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ハイデガーの存在の思索における共同存在の問題

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Academic year: 2021

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九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

ハイデガーの存在の思索における共同存在の問題

廣田, 智子

http://hdl.handle.net/2324/2236328

出版情報:Kyushu University, 2018, 博士(文学), 論文博士 バージョン:

権利関係:Public access to the fulltext file is restricted for unavoidable reason (3)

(2)

(様式6-2)

氏 名 廣田 智子

論 文 名 ハイデガーの存在の思索における共同存在の問題

論文調査委員

主 査 九州大学 教授 菊地 惠善 副 査 九州大学 准教授 倉田 剛 副 査 九州大学 教授 横田 理博 副 査 九州大学 准教授 飯嶋 裕治

論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨

本論文の主題は、「存在」を斬新な手法と独創的な観点から新たに考えようとした、20世紀を代 表する哲学者、ハイデガーの哲学における「共同存在」の問題を批判的に考察することにある。

ハイデガーの哲学は、「存在」を問うに当たって、それを了解している存在者である人間を「現 存在」と呼び、その「現存在」の「存在了解」から「存在」の「意味」を問おうとすることから出 発した。その成果は、初期の代表作である『存在と時間』(1927)に結実した。

しかし、この著作においては、「現存在」は「死」と「良心」の分析を通して解明された限りで は、死という各自固有の可能性を引き受ける単独の存在が、その本来的な在り方、すなわち「本来 性」とされ、日常的な、任意の誰かとして存在する、身分や役割に従って理解される人間は「世人

(ひと)」と呼ばれ、自己を忘却した非本来的な存在、すなわち「非本来性」だとされている。

初期の代表作である『存在と時間』において剔出された、人間のあり方のこの二重性からする と、人間における単独の本来的な在り方と、社会の中で仕事や役割に従って生きる在り方とは、互 いに対立し合うだけで、両者がどのような関係にあるかが全く曖昧なままに放置されていることに なる。ハイデガーの人間の分析が「存在一般の意味」を問う存在論的な課題に限定されたものであ るとしても、この曖昧さは看過できない重要な問題を投げ掛けている。

論者の主題は、「現存在」の「本来的な」個別性と、「非本来的な」社会性あるいは共同性がどの ような関係にあるかを解明することにある。人間は、他の人間に替えられない独自性を持つと同時 に、他の人間と共に生きる社会性を持った存在である。この両契機の関係を考察するために、論者 は、ハイデガーの哲学の全体を視野に入れ、「四方域」概念や、ヘルダーリンの詩についての解釈、

さらには言語論などを取り上げ、綿密な読解と慎重な考察を試みている。

難解で知られるハイデガー哲学に含まれる重要な論点、しかし同時に、人間にとって永遠不変 な重要問題である個人と社会の関係、言語と社会の関係、さらには社会と歴史の関係などを、その 本質的な論点から読解し考察しようとした本論文は、一部に曖昧さが見られるものの、全体として は、果敢な挑戦的な企てとして、十分にその成果を挙げたと認められる。

よってここに、本調査委員会は、論文の提出者が博士(文学)の学位を授与されるにふさわし いと認めるものである。

参照

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Wieland, Recht der Firmentarifverträge, 1998; Bardenhewer, Der Firmentarifvertrag in Europa, Ein Vergleich der Rechtslage in Deutschland, Großbritannien und