x x x x x y y y y y z z z z z

n d X X X X S S S S

S X X S X X S X X S X X

   

 

を得る.要素

N N N M M Mx, y, z; x, y, z

は,ローレンツ変換群(Lorentz transformation

group)のリー 代数(環, Lie algebra)であり,以下のような交換関係を満たしている.

 

 

 

, , , , , ;

, , , , , ;

, , , , , ;

x y z y z x z x y

x y z y z x z x y

x y z y z x z x y

N N M N N M N N M

M M M M M M M M M

M N N M N N M N N

すなわち,8 元テンソル代数システムの諸要素は,相対論的な諸運動や諸相互作用を

「行う」ところの運動体が自然において「存在する」その様子を忠実に「再現する」

ことができる.また,8 元テンソル代数システムは,その構成法からして,数学的な

「(特異)点」を導入することに起因する「発散の困難」からは全く無縁であり,しかも,

量子力学的正準交換関係を自動的に満たしており,量子論と全く無矛盾である.した がって,わが8元テンソル代数システムは,相対論と量子論との,自然学的に無矛盾 な統合への道を切り拓くべき有力なオルガノンとしての資格を有する,と思われ,そ の諸構成要素の満たすべき諸関係について,詳細な解析を実施しているところである.

講演においては,解析の諸結果を報告し,その自然学的解釈を併せて発表する.

参照

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