教育実践報告
初任としての一学期を振り返って
―特別支援学級での実践―
福生市立福生第二小学校 越 智 政 之
みなさんこんにちは!
私は現在,福生市立福生第二小学校で,くまがわ学級という特別支援学級の担任を しております創価大学37期卒業の越智政之です。
本日は1学期の終わりに創価大学に帰ってくることができ,このような機会を与え て頂き感謝の思いでいっぱいです。
2010年4月1日,待ちに待った教員生活を福生市で特別支援学級の担任としてス タートさせました。何も知らない特別支援学級の教員として過ごした1学期は,目隠 しをされたまま100メートル競走するというような戸惑いと不安だらけの毎日でし た。
くまがわ学級には15人の子どもがいます。1年生4人,2年生4人,3年生3人,4 年生1人,6年生3人です。低学年が多いということもあってザワザワした毎日で す。特別支援学級ということでどんな障害の子どもがいるのかと思っていましたが,
第一印象は(そんなに重たくないな。)でしたが,通常学級に在籍していた子どもも 多く,自分に自信がなく,学校が嫌いという子どももいました。そのような状況の中 で,自分に何ができるのかということを日々模索する毎日でした。
2年生のA君は今学期に通常学級から,くまがわ学級に転入してきました。最初 の1か月は誰とも話さず,教室にもなかなか入ることができず,うわーと泣いてばか りでした。A君に学校を好きになってもらいたいと思った私は,まずはA君に信頼 してもらえる先生でいようと決意し,多くの時間を一緒に過ごしました。そうしてい る内に学校にも慣れてきたのかA君らしさがでてきました。子どもの前では話すこ とはできませんが,私には大きな声で話しかけてくれるようになりました。
このように大きな自信につながる経験もしましたが,その分失敗もたくさんしまし た。時間がなく,準備ができていないまま授業をするということもありました。ま た,時間割を間違えて,くまがわ学級だけ5時間で帰らせてしまったこともありまし た。その度に指導教官の先生に指導を受けながら,とにかく前に進んできたように思 います。
創大教育研究 第21号:越智 P183〜185
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ここでいくつか私がやっている実践を紹介できたらと思います。くまがわ学級には 毎日1〜2時間の割合でグループ学習を行っています。
学年や発達の段階に応じて3つのループに分けて,国語と算数を学習します。私は 3年生3人の担当です。
1つ目の実践は漢字の学習です。子どもの興味を引くために漢字の成り立ちを調 べ,絵に描いてクイズ形式にして,導入にしました。そのかいもあって子どもたちは 漢字の時間を楽しみにしてくれるようになりました。
2つ目は絵本を通した学習です。川端誠さんという方の「うえきばちです」という 絵本を読み聞かせたときに,子どもたちはその絵本の終わり方に非常に興味を持った ようでした。「これは使える!」と思った私は,その絵本の続きを書こうという実践 を始めました。子どもたちに,描きたい続きの話を聞き取り,絵を描かせています。
子どもたちは非常に楽しんで絵本の続き作りを行ってくれて個性的な作品ができあが りつつあります。「続きが完成したら作者の川端さんに送ろうね!」と言うと,うれ しそうな顔をしてがんばってくれます。
私は大学時代,石丸ゼミに所属し石丸先生と長崎先生に鍛えて頂きました。小学校 の教員になったら国語でこんなことをしたい,あんなことをしたいと期待を膨らませ ていましたが,現実は簡単なものではありませんでした。くまがわ学級は通常級のよ うな検定の教科書を取っていません。教科書がない中で授業を作っていくことがどれ だけ大変なことかということを痛感しています。
しかし,特別支援教育に1学期間関わってきて感じることは,授業で子どもがつま らなそうだったり,わからない,理解できないと言ったりする時は,必ず教師の側に 原因を求めなければならないということです。そういう状況になった時につい「なん でわからんのや」とか「まえやったばっかりやん」と言ってしまいがちですが,どん なにこちら側が準備は完ぺきだという自信があっても,子どもがわからなければ,そ れは子どもの責任ではなく教師の責任です。これは通常級に行っても大切なことなの で,そういう意識をたたきこむ1年間にしたいと思っています。
様々なことを話してきましたが,結論は,教師は楽しいということです。学校に行 きたくないという日は数え切れないくらいですが,くまがわ学級ののびのびとした子 どもたちや,通常級の子どもと比べるととてもゆっくりですが,確実に成長していく 姿を見るとそんなことは吹き飛んでしまいます。
1学期の通知表を渡すときに,「君はここを頑張ったね!かっこよかったよ!」と 言いながら一人一人に手渡しました。その時の照れくさそうな顔は忘れることができ ません。こんな顔をもっと見たいな!まだまだ自分の知らない,いい表情をたくさん 持っているんだな!それを引き出せる教師になっていこうと決意しました。それが2 学期の目標です。
創大生・創大出身者が背負うものは大きく,それ故に悩むことも多いと思います。
教育実践報告:初任としての一学期を振り返って
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しかし何とか今日まで踏ん張って,そして今日ここに集うことができました。それだ けですばらしいことだと思います。
現役の創大生も,1年目の先生も,今日をスタートとして12月まで戦い切り,もう 1度,創価大学に帰ってきましょう!
本日は拙い話を聞いてくださり,ありがとうございました。
創大教育研究 第21号:越智
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