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給 与 所 得 税 の 累 進 度 一 昭 和39年 一

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(1)

一39一

給 与 所 得 税 の 累 進 度

和39年

1給 与 所 得 税 の 概 観

第2次 世 界 大 戦 を契 機 と し て,わ が 国 の 所 得 税 も,い わ ゆ る 「金 持 ち の 税 金 」 か ら 「大 衆 課 税 」 に 転 型 した 。 い ま所 得 税 の 納 税 人 員 の 推 移 を み る と, 昭 和11年 で は 当 時 の 第3種 所 得 税 を 納 め た 者 は103万 人 で あ っ た が,昭 和15 年3.月 の所 得 税 改 正 に よ っ て 翌16年 に は638万 人 に 増 加 し,戦 後 に な る と イ

ソ フ レー シ 。 ソ の 進 行 に と もな っ て 昭 和24年 の1,912万 人 に は ね あ が り,シ ャ ウ プ 勧 告 に も と つ く改 正(昭 和25年3月)を へ て1,100万 人 台 に 減 少 した 。 最 近 に お い て は 高 い 経 済 成 長 率 を 反 映 して 昭 和37年 で は,1,717万 人 の 納 税

者 が い る と報 告 さ れ て い る。

ま た 最 近10年 間 の 動 き に 注 目す る と,昭 和29〜38年 間 で は,毎 年 平 均107万 人 ず つ 納 税 人 員 が 増 して い る。 そ の うえ た び た び の 税 法 上 の 減 税 に もか か わ

らず,こ の 期 間 の 後 半 の5年 間 で は,納 税 者1人 あ た りの 負 担 額 は 毎 年4,000 円 ず つ 増 加 して い る。 納 税 人 員 の 増 加 と1人 あ た り負 担 額 の 増 加 は,名 目 個 人 所 得 の 成 長 率 が 高 い こ と だ け で は な く,課 税 最 低 限 の 所 得 水 準 が 諸 控 除 お よ び 税 率 に 比 べ て な お 低 い こ と,そ して 所 得 税 が 累 進 課 税 で あ る と い う こ と を 背 景 と して 理 解 で き るで あ ろ う。 こ の こ と を い ま 昭 和39年 の 「給 与 所 得 の 所 得 税 源 泉 徴 収 額 表 」 を 参 照 し て 示 す と,独 身 者 に つ い て 月 給 か ら社 会 保 険

苦 木稿は ,本 学 経済研究 所 月例報 告会(昭 和39年1月23日)に おけ る私 の報 告 の拡 充で あ る。 そ の後,麻 田,地 主 お よび藤 井 の各 教授 か ら,数 々の教示 を うけ た。

(1)大 蔵省主 税局調査課 ・国税庁 直税 部所得税課 編 『所 得税 実施70周 年 記 念 得税発展 の記録」(昭 和32年7月),P・8以 下参照 。

(2)

料 を 引 い た あ と の 金 額 が14,200円 を こす と,10円 の 所 得 税 が 引 か れ る 。 この 人 が 残 業 も し くは ベ ー ス ・ア ップ に よ っ て4,000円 給 与 が 増 す と,所 得 税 は 140円 に 増 加 す る 。 こ の 事 実 は 一 例 に しか す ぎ な い が,所 得 税 の 大 衆 課 税 的 特 色 は 現 わ れ て い る と思 う。

租 税 に は 所 得 税 と 同 じ所 得 金 額 を 課 税 物 件 とす る も の に,道 府 県 民 税 と市 町 村 民 税 とが あ る 。 こ の 二 つ は 住 民 税 と よば れ,こ れ は 法 人 も 課 税 され る

が,個 人 分 所 得 割 に つ い て い う と,所 得 税 よ り も課 税 最 低 限 は 低 い 。 昭 和32 年7月 の 自 治 庁 調 査 に よ る と,市 町 村 民 税 個 人 分 所 得 割 納 税 人 員 は1,267万

人 で あ り,同 年 の 所 得 税 納 税 人 員1,122万 人 よ り も145万 人 多 い 。 住 民 税 に は 所 得 額 の い か ん に か か わ らず 居 住 の 場 所 を も っ て い る 者 に 課 さ れ る 均 等 割 が

ド  エ

あ る。 この 均 等 割 しか 納 め て い な い 者 が,こ の 年 に は1,130万 人 い た とい う。

そ の 当 時,市 町 村 民 税 の 課 税 方 式 は5つ に 分 か れ,各 自治 体 は そ の1つ を と る こ と が で きた 。 現 在 で は 地 方 税 法 第310条 以 下 の 本 文 で き め られ た 標 準 税 率 を 採 用 す る よ うに 改 め られ て き て は い るが,た だ し書 きに よ っ て 高 い 税 率

ぐお

を採 用 して い る と こ ろ も多 い。 この こ とか ら住 民 税 の問 題 の 一 つ は,同 じ所 得 額 ・同 じ家 族 構成 で も市 町 村 間 で 住 民 税 額 が 大 き く異 な って くる こ とで あ

る。税 制 調 査 会 の資 料 で は,給 与年 額50万 円 で 夫 婦 と子供3人 の世 帯 が,本 文 方 式 を と ってい る市 町 村 に 居住 した と き,税 額 は2,632円 で あ るの に た い

して,た だ し書 き方 式 を と り準 拠 税 率 以 上 の税 率 で課 税 す る市 町 村 で は,そ

ぐの

の2・79倍 の7,340円 を 支 払 わ な く て は な ら な い と い う 。 市 町 村 民 税 の 税 率 も 累 進 税 率 と な っ て い る か ら,同 じ 世 帯 で 所 得 額 が70万 円 に あ が る と,税 額 は 二 つ の 都 市 で そ れ ぞ れ7,655円 と15,250円 に な る 。 も ち ろ ん こ の ほ か に 道 府

(2)大 蔵 省 主 税 局 「地 方 税 制 主 要 参 考 資*1集 」(昭 和33年6月),P・44.

(3)伝 え られ る と こ ろ で は,北 海 道 て は,明 年 度 よ り地 方 税 法 本 文 方 式 へ 完 全 移 行 の た め,移 行 措 置 と し て 基 礎 控 除 の ほ か に,扶 養 控 除 も お こ な う よ うに な っ た 地 方 自 治 体 が,,144市 町 村 あ る と い う。(北 油 道 新 聞 昭 和39年9月5口 付).

(4)税 制 調 査 会 「税 制 に 関 す る 意 見 調 査 参 考 資 料(謄 写 刷)」(昭 和38年7月), pp.100〜1.

(3)

給 与 所 得 税 の 累 進 度(早 見) 一41一 県民 税 と市 町 村 民 税 の均 等割 も払 わ な くて は な らない 。 第1表 で所 得 税 と住 民税 の課 税 所 得 に た いす る税 率 と均 等割 税 額 を しめ して お い た。 ただ し後 述 す る よ うに所 得 税 は課 税所 得100万 円 以下 の場 合,簡 易 税 額 表 に あ て は め て 税 額 を 求 め るの が通 例 で あ る。 これ に よる と第1表 で しめ した一 般 の税率 よ

り,所 得 に よ って は100円 な い し200円 ほ ど安 くな る と ころ もあ る。

第1表

一一 一一

市 町 村 民 税

一一一一 一}  ¶  

課 税 所 得 課 税 所 得

10万 円 以 下 10万 円 以 上 20〃

50〃

80〃

120〃

180〃

250〃

400〃

600"

1.000〃

2.000〃

3.000〃

4.500〃

6.000〃

1%8 10 15 20 25 30 35 40 145

50 55 60 65 70 75

15万 円 以 下 15万 円 以 上 40〃

170〃

1100.

150〃

250〃

400〃

600〃

1.000〃

2.000〃

3.000〃

5.000〃

1%

2 3 4 5 6 7

18

9 10 11 112 i13

14・

道 府 県 民 税

}

150万 円 以 下 150万 円 以 上

% 2 4

市 町 村 民 税 個 人 分 均 等 割

(1)人 口50万 以 上 の市

(2)人 口5万 以 上50万 未 満 の 市 (3)(1)及 び(2)以 外 の 市 並 び に 町 村

1年 額600円1

〃400円

〃200円

道府県民税個人分均等割 年額100円

(4)

現 行 の所 得 税 は,個 人 に 帰 属す る各 種 の所 得 を 合 計 して課 税 す る,総 合 所

ボら ラ

得 税 を 原 則 と して い る。 住 民 税 も前 年 の 総 所 得 を 課 税 物 件 と して い る け れ ど も,こ の 原 則 を 所 得 税 よ り も堅 く守 っ て い る 。 した が っ て 個 人 所 得 税 を 問 題 とす る か ぎ り,こ の 二 つ を 別 個 の も の と考 え る こ とは で き な い 。 と こ ろ で 個 人 所 得 を 総 合 課 税 す る に あ た っ て,各 種 の 所 得 か ら必 要 経 費permissible deduction(こ の 控 除 に は 税 務 当 局 が 認 め た 証 明 が 必 要 で あ る),あ る い は 控 除 一allowance(こ の 控 除 に は 特 定 の 証 明 は い らな い)を 引 い て,課 税 原 準

での

taxbaseを 求 め な くて は な ら な い 。 い ま 昭 和37年 分 に つ い て 源 泉 徴 収 さ れ た 所 得 種 類 別 所 得 金 額 な らび に 所 得 税 額 を 掲 げ る と第2表 の よ うに な っ て い

第2表 一 源泉所得税(昭 和37年 分)一

分1所 得 側 構成比 暁 構成比

胃弄F % 百万 円 %

30L795 3.2 30,135 7.2

493,876 5.3 49,388 11.8

7,965,846 85.6 304,082 71.9

退 218,350 2.2 7,403 1.7

事 業 等 所 得 282β38 3.0 21,111 5.0 非 居 住 者 分 61,002 0.7 7,910 1.9

9,323,702 100.0 420,029 100.0

大蔵 省主税 局 「税 制主要参考資料 集」(昭 和39年2月),p・46.

る 。 一 見 して 明 らか な よ うに,給 与 所 得 は所 得 額 の86%,税 額 の71.9%と う圧 倒 的 な ウエ イ トを み せ て い る。 同 じ よ うに 源 泉 徴 収 お よ び 申 告 納 税 を ふ くめ た 所 得 業 種 別 納 税 人 員 を 若 干 の 年 を 選 ん で しめ す と第3表 の よ うに な っ て い る。 所 得 税 納 税 人 員 の 構 成 で も給 与 所 得 者 は 他 を圧 し て い る。 この 事 実

(5)た だ し現 行 で は,退 職 所 得 と 山 林 所 得(所 得 税 法 第9条 第1項),お よ び 租

税 特 別 措 置 法 に よ っ て 利 子 所 得(同 法 第3条)と 証 券 投 資 信 託 の 収 益 の 分 配 に 係

る 配 当 所 得(同 法 第8条 の2)は,他 の 所 得 と 合 計 せ ず,分 離 課 税 で あ る 。

(6)AlanWilliams,PztblicFinanceα 認BuclgetaryPolicツ(London:Allen

&Unwin,1963),p.59.

(5)

給 与 所 得 税 の 累 進 度(早 見) 一43一 第3表 業種別所得者数と納税人員

(単 位:千 人,%)1

3・132134136137【38(見 込)

所得者 数A 納税 者数B

B/A

16,900 8,558 50.6

19,570 8,998i

I46・o

21,580

9,917.

}46・o

23,790 13,067 54.9

24・,960 14,855

59.5

26,100 16,449 62.3

一}}

所得者 数C 納 税 者数D

Dlc

4,410 878 19.9

4,292 638 14.9

4,174 417 10.0

4,055 2101 5・・1

3,996 249 6.2

3,937 249 6.3

車農 業業 所以 得外者 の

所得 者数E 納税 者数F

FIE

5,080 1,128 22.2

5,270 1,114 21.1

5,210 1,027 19.7

5,190 1,084 20.9

5,010 1,139 22.7

5,010 1,159 23.1

讐 緻 者釧4・51471152gl7911g・41995

舳1②96911,221i11,89・ll5・152117・16711$852

給与所得者 農業所得者 農業以外の 事業所得者 その他所得者1

78.0 8.0 10.3 1

3.7

1

80.2 5.7 9.9

14・2

83.4 3.5 8.6 4.5

86.2 1.4 7・2i 5・・1

86.5 1.5 6.6 5.4

87.3 1.3 6.1

15・3 大 蔵 省 主 税 局 「税 制 主 要 参 考 資 料 集 』(昭 和39年2月),P・29.

は給 与 所 得 が 農 業 所 得 や 商 工 業所 得 よ りも所 得 の捕 捉 が 易 しい こ と,言 葉 を 換 え る と源 泉徴 収制 度 のす ぼ ら しい効 率 を しめす もの で あ る。 注 意 して お き た い こ とは,税 額 や 納 税 者 の ウエ イ トに つ い て給 与 所 得 税 が 断 然 他 を圧 して い るか ら とい って,利 子所 得 ・配 当所 得 ・事業 所 得 な どに つ い て は問題 が な い とい うので は決 して な い。 課 税 の公 平 は所 得 種 別 間 に お け る相 対 的 地位 の 平 等 な と り扱 い を 要 求 して い る か ら,ウ エ イ トだ け で は こ の 問 題 は 判 断 で き ない 。 と もあ れ,こ こで は給 与 所 得 の所 得 税 に しめ る地位 を概 観す るに止 め

て お き た い 。

(6)

累 進 税 と累 進 度 の定 義

以上 に よっ て,個 人 所 得 税 が 現 在 わ が 国 の 国 税 お よび 地 方 税 に お い て,給 与 所 得 者 を もっ と も広 範 囲に して確 実 な収 入 源 と して い る こ と,お よび現 行

の個 人 所 得 税 が 累 進 課 税 に よって 個 人所 得 の成 長率 以 上 に税 収 の成 長率 を も た らす 背 景 が 理 解 で きた と思 う。 そ こで これ か ら給与 所 得税 の累 進 度 は ど う な っ て い るか の 検 討 に 進 も う。 累 進 税 の定 義 と累 進 度 の 測定 方 法 は後 述 す る こ とに して,ま ず 累 進 税 の意 義 に ふ れ て み た い 。

累 進 税 の根 拠 はい くつ か の 学 説 に よって 主 張 され て い る。 汐 見三 郎 博 士 は

での

補 償 説 ・経 済説 ・社 会 主義 説 ・社 会政 策 説 の 四 つ に ま とめ て お られ る。 しか しか な り合理 的 ・客 観 的 な装 い を ま と った学 説 で あ って も,そ の前 提 は きわ め て ナ イ ー ヴな もので あ る。例 えば もっ と も明確 な形 で 表 わ され る限 界 均 等 犠 牲 説 に して も,所 得 の限 界 効 用 逓 減 の 仮 設 と個 人 間 に お け る効 用 の比 較 可 能 が 前 提 と され て い る。 この 仮 設 に 対 して は まだ決 定 的 な反 証 が な され て い な い よ うで あ るか ら,そ の限 りで は 累進 税 の経 済理 論 的根 拠 と して生 き延 び て い る とい え る。 そ の他 の諸 説 は い わ ぽ論 者 の価 値 判 断 に も とつ くものが 多 く,そ の論証 を歴 史 的 ・社 会 的 条件 に求 め て い る。そ して今 日で は課 税 の公 平 の一 面 と して の,個 人 間 に お け る所 得 規模 の 平 等化 す なわ ち所 得 の垂 直 的 公 平 を 実 現す るた め の 手段 と して 役 立つ もの と され て い る。

公 平 論 的 立場 か らみ た 累進 税 の意 義 に 加 え て,第2次 大 戦 中か ら戦後 に か け て累 進 税 が見 直 され た「 つ の理 由 は,国 民所 得 水 準 を安 定 化 させ る制 度 的 要 因 と して の,累 進 税 の機 能 で あ った。 いわ ゆ る ピル トイ ソ ・ス タ ビライザ ー の役割 が そ れ で あ る。租 税 収 入 の所 得 弾 力性 が1以 上 であ れ ば,所 得 の変 動 以上 に 税収 が変 動 し経済 の安 定 に 役立 つ はず で あ る。 も っ と も この考 え方 は,比 較 静学 に も とつ く もの で あ り,動 学 的 背 景 の も とで は必 ず し も安 定 化

(7)汐 見 三 郎 著 『租 税 論(改 訂 版)」(有 斐 閣,昭 和23年),pp・82‑83.

(7)

給 与 所 得 税 の 累 進 度(早 見) 一45一

(8)

要 因 とは な らな い。

垂 直 的公 平 を推 進 す る手 段 と して の累 進 税 と,経 済 変 動 の制 度 的安 定 要 因 と して の 累進 税 とは,限 界 消 費性 向 の 安 定 性 を 前提 とす れ ぽ,そ の 役割 に 矛 盾 は ない で あ ろ う。 と ころで 累 進 税 とは つ ぎの よ うに定 義 され る。 い ま税 額Tが 所 得Yの 関 数 で あ る とす る。 そ の と き平均 税 率 が所 得 の変 化 に つ れ て

(9)

ど の よ うに 変 化 す る か を み よ う。 す な わ ち,I

T・‑f(Y),平 均 税率(の ノ 限 界 税 率(〆)審 イ(y) .

孟{攣}「 憂伽 玲イ(め}

一歩{働 一一響}

一÷(〆 一の い まy>0な る範 囲 に つ い て,

〆〉'の と き租 税 関 数 は 累 進 的,

〆='〃 比 例 的,

〆<彦 '' 逆 進 的 。

(8)Built‑inStabilizerの 理 論 的 ・ 実 証 的 研 究 は 数 が 多 い 。

静 学 的 ッ テ ィ ン グ に お け る も の し て は,

RA.Musgrave&M,H.Mlller,"Built‑inFlexibility,"AmericanEconomic Review(Mar.1948),reprintedinReadingsinFiscalPolicy(London:

Allen&Unwin,1955),pp.379‑386.

ECaryBrown,̀̀TheStaticTheoryofAutoma七icFiscalS七abilization,"

ノoumalofpoliticalEcononzOr,Vo】 ・LXIII,No5(Oct・1955),PP、427‑440."

P.H.Pearse,̀̀Automa七1cStabiliza七ionand七heBri七ishTaxesonIncome,"

RevieeqofEconomicStudies,Vol.XXIX(2),No.79(Feb.1962), pp.124‑139.

動 学 的 ッ テ ィ ン グ に お け も の し て は,

A.T.Peacock,'̀Built‑inFlexibilityandEconomicGrowth,"G.Bomback (hrsg.),StabilePreiseinωachsenderWiTtschaft(T茸bingen:J。C.B.Mohr, 1960),PP・207‑218.

D.J.Smyth,̀̀CaǹAutomaticS七abilizers'BeDestabilizing?"Public Finance,Vol・XVII1,No・3‑4(1963),PP・357‑363.

(9)R・A・Musgrave&T・Thin,̀'lncomeTaxProgression,1929‑48,"

ノournalofPoliticalEconomy・Vol・LVI,No・6(Dec・1948)・PP・498‑514,

'

(8)

す なわ ち累進 税 とは所 得 の どの水 準 に お い て も,平 均 税 率 よ り限 界 税 率 が高 い 租 税 を い う。 この一 般 的 な累 進 税 の定義 を満 た しなが ら も累 進 度 を あ らわ

く 

す 方 式 は い くつ か あ る 。 そ の 方 式 の どれ を と る か に よ っ て 累 進 度 に 相 違 が で て く る。 した が っ て 累 進 形 態 の 表 示 は,用 い られ た 測 定 方 式 の も とに お い て の み 比 較 可 能 で あ る。 本 稿 で はR.A.マ ス グ レイ ヴ に よ っ て 税 負 担 累 進 度 Liabilityprogressionと 名 づ け られ た 方 式 を と っ た 。 こ の 方 式 は 所 得 の 成 長 率 に た い す る税 額 の 成 長 率 の 比 率 あ る い は 税 負 担 の 所 得 弾 力 性 で あ らわ さ れ る。 す な わ ち,T。 が 所 得 水 準y6の と きの 税 額 とす る と,discreteformで

学/早 あるいは早 ・義 あるしは ㌘.

continuousformで

撃 Σ・ あるいは際 翌 ÷

こ の 方 式 で は τ>1の と き 税 負 担 は 累 進 的,

τ=1〃 比 例 的,

τ<1〃 逆 進 的,と な り,

(10)Ibid・ では,拙 稿本 交で述べ た 租 負担累進 度 のほか に,四 つ の測定方式 をあ げ,そ れ ぞれ につ いて,異 時点に わた って累進度 の所 得階 層間 の変化 を実証 して い る。以下 に測定方式 を一覧表に して掲 げ よ う。

進 度 の 測 定 方 式 羅 比例睡

averagerateprogression

一脳1>。L。

賄 一ybii <0

marginalrateprogression

一 一   一一

乃 一 丑 丑 一7b

y2‑ylY1‑yb y2‑‑y且

>0 =0 <0

り 所 得 累 進

residualincomeprogression

(Y1‑Tl)二(逃 二 昂 Σ.琉 ̲

一 一

防一玲1<1 =1>1

effec七ivepTogression

※1[i

l>1rli<1 E』/Eか

1

※Ea:ロ ー レンッ曲線 で しめ した課税 後 の所 得分布 の平等 係数。

恥:伺 じ曲線 で しめ した課税 前 の所 得 分布 の平等係 数。

(9)

給 与 所 得 税 の 累 進 度(早 見)‑47‑t

く   

最初 の一 般 的 な定 義 と完 全 に両 立す る。 上 の式 か らわ か る よ うに,税 負担 累 進 度 はTとyと を両 対 数 表 で あ らわ した と き,そ こに描 か れ る曲線 の接 線 の 勾 配 を しめす 。 現 行 の累 進税 は 最高 の所 得 水 準 で も限界 税 率 は100%以 下 で あ る。 第1表 で しめ され る よ うに,所 得 税 では 課 税所 得6,000万 円 以上 の

「部 分 」 につ い て75%(簡 易税 額 表 では 課 税所 得6,000万 円 以上 で は75%を 乗 じた金 額 か ら910万2,000円 を ひ い た ものが 税 額)の 比 例 税 に な る。 した が

って τは1に 近 づ く。

税 負担 累 進 度 を 採用 した理 由 は二 つ あ る。 第一 に この計 算 をお こな うた め には 所 得 階 層 別 に 平均 税 率 お よび限 界 税率 を 予 め計 算 して おか な くて は な ら ず,そ の二 つ を 求 め て お くと脚 注 に 掲 げ て おい たそ の他 の累 進 度 方 式 は,実 効 累 進 度 を除 い て 容 易 に計 算 され る とい うこ と。第 二 に税 負担 累 進 度 は マ ク

ロ的 表 示 と しての税 収 の所 得 弾力 性 と まった く共 通 の 方式 で あ るか ら,税 制 の ビル トイ ン ・ス タ ビ リテ ィを どの所 得 階 層,ど の世 帯 構 成 が 一 番 強 く受 け て い るか をあ らわす もの とな ろ う。 この意味 で 税 負担 累 進 度 は,税 収 の所 得

り  ノ

弾 力 性 の マ イ ク ロ ・ス コ ピ ックな基 礎 をあ た え る こ とに な る。

以上 の方 式 を,現 行 の所 得 税 お よび住 民税 に適 用 して累 進 度 を 計 算 した意 図 は大 き く分 け て 二 つ あ る。 一 つ は この 二 つ の租 税 の構 造 を実 態 的 に把 握 し た い と思 った こ と,二 つ に は,一 度 あ る年 の累 進度 を計 算 してお くと,過 去

また は将 来 に お け る累 進 度 の変 化 は,容 易 に 求 め られ るで あ ろ う,と い うこ

(11)厭 ら・劃 璽}一 魂{yノ ・(Y)‑f(嘆 ・であったから,

驚¥L1芝 ・,す なわち 緩 鐙

(12)大 蔵 省 主 税 局 の 試 算 に よ る と,所 得 税 収 入 の 国 民 総 生 産 に 対 す る弾 力 性 は, 昭 和37年 度 に お い て3.75,一 般 会 計 租 税 お よ び 印 紙 収 入 の 国 民 総 生 産 に 対 す る弾 力 性 は,同 年 度 に お い て1.90で あ る とい う。 同 局 「税 制 主 要 参 考 資 料 集 』(昭 39年2月),p・25.な お 貝 塚 啓 明,「 財 政 の 景 気 安 定 効 果 」 小 宮 隆 太 郎 編 「戦 後 日木 の 経 済 成 長 」 第10章 所 収(岩 波 書 店,昭 和38年12月),P・237以 下 に お い

てD・W・Lusller式 を 修 正 し て,自 動 安 定 化 要 因 を 計 測 し て い るq

(10)

(13)

とで あ る。第 一 の問 題 は,所 得 課 税 が も っ と も典 型 的 な人 税 で あ る こ とに よ って,配 偶者 控 除 や扶 養控 除 な どの人 的 控 除,社 会 保険 料 控 除や 生 命 保 険 料 控 除 な どの社 会 政 策 的 控 除 を,そ の租 税 構 造 の なか に ふ くん で お り,そ れ ら

が 最後 に 求 め られ る 税 額 に どの よ うな 影響 を 与 え て い る か とい う問 題 で あ 「 る。 この問 題 は第1表 で しめた 税 法 上 の税 率 を と りあげ て も意 味 が な い。 給 与 所 得 者 が 一年 間 に うけ と る給 与 総 額 を ベ ー ス と した ほ うが,所 得 課 税 の構

く の

造 を検 討 す るの に 適 して い る。 第 二 の問 題 は今 後 に残 こ され た作 業 に な るけ れ ども,異 時点 にわ た る累 進 度 の比 較 を お こな って み る と,所 得課 税 の減 税 あ るい は 増税 の効 果 が,所 得 階 層 別 に また世 帯 別 に 明確 に な るで あ ろ う。 そ の ため の第 一 段 階 と して,こ の稿 で は 昭和39年 に お け る所 得 税 と住 民税 とを 綜 合 した 累 進 度 を 求 め て お い た。

前 述 した よ うに 住 民 税 は居 住 者 の住 む 府 県 ・市 町 村 で所 得控 除や 税 額 控 除 の 規定 が異 な る。 本 稿 は,北 海 道 小 樽 市 に居 住 す る給与 所 得 者 を モ デル と し た 。 小 樽 市 は 地 方 税 法 の 標 準 税 率 な らびに 諸 控 除規 定 に よっ て 課 税 して い

る。 た だ し個 人 分均 等割 は450円 で,人 口5万 以上50万 以下 の 市 に対 す る最 高 制 限 税率550円 以 内 で あ る。

累 進 度 計 算 の 手 続 き

累 進 度 の測定 を で き るだ け 実態 に近 づけ るた め,つ ぎの よ うな手 続 きを と った 。 こ こに給 与所 得 とは,所 得税 法第9条 第1項 第5号 に規 定 され て い る

(13)伝 え られ る と こ ろ で は,大 蔵 省 主 税 局 で は 来 年 度 の 減 税 案 と し て,給 与 所 得 控 除 ・基 礎 控 除 を 引 き上 げ る ほ か,年 間 の 課 税 所 得300万 円 ま で の 所 得 税 累 進 度

の 緩 和 を 考 慮 中 と い う(朝 日新 聞 昭 和39年8月16日 付)。

(14)RW・Lindholmは,所 得 階 層 別 の 連 邦 所 得 税 平 均 負 担 率 を 異 時 点 間 で, 比 較 して 累 進 度 を 測 定 して い る が,そ の 際 「純 所 得 」,す な わ ち 調 整 粗 所 得

adjustedgrossincomeか ら調 整 粗 所 得 の10%を 引 い た も の,も し くは,1,000 ドル を こ え な い 金 額 を 引 い た も の を 分 母 とす る 。 ア メ リカ の 連 邦 所 得 税 とわ が 国 の 所 得 税 の 規 定 の 差 異 は,こ こ で は ふ れ な い 。"DegreeofProgression:The

IncomeTax,"AmericanEconomicReview,Vol.XLIV,No.4(Sept.1954)、

pp.617‑626,

(11)

給 与 所 得 税 の 累 進 度(早 見) 一49一 よ うに 「俸 給,給 料,賃 金,歳 費,年 金,恩 給 及 び賞与 並 び に これ らの性 質 を 有 す る給与 」 を さす 。 旅 費 は非 課 税 所 得 で あ る。 周知 の よ うに税 額 は 以下

の よ うに して求 め られ る。

一{給与総雛 繍 灘:笙灘 購:軽難 縢1

医照 撒.損 害保険料控除.鞭 雛1

×税 率 一税額控除

この諸 控 除 の なか で 雑 損 控 除 と医 療費 控 除 とは,控 除 申告 の発 生 が 異 常 な事 態 に も とつ い て い る とい う理 由 とそ の統 計 資 料 が 得 られ な い とい うこ との た め に無 視 して お い た。 今 年 度 か ら新 し く実 施 され た 損害 保 険 料 控 除 も過 去 に お け る資料 が な いか ら除 い た 。 税 額控 除 に は 障害 者 控 除 ・老 年 者 控 除 ・寡 婦 控 除 ・勤 労 学 生 控 除 が あ り所 得 税 で は定 額6,000円,道 府 県 民 税 は定 額1,000 円 で あ るが,こ れ も除 い た 。 た だ し住 民税 の計 算 の た めに 対 象 と した北 海 道 民 税 に は,・前年 に5万 円 以 下 の所 得 しか なか った配 偶 者 が あ れ ば,税 額 控 除 と して240円 が ひ か れ,ま た年 令15才 以 上 の扶 養 親 族1人 に つ き240円 の 扶 養 親 族 税 額 控 除 が あ るので,こ の 分 は第8表 以下 の計 算 で は控 除 して あ る。

な お こ こで計 算 した 給与 所 得 者 は所 得 の全 額 を給 与 と したか ら配 当所 得 控 除 は な い もの と して い る。 そ の 他 の控 除 は第4表 に 掲げ て おい た 。 この なか で 所 得 税 の給 与所 得 控 除 は,「 昭 和39年 分 年 末 調 整 のた め の 簡 易税 額表 の附 表 」 に よ って,給 与 金 額 ご とに 直 ち に 求 め られ る。 道民 税 お よび 小 樽 市 民 税 で は,給 与 所 得 控 除 の速 算 表 も簡 易 税額 表 も作 成 して お らず,給 与所 得 者 一 人 一 人 につ い て課 税所 得 の 階 層 別 に第1表 の超 過 累 進 税 率 に も とつ い て 計算 し て い る.との こ とで あ るか ら,本 稿 で もそ れ に従 った 。

つ ぎ に問 題 に な るの は 社 会保 険 料 控 除 と生 命 保 険 料 控 除で あ る。 この 二 つ の控 除額 が 納 税 者 の所 得 階層 別 お よび世 帯 構成 別 で どれ ぐらいに な って い る か をみ るた めに,入 手 し うる限 りもっ と も新 しい資 料 と して,国 税庁 『昭和 37年 分 民 間 給 与 実 態 調 査 結 果 表 』 を利 用 した。 この調 査 は,日 雇労 務 者 ・国 家 公 務 員 ・地 方 公 務 員 ・駐 留軍 関 係従 業 員 お よ び免 税 点 以下 の給 与 所 得 者 を

(12)

第4表 所得税 と住民税個 人分 の控 除一覧表

( )内 は平年 分

1所 一一 一 一 一 道府県民税および市民税(共 通)

給 与年額(Y)が, 給 与年額(Y)が

イ.Y<417,500円(420,000円)の と き イ.Y<410,000円 の と き

(Y‑17,500円)×2/1。+17,500円 (Y‑10,000円)×2/、

ロ.417,000円 くY<717,500円 の と き +10,000円

(420。000円)(820,000円) ロ,410,000円 くY<710,000円

の と き

(Y‑417,000円)×1/1。+97,5∞ (Y‑410,000円)×1/・

(420,000円)(100,000円) +90,000円

ハ .717,500円 くY<817,500円 の と き ハ.Y>710,000円 の と き

(Y‑‑717,500円)×o・75/10 120,000円

+127,500円

二.Y>817 ,500円(820,000円)の と き

137,500円(140,000円)

社保控

}

支払社会保険料全額 支払社会保険料全額

会料除 ̲̲一̲・̲

生 命保険 料(L)が

一一一 生命保険料(L)が

イ.L<18,800円(20,000円)の と き イ.L<15,000円 の と き

全額 全額

ロ.18,800円 くL<50,000円 の と き ロ.15.000円 くL<30,000円 の とぎ

L/2+9,400円(10,000円) L/2+7,500円

ハ.L>50 ,㎜ 円 の と き

34,400円

ハ.L>30 ,000円 の と き 22,500円

一 一

配控

108,800円(110,000円) イ.扶 養 親 族1人 目70,000円

者除

ロ.〃2人 目 以 上30,000円

配 偶者控除 を うけ た とき

イ.15才 以 上 の 扶 養 親 族50,000円

・ ・ 編

(46,300円50,000円) i

Il.配 偶 者240円

税2 .15才 以 上 の 扶 養 親 族

ハ .13才 未 満 の 〃38,800円

(40,000円)

240円

基控礎除 117,500円(120,000円) 90,000円

所得税 海箏11条 の4以 下 地方税 法第32条 以下 わ よび310条 以下

(13)

給 与 所 得 税 の 累 進 度(早 見) 一51 調 査 対 象 か ら除 い て い るが,1,759万 人 の 民 間 企業 に雇 われ て い る給 与 所 得 者 を 対 象 と して い るか ら,給 与 所 得 者 の実 態 を知 るた め に は 適 当 な 資料 で あ る と思 う。 い ま昭和37年 に年 末 調 整 を 行 な った1年 以 上 の勤 続 者1,388万 に つ い て,扶 養 人 員 別 に給 与 所 得 者 が 支 払 った 税 額 お よび社 会保 険 料 ・生 命 保険 料控 除 人 員 を ま とめ る と,第5表 の よ うに な る。 この うち社 会保 険 料 控

第5表 給与所得者の扶養人員別控除額の構成

1年 以上 勤続者

(A) B) 額( 社会 保険 料控除

(C) 生命保険 料控 除

(D)

員 解 闇 金 額階 隆騨 員 謄 ・/A 員 囎 ・/A

一 一 一 一

0

1 2

7,222β 塗152.。52.。

1,438,882 1

1,721,614

%1 110.4

12.4

%

162.4

74.8

百 万 円 54,102 27,169 37,706

%1%

622.22.

1

11.1 15.5

6 33.7 49.2

6,369,178

1,298,965 1,585,667

15。考188 .誓 1。.3』 。.31 12,692.1

1,505,030

702・426112・748・8

1,020,89618.

% 27.1

4

% 20.8

59.3 3 1,305,409 13.0 87.8 55,726 23.0 72.2 1,732,905 13.7 96.0 1,211,014 21.8 67.0 4 1,070,34g 7.7 95.5 42,944 17.7 89.9 1,031,185 8.2 96.3 716,827 13.0 62.C 5 445,416 3.3 98.8 17,945 7.4 97.3 434,065 3.4 97.6 279,387 5.0 62.7 6 139,618 1.0 99.8 5,421 2.2 99.5 132,758 1.1 95.0 92,024 1.7 66.C

7 29,325 0.2 100 1,254 0.5 100 28,225 0.2 96.4 16,615 0.3 56.6

8以 上 7,136 0.0 100 327 0.0 100 6,786 0.0 95.0 3,766 0.0 52.8

13,880,073 100 24・ ・6・21・ ・112・619・7341・ ・【9・・9/・547・983 1・・i39・9

国税 庁 「昭和37年 分民間 給 与実態 調査結果表 」(昭 和38年),P・61以 下 よ り。

除 人 員 は 源 泉 分 と申 告 分 を 合 計 して あ る 。 こ の 表 か らわ か る こ と は,1年 上 勤 続 者 の52%は 扶 養 者 が い な い 。 この こ と は 独 身 者 が 多 い こ とを 予 想 させ る が,夫 婦 と も稼 ぎ の 者 も含 ま れ る た め,一 概 に 断 定 で き な い 。1人 の 給 与 者 あ た り扶 養 人 員 は,平 均2.6人 で あ っ た 。 勤 続 者 の 構 成 比 を み る と扶 養 者 4人 ま で で95・5%を しめ て い る 。 扶 養 者4人 の 給 与 所 得 者 は 全 体 の ウ エ イ ト と し て7・7%で あ る が,税 額 の ウエ イ トで は17.7%で,重 要 な 世 帯 で あ る。

所 得 階 層 別 に 扶 養 者 を み る と,年 間 給 与30万 円 以 下 で は 扶 養 者 が い な い 者 が 80・5%で あ る。 い っ ぽ う年 間 給 与50万 円 を 超 え る 階 層 で は90%以 上 の 者 が 抹

(14)

養 者 を抱 えて い る。

社 会 保険 料 控 除 は90.9%の 者 が 控 除 を うけ て お り,1人 あ た り控 除額 は 14,100円 とな って い る。 生命 保 険 料 控 除 は全 体 の39・9%が そ の 適 用 を うけ て お り,1人 あ た り控 除額 は17,000円 で あ った。 この二 つ の 控 除 が,納 税 者 の 所 得 階 層 別 に どれ だ け で あ るか を み るた めに,1年 以上 の勤 続 者 か ら1年 以 上 の勤 続 者 で 失 格 者 とな った人 員 を 引 い て納 税 者 を 求 め,こ の値 を もって 同 じ く1年 以上 の勤 続 者 の社 会 保険 料 控 除 お よび生 命 保 険 料 控 除額 か ら失格 者 分 の二 つ の控 除 を引 い えた 納 税 者 分 の 両控 除額 を割 ってみ た。 そ の結 果 が 第 6表 の扶 養 者 別 納 税 者 一 人 あ た りの社 会保 険 料 お よび生 命 保 険 料 支 払 額 で あ る。 この表 をみ る と,扶 養 者 別 の縦 欄 で所 得 階 層 の上 が るに つ れ て,両 支 払

(15)

額 が漸 増 して い る。 しか し所 得 別 支 払 率 は逓 減 して い る。 また横 欄 をみ る と 第6表 扶養者別納税者1人 あた りの

社会保険料および生命保険料支払額(単 位:円)

一 一

10万 以上 15万 木満 20〃

25〃

30〃

40〃

50〃

70〃

100〃

200〃

0人 1人 2人 3人 4人

社 保1生 社 保1生

一 曹一雫,    一一}一

1

‑‑ 1

15,230 16,667 18,641 22,132 24,215

社 保 生 保

一 一 一̲

1

社 保1生 保

9,928 12,993 16,463 19,296 24,459 31,376

一一 6,707 9,731 10,915 11,287

 12 ,400 13,772 15,612 19,332 23,388

社 保}生

一   一 「 一一一一 一

1:llll

13,431 12,566

14.16斗1 1

17,719 21,602 26,020 29,311

‑11

ヤll

l2,,6、,13:45J l3,457114,96gl 15,73118,。,41 17,・ ・8!21,5181 20,85126,302

22,37630,451

一一}

F一

22,410 26,834 30,845

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1 18,188

1

}1:!器

21,770

一 一 一 一

}『

i

 ::ll 7,999

22,829 27,319 24・02『30・718

一}一̲

20,015 22,351 24,750

国税庁,前 掲資料 よ り作成 社 保:社 会 保 険 料 支 払 額 生保:生 命保険料 支払額

(15)大 蔵 省主税 局 に よる給 与所 得税 負担 額 の算定 には,以 下 の よ うな社会保険 料 の支払 率を,昭 和36年 以 降 につい て適用 してい る。 しか し独身者 も夫 婦者 も夫 婦 子 輿3人 も一率 に以 下 の率 を用 い てい るのは問踵で あ る。 因み に,独 身者 のみに 率

(15)

給 与 所 得 税 の 累 進 度(早 見) 一53一 同 じ所 得 階 層 で は扶 養 者 の 増加 につ れ て 両 支 払 額 が増 加 してゆ くこ とが よみ とれ る。 厳 密 に い うと1年 以上 の勤 続 者 で あ って,失 格 者 とな った 人 員 の な か に は,年 末 調整 を行 なわ なか った 者 も若 干 ふ くんで お り,ベ ース が共 通 し

な いけ れ ど も,幸 い な こ とに 所 得 階 層 が高 くな るに つ れ て,ま た扶 養者 が 増 加 す るに と もな って,失 格 者 は減 少す る。 したが って第6表 で しめ した扶 養 者 別 ・所 得 階 層 別 にみ た納 税 者 一 人 あ た りの 支払 い 額 は,ほ ぼ 実際 に近 い と み て よか ろ う。 『民 間 給 与 実 態 調 査結 果 表 』 で は,第6表 で しめ した所 得 階 層 区 分 の ほ か に 低所 得 層で5万 円未 満 と8万 円未 満 の二 層,高 所 得 層 で500 万 円未 満 と500万 円 以上 の 二 層 が記 載 され て い るが,前 者 の 階 層 は課 税 最 低 限 内 に あ り,後 者 の階 層 は 給与 所 得者 と して ウエ イ トは無 視 し う乙 もの とな り,当 面 の問 題 とは しな か った 。 ま た第6表 の所 得 階 層 と第7表 か ら第11表 にわ た る納 税 者 の所 得 階 層 とで は 区分 が 異 な るが,第6表 で えた一 人 あ た り 社 会保 険 料 控 除 額 ・生 命 保険 料控 除 を基 礎 と して階 層 間 で は線 形 的 に控 除額 が 上 昇 す る もの と仮定 して給 与 額 か ら引 い て お い た。

以上 の よ うな手 続 き と仮定 を お い た の ち,第5表 で え られ た扶 養者 別給 与 所 得 の構成 比 を み る と扶 養者4人 まで で95.5%を しめ て い るの で,累 進 度 の 計 算 に は世 帯 構成 を 独 身者 か ら配偶 者 と子 供3人 を ふ くむ5つ の ケー ス を対 象 と した 。 また 第5表 に よ る と社 会保 険 料 控 除を うけ た 者 は 全 体 の90.9%oあ

って,こ の 分 は す べ て の ケー スに つ い て 控 除 した。 生 命 保険 料 控 除 を うけ た者 は 全 体 で39・9%で あ り,扶 養 人 員 の 増 加 に と も な っ て 増 加 して は い る が,生 命 保険 料 控 除 を完 全 に無 視 す る こ とは で きな い の で,第7表 か ら第11 表 まで の5つ の ケー スに つ い て,A表 を生 命 保 険 に 加 入 して お らず,し たが

*つ いて,私 の計算を掲げる。 さらに,大 蔵省の資料では,生 命保険料控除を考慮 していない。前掲資料集,P・31,

所 得 階 層(万 円以下) 40 50 70 100 200 500 500超 (大蔵 省)社 保支払率(%) 3.96 3.88 3.69 3.19 2.23 1.06 3万 円 独 身 者 社 保支払率(%) 3.86 3.72 3.37 2.80 2.35 0.64 0.30

(16)

っ て 生 命 保 険 料 控 除 は ゼ ロ と し,B表 を 生 命 保 険 料 を 支 払 っ て い る 者 と し た 。 この た め 税 額 ・平 均 税 率 ・限 界 税 率 お よ び 税 負 担 の 所 得 弾 力 性 の 計 算 は 10の ケ ー ス に な っ た 。

な お 第7表 以 下 に お い て 所 得 階 層 を5万 円 き ざ み と した の は,一 つ に は conventionalな 判 断 に も と つ く もの で あ り,二 つ に は5万 円 以 下,た と え ば1万 円 き ざ み に と っ て み る と簡 易 税 額 表 で は 税 額 に 小 額 の変 化 しか 現 わ れ な い か らで あ る 。 これ は 税 額 表 が 階 段 状 の 不 連 続 な 租 税 関 数 とな っ て い る た め で あ り,こ の た め 平 均 税 率 は 上 昇 傾 向 を しめ す が,限 界 税 率 は 波 を 描 き な が ら上 昇 す る パ タ ー ソ とな る。 そ の 結 果,累 進 度 も波 を 描 き な が ら下 降 す る こ とに な る。 この よ うに 小 さ な 区 分 で は 租 税 構 造 を つ か む の に あ ま り好 都 合 で は な い 。

IV観

以 上 の 手 続 きをへ て 計 算 した 結 果 が,第7‑A表 以下 に 掲 げ た もの で あ る。 計測 の 過 程 は 単 純 な 算術 の くり返 しにす ぎ ない。 第1節 で のべ た よ う に,今 後 に 予 定 され て い る 累 進 度 の 異 時 点 間 に お け る変 化 を測 定 す るた め に,各 ケ ース と も繁 雑 な き らい は あ るが,生 の数 字 を のせ て お い た 。

い ま計 算 した税 負担 累 進 度 また は税 負担 の所 得 弧 弾 力 性 の うち,独 身者 ・ 夫婦 者 お よび夫 婦 と子供2人 の三 ケ ース そ れ ぞ れ 社 会 保険 料控 除 の適 用 は うけ てい るが,生 命 保 険 料控 除 は な い もの と してい る一 を 選 ん で,グ

フで 表 わ した ものが 第1図 で あ る。 さて この グ ラ フ と第7‑A表 以下 の数 字 をみ なが ら,所 得税 と住 民 税 の構 造 に つ い て,い くつ か の 観察 事 項 を のべ て み よ う。

1・ 平 均 税 率(t)は,ど の ケ ース を み て も一一様 に 上昇 してい る。所 得 税 と 住 民 税 とを 合 計 した 総 合 負 担 分 の ≠か ら,所 得 税 の 彦を所 得 階 層 ご とに 引 く

と,住 民 税 の 平均 税 率 が え られ るが,こ れ も一 様 に増 加 して い る。

2・ 限 界 税 率(の は,必 ず し も一 様 に 上 昇 して い る とは い え な い。 この原

(17)

給 与 所 得 税 の 累 進 度(早 見) 一55一 第1図

203040.gtl・7{〕8̀)901c)̀}.11012013014015G万 給与年額 各 世帯 とも,生 命保険 料控 除を うけ ていない もの とす る。

因 は 所 得 税 額 を 算 出 す る た め に 用 い た,年 末 調 整 の た め の 簡 易 税 額 表 に あ る 。 税 額 表 は 課 税 所 得 額 ご とに 税 額 を しめ した もの で あ るが,第1表 の よ う な 超 過 累 進 税 率 に 忠 実 で あ れ ば,≠'に 谷 が で き る とい うこ とは な い 。 い ま 税 額 表 の 構 成 を み る と,課 税 所 得 に た い す る 税 額 の 増 加 は,階 段 状 の 不 連 続 な 関 数 と な っ て い る 。 そ の た め 極 端 な 場 合,例 え ぽ 課 税 所 得804,999円 か ら 805・000円 に,1円 あ が る と税 金 は1,250円 上 が る。805,000円 か ら5,000円 満 の 増 加 分 に つ い て は1,250円 の 税 額 の 増 加 で 止 ま り,そ の 分 の 限 界 税 率 は' 25%で あ る。 こ の 税 率 は 第1表 で しめ した 一一般 の 税 率 に 一 致 す るわ け で あ る が,段 階 の 高 い 端 に 到 る ま で は,限 界 税 率 は25%よ りつ ね に 大 で あ る。 こ の

こ と が 給 与 所 得 を5万 円 とい うか な り大 巾 な 階 層 区 分 に と っ た と きに も,一 様 で な い 限 界 税 率 の 上 昇 と い う形 で 現 わ れ て く る 。

住 民 税 に つ い て は,そ の よ うな こ とは な い 。 これ は 小 樽 市 当 局 が 簡 易 税 額 表 を 使 わ ず,一 般 の 税 率 に も とつ い て 計 算 し て い る た め で あ る。

3・ 平 均 税 率 は 一 様 に 上 昇 し,限 界 税 率 は 一 様 で は な い と は い え,ど の所

(18)

得 階 層 で も限 界税 率 よ り平均 税 率 は 小 で あ る。 したが って所 得 税 と住 民 税 は 累 進 税 の 定 義 に一 致す る。

4・ 限 界 税率 が 一 様 な 上昇 を しめ さない た め,税 負担 累 進 度 あ るい は税 収 の弧 弾 力 性(τ)も 一 様 な 低下 傾 向を しめ さな い。 第1図 で 掲 げ た 三 つ の世 帯 につ い て τの動 きを み る と,極 立 った特 徴 と して,二 つ あげ られ る。一 つ は τが 山 を描 きなが ら急 速 に下 降 してい る こ と,二 つ は 独 身者 と妻 帯 者 との間 の τの 差 異 で あ る。 第 一 の 点 か らみ る と,ま ず 課 税所 得 に 達 した 瞬 間,弾 力 性 は 最大 で あ る。そ してそ の値 は 扶 養 者 が 大 き くな るに つれ て大 とな る。 こ の こ とは 低 所 得 層が 強 く税 の圧 迫 を うけ てい る こ とを 意味 す る。 第 二 の山 は 独 身 者 に つ い ては50万 円に くる。 また 夫 婦 者 に つ い て は60万 円 で あ り,子 供 が 一 人 殖 え るに つれ,5万 円のず れ を と もな って 山 に な る。 そ してそ の山 は 子 供 が 増 加 して も,低 くな る こ とは ない 。5万 円の ず れ は,扶 養控 除額 に ほ ぼ 等 しい し,独 身老 か ら夫 婦 者 に変 わ った と きの ず れ は,配 偶 者 控 除に ほ ぼ 等 しい 。 とれ は 独 身者 と妻 帯 者 の τの レベル の差 異 を説 明 して い る。 第 三 の 山 は 夫 婦 者 に つ い て95万 円 で あ り,子 供 が 一 人 殖 え るに つれ5万 円 のず れ と と もに 山 に な る。 これ は第 二 の 山 の 性 質 と 同 じで あ る。 第 三 の 山 を す ぎ る と,山 の高 さは小 さ くな る。 しか し独 身者 の τは100万 円前 後 で 早 く2を 割 るの に た い して,夫 婦 者 以上 で は高 い所 得 に な らな い と,な か なか2を 割 ら な い。 この こ とは 妻 帯 者 の 中堅 所 得 層 が,低 所 得 層 に次 い で圧 迫 を うけ てい る こ とを しめす し 子供 の 存 在 は必 ず し も τの低 下 を もた らす とは限 らな い 。

6・ 所 得 税 に加 え て住 民 税 が か か っ て くる と,弾 力 性 は どの世 帯,ど の所 得 階層 で も一 様 に低 下 す る。 と くに τの 低 下 の度 合 は 低所 得 に 顕 著 で あ り, 75万 以上 の所 得 で は そ れ ほ ど大 で は な く,0・07か ら0・25の範 囲 内 に あ る。 住 民 税 に よっ て,累 進 度が 低 下す るの は,平 均 税 率 の増 加 分 よ りも,限 界 税 率 の増 加 分 が 小 さい か らで あ り,こ の こ とは 市 民 税 の累 進税 率 が2%を 初 期 値 と して,1%と い う小 巾 な上 昇 に 止 ま っ てい るか らで あ る。 しか し所 得 税 の 免 税 点 以下 で あ って も,住 民 税 が か か っ て くる し,均 等割 の550円 は,住

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