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中国における親の所得と民営大学学生の 進学理由の関係

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(1)

要 旨

本稿は,中国における民営大学学生の進学理由と彼らの親の所得の間にどのような関係が あるかについて,分析を試みた。中国の民営大学の登場は改革開放後の僅か30数年で,量的 な拡大は非常に著しい。しかし,質的な面はどのようになっているのかに関して,研究はま だ非常に少数である。そこで,筆者は民営大学の質保証を中心に研究に着手した。本稿にお ける分析はその一部である。

本稿は,全般的に民営大学学生の進学理由と親の所得を見るのではなく,民営大学の種別 により,民営本科大学,独立学院,民営専科大学の三種類の民営大学の間にどのような差異 があるのかに関しても分析する。事例は山東省の3件の民営大学である。分析結果から,以 下3点が導き出された。

第一に,大学受験に失敗した学生は仕方なく,本科学位を獲得するため,親の金銭的負担 が大きい独立学院に進学する。また,これら学生の一部は志願の国家調整により,独立学院 に進学した。特に,父月収中層,母月収上層の学生は,志願の国家調整に従い,大学に入学 した者が多い。

第二に,民営本科大学と民営専科大学の学生の父親は学生の進学において,月収が増えれ ば増えるほどその学生に多くの進学情報を提供している。また,母親の月収に注目すると,

特に独立学院に進学した学生にとって,月収は多い母親は子供に進学情報の提供が多い傾向 が見られる。

第三に,民営本科大学と民営専科大学と比べ,独立学院の学生進学に与える親の収入影響 の方が多様である。「大学の名称」,「学生募集の担当者に説得された」,「大学所在の町が好き,

卒業後ここで住みたい」などだ。

キーワード:民営大学,学生意識調査,中国高等教育,独立学院,進学理由,親の所得

はじめに

文化大革命が終結後,中国の高等教育は量的な拡大を遂げてきた。2003年の高等教育の就学率

が17%に達した事実により,中国の高等教育はエリート段階からマス段階へ移行したと言えよう1

中国における親の所得と民営大学学生の 進学理由の関係

邵  姜魏

(2)

経済が成長している中国は,人材の需要が高まっている。民営大学の登場は公立大学のみで人材 養成の問題を緩和した2。また,1999年より始まった大学入学者数募集拡大の動きは,これまで伝 統的な国立大学のみで増加した分に留まらず,民営大学の登場と合わせて,それに応じる役割を果 たしていた。とはいえ,量的な拡大が生じる民営大学に対し,質担保はどのようになっているの かについて,触れられた先行研究は少ない。ここで言及する「質担保」は,「質保証」と換言する こともできる。これまで教育機関の「質保証」において,「内部評価」と「外部評価」二つの側面 で見ることは一般的である。筆者は民営大学の「質保証」を検討する際に,「学生の質」,「教員の 質」,「教育の質」の三つの側面という枠組みを想定していた3。「学生の質」,「教員の質」は文字通 り,民営大学に在学している学生あるいは所属している教員はどのような資質を持っているのかを 指す。「教育の質」には,大きく二つの指標が含まれている。一つは大学・教員側がどのようなカ リキュラムを提供しているのか,もう一つは学生がこれらのカリキュラムに関して,どの程度に到 達しているのかを指す。これらの指標により,民営大学の「質保証」に対して,教員側と学生側二 つ立場に分けることができ,その実質を把握しやすい。つまり,教員側の見方はマクロ的に学校の カリキュラム,授業運営などを反映することができ,学生側の認識・意識はミクロ的に学校の施設,

生活環境などを示される。ただし,本稿は学生側の進学理由の視点から,親の所得との関係を検討 する。

民営大学を扱う先行研究に関しては,数多くの文献が見られる。夏(2002)は民営大学の発展と 政府の政策をめぐって歴史的な変遷をまとめた。苗(2011)は独立学院の発展に関して,理論と実 践の結合を重視する側面から分析を行った。胡,何,朱(2010)は民営大学の創設体制に関して,

多元化の教育的なニーズの角度から民営大学の創設とマネジメントを論じた。董(2010)は民営大 学の法人・マネジメントに関して分析した。また,陸(2012)は三亜学院を事例をとして,民営大 学の発展史をまとめた。張,劉(2011)は民営大学の経営方法を中心に,経営事例を取り入れなが ら,マネジメントに関して包括的にまとめた。李(2012)は民営大学のマネジメントにおけるリス クに関して,理論と実践的に論じた。呉(2013)は民営教育の発展報告を政府の分データを中心に まとめた。同様に,周,鐘(2013)は民営教育の官報データをまとめ,改革開放30年余りの民営 大学の発展をまとめた。南部(2011)は中国におけるトランスナショナル高等教育に関して,内外 協力による大学運営でその現状を明らかにした。日本語の文献に関しては,鮑(2006)が学生のア ンケート調査を行い,学力水準,進学パターン,出身階層などにより中国の社会ニーズのメカニズ ムで民営大学の働きを明らかにした。以上の知見は多角的に民営大学に検討したが,これらの先行 研究はいずれも民営大学の創設史,民営大学の内部の運営管理など歴史的,行政的なものを取り 扱っており,民営大学の質保証,民営大学の学生意識などは言及していない。さらに,民営大学の 学生意識に言及する論説は筆者の研究を除いて,管見の限り,邵(2014)は独立学院4の学生意識 を分析することにより,「国立大学に進学失敗した学生は本科学位を獲得するため,独立学院に進 学する」ことを明確にした。しかし,親の所得に関して言及されていない。また,邵(2015a)は

(3)

民営専科大学の学生生活を分析することにより,アルバイトの有無は学生の授業参加・生活などに 影響していることを確認した。さらに,邵(2015b)は独立学院の学生生活に関して,ジェンダー,

都市規模と大学入試合格ラインの到達度3つの変数をもち,学生の間における差異を分析した。こ れらの研究は学生生活を中心に検討しており,進学理由,親の所得にはいずれも言及していない。

前述のように,経済発展している中国では,高等教育はますます拡大している。そして,民営大 学は大学入学者数募集拡大の分を担っている。中国統計局のデータによると,2014年中国国民の 平均年収は甘粛省が最も低く,2万元以上であった5。民営大学に進学した学生はどのような経済 背景になのか,その背景は彼らの進学にどのような影響を与えているのか。いわば,民営大学に進 学した学生の親の年収・月収はどれ程なのか。この経済的な要素が,民営大学学生の進学理由との 間にどのような関連をもっているのか。これらの疑問を明らかにすることが本稿の目的である。

本研究は三つの部分で構成されている。1章では,本研究に扱っている調査対象校に関して概観 する。2章では,本研究に使用するデータを説明する。3章では,本論となる部分を中心に展開す る。3章は2節からなる。3–1は,全体で大学種別による学生の進学理由の差異を比較する。3–2は,

大学種類の変数をもち,学生の進学理由の項目を1項ずつに検討することにより,親の所得と民営 大学生の進学理由の関係を明らかにする。そして,4章で,本研究の内容をまとめる。

1 調査対象校の概要

民営大学は大きく独立学院,民営本科大学と民営専科大学3つの種類に分けられる。本研究で分 析する3つの調査対象大学は,この分類基準に従い,各種1校ずつの代表校を選択した。代表校の 全体枠は山東省省内の民営大学に当たる。

中国民営高等教育サイトによると,2015年5月までには,山東省にある民営大学は,民営本科 大学が8校6,独立学院が12校7,民営専科大学が17校8,計37校ある。そのうち,多数の民営大 学は山東省政府所在地の済南市あるいは沿海名城青島市に集中している。筆者は修士課程で青島市 の民営大学を事例として,アンケート調査を実施した。そのため,本研究に扱う民営大学の3件は すべて済南市にある民営大学より選出した。済南市を取り上げる理由としては,2つの理由がある。

一つ目は済南市の特殊性である。前述のように,済南市は山東省政府の所在地であり,山東省にお ける民営大学の施策・政策の実施はより恵まれている都市である。二つ目は済南市の民営大学の発 展レベルによる。済南市は山東省に民営大学の発展が著しい一つの地域として取り上げられ,民営 本科,民営専科と独立学院の数はより多くて,バランスを取りながら発展している。また,本稿に 取り上げる3件の民営大学の名称は,それぞれ山東師範大学歴山学院(独立学院),山東協和学院

(民営本科)と山東外事翻訳職業学院(民営専科)である。各民営大学に関する基本情報の概要は 以下になる。

山東師範大学歴山学院9は中国教育部と山東省人民政府の許可で設立された独立学院である。こ の大学は母体山東師範大学の教育資源と教師陣に依頼し,社会に応じる人材を養成している。現在

(4)

ではメディア学,国際貿易,応用心理学,生物技術など16個の本科専門と漢文文学,英語,コン ピュータと技術,数学と応用数学,4つの専科専門が設置されている。

山東協和学院10は1993年に創設された民営本科大学である。当初,山東省教育庁の許可で,済 南協和職業技術学院が設立された。その後,2004年には,山東省人民政府の承認で,「山東協和職 業技術学院」に改名した。さらに,2011年には教育部の審査を通過し,新たに「山東協和学院」

という名称となった。この大学は医学院,看護学院をもつことは特徴である。また,経済マネジメ ント学院,建築学院,外国語学院など多様な学科が設置されている。

山東外事翻訳職業学院11は1999年に創設された民営専科大学である。現在では,外国語学院,

経済マネジメント学院,国際商学院,継続教育学院,国際交流学院などにより構成されている。現 在の在校生は7,500人以上であり,専任教師は589人がいる。

上述の3件の民営大学は発展が著しく,政府の評価や,人民の口コミの評価が高いに良い大学で ある。これらの民営大学を選択した理由は,上記の基本的に民営大学の属性による点はもちろん,

師範系,医療系,翻訳系など多様な特色をもつ民営大学を分析することによって,総体的な結果が 導かれると考えるためである。

2 本研究に使用するデータの説明

前章で紹介した3校の民営大学を中心に,筆者は在校生に対して民営大学の発展に対してどのよ うに認識しているのかについて,アンケート調査を行った。アンケートは2014年10月末から11 月の頭までの期間で行い,筆者が調査対象校に赴いて直接に配布・回収した。そのため,配布344 通に対し,回収率は100%である。しかし,データ入力の段階で,15通が無効であったため,全体 の有効回答率は95.7%となった。(うちには山東師範大学歴山学院110通,山東協和学院122通,

山東外事翻訳職業学院107通,計333通である)

また,本稿に使用したデータは,筆者は作成した調査票「民営大学に関する学生意識調査」の問 11と問13による。問11は親の月収に関する質問で,これに対して「1,500元以下」,「1,501〜3,000 元」,「3,001〜6,000元」,「6,001〜10,000元」,「10,001〜15,000元」と「15,001元以上」6つの選 択肢を設けた。また,問13では学生が民営大学に進学した理由に関して聞いた。問13の選択肢に ついては,進学理由として,A〜Mの13項目を設定し,各項目に対して,「1.全く当てはまらない」,

「2.あまり当てはまらない」,「3.やや当てはまる」と「4.かなり当てはまる」の4件法で実施し た。また,民営大学の属性となりの独立学院,民営本科大学,民営専科大学という三つの種類も分 析における一つの重要な変数となる。この変数を取り上げる理由は,属性別で民営大学に進学した 理由は親の収入とどのような関係,あるいは差異をもつかを検証したいためである。

3章 以 降 で は, こ れ ら の デ ー タ を 利 用 し, 図 表 を 作 成 す る。 デ ー タ の 分 析 はIBM SPSS

Statistics22を利用して,クロス表を出力した。出力されたデータを分析し,図表を作成した。

(5)

3 内容の解釈・分析

本章は二つの部分により構成されている。まず,3–1では大学種別で学生の進学理由を比較する。

そして,3–2では学生の進学理由の項目を1項ずつ取り上げ,親の月収とどのような関係を有する かについて,大学の種類によって比較する。

2章で述べたように,民営大学に進学した理由をA〜Mの13項目を設定している。その詳細は,

「A友人,親戚の勧め」,「B大学受験失敗で,仕方なく」,「C学びたい専門分野がある」,「D大学 卒業後の就職がいい」,「E家から近く通学便利」,「F大学所在地の町が好き,卒業後ここで住みた い」,「G親が希望し,様々な手続きをした」,「H大学の名称」,「I目的特になし,卒業証書がもら えるから」,「J学生募集の担当者に説得された」,「K大学に好きな教師がいる」,「L志願の国家調整」

と「M同出身高校の先輩がいる」の13項目となっている。各項目に対し,「全く当てはまらない」,

「あまり当てはまらない」,「やや当てはまる」と「かなり当てはまる」4段評価で分析を行うが,デー タ解釈では,「全く当てはまらない」と「あまり当てはまらない」を「当てはまらない」に,「やや 当てはまる」と「かなり当てはまる」を「当てはまる」という2段評価の解説もある。

3–1 大学種別による学生進学理由の差異

図表1は大学種別による学生進学理由の差異を示している。多数の項目において,大学種別によ る学生進学理由は有意差がみられる。各項目の詳細に関する分析は次のようになる。

まず,「C学びたい専門分野がある」項目に関しては,民営専科大学学生の6割以上は「やや当 てはまる」以上の項目を選択した。一方,民営本科大学学生の4割弱は「やや当てはまる」あるい は「かなり当てはまる」を選択した。また,同項目の独立学院学生も「やや当てはまる」あるいは

「かなり当てはまる」を5割以上に選択した。「学びたい専門分野がある」が学生進学に与える影響 は民営専科>独立学院>民営本科の傾向となっている。

続いで,「B大学受験失敗で,仕方なく」項目では,多数の学生は「やや当てはまる」あるいは「か なり当てはまる」の選択肢を選んだ。そのうち,特に民営本科大学学生は6割以上にこの理由で進 学した。この項目により,一つのことは確実に言える。学生は大学入試で失敗していても,高等教 育を受ける願望があるため,仕方なく民営大学に進学している。

また,項目「A友人,親戚の勧め」では,全体およそ3割の学生は「やや当てはまる」もしくは

「かなり当てはまる」を選択した。大学種別で学生進学理由の有意差が項目Aにおいてそれほど強 くない。一方,項目「E家から近く通学便利」項目に関しては大学種別において顕著な有意差がみ られる。独立学院学生の4割以上は「家から近く通学便利」という理由で独立学院に進学したが,

民営本科大学,民営専科大学の学生はいずれも2割前後この項目を選択した。

また,「L志願の国家調整」項目では,全体が「当てはまらない」傾向とみられるが,「当てはまる」

の割合を見れば,「志願の国家調整」の理由で独立学院に進学した学生は10%「かなり当てはまる」

(6)

図表1 大学種別による学生の進学理由の差異

75.7 65.5 34.5

65.2 62.9 53.6 46.7

50.0 38.2

57.0 69.0 29.1

24.3 33.6 19.1 13.1

25.0 16.4

21.5 4.3

15.5 38.3

39.7 19.1

22.4 25.9 40.0

25.2 25.0 30.9 41.1

41.4 31.8

17.8 19.0 26.4

52.3 50.9 60.0 22.4

37.9 28.2

23.4 32.8

28.2

34.6 28.4 40.0

0.9 6.9 24.5

10.3 7.5 13.6

11.2 7.8 20.0

15.9 10.3 37.3

19.6 13.8 19.1 45.8

31.9 46.4 39.3 37.9

38.2

22.4 28.4 32.7

0.9 1.7 0.9 0.9 1.7 1.8 0.9 0.9 10.0 9.3 1.7 7.3 3.7 1.7 1.8 18.7

5.2 9.1 15.9

25.0 18.2 4.7

3.4 8.2

0% 20% 40% 60% 80% 100%

民営専科 民営本科 独立学院 H大学の名称***

民営専科 民営本科 独立学院 手続きをしたn.s.

G親が希望し、様々な 民営専科 民営本科 独立学院 卒業後ここで住みたい***

F大学所在地の町が好き、

民営専科 民営本科 独立学院 E家から近く通学便利***

民営専科 民営本科 独立学院 D大学卒業後の就職がいいn.s.

民営専科 民営本科 独立学院 C学びたい専門分野がある***

民営専科 民営本科 独立学院 B大学受験失敗で、仕方なく**

民営専科 民営本科 独立学院 A友人、親戚の勧め*

(7)

を選択した人は10%もいる。邵(2014)により,大学入試に失敗した学生は仕方なく,本科学位 を獲得するため,お金を多く払っても,独立学院に進学したことが分かった。ここでの10%の「志 願の国家調整」結果は,さらにその結論を深める。いわば,大学入試段階で普段より良い成績をと れなかった学生は入学志願を記入するとき,大学・学部記入欄の下にある「専門の自動調整」枠に チェックを入れた。これにより,希望大学に志願失敗した時,「志願の国家調整」により,独立学 院に自動的にエントリーされ,結局進学先は独立学院に進学した学生も少なくない。

項目「J学生募集の担当者に説得された」に関して,三種類の大学において顕著な有意差がみら れる。「L志願の国家調整」項目では独立学院は明らかにほかの2種類の大学より選択者が多いが,

J項目では,逆な傾向がみられる。いわば,民営本科大学と民営専科大学の入学者の一部は学生募 集時に,担当者が学生を説得した結果である。特に,民営本科大学は15.5%の学生はこの理由が「か なり当てはまる」と示した。

さらに,項目「H大学の名称」で入学した学生も大学種別により有意差がみられる。独立大学は

***

p

< .001 **

p

< .01 *

p

< .05 83.2

73.3 57.3

69.2 62.1 44.5

87.9 83.6 55.5

59.8 35.3 73.6

67.3 53.4 58.2

12.1 15.5 32.7

15.9 15.5 21.8

11.2 16.4 33.6

23.4

28.4 24.5

21.5 31.0 36.4

10.3 7.3 1.9 13.1 18.1 23.6 0.0

0.0 10.9 20.7 8.4

0.9 15.5 7.5

4.5

0.9 2.8 2.7 4.3 1.9 10.0 0.9 0.0 0.0 15.5 8.4 0.9

3.7 0.9 0.0

0% 20% 40% 60% 80% 100%

民営専科 民営本科 独立学院 がいる***

M 同出身高校の先輩 民営専科 民営本科 独立学院 L 志願の国家調整**

民営専科 民営本科 独立学院 教師がいる***

K この大学に好きな 民営専科 民営本科 独立学院 説得された***

J 学生募集の担当者に 民営専科 民営本科 独立学院 証書がもらえるからI目的特になし、卒業**

全く当てはまらない あまり当てはまらない やや当てはまる かなり当てはまる

(8)

民営本科大学と民営専科大学と比べ,圧倒的にその傾向は顕著である。山東師範大学は国立大学で あり,山東師範大学歴山学院は母体の施設,教師陣に強く依存してきるため,大学の名称で国立大 学と判断する学生も少なくない。これは,発展がまだ短い民営本科大学と民営専科大学より当然に 知名度が高い。

「D大学卒業後の就職がいい」と「G親が希望し,様々な手続きをした」二つの項目に関して,

大学種別でそれほどの有意差が見られていない。両項目は全部「当てはまらない」を選択した学生 は多い傾向と見られる。

以上,大学種別による学生の進学理由の差異を検証した。学生の進学理由は大学の種類により,

さまざまな傾向がみられる。大学進学に当たる経済的な要因はどれほど働いているのかに関して,

次の節では親の所得と学生の進学理由の関係を項目別に見ていく。

32 項目別でみる親の月収と学生の進学理由の関係

本節は,項目別で親の所得と学生の進学理由の関係を検証していく。2章で述べたように,親 の月収のデータに関しては,「1,500元以下」,「1,501〜3,000元」,「3,001〜6,000元」,「6,001〜 10,000元」,「10,001〜15,000元」と「15,001元以上」6つ範囲を設定したが,実際データ結果を処 理する際には,6枠で全体の分布が見られないため,各枠を拡大あるいは合併により,親の収入分 布の傾向を示す。未記入のデータは新たな枠分けに含まない。前節に述べたように,本節の分析 データは4件法で示しているが,解釈段階では「当てはまる」と「当てはまらない」2件法で説明 する場合もある。

新たな枠分け基準に関しては,父の月収と母の月収を各3枠に分ける。詳細あるいは各枠に当た る人数は以下になる。

父の月収:「0〜3,000元」(163人),「3,001〜10,000元」(109人),「10,001元以上」(99人)

母の月収:「0〜1,500元」(147人),「1,501〜3,000元」(97人),「3,001元以上」(77人)

まずは項目「A友人,親戚の勧め」と親の所得の関係を分析する。

(9)

図表2により,父月収「0〜3,000元」と「10,001元以上」では大学種類別に有意差がみられる。「や や当てはまる」と「かなり当てはまる」を合計でみれば,民営本科大学と民営専科大学の父親は学 生に進学において,月収が増えれば増えるほどその学生に多くの進学情報を提供している。

母の月収において,「1,501〜3,000元」の枠において,大学種別で有意差が見られる。その傾向 は独立学院>民営本科>民営専科となっている。同様に,母の月収でみれば,特に独立学院に進学 した学生にとって,月収は多い母親は子供に進学情報の提供が多い傾向が見られる。

*

p

< .05 40.0

20.0 12.5

41.4 50.0 14.7

38.1 36.9 27.5

47.4 25.0 27.8

34.2 18.5 15.9

38.6 48.0 18.2

30.0 40.0 37.5

27.6 17.6 41.2

38.1 32.3 42.5

15.8 25.0 61.1

34.2 37.0 36.4

40.9 26.7 36.4

23.3 40.0 37.5

27.6 26.5 38.2

21.4 27.7 22.5 31.6 50.0

5.6 23.7 37.0 36.4

20.5 22.7 38.6

6.7 0.0 12.5 3.4 5.9 5.9 2.4 3.1 7.5 5.3 0.0 5.6 7.9 7.4 11.4 0.0 2.7 6.8

0% 20% 40% 60% 80% 100%

民営専科(30人)

民営本科(15人)

独立学院(32人)

母月収3001元以上(77人)n.s.

民営専科(29人)

民営本科(34人)

独立学院(34人)

母月収1501~3000元(97人)* 民営専科(42人)

民営本科(65人)

独立学院(40人)

母月収0~1500元(147人)n.s.

民営専科(19人)

民営本科(12人)

独立学院(18人)

父月収10001元以上(49人)* 民営専科(38人)

民営本科(27人)

独立学院(44人)

父月収3001~10000元(109人)n.s.

民営専科(44人)

民営本科(75人)

独立学院(44人)

父月収0~3000元(163人)*

全く当てはまらない あまり当てはまらない やや当てはまる かなり当てはまる

図表2 大学種類でみる親の所得と進学理由の関係(A友人,親戚の勧め)

(10)

図表3は「B大学受験失敗で,仕方なく」項目の検討において,父月収「0〜3,000元」,母月収

「0〜1,500元」2つの枠に有意差が見られる。全体を見れば,特に独立学院に進学する学生は父親

の月収が多ければ多いほど,その関連性が大きい。同様に母の月収の増加に伴い,学生は独立進学 する影響が大きいと見られる。いわば,親双方の所得が安定にしていたら,学費が高い独立学院で あっても,親はそれを支払い,学生を入学させている。また,民営本科大学の父母は所得の多少と 関係なく,学生の民営本科大学進学に応援している。学歴インフレの社会において,より良い職を 得,より良い生活を送るため,親はできる限り子供を「本科」学位を確保しようと努めている。

図表3 大学種類でみる親の所得と進学理由の関係(B大学受験失敗で,仕方なく)

**

p

< .01 †

p

< .1 23.3

6.7 15.6 10.3 5.9

11.8 28.6 3.1

20.0 21.1 0.0

16.7 15.8 3.7

13.6 22.7 5.3

18.2

20.0 33.3

18.8 34.5 25.6

29.4 21.4 35.4

35.0 26.3 41.7

22.2 23.7 29.6

27.3 25.0 32.0

31.8

36.7 40.0

53.1 41.4 38.2

44.1 35.7 38.5

22.5 26.3 25.0 27.8

42.1 44.4

47.7 43.2 38.7

34.1

20.0 20.0 12.5 13.8 29.4 14.7 14.3 23.1 22.5 26.3 33.3 33.3 18.4 22.2 11.4 9.1 24.0 15.9

0% 20% 40% 60% 80% 100%

民営専科(30人)

民営本科(15人)

独立学院(32人)

母月収3001元以上(77人)n.s.

民営専科(29人)

民営本科(34人)

独立学院(34人)

母月収1501~3000元(97人)n.s.

民営専科(42人)

民営本科(65人)

独立学院(40人)

母月収0~1500元(147人)**

民営専科(19人)

民営本科(12人)

独立学院(18人)

父月収10001元以上(49人)n.s.

民営専科(38人)

民営本科(27人)

独立学院(44人)

父月収3001~10000元(109人)n.s.

民営専科(44人)

民営本科(75人)

独立学院(44人)

父月収0~3000元(163人)†

全く当てはまらない あまり当てはまらない やや当てはまる かなり当てはまる **

p

< .01 †

p

< .1 23.3

6.7 15.6 10.3 5.9

11.8 28.6 3.1

20.0 21.1 0.0

16.7 15.8 3.7

13.6 22.7 5.3

18.2

20.0 33.3

18.8 34.5 25.6

29.4 21.4 35.4

35.0 26.3 41.7

22.2 23.7 29.6

27.3 25.0 32.0

31.8

36.7 40.0

53.1 41.4 38.2

44.1 35.7 38.5

22.5 26.3 25.0 27.8

42.1 44.4

47.7 43.2 38.7

34.1

20.0 20.0 12.5 13.8 29.4 14.7 14.3 23.1 22.5 26.3 33.3 33.3 18.4 22.2 11.4 9.1 24.0 15.9

0% 20% 40% 60% 80% 100%

民営専科(30人)

民営本科(15人)

独立学院(32人)

母月収3001元以上(77人)n.s.

民営専科(29人)

民営本科(34人)

独立学院(34人)

母月収1501~3000元(97人)n.s.

民営専科(42人)

民営本科(65人)

独立学院(40人)

母月収0~1500元(147人)**

民営専科(19人)

民営本科(12人)

独立学院(18人)

父月収10001元以上(49人)n.s.

民営専科(38人)

民営本科(27人)

独立学院(44人)

父月収3001~10000元(109人)n.s.

民営専科(44人)

民営本科(75人)

独立学院(44人)

父月収0~3000元(163人)†

全く当てはまらない あまり当てはまらない やや当てはまる かなり当てはまる

(11)

図表4は「C学びたい専門分野がある」と親の所得の関係を示すものである。父月収「10,001元 以上」,母月収「1,501〜3,000元」2つの枠を除き,残りすべての枠は大学種類で有意差が見られる。

独立学院と民営専科の学生は父の月収が多ければ多いほど,学びたい専門分野に進学した学生が多 い。同様に,母月収の増加に伴っても,独立学院と民営専科大学の学生は似た傾向がみられる。一 方,民営本科大学の学生は父母の月収とあまり関連が見られず,安定的な水準で好きな専門に進学 する傾向が読める。

図表4 大学種類でみる親の所得と進学理由の関係(C学びたい専門分野がある)

**

p

< .01 *

p

< .05 †

p

< .1 10.0

33.3 25.0 13.8

23.5 11.8

16.7 24.6 15.0 15.8 16.7

27.8 10.5

33.3 15.9 15.9 24.0 13.6

13.3

40.0 15.6

34.5 44.1 38.2 23.8

33.8 27.5 15.8

16.7 16.7 18.4

40.7 27.3

31.8 40.0 31.8

60.0

26.7 50.0

37.9 20.6 41.2 35.7

38.5 47.5 52.6

50.0 27.8 55.3

14.8 50.0 31.8

34.7 50.0

16.7 0.0 9.4 13.8 11.8 8.8 23.8 3.1 10.0 15.8 16.7 27.8 15.8 11.1 6.8 20.5

1.3 4.5

0% 20% 40% 60% 80% 100%

民営専科(30人)

民営本科(15人)

独立学院(32人)

母月収3001元以上(77人)† 民営専科(29人)

民営本科(34人)

独立学院(34人)

母月収1501~3000元(97人)n.s.

民営専科(42人)

民営本科(65人)

独立学院(40人)

母月収0~1500元(147人)* 民営専科(19人)

民営本科(12人)

独立学院(18人)

父月収10001元以上(49人) n.s.

民営専科(38人)

民営本科(27人)

独立学院(44人)

父月収3001~10000元(109人)* 民営専科(44人)

民営本科(75人)

独立学院(44人)

父月収0~3000元(163人)**

全く当てはまらない あまり当てはまらない やや当てはまる かなり当てはまる

(12)

図表5では,「D大学卒業後の就職がいい」は親の所得の関係を大学種別で有意差が見られない。

しかも,全体的には,この理由で進学した学生はそれほど多くない。割合でみれば,母月収の増加 に伴い,就職の良さで大学に進学した民営専科大学の学生は増えている。父月収の増加に伴い,就 職の良さの理由で独立学院に進学した学生は増える。民営専科大学は社会・経済に応じて専門設置 が多いため,本当に技能を身に着け,就職する学生はいる。割合が低い全体において,親の月収の 増加に伴い,学生の就職意識で大学に進学する傾向が強くなっていく。

図表5 大学種類でみる親の所得と進学理由の関係(D大学卒業後の就職がいい)

33.3 26.7

31.3 20.7

38.2 17.6

21.4 30.8 12.5

21.1 25.0 22.2

28.9 33.3 22.7

25.0 33.3 15.9

50.0 60.0 46.9 44.8

44.1 58.8

54.8 53.8 67.5

63.2 66.7 44.4

42.1 40.7

63.6 54.5

53.3 59.1

10.0 6.7 18.8 31.0

14.7 20.6 21.4

15.4 20.0

15.8 0.0 22.2

18.4 22.2

13.6 20.5

13.3 25.0

6.7 6.7 3.1 3.4 2.9 2.9 2.4 0.0 0.0

0.0 8.3 11.1 10.5 3.7 0.0 0.0 0.0 0.0

0% 20% 40% 60% 80% 100%

民営専科(30人)

民営本科(15人)

独立学院(32人)

母月収3001元以上(77人)n.s.

民営専科(29人)

民営本科(34人)

独立学院(34人)

母月収1501~3000元(97人)n.s.

民営専科(42人)

民営本科(65人)

独立学院(40人)

母月収0~1500元(147人)n.s.

民営専科(19人)

民営本科(12人)

独立学院(18人)

父月収10001元以上(49人)n.s.

民営専科(38人)

民営本科(27人)

独立学院(44人)

父月収3001~10000元(109人) n.s.

民営専科(44人)

民営本科(75人)

独立学院(44人)

父月収0~3000元(163人) n.s.

全く当てはまらない あまり当てはまらない やや当てはまる かなり当てはまる

(13)

図表6では,「E家から近く通学便利」は親の所得の関係において,すべての枠は有意差が見ら れる。「当てはまる」頻度で見れば,父収入の増加に伴い,「E家から近く通学便利」は学生の進学 に与える影響が弱まっていく。一方,母月収の増加に伴い,その影響は逆の傾向がみられる。特に 民営本科と民営専科において,母月収の増加に伴い,「家から近く通学便利」という理由は働けな くなる。

図表6 大学種類でみる親の所得と進学理由の関係(E家から近く通学便利)

**

p

< .01 *

p

< .05 †

p

< .1 53.3

60.0 15.6

55.2 64.7 20.6

64.3 72.3 45.0

68.4 83.3 22.2

55.3 44.4 22.7

56.8 74.7 36.4

23.3 13.3 31.3

13.8 20.6 26.5

16.7 20.0 22.5

10.5

16.7 38.9

21.1 29.6 31.8

20.5 16.0 15.9

13.3 20.0 40.6

20.7 14.7 44.1

9.5 6.2 30.0 5.3

0.0 27.8

15.8 22.2 38.6

13.6 8.0 40.9

10.0 6.7 12.5 10.3 0.0 8.8 9.5 1.5 2.5 15.8 0.0 11.1 7.9 3.7 6.8 9.1 1.3 6.8

0% 20% 40% 60% 80% 100%

民営専科(30人)

民営本科(15人)

独立学院(32人)

母月収3001元以上(77人)* 民営専科(29人)

民営本科(34人)

独立学院(34人)

母月収1501~3000元(97人)**

民営専科(42人)

民営本科(65人)

独立学院(40人)

母月収0~1500元(147人)**

民営専科(19人)

民営本科(12人)

独立学院(18人)

父月収10001元以上(49人)**

民営専科(38人)

民営本科(27人)

独立学院(44人)

父月収3001~10000元(109人)† 民営専科(44人)

民営本科(75人)

独立学院(44人)

父月収0~3000元(163人) ***

全く当てはまらない あまり当てはまらない やや当てはまる かなり当てはまる

(14)

図表7は「F大学所在地の町が好き,卒業後ここで住みたい」項目と親の所得との関連を示して いる。父月収でみれば,独立学院の学生は父月収の上昇に伴い,大学所在地の町が好き,卒業後こ こで住みたい傾向がみられる。一方,民営本科と民営専科の学生はそれに関する変化は弱まってい く傾向と見られる。同様に,独立学院の学生は母月収の上昇に伴い,大学所在地の町が好き,卒業 後ここで住みたい傾向がある。独立学院と民営専科の学生はそれほどの変化はみられない。独立学 院の学生は大学入試で失敗し,さらに,志願の国家調整により,進学した人が多い。加えて,独立 学院は母体の国立大学と強い関連性が残されていて,国立大学所在地はほとんど大きな都市の中心 部にあるため,学生は卒業後,そのまま大学の所在都市に残るのが考えられる。また,大学入試で 失敗した多くの民営専科の学生はそのまま出身地の大学入学したものが多い。一方,独立学院に進

図表7 大学種類でみる親の所得と進学理由の関係(F大学所在地の町が好き,卒業後ここで住みたい)

*

p

< .05 †

p

< .1 56.7

53.3 37.5

48.3 55.9 29.4

35.7 40.0 44.6 47.4 58.3 33.3

63.2 51.9 38.6 34.1 46.7 34.1

36.7 46.7 31.3

34.5 35.3 38.2

50.0 44.6 30.0

42.1 41.7 33.3

23.7 44.4 34.1

54.5 41.3 31.8

6.7 18.8 0.0

13.8 8.8 26.5

14.3 9.2 17.5

10.5 0.0 22.2

13.2 15.9 3.7

9.1 10.7 25.0

0.0 0.0 12.5 3.4 0.0 5.9 0.0 1.5 12.5 0.0 11.1 0.0 0.0 0.0 11.4 2.3 1.3 9.1

0% 20% 40% 60% 80% 100%

民営専科(30人)

民営本科(15人)

独立学院(32人)

母月収3001元以上(77人)† 民営専科(29人)

民営本科(34人)

独立学院(34人)

母月収1501~3000元(97人)n.s.

民営専科(42人)

民営本科(65人)

独立学院(40人)

母月収0~1500元(147人)* 民営専科(19人)

民営本科(12人)

独立学院(18人)

父月収10001元以上(49人)n.s.

民営専科(38人)

民営本科(27人)

独立学院(44人)

父月収3001~10000元(109人)* 民営専科(44人)

民営本科(75人)

独立学院(44人)

父月収0~3000元(163人)*

全く当てはまらない あまり当てはまらない やや当てはまる かなり当てはまる

(15)

学できない学生は本科学位を獲得するため,様々な地域出身の学生は民営本科に進学した。これら により,学校種別における有意差が生じてくるであろう。

続いで,図表8は項目「G親が希望し,様々な手続きをした」は大学種類で親の所得の関係を示 している。全体的に見れば,親双方の月収すべての枠において有意差が見られない。割合でみてい くと,父月収「3,001〜10,000元」,母月収「3,001元以上」の学生は親が希望し,様々な手続きをやっ てもらう傾向がみられる。これらの学生はより豊かな環境に生まれ,自分がやるべきことも他人に 委託して実施している。また,収入が中レベル以上の親が教育を受けてきた方が多いため,彼らは 自身の経験を活用し,それを子どもの将来設計に積極的に入れようとしている。

図表8 大学種類でみる親の所得と進学理由の関係(G親が希望し,様々な手続きをした)

60.0 60.0 53.1

58.6 58.8 41.2

76.2 64.6 67.5

73.7 66.7 61.1 52.6 48.1 52.3

72.7 66.7 54.5

30.0 20.0 25.0

37.9 26.5 38.2

11.9 26.2 27.5 21.1 25.0 27.8 34.2 33.3 31.8

20.5 22.7 29.5

6.7 20.0 18.8

3.4 11.8 20.6

11.9 7.7 2.5

5.3 8.3 11.1 10.5 18.5 13.6

6.8 8.0 13.6

3.3 0.0 3.1 2.9 0.0 0.0 0.0 1.5 2.5 0.0 0.0 0.0 2.6 0.0 2.3 0.0 2.7 2.3

0% 20% 40% 60% 80% 100%

民営専科(30人)

民営本科(15人)

独立学院(32人)

母月収3001元以上(77人)n.s.

民営専科(29人)

民営本科(34人)

独立学院(34人)

母月収1501~3000元(97人)n.s.

民営専科(42人)

民営本科(65人)

独立学院(40人)

母月収0~1500元(147人)n.s.

民営専科(19人)

民営本科(12人)

独立学院(18人)

父月収10001元以上(49人)n.s.

民営専科(38人)

民営本科(27人)

独立学院(44人)

父月収3001~10000元(109人)n.s.

民営専科(44人)

民営本科(75人)

独立学院(44人)

父月収0~3000元(163人) n.s.

全く当てはまらない あまり当てはまらない やや当てはまる かなり当てはまる

(16)

図表9は「大学の名称」と親の所得の関係を大学種類で示したものである。各収入枠において,

顕著な有意差がみられる。それら差異が極めて似ている傾向がみられる。親双方,片方の月収によ り,独立学院>民営本科>民営専科という傾向が見られる。前述のように,独立学院は母体の国立 大学の名を借りているため,民営本科と民営専科により知名度が高い。民営本科の場合は,より発 展している学校はテレビ,新聞など多様な媒体で宣伝したため,知名度があがる大学もみられる。

図表9 大学種類でみる親の所得と進学理由の関係(H大学の名称)

***

p

< .001 **

p

< .01 *

p

< .05 73.3

86.7 43.8

79.3 61.8 26.5

71.4 61.5 35.0

78.9 83.3 38.9

68.4 66.7 34.1

79.5 61.3 34.1

23.3 13.3 34.4

17.2 23.5 41.2

28.6 30.8 40.0

21.1 16.7 38.9

26.3 25.9 38.6

20.5 28.0 38.6

0.0 0.0 21.9

3.4 11.8 32.4

0.0 6.2 22.5

0.0 0.0 22.2

2.6 7.4 27.3

0.0 8.0 25.0

3.3 0.0 0.0 0.0 2.9 0.0 0.0 1.5 2.5 0.0 0.0 0.0 2.6 0.0 0.0 0.0 2.7 2.3

0% 20% 40% 60% 80% 100%

民営専科(30人)

民営本科(15人)

独立学院(32人)

母月収3001元以上(77人)**

民営専科(29人)

民営本科(34人)

独立学院(34人)

母月収1501~3000元(97人)***

民営専科(42人)

民営本科(65人)

独立学院(40人)

母月収0~1500元(147人)**

民営専科(19人)

民営本科(12人)

独立学院(18人)

父月収10001元以上(49人)* 民営専科(38人)

民営本科(27人)

独立学院(44人)

父月収3001~10000元(109人)**

民営専科(44人)

民営本科(75人)

独立学院(44人)

父月収0~3000元(163人) ***

全く当てはまらない あまり当てはまらない やや当てはまる かなり当てはまる

(17)

一方,民営専科大学の発展はほとんどまだ力弱い段階で,さらに学位が専科であるため,人気さを 集めることは難しい。

「I目的特になし,卒業証書がもらえるから」と親の所得の関係を示す図表10に関して,父月収

「3,001〜10,000元」と母月収「3,001元以上」の枠以外には,有意差が見られない。全体の「当て はまる」割合が低いが,親双方の月収増加に伴い,進学との関連が弱くなっていく。父母が働いて いるため,仕事に応用知識の獲得が大事に認識し,その期待を子どもに寄託する。これにより,子 どもを適当に大学を通わせることではなく,より良い大学を卒業し,より良い学位を獲得すること で社会に競争できるようにさせる。月収が低い層の親は比較的に意識が低くても,大学卒業ほどの

図表10 大学種類でみる親の所得と進学理由の関係(I目的特になし,卒業証書がもらえるから)

**

p

< .01 †

p

< .1 83.3

50.0 50.0

65.5 52.9 52.9

69.0 58.5

60.0 73.7 41.7

61.1 65.8 40.7

61.4 63.6 60.0 54.5

0.0 50.0 50.0

31.0 26.5

41.2 19.0 33.8

32.5 5.3 33.3

27.8 26.3 37.0

34.1 27.3 28.0

40.9

16.7 0.0 3.4 0.0 20.6

5.9 7.1

7.7 5.0 15.8

25.0 11.1 2.6 22.2

4.5 6.8 12.0

2.3

0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 4.9 0.0 2.5 5.3 0.0 0.0 5.3

0.0 0.0 0.0 2.3 2.3

0% 20% 40% 60% 80% 100%

民営専科(30人)

民営本科(15人)

独立学院(32人)

母月収3001元以上(77人)**

民営専科(29人)

民営本科(34人)

独立学院(34人)

母月収1501~3000元(97人)n.s.

民営専科(42人)

民営本科(65人)

独立学院(40人)

母月収0~1500元(147人)n.s.

民営専科(19人)

民営本科(12人)

独立学院(18人)

父月収10001元以上(49人)n.s.

民営専科(38人)

民営本科(27人)

独立学院(44人)

父月収3001~10000元(109人)† 民営専科(44人)

民営本科(75人)

独立学院(44人)

父月収0~3000元(163人)n.s.

全く当てはまらない あまり当てはまらない やや当てはまる かなり当てはまる

(18)

学歴は社会に求めることが認識することができ,子どもを大学に進学させる。そのうち,一部の人 は目的特になし,卒業証書をもらえるために大学に進学した。

図表11では,「J学生募集の担当者に説得された」と親の所得が大学種類ですべての月収枠すべ ては顕著な有意差が見られる。親月収が増えれば増えるほど,民営本科の学生は学生募集の担当者 に説得されやすい傾向がみられる。独立学院と民営専科にはこの傾向はそれほど見られない。独立 学院では,親の所得増加に伴い,募集者の説得により進学した学生は少なくなっていく。前述のよ うに,独立学院に進学した学生は大学入試で失敗し学生が多く,しかも,志願の国家調整による進

図表11 大学種類でみる親の所得と進学理由の関係(J学生募集の担当者に説得された)

**

p

< .01 *

p

< .05 73.3

33.3

81.3 58.6 29.4

64.7 47.6 38.5

75.0 63.2 33.3

83.3 57.9 37.0

75.0 56.8 34.7

68.2

10.0 20.0

15.6 31.0 32.4

35.3 31.0

29.2

22.5 26.3 16.7

16.7 18.4

22.2

22.7 27.3 33.3

29.5

6.7 6.7

6.9 3.1 32.4

0.0 9.5 16.9

0.0 5.3 33.3

0.0 10.5

14.8

2.3 9.1 20.0

0.0

10.0 40.0 0.0 3.4 5.9 0.0 11.9 15.4 2.5 5.3 16.7 0.0 13.2 25.9 0.0 6.8 12.0 2.3

0% 20% 40% 60% 80% 100%

民営専科(30人)

民営本科(15人)

独立学院(32人)

母月収3001元以上(77人)**

民営専科(29人)

民営本科(34人)

独立学院(34人)

母月収1501~3000元(97人)**

民営専科(42人)

民営本科(65人)

独立学院(40人)

母月収0~1500元(147人)**

民営専科(19人)

民営本科(12人)

独立学院(18人)

父月収10001元以上(49人)* 民営専科(38人)

民営本科(27人)

独立学院(44人)

父月収3001~10000元(109人)**

民営専科(44人)

民営本科(75人)

独立学院(44人)

父月収0~3000元(163人)**

全く当てはまらない あまり当てはまらない やや当てはまる かなり当てはまる

(19)

学者もいるため,加え,大学の学生募集が定員制であるため,独立学院の生徒募集はほとんど地方 に拠点を出さないようにしている。

図表12は項目「Kこの大学に好きな教師がいる」と親の所得の関係を大学種類でみるものであ る。父月収「10,001元以上」,母月収「1,501〜3,000元以上」以外の枠に関して,顕著的な有意差 が見られる。

全体的には,学生は好きな教師がいることで進学した者がすくない。しかし,割合でみれば,二 つの結果が読み取れる。一つは独立学院の学生の一部は好きな教師がいることに「やや当てはまる」

傾向がみられる。独立学院は母体の国立大学と多く関連を維持しているため,国立大学の教授は独

図表12 大学種類でみる親の所得と進学理由の関係(Kこの大学に好きな教師がいる)

***

p

< .001 86.7 93.3

40.6

86.2 82.4 64.7

88.1 81.5 57.5

94.7 91.7 66.7

81.6 85.2 43.2

88.6 81.3 61.4

10.0 6.7 40.6

13.8 17.6 29.4

11.9 18.5 32.5

5.3 8.3 27.8

15.8 14.8 43.2

11.4 18.7 27.3

0.0 18.8 0.0

0.0 5.9 0.0 0.0 10.0 0.0

0.0 5.6 0.0 0.0 0.0 13.6

0.0 11.4 0.0

3.3 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 2.6 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0

0% 50% 100%

民営専科(30人)

民営本科(15人)

独立学院(32人)

母月収3001元以上(77人)***

民営専科(29人)

民営本科(34人)

独立学院(34人)

母月収1501~3000元(97人)n.s.

民営専科(42人)

民営本科(65人)

独立学院(40人)

母月収0~1500元(147人)***

民営専科(19人)

民営本科(12人)

独立学院(18人)

父月収10001元以上(49人)n.s.

民営専科(38人)

民営本科(27人)

独立学院(44人)

父月収3001~10000元(109人)***

民営専科(44人)

民営本科(75人)

独立学院(44人)

父月収0~3000元(163人)***

全く当てはまらない あまり当てはまらない やや当てはまる かなり当てはまる **

p

< .01 *

p

< .05 73.3

33.3

81.3 58.6 29.4

64.7 47.6 38.5

75.0 63.2 33.3

83.3 57.9 37.0

75.0 56.8 34.7

68.2

10.0 20.0

15.6 31.0 32.4

35.3 31.0

29.2

22.5 26.3 16.7

16.7 18.4

22.2

22.7 27.3 33.3

29.5

6.7 6.7

6.9 3.1 32.4

0.0 9.5 16.9

0.0 5.3 33.3

0.0 10.5

14.8

2.3 9.1 20.0

0.0

10.0 40.0 0.0 3.4 5.9 0.0 11.9 15.4 2.5 5.3 16.7 0.0 13.2 25.9 0.0 6.8 12.0 2.3

0% 20% 40% 60% 80% 100%

民営専科(30人)

民営本科(15人)

独立学院(32人)

母月収3001元以上(77人)**

民営専科(29人)

民営本科(34人)

独立学院(34人)

母月収1501~3000元(97人)**

民営専科(42人)

民営本科(65人)

独立学院(40人)

母月収0~1500元(147人)**

民営専科(19人)

民営本科(12人)

独立学院(18人)

父月収10001元以上(49人)* 民営専科(38人)

民営本科(27人)

独立学院(44人)

父月収3001~10000元(109人)**

民営専科(44人)

民営本科(75人)

独立学院(44人)

父月収0~3000元(163人)**

全く当てはまらない あまり当てはまらない やや当てはまる かなり当てはまる

(20)

立学院の授業を担当することも稀ではない。そのうち,特定領域に有名な教授がいることもあるか ら,学生はこれらの教授の名を聞き,大学に進学する。もう一つは,民営専科の学生のごく一部は 好きな教師がいることで進学している。本稿に取り上げられる事例は代表的なものと考えられる。

山東外事翻訳職業学院は外国語をメインに,多様な学科も設置している大学である。そのため,言 語教育に有名な教師がいることで,学生は進学したと考えられる。

図表13は大学種類で親の所得と志願の国家調整の関係を示している。父月収「3,001〜10,000 元」,母月収「3,001元以上」2つの枠を除き,残りの枠は大学種類での有意差がみられない。割合 で見れば,全体に関して二つのことが言える。一つは父月収「3,001〜10,000元」の学生は志願の

図表13 大学種類でみる親の所得と進学理由の関係(L志願の国家調整)

*

p

< .05 †

p

< .1 70.0 73.3

37.5 62.1

67.6 44.1

71.4 56.9 50.0

73.7 75.0 66.7 52.6

59.3 31.8

79.5 61.3 47.7

23.3 6.7 18.8

13.8 11.8 29.4

14.3 20.0 20.0

21.1 0.0 16.7 21.1

18.5 22.7

9.1 17.3 25.0

0.0 13.3 25.0

24.1 17.6 23.5

14.3 18.5 20.0

0.0 16.7

16.7 23.7

18.5 25.0

11.4 17.3 22.7

6.7 6.7 18.8 0.0 2.9 2.9 0.0 10.0 4.6 5.3 8.3 0.0 2.6 3.7 20.5 0.0 4.0 4.5

0% 20% 40% 60% 80% 100%

民営専科(30人)

民営本科(15人)

独立学院(32人)

母月収3001元以上(77人)* 民営専科(29人)

民営本科(34人)

独立学院(34人)

母月収1501~3000元(97人)n.s.

民営専科(42人)

民営本科(65人)

独立学院(40人)

母月収0~1500元(147人)n.s.

民営専科(19人)

民営本科(12人)

独立学院(18人)

父月収10001元以上(49人)n.s.

民営専科(38人)

民営本科(27人)

独立学院(44人)

父月収3001~10000元(109人)† 民営専科(44人)

民営本科(75人)

独立学院(44人)

父月収0~3000元(163人) n.s.

全く当てはまらない あまり当てはまらない やや当てはまる かなり当てはまる

(21)

国家調整で独立学院に進学した者が「かなり当てはまる」20.5%で最も多い。「当てはまる」学生 の傾向で見れば,父月収の増加に対して,国家の志願調整の影響は小さくなっていく。また,母月 収「3,001元以上」を「当てはまる」学生は43.8%で最も高い。全体でみれば,志願の国家調整に より進学した学生は少なくない。独立学院の学生は特に,父月収中層,母月収上層の学生は志願の 国家調整に従い進学する傾向が著しい。

最後に,図表14で示したように,同出身高校の先輩がいる理由で進学した学生は父月収「10,001 元以上」,母月収「0〜1,500元」2つの枠を除き,残りの枠が大学種類別で有意差が見られる。し かし,全体的な割合で見れば,これに「当てはまる」学生はそれほど多くない。

図表14 大学種類でみる親の所得と進学理由の関係(M同出身高校の先輩がいる)

***

p

< .001 **

p

< .01 *

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< .05 83.3 93.3

56.3 86.2 70.6 52.9

81.0 69.2 60.0

78.9 83.3 72.2

84.2 81.5 52.3

84.1 68.0 54.5

10.0 6.7 28.1

13.8 14.7 41.2

11.9 18.5 30.0

15.8 16.7 22.2

7.9 18.5 29.5

13.6 14.7 40.9

0.0 12.5 0.0

0.0 14.7

4.8 2.9 10.8

7.5 0.0

0.0 2.6 5.6 15.9 0.0

2.3 16.0

0.0

6.7 0.0 3.1 0.0 0.0 2.9 2.4 1.5 2.5 5.3 0.0 0.0 5.3 0.0 2.3 0.0 1.3 4.5

0% 50% 100%

民営専科(30人)

民営本科(15人)

独立学院(32人)

母月収3001元以上(77人)* 民営専科(29人)

民営本科(34人)

独立学院(34人)

母月収1501~3000元(97人)**

民営専科(42人)

民営本科(65人)

独立学院(40人)

母月収0~1500元(147人)n.s.

民営専科(19人)

民営本科(12人)

独立学院(18人)

父月収10001元以上(49人)n.s.

民営専科(38人)

民営本科(27人)

独立学院(44人)

父月収3001~10000元(109人)**

民営専科(44人)

民営本科(75人)

独立学院(44人)

父月収0~3000元(163人) ***

全く当てはまらない あまり当てはまらない やや当てはまる かなり当てはまる **

p

< .01 *

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< .05 73.3

33.3

81.3 58.6 29.4

64.7 47.6 38.5

75.0 63.2 33.3

83.3 57.9 37.0

75.0 56.8 34.7

68.2

10.0 20.0

15.6 31.0 32.4

35.3 31.0

29.2

22.5 26.3 16.7

16.7 18.4

22.2

22.7 27.3 33.3

29.5

6.7 6.7

6.9 3.1 32.4

0.0 9.5 16.9

0.0 5.3 33.3

0.0 10.5

14.8

2.3 9.1 20.0

0.0

10.0 40.0 0.0 3.4 5.9 0.0 11.9 15.4 2.5 5.3 16.7 0.0 13.2 25.9 0.0 6.8 12.0 2.3

0% 20% 40% 60% 80% 100%

民営専科(30人)

民営本科(15人)

独立学院(32人)

母月収3001元以上(77人)**

民営専科(29人)

民営本科(34人)

独立学院(34人)

母月収1501~3000元(97人)**

民営専科(42人)

民営本科(65人)

独立学院(40人)

母月収0~1500元(147人)**

民営専科(19人)

民営本科(12人)

独立学院(18人)

父月収10001元以上(49人)* 民営専科(38人)

民営本科(27人)

独立学院(44人)

父月収3001~10000元(109人)**

民営専科(44人)

民営本科(75人)

独立学院(44人)

父月収0~3000元(163人)**

全く当てはまらない あまり当てはまらない やや当てはまる かなり当てはまる

(22)

14の項目で,親の所得と進学理由の関係を検討してきた。理由により,大学種類で親の所得と 学生進学理由の関係の傾向が大きく異なってくる。以上3章の分析結果を4章でまとめる。

4 まとめと課題

本稿では,アンケート調査をもとに,「大学種別による進学理由の差異」,「大学種別での親の所 得と学生の進学理由の関係」を分析した。3章の分析から,以下の3つの結論を導き出した。

第一,大学受験に失敗した学生は仕方なく,本科学位を獲得するため,親の金銭的な負担が大き い独立学院に進学する。また,これら学生の一部は志願の国家調整により,独立学院に進学した。

特に,父月収中層,母月収上層の学生は志願の国家調整に従い,大学に入学した者が多い。

第二,民営本科大学と民営専科大学の学生の父親は学生の進学において,月収が増えれば増える ほどその学生に多くの進学情報を提供している。また,母親の月収に注目すると,特に独立学院に 進学した学生において,月収の多い母親は子供に提供する進学情報が多い傾向が見られる。

第三に,民営本科大学は民営専科大学と比べ,独立学院の学生進学に与える親の収入影響の方が 多様である。「大学の名称」,「学生募集の担当者に説得された」,「大学所在の町が好き,卒業後こ こで住みたい」などだ。

全体の分析結果から,高等教育の進学において,一部の親は高い学費を負担してでも,学生に 高等教育を受けさせ,高い学位を獲得させるために,民営大学に進学させていることが明らかに なった。

本研究は学生の父母年収で民営大学の種別においてどのような関係があるのかを検討した。実際 には,その中身の関係を深めるためには,親の職業,学生の大学入試点数,出身地など多様な変数 をもち検討する必要がある。また本研究に取り上げられる事例は山東省の事例であり,あくまでも 山東省内部の民営大学の状況を説明することができるのみで,他省の民営大学に関する問題はどの ようになっているのかに関して論証できていない。ただし,本研究を民営大学の質保証研究の一環 として分析を行い,以上の研究問題や不足箇所を踏まえながら,今後の研究に書いていきたい。

[注]

1 鮑 威(2006)『中国の民営高等教育機関―社会ニーズとの対応―』東信堂。3頁。

2 同上。75頁。邵 姜魏(2014)「民営大学に対する学生の意識調査―山東省の青島工学院を事例として―」早稲田 大学大学院教育学研究科紀要 別冊22号–1。23頁。

3 邵 姜魏(2015)「Students’ Life of Independent Institutions: Based on Dalian Neusoft University of Information」

BULLETIN of the Graduate School of Education of Waseda University SEPARATE VOLUME No. 23–1. pp45–46. 2015。

4 筆者は研究対象として扱う「民営大学」は学位を授与する民営大学のみである。また,筆者の研究では民営大学 を,独立学院,民営本科大学と民営専科大学3つの種類で分類する。独立学院は国立大学の中に設立された大学で あり,この種類の学校は母体の国立大学と強い関連性を維持し,教師陣,施設などが国立大学に依存する傾向が ある。ただし,大学の運営は完全に学生に徴収した学費で運営を回している。学生の卒業証書では母体の大学と

(23)

異なり,独立学院までの名称を入れる。通常の学制は4年になる。この種類の学校は多くの一流の大学に設置さ れている。民営本科大学は完全に会社あるいは企業により創設した大学を指す。学制は4年間である。また,民 営専科大学は基本的に民営本科大学と似ている。ただし,学制は3年である。邵 姜魏(2013)「Development of Private Universities in China ̶A historical view after China’s foundation year 1949̶」(『北京師範大学・高麗大学 校・早稲田大学大学院教育学研究科 学術交流協定 シンポジウム』)43–49頁。Shao Jiangwei(2014)「Awareness research of students on private-run university: Take Qingdao University of Technology for example」,BULLETIN of the Graduate School of Education of Waseda University SEPARATE VOLUME No. 23–1, p33。

5 http://news.xinhuanet.com/politics/2015-02/28/c_127526301.htm(最終閲覧2015 /09/29)

6 http://www.cnhei.com.cn/benkeyuanxiao.aspx?ch=4(最終閲覧2015/09/27)

7 http://www.cnhei.com.cn/benkeyuanxiao.aspx?ch=1(最終閲覧2015/09/27)

8 http://www.cnhei.com.cn/benkeyuanxiao.aspx?ch=5(最終閲覧2015/09/27)

9 http://www.cnhei.com.cn/SchoolCenter/SchoolIntro.aspx?SchoolID=387(最終閲覧2015/09/27)

10 http://www.cnhei.com.cn/SchoolList.aspx?province_id=15&ch=4(最終閲覧2015/09/27)

11 http://www.cnhei.com.cn/SchoolCenter/SchoolIntro.aspx?SchoolID=763(最終閲覧2015/09/27)

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Shao Jiangwei(2015b)「Students’ Life of Independent Institutions: Based on Dalian Neusoft University of Information」

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図表 1 大学種別による学生の進学理由の差異 75.7 65.5 34.5 65.2 62.9 53.6 46.7 50.0 38.2 57.0 69.0 29.1 24.3 33.6 19.1 13.1 25.0 16.4 21.5 4.3 15.5 38.3 39.7 19.1  22.4 25.9 40.0 25.2 25.0 30.9 41.1 41.4 31.8 17.8 19.0 26.4 52.3 50.9 60.0 22.4 37.9 28.2 23.4 32.8 28.2 34.6 28.
図表 3 は「B 大学受験失敗で,仕方なく」項目の検討において,父月収「0 〜 3,000 元」,母月収 「0 〜 1,500 元」2 つの枠に有意差が見られる。全体を見れば,特に独立学院に進学する学生は父親 の月収が多ければ多いほど,その関連性が大きい。同様に母の月収の増加に伴い,学生は独立進学 する影響が大きいと見られる。いわば,親双方の所得が安定にしていたら,学費が高い独立学院で あっても,親はそれを支払い,学生を入学させている。また,民営本科大学の父母は所得の多少と 関係なく,学生の民営本科大学進学
図表 4 は「C 学びたい専門分野がある」と親の所得の関係を示すものである。父月収「10,001 元 以上」,母月収「1,501 〜 3,000 元」 2 つの枠を除き,残りすべての枠は大学種類で有意差が見られる。 独立学院と民営専科の学生は父の月収が多ければ多いほど,学びたい専門分野に進学した学生が多 い。同様に,母月収の増加に伴っても,独立学院と民営専科大学の学生は似た傾向がみられる。一 方,民営本科大学の学生は父母の月収とあまり関連が見られず,安定的な水準で好きな専門に進学 する傾向が読める。図表 4
図表 5 では,「D 大学卒業後の就職がいい」は親の所得の関係を大学種別で有意差が見られない。 しかも,全体的には,この理由で進学した学生はそれほど多くない。割合でみれば,母月収の増加 に伴い,就職の良さで大学に進学した民営専科大学の学生は増えている。父月収の増加に伴い,就 職の良さの理由で独立学院に進学した学生は増える。民営専科大学は社会・経済に応じて専門設置 が多いため,本当に技能を身に着け,就職する学生はいる。割合が低い全体において,親の月収の 増加に伴い,学生の就職意識で大学に進学する傾向が強くなっ
+4

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