ドイツ連 邦共和 国の事実教授 と 授業 構成原理
ブ レー メン州 を中心 に
大 学 院 博士 課 程 後 期
原 田 信 之
I n
序 章目 次
事 実教授 の内容構 成 ・目的 ・授 業構成原理 1.ド イ ツ 各州 の事 実 教 授 の 内容 構 成
2.事 実 教 授 の 一般 目的 と3原 理
3.科 学 的方 向づ けの 概 念 の 今 日的 理 解
IIIブ レー メ ン州 の 学 習 指 導 要 領 「事 実 教 授 」(1984年 版) 1.目 標 と課 題
2.事 実 教 授 の 学 習 内容 3.行 動 へ の 方 向づ け IV事 実 教 授 の授 業 構 成 例
V結 語
1序 章
本 稿 は,ド イ ツ連 邦 共 和 国(BundesrepublikDeutschland)の ブ レー メ ン 州 基礎 学 校(Grundschule)で 実 施 さ れ て い る事 実 教 授 の 学 習 指 導 要 領(1984 年 版)分 析 を通 じて,そ こ に 記 さ れ た 授 業 構 成(学 習 内 容 規 定 と教 授 ・学 習 規 定)の 基 本 原 理 の 明 晰 化 を企 図 す る もの で あ る。事 実 教 授(Sachunterricht)
は1),1969年 の ノル トラ イ ン ・ヴ ェ ス トフ ァ ー レ ン 州 の 学 習 指 導 要 領 改 訂 を皮 切 り に し て,従 来 の 郷 土 科(Heimatkunde)を 大 幅 に 改 編 し た,基 礎 学 校 の 合 科 ・総 合 教 科 を 指 す 。
郷 土 科 改 編 以 降,基 礎 学 校 の 新 教 科(教 授 領 域)で あ る事 実 教 授 の 教 育 内 容 ・方 法 に 関 す る論 議 が 活 発 に な っ た 。1970年 前 後 の 改 革 の 提 案 ・計 画 は, 幼 稚 園 か ら大 学 に 至 る ま で あ らゆ る 段 階 で 実 験 的 に 実 施 さ れ た 。 例 え ば,基
一一一一一1fi5‑一
ドイツ連邦共綱 藤 轍 授 と授 蕪 成羅 一 ブ レー メン州 を中心 に一 欝 校 の 入 学 年 次 を一 韓 め る とい った 詣1度上 の改 革 は ・ 部 の 州 を除 い て
見送 られ た もの の 激 育 の 内 容 ・方 法 をめ ぐる 「内的 学 禿交改 革 」 は ・ 現 在 も 続 け られ て い る。 そ の影 響 を受 けて 、 ・96・年 代 末 か ら現 在 に至 る まで に・ 基 麟 交で は 目 ま ぐる し く事 実 教 授 の 学 習 キ旨導 要領 が 変 化 して い る・ 内 的学 校
改 革 の なか で も特 に験 搬 の改 革 の 焦 点 は・ 科 学 白勺方 向づ け の概 念 の鰍 と子 ど もの 状 況 へ の 関連 も し くは 瞳 に齢 した授 業 をめ ぐる罷 で あ る と 捉 ら え る こ とが で き る・).この こ とは,マ ク ・ な視 点 か ら見 れ 購 土科 に包 含 され て い る改轍 育 学 の螺(体 験,経 験,郷 土,統 合,共 同体)と 験 教 授 の 成 立背 景 で あ る基 欝 校 改革 の 要 素(授 業 の 科 靴 事 実 化)の 関連
性 を求 め る要 求 を反映 して い る とい え る だ ろ う3》・
6。年 代 輌 か ら,基 礎 学校 の 舗 斗目に 「糖 の現 代 化 」 を要 求 す る声 力ご 高 ま り,6。年 代 末 か らの 連 邦 レベ ル で の 改 革 開 始 醐 に は・「科 学 的 方 向づ け」
の概 念 が改 革 の指 標 と し種 要 なぞ隻割 を果 た した・ この概 念 に つ いて は・II ,
の3で 嚇 す るが,そ の 瀧 の 麟 さ力爆 な っ た鰍 が な され4)・統合 白勺●
総 合 教 科 的 要 素 の 欠落 激 材 過 多,認 識 力 の過 度 な要 求 とい った様 々 な轄 を教 韻 場 に もた らす こ とに な った ・ 訪 ・ 臆 齢 陛 は・ 子 ど もに即 した 授 業 を麟 す る とい 憶 味 で郷 土 科 の 主要 原理 の 一 つ で あ った 力杯 適 切 な 擬 人 化 幅 実 の 歪 曲 を もた らす い わゆ る 「子 ど もっぽ さ」 との取 り違 え を克 服 し,適 切 な位 置 づ け を され る必要 が あ っ た ・
糖 に 関す る権 限 は,各 州 の 文 音R省に委 ね られ て お り・験 教 授 の 学 習 指 導要 領 の 内容 も州 に よ って 異 な って レ・る・ しか しそ の 反面 ・ ・969年か ら漣 邦 レベ ル で 紐 購 を示 す 指 針 が提 出 さ れ て お り5個 渉 調 を とる傾 向 力,・
高 ま って い る こ と も事 実 で あ る。
そ こで,ま ず 第 一 に,ド イ ツ全 州(ベ ノレリン を含 め た 晒 ドイ ツの11州) の事 実教 授 の学 習 内容 一 覧 か ら,酬 の 内 容徽 の傾 向 を把 握 した うえで ・ 授 業 轍 の 基本 腿 を,Jl.i適 舘 倒 へ の方 向づ け・科 学 的 方 向づ け に 限 定 して 明 らか に した い.そ の 際 科 学 的 方 向づ けの:.f,..に関 わ って生 じた
問題 点 もあ わせ 備 じ る.第 二 に,ブ レー メン州 の学 習指 導要 禰 析 か ら・
一 一1fi6‑一
ドイ ツ連 邦 共 和 国 の 事 実 教 授 と授 業構 成 原理 ブ レー メ ン州 を中心 に一 基 本 原 理 が ど の よ う に 反 映 して い る の か を 究 明 す る。
ブ レー メ ン州 は都 市 州 で あ り,影 響 を 及 ぼ す 範 囲 が 小 さ い た め か,こ れ ま で 日本 で そ の 学 習 指 導 要 領 が 取 り上 げ ら れ る こ とは な か っ た 。 しか し,筆 者 が み る か ぎ り,そ の 指 導 要 領 は 「基 礎 学 校 に お け る事 実 教 授 の 傾 向 と見 解 」
(1980年6月 に 各 州 文 部 大 臣 学 校 委 員 会 が 可 決 し た 報 告:Tendenzenund
AuffassungenzumSachunterrichtinderGrundschule)に 準 則 し て お り, ドイ ツ に お け る事 実 教 授 の 比 較 的 標 準 的 タ イ プ で あ る。
以 上 の こ とか ら,事 実 教 授 の 授 業 構 成 の 特 質 を 明 ら か に し た い 。
II事 実 教 授 の 内容 構 成 ・目的 ・授 業 構 成 原 理
1.ド イ ツ 各 州 の 事 実 教 授 の 内容 構 成
各 州 の 学 習 内 容 を ま とめ た の が 表1で あ る 。 事 実 教 授 の 名 称,内 容 構 成 カ テ ゴ リー,内 容 一 覧 を提 示 して あ る。 表 か ら,各 州 の 傾 向 を 読 み 取 り,グ ル ー プ 分 け して み た い。 そ の 際 二 つ の 傾 向 を 同 時 に持 ち あ わ せ て 重 複 す る 州 が あ る もの の,少 な く と も次 の3つ の 型 に 分 け て 考 え る こ とが で き る だ ろ う。
1郷 土 回 帰 型(BW,Ba,N,RP,SH) 2専 門 志 向 型(Ha,He,SH)
3生 活 現 実 追 求 型(BW,Ba,Be,Br,N,NW,RP,Sa)
(バ ー デ ン ・ヴ ュ ル テ ンベ ル ク;BW,バ イ エ ル ン;Ba,ベ ル リ ン;Be, ブ レー メ ン;Br,ハ ン ブ ル ク;Ha,ヘ ッ セ ン;He,ニ ー ダ ー ザ ク セ ン;
N,ノ ル トラ イ ン ・ヴ ェ ス トフ ァ ー レ ン;NW,ラ イ ン ラ ン ト・プ フ ァ ル ツ;RP,ザ ー ル ラ ン ト;Sa,シ ュ レ ス ヴ ィ ッ ヒ ・ホ ル シ ュ タ イ ン;SH) 1の 郷 土 回 帰 型 は,事 実 教 授 の 名 称 にHeimatが 付 加 さ れ て い る の が 特 徴 で あ る 。3州 が こ れ に 該 当 す る 。BWとSHは,Heimat‑undSachunterricht,
Baは,Heimat‑andSachkundeと い う 名 称 で 呼 ば れ て い る 。Baは1975 年 版,SHは1978年 版,BWは1984年 版 の 学 習 指 導 要 領 か ら名 称 変 更 さ れ た 。
そ れ 以 前 は い ず れ もSachunterrichtを 用 い て い た 。 ま た,学 習 指 導 要 領 に 示 さ れ た 指 導 の 要 点 を 調 べ て み た 場aNは,信 頼 で き る郷 土 的 現 実 と の 関 係
‐is7‐
ドイツ連邦共 和国の事 実教授 と授業構成 原理 ブ レー メ ン州 を中心 に ドイツ 各州 の事 実 教 授 の学 習 内容 構 成 一 覧(表1)
Baden‑Wiirttemberg{19$4) Heimat‑undSachunterricht
7活 動 領 域 (Arbeitsbereich)
1人 間 社 会 に お け る生 活5自 然現 象 の体 験
撫?協 指導 灘 糠 糊 撫
4生 き物 との 出 会 い Bayern(1981}
Heimat‑undSachkunde
7テ ー マ 領 域
(Themenbereich)
難 難 芸騰1難 鶴自 勺 環境
4空 間 指 導
Berlin(1989)
VorfachlicherUnterricht Sachkunde
テ ー マ 概 要 {'1'hemcntibersicht}
第1学 年
1学 校 内指 導6歯 の 予 防7共同 の 食事 2安 全 な 通 学 路
1縦 讐,1撚 翻 騨 蕪 する
5暖 房
Bremen(198) Sachuntez・richt
7テ ー マ 領 域 (Themenbereich)
1私 達 は 交 通 に 参 加 す る
2私 達 は 空 間 と時 間 につ い て勝 手 が わ か る 、 3私 達 は 共 に生 活 す る
1灘1習 難 懸 麟 灘 ものと無・・ものを調
査 す る
6私 達 は 自然 か ら材 料 を集 め 整 理 す る 7私 達 は工 作 す る
1‑lamburg(1974) Sachunterricht:
3部 分 領 域
('1'eilbereich} 1艘 癬 謬瀦 粘 灘 購 藁1莫阻 た査」、会
3技 術 科 学 ・建 築 学 ・デ ザ イ ン と関 連 した技 術
Hessen(1.979)
Sachunterrricht
2ア ス ペ ク ト (Aspelct)
1自 然 科 学 的 ・技 術 的 ア スペ ク ト(テ ー マ に 従 っ て 整 理
2耗 編 繊 外(撒 徽 燃 ・学習・牒 ・居
住 ・消 費)
Niedersachsen(1982) Sachunterricht
4学 習 分 野 (Lernfeld)
1人 間の 共 同 生 活 2人 間 と郷 土 の 生 活 空 間
3人 間 の 生 活 の 安 全 性(教 育 ・交 通 教 育 に 組 み 込 まれ て い る)
4人 間 と 自 然 ・人 間 と 技 術 Nordrhein‑Westfalen(1985)
Sachtniterricht
課 題 重 点 {Aufgabenschwer‑
punkt}第
1・2学 年 の 例
1学 校 と通 学 路6職 場 と職 業
1褻繊 認 で1舗 講 と睡寺間の流れ
4飲 食9自 分 と他 人
5植 物 と動 物10少 女 と少年
Rheinland‑Pfau(1984) Sachunterricht
15経 験 領 域 (Erfahrungs‑
bereich)
1光9消 費
2空 気10住F;]
3水11労 働 と生 産
4電 流12職 務 の 遂 行
5安 全 恒三と 釣 り合・い13自 由 時 閲 ・
6植 物14時 間
7動 物15風 土
8人 間
Saarlancl(19$$) Sachunterricht
学 習 目的 第1学 年 の例
1個 人的!藤受性 の 発 達(身 体 衛 生 ・健 康 な暮 し ・感 情 と
2騒 愚蔓欝 蕪cクラスでお互いに知りあう>
3器 講 繍 犠 蟻?矯 饗纏 騨
Schleswig‑Holstein{].978}
Heimat‑undSachunterricht
部 分 領 域 (Teilbereic:h)
1部 分 領 域 社 会
一f也理 的 妄郎土 ・事 実 教 授 一 歴 史的 髪郎土 ・事 実 教 授
一 郷 土 ・事 実 教 授 に お け る社 会 的教 育 2部 分 領 域 自然
一 生物 学 的 郷 土 ・事 実 教 授
一 化 学 的 ・物 理 学 的 郷 土 ・事 実 教 授 一 郷 土 ・事 実 教 授 に お け る性 教 育
3交 通 教 育
一168一
ドイツ連 邦共和国の事実教授 と授業構成 原理 ブ レー メン州 を中心 に
を重 視 して お り6),ま た,RPで は郷 土 へ の 方 向づ け の 原 理 が 提 示 さ れ て お り7),こ の2州 も1型 に 含 め る こ とが 可能 で あ る。
2の 専 門志 向 型 は,目 的 設定,内 容 構 成 に教 科 的(専 門的)体 系 を全 面 に 打 ち押 し出 して い る こ とを特 徴 に して い る8)。教 科 は,大 枠 自然 科 学 ・技 術 的 学 習 領 域 と社 会 的 学 習領 域 に区 分 して構 想 され て い る。従 来,事 実 教 授 が 各 州 で起 草 され た段 階 で は,ほ とん どの州 が こ の 型 に属 して い た。 現 在 で は, Ha,He,SHの3州 の み とな って い る。 しか し,厳 密 に 言 えば,He,SHは, 教 科 的 柱 の 下 位 に具 体 的 な生 活 現 実 を提 示 す るテ ー マ が 設 定 され て お り,3 の 生 活 現 実 追 求 型 に移 行 しつ つ あ る。
3の 生 活現 実 追 求 型 は,子 ど もの現 実 的 生 活 ・環 境 に即 した学 習 内 容 を追 求 す る タ イプ で あ る。 具体 的 生 活 ・環境 内容 を テー マ の 形 で提 示 して い る こ とが 特 徴 で あ る。科 学 的方 向づ け は,内 容 の選 択 原理 か ら科 学 的 認 識 の手 法 ・ 操 作 方 法 を示 す概 念 に 限定 して解 釈 され,客 観 性,確 実 な 認 識 を獲 得 す る た め に奉 仕 す る機 能 を果 たす に す ぎな い。現 在 で は,2型 のHaとHe,SHを
除 く他 の8州 が この 型 に属 す。最 近 で は,Saが1988年 か ら,Beが1989年 か ら, 2型 を変 更 して この タ イプ に移 行 した。
BRDの 事 実 教 授 の 学 習 内容 規 定 か ら,大 き く2つ の 傾 向 を読 み 取 る こ とが で き る。 一 つ は,事 実 教 授 と郷 土 との 関係 を緊 密 化 させ よ う とす る傾 向 で あ り,も う一 つ は,子 ど もの 生 活現 実 に深 く関 わ った 内 容 構成 を求 め る傾 向 で あ る。 両 者 は,子 ど もの経 験,学 習 要 求 に接 近 す る こ と をね らっ て い る点 で は,同 一 傾 向 とみ なす こ とが で き る。1975年 時 点 まで に,9つ の州 に事 実 教 授 が設 置 され,ほ とん どの州 が1969年 版 のNWの 指 導 要 領 に 追 従 して2型 を
と って い た の と比 較 す る と,事 実教 授 は大 きな転 換 傾 向 を現 わ して い る とい え る。
2.事 実 教 授 の 一 般 目的 と3原 理
事 実 教 授 は,基 礎 学 校 の 授 業 の う ち の 一 つ で あ り, 従 っ て,子 ど も に と っ て 意 味 の あ る 生 活 現 実 の 解 明,
一一169‑一一一
前 節 の学 習 内容 構 成 に つ ま り,子 ど もの 周 囲
ドイツ連 邦共和 国の事実教 授 と授業構 成原理一 ブ レー メン州 を中心 に
に現 存 す る社 会 的 ・技 術 的 ・自然 的 環 境 の 諸 断 片 と取 り組 む こ とへ 導 く。 事 実 教 授 は,言 語 ・数 学 ・音 楽 ・宗 教 の教 科 領 域 と並 立 ・独 立 して・ あ るい は ・ 結 び つ け て行 な われ て い る9)。
基礎 学校 の 訓 育 ・陶 冶 の課 題 の枠 内 で,以 下 の 一 般 目的 を達 成 す る こ とに よ って,事 実 教 授 は独 自の 貢 献 をす る と考 え られ て い る10}。
① 基 本 的 な認 識 と洞 察 の媒 介
② 努 力 しが い の あ る態 度 と立 場 の 形 成
③ 児童 が 自力 で 新 た な事 態 を解 明 す る こ と を可 能 にす る能 力 ・技 能.作 業 技 術 を発 展 させ る こ と
④ 環 境 に お い て事 態 と問題 を解 明 す る ため の興 味 や 動 機 を呼 び起 こ し, 保 持 させ る こ と。 例 えば,一 般 的 な好 奇 心 の保 持,後 の 教科 教 授 の 興 味
を生 み 出 す こ と,そ れ ぞれ の 好 み(傾 向)を 伸 長 させ る こ と
⑤ 行 動 の 素 質 と行 動 様 式 の 悶 拓,例 えば,社 会 的 態 度 の促 進,植 物 ・動 物 ・材 料 との 適 切 な 交 わ りへ の導 き
⑥ 郷 土 の 自然や 文 化 へ の興 味 を 目覚 め させ る こ と,郷 土 空 間 と世 界 との 結 びつ きにつ い て の理 解 を申 長 させ る こ と
K。Fahnは,各 州 文 部 大 臣会 議 の 見解 を も とにs「 事 実 教 授 の 方 法 は,環 境 の な か で子 ど もの 欲 求 ・経 験 ・体 験,個 人的 ・社 会 的 生 活 か らの必 要 性,科 学 の 認 識 に よ って規 定 され て い る」 と述 べ て い る11》。K・Fahnが 「基礎 学 校
にお け る事 実 教 授 につ い て の傾 向 と見解 」 か ら抜 粋 した一 般 目的 と彼女 の 言 明 か ら,次 の こ とが考 え られ るだ う り。
事 実教 授 の授 業 構 成 の 基 本 的 原理 は,児 童 適 合 性(KindgemaBheit)と 行 動 へ の 方 向 づ け(Handlungsorientierung),科 学 的 方 向 づ け(Wissen‑
schaftsorientierung;禾 斗学 的 認 識 の プ ロセ ス の 意味 で)の3点 に 集約 して理 解 す る こ とが で き る。 この こ とは,ブ レー メ ンの 学 習 指 導 要 領 で も同 意 され て い る点 で あ るi2)。これ ら3原 理 を学 習プ ロ セ ス に お い て複 合 的 に組 み 合 わ せ る こ とに よ っ て,広 い 学 習 領 域 を有 す る事 実 教 授 は,子 ど もが 生 活現 実 を 解 明 す るの を援 助 す る とい う確 固 と した 課 題 を実 現 す る こ とが で き る とい う
一一一一一170‑一一
ドイ ツ連 邦 共 和 国 の 事 実 教 授 と授 業 構 成 原 理 ブ レー メ ン州 を中心 に の で あ る。
こ こ で,児 童 適 合 性 と行 動 へ の 方 向 づ け に つ い て ま とめ て お き た い13)。科 学 的 方 向 づ け に つ い て は,次 節 で 言 及 す る 。
児童 適 合 性 、,
.子 ど もの 具 体 的生 活経 験 が 授 業 の 中 心 に あ る。(経験 との 結 び つ きの な い場 合 は,新 し く学 ん だ事 柄 を児童 の 経 験 領 域 に転 移 す る)
・子 ど もの体 験 ・経 験 ・興 味 ・関 心 ・傾 向 ・自発 的 問 い か け ・学 習 の 要 求 を考 慮 す る。
・これ まで の経 験 か ら作 り出 され た イ メー ジや 興 味 か ら出発 す る。
行 動 へ の方 向づ け(具 体 的 活 動 様 式 に つ い て はIII‑3で 述 べ る。)
ll麟}の 前一 する ・
糊のタイ プ麟 叢 鱒 母も を
3.科 学 的 方 向づ け の概 念 の 今 日的 理 解
科 学 的 方 向づ け の概 念 は13),1970年 の ドイ ツ教 育 審 議 会 に よ る「教 育 制 度 に 関 す る構 造 計 画 」の な か で,「 学 習 対 象 と学 習 方 法 の 科 学 的 方 向づ け は,ど の 年 齢段 階 の授 業 に も妥 当す る」・4)とい う主 旨が 述 べ られ て 以 来 ・事 実 教 授 の 学 習 内容 選 択 の 原理 で あ る と同 時 に,子 ど もの 学 習 に科 学 的 操 作 方 法 を導 く指 導 概 念 と して 理 解 され た。 ま た,連 邦 政 府 の 「教 育 報告1970年 」にお い て も・
「生 徒 を科 学 的 方 向づ け を有 す る中 等教 育 に 準 備 す るた め に は,基 礎 学 校 の 内 部 構造,教 授 プ ラ ン お よび作 業 形 態 が 改 革 され な け れ ば な ら な い」 と して 同様 の 主 旨 を表 明 し,さ ら に 「郷 土 科 と合 科 教 授 は,方 法 的 な思考 と作 業 へ
一171一
ドイツ連邦共 和国の事実教授 と授業構成 原理 ブ レー メン州 を中心 に
刺 激 す るべ き,よ り科 学 的 に方 向づ け られ た教 授 に席 を空 け る」 と述 べ られ て い る15)。
科 学 的 方 向づ け を指 標 に した事実 教 授 導 入 の 経緯 を知 る うえで も,「基礎 学 校 に お け る活 動 の勧 告 」(1970)で 指 摘 され た郷 土科 の 批 判 点 に触 れ る こ とは
意 味 が あ るだ ろ う。 次 の よ うに ま とめ る こ とが で きる16)。
一 社 会 ・技 術 の 変 化 に伴 い郷 土 の概 念 は うす れ て し まい,郷 土 とつ なが る 伝 統 的 な もの の 大 部分 は,も は や 現 実 に そ ぐわ ない もの とな っ た。
r伝 統 的 な郷 土 思 想 は,技 術 ・経 済 ・政 治 ・メデ ィア な どへ の通 路 を閉 ざ して しま う。
一 郷 土 科 を支 え る直 観性 と生 活 密 着 性 とい う教 授 学 的 原 理 も,そ の 意義 が 変 わ っ た 。 子 ど もに とって 適 切 とい うこ とを誤 っ て考 え る こ とに よ り,
しば しば事 実 との 関連 が失 わ れ た。 何 が具 体 性 が あ り,生 活 に密 着 して い るか,従 来 と異 な って 定 義 され な けれ ば な らな い。
郷 土 科 か ら事 実 教 授 へ の 転換 に際 して,子 ど もの 認 識 力 の 向上 を 目指 す 課 題 に立 った 場合,科 学 的 方 向づ け は一 定 の成 果 を獲 得 した もの の,同 時 に, 様 々 な弊 害 を基礎 学 校 に もた ら した。 第 一 に,中 等教 育 段 階 の 内容 を基礎 学 校 に ス ラ イ ドさせ,事 実 の概 念 形 成 に の み 注 意 が 向 け られ た 点 で あ る。教 材 過 多,子 ど もの 認 識 力 の過 度 な要 求,学 習 の早 期 呈 示,科 学 的概 念 の 未 発 達 な段 階 で の 使 用 とい っ た批 判 を受 け る こ とに な る17)。第 二 に,教 科 別 授 業,も し くは教 科 へ と準備 す る授 業,つ ま り専 門科 学 の 視 点 を強 調 した点 で あ る18》。 子 ど もに とって 環 境 は,複 合 的 な もの で あ り,分 化 され た教 科 ・専 門の 視 点 で 把 握 す る こ とは 困難 な問 題 を抱 えて い る。 教科 の寄 せ 集 め 自体,授 業 を断 片 化 し,子 ど もに過 大 な 負担 を強 い る こ とに な る。 両 者 に共 通 な 問題 点 は, 統 合 的 ・教 科 総 合 的 要 素 の希 薄 化 で あ る。 教 科 体 系 に そ って選 択 され た 内 容
に よ って事 実教 授 が構 成 され る場 合 に,事 実 に即 した環 境 の解 明,子 ど も一 人 ひ と りの 経 験 の変 革 が 実 現 困難 な状 況 に 置 か れ る とい うの で あ る。
80年 代 に 入 って,科 学 的 方 向づ けの 概 念 は,子 ど もの 経 験 ・推 測 ・考 え を 検 証 可 能 な確 実 な認 識 へ と徐 々 に移 行 して い く学 習 の 連 続 的 プ ロセ ス に限 定
一一172一
ドイツ連 邦共 和国の事実教授 と授 業構成 原理 ブ レー メ ン州 を中心 に̲
して理 解 され る。従 って,教 科 的(専 門的)体 系 に そ っ た 内容 の選 択 原 理 の 意 味 合 いは,少 数 の州 に 残 るだ け とな った。
新 しい解 釈 で は,科 学 的操 作 の 技 法 を子 ど もの 学 習 の プ ロ セ ス に組 み 込 ん で,独 力 で 自立 的 に環 境 を解 明 す る た め の 手 法 と して位 置 づ け られ て い る。
W.Hauptは,科 学 的 方 向づ け を次 の よ うに 説 明 してk・る19)。
① 科 学 的 基礎 に た って後 々専 門科 学 に 発 展 す る思 考 と行 動
② 科 学 的 方 向づ け は プ ロセ ス で あ り,そ れ に よ っ て子 ど もは,現 実 生 活 の諸 現 象 につ い て状 況 に制 限 され た 主 観 的 言 明 か ら徐 々 に… 般 的 に有 効 な表 明 へ と到 達 す る。 子 ど もの行 為,思 考,自 発 的 イ メー ジ,観 念 か ら 出発 し,諸 経 験 を整 理 し理 解 しよ う と試 み る。
③ 科 学 的 方 向づ けは 間接 的 に整合 され 点 検 され た認 識 ・方 法 ・洞察 へ と 導 く。
科 学 的 方 向づ け は,思 考 の プ ロ セ ス ・科 学 的 操 作 の 技 法 を伴 っ た 思 考 ・行 動 とい っ た意 味 の文 脈 で理 解 され る必 要 が あ る。 ま た,そ れ は 子 ども が 現 実 的 生 活 ・環 境 を解 明 す る際 に重 要 な役 割 を果 た す の で あ る。
ラ イ ン ラ ン ト・プ フ ァル ツ州 の 学=習指 導 要 領(1984年 版)を 一 例 に あ げ て, 科 学 的 方 向づ けの概 念 の 解釈 を確 認 して み た い20)。科 学 的 方 向 づ け は,こ こ で も 「子 ど もの 自発 的推 測 ・説 明 ・解 釈 の 構 想 が,取 り決 め られ た 方 法様 式 で 事 実 や 目的 に 向 け て点 検 され る」 プ ロセ ス と して理 解 さ れ て い る。 そ の 際,科 学 的 認識 と方 法 は奉 仕 的 機 能 を果 たす の み と され て お り,「科 学 の体 系 か ら演 繹 され た 専 門的 知 識 の み が媒 介 され る こ と」 に導 か れ て は な ら な い と理 解 さ れ て い る。 科 学 的 認 識 と方 法 は,ふ さわ しい 結 果 を約 束 す る方 法 の 援 助 を備
え た状 態 で,子 ど もの生 活現 実 か らの 問題 を究 明 した り 自立 的 に解 明 す る可 能性 を提 供 す る とい うの で あ る。
IIIブ レ ー メ ン 州 の 学 習 指 導 要 領 「事 実 教 授 」(1984年 版)
1.目 非票 と 課=題
ブ レー メ ンの 学 習指 導 要 領 は・ 各 州 文 部 大 臣会 議iが1980年 に可 決 した報 告
一173‑一 一一一
ドイツ連邦 共和国の事実教 授 と授業構成 原理 ブ レー メン州 を中心 に
「基 礎 学校 にお け る事 実 教 授 に つ いて の傾 向 と見解 」 に準 じて 記述 され て い る。 ま た,第II章 で 示 した事 実教 授 の タ イプ3に 属 して い る。 現 在 の ドイツ で 実 施 され て い る事 実 教 授 の 中 で は,比 較 的標 準 的事 例 で あ る とい え る・
事 実 教 授 の 目的 と課題 は,次 の よ うに示 され て い る21)。
① 児童 はs個 々の 経 験 ・観 察 ・疑 問 ・問題 を こだ わ りな く授 業 に持 ち込 むべ きで あ る。
② 児童 は,個 々 の 経 験 を全 体 的 関 係 に組 み 込 み,環 境 に対 す る さ しあ た り熟考 され た理 解 を連 続 的 に客 観 化 して叙 述 すべ きで あ る。 つ ま り,児 童 は,徐 々 に 多様 な把 握 に,事 実 に 向 け られ た判 断 に,で き るか ぎ り偏
見 に と らわれ な い立 場 や 行 動 形 態 に行 き着 くべ きで あ る。
③ 児童 は,個 人 的 に も,ま た グル ー プ にお い て も新 た な経 験 をすべ きで あ る。 そ の際,現 実 との 直 接 的 な 出会 いが 中心 的 な役 割 を果 たす 。
④ 児童 は,早 い うち に教 科 特 有 の 活 動 様 式 や 技能 を獲 得 し,練 習すべ き で あ る。 そ れ に加 え て 児童 は,徐 々 に 自立 的 に活 動 す る能 力 を与 え られ
るべ きで あ る。
⑤ 児童 は,直 接 パー トナ ー との 活 動 や グル ー プ 活 動 の な か で社 会 的 活 動 様 式 を習 得 すべ きで あ る。
⑥ 児童 は,仲 間 と共 同 して具 体 的 行 動 の 可 能 性 を獲得 す べ きで あ る。
ブ レー メ ンの 事 実 教 授 は,子 ど もの 経 験,観 察,行 動,現 実 との 直接 的 出 会 い,社 会 的 活 動 様 式 を主 な 内容 と しな が ら,そ こ か ら,客 観 的正 しさ ・理 解 の 追 求 へ と発展 させ る こ とをね らっ て い る。 つ ま り,事 実 教 授 に お け る子 ど もの学 習 プ ロセ ス は,児 童 適 合 性,行 動 へ の方 向づ け,科 学 的 方 向づ けの 3原 理 の複 合 的組 み合 わせ に よ って構 成 され る もの で あ る。 児童 の具 体 的 生 活経 験 が 授 業 の 中心 に お か れ る。 しか し,そ の 際 これ まで の教 育 学 ・教 授 学 の 研 究 成 果 で 問題 とな る,学 習 事 象 の 項 末 視,不 適 切 な擬 人化,事 実 の 歪 曲 を避 け る ため に は,「科 学 的 に 方 向づ け られ た学 習 プ ロセ ス の 中 で,児 童 の 自 発 的 経 験 ・推 測 ・考 えが,徐 々 に検証 可 能 な,確 実 な認 識 へ と転換 され る」
必 要 が 出 て くる22)。その た め に,科 学 的 認 識 や 認 識 方 法 は,媒 介 さ れ た 洞察 や
一一174‑一
ドイツ連邦共和 国の事実教授 と授 業構 成原理 ブ レー メン州 を中心に
能 力 の客 観 的 正 し さ を保 証 す る ため の奉 仕 的機 能 と して 強調 され て い るの で あ る23)。また,具 体 的 に見 た り観 察 す る学 習 対 象 との 行 動 的 交 わ りは・表 象 の 陶 冶,概 念理 解,抽 象 的 関 係 理 解 の ため の 前 提 を提 供 す る・ この よ うに複 合 的 ・相 補 完 的3原 理 の組 み合 わせ に よ って,自 己 活 動 か ら 自立 的 に環 境 を解 明 す る子 ど もの学 習 の プ ロ セ ス が現 実 的 な もの に な る と考 え られ る。
2.事 実 教 授 の 学 習 内 容
プ レ̲メ ン の 場 合 は,上 記 の 目標 達 成 の た め に,7つ の テ ー マ 領 域 で 学 習 内 容 が 構 成 され て い る24)。こ の テ ー マ 領 域 は,そ れ ぞ れ の 学 年 の 経 験 の 発 達 に 合 せ て,学 年 ご と に テ ー マ を設 定 す る。 例 え ば,テ ー マ 領 域 「私 た ち は 環 境
を 探 知 す る 」で は,第1学 年 で 「私 た ち は ど こ で 遊 ぶ こ とが で き る か 」,第2 学 年 で 「ど の よ う に 私 た ち は 自由 時 間 を活 発 に す る こ とが で き る か 」・ 第3学 年 で 「私 た ち は 仕 事 場 を訪 問 す る」,第4学 年 で 「私 た ち は 汚 水 を浄 化 す る 」・
こ の よ う に 各 学 年 に 適 した テ ー マ が 考 え られ て レ}る・ そ の ほ か の テ ー マ ー 覧 は 表2を 参 照 して い た だ き た い 。
事 実 教 授 の テ ー マ 化 さ れ た 重 点 は,子 ど も が 活 発 な 接 触(観 察,問 い か け, 行 動,経 験)に よ っ て 結 び つ け られ る環 境 で あ る。 しか し・ 指 導 要 領 に ・ 「児 童 が こ れ ま で に 自分 の 興 味,経 験 の 視 野 に な い テ ー マ と も対 決 す る こ とが 重 要 で あ る 」と述 べ られ て い る よ うに25),子 ど もが 有 す る 経 験 と 同 時 に 新 た に 取 り入 れ られ るべ き 経 験 と取 り組 む こ とが 事 実 教 授 の 出 発 点 に な る。従 っ て,
子 ど も の 関 心 領 域 に 入 っ て い な い 重 要 な テ ー マ は,積 極 的 に 子 ど も に 提 示 す る 必 要 が あ る 。
そ の 際,ブ レー メ ン の 学 習 対 象 選 択 の 基 準 はT親 近 性 が あ る(zuganglich) こ と,有 益 で あ る(ergieblig)こ と,有 意i義 な(bedeutsam)こ と・ 特 殊 な 例 に よ っ て 一 般 性 が 明 ら か に な る こ とで あ る26)。 ブ レー メ ン の 事 実 教 授 の 内 容 は,教 科 別 に分 化 さ れ た 枠 内 で,個 々 の 教 科 体 系 ・科 学 体 系 か ら選 択 さ れ る の で は な く,子 ど もの 状 況 に 合 わ せ て 総 合 的 ・超 教 科 的 に テ ー マ の 形 で 選 択 さ れ て い る 。 こ の よ う にe近 年 ドイ ツ で は,ほ と ん どの 州 で 総 合 教 科 的 な 生
一175一
ブ レー メン州 を中心 に ドイツ連 邦共和国 の事実 教授 と授業構 成原理
(蛉﹃g︒ .寸
︒ ︒①裳
Φ §
占ゴリ{﹄﹄Φりロコ
綴 り 邸の¢邸容﹄
調 ① 口Φ[5﹄
り ︒ ︒ をづ﹄o .拐§属
℃ ⁝
唱唱の8のω唱津 .bo暮
で 肖
あ義
§ 讐
①の﹄δ5§占
も 邸 密︒,煽遷岩虚口嫁韻)
︾む
鉱灘
薯髄嵐繕= ・寸
︾ 謡 蔑織 懸灘 §
ゆ凝細誕細楚魯喫凄 ー牌 豊 逃磯 鍵 辮
誕梱よハム蓋戯蝉購罐 謙 蕪 懇
黙岬
霊 師 暴 繍
瀞演29藤墾蟹鍵劇= ゆ昼細ま日赫済契誕ゆ£蘇細
邸 鯉
軸軽契睡一 .
O .寸轟ゆ£鞄侭幡慾契瀬一Φのご塞口鹸蟹螺,.
罵・6 ・N蘇ゆ奮梱裸コ魯契薦1HO肖
饗 縫 謀
.. 価ゆ騨姻タ煮撫刃滋曇
︒ ︒
お ,寸
蟹贈e嶺 ⑱む嶋u暴佃 斜.頃.寸
熱鎌 罰 蕪 録
O ゆヤ獣鰯細蝋K価添々曝︒ う︒
ゆ .︒ う
濾 撫 鰍難 蝉 鶴
ゆ罵梱胆取輔範々鱒寸 ,ゆ .
N
灘迷§ 藤翼e以 創の ︒ゆ,N
騨繋綴懸蠣熱 華 .や︑嘱 談騨醸訳G潟
畔灘縫顯蕊翠㎝萎 血輔属 な凄晶 ゆ頑 ゆ癬釧f黛 ︒ ︒め一細鼻劃構 刃G .. ゆ纒⊃憾て鰯
盤鰻 艶蝦
槽謎
.・ ・
等
腫騨 1
︑︑瞳\
謹無 目蕪遡3
醤蕪Cレ鱗裂良匝握轟
一 ︒寸 ,
寸 σ﹀℃夢︑ヘー
ゆ 魏 舗劉 鑛 醐
ゆせ砲§二瓢︾誕離
蟹鯉
慧 韓 輌
(︒v戴鰭演
黛蒐纒H ・コ ゆヤ最腿細螂蟹 猶縛契凄
ミー臼ミトー八率軸劃蕪録
掴照や$懸 ︑鯉N ,
︒ ︒矧 .
心勧幽橿 条恩も却叶 急一,︒ う,寸
ゆヤ胆州当さ尋契
適嘱 薦 ︑"型 ,
︒, ,的
縮惑聰繧
♂靴 驚漣 一 ・の㎡﹂胆州9昏 やG遜樋 輔尋翼認 ゆ'♪ ︾ (攣駄刃攣隙襯怒劃黙甑﹀ .
門の .
N へ韻返量墜零麩u藤磯蕊齢 .︒ ,︒, .一
(恥謙糊燵.癒榔 ﹃曽︑
ゆ幅輝翅幅属契隠uは輔G勾門の .一 ゆ3︾﹂胆姻けM諌廼尋 な藩
二 嚢
繋鞭
国+幅婁雌轟蟹螺器 ゆ糞趨鯉鐵蝋課 ゆ轟欝欝鯉翠篶 ﹀○る馴賦︾﹂認9駆 顧刃踵盤 価驚契瞬
駕麗雌購羅羅濯﹃
﹃寸
(轍G餐凶怒齢
H ,
﹃の b蝦e粒円詣
個 .円 .
N
胡 畑幅 ゆむ論2姻侭 一.一.N
p
轟蕪
灘轟 一
坦畑粥e詣卦鯉一 .目 ,H ゆ二︾﹂尽撫9姻爆 輔属 翼認
紳齢寸憲⁝紳紳的蕪叶赫N総叶卦一蕪攣騒トート
(N嘱)
榔 齪 1 ト ー 県 e
鰹藩
蝋 蹄 叶 齢 寸 〜 H 翼 卦 謬 幽 7 天 x ー ム ト
一176一
ドイツ連邦共和国 の事実教授 と授業構成 原理 ブ レー メン州 を中心 に 活現 実 追 求 型(3型)が と られ て い る。 この 場 合,第II章 で も述 べ た が,科 学 的 方 向づ けか らは,教 材選 択 の 原理 と して の 意 味 は 失 わ れ,子 ど もの 学 習 プ ロセ ス を支 援 す る補 完 的機 能 を果 た す だ け とな る。
3.行 動 へ の 方 向 づ け
行 動 へ の 方 向づ け に は,子 ど もの 自由 な活 動,創 造 的 な行 動 関 心 や 要 求, 発 見 的 ・問題 解 決 的 学 習 の軽 視 を もた ら した行 きす ぎた授 業 の 科 学 化 へ の 反 省 と,新 し く解 釈 し直 され た科 学 的 方 向づ け との 相 補 的 関 係 が み られ る。
「基礎 学校 に お け る事 実教 授 につ い て の傾 向 と見解 」 で は,行 動 的 交 わ り の 重要 性 につ い て次 の よ うに述 べ られ て い る27)。「生徒 の 社 会 的 ・感 情 的 要 求
と能 力 を考 慮 した,子 ど もにふ さわ しい リラ ッ クス した雰 囲 気 の なか で,事 実 教 授 の 対 象 に じっ く りと と り組 む た め の十 分 な 時 間 が 与 え られ る。 遊 びや 試行 に お け る子 ど もの 喜 び に,十 分 な考 慮 が 払 わ れ る。 そ の 限 りにお い て, 行 動 的 に交 わ る こ とは事 実教 授 の 中心 的 な実 施 形 態 で あ る。」
事 実 教 授 が 子 ど もの 生 活領 域 を基 礎 に据 え て学 習体 験 を させ て い く とす れ ば,十 分 に 時 間 をか け て,子 ど もの発 達 段 階 に あ っ た形 で,諸 事 実(人 と人 ・ 社 会,人 と物 ・自然 の 関 係 性 の なか で 存在 す る)に 独 自 な方 法 で 具体 的 に交
わ る必 要 が あ る。
ブ レー メ ンの 学 習 指 導 要 領 で は,行 動 的 交 わ りが 子 ど もの イ メー ジ形成, 概 念 理 解,抽 象 的 関 係 理 解 の 前提 を提 供 す る と考 え られ て い る28)。さ らに,経 験 ・行 動 に方 向づ け られ た事 実 教 授 は,そ れ ぞ れ の 子 ど もに学 習 対 象 との 固 有 な行 動 的交 わ りへ の 可 能 性 を与 え るべ きで あ る と し,そ れ に よっ て子 ど も は,自 分 の学 習 の タ イプ や 能 力 に応 じて,最 も効 果 的 な学 習 の 筋 道 を選 択 す
る チ ャ ン ス を与 え られ る と理 解 され て い るの で あ る29)。
指 導 要 領 に 挙 げ られ て い る活 動 様 式 は,以 下 の とお りで あ る。
① 動 物,植 物 を育 て,観 察 す る。
② 自然 の対 象 を集 め,工 作 す る。
③ 実 験 す る(自 然 科 学 的 関 係 の 解 明 の ため だ け で は な い)
一一177‑一 一
ドイツ連邦 共和国の事実教授 と授業構成 原理 ブ レー メン州 を中心 に
④ 人 とな りに つ い て 問 い か け る。
⑤ 共 同 で何 か を準備 し,実 行 し,評 価 し・ 十 分 に活 用 す る・
⑥ 活 動 結 果 を他 に紹 介 す る。
⑦ もの を作 る。 もの と交 わ る。
⑧ 遊 び な が ら何 か を描 出 す る。'
⑨ 作 り出 した もの を常 に 改善 す る。
⑩ 紙,丸 木,模 型 な ど材 料 を使 って何 か を組 み 立 て る。
⑪ 何 か を印刷 ・描 写 ・縫 製 した り,編 ん だ り,接 着 した り,組 み立 て た りす る。
事 実教 授 の 特 徴 は,事 実 教 授 鮪 の 活 轍 術 技 倉旨・活動 様 式 の連 続 的練 習 にあ る.こ れ らは,長 期 に わ た って 自立 的 に 自 らの 環 境 を醐 す る可 能 性 を 臆 に与 え る.つ ま り,現 代 社 会 に お}ナる行 動様 式 の 準 備 を子 ど もに 与 え る こ とに もな る.従 って,行 動 へ の方 向づ}ナは ・ 配 活 動 を猷 て 自立 へ と 児童 を導 くの に重 要 な貢 献 をす るの で あ る。
事 実教 授 は,子 ど もの 現 実 の 多様 な把 握 の仕 方 を利 用 す る こ とに よっ て, 生 活 現 実 の複 合1生に対 応 して い る とレ・え る・この意 味 で ・事 実教 授 で 擁 し・
鮒 され る能 力や 技 能 は 一 定 の教 禾斗を猷 て適 用 可 能 に な る・ この ため 港 礎 学 校 終 了 まで に習 得 され る能 力 ・技 能 の 可 能 性につ いて も言 及 して い る。
以 下 で示 す 学 習 の 成 果 は,従 来 形 式 陶 冶 の 範 疇 で理 解 され て きた,デ ュー イ のID,的 謙 方 法や 方 法 へ の教 育,ブ ルー ナ ー の学 び 方 学 習 に よる学 習輯 多 論 との共 通 性 を見 い だ す こ とが で き る。
基 礎 学 校 終 了 まで に達 成 しよ う と努 め る事 実 教 授 にお け る学 習 の 成 果30) 一 注 意 深 く聞 くこ と
一 事 実 に即 して 問 い か け る こ と
一 観 察 した こ と を口答 で発 表 ケる こ と 一 観 察 した こ とを説 明 す る こ と
一 関係 性 を発 見 す るこ と
一 自分 の考 え を基礎 づ け る,,.と
一178一
ドイツ連邦共和 国の事 実教 授 と授業構 成原理 一・ブ レー メン州 を中心 に 一他 者 の意 見 を尊 重 す る こ と
一 思 いや る こ と
一 活 動 の指 示 をで きるか ぎ り自立 的 に実 行 す る こ と
一 活 動 課題 を一 人 で あ るい は他 者 と計 画 し,実 行 す る こ と 一 他 の 児 童 を援 助 す る こ と
一 情 報 を集 め るこ と(例 え ば,本 を読 む,人 に 問 い か け る,博 物 館 を訪 問 す る,フ ィル ム をみ る)
一 選 択 的 に解 決 を起 案 す る こ と 一 解 決 と解 明 を点検 す る こ と
一 作 業 地 図 に,異 な っ た原 本 の テ キ ス ト,図 表,リ ス トを整 理 す る こ と 一 総 合 ノー トを事 実 に照 ら し合 わせ て 導 くこ と
一 簡 単 な図表 を作 り読 む こ と
一 典 型 的 な事 柄 を説 明 し,使 用 す る こ と
一 定 規 ・は さみ ・ル ー ペ な ど簡 単 な道具 を事 実 に合 せ て使 用 す る こ と 一 活動 材料 と誠 実 に 目的 に合 わせ て 交 わ る こ と
IV事 実教 授の授業構成例
最 後 に,テ ー マ 領 域 「私 た ちは 自然 か ら材 料 を集 め整 理 す る」 か ら,第1 学 年 の テ ー マ 「私 た ちは葉 を集 め る」の授 業 構 成 例 をみ て み た い31)。この 授 業 は2時 間 が割 り当 て られ,学 習場 所 は校 内 に な っ て い る。 また,学 習指 導 要 領 の 授 業 構 成 例 で は,自 然 か ら集 め 整 理 す る材料 に木 の葉 が 考 え られ て い る が,材 料 を何 に決 め るか は教 師 の 自由 裁 量 に任 され て い る。従 って,子 ど も の 状 況 を考 慮 して,木 の 実 や 種 に して もよ い わ け で あ る。
授 業 構 成 を考 え る うえ で,大 き く分 けて 学 習 目標 領 域 と授 業 構 成 の2つ の 柱 を立 て て い る。
… 糾lll欝 一
一179‑一 一
ドイツ連邦共和 国の事実教授 と授業構成 原理一 ブ レー メン州 を中心 に
授 輔 成離 霧 孫 指示/繍 法
(1)学 習 目的領 域
取 り扱 い の 方 向 性 は,次 の とお りで あ る。
① 自然 へ の興 味 を喚 起 す る
② 自然 か らの 材 料 との 行 動 的 交 わ り
③ 独 自に 定 め た基 準 に従 っ て集 め整 理 す る
こ こで は,集 め る こ と と整 理 す るこ との教 授 的 価 値,自 然 へ の 興 味 が この テ ー マ 領域 の独 自性 を基 礎 づ け て い る。 まず,集 め る こ とは,事 実 と集 中的 に関 わ りあ お う とす る年 齢 特 有 の 欲 求 に対 応 して お り,興 味 を喚 起 させ る, 技 能 を訓 練 させ る,ま た,事 実1こ適 合 した 活 動 獄 の た め の 前提 を作 セ)出す
可 能1生を提 供 す る と考 え られ て い る.他 方,盤 す る こ とは・科 学 的 分 類 体 系 や 帰 納 的 に ま とめ る方 法 へ の理 解 を準 備 す る もの で あ る。
認 識:技 能/行 動 の組 み 立 て は次 の よ うに指 示 され て い る。
① 自然 の い くつ か の 材 料 に接 す る。
② 決 め られ た メル クマ ー ル に そ く して 自然 の材 料 を識 別 す る。
③ 選 択 され た材料 の名 前 をい くつ か 挙 げ る こ とが で きる。
④ あ らか じめ定 め られ た 基 準,も し くは独 自に定 め た基 準 に従 っ て整 理 す る。
⑤ 事 物 に う ってつ けの 接 藩 剤 を使 う。(選 択 的 に)
⑦ い くつ か の 花 を果 実 と種 に そ く して識 別 す る。
⑧ 具 体 的 な工 作 指 導 に従 って,工 作 す る こ とが で きる・
この テー マ で獲 得 され る概 念 も し くは 専 門用 語 は,選 択 され た材 料 の 名称 で あ る。 概 念 ・専 門用 語 は,児 童 の使 用 す る用語 範 囲 に 応 じる必要 は な く・
また,試 験 を しい る こ と も考 え られ て い な い。
一一lso‑一 一
ドイツ連邦共和 国の事 実教 授 と授業構成 原理 ブ レー メン州 を中心 に (2)授 業 構 成
書 物/メ デ ィア
さ ま ざま な葉,規 格 判 の紙,木 の 図解 つ きA2判 用 紙 (選択 的 に)
マ ロニ エ,ど ん ぐ り,ブ ナ の 木 の実,カ ラマ ツ の まつ か さ,松 か さ,乾 燥 した枝,燃 えつ きた マ ッチ棒,柔 らか な素 材,接 着 剤,フ ェル ト 補 足 す る活 動 の 指 示/授 業 方 法 は 以 下 の とお りで あ る。
① 授 業 進 行:学 校 周辺 の4,5本 の 木 を観 察 し,指 定 す る。 教 師 は特 徴 に 注 意 す る。
② それ ぞれ の 児童 は,指 定 した木 の葉 を集 め る。
③ 教 室 で葉 は分 類 され,繰 り返 し指 定 され る。 葉 を識 別 す る ため の特 徴 を見 い だ す努 力 をす る。
④(グ ル0プ 内 で)児 童 は,あ らか じめ描 か れ て あ る木 の絵(A2判 用 紙)に,一 種 類 の 木 の葉 を張 り付 け る。(例 えば,オ ー クの木,白 樺,菩 提 樹 な ど)
V結 語
以 上 考 察 して きた こ とを ま とめ て み る。
第0に,ド イ ツの 事 実 教 授 の 学 習 内容 は,子 ど もの 具 体 的 生 活 現 実 ・環 境 を基礎 に置 い た テ ー マ で 構 成 され る傾 向 に あ る。 これ は,子 ど もの経 験 や 学 習 の要 求 に重 点 を置 い た学 習 内容 構 成 で あ る とい え る。
第 二 に,事 実 教 授 で は,で き るか ぎ り子 ど もに即 した 授 業 が構 想 され て い る。 単 に,す べ て を子 ど もに委 ね る とい う意 味 で は な く,不 適 切 な子 ど も っ ぽ さは避 け られ な けれ ば な らな い。 その た め に,子 ど もの 自発 的経 験 推 測 ・ 思 考 を,徐 々 に客 観 的 かつ 確 実 な思 考 ・認 識 へ と転 換 され る方 法 が考 え られ て い る。 科 学 的 方 向 づ け も同 時 に,事 実 教 授 の根 本 的 性 格 で あ るこ とが 解 っ た 。
第 三 に,今 臥 科 学 的 方 向づ けは,中 等 教 育 段 階 以 降 の学 問 準備 教 育 ,あ 一7 .81一
ドイツ連 邦共和 国の事 実教授 と授業構成 原理 ブ レー メン州 を中心 に るい は教 科 別 に細 分 化 され た 内容 構 成 の も とに行 なわ れ る科 学伝 達 授 業(教 科 ご とに専 門化 され た教 授)と 混 同 され て は な ら ない 。3原 理 の相 補 的 ・相
関 的 関係 の な か で,子 ど もの学 習 を指 導 す る原 理 として理 解 す る必要 が あ る。
しか し,総 合 的 に 見 た場 合,そ れ ぞれ の 授 業 を どの程 度,内 容 的 ・実 践 的 に 統 一 的 関係 に ま とめ る こ とが で きるか,と い っ た点 で 困難 な 問題 をか か えて
い る と思 う。
これ らは科 学 的 方 向づ けの概 念 の導 入 ・解 釈 の経 緯 を把握 す る こ とに よっ て,明 確 に理 解 す る こ とが可 能 に な る と考 え られ る。視 点 を変 えれ ば,郷 土 科 か ら事 実 教 授 へ,さ ら に,1970年 代 以 降 の頻 繁 な事 実 教 授 の 変 化 も,こ の 概 念 が 大 きな鍵 を握 って い る と言 え ま いか 。 特 に,本 稿 で取 り上 げ た最 近 の 事 実 教 授 に お け る科 学 的 方 向づ けは,教 科(専 門)体 系 に基 礎 づ け られ た 学 習 内容 選 択 の原 理 と して で は な く,児 童 適 合 性,行 動 へ の 方 向づ け と と もに, 子 ど もの 学 習 を方 向づ け る授 業 構 成 の 基 本 原理 と して新 た に解 釈 し直 され た
と理 解 され うる。3原 理 を相 補 的 ・複合 的 に組 み 合 わせ る こ とに よ り,子 ど もに とって独 自の 意 味 な い し価 値 を もつ 事 実 環 境 を,で きるか ぎ り客 観 的 に 把 握 ・理 解 す る授 業 を組 織 す る こ とが で き る とい うの で あ る。
近 年,事 実教 授 で授 業 の 訓 育 的側 面 を重 視 す る姿 勢 が 強 ま って い る。 筆 者 は これ まで に ノル トライ ン ・ヴ ェ ス トフ ァー レ ン州 の 学 習 指 導 要 領 の 訓育 的 教 授 の考 え方 か ら,若 干 の 考 察 を試 み た こ とが あ る32)。しか し,あ らた め て教 授 と訓 育 の 統 一 の 視 点 か ら,こ の ね らい を もつ指 導 が,基 礎 学 校 の 事 実 教 授 に お い て3原 理 との 関係 性 で どの よ うに構 成 され るか を解 明 してみ た い。 ま た,も う一 つ の 課 題 として,事 実 教 授 以 外 の 他 教 科 との 関 連 性 につ い て も, 基礎 学 校 カ リキ ュ ラム全 体 の 問 題 か ら明 らか に す る必 要 が あ るだ ろ う。 これ
らにつ いて は 今 後 の 課 題 と した い。
一182一