エ5
消 費者 物 価 と卸 売 物 価 の か い離 昭和57年 一60年
StatisticalAnalysisoftheGapbetweenConsumer andwholesalePriceinJapan,1982‑‑1985
水 野 裕 正
YasumasaMIZUNO
1.は じめYT
2.昭 和57年sl年 の か い 離 分 析
1.は じめ に
2度 の オ イル ・シ ョ ッ クで,消 費 者 物 価 指 数,卸 売 物 価 指 数 と も)/Tかな り激 しい 動 き を 示 した が,昭 和56年 以 降,両 指 数 と もか な り 低 い上 昇 率 で 安 定 した 動 きで 推 移 し て きた.
す な わ ち,昭 和56年 か ら60年 ま で の,消 費 者 物 価 指 数 の平 均 上 昇 率 は2.2%で あ り,卸 売 物 価 指 数 の そ れ は マ イ ナ ス0.6%で あ っ た.そ し て.昭 和60年6月 頃 か ら消 費 者 物 価 指 数 は 引 続 き安 定 的 な動 き で推 移 した の に対 し,卸 売 物 価 指 数 は輸 入 物 価 な どの 関 係 が強 く作 用
して,急 激 な下 降 を開 始 した,こ の過 程 に つ い て は,劣 稿 「消 費 者 物 価 と卸 売 物 価 の か い 離 分 析 昭和60年6月 一61年6月 」(創 価 経 済 論 集,VoLXVINo.4)で 分 析 を 試 み た.今 回 は,第2次 オ イル ・シ ョ ックか ら, 円 高 な ど に よ る卸 売 物 価 指 数 の急 激 な 下 降 が 始 ま る ま で の比 較 的 安 定 し て い た 時期 の うち の3年 間 を 取 り上 げ て,消 費 者 物 価 指 数 と卸 売 物 価 指 数 との か い離 の 要 因 の大 き さ を 計 算 し,他 の期 間 と比 較 した1昭 和55年 一57年 ま で の2年 間 に つ い て は,す で に,こ れ も,劣
3,昭 和57年.1年 の か い離 の 特 徴 と他 期 間 との比 較 4,む す び
稿 「消 費 者 物 価 と卸 売 物 価 の か い離 分 析 昭 和55年 一57年 」(創 価 経 済 論 集Vol.XVNo.
2)で 論 述 して お い た.
従 っ て,昭 和55年 一57年 の 期 間 の 分 耕 結 果 を も含 め,昭 和57年 一60年 の 分 析 結 果 を,他 期 間 と比 較 しな が ら論 述 す る こ とに す る.
第1図 か ら明 らか な よ うに,昭 和57〜60年 の3年 間 の 消費 者 物 価 指 数 と卸 売 物 価 指 数 の 動 向 は,昭 和55〜57年 の2年 間 の 消 費 者 物 価
第1図CPQとWPIの 乗 離
。‑mCPI 105● 一 一一 ●WPI
r‑.100 上 昇 率
%
̀」95
90
555657585960(昭 和 年)
エ6季 刊 創 価 指 数 と卸 売 物 価 指 数 の 動 向 が,卸 売 物 価 指 数,消 費 者 物 価 指 数 と もに上 昇 して い た の に 対 し,卸 売 物 価 指 数 は 下 降,消 費 者 物 価 指 数 は 上 昇 の パ タ ー ンが3年 間 続 い た.そ して, そ の 後,パ タ ー ソ は変 わ らな い が,卸 売 物 価 指 数 は昭 和60年6月 か ら急 激 な 下 降 線 を 辿 る
こ とに な る.
2.昭 和57年 一60年 の か い 離 分 析
昭 和57年 基 準 の 昭 和60年 の 消 費 者 物 価 指 数 (全 国)は,106.3で あ り,卸 売 物 価 指 数 は, 96.4で あ っ た.従 っ て,9.9パ ー セ ソ テ ー ジ
・ポ イ ン トが,消 費 者 物 価 指 数 と卸 売 物 価 指 数 と の 間 に,こ の3年 問 に 生 じ た か い 離 で あ る.
先 ず,消 費 者 物 価 指 数 の 作 成 に 採 用 さ れ て い る 品 目 を10大 分 類 別 に,サ ー ビ ス 品 目 と財 貨=消 費 財 品 目 と に 分 類 す る と,各hの 品 目 数 と ウ エ イ トは 第1表 の 様 に な る.
こ の 第1表 よ り,財 貨=消 費 財 品 目 の ウ エ イ トが 約64.7%,サ ー ビ ス 品 目 の ウ エ イ トが
経 済 論 集VoLXVII,No.4
35.3%で あ る こ と が 解 る.こ れ ら の ウ エ イ ト は,昭 和55年 基 準 の 値(66.0%,34.0%)に
比 べ,サ ー ビ ス 品 目 の ウ エ イ トが 増 加 し て お り,昭 和50年 基 準 の そ れ は33.8%で あ る か ら,こ の 間 で み る 限 り,一 般 に 言 わ れ て い る,我hの 生 活 の 内 容 が 財 貨 か らサ ー ビ ス へ 移 行 し つ つ あ る 現 象 が 数 字 の 上 か ら も み て 採 る こ と が で き る.こ こ で,サ ー ビ ス 品 目 グ ル ー プ と財 貨=消 費 財 グ ル0̲"7の 昭 和60年 の 消 費 者 物 価 指 数(昭 和57年=100.0)を 計 算 す る と,前 者 は109.6,後 者 は104.2(第5表 参 照)に な る.こ の 結 果 は,サ ー ビ ス 品 目 の 価 格 上 昇 率 が 財 貨 品 目 の そ れ を 上 回 る と 言 う一 般 的 な 物 価 動 向 の 常 識 と一 致 す る も の で あ る (昭 和55年 基 準 の 昭 和57年 の そ れ は,108.9と 106.9で あ っ た).
次 に,卸 売 物 価 指 数 の 作 成 に 用 い られ て い る 品 目 を 生 産 財 と 消 費 財 に 分 類 し て み る と, そ の 品 目 数 と ウ エ イ トは 第2表 の よ う に な
る.消 費 財 グ ル ー プ の 品 目数 は,日 銀 分 類 の 消 費 財 品 目 の313品 目 と 生 鮮 食 料 品 の71品 目
第1表CPIの サ ー ビス と財 貨 の 品 目数 と ウ ェ イ ト (昭 和57年=100.0)
大 分 類
料細居道品物療信育楽費
用履食水事び医通娯
鮮熟塚及健通㌦具服食性住光家被保交教教諸
全 品 目
晶 目 数iウ ー イ ト
201
(58) 21
7 56 76 18 34 13 57 29
3,823.1 (714.4)
515.9 645.0 520.5 954.5 305.4 1,123.2 435.3 1,284.3 524.9
財 貨=消 費 財
品 目 数 ウ エ イ ト
184 (58)
7 7 54 72 15 8 3 44 20
3,014.5 (714.4)
45.7 645.0 475.1 892.3 116.0 407.0 18.7 575.5 36」..4
サ ビ ス
品 目 数 ウ エ イ ト
17 } 14 0 2 4 3 26 10 13 9
:1..
470.2
35.4 62.2
;・.
716.2 416.G 1:
163.5
合 十二ご口
512110,122.141416,551.2
983,570.9参 考資 料:総 務 庁 統 計 局r消 費 者 物 価 指 数 年 報,昭 和60年 』 昭和61年6月.
March1988水 野裕 正:消 費 者 物 価 と卸 売 物 価 の か離 昭 和57年 一60年
第2表API(国 内及 び 輸 入)中 の 消 費 財 の 品 目数 と ウ エ イ ト(昭 和57年=100.0)
17
全 品 目
共 通 品 目
非 共 通 品 目
数 ト
イ 目
工品ウ
品 目 数
ウ エ イ ト
品 目 数
ウ エ イ ト
全 品 目
1,256注1 1,000.00
生 産 財
872 767.68
消 費 財
計 消 費 財 生鮮食品
384 232.32
282 193.94
102 38.38
313 207.53
233 174.53
80 33.00
71 24.79
49 19.41
22 5.38 注1)総 合 卸 売 物 価 指 数 の 品 目1,185に,生 鮮 食 品71品 目を 加 え た 数
参 考 資 料:日 本 銀 行 調 査 統 計 局r昭 和60年 物 価 指 数 年 報 』 昭 和61年2月.
との 合 計384品 目 で あ る.こ こ で,消 費 財 の 384品 目の 大 部 分 は生 産 財 品 目 と して も 使 わ れ て い る品 目で あ り,従 っ て,ウ エ イ トに は 消 費 財 と して 使 用 され る部 分 の み を計 算 に 参 入 した.し か し,消 費 財 に分 類 し た 品 目に つ い て は,品 目の数 と して は,生 産 財 の 分 類 に は参 入 され て い な い.こ の よ うに して 分 類 し た結 果,日 銀 分 類 の資 本 財 と生 産 財 を 加 え た 生 産 財 グル ー プ の 品 目数 は872品 目で あ り,
ウ エ イ トは 全 体 の 約76.8%を 占 め て い る.生 産 財 グル ー プ と消 費 財 グル ー プ の昭 和57年 基 準 の 昭 和60年 指 数 は,前 者 が95.0,後 者 が 101.0で あ る(第5表 参 照).こ の結 果 も,物 価 動 向 の一 般 的 な 常 識 で あ る消 費 財 の 上 昇 率
は生 産 財 の そ れ を 上 回 る と言 う傾 向 と一 致 し て い る(昭 和55年 基 準 の 昭 和57年 指 数 は101.
2と102.9で あ った).
次 に,品 目 の共 通,非 共 通 と い う 観 点 か ら,消 費 者 物 価 指 数 と卸 売 物 価 指 数 を 作 成 す る の に 用 い られ て い る品 目 の うち,消 費 財 品 目を 消 費 者 物 価 指 数 の10大 分 類 に従 っ て 分 類 し て み る と,各 々の 分 類 後 の品 目数 と ウエ イ
トは第3表 の よ うに な る.第3表 よ り,ウ エ イ トの 面 か らそ の 割 合 を見 て み る と,消 費 者 物 価 指 数 に つ い て は,消 費 財 品 目中 約75.9%
弱 が 卸 売 物 価 指 数 の 構 成 品 目 と の 共 通 項 に な っ て い る が,卸 売 物 価 指 数 に つ い て の そ れ は,83.5%弱 が 消 費 者 物 価 指 数 の 構 成 品 目 と の 共 通 項 を 成 し て い る.こ の 面 で は,消 費 者 物 価 指 数,卸 売 物 価 指 数 と も に 高 い パ ー セ ソ トを 示 し て い る が,消 費 者 物 価 指 数 の 構 成 品 目 の う ち,卸 売 物 価 指 数 に 共 通 す る 品 目 の ウ エ イ トが 約49 .7%強 あ る の に 対 し て,卸 売 物 価 指 数 の そ れ は19.4%弱 に 留 ま っ て い る.こ
の ウ エ イ ト構 成 の 差 か ら,卸 売 物 価 指 数 の 約 80.6%強 を 占 め る 生 産 財 の 値 動 き が,消 費 者 物 価 指 数 と 卸 売 物 価 指 数 の 上 昇 率 の か い 離 に 大 き な 影 響 を 与}る で あ ろ う こ と が,ま ず, 指 摘 で き る.
さ て,昭 和60年 の 共 通 品 目 の 消 費 者 物 価 指 数 は,第5表 に 示 し た よ うに,103.7(106.2)
で あ り,卸 売 物 価 指 数 の そ れ は101.9(103.6) で あ る.従 っ て,共 通 品 目 の み の 消 費 者 物 価 指 数 と 卸 売 物 価 指 数 と の 差 は1。8(2.6)パ ー セ ン テ ー ジ ・ポ イ ン トで あ り,こ れ は 全 体 の 差,9.9(5.8)パ ー セ ソ テ ー ジ ・ポ イ ソ ト の 約18.2(約44.8)a弱 に 当 た る.こ の1.8, 2.6と い う数 字 を 小 さ な 値 で あ り,無 視 す る
に 値 す る と考}る か,否 か は,全 く主 観 の 問 題 で あ る が,少 な く と も,消 費 者 物 価 指 数 と
・8季 刊 創 価 経 済 論 集Vo1・XVII,No・4
第3表CPYとWPIの 共 通 及 び 非 共 通 消 費 財 の 品 目 数 と ウ ェ イ ト(CPIの 大 分 類 別)
大 分 類
CP
1
料劉居道品物療信育楽費用履食水事び医通娯鮮鄭像及険通㌔
ロ
食性住光懇保交教教諸財 貨 全 品 目
品 目 数 ウ ニ イ ト
184 (58)
7 7 54 72 15 8 3 44 20
3,014.5 (714.4)
45.7 645.0 475.1 892.3 116.0 407.0 18.7 575.5 361.4
非 共 通 品 目 品 目 数 レ エ イ ト
34 (12>
5 4 8 23 3 0 0 18 3
429.&
(85.7) 13.2 450.2 38.2 364.8 16.3
241.9 25.8
共 通 品 目
品 目 数 ウ エ イ ト
150 (46)
2 3 46 49 12 S 3 26 17
2,584.9 (628.7}
32.5 194.8 436.9 527.5 99.7 407.0 18.7 333.6 335.6
ウ エ イ ト
5,199.7 (1,264.7)
65.4 391.9 878.9 1>061.1 200.5
..
37.6 671.1 675.1
合
昌ニロ 十 X1416,551.29811,580.03164,971.2110,000.0
W P I
料粉居道品物療信育楽費口用履食水事び医通娯鮮熱嫁及険通養雑具服食性住光家被保交教教諸
173 {71)
3 4 65 46 24 10 2 37 20
105.81.77 {24.7909)
0.2342 3.2052 34.5968 18.0320 Z2.X852 12.4018 0.7262 26.5461 18.2800
39F10.2234
(22)
1 0 25 1 17 2 0 15 2
(5.3813) 0.0679 1ill!
10.3536 0.9728 8.X290 0.4766 1illl 7.3&40 0.X963
134 (49)
2 4 40 45 7 8 2 22 18
95.5943 (19.4096}
0.工663 3.2052 24.232 17.0592
4.0562 1」..9252
0.7262 19.1821 17.7837
4,929.0 (1,000,s>
.・
165.3 1>250.0
・ ・
209.1 614.9 37.4 989.1 917.0
合
十二=口 384123a3252}・ ・2 38.3836 2821193.9416110,000.0
第4表 昭 和60年 の 共 通 品 目の 各 種 物 価 指 数 と乖 離 率
大 分 類
料居道品物療信育楽費
用履
水事び医通娯鄭像及健通㌔
具服
食住光家被保交教教諸
WPIの ウ エ イ ト
4,929.0 8.6 165.3 1,250.0
879.6 209.1 614.9 37.4 989.1 9ユ7.0
CPIの ウ エ イ ト
5,199.7 65.4 39X..9 878.9 1,061.1 200.5
..
37.6 671.1 675.1
WPIウ エ イ トのWPI
104.0 99.7 '・!
・.,
102.5 95.1 97.1 103.0 95.2 107.2
瓢 矧 瓢 智1乖 離曇1
103.3 99.7 91.0 99.7 103.6 95.9 96.1 103.0 100.0 105.8
106.2 102.4 91.1 101.1 105.8 110.7 92.6 101.8 99.4
×07,s
102.3 102.7 100.1 101.4 102.1 115.4 96.4
,..
99.4 101.9
平 均i・o,・ ・0.・
10,000.0 101.9 101.7103.71102.0
注1乖 離 率=(CPIウ エ イ ト のCPI÷CPIウ エ イ トのWPI)×100 出 所:付 表1
March1988水 野 裕 正:消 費 者 物 価 と卸 売 物 価 の か 離 昭 和57年 一90年 ・g 第5表 各 種 物 価 指 数 の 比 較 第6表 か い 離 分 析 の 結 果 の 比 較
各 種 物 価 指 数 欄 晦 縫)
乖
Ps P Pe Pcl PSI*
siip P' P' P/P
サ ー ビス 品 目のCPI 全 品 目のCPI
財 貨=消 費 財 品 目のCPI 共 通 品 目のCPI
共 通 品 目 のWPI
(CPエ ウ エ イ ト) 共 通 品 目 のWPI
消 費 財 のWPI 全 品 目 のWPI 生 産 財 のWPI
劇 説 腰 因1昭 和57‑6・年
109.6 106.3 104.2 103.7 101.7 101,9 101.0 96.4 95.0
全 体P‑P'以 下 の 合 計9.9(100.0)
部分
1*,‑'GCGGG'
P P P P P P
一一一一㎜}選馬瑠瑠瑞
サ ー ビ ス 品 目 非 共 通 財 貨 品 目
流 通 費 用
ウ エ イ トの相 違 非 共 通 消 買 財
生 産 財
2.1(21.2) 0.5(5.0) 2.0(20.0) 00.2(02.0) 0.9(9.1) 4.6(46.5)
出 所:付 表2,付 表3,付 表4,第4表
卸 売 物 価 指 数 の か い 離 の20%,45%を 占 め て い る こ と を 考 え る と,そ れ ほ ど簡 単 に,共 通 品 目 の 間 に は 大 き な 差 は な い か ら,か い 離 の 問 題 は そ れ ほ ど気 に す る 必 要 は な い と す る意 見 に は 賛 成 す る わ け に は い か な い.
し か し,消 費 者 物 価 指 数 の ウ エ イ トを 用 い た,共 通 品 目 の 卸 売 物 価 指 数 の 値 は101.7 (105.3)と な り,共 通 品 目 の 消 費 者 物 価 指 数
の 値 は103.7(106.2)で あ る か ら,そ の 差 は 2.0(0.9)パ ー セ ソ テ ー ジ ・ポ イ ソ トに 拡 大
第2図
(第5表 よ り作 成) 95.096.097.098.099.0
CPI(全 国 〉
CPI(財 貨;消 費 財)
出所:第5表
(昭 和57年 の 時 は 縮 小)す る.こ の 消 費 者 物 価 指 数(共 通 品 目)と 卸 売 物 価 指 数(消 費 者 物 価 指 数 の ウ エ イ トで 計 算 し た 共 通 品 目)と
の 差2.0ポ イ ン ト は9.9ポ イ ソ ト(全 品 目 を 用 い た 指 数 の 差)の 約20.2(15.5)0に 当 た る.こ の 差 の 生 ず る 原 因 は 共 通 品 目 を 構 成 し て い る商 品 が 卸 売 の 段 階 か ら 小 売 の 段 階 に 移 動 す る時 に 生 じ た も の で あ る と考}ら れ る.
す な わ ち,流 通 費 用 の 拡 大 が 原 因 で 生 じ た も の と解 釈 で き る.そ し て,1.8ポ イ ソ ト か ら 2.0ポ イ ン トを 差 し 引 い た マ イ ナ ス0.2(プ ラ ス1.7)ポ イ ソ トは 消 費 者 物 価 指 数 と卸 売 物 昭 和60年 のCPSとWPIの 品 目 と ウ エ イ トの 調 整
100.0101.0102.0103.0104.0105.0106.0107.0
1嘲1■[ll1Ll
=
CPI(共 通 品 目)
WPI(共 通 品 目CPIウエ イ ト)
WP工(共 通 品 目)
WP工(消 費 財)
WPエ(生 含 む総平均) 鮮 食 品 を
℃P工:消 費 者 物 価 指 数 WPI:卸 売 物 価 指 数
2。 季刊 創 価 価 指 数 の 共 通 品 目に つ け られ た ウエ イ トの違
い か ら生 じた も の と解 釈 す る こ とが で き る.
これ らの 計 算 の 結 果 は 第4表 に示 した 通 りで あ る(括 弧 内 の 数 値 は 昭 和57年 の値).
以 上 の 各 種 の物 価 指 数 の計 算 結 果 を ま とめ て み る と,第5表 の よ うに な る.こ の 第5表 の 昭和60年 指 数 を 図 示 した も のが 第2図 で あ る.
こ の第2図 の 形 状 は,消 費 者 物 価 指 数 の 上 昇 率 が 卸 売 物 価 指 数 の そ れ を 上 回 る と き の そ れ とほ ぼ 同 じ形 を し て い る.た だ 一 つ 異 な っ て い る の は,共 通 品 目の卸 売 物 価 指 数 の 上 昇 率 が 消 費 者 物 価 指 数 の ウエ イ トで 計 算 し た卸 売 物 価 指 数 の そ れ を 上 回 った 点 で あ る.こ れ は卸 売 物 価 指 数 に含 まれ て い る品 目の 中 で, そ の 晶 目 と対 に な っ て い る 消 費 者 物 価 指 数 に 含 まれ て い る 品 目の ウエ イ トが,卸 売 物 価 指 数 に含 まれ て い る 品 目 の そ れ と 比 較 して,
ウエ イ トの 大 き い品 目 の 価 格 上 昇 率 が 相 対 的 に小 さ か っ た こ とを示 し て い る.こ れ は 消 費 者 物 価 指 数 と卸 売 物 価 指 数 の各hの 役 割 が 異 な っ て い る以 上,各 品 目の 各 々 の 指 数 に 占 め る重 要 度 が異 な るの は 当 然 な こ と で あ る.こ の期 間 で は,消 費 生 活 の 面 で よ り重 要 で あ る と測 定 され た 品 目の 価 格 上 昇 率 が,生 産 者 に も っ と も近 い 流 通 段 階 で,そ の 他 の 品
目 の そ れ と比 べ て低 か っ た こ とを 示 し て い る.こ の 現 象 は,消 費 者 物 価 指 数 と卸 売 物 価 指 数 が共 に上 昇 して お り,前 者 が 後 者 を 上 回 る一 一般 的 な状 況 の場 合 とは 逆 な現 象 に な っ て い る.そ し て,昭 和57年 か ら昭 和6'0年に か け て の両 物 価 指 数 の動 き は,卸 売 物 価 下 落,消 費 者 物 価 上 昇 で あ った.更 に,昭 和60年6月 か ら昭 和61年6月 にか け て の,卸 売 物 価 大 幅 下 落,消 費 者 物 価 微 騰 の状 況 の下 で は,こ の
経 済 論 集Vo1.XVII,No.4
逆 転 現 象 を よ り は っ き り と見 る こ と が で ぎ る.す な わ ち,昭 和60年6月 時 点 に お け る こ の 第2図 は,よ り一 層 凹 凸 の 大 き な 図 に 変 わ っ て い る,
更 に,第5表 か ら は,相 対 的 に 生 産 性 が 低 い と 考 え ら れ て い る サ ー ビ ス 品 目 の 消 費 者 物 価 指 数 の 上 昇 率 は ど の グ ル ー プ よ り も 高 く, 生 産 財 の 卸 売 物 価 指 数 は ど の グ ル ー プ よ り も 低'く な っ て い る.こ の 傾 向 は ご く普 通 の 形 状 で あ る.
次 に,昭 和57‑60年 の 期 間 に 発 生 し た 消 費 者 物 価 指 数 と 卸 売 物 価 指 数 と の か い 離9.9パ ー セ ソ テ ー ジ ・ポ イ ソ トを,各 々 の 説 明 要 因 に 分 解 し て み る と,第6表 の よ う に な る.こ の 第6表 に 従 え ぽ,こ の3年 間 に 生 じ た9.9 パ ー セ ソ テ ー ジ ・ポ イ ン トの う ち の4 .6ポ イ ソ ト(46 .5%)が 生 産 財 の 物 価 の 上 昇 率 が 消 費 財 の そ れ を 下 回 っ た(消 費 財 の 卸 売 物 価 指 数 と 全 品 目 の そ れ と の 差)こ とか ら 生 じ た こ
と が 解 る.次 に 大 き な 要 因 は,サ ー ビ ス 品 目 の 価 格 上 昇 率 が 財 貨=消 費 財 品 目 の そ れ を 上 回 っ た こ と に よ っ て 生 じ た2.1ポ イ ン ト(21.2
0)で あ る.こ の2つ の 要 因,す な わ ち, サ ー ビ ス 品 目 の 相 対 的 に 高 い 価 格 上 昇 率 と 生 産 財 の 相 対 的 に 低 い 上 昇 率 に よ っ て,9.9ポ
イ ン トの6.7ポ イ ソ ト(67.7%)が 説 明 さ れ て し ま う.第3番 目 に 大 き い 要 因 は,2.0ポ イ ソ ト(20.2%)を 占 め る 流 通 費 用 で あ る.
こ れ は 共 通 品 目 の 消 費 者 物 価 指 数 か ら 消 費 者 物 価 指 数 の ウ エ イ トを 用 い て 計 算 し た 卸 売 物 価 指 数 を 差 し 引 い た 値 で あ り,商 品1単 位 当 り の 流 通 費 用 の 拡 大 に よ っ て 生 じ た か い 離 で あ る.第4番 目 は,0.9ポ イ ソ ト(9.1%)を 示 す 非 共 通 消 費 財 の 相 対 的 に 低 い 価 格 上 昇 率 か ら 生 じ た か い 離 で あ る.こ れ は 共 通 品 目 の
March1988
卸 売 物 価 指 数 か ら消 費 財 のそ れ を 差 し引 い た 値 と し て 求 め られ る.第5番 目 は,0.5ポ イ ソ ト(5.0%)を 示 す 非 共 通 財 貨 品 目の 相 対 的 に高 い価 格 上 昇 率 か ら生 じた か い 離 で あ る.こ れ は財 貨=消 費 財 品 目 の消 費者 物 価 指 数 か ら共 通 品 目 の それ を差 し引 い た 値 で あ る.最 後,第6番 目 は,マ イ ナ ス0.2ポ イ ソ ト(マ イナ ス2,0%)を 示 す 卸 売 物 価 指 数 の ウ エ イ トと消 費 者 物 価 指 数 の そ れ と の相 違 で あ る.こ れ は 消 費 者 物 価 指 数 の ウエ イ トを 使 っ た 共 通 品 目の 卸 売 物価 指 数 と卸 売 物 価 指 数 の ウ エ イ トを 使 っ た 共 通 品 目の そ れ との差 と し て計 算 され る.
以 上 の諸 分 析 結 果 を,昭 和40年 以 降 の そ れ と比 較 しな が ら,以 下 個hに 吟 味 す る こ と に す る.
水 野裕正:消 費老物価 と卸 売物価 のか離
3.昭 和57年 一60年 の か い 離 の 特 徴 と 他 期 間 と の 比 較
前 節 で は,主 と し て,消 費 者 物 価 指 数 と卸 売 物 価 指 数 と の か い 離,9.9パ ー セ ン テ ー ジ
・ポ イ ソ トの 差 を6個 の 説 明 要 囚 に 分 析 す る 作 業 を 行 っ た.こ の 節 で は,前 節 の 分 析 結 果
第7表
昭和57年 ・!年2エ
に若 干 の統 計 的 処 理 を加},昭 和57年 以 前 の 分 析 結 果 と比較 ・検 討 を 行 う こ と にす る.ま ず,サ ー ビス 品 目,ウ エ イ トの相 違 と生 産 財 品
目の か い離 に与 え る影 響 度 を 時 系 列 的 に第3 図 に 示 し,流 通 費 用,非 共 通 財 貨 品 目,非 共 通 消 費 財 品 目の そ れ を 第3図 一1に 示 した.
(1)サ ー ビス 品 目 につ い て
サ ー ビス 品 目 の貢 献 度 は 消 費 者 物 価 指 数 (全 国)か ら,財 貨=消 費 財 品 目を 取 り 除 い た 値 か ら計 算 され て い る.一 般 に,サ ー ビス 品 目(付 表4)は 生 産 性 の 向上 と い う観 点 か
らは,合 理 化 の対 象 とな りに くい品 目(例}
ば,外 食,保 険 医 療,各 種 の修 理,理 美 容, 教 育 費 な ど)が 比 較 的 多 い た め,他 品 目 グル ー プ に比 べ ,価 格 の上昇 率 は高 い傾 向 にあ る
と考}ら れ る.そ こで,昭 和40年 以 降 の 分 析 結 果 を観 察 して み る と,異 常 時(昭 和47‑49 年,昭 和54‑‑55年 の2つ の期 間 に つ い て は, 卸 売 物 価 の上 昇 率 が 消 費 者 物 価 の そ れ を 上 回
り,更 にサ ー ビ ス 品 目の 価 格 上 昇 率 が 財 貨 消 費 財 品 目の そ れ を下 回 っ て い る)を 除 く他 期 間 で はす べ てサ ー ビス 品 目の価 格 上 昇 率 が財 貨 消 費 財 の そ れ を 上 回 っ て い る.昭 和53‑54 かい離分 析の結 果の比較
乖 離
全体 P‑P'
P‑Pc
Pc‑Pc1 部
Pc1‑Pc1*
Pc1*・‑Pc1ノ
分P' ‑P'C
IC
Pc'‑Pノ
説 明 要 因
以 下 の 合 計1
超稗醗 超灘1翠 融 「鞭灘 脚 響 難 課ぎlll
(、17.900.0)(・10.700.0)(嗣 ・8.800.0)(10.7100.0)
5.403.609.65.89.99.9
(1・…)/・ ・…)i(・ ・o.・)(1・ …)1(・ ・…)1(1・ …)
サ ー ビ ス 品 目
非共通財貨 品 目
流 通 費 用
ウ エ イ トの 相 違
財財費消産通共非生
2.8 (15.6)
△0.2 (01.1)
2.5 (14.Q)
5.9 (33.0)
3.0 (16.7)
3.9 (21.8)
2.2 {20.6)
1.4 {13.1) 2.0 (18.7)
1.2 (11.z) d.1 {0.9)
3.8 (35.5)
X3.6 (27.1)
1.6 (012.a)
2.0 (△15.0) 1.3 (△9.8)
△O.4 (3.0)
X14.2 (106.8)
1.9 (21.6)
0.3 (3.4)
0、7 C7.9)
1.3 (14.8)
0.9 (la.z)
3.7 i
(42.0)1(27.、)
3.811.6 (35.5}i(29.6)
o.2io.6 1.9)1(11.1)
!.20.8
(!1.2)i(14.8) 1.70.2 (!5.9)1(3.7)
0.9!0.0 (8.4)(0.0)
2.912.2
×40.s) 1
1.0 (027.8)
0.3 (△8.3)
00 .8 (22.2)
0.3 (△8.3)
0.1 (02.8)
△4 .5 (125.0)
00 .7 (7.3)
1.1 (0!1.5)
ol .9 {r9.s)
0.4 (04.2)
0.7 (△7.3)
09 .2 (95.S)
0.8 (13.s)
d.7 (12.1)
0.9 (15.5)
ユ.7 (29.3)
0.7 (12.1)
1.0 (17.2)
2.1 (21.2)
0.5 (5.0)
2.0 (20.2)
00 .2 (△2.0)
0.9 (9.1)
4.6 (46.5)
0.8 (8.1)
00.5 {05.1}
X.6 (16.2)
△0.8 (08.1)
a.5 (5.1)
8.3 (83.8)
Vol.XVII,Nc.4
廿 量 讐
集芸ム
貢冊
︑駄 ︑︑︑︑︑ 握摯︹晃艦ト蕪く想)
鐘蝋e遡勲醸e皿岨甚慰渓璽報嫌b督皿岨綴謡蝦瞭株︑旺慰蝦爆一i区︒︒紙 HーO
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22
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March1988
年 の期 間 で は,卸 売 物 価 指 数 の 上 昇 率 が 消 費 者 物 価 指 数 の そ れ を 上 回 り,サ ー ビス 品 目価 格 の上 昇 率 が 財 貨 消 費 財 品 目の そ れ を 上 回 っ た.こ れ らの 点 は,第7表 か ら 明 ら か で あ
る.こ れ ら一 連 の 流 れ の 中 で み る限 り,第3 図 か ら明 らか な よ うに,今 回 の分 析 期 間 に お け るサ ー ビス 品 目 グル ー プ の動 向 は,極 め て 安 定 した 動 き を して い た と判 断 で き る.
(2)生 産 財 品 目 につ い て
生 産 財 の卸 売 物 価 指 数 は消 費 財 の卸 売 物 価 指 数 と全 品 目の それ との差 と して 計 算 され て い る.消 費 者 物 価 指 数 と卸 売 物 価 指 数 と の か い 離 に 生 産 財 の存 在 が 大 き く貢 献 し て い る こ とは,第2表 か ら も 明 らか で あ る.す な わ ち,卸 売 物 価 指 数 の計 算 に 使 用 され る1,256 品 目中872品 目が生 産 財 に関 係 の あ る品 目で あ り,全 体 に 占 め る ウ エ イ トは77%弱 に 及 ん で い る.こ の 約77%に 及 ぶ 生 産 財 関 連 の 品 目 の 価 格 の 動 向 が 卸 売 物 価 の 動 きに 多 大 な 影 響 を 与}る こ と は 当然 で あ る.こ の 当然 さ を一 層 は っ き りさせ た時 期 が,卸 売 物 価 の 急 激 な 上 昇 を示 し た 昭 和47年 一49年(106.8%),昭 和53‑55年(125.0%,95.8%)で あ り,卸 売 物 価 の急 激 な 下 降 を 示 した 昭 和60年6月 一 61年6月(83.8%)で あ る(第7表 参 照).
しか し,こ れ ら の時 期 を除 け ば,ほ ぼ33%の 線 を示 し て お り,前 回 の昭 和55‑57年 が 昭 和 40年 以 降 で の 最 低 値17.2%で あ った の に 対 し て,今 回 の結 果 は,46.5%と や や 多 き 目 の値 で は あ るが,特 に異 常 と言 うほ ど で は な い と 判 断 され る.し か し第1図 か ら読 み 取 れ る よ うに卸 売 物 価 が3年 続 い て下 降 曲面 に あ り, こ の値 は 異 常 の 近 い こ とを 教 え る シ グ ナ ル と も読 み取 れ よ う.
こ こで 問題 と した い の は,生 産1財 品 潤 が
水野裕 正:消 費者物 価 と卸売 物価 のか離 昭和57年一60年23
95.0と マ イ ナ ス 上 昇 率 を 示 した に も 関 わ ら ず,消 費 財 の卸 売 物 価 が101.0%と プ ラス の 上 昇 率 を 記 録 して い る こ とで あ る.消 費 財 の 卸 売 物 価 指 数 が100.o/の 上 昇 率 に 留 ま っ て い れ ば,生 産 財 の こ の種 のか い 離 に 与 え る影 響 も,ほ ぼ33%を 示 し,消 費 者 物 価 指 数 の上 昇 を 一 層 小 さ く し て い た はず で あ る.
(3)流 通 費 用 に つ い て
流 通 費 用 は共 通 品 目の 消 費 者 物 価 指 数(消 費 者 物 価 指 数 の ウエ イ ト)か ら共 通 品 目の卸 売 物 価 指 数(消 費 者 物 価 指 数 の ウエ イ ト)を 差 し引 い た 値 で あ る.一 般 に流 通 費 用 は一 定 の 割 合 を保 ち な が ら推 移 し て い る と考 え られ る.す な わ ち,共 通 品 目 の卸 売 物 価 指 数 が κ
0上 昇 した 場 合,共 通 品 目の 消 費 者 物 価 指 数 はx%上 昇 す るの で は な く,一 般 に,(x+
a)%上 昇 す る と考 え られ る.こ の α%は 流 通 業 界 が 製 品 製 造 業 界 の 合 理 化 に及 ば な か っ た 値 と し て商 品 の 小 売 価 格 に転 嫁 され ざ る を え な か っ た 部 分(一 般 的 に は,a>0)と,
これ ら両 指 数 の ウエ イ トの配 分 の差 に よ る部
分(α は プ ラ ス の 場 合 もマ イ ナ ス の場 合 もあ
り得 る)と の2つ の理 由 が 考 え ら れ る.ま
た,共 通 品 目 の卸 売 物 価 指 数 が 夕%下 落 し た
場 合,共 通 品 目の 消 費 者 物 価 指 数 はy%0下 落
す るの で は な く,(y‑・ β)%下 落 す る と 考
え られ る.こ の場 合,こ のa%は 流 通 業 界 の
合 理 化 の難 し さ の 他 に,小 売 価 格 の下 方 硬 直
性 が 卸 売 価 格 のそ れ に比 ベ ー 般 に強 い点 が 指
摘 され る.こ れ ら,aと βの 値 は,当 該 商 品
の 需 給 関 係(消 費 者 運 動 の強 弱,小 売 業 界 と
卸 売 業 界 との強 弱 等)に よ っ て決 定 され るわ
け で あ るが,流 通 業 界 と して は,メ イ カ ー の
合 理 化 水 準 に満 た な い 部 分 は,い ず れ に し て
も価 格 の操 作 に よ って,辻 つ ま を 合 わ せ る以
24季 刊 創 価 外 に方 法 は な い.従 って,現 在 の流 通 業 界 の 状 況 の 下 で は,こ れ ら α及 び β の値 は,一 般 に 流 通 費 用 の拡 大 を示 す 傾 向 に あ る(昭 和53 年 一55年 の期 間 で は流 通 費 用 は 縮 小 傾 向 を示 した が,昭 和47‑49年 の期 間 で は拡 大 し て い た).そ して,今 回,昭 和57‑一一GO年の期 間 も, 昭 和55‑57年(15.5%)に 引続 き2.0.2%の 拡 大 を示 した.
(4)ウ エ イ トの 相 違 に つ い て
ウエ イ トの相 違 は共 通 品 目の 卸 売 物 価 指 数 (消 費 者 物 価 指 数 の ウニ イ トを用 い て計 算)と 共 通 品 目の 卸 売 物 価 指 数 との 差 で あ る.も し,同 じ財 が 卸 売 段 階 と小 売 段 階 とで,そ の 重 要 度 に軽 重 が 無 い よ うに ウエ イ ト付 け さ れ て い る な らば,こ の差 は0に な る は ず で あ る.し か し,現 実 に は,同 一 の 名 称 を 持 つ 品 目に対 して,消 費 者 物 価 指 数 と卸 売 物 価 指 数 とで は,そ の作 成 に あ た っ て,用 い られ る ウ エ イ トに は か な り大 き な差 が あ る.そ し て, 一 般 的 に,消 費者物 価指数 の ウエ イ トを用 い て 計 算 した 値 が 卸 売 物 価 指 数 の ウエ イ トを用 い て計 算 した 値 よ り も大 き な値 に な る傾 向 が あ る.こ れ は卸 売 物 価 指 数 の共 通 品 目 の 中 で,相 対 的 に価 格 上 昇 率 の高 い 品 目 に 対 し て,消 費 者 物 価 指 数 の ウエ イ トが 大 き くな っ て1,・ る こ と を示 す も の で あ る.換 言 す れ ぽ, わ れ わ れ の 日常 生 活 の 中 で,相 対 的 に よ り多
く購 入 して い る品 目 の価 格 は9卸 売 の 段 階 に 於 て 既 に,高 い価 格 上 昇 率 を示 し て い る と言 うこ とで あ る.さ て,小 売 市 場 で は,価 格 上 昇 率 の 高 い 商 品 か ら,そ れ の低 い商 品 へ 購 買 行 動 は移 行 す るの が一 般 に合 理 的 な 行 動 で あ るか ら,卸 売 段 階 と小 売 段 階 と の購 買 行 動 の 差 は段 々基 準 時 に設 定 され た ウ エ イ トを時 間 が経 つ に つ れ て,現 実 の 生 活 実 態 か らか い 離
経 済 論 集Vo1.XVII,No.4
さ れ て い く こ と に な る の で,各 期 間 毎 に 修 正 す る 必 要 が あ る.昭 和55‑57年 の 期 間 で は, こ の ウ エ イ トの 差 は,29.3%と 大 き な 値 で あ っ た が,今 回(昭 和55年 基 準 の ウ エ イ トを 各 品 目 の 価 格 上 昇 率 で 修 正 し て,昭 和57年 基 準 の ウ エ イ トを 用 い た),昭 和57‑60年 の 期 間 で は,マ イ ナ ス2.0%を 示 し た(昭 和60年6 月 一61年6月 で は こ の 値 は マ イ ナ ス8.1%に 拡 大 す る).こ れ は,卸 売 物 価 安 定,消 費 者 物 価 上 昇 の パ タ ー ン か ら,消 費 者 物 価 安 定, 卸 売 物 価 下 落 の パ タ ー ソ へ の 転 換 期 と し て み
れ ば,こ の マ イ ナ ス の 値 は 今 回 の 分 析 で 始 め て 生 じ た 現 象 で は あ る が,全 体 的 に は 従 来 の 動 き と ほ ぼ 同 一 で あ っ た と 判 断 さ れ る.
(5)非 共 通 財 貨 品 目 に つ い て
非 共 通 財 貨 品 目 の 値 は 財 貨=消 費 財 品 目 の 消 費 者 物 価 指 数 か ら 共 通 品 目 の 消 費 者 物 価 指 数 を 差 し 引 い た 値 で あ る.こ の 値 を グ ラ フ に 示 し た の が 第3図 一1で あ る,こ の 図 に し た がaば,共 通 品 目(消 費 者 物 価 指 数)の 価 格 上 昇 率 は 非 共 通 品 目 の そ れ を 下 回 る傾 向 が あ る こ と が 分 か る.昭 和55‑57年 の 期 間 で は, 0。7ポ ソ イ ト(12.1%)で あ り,今 回,昭 和 57‑60年 の 期 間 で は0.Oイ ソ ト(5.○%)
で あ っ た(昭 和45‑50年 の 期 間 で は マ イ ナ ス と な っ た).
⑥ 非 共 通 消 費 財 に つ い て
非 共 通 消i費財 は 共 通 品 目 の 卸 売 物 価 指 数 と 消 費 財 の 卸 売 物 価 指 数 と の 差 で あ る.こ れ ら の 大 小 関 係 は,昭 和47‑49年 の 期 間 以 外 の 分 析 結 果 の 全 て の 期 間 に 於 て,共 通 晶 目 の 卸 売 物 価 指 数 が 消 費 財 の そ れ を 上 回 っ て お り,今 回 の 分 析 結 果 で も,前 者 が 後 者 を0.9ポ イ ン
ト(9.1%0)上 回 っ た.こ れ ら の 結 果 は,非 共 通 消 費 財 の 物 価 上 昇 率 が 共 通 品 目 の そ れ を
March1988水 野 裕 正:消 費 者 物 価 と卸 売 物 価 のか 離 下 回 る 傾 向(今 回 の 分 析 結 果 に よれ ば,マ イ
ナ ス5.5ポ イ ソ トで あ る)に あ る こ と を 示 し て い る.こ こ で 非 共 通 消 費 財 の 価 格 上 昇 率 が 96.4ポ イ ソ ト よ り低 か っ た 品 目 を 列 挙 し て み
る こ と に す る.生 ク リ ー ム(0.1512,92.3), 野 菜 缶 詰 「輸 入 」(0.3016,90.2),精 神 神
経 安 定 剤(0.2941,95.4)抹 消 神 経 系 用 薬 (0.2737,88.3),循 環 器 官 用 薬(1.2072, 75.4),ホ ル モ ソ 剤(0.2885,90.7),解 毒 強
肝 剤(0.2814,85。4),酵 素 製 剤(0,4768, 78.5),腫 瘍 用 薬(0.3565,94.5),抗 生 物 質
製 剤(2.0423,52.4),血 液 製 剤 「輸 入 」
(0.1434,93.9),温 水 ボ イ ラ ー(0.2261, 96.1),ビ デ オ テ ー プ レ コ ー ダ(0.8!13, 76.6),ラ ジ オ(0.1638,95.3),カ ー ス テ レ
ナ(11:',93.9),テ ー プ デ ッ キ(0.6217, 95.8),ア ン プ(0.5421,94.5),い ん げ ん 豆
(0.0121,57.7),筋 子 「輸 入 」(0.1257, 72.4),ア ス パ ラ ガ ス(0.2436,89.2),ま す
(0.3093,78.7),は 、ま ち(0.7630,87.3),あ ゆ(0.1677,86.5),う な ぎ(0.5114,80.1)
の24品 目 で あ る(括 弧 内 の 数 字 は,前 者 は ウ エ イ ト,後 者 は 指 数) .こ れ ら の 品 目 の 多 く が,わ れ わ れ の 日 常 生 活 に 馴 染 み の 薄 い も の で あ る こ と か ら,ウ エ イ ト の 項 で 各 財 の 物 価 の 上 昇 率 は 最 終 消 費 者 と の 関 連 の 強 弱 に よ っ て 左 右 さ れ る 傾 向 に あ る と い う 点 を 検 討 し た が,こ の 品 目 グ ル ー プ は,そ の 結 果 を 裏 付 け
て い る.す な わ ち,医 薬 品 関 係(5.3639, 71.8),電 気 製 品 関 係(4.2846,87.5),食 料
品 関 係(2。1328,83.4)で あ り,我 々 の も っ と も 馴 染 み の 薄 い 医 薬 品 関 係 の ウ エ イ ト及 び 値 下 が り が 最 も 大 き く な っ て い る.
昭 和57年 一60年
25
4.む す び
以 上,昭 和57‑60年 の3年 間 の 卸 売 物 価 指 数 と消 費 者 物 価 指 数 の か い 離 の 要 因 に つ い て 吟 味 し て き た が,今 回 の 分 析 を 通 し て 目 立 っ た 点 並 び に 問 題 点 を 以 下 に 列 挙 し て お く、(1) 昭 和53年 以 降2年 間 に わ た っ て 縮 小 し て き た 流 通 費 用 は 昭 和55年 か ら再 び 拡 大 に 転 じ た が,今 回 の 結 果 は 昭 和40年 以 来 の か い 離 拡 大 へ の 影 響 度 に お い て 最 大 値 を 示 し た こ と,② 昭 和53年 以 降2年 間 に わ た っ て,マ イ ナ ス か い 離 に 貢 献 し て い た 生 産 財 が,昭 和55年 以 来 再 び 拡 大 要 因 に 転 じ,今 回 の 結 果 は 昭 和40年 以 来 か い 離 拡 大 へ の 影 響 度 に お い て 最 大 値 を 示 し た こ と,昭 和60年6月 に 始 ま っ た 卸 売 物 価 の 急 激 な 下 降 曲 面 で は,流 通 費 用 の 拡 大 要 因 と し て の 影 響 度 が 縮 小 し た の に 対 し,生 産 財 の そ れ が 特 段 に 拡 大 し た(46。5%か ら83.8
0へ).こ の こ と は 生 産 財 の 大 き な 値 下 が り の メ リ ッ トが 流 通 過 程 に 入 る 前 に す で に 吸 収
さ れ て し ま っ て い る こ と を 示 し て い る.③ 昭 和50‑一 一55年に か け て,消 費 財 品 目 の 消 費 者 物 価 指 数 と卸 売 物 価 指 数 と の 差(ポ イ ソ トで 示 す)は 段h縮 小 す る 傾 向 に あ っ た が,昭 和55 年 か ら拡 大 傾 向 に 転 じ,再 び 縮 小 傾 向 を 示 し
て い る(昭 和54‑55年 の 期 間 で は0.3ポ イ ソ ト,マ イ ナ ス3.1%,昭 和5'5‑57年 の 期 間 で は4.0ポ イ ン ト,69.0%,昭 和57‑60年 の 期 間 で は3.2ポ イ ン ト,32.3%,昭 和60年6月 一 61年6月 の 期 間 で は0.8ポ イ ン ト,8.1%).
最 後 に"2"の 項 目 で 少 し 触 れ て お い た が,「 わ が 国 の 代 表 的 な 物 価 指 数 は,卸 売 物 価 指 数 と … … 消 費 者 物 価 指 数 で あ る が,こ の 2つ の 変 化 に 差 が 生 じ る こ と が 時h問 題 と な る.… … し か し,こ の よ うな 差 は,両 指 数 の
26季 刊 創 価 経 済 論 集Vo1 .XVII,No。4 カ ー〉 して い る差 を考 え て み れ ば 納 得 で き き な もの で は な い .」(経 済統計 論,溝 口敏行 る.… … 問 題 は,両 指 数 に 共 通 に含 ま れ る品 著,東 洋 経 済 新 報 社p.65)と の 指 摘 に 対 目 につ い て の物 価 変 化 に 大 きな 差 が あ るか ど して,昭 和40年 以 降 の両 指 数 の共 通 品 目の か うか で あ る・ 現 在 ま で に お こな わ れ た 諸 研 究 い離 を表 に ま と め て参 考 に供 し て お く こ と に の 成 果 をみ る と,こ の 種 の 相 違 はそ れ ほ ど大 す る.
第8表 共 通品 目の消費者物 価指数 と卸 売物価指 数の差
期 間 昭 和4・‑45年1昭 和45‑47年1昭 和49‑5・ 年 聯5・‑52年i日 召和52‑53年1昭 和55‑57年1昭 和57‑6・ 年
塗 儲9(・ ・o.・)・o.7(・ ・0.・)8.8(・ ・a.・)1・o.7(・ ・o.・)5.4(・ ・o.・)5.8(・ ・o.・)9.9(・ ・0.・)
共 通 品 目&4(鯛la2(29.9)2.・(22.7)2.9(27.・)…(・8.5)2,6(448)1.8(・8 .2)
(経済学部教授)
<参 考 資 料>
r消 費 者 物 価 指 数 年 報1985』 総 務 庁 統 計 局 r物 価 指 数 年 報1985』 日本 銀 行 調 査 統 計 局
March1988水 野 裕 正:消 費 者 物 価 と卸 売 物 価 の か離 昭 和57年 ・1年 付 表1CPIとWPIの 共 通 品 目(昭 和57年=100.0)
a7
NTH. CPI品 目 昭 和57年
ウ ニ イ ト
類∴∵∴∵蕊緯}↓㌻∴∵∴摯
喰米食ア干即小塩たし丸煮すみちか魚かつ魚牛豚鶏ハソベコ牛粉パチ鶏あ干干わこ豆こ漬果食マ食 粉⑦ソソんん粉け.﹂しししめしわ.︑ジ節麗鵠趨ジ判フ盟ク一ズ卵きけりめぶ腐く麗油ン塩
012345678910111213141516171819202122232425262728293031323334353637383940414243
(3,935.0)
昭 和6。年l WPI品 目
指 数
570.9 119.1 57.5 41.4 57.3 14.3 90.9 31.4 8.6 7.4 13.7 7.8 16.5 24.1 37.4 12.7 24,5
・
44.0 29.8 235.8 113.2 75.2 38.2 16.1 5.8 161.5
20.3 11.5 25.9 101.2 5.6 12.9 47.9 14.5 13.5 49.5 21.1 61.1 17.1 29.6 13.3 4,6
(105.5)1
(食 料)昭 和57年 ウ エ イ ト
ソソんん粉けこしし干め干わ②ジ節煮詰②②②ムジ刊詰乳乳一ズ卵豆けりめぶ腐く物器ン塩
干わパめ
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規模 の区別
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