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雑誌名 教育総合研究叢書 = Studies on education

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(1)

スマートデバイスの活用が学生の学修に与える影響 についての調査研究(2)

著者 山下 泰生, 陳 那森, 窪田 八洲洋

雑誌名 教育総合研究叢書 = Studies on education

号 9

ページ 69‑83

発行年 2016‑03

URL http://id.nii.ac.jp/1084/00000468/

(2)

スマートデバイスの活用が学生の学修に与える影響についての調査研究(2)

Study on the Effects of the Utilization of Smart Device on Learning (2)

山下 泰生* 陳 那森** 窪田 八洲洋***

Yasuo YAMASHITA Nasen CHEN Yasuhiro KUBOTA

抄 録

本研究プロジェクトは、スマートデバイスの急速な普及に関連する技術 動向の変化も調査しながら、特に大学教育へのスマートデバイス活用の可 能性に関する検証を目的として2014年度から3年計画で進められている。

1年目から2年目の前半にかけて、大学生のスマートデバイスの日常的な 活用と教育(授業)での活用への可能性を中心にプレ調査を実施した。その 結果、ネットワークを利用する上での不安感も持つと同時に、教育への活用 に対する積極性も確認できた。2 年目の後半は、外部調査機関に委託して、

調査範囲を広めた本調査を実施した。本調査は、プレ調査の結果に基づいて 設問項目を見直した上で実施した。

本報告書では、本調査の概要およびその結果の概要、技術動向の調査結果 について報告し、3年目に向けた方針をまとめる。

1

はじめに

ネットワーク社会のクラウド化の進展で大きく変化してきている情報環境において、ス マートフォンやタブレット端末に代表されるスマートデバイスの普及も急速に進み、学校 教育での活用も進んできている。その反面、セキュリティの問題や若者のスマートデバイ スの利用に伴う社会的な問題も発生している。本研究では、スマートデバイスの技術動向 や利用実態の調査研究により、特に大学の学士課程教育におけるスマートデバイスの活用 に対する問題点や課題を明らかにし、新たな技術への対応も視野に入れた教育への適応有 効性の検証を目的として

2014

年度より

3

年計画で進めてきた。

2

年目の本年度(

2015

年度)は、昨年度のプレ調査の結果をもとに見直した調査項目で のWeb調査による本調査を実施した。また、これまでと同様に最新技術動向や教育実践 例に関する調査も並行して行ってきた。最新術動向の調査結果を踏まえた上で、現時点で の問題点と課題を整理し、スマートデバイスに関する利用者の利用動向と技術動向の調査 結果を

2

年目の成果として本報告書にまとめる。

関西国際大学共通教育機構 教育総合研究所学内研究員

** 関西国際大学人間科学部 教育総合研究所学内研究員

***関西国際大学教育総合研究所客員研究員

(3)

本年度に入って、まず、2014年度のプレ調査の結果を踏まえ本調査実施のための調査項 目の見直しを行った。見直し内容を検討した結果、そのまま本調査に入るのではなく、本 調査の前に再度プレ調査を実施し、見直し結果を検証することにした。プレ調査の結果も 含め、それまでの経緯について教育情報学会の年会(

8

月)で発表をした。プレ調査を追加 実施することとなったために、当初

8

10

月に計画していた本調査の調査時期が、

2016

年 の

1

月~

2

月にずれ込んだ。時間的な制約もあり、本報告書での本調査結果は第

1

次の集計 結果の報告となる。同データを基にしたさらなる分析は

3

年目も継続していく計画である。

2

利用者の実態調査

2.1

調査概要

2.1.1 プレ調査結果の概要

2014

年度に実施したプレ調査では、大学生はどのような通信機器を所持し、どういった アクセスツールを入れて、どのような場所で、どの程度の頻度や長さで利用しているかに ついて調べた。その結果、大学生のほとんどはスマホの利用者であり、アクセスツールで は

LINE

が他と比べて圧倒的に利用頻度が高いことや、大多数の学生の主となる利用時間 帯や利用場所は、授業外学修をするのに適していることが分かった。このことは、スマー トフォンなどのスマートデバイスによる学修環境を、「反転授業」も含めた授業外学修へ活 用できる可能性を示唆するものであった[1]

さらに、総務省情報通信政策研究所の調査(2014.7)では、「総合的に見ればインターネ ットや情報通信機器は、日常生活でも、さらには教育の分野でも、適切に利活用すること により、(「ネット依存」などの)負の部分を圧倒的に上回るメリットをもたらすものであ る」と結論付けている [2]。この調査は、高校生を対象としているが、大学生予備軍のデー タであることから、我々の研究と方向性が一致していると考えられる。

しかし、スマートデバイス及びその上で動作するツールを教育活動で活用するためには、

大学生がどのような通信機器やアクセスツールを用いて、どういった場所でどれだけの頻 度でどのぐらいの時間をかけて利用しているかを把握すると共に、これらの通信機器やツ ールを学習活動への有効活用について、どのように捉えているかを明らかにすることが重 要となる。

そこで、

2014

年度のプレ調査の結果に対する検討を踏まえ、大学生がスマホの学修活動 への有効活用をどのように捉えているかについて明らかにするために、プレ調査項目に、

新たに「詳細なスマホ利用時間帯と利用場所」、「

Web

上で情報源としている具体的な内容」、

「スマホの学修への利用の可能性」に関する項目を加えたプレ調査を、

2015

年度前半に実 施した[3]

これまでのプレ調査の結果から、キャンパス内の空き時間や帰宅後就寝まで、比較的長 時間にわたり、スマホを利用している今の大学生は、ネット利用に対する不安の程度に関 係なく、スマホの学習活動への有効活用に関しては積極的に捉えていることがうかがえる

(4)

など、一定の成果が得られた。

しかし、何れも調査対象者が、限定された地域、大学、学年に留まり、サンプル数も少 なかった。また、調査結果には大学生予備軍である高校生のデータが含まれていないなど、

分析結果の精度の面で課題を残した。

2.1.2 本調査の概要

プレ調査で残された課題、および以下の各項への対応などを検討して本調査を実施する ことにした。

 スマートデバイスの利用に関する設問項目の整理

 スマートデバイスの学習活動への活用の可能性に対する設問の構造および内容の整理

 利用時間帯に関する設問の休日と平日の区別の明確化

なお、本調査では、データの量と質の両方を確保するために、外部の専門調査機関に委 託して実施した。

(1)

調査の目的と内容

本調査は、大学生およびその予備軍である高校生が、どのような通信機器やアクセスツ ールを用いて、どういった場所でどれだけの頻度でどのぐらいの時間をかけて利用してい るかを把握すると共に、これらの通信機器やツールを学習活動への有効活用について、ど のように捉えているかを明らかにすることを目的とされた。

調査内容は、プレ調査の項目をベースにしながら、さらに前述

3

項目への対応を反映さ せた。本調査内容の詳細は付録

A

を参照されたい。

(2)

調査の対象と時期

調査対象は、大学生および高校生・高専生とした。回収データにおける学校種別比率は、

【高校生・高専生

3

:大学生

4

】、男女比率は、【男子

1

:女子

1

】とした。また、対象者が すべての都道府県を網羅しており、人口比に応じたデータ収集ができた。

調査時期は、

2016

01

15

(

) 22 : 40

から

2016

01

17

(

) 23 : 28

であ った。回収数は、予定

1,000

サンプルを上回る

1,032

サンプルであった。

(3)

調査の方法

本調査は、

Web

調査を専門とする株式会社マクロミルに依頼して実施した。調査票の設 計段階から、専門スタッフのアドバイスを受けながら、できるだけ被験者が回答しやすい ような工夫を施した。

そして、マクロミルが保有するモニタの中から、先述の調査対象の学校種別比率が【高 校生・高専生

3

:大学生

4

】、男女比率が【男子

1

:女子

1

】になるように制御しながら調査

(5)

が進められ、回収サンプル数に達し次第、リサーチは終了というものであった。

2.2

調査結果

調査項目に対する単純集計の結果の一部を図

1~図 8

に示す。

図 1は機器や装置を利用頻度

2

はソーシャルメディアの利用頻度

3

は授業に関する項目でのスマートフォンなどのスマートデバイスの利用頻度 図

4

はスマートフォンなどのスマートデバイスをよく利用する場所

5

はスマートフォンなどのスマートデバイスをよく利用する時間帯 図

6

はスマートフォンなどスマートデバイスの

1

日の平均利用時間に

7

は各学習場面におけるスマートフォンなどのスマートデバイスの有効利用の 可能性

8

はネットワーク環境利用における不安度 について、それぞれ問うた設問である。

以下では、これらの結果について、これまでのプレ調査の結果と照らし合わせながら見 てみる。

機器や装置を利用頻度については、図

1

から分かるように、スマートフォンなどのスマ ートデバイスの利用頻度が最も高いことに変わりはないが、ノート

PC

とタブレット

PC

の 利用頻度がプレ調査時より上昇傾向にあることが読みとれる。そこで、学校種別とのクロ ス集計を行ったところ、ノート

PC

の利用では、大学生(よく利用+少し利用:

60.0%

24.4%

) が高校生・高専生(よく利用+少し利用:

24.4%

22.4%

)よりも利用頻度が高く、タブレ ット

PC

では、高校生・高専生(よく利用+少し利用:

8.4%

9.5%

)が大学生(よく利用

+少し利用:

7.5%

6.4%

)よりも利用頻度が若干高い結果が示された。

ソーシャルメディアの利用頻度については、プレ調査の結果と傾向はほぼ同じで、

LINE

が他と比べて圧倒的に利用頻度が高い結果に変わりはが、「その他」のソーシャルメディア

では

Instagram

の利用(自由回答者

30

名中

17

名)が比較的進んでいる様子がうかがえた

(図

2

)。

授業に関する項目でのスマートフォンなどのスマートデバイスの利用頻度については、

プレ調査の結果と傾向はほぼ同じであるが、学校種別とのクロス集計を行ったところ、「受 講生または同級生同士の連絡」を除くいずれの項目においても、大学生がスマートフォン などのスマートデバイスの学修活動への活用をより積極的に捉えていることがうかがえる

(図

3

)。

スマートフォンなどのスマートデバイスをよく利用する場所については、プレ調査の結 果とはほぼ同じ傾向を示しており、「自宅(下宿)」(よく利用+少し利用:

79.4%

11.0%

) が最も高くなっている(図

4

)。しかしながら、図

5

(スマートフォンなどのスマートデバ イスをよく利用する時間帯)からは、「帰宅後寝るまで」(よく利用+少し利用:

71.9%

(6)

17.9%)が、プレ調査で最も高かった「学内の空き時間」(よく利用+少し利用:41.1%+

31.4%)を逆転し、大きく上回っているが判明した。

プレ調査では、

1

日あたりのネットの平均利用時間を回答させたが、本調査では授業のあ る日とない日に分けて質問した。その結果から、「授業のない日」に、スマートフォンなど のスマートデバイスをより長く利用している実態が浮き彫りになった(図

6

)。

各学習場面におけるスマートフォンなどのスマートデバイスの有効利用の可能性につい ては、いずれの項目においてもプレ調査の結果に比べてやや低い値を示している(図

7

) ので、学校種別とのクロス集計を行ったところ、すべての項目において、大学生の値が高 校生・高専生より高くなっていることから、大学生が各学習場面におけるスマートフォン などのスマートデバイスの有効利用の可能性をより積極的に捉えていることがうかがえる。

ネットワーク環境利用における不安度については、これまでのプレ調査はほぼ同様の傾 向を示しており、約

6

8

割の大学生や高校生・高専生が何らかの不安を抱えながらも、ス マートフォンなどのスマートデバイスを利用していることがこれまでよりも高い精度で確 認できた(図

8

)。

今回は、本調査の結果の要点について、これまで実施してきたプレ調査と照らし合わせ ながら見てきたが、より詳細な分析および考察は次年度(最終年度)の課題とする。

1

機器や装置を利用頻度

5.6

23.4

50.7

77.2

91.9

95.3 1.3

8.3

15.4

7.2

2.9

3.0 1.6

23.5

17.4

7.8

2.4

0.7 91.6

44.7

16.5

7.8

2.8

1.0

0% 20% 40% 60% 80% 100%

Android版スマートフォン、iPhone

ノートPC

デスクトップPC

タブレットPC

携帯電話(ガラケー)

PHS

[Q3]あなたは、以下の機器や装置をどの程度利用しますか。(それぞれひとつずつ)

※個人で所有しているものに限ってお答えください。

全く利用しない あまり利用しない 少し利用する よく利用する

(7)

図 2 ソーシャルメディアの利用頻度

3

授業に関する項目でのスマートフォンなどのスマートデバイスの利用頻度

4.1 15.2

51.3 67.8

69.9

92.2 90.8 90.7 2.5

6.8

17.2

15.3 0.8

4.5 5.0

6.9 11.9

12.9

18.1

10.9 0.7

1.7 3.1 1.5 81.5

65.1

13.5 6.0 2.1

1.6 1.1 1.0 0.0 0.0 0.0 0.0 26.6

0.0 0.0 0.0

0% 20% 40% 60% 80% 100%

LINE Twitter Facebook Google+

その他【 】

GREE モバゲー

mixi

[Q4]あなたは、以下のソーシャルメディアをどの程度利用しますか。(それぞれひとつずつ)

【 その他の項目以外必須 】

全く利用しない あまり利用しない 少し利用する よく利用する 無回答

9.3

24.8

20.0

31.8

36.0

34.3 7.8

16.4

16.6

21.4

22.2

20.6 17.2

36.5

41.7

27.0

24.9

32.5 65.7

22.3

21.8

19.8

16.9

12.6

0% 20% 40% 60% 80% 100%

受講生または同級生同士の連絡

試験情報

宿題・課題

教員からの連絡

教員への連絡

授業内容

[Q5]あなたは、授業に関する以下の項目で、

スマートフォンなどのスマートデバイスをどの程度利用しますか。

(それぞれひとつずつ)

全く利用しない あまり利用しない 少し利用する よく利用する

(8)

図 4 スマートフォンなどのスマートデバイスをよく利用する場所

5

スマートフォンなどのスマートデバイスをよく利用する時間帯

6.3 11.8

16.9 16.3 13.3

16.6

48.8 3.3

11.2 12.8 10.6 12.8

16.1

4.6 11.0

26.4 21.9 26.0

29.4 28.8

5.5 79.4

50.6 48.4

47.2 44.6

38.6 6.7

0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 34.4

0% 20% 40% 60% 80% 100%

自宅(下宿)

電車・バスの中 キャンパスや学校の教室外 キャンパスや学校の教室内 駅・バス停 学外の施設内 その他【 】

[Q10]あなたは、以下の場所でスマートフォンなどのスマートデバイスをどの程度利用しますか。

(それぞれひとつずつ)

【 その他の項目以外必須 】

全く利用しない あまり利用しない 少し利用する よく利用する 無回答

4.8 16.1

22.5 24.5 14.3

41.9

76.4 52.8 5.5

11.4 15.7

19.2 33.0

25.8

14.8 4.7

17.8

31.4 27.1

24.7 34.4

22.3

5.8 3.3

71.8

41.1 34.7

31.6 18.2

10.1 3.0 3.0

0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 36.2

0% 20% 40% 60% 80% 100%

帰宅後寝るまで 学内の空き時間 帰宅途中 自宅(下宿)から通学途中 起床から自宅(下宿)を出るまで 授業中 アルバイト中 その他【 】

[Q12]あなたは、以下の時間帯にスマートフォンなどのスマートデバイスをどの程度利用しますか。

(それぞれひとつずつ)

【 その他の項目以外必須 】

全く利用しない /していない あまり利用しない 少し利用する よく利用する 無回答

(9)

図 6 スマートフォンなどスマートデバイスの

1

日の平均利用時間

図 7 各学習場面におけるスマートフォンなどのスマートデバイスの有効利用の可能性

8.8

5.3

17.6

9.9

26.0

13.7

18.0

19.7

12.3

17.6

15.6

32.1

1.6

1.7

0% 20% 40% 60% 80% 100%

授業のある日

授業のない日

[Q14]あなたのスマートフォンなどのスマートデバイスの利用状況について、

1日の平均利用時間を選択して下さい。(それぞれひとつずつ)

※この質問は、縦方向にお答えください。

1時間未満 1~2時間未満 2~3時間未満 3~4時間未満 4~5時間未満 5時間以上 全く利用しない

14.9 15.1

16.4

18.6 24.1

19.5

18.1

19.9 22.0

25.8

28.2 30.1

29.7

31.0

35.4 39.6

37.4

34.0 29.7

36.2

39.6

29.8 23.3

20.4

19.2 16.0

14.5

11.2

0% 20% 40% 60% 80% 100%

授業内容に関連するその場での情報の収集 宿題や簡単な課題

授業内容の事後学習(確認テスト等)

教員が出した問題や質問への解答・回答 ノートテイク(ノートをとること)や記録

ビデオによる次の授業内容の事前学習

文章による次の授業内容の事前学習

[Q15]次の各学習場面で、スマートフォンなどのスマートデバイスを有効に利用 できると思いますか。

(それぞれひとつずつ) 全くそう思わない あまりそう思わない 少しそう思う とてもそう思う

(10)

図 8 ネットワーク環境利用における不安度

3

最新スマートデバイスの動向

本研究における利用者の調査と並行して、スマートデバイスの最新の技術的動向や教育 機関での活用動向についても調査を進めてきた。その調査結果の概要を報告する。

動向に関する調査の概要および方針は以下の通りである。

(1)調査対象 は、

1

年目の

2014

年度研究と同様、スマートデバイスに関する技術情報と、

各種機関によるスマートデバイス利用に関する実態調査報告等を主なものとする。

(2)調査期間 は、2015年

9

月以降

2016

2

月初旬までの最新の情報とする。

(3)調査方法 は、2014 年度と同様、公開されている学協会・官公庁刊行物ならびに専門 雑誌に掲載されている関係情報をWWW上からの情報を中心に情報集収集し、整理し た。なお、収集した情報の信憑性を検証するための二次調査(たとえば、出典のオリ ジナルソースの精査、さらに出典先への電話・面接調査等)は行わず、公開情報をそ のまま採用する。

3.1

技術的動向

国内外のICT市場動向を中心としたスマートデバイスの動向に関する調査結果の主要

4.3 3.5 3.7 4.8 7.8 3.1

8.5 6.8 12.4 10.8

13.7 10.4

11.9 18.0

20.4 12.8

24.1 22.9

27.0 27.0

29.4 33.6

33.9 36.4

32.2 45.4

35.0 39.3

30.5 38.3

52.7 52.5 50.5

40.7 39.6 38.7 32.4

31.0 30.0 23.9

0% 20% 40% 60% 80% 100%

気づいたら、スマホがなくなっていた場合

コンピュータウィルスに感染すること

自分のスマホやパソコンの中身を知られたり、データの変 更や盗用をされること

自分が見たサイトや送受信したメール内容が他人に知ら れること

身に覚えのない高額の請求を受けること

名前、住所、パスワードなどの個人情報が他人にもれるこ

インターネットや携帯メールのデマ情報、有害情報に惑わ されること

スマホのバッテリー・充電がなくなりかけている場合 Twitter(ツイッター)などに自分に対する中傷や悪口など

が書かれること

電波が届かない(圏外)エリアに長時間滞在することに なった場合

[Q17]ネットワーク環境を利用する際、以下の各項目について、

どの程度不安を感じていますか。(それぞれひとつずつ)

全く不安に思わない あまり不安に思わない 少し不安に思う とても不安に思う

(11)

なポイントとして以下の

3

つをあげる。

(a)2015

9

4

日から

9

日までドイツ・ベルリンで開催された「IFA2015」では、スマ

ートフォンやタブレットの新製品が多数登場していた。特に医療関係での「ウエアラ ブル端末」の適用例についての展示が多く見られた。

(b)

国内のスマートデバイスの技術動向については、クラウドやビッグデータ・アナリテ ィクス、モビリティ、ソーシャル技術、

IoT

Internet of Things

)といった新たなテ クノロジーについての現状と将来展望が多く見られた。

(c)

総務省が毎年発表している「情報通信白書」には、さまざまなデータが掲載されてい るが、平成

27

年度版には「

ICT

の進化がもたらす社会全体の変化」が総括的に述べら れており、モバイルデバイスの普及が社会の変化に大きく影響していることが読み取 れた。

また、上記の動向を反映するように、 2015

年中に、国内でのモバイルデバイスの市場でも 各メーカーからさまざまなタブレットPCおよびその周辺装置が発表されている。しかも、

2014

年以前のタブレットは

iPad

Android

タブレットが大半を占めていたが、2015年に なって各種の

Windows

タブレットが発表されてきている。モバイルデバイスの市場が、一 時期の

NetBook

から

Windows

タブレットに移ってきたような感もあり、この傾向が進むと、

ノート

PC

とタブレット

PC

の線引きが困難になってくることも考えられる。

3.2

教育機関での活用動向

教育機関でのスマートデバイスの活用動向に関して、筆者らが最も注目したのは、2015 年

9

15

日に開催された、情報処理学会主催の第

14

回「情報科学技術フォーラム」であ った。フォーラムのメインテーマは、“スマートデバイスやクラウドを用いた教育・学習 インフラとその活用技術”であり、そこで発表されていたポイントは、以下の通りである。

(a)スマートデバイスの多くが有するタッチパネル式の直感的なインタフェース操作は、

教科書・参考書・ノートを含めた学習ツールの電子化への移行を促進している。

特に、電子教科書分野では、

LMS

との連携を行うための

LTS

Learning Tool

Interoperability

e-

ラーニングにおける学習支援ツールの相互運用を保証する標準規

格)の機能拡張も進んでいる。

(b)軽量で持ち運びが容易というスマートデバイスの特性は学習のユビキタス化を促し、

さらには家での自習と学校での演習という反転授業をも可能としている。

(C)スマートデバイスの多くはクラウドコンピューティングが前提で設計されており、横

断的な学習データの分析やその活用は、永続的で効果的な学習環境の実現に必要不可 欠である。

具体的な教育現場での活用事例として、先述の電子教科書の事例以外に、防災教育での 利用例、教員や学習者のモニタリングツールとしての応用例、

e

ポートフォリオとしての利 用例、教員養成系大学での実践例などが報告されていた。

(12)

そこでは、スマートデバイスを活用した教育・学習支援システムは「いつでも、どこで も」だけでなく、センサ技術や人工知能などのさまざまな技術を利用して「その時、その 場、その人」に適した教育・学習を提供できる可能性が示唆されている。

報告としてのスマートデバイスのまとまった導入事例は、小中学校の事例が多いようで ある。しかし、大学のような高等教育機関では、学生が個人で所有しているスマートデバ イスを利用している場合が多い。フォーラムでの教員養成系大学の事例では、新入生全員 にタブレット

PC

を大学が貸与している事例が発表されている。いずれにしても、予備校や 保育園も含め、教育現場でのタブレット

PC

の導入が進んでいる傾向が確認できた。

また、WWW上の教育現場でのスマートデバイス導入に関するその他の事例で、特記し

ておきたい点は以下の

2

点である。

・スマートフォンや

SNS

(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)によって引き起 こされた事柄が社会問題となるケースが出ている。そうした中、学校現場ではスマー トフォンや

SNS

の問題にどう対応しているか、という現状に対する問題点が指摘され ている。

・教材開発、授業の進め方、クラス運営など、教師自身を支援する

SNS

システム(SENSEI

NOTE)が開発され、利用する教師が増加している。

技術的な進歩に伴い、以上の点への対応は、今後、スマートデバイスの教育への活用を検

討する上で、さらに重要となってくることが考えられる。

4

まとめ

今年度の本調査は、専門の調査機関に委託して実施したため、年齢層も高校生まで広げ、

地域的にも日本国内のほぼ全域をカバーするエリアの被験者からのデータを入手すること ができた。調査結果としての第

1

次分析としては、全体的には、プレ調査とほぼ同様の傾 向であったといえる。

利用するスマートデバイスとしては

9

割以上の被験者がスマートフォンをよく利用する と回答しており、逆に、携帯電話(ガラケー)は

9

割以上が全く利用しないと回答してい る。授業でのスマートデバイスの利用に関しては、圧倒的な割合で「受講生同士の連絡」

が多い結果となっているが、授業関係の利用可能性として「事前・事後学習」、「宿題や課 題」、「授業関連の情報収集」など、ほとんどの項目で半数以上が有効性を感じている。ま た、授業での活用の有効性を感じる反面、ネットワーク社会での影の面への不安感も同時 に持っている点も確認できた。ただし、高校生と大学生との対比では若干の差が確認され ている。この点は今後さらに分析を進める必要がある。

以上の点から、スマートデバイスの教育への活用可能性が示唆されていると考えられる が、実際に利用する場合、コンテンツの種類や質が重要であり、日常生活上での利用コン テンツの回答結果から考えても、写真や動画などのようなエンターテインメント性を持た せたコンテンツの準備が求められることも考えられる。その結果、セキュリティや著作権

(13)

等の権利問題への対応も重要度はさらに高くなってくる。

今年度の本調査に対する現時点での集計結果から、傾向的には昨年度のプレ調査の結果 と同様の傾向であったが、タブレット

PC

の利用率が

15%ほどになっている。昨年度のプレ

調査の結果自身も、複数回実施した中で、後半の調査結果でタブレット

PC

の利用率が向上 している結果となっている。

1

年足らずの技術動向の変化に起因するかもしれないが、昨年

1

年の間にタブレットしての

Windows

タブレットの種類が増えてきた市場の動向も確認でき ている。そこで問題となるのは、この状況が進んでくるとノート

PC

とタブレット

PC

との 区別が困難になってくることが予想されるという点である。また、いくつかの課題はある ものの、ビジネスユース(ワープロ、表計算、プレゼン)なら安価なタブレット

PC

のスペ ックでも十分であるというレポートも出されている。以上の点を踏まえた上で、スマート デバイスの教育への活用を検討する必要がある。

5

おわりに

本調査は、専門の調査会社に委託した

Web

調査であったため、被験者は日本国内に限定 されてはいるが、地域や性別でも、比較的均等なデータが集まっている。また、大学の教 育への活用が中心ではあるが、近い将来大学生となる高校生まで調査範囲を広めている。

そのため、現時点での高校生と大学生の比較検討も必要であると考えおり、本調査で収集 したデータに対する詳細な分析は

3

年目も継続して進めていく。

さらに、スマートデバイスに関する技術動向の進展と、「4.まとめ」で述べた、スマー トデバイスを教育に活用する上でのコンテンツにおける種類や質の問題を考えると、次に 焦点をあてる必要があるのは、実際に授業を展開する教員側の問題ではないかと考えてい る。具体的には、技術動向の変化に対する教員のリテラシーやコンテンツ開発や利用のス キルなどが対象となるが、そもそも教員自身の「教育にスマートデバイスを利用する」と いうことに対する意識が最大の課題だと考えている。その点で、本研究の成果により、一 人でも多くの教員が、自身の教育活動にスマートデバイスの活用を推進する方向に向かう ことを目指している。

そのために、最終年度となる

2016

年度では、本年度の本調査の収集データに対するさら に詳細な分析と並行して、スマートデバイスの教育への利用に関しての教員の意識の確認 を行う必要があると考えている。その上で、最終成果物としてスマートデバイスの具体的 な場面設定された活用方法を整理して公開することを考えている。

引用・参考文献

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12.html

(15)

Abstract

This research aims to exam the possibility of the utilization of smart device on the university education while the changes in technology trends related to the rapid spread of smart devices have been investigated. It has been carried on from 2014 in three-year plan.

In the first year and the first half of the second year, it was carried out to validate the adaptive effectiveness of the practical use of smart device for education in daily life. The result showed that the possibility of the use for education with smart device was verified, although there was the constituent of concern with the use of network. The first half of the second year, extensive investigation was complemented by confiding the external research agency. This extensive investigation was carried out reviewing the questionnaire items based on the results of the pre-investigation.

In this report, the summary of the research and its results, the results of the survey on the

technology trends will be reported and the next issues for the third year will be given.

(16)

Q1 あなたの学校種別と学年について、該当するものを一つお選びください。(大学生用)

Q2 あなたの学校種別と学年について、該当するものを一つお選びください。(高校生・高専生 用)

Q3 あなたは、以下の機器や装置をどの程度利用しますか。(それぞれひとつずつ)※個人で所 有しているものに限ってお答えください。

Q4 あなたは、以下のソーシャルメディアをどの程度利用しますか。(それぞれひとつずつ)【 そ の他の項目以外必須 】

Q5 あなたは、授業に関する以下の項目で、スマートフォンなどのスマートデバイスをどの程 度利用しますか。(それぞれひとつずつ)

Q6 あなたは教養等に関する以下の項目で、スマートフォンなどのスマートデバイスをどの程 度利用しますか。(それぞれひとつずつ)※利用とは、検索や視聴、閲覧などを含みます。

Q7 以下の中で、スマートフォンなどのスマートデバイスを最もよく利用する項目は何ですか。

(ひとつだけ)※利用とは、検索や視聴、閲覧などを含みます。

Q8 あなたは、日常生活や趣味に関する以下の項目に、スマートフォンなどのスマートデバイ スをどの程度利用しますか。(それぞれひとつずつ)※利用とは、検索や視聴、閲覧などを 含みます。

Q9 以下の中で、スマートフォンなどのスマートデバイスを最もよく利用する項目はどれです か。(ひとつだけ)※利用とは、検索や視聴、閲覧などを含みます。

Q10 あなたは、以下の場所でスマートフォンなどのスマートデバイスをどの程度利用しますか。

(それぞれひとつずつ)【 その他の項目以外必須 】

Q11 以下の中で、スマートフォンなどのスマートデバイスを最もよく利用する場所はどこです

か。(ひとつだけ)

Q12 あなたは、以下の時間帯にスマートフォンなどのスマートデバイスをどの程度利用します か。(それぞれひとつずつ)【 その他の項目以外必須 】

Q13 以下の中で、最もよくスマートフォンなどのスマートデバイスを利用する時間帯はいつで すか。(ひとつだけ)

Q14 あなたのスマートフォンなどのスマートデバイスの利用状況について、1日の平均利用時間

を選択して下さい。(それぞれひとつずつ)※この質問は、縦方向にお答えください。

Q15 次の各学習場面で、スマートフォンなどのスマートデバイスを有効に利用できると思いま すか。(それぞれひとつずつ)

Q16 以下のコンテンツは、スマートフォンなどのスマートデバイスを用いた学修活動で有効で あると思いますか。お気持ちに近いものを一つずつお選びください。

Q17 ネットワーク環境を利用する際、以下の各項目について、どの程度不安を感じていますか。

(それぞれひとつずつ)

Q18 以下の各項目について、自分自身に当てはまるものをそれぞれ一つずつお選びください。

Q19 スマートフォンなどのスマートデバイスを学習活動に役立つと思われる利用方法のアイデ ィアをどんなことでも構いませんので、具体的にお答えください。

付録 A:本調査の質問番号と質問文

図  2  ソーシャルメディアの利用頻度  図   3 授業に関する項目でのスマートフォンなどのスマートデバイスの利用頻度4.1  15.2  51.3  67.8  69.9  92.2  90.8  90.7  2.5  6.8  17.2  15.3  0.8  4.5  5.0  6.9  11.9  12.9  18.1  10.9  0.7  1.7  3.1  1.5  81.5  65.1  13.5  6.0  2.1  1.6   1.1  1.0   0.0  0.0  0.0  0.
図  4  スマートフォンなどのスマートデバイスをよく利用する場所  図   5  スマートフォンなどのスマートデバイスをよく利用する時間帯6.3  11.8  16.9  16.3  13.3  16.6  48.8  3.3  11.2  12.8  10.6  12.8  16.1  4.6  11.0  26.4  21.9  26.0  29.4  28.8  5.5  79.4  50.6  48.4  47.2  44.6  38.6  6.7   0.0  0.0  0.0  0.0  0.
図  6  スマートフォンなどスマートデバイスの 1 日の平均利用時間  図  7  各学習場面におけるスマートフォンなどのスマートデバイスの有効利用の可能性 8.8  5.3  17.6  9.9  26.0  13.7  18.0  19.7  12.3  17.6  15.6  32.1  1.6  1.7  0%20%40%60%80%100%授業のある日 授業のない日 [Q14]あなたのスマートフォンなどのスマートデバイスの利用状況について、 1日の平均利用時間を選択して下さい。(それぞれひとつず
図  8  ネットワーク環境利用における不安度  3  最新スマートデバイスの動向  本研究における利用者の調査と並行して、スマートデバイスの最新の技術的動向や教育 機関での活用動向についても調査を進めてきた。その調査結果の概要を報告する。  動向に関する調査の概要および方針は以下の通りである。 (1)調査対象 は、 1 年目の 2014 年度研究と同様、スマートデバイスに関する技術情報と、 各種機関によるスマートデバイス利用に関する実態調査報告等を主なものとする。  (2)調査期間 は、2015 年 9

参照

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