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漢字熟語誤用の時代比較

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(1)

漢字熟語誤用の時代比較

‑ ワープロ以前 の時代か ら ‑

沼 田 久

1 .は じめに

この数年間の日本語 ワー ドロセ ッサ‑,いわゆるワープロの普及は著 しいo ワープロな しではデスクワークは成 り立たな くなっている.ペ ンや鉛筆を持 っ て,手で文章を書 く機会 は確実に減少 している。それに伴 って 「 漢字 は読める けれど書 けない」ようになって くるのではないか, という懸念 も広が っている ように思われる。

一方大学生 ( 本学を想定)では,現在で も入学時にワープロが使える者 はご く少数である。 自分 は機械が苦手だとか, ワープロで書いた字は人間味がない とか,手で書 くほうが早いとか,ワープロ講習を受 けて も複雑で分か らない, とか言 う学生は依然 として相当数存在す ることは確実である。甚だ しいのでは

「自分 は純粋の文系人間で,数学が苦手なのでワープロもパ ソコンも難 しくて 使えない」 と思い込んでいる場合 もある。

しか しなが ら講習を受けること自体,ワープロを使えるようにな りたいと考 えていることであるし, クラブ活動などで もワープロ文書が当然のようになっ てきているので,先輩に習 って使えるようになるケースも多いO学生の行動を 観察 していると,面 白いことに学校 ( 情報処理セ ンター)の講習や授業を受け るよりも,クラブ活動の必要か ら先輩に習 う方が早 く習熟するのではな

か と 思われる節 もある。

卒業論文を書 くころになると,さすがにワープロの必要性を強 く感ず るよう

〔1〕

(2)

商 学 討 究 第 4 6 巻 第 1 号

で,多 くの学生はいっの間にかワープロの使い手になってお り,調査 したこと はないが,ワープロ専用機またはパ ソコンとワープロソフ トを自己所有 してい る高学年生 は,数十%にのぼるののではなかろうか。

ところで一般社会では 「 若い者は漢字を知 らない」 と言 う

入社試験の珍答 案の例などが面白おか しく報 じられた りもする。 しか しなが ら 「 今時の若い者 は‑‑・ 」 という言葉 はいっの時代で も使われる言葉であるか ら,以前の世代に 比べてどうなのかは,客観的な調査 ・実証な しに断定することはできない。

学生の場合 も,ワープロを使 っていると 「 漢字が書けな く′ なる,忘れる」 と 言 う者がいる。学生の日常生活での,ワープロ使用の頻度 はそう高いとは思え

ない。授業で ノー トを取 る,試験の準備をす る,試験の答案を書 く,などは手 書 きであろう

ワープロで書 くのはレポー ト,クラブ活動関係の文書,場合に

よっては塾の講師のアルバイ トで教材や試験問題作成,などが考え られるが, デスクワークの社会人ほどの使用頻度 にはな らないと患われる。学生が 「 漢字 が書 けな くなる,忘れる」と言 うのは, もともと漢字や漢字熟語を正 しく書け

ない ・使えないことの言い訳,予防線なのか もしれない。

「 今時の若い者」の漢字や漢字熟語の誤記 ・誤用の頻度や程度が時代 ととも に強まっているのかどうか

.

また,ワープロの影響が言われるほどあるのかど うか。情報機器 として普及率の高いワープロの,普及以前 と以後の比較を して みたい, というのが ここでの問題意識ではあるが,学生の中にワープロが普及 し始めてか らの 日はまだ浅い し,普及後の調査 は今後 も可能である。それで本 稿では, ワープロ出現以前の学生の文章 と,出現後ではあるが,まだワープロ

̀ ̀ 汚染度"の少ない低学年生の文章を調べてみることにする。

2. 調査対象

本稿は,小樽商科大学における筆者の授業の受講学生が提出 した,下記の 3 時期の レポー ト・小論文の文章の,漢字及び漢字熟語の誤 りについて調査 した

ものである

(3)

漢字熟語誤用 の時代比較

A) 昭和 37 年 ( 1 96 2 年)入学の 1年生を主体 とする学生77 名の レポー ト B)昭和 53 年 ( 1 97 8 年)入学の 2 年生を主体 とす る学生11 8 名の レポー ト C)平成 4 年 ( 1 99 2 年)入学の 2 年生を主体 とす る学生 1 28 名の小論文

漢字熟語の誤 りの態様は,つ ぎのように大別す ることができる。

ア)「 成績」を 「 成積」,「 紛争」を 「 粉争」 と書 くよ うな,不適当な漢字を 含んでいるために,通常の場合は意味をなさない言葉になっているもの イ)「 確率」を 「 確立」,「 意外 」 を 「 以外」 と書 くような,独立 に見れば意 味を持 った言葉であるが,前後のかな遣いや文脈の中では誤 りであるも の

り)誤字,即ち存在 しない漢字 ( いわゆるウソ字)を含んでいるもの

送 り仮名の使い方の違いなどで意味が変わった り,前後の文脈か らみて,そ の熟語やそれを含む慣用句や諺の意味を取 り違えているケースな どもあ り, もっと細か く分類す ることも可能だが,イ)のケースを広 く解釈す ることにす れば,事例数が非常に少ない分類を立てる必要 はない考えた。なお単独の漢字 の誤 りでは,ア) とイ)の区別が出来 るケースは稀であろう。従 って実質的に はイ),ウ)の 2 分類 となる。

本稿の調査の集計では簡単のため,ア) ,イ)をまとめて 「 誤用」 と呼び, ウ)を 「 誤字」 と呼び,両者を総称 して 「 誤記」 と呼ぶ ことにす る

当然のことなが ら 「 誤記」にもその程度 ・濃淡がある。厳密に言えば誤記で あるが,その 「 誤記」が広 く通用 していて,「 誤 り」 という認識が ほとんど持 たれていない場合 もある。また意味的な差が小 さく,正誤 どち らの熟語 ・漢字 を使 って も違いがほとんど感 じられない場合 もあ り,「 誤記」の拾 い出 しは簡 単ではない。

書かれた文章を読んで 「 誤記」を発見 し拾い出す ことは,基本的には原稿の

(4)

商 学 討 究 第 46 巻 第 1 号

ゲ ラ刷 りの校正 と同 じ仕事である。長い文章では,校正を何度繰 り返 して もミ スプ リが後 に次々と発見され る, とい うことは 「ものを書 く」仕事 に携わって いる者な らば誰で も何度 も経験 している。また, コンピュータプログラムの誤

りの発見 ( デバ ッグ)の仕事の困難 さとも似た仕事である。

従 って,以下の調査結果の 「 誤記」の数字は,実際よりも少なめに出ている も̲ の と考えてよいであろう

調査対象の レポー ト・小論文に関す る概要 はつ ぎの通 りである。

A) 昭和 37 年度授業 「 数理統計学」の レポー ト 77 名。

課題図書 :足利末男 「 統計 うそ ・まこと」三一書房 ( 統計学や統計数 字,特 に社会統計の出来あが り ・利用 ・読み方 についての啓蒙書)を 読んで,要 旨 ・感想を書いた もの。

ほとんどが 40 0 字詰め原稿用紙を使用。

提出学生 :昭和 3 7 年入学 6 1 名 ( 37 年の入学定員 1 6 5 名) 3 6 年入学 4

35 年入学 1 2 計 7 7 名 提 出時期 :昭和 3 7 年1 2 月

B) 昭和54 年度授業 「 応用数学 ( 代数 )」 の レポー ト 11 8 名。

課題図書 :① 「コンピュータ ・労働 ・プライバ シー」商学討究

② 「 最近のコンピュータ産業」商学討究 以上 いずれ も筆者の論文

③大野 晋 「日本語 について」角川文庫

④仲本正夫 「 学力への挑戦」労働旬報社

⑤渡部昇一 「 文科の時代」文芸春秋社

⑥ 内橋克人 「 続 ・匠の時代」サ ンケイ出版

(5)

漢字熟語誤用 の時代比較 これ らを読んで要 旨 ・感想を書いた もの ほとんどが 40 0 字詰め原稿用紙を使用

提出学生 :昭和 5 3 年入学 9 9 名 ( 5 3 年の入学定員 3 85 名) 5 2 年入学 1 1 ( 5 2 年の入学定員 285 名) 51 年入学 6

5 0 年入学 1 4 9 年入学 1 計 1 1 8 名 提出時期 :昭和 5 4 年 1 2 月〜5 5 年 1 月

5

C) 平成 5 年度授業 「 社会 と情事 臥 小論文の うち前期 1 1 回分 ,1 28 名O この授業 は, 2 . 週間以上前 に資料を与え,それに関連文献 ・経験 ・筆 者の講義等を調べ考え合わせて授業中に小論文を書 く, ‑とい う方法を 取 った

従 って実際 に授業 に出席 しなければ受講 した ことにな らな い。下書 きを しそきて もよい。実際に提出用紙 ( 答案用紙を使用)に 書 く時間は,授業 9 0 分の うち約 1 時間である。なお受講学生の うち, 小論文を 3 回以上提出 した者だけを調査対象 とした。

提出学生 :平成 4 年入学 1 0 2 名 (4 年の入学定員 50 5 名) 3 年入学 21 (3 年の入学定員 42 5 名) 2 年入学 4

1 年入学 1 計 1 28 名 提出時期 :平成 5 年 5 月 〜1 0 月

3. 調査結果

調査の結果,発見 した 「 誤記」の種類 ・個数 は膨大で,本来な らばそれ らを

全て ここに記載すべ きであろうが,紙数の関係 もあ り一部だけに制限せざるを

(6)

商 学 討 究 第 4 6 巻 第 1 号

得ないことを予めお断 りしてお く

また 「 誤字」は,その性質上千差万別であ り印刷上の文字作成の問題 もあるので,数的な集計を示すだけに止める。

レポー ト, ̀小論文の字数の数え方 は概算である。原稿用紙の行の途中での改 行があるとき,残 りの空白が少ない場合 は 1 行 2 0 字 と数えたので,文字数はや や多めに出ている。

誤記の拾い出 しに際 しては,どんな種類の誤記があったかに重点をおいた。

例えば 「 成績」 という書 き方が 1 人の文章の中で何度 も現れると, 「 誤記数」

は異常に多 くなって しまう

従 って 「 誤記種」を問題にする方が適当と考え ら れるか らである。同一人の文章に誤記 と正字のものが混在 していることもある が,その場合 も誤記があったと扱 う

誤記には前述の分類の他に,判読不能の記述や意味不明の記述がある。何を 書 こうとしたのか判断がつかない場合 には , 「その他」として扱 うことにす る。

また固有名詞の書 き誤 りは一律 に「 誤用」とす るのは不適当な場合 も多いので, これ も 「その他」 とする

A.昭和37 年の レポー トについて

後年の学生に比べて達筆な者が多い印象を受ける。反面,崩 し字の判読に時 間を要す ることもある。 レポー ト内容について も,社会 ・経済等の現象につい ての学問的関心の高いことが読み取れる学生が多い。

7 7 名の レポー トの うち,文字数 の最小 は1 ,000 芋,最大 は15 ,5 00 字,平均

4, 051 字である。全体で誤用種は1 83 種,誤字種は 8 種,判読不能意味不明が 2

種あった。誤記のない者は 5 人,最 も多い者は 1 4 種類の誤記を していた。

(7)

漢字 熟語 誤 用 の時代 比較

A‑ 1) 個人別誤記種数及び総集計

7 7 人の総字数 は 31 1 , 9 0 0 字である。全体の集計表をまず掲げよう。

表 A 1‑ 1

誤記種数 人数 総字数 平均字数 1 万字 当た り

種 0 1 2 3 4 5 6 00 9 0 2 4 r: : :

5 人 1 5 , 0 0 0 字

1 5 7 1 , 0 0 0 1 8 5 6 , 8 0 0 1 3 5 5 , 6 0 0 8 3 6 , 7 0 0 7 2 7 , 5 0 0 5 2 1 , 8 0 0 1 3 , 0 0 0 1 4 , 1 0 0 1 4 , 5 0 0 2 1 1 , 8 0 0 1 4 , 0 0 0

3 , 0 0 0 字 0 . 種

4 , 7 4 0 2 . 1 0 9 7 3 , 1 5 6 6 . 3 3 7 1 4 , 2 7 7 7 . 0 1 4 3 4 , 5 8 8 8 . 7 1 8 4 3 , 9 2 9 1 2 . 7 2 5 9 4 , 3 6 0 1 3 . 7 6 1 5 3 , 0 0 0 2 6 . 6 6 6 7 4 , 1 0 0 2 1 . 9 5 1 2 4 , 5 0 0 2 2 . 2 2 2 2 5 , 7 0 0 2 1 . 0 5 2 6 4 , 0 0 0 3 5 . 0 0 0 0

計 7 7 人 3 1 1 , 9 0 0 字 4 , 0 5 1 字 8 . 0 7 9 5 種

表 A 1‑2

誤記種 種数 1 万字 当た り

誤用 1 8 3 種 5 . 8 6 7 3 種

誤字 8 0 . 2 5 6 5

判読不能 2 0 . 0 6 4 1

計 1 9 3 種 6 . 1 8 7 9 種

表 A 1‑ 3

誤記種 誤記数 1 万字当た り

誤用 2 9 4 個 9 . 4 2 6 1 個 誤字 1 0 0 . 3 2 0 6

判読不能 3 0 . 0 9 6 2

計 3 0 7 個 9 . 8 4 2 9 個

7

(8)

商 学 討 究 第 4 6 巻 第 1号

表か ら, この時の学生の平均像 は下記のよ うになる。

1 万字 当た り平均誤記種 8 .07 9 5 種 1 万字当た り平均誤記数 9 .8 4 29 個

A‑2) 誤用種別誤用者数

1 )誤用者が 2 人以上の もの ,27 種

表 A2‑ 1 は,複数 の誤用者のあ った誤用種 を全て挙 げた ものである

表 A 2‑ 1

正 誤 誤用者数

1 初 めて

2 匹敵

3 欠如

4 対象

5 強調

6 指摘 7 専 門

8 誰

9 共 に

1 0 被調査者

1 1 問題

1 2 改めて

1 3 案外

1 4 意外

人 9 9 7 5 4 3 3 3 3 3 3 2 2 2

者 て て 査 め め 適 除 称 張 適 問 に 調 題 た 外 外 始 匹 欠 対 強 指 専 唯 伴 非 門 新 安 以

正 誤 誤用者数

5 6 7 8 9 0 1 2 3 4 5 6 7 1 1 1 1 1 2 2 2 2 2 2 2 2

確信 確 心

確率 確立

講義 講議

結論 決論

検討 検計

誠意 精意

備えて 添えて

特徴 特徴

伴 う 供 な う 始 まる 初 まる

標本調査 標準調査

保証 保障

人 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2

2) 誤用者が 1 人だけの もの,総数 1 5 6 種

つ ぎに,誤用者が 1 人 のみである誤用種を考えよ う

これ は 1 5 6 種 もあるの で,紙数の関係で全部 は記載で きない。 もっと字数の多 い レポー トな らば複数 の誤用者が現れ る可能性が高い と見 られ る誤用を選んで表 に しよう

誤記 に もつ ぎの 2 種類があ ると考 え られ る 。 ( a ) を「 無 自覚」 , ( b) を 「 偶発的」

(9)

漢字 熟 語 誤 用 の 時代 比 較

として,個々に誤記の態様 ・回数などか ら判断 し分類 した。

( a) 誤記であることの自覚が薄いもの

(b

) 正字 は知 っているのだが,その時は偶然に誤記を して しまったもの

2‑ a) 無 自覚な もの,総数 8 7 種

2‑a‑1) 文脈に関係な く不適または誤 り,総数 6 4 種, うち 3 0 種を表示

正 誤

1 致す 到す

2 至 る o r 到 る 致 る

3 未 だ に 今 だ に

′ 4 所謂 云わゆる

5 往 々 応々 6 推 して知 る 押 して知 る

7 学 問 学門

8 環境 還境

9 記憶 気憶

1 0 肝 に銘 じ 肝に名 じ

表 A2‑al

正 誤

1 1 疑 問 疑 門

1 2 偶発 遇発

1 3 根底 o r 根砥 根抵

1 4 週刊誌 週 間誌

1 5 浸透 侵透

1 6 絶対 に 絶体 に

1 7 先入観 先入感

1 8 即座 に 速座 に

1 9 大抵 ・ 大低

2 0 適当 摘当

正 誤

2

1 徹底o r

撤抵

22

当 事者 当 時者

23

漠然 莫然

24

始 め る 初 め る

25

派 手 に 派 出に

26

批判 批反

27

妨害 防害

28

認 め る 見 と め る

2

9 妄信o r

亡信

30

要 す る 用 す る

2‑a‑2) 適不適は文脈によるもの,総数 2 3 種, うち 1 4 種を表示

この場合は 「 正誤」の表よりは,混同 しやすいペアとして表示す るのが適当 である。

表 A2‑a2

う 旦 動 程 心 合 一 異 過 関

12345

う 端 動 程 心 会 1 移 課 感 る 機 用 め 照 称 時 重 進 対 対

る 期 要 め 象 照 時 重 勧 対 対

6700901

る え り 位 絶 頼 本 者

る え り 意 耐 便 本 物

12341111

(10)

10

46 巻 第 1 号

2‑b) 偶発的なもの,総数 4 7 種

2‑b‑1) 文脈に関係な く不適または誤 り,総数 3 0 種, うち 1 0 種を表示 この場合はまさに 「 偶発的」 と考え られ,単発的な誤用が多い。表 も例示で ある。

表 A2‑bl

正 誤

1 馬 の耳 に念仏 馬 の聞に念仏

2 書 いた 著書 いた

3 決定 快走

4 講義 議義

5 語弊 誤弊

正 誤

6 材料 財料

7 素朴 朴ぼ く

8 幅広 い 巾幅 い

9 標準偏差 平準偏差

1 0 不可能 不可態

2‑b‑2) 適不適は文脈によるもの,総数 1 7 種, うち 5 種を表示

これ も混同 しやすいペアとして見 るのが適当であるが,偶発的で しかもその ペアが共に意味を持っケースは必然的に少数で,特殊な誤用 という印象を受け

る。その うちで出現率の比較的高そうな ものを表示す る。

表 A2‑b2

1

感想 観想

2

経済界 経済会

3

複雑 な 複数 な

4

文体 字体

5

利 用 理容

2‑C) 無 自覚か偶発的か判断 しに くいもの,総数 2 2 種, うち 1 0 種を表示 表 A2‑C

正 誤

1 予め 先 め

2 鍵 錠

3 記述 紀述

4 既存 即存

5 虚偽 にな る 不信 にな る

正 誤

い 択 深 利 達 味 休 む 捨 誉 趣 具 吸 拾 遭

い 択 深 性 選 味 体 む 捨 挙 興 具 汲 取 選

6

7

8901

(11)

漢字熟語 誤 用 の時代 比較 ll A‑ 3) 誤字 ( いわゆるウソ字)について

8 人の レポー トか ら8 種類,1 0 個の誤字が発見 された。案外少ないという印 象である。

A‑ 4)類似誤用のグループの例

発見 された誤用 ・誤字を述べて きたが,それ らの中で誤 り方が類似 したグ ループの存在が認め られる

グループの纏め方[ =より, グループ数 もグループ 内の誤記種の組み合わせ も変動す るが,一応の纏め方で 2 2 グループができた。

誤用者数の多いグループや,一般に頻度の比較的高そ うな 8 グループを表示す る。

表 A 4‑ 1 正 誤 誤用者数 小計

1 匹敵 匹適 9人 指摘 指適 3

適当 摘当 1 . 1 3 人

て る る め ま め 始 初 初

て る る め ま め 初 始 姶 りん 問 題 門 門 専 門 学 疑

門 題 問 問 専 問 学 疑

田 丸 514 四 九 日 リ ‖ り 00

4 欠 如 欠除 欠点 欠除

正 誤 誤用者数 小計 5 対象 対 称 5人

対象 対照 1

対照 対 称 1 6 意外 以 外

本意 本 位 用意 用位 無作為 無作位 7徹底o r 徹抵 撤抵

根底o r 根横 根抵 大抵 大低 8到るo r 至る 致る

致す 到す

B. 昭和5 4 年の レポー トについて

. 6 種類の文献を読んでの レポー トであるが,全部を読まない者 もあ り,文字 数の最小 は 600 字,最大 は 19, 400 字,平均5,485 字である。全体で誤用種 は 490

、 種, 固有名詞 ・意味不明等が 20 種, 誤字が64 種 あった. 誤記のないものは 7 人,

(12)

12 商 学 討 究 第 4 6 巻 第 1 号 最 も多い者 は 29 種の誤記を していた。

B‑1 )個人別誤記種数及び総集計

1 1 8 人の総字数 は 64 7, 20 0 字である。全体の集計表を掲げる。

表 B1‑ 1

誤記種数 人数 総字数 平均字数 1 万字当たり

種 nU 1 2 3 4 5 6 7 8 9 0 1 2 3 4 6 1 2 3 9 1 1 1 1 1 1 2 2 2 2

7 人

1 2 2 1 7 9 l 7 l 1 2 7 4 5 5 2 1 1 2 1 2 1

1

字 ji: 001 り ん

辛 Wt血 0削Un 51

4 1 , 9 0 0 9 7 , 3 0 0 3 1 , 5 0 0 3 9 , 4 0 0 3 4 , 7 0 0 7 2 , 0 0 0 7 7 , 1 0 0 4 2 , 3 0 0 3 4 , 2 0 0 2 8 , 7 0 0 3 5 , 1 0 0 1 4 , 8 0 0 9 , 8 0 0 7 , 0 0 0 1 2 , 7 0 0 4 , 9 0 0 1 8 , 8 0 0

nZ! W W軌 聖 m製 Ⅶ0 3 4

4 , 5 0 0 4 , 3 7 8 4 , 9 5 7 6 , 5 4 5 6 , 4 2 5 6 , 0 4 3 8 , 5 5 0 5 , 7 4 0 7 , 0 2 0 7 , 4 0 0 9 , 8 0 0 7 , 0 0 0 6 , 3 5 0 4 , 9 0 0 9 , 4 0 0 1 0 , 3 0 0 1 0 , 3 0 0 1 9 , 4 0 0 1 9 , 4 0 0

0 . 種

2 . 8 6 4 0 4 . 3 1 6 5 6 . 6 6 6 7 9 . 1 3 7 1 1 0 . 0 8 6 5 9 . 1 6 6 7 1 0 . 8 9 4 9 1 3 . 2 3 8 8 1 0 . 5 2 6 3 1 7 . 4 2 1 6 1 5 . 6 6 9 5 1 6 . 2 1 6 2 1 3 . 2 6 5 3 2 0 . 0 0 0 0 2 5 . 1 9 6 9 4 2 . 8 5 7 1 2 3 . 4 0 4 3 2 2 . 3 3 0 1 1 4 . 9 4 8 5

計 1 1 8 人 6 4 7 , 2 0 0 字 5 , 4 8 5 字 1 0 . 7 0 7 7 種

表 B1‑2

誤記種 種数 ー 1 万字当た り

誤用 4 9 0 種 7 . 5 7 1 1種 誤字 6 4 0 . 9 8 8 9

意味不 明等 2 0 0 . 3 0 9 0

計 5 7 4 種 8 . 8 6 9 0 種

(13)

漢字 熟語 誤 用 の時代 比 較

表 Bl‑ 3

誤記種 誤記数 1 万手 当た り 誤用 8 5 4 個 1 3 . 1 9 5 3 個 誤字 1 1 8 1 . 8 2 3 2

意味不明等 2 2 0 . 3 3 9 9 計 9 9 4 個 1 5 . 3 5 8 5 個

表か ら, この時の学生の平均像 は下記のようになる。

s

1 万字当た り平均誤記種 1 0 .7 07 7 種 1 万字当た り平均誤記数 1 5 .3 58 5 個

B‑2 )誤用種別誤用者数

1 )誤用者が 2 人以上の もの ,6 2 種

表 B2‑1 は,複数の誤用者のあった誤用種を全て挙げた ものである。

表 B2‑ 1

正 誤 誤用者数

1 弊害 幣害

2 成績 成積

3 陰 に 影 に

4 価値観 価値感

5 業績 業積

6 生徒 生徒

7 始 め る 初 め る

8 感心 関心

9 専門 尋 問

1 0 初 めて 始 めて

1 1 改めて 新 ためて

1 2 完壁

1 3 屠 区逐

1 4 講義

1 5 参議 院

1 6 紹介

1 7 徐 々に

完壁 逐遂 講議 参議員 招介 除 々に

人 0 7 6 6 6 5 5 4 4 4 3 3 3 3 3 3 3 1

正 誤 誤 用 者 数

2 3 4 5 6 7 8 9 0 1 2 3 4 5 6 7 00 3 3 3 3 3 3 3 3 4 4 4 4 4 4 4 4 4

強烈 強裂

苦悩 苦脳

繰 り返 し 操 り返 し

結構 結講

超え る 越 え る

成功 成巧

匙 を投 げ る サ ジを捨 て る 試行錯誤 思考錯誤

指摘 指適

浸透 侵透

双方 相方

対象 対称

対照 対称

大胆 大担

忠告 注告

挑戦 挑戦

動 向 勤行

人 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2

1 3

(14)

14

1 8 的確 o r 適確

1 9 徹底 o r 徹抵

2 0 微分

2 1 偏見 2 2 益 々

2 3 偉大

2 4 致す

2 5 至 る o r 到 る

2 6 未 だに

2 7 違和感

2 8 窺 う 2 9 価格 3 0 画期 的

3 1 危慎

第 46 巻 第 1 号

に 感 的 格 底 分 見 々 大 す る だ 和 う 格 気 倶 適 撤 徴 遍 増 達 至 致 今 異 伺 値 活 危

3333322222

2

222

4 9 得意 得位 2

5 0 取 って代 わ る とって変 わ る 2 5 1 伴 う 供 う 2 5 2 共 に 供 に 2 5 3 乗 り越え 乗 り込え 2

5 4 発揮 発輝 2

5 5 氾濫 混乱 2

5 6 不可欠 不可決 2

5 7 文化 文科 2

5 8 弊害 併害 2

5 9 冒頭 昌頭 2

6 0 保証 保障 2

6 1 滅 び る 滅 びる 2 6 2 回 り o r 周 り 囲 り 2 2) 誤用者が 1 人だけのもの,総数 42 8 種

つ ぎに,誤用者が 1 人だけである誤用種を考える。 これは 4 28 種 もあ り,全 部を記載す ることはできない。提出学生数 も多 く,課題図書の数 も多 くテーマ も広いので, レポー トに現れた誤記の種類が昭和 37 年の ものに比べ格段に増え ている。その結果通常 目にする誤記の種類 はほとんど出現 している印象を受け る。紙数の関係上,一部を表示す る。

調査 A に於けると同様 ,( a ) 無 自覚 ,( b) 偶発的に分ける。

2‑a) 無 自覚な もの,総数 3 41 種

2‑a‑ 1) 文脈に関係なく不適または誤 り,総数 27 5 種, うち 4 2 種を表示 表 B2‑al

正 誤 正 誤

号 て し 頂 香 し 句 瀕 骨 い 証 貫 層 文 張 迎 心 憶 に 牲 威 の 船 嫌 暗 二 義 拡 歓 肝 記 機 犠 脅 愚 漁 毛 危 1 2 3 4 5 6 7 00 9 0 1 2 3 4 1 1 1 1 1

歌 い 文句 拡長 釈

に 貧

鮎 骨張 気嫌い

正 誤 ぬ て ら る し る な え む 畜 下 中 廃 上 ざ ま 欲 々 然 観 か ば 調 貯 底 通 徹 登 取 届 貧 渡 英 非 向 虫 流

て ぬ し る ,b る 蓄 下 中 廃 場 ざ ま 欲 な 然 観 え む 暢 貯 低 的 撤 登 閉 止 含 々 漠 悲 迎 蝕 流 並 9 0 1 2 3 4 5 6 7 00 9 0 1 2 2 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 4 4 4

み 明 聞 倭 に 望 制 の 見 除 論 唐 明 に 乱 体 遺 書 悩 明 代 偶 眠 欠 決 遺 刻 事 困 主 循 浸 頭 先 前 待 随

み 明 聞 使 に 臨 性 の 未 知 論 唐 明 に 乱 体 環 害 脳 見 代 遇 眠 欠 結 遣 克 事 混 主 循 侵 頭 先 前 待 惰

56789012345670011111222222222

(15)

漢字 熟語 誤 用 の時代 比較

2‑a‑2) 適不適 は文脈 によるもの,総数 6 6 種, うち 2 1 種を表示 混同 しやすいペアを表に示す。

表 B2‑a2

1

意外 以外

2

委譲 ㌧ 移譲

3 ‑切 一斉

4 大 いに 大意 に 5 開放 的 解放 的

6 課程 過程

7 関心 感心

1 5

る る 統 て 回 も す 偶 正 建 転 最 者 用

物 る or る 当 て 閑 も の す 隅 正 立 展 尤 も 要

56789011111122

る 会 え 底 冠 業 郡 答 的 最 弱 熟

る 界 え 楽 低 干 業 群 応 独 最 若 塾

890123411111

2‑b) 偶発的な もの,総数 54 種

2‑b‑1) 文脈 に関係な く不適または誤 り,総数 45 種, うち 1 4 種を表示

表 B2‑bl

正 誤

1 開けて 広 けて 2 扱 われ 拠 われ

3 宇宙船地球号 宇宙線地球号 4 該 当 害当

5 会話力 会語力

6 機構改革 機構改築 7 源氏物語 原氏物語

正 誤

8 公害 併害

9 時事討論 時 治 討論

1 0 自治体 白 地体 1 1 政治家 政 事家

1 2 正当 正党

1 3 電卓 電拓

1 4 何不 自由な く 何 不 十 な く

2‑b‑2) 適不適 は文脈によるもの,総数 9 種, うち 4 種を表示 .表 B2‑b2

正 誤

1 大 型計算機 大学計算機

2 機会 機械

正 誤

3 庶 民 庶子

4 粗末 . 粗米

(16)

1 6 商

第 46 巻 第 1 号

2‑ C)無 自覚か偶発的か判断 しに くい もの,総数 3 3 種, うち 1 2 種を表示

表 B2‑C

正 誤

1

憧 れ 羨 れ

2

誤 る 危 まる

3

云々 伝 々

4

開発 改発

5

借 りる 貸 りる

6 休暇 給暇

正 誤

7

厳然 たる 現前 た る

8

貿明 懸命

9

三途の川 さんずんの川

10

販売 服売

11

名手 名主

1 2

容赦な く 要叔 な く

B‑3 )誤字 につ いて

71 人が何 らかの誤字 を書 いてお り,全部で 6 4 種, 1 1 8 個発見 された。

B‑4) 類似誤用 の グループの例

類似誤用種 は 5 6 グループ認 め られた.誤用者 の多 いグループ,一般 に頻度 の 高 そ うな グループを 1 8 グループ表示す る。

表 B4‑ 1

正 誤 誤用者数 小計 正 誤用者数 小計 一 1 積 積 積 積 籍 成 業 実 功 成

績 績 績 績 績 成 業 実 功 成 人 Ⅶ此 ‖ 聖

人 7 6 1 1 1 0 2 1

害 害 幣 併

害 害 弊 弊

2

間此‖

感 感 感 値 教 働 価 宗 労

観 観 観 値 教 働 価 宗 労 凹孔 偶 偶 偶 偶 謁 境 待 優 対 対 偶

通 過 遇 遇 偶 境 待 優 待 対 隅 00 見 見 編 遍 遠 慮 普 全

見 見 遍 編 偏 偏 普 全 W且刊

(17)

漢 字 熟 語 誤 用 の 時代 比 較

主観 主感

不信感 不信観

4 講義 講議

討議 討義

論議 論義

意義 意議

流儀 流義

不思議 不恩義 不思議 不思儀

311111

1

5 的確 o r 適確 適格

指摘 指適

指摘 指 的

匹敵 匹適

的中 適中

32111

間 門 間 門 専 疑 部 訪

門 間 門 間 専 疑 部 訪 叫U

4111

7 強烈 激烈 激烈 激烈 俄烈 蛾烈

裂 裂 列 劉 裂 裂 強 激 激 激 殊 し 2

11111

抵 低 底 下 さ 当 大 最 底 抵

底 抵 低 下 さ 到 大 最 低 低

W H 1 透 透 功 害 侵 深 侵 浸

透 透 攻 害 浸 浸 侵 侵 11

nAlHHHH=

W乱

川叩日日

象 対 称 称 較 対 対 比 照 象 照 対 対 対 較 .レLL⊥ 調川叩1 到 到 来 抵 転 面 倒 当

倒 倒 来 底 転 面 到 到

41 4

1 5 紹介 招介 3

紹介 詔介 1 4

1 6 徐 々に 除 々に 3

徐 々に 序 々に 1 4

1 7 徹底 撤底 3

撤廃 徹廃 1 4

1 8 画期 的 活気 的 2

画期 的 活期 的 1 3

77

C.平成 5 年の小論文 について

情報手段 の発達 と社会 との関わ り,労働,余暇,企業活動,一般社会 に流布 されている情報の真偽等 々,すなわち情報化社会の時代 における諸 問題 につしさ て,毎回異な った文献資料を 2 週間以上前 に受講学生 に与え る。学生 は,それ

と自分で文献を調べ,アルバイ ト等での経験,筆者の講義等を考え合わせて授

業時間中に小論文を書 く。

(18)

18 商 学 討 究 第 4 6 巻 第 1 号

ノ 学生数が A , B の場合 より多 いこと,毎回のテーマが異な り,回数 も多いこ と,などにより総字数 は膨大な ものにな り,誤記の種類 も個数 も多い。 この授 業 は 1年間であるが,前期分だけを調査対象に したのは,データの膨大 さの故 である。

ただ し A 及び B の場合 とは異なった条件がある。それは,授業中に誤字や誤 用 について何度か例を示 しなが ら( 例えば「 成績, 意外,画期的,不可欠,徐 々 に,感心,関心,対象,対照,対称,完望」などの誤字 ・誤用)注意を してい ることである

同時期の他の科 目の受講学生の文章 に比べ ると,その注意の効 果 は出ているよ うに思われる。

C‑1) 個人別誤記種数及び総集計

1 28 人の総字数 は 9 3 2, 2 00 字である。全体の集計表を掲 げる。

表 C 1‑ 1

誤記種数 人数 総字数 平均字数 1 万字当たり 種 0 1 2 3 4 5 6 7 00 9 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 0 1 1 1 1 1⊥ l 1 1 1 1 1 2 2 人 3 2 3 6 3 2 5 3 00 7 00 5 6 4 1 3 3 1 1 1 1 2 1 1 1 1 1 辛 甘U W u W一九 九日 Hu 1 0 0 0 0 0 0 nU 0 0 0 0 0 0 0 8 6 1 8 2 2 5 2 5 2 6 7 9 6 1 1 8 8 8 9 8 0 nU W廿皿 .tW此 聖 WI軌 5 nU 5 5 0 0 VU Wt凡 W nV 凶 器 り ん 5 4 0 nU 0 VU ∧ig W H V地 刃O niiq 9 n U 9 叫 U PZi q 0 0 甘 HW V 1 nU 射 n 堅 2 2 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 5 7 0 8 9 7 7 6 9 62

1 1 5 6 5 5 6 7 6 6 6 7 3 8 1 7 9 00 7 7 7 6 9 , 9 4 2 1 6 2 6 6 9 2 3 5 8 5 0 3 6 5 7 0 8 6 0 0 3 7 6 1 5 1 7 7 8 5 7 0 6 6 0 0 0 0 7 0 0 1 7 7 3 4 3 1 5 0 0 5 0 7 7 0 0 0 0 字

3 , 4 5 0

0 . 種 1 . 5 6 2 5 3 . 8 4 6 2 5 . 8 4 6 5 5 . 9 9 0 8 6 . 8 8 0 7 9 . 0 7 2 6 1 0 . 5 2 0 2 l l . 5 7 3 2 1 2 . 3 7 7 2 ・ 1 3 . 5 5 9 3 1 2 . 8 2 0 5 1 0 . 3 0 0 4 1 7 . 1 6 1 7 1 5 . 5 5 5 6 1 7 . 9 2 8 3 2 0 . 8 6 9 6 2 2 . 6 6 6 7 2 3 . 3 7 6 6 3 1 . 6 6 6 7 2 0 . 4 0 8 2 1 5 . 6 1 3 4

計 1 2 8 人 9 3 2 , 2 0 0 字 7 , 2 8 3 字 1 0 . 2 7 6 8 種

(19)

漢 字 熟 語 誤 用 の 時 代 比 較

表 C1‑ 2

誤記種 種数 1 万字 当た り

誤用 6 0 1 種 6 . 4 4 7 1種 誤字 8 2 0 . 8 7 9 6 その他 3 6 0 . 3 8 6 2

計 7 1 9 種 7 . 7 1 2 9 種

表 C1‑ 3

誤記種 誤記数 1 万字当た り

誤用 9 2 3 個

9.901 3

誤字 1 7 7

1.8987

の 他

4 3

0.46 1 3

計 1 , 1 4 3 個 1 2 . 2 6 1 3 個

表か ら, この時の学生の平均像 は下記のよ うになる。

1 万字当た り平均誤記種 7 .71 2 9 種 1万字当た り平均誤記数 1 2 . 261 3 個

C‑2) 誤用種別誤用者数

1 )誤用者が 2 人以上の もの,総数 \ 8 7 種

表 C2‑ 1 は,複数の誤用者のあった誤用種を全て挙げた ものである

表 C2‑ 1

正 誤 誤用者数 正 誤

1

科 目 課 目

2

講義 講議

3

消費財 消費材

4

超え る 越え る

5

浸透 侵透

6

指摘 指適

7

資本財 資本材

8

不可欠 不可決

人 6 4 2 9 9 9 00 00 1 1 1

誤用者数

45

観念 概念

46

機会 機械

4

7 機械 機会

48 競争 競走

49 業界 業会

50 共存共栄 共栄共存

51

決 して 結 して

52

越え る 超え る

22222222

19

(20)

20 商

第 4 6 巻 第 1 号

9 陰 に 影 に

1 0 価値観 価値感

1 1 意外 以外

1 2 未 だに 今 だに

1 3 専門 専問

1 4 感心す る 関心す る

1 5 始 めた 初 めた

1 6 合弁 合併

1 7 業績 業積

1 8 応え る 答 え る

1 9 収集 集収

2 0 徐々に 除 々に

2 1 共に 供 に

2 2 発揮 発輝 2 3 初めて 始 めて

2 4 、お蔭 お陰

2 5 過程 課程

2 6 代わ って 変わ って 27 完壁 完壁

2 8 実績 実積

2 9 生徒 生徒 3 0 双方 相方

3 1 注文 注 問 3 2 的確 o r 適確 適格

3 3 登場 登上 3 4 莫大 漠大

3 5 益 々 増 々 3 6 迎え る 向かえ る 3 7 扱 う 操 う

3 8 会 って 合 って

3 9 到 る o r 至 る 致 る

4 0 衛星 衛生

4 1 追 い越す 追 い込す

4 2 開放 解放 4 3 拘 らず 関わ らず

4 4 活性化 活生化

776

6

655444A「4444333333333333322222222 22222222222222222222222222222222222

品 詰 る 感 て 製 者 て 立 新 身 間 用 填 て 作 産 横 長 品 入 拠 め 底 家 時 つ く 大 用 妙 級 争 害 も 題 位 入 入 合 狐 項 傾 漸 自 過 重 状 省 拾 制 製 成 生 制 先 対 努 撒 電 当 供 徐 模 必 徴 普 粉 幣 最 門 有 輸 輪 隔

品 詰 る 観 て 製 者 て 立 新 信 刊 要 況 て 作 産 績 長

入 処 め 底 化 事 っ く 大 要 妙 及 争 害 も 題 位 出 入 合 孤 頃 頃 斬 自 過 重 状 雀 捨 製 生 成 成

先 対 勤 徹 電 当 伴 除 莫 必 微 普 紛 弊 尤 問 優 輸 輸 融

34567009012345670090123456789012345675555555666666666677777777770000888000000.

2)誤用者が 1 人の もの,51 4 種 2‑ a)無 自覚なもの,総数24 9 種

2‑ a‑ 1)文脈に関係なく不適または誤 り,総数1 85 種,うち 2 7 種を表示

(21)

正 誤

1 相手 合手

2 圧倒的 圧到的

3 網 綱

4 改めて 新 ためて

5 要 らない 入 らない

6 演説 演舌 7 推 し量 る 押 しはか る

8 卸売 御売 9 画期的 活気的

漢字 熟語 誤 用 の時代 比較

表 C2‑ a l

10

確 率 確立

11

還元 環元

12

気候 気侯

13

空洞化 空胴化

14

欠如 欠除

15

最 た る 際たる

16

紹介 招介

17

初対面 初体面

18

積極的 積局 的

2 1

1 9 先見 の明 先見の 目

2 0 端的 に 短的 に

2 1 撤退 徹退

2 2 転 々として 点 々として

23 伝票 伝表

2 4 得意 特意

2 5 独壇場 独壇上

2 6 復元 復元

2 7 銘柄 名柄

2‑a‑2) 適不適 は文脈 によるもの,総数 6 4 種, うち 1 8 種を表示す る

「 正誤」ではな く,混同 しやすいペア として表す。

表 C2‑a2

1 挙 げる

2

移行

3

換え る

4

下降

5

6

人 口

上 げる 移項 変え る 下向 感 人工

7

先行 先攻

8

対照 対称

9

対象 対照

10

能力 脳力

11

必死に 必至に

12

不公平 不公正

系 証 利 量 勢 文 保 有 容 劣 枠

3456700

111111

型 障 理 量 性 文 保 有 用 劣 粋

2‑b) 偶発的な もの,総数 2 50 種

2‑b二1) 文脈に関係な く不適または誤 り,総数 1 6 9 種, うち 20 種を表示

正 誤

扱 扱 限 貸 閲 磯 子

1 2 3 4 5 6 7 Iつ Iつ 一b L

及 う 拠 う ない 必 らない 借 り 買 し貸 り

連 聞達

会 期会

供 小供

表 C2‑bl

正 誤

8 参入 9 仕方

1 0 自分本位

1 1 狩猟

1 2 精一杯

意 本 杯 入 方 分 猟 一 産 任 自 守 誠

1 3 創造力 o r

想像力 想造力

正 誤

4567nXU901111112

操作 操作

損得勘 定 損得感 情 帳消 し 張消 し

展開 展界

付加価値 不加価値 付加価値 付値価値

余裕 余欲

(22)

22

第 46 巻 第 1 号

2‑b‑2) 適不適 は文脈 によるもの,総数 8 1 種, うち 2 1 種を表示す る

表 C2‑b2

1

与えて 扱えて

8

参入 介入

2

与えて 受 けて

9

自社生産 自主生産

3

指示す る 指摘す る

10

指標 指表

4

階級 段級

5

機種 機首

6

孤立 独立

7

困 る 因る

11

修正 修成

12

主管官庁 主官庁

13

自身 自信

14

収益力 集金力

1 5

政治 政事

16

前進 前身

17

台頭 対等

18

発想 発送

19

物資 物質

20

平行線 平衡線

21

悪者 悪物

2‑C)無 自覚か偶発的か判断 しに くい もの,1 5 種, うち 5 種を表示

表 C2‑C

正 誤

一 慧妄 慧芸

3 形 勢

不 利

形成不利

4

増加 増化

5

若者 若物

C‑ 3)誤字 について

99 人 の小論文か ら 8 2 種類 ,1 7 7 個の誤字が発見 された。同 じ正字か ら誤 り方 の異 なる誤字 も発生す るが,それ らは別種類 と数えている。

C‑4) 類似誤用のグループの例

類似誤用種 は 6 1 グループ認め られた。当然の こととも言え るが, A , B の場

合 とよ く似 たグループが多 い。 「よ く見かける誤用」はほぼ出尽 くした感があ

る。 しか しなが ら課題 が異 なれば使用 され る語嚢 も異 な った ものが現れ るの

で,誤記 に もそれが反映す る。そのよ うな誤用のグループと思われ るものを主

(23)

漢字熟語誤用の時代比較 に, 9グループを表示す る。

表 C 4‑ 1 正 誤 誤用者数 小計

1 付加価値 不加価値 付加価値 付値価値 付加価値 付加置 価格 格価 価格 値かく 価値 価置 原価 現価 2 参入 介入 参入 産入 新規参入 新企参入

新 規参入 新期介入

3 輸 入 輸入

輸出 輸出

正 誤

23

誤用者数 小計

莱 企 供 給 共 公 共 提

莱 企 共 給 供 公 供 提

4 1人

1

1 3人

献 献 料 文 分 資 与 考 献 参 参 参

献 献 料 文 文 資 考 考 考 参 参 参

5 1

1

1 3

者 者 車 動 転 働 自 白 労

車 車 者 動 転 働 自 白 労

叫 U 1

1

1 3

7 雇用 顧用 1

雇用 届用 1 2

8 新聞 新間 1

新聞 紙聞 1 2

9 燃費 焼費 1

燃費 然費 1 2

4. 調査結果の概観

A のケースの レポー トの課題図書 は,社会統計の啓蒙書だけに,内容 は経済

・社会 ・政治 ・労働 ・人口など広い範囲にわたっている。 しか しなが ら多数の 文献を読ませた B , C の場合に比べテーマの広が りが狭 く,提出学生数 ・字数 も少ないので,誤記の種類 も当然なが ら少ない。従 って誤記の傾向の時代的な 比較などにはやや不十分の感は免れないが,一応 A , B , C の三つの時期の調 査結果を概観す ると,誤用 ・誤記の種類については 「よ く似ている」 と言 って

よい。

(24)

24 商 学 討 究 第 46 巻 第 1 号

三つの時期 に共通 に現れた誤用を一部例示 してみよう。

正 誤 正 誤 文脈によるもの

改めて 新 ためて

未だに 今だに 到る o r 至る 致る

記憶 気憶

欠如 欠 除

義 門 底 々 講 専 徹 益 議 問 底 々 講 専 撤 増

過程 課程

対照 対称

初めて 始めて

保証 保障

いずれか二つの時期に現れた誤用の一部を例示す ると

正 誤

偉 大 遠大

所謂 言わゆる

価値観 価値感

画期 的 活気 的 業績 的 業積

結 論

決論

指摘 指適

浸透 侵透

成功 成巧

正 誤 文脈による

成績 成積

生徒 生従

成功 成巧

先入観 先入感

漠然 莫然

批 判

比判

不可欠 ・不可決

弊害 幣害

問題 門題

外 旦 率 に 心 因 象 象 む 意 1 確 陰 感 起 対 対 臨 外 端 立 に 心 因 称 照 む 以 一 確 影 関 帰 対 対 望

いずれ も比較的 「 オーソ ドックス」な誤用である。

一般 に誤用 ・誤字の起 きやすいのはつ ぎのような場合であるが, A , B , C いずれのケース もその 「 法 則 」の範囲内にあると言 ってよいであろう

0

1.形の似た漢字 : 微妙‑微妙,雀‑省 など

2 .読み方の似た漢字や熟語 :未だに‑今だに,宛てる‑当てる など 3.上記を兼ね備えた字句 : 成績一成積, 最低‑最底 など

4.意味の似た漢字や熟語 : 陰で支え る‑影で支える,競争 と競走 など さらに

5. 読み方 ・形 ・意味などで似た字句がある場合 は, 字画の多 い漢字 は字画の少ない漢字で置 き換え

られ ることがある : 意外‑以外,登場‑登上 など

(25)

漢字熟語誤用 の時代比較 2 5 ただ し,時代が進む ことによる誤記の種類の変遷 は当然の ことで,情報関係 の語嚢が増え るなどで,以前 にはなか った誤記が出現す る。

例えば B のケ一女では;情報関係や環境問題の語嚢が増えていることを反映 して

経済成長 ‑経済生長 宇宙船地球号‑宇宙線地球号

‑弊害

暗証番号 ‑暗諦番号 液晶 \ ‑液 昌

電子計算機 ‑電機計算機

電卓 ‑電拓

とい うような誤記が現れ, Cのケースでは,情幸酎ヒ,環境,交通, 日米貿易摩 擦などに関す る語嚢が現れる。例を挙げると

自主規制 ‑ 自粛規制 内外無差別‑内外差別

自動車問題‑ 自動産問題 輸出超過

衛星 電気通信 携帯電話 交通渋滞 とい うような誤 り,

‑貿易超過

‑衛生

‑電機通信

‑携革電革

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さらには漢字の誤記ではないが, . イ リジウム計画‑イ リュー ジョン計画

イ リジウム計画‑ メ リジウム計画

メモ リーカー ド‑メモ リーを記憶す るカー ド

と誤記す るような,情報社会 に特徴的な ものが現れている。

誤記の数的な面を見 ると, これまでの調査結果か ら

(26)

26 4 6 巻 第 1 号 表 4‑1

( 2 ) / ( 1 ) A: ( 1 ) 1 万字当たり平均誤記種 8 . 0 7 9 5 種

1 万字当たり平均誤字種 0 . 2 5 6 5 種

( 2 ) 1 万字当た り平均誤記数 9 . 8 4 2 9 個 B :( 1 ) 1 万字当た り平均誤記種 1 0 .

1 万字当たり平均誤字種 0 . ( 2 ) 1 万字当た り平均誤記数 1 5 .

C : ( 1 ) 1 万字当たり平均誤記種 7 . 1 万字当たり平均誤字種 0 . ( 2 ) 1 万字当た り平均誤記数 1 2 .

種 種 個 7 日u 監 阿乱 70 0 00 Wt血 MO 仙≠n 山"HH Et九 つiq 種 種 個 Ⅴ軌 写り 空 っnT Wコ 日日 :T i: 管皿 7 00 2

1 . 2 1 8 3

3iEi 34 日り

1 . 5 8 9 7

( 2) / ( 1 ) は,同一種類の誤記が平均何個使われているかを示す数字である。 こ れを見 ると後年 になるほど,文章の中で同 じ誤記を何度 も使 う傾向があるよう に見え る。

Cで は下書 きを ワープロで書 いて きてそれを見なが ら提 出用の小論文を書 くiあるいは参考文献を持参 してそれを見なが ら書 く, とい うのが普通であっ た。 A と B で も,文献の要約 になっている部分 は誤記が少ない, とい う傾向が ある

1万手 当た りの誤記種数 は C で少 な くな っているが, これ は前述 したよう に,授業中の注意の効果が一つの要因であろう

実際,小論文を書 きなが ら隣 席 の友人 に うろ覚 えの字 の書 き方 を確かめているケースが しば しば見 られた し,注意 された熟語を正 しく書 いたことを強調す る傍点を打 っているケースも あ った。その一方で,′ 漢字の誤 りを警戒 して 「かな書 き」を多用す る傾向 も見

られた。従 ってA, Bのように何 も注意を しなか った とすれば, Cの誤記種 は

もっと多 く, Aを上回 っていたであろう。現に誤記数 はAを上回 っている。ま

た総字数が 9 3 万字 にものぼ り, A や B のケースに比べ格段 に多いので,あ りそ

うな誤記種 はほぼ出尽 くし,従 って 1万字当た りでは減少 した, と考えること

もで きる。

(27)

漢字熟語誤用の時代比較 27

・ 文章を書 いた時の条件が A,B,C でみな異なることも考慮 して総合すれば, 1 96 2 年か ら 1 993 年 までの約30 年の世代差 のある学生 の文章であるが, このよ

うに数字 に してみると日常感 じているほどの差 はない。

しか し「 不可決」 のような,30 年前 には現れなか った誤記が出現 した ことや,

A の誤字 (ウソ字)が少ないこと ( 表 3‑ 1 参照)などをみて も,やはり後

年にやや誤記が多 くなる傾向があるように思える。今回は統計的検定などは行

わなか ったが,別なケースのデータなども含め,さらに調査を続けてみたいと

考えている

参照

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