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雑誌名 奈良学芸大学教育研究所紀要

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奈良教育大学学術リポジトリNEAR

数学教育の現代化について(II)

著者 竹村 弘

雑誌名 奈良学芸大学教育研究所紀要

巻 2

ページ 33‑50

発行年 1966‑03‑29

URL http://hdl.handle.net/10105/6106

(2)

数学教育の現代化について(皿)

竹  村      弘

(I)奈良県中・高等学校数学教師の実態調査報告及ぴ所感

(皿)全国の中・高等学校数学教師の実態と世界各国特に米・狼との比較

(皿)我国教員免許制度の今昔及ぴ所感

(w)我国教員養成夫学小学校課程の教科専門算数の醐義内容、請簑形態のアン  ケート報告と所感

(V)米国教具養成大学小学校課程の教科專門算数、籔材研究の内容紹介とその批  批判

 は し が き

 本学教育研究所紀要才1号で、「数学教育の現代化についでI)」に拾いて、小川.安達両氏及び筆 者は、世界各国数学教青現代化を概観し、米国特にS・M・S・G.の研究内容を紹介、多少批判を試

みた。

 その後=、奈良女子大、奈良学人及ぴ両大学の附小、附中、附高の教官有志、童た前に奈良女子大附 高に勤務された故をもって、現郡山高校長池田武夫氏も加わり、奈良数学教育研究グループ

(N.S.K.G.) を結成した。毎月一回修絵を開き.数年褒に改訂される筈の小・中・高数学指 導要領の改訂をふまえて、我国数学教育の現状分析と、将来の数学教育は如何にあるべきかを探求す ることを目標に、既に数回研究発表及ぴ討論を重ねた。さしあたり、S.M.S.αの現代化構想の 研究及びその批判を発足点とした。そのうち研究成果がまとまれぱ、この紀要に於て次に発表するこ

とになると思う。

 今回は、現代化と関連のある現場の数学教師の実態分析、及び現職教育、免許法、教員養成大学 』・

学校課程の数学関係のヵリリヲラムについて若干述べたいと思う。このことは、既に前巻I)に於て、

多少触れてあり、特に安達氏が一昨年3ケ月にわたって渡米し、最近の実態を見聞された記事からも 例える。

(I)奈良県中・高等学校教学散師の実態調査報告及ぴ所感

  これは、教員養成大学才2部会(近畿地区、数学関係)の大阪学芸大学での昭和39年度会合に  於て、筆者が発表したもので、資料収集に奈良県教育委員会学務課に大変拾世話に広ったことを感  謝し附記して歩く。資料は昭和3951現在で、多少古いが現在の時点と大差ないものと思われる。

  け)中学校(公立のみの統計)

   ①免許状の資格状況

    1級免所有者   153名 (48.4%)

    2 〃   ア3名(23−2%) 計226名

    無免許       g0名 (28−5%)

一33

(3)

備考1.免許状をもっているが、数学を現在教えていない者(例えば校長)は含まない。

    a 無免許とは数学の免許状をもたないが・教科外担任許可により・数学を担任してい      るもの。本人と校長の願出によって、教育委員会から許可、れる(1年間有効・更新      を要する)

    a 無免許の90人は概ね他教科の教員が数学を週何時間か受持って応援している程度      だから、パーセントは中学数学の授業時数の内訳ではない。すなわち、30%に近い      数学の授業が無免許の教師によって教えられているのではなく・その百分率はもっと      低いだろう。大部分は、手伝っている人が90人あるということであろう。

⑤性別状況 (免許状所有者の226名についてのみ、以下⑤,④についても同様)

  男 191名(84.5%),女 35名(15,5%)

⑤年令別構成

年令 22 23  24 25 26 27  28 29 署0 31

人数 15 ユ6 10 8 6 4 7 5 6 6

35名(2蝸%) 28名(12−4%)

年令 32 33 34 雪5 36 37 38 39 40 41 人数 2 7 8 17 lO 14 16 11 12 7

44名(194%) 70名(31%)

年令 ・・1 ㌣÷ 45 46 47 48 49 50 52〜54

人数 2 1 2 3 6 3 2 5

12名(5.3%) 17名(75%)52〜5蝸各1名

④出身学校種別

ユ 新制大学卒 88名(39%) そのうち 78名(34.5%)は奈良学大出身者 2 短期大学卒 .9名( 4%)  そのうち  6名ば奈良学大乙類(2年制)出身者 3 旧制大学卒  4名(1.8%)

4 1日制師範学校卒      78名(34.5%)

5 旧制青年師範学校卒         ア名( 3−1%)

6 旧制専門学校卒(3年制)      34名(15%)

7 1日制中等学校卒      6名( 2.6%)

⑤所感

 工 今後新制大学特に奈良教育大出身者が次才にふえ、現状(39年5月現在)の約4割の 比率は増す一方であろう。ただし、ここ数年数学教師の不足のため、奈良学大の小学校課程出 身で、3年から専攻別に分れ算数を専攻した者ば大部分中学の1級免または2級免をとって中 学に就職していることを附記して巻く。ごく少数が高校にも就職して拾り、どうしても小学校 の先生になりたいという希望者(女子が多い)が小学校に就職してし(る。

 2数学教育の現代化との関連

 教育の効果をあげるには教師の学力、学習指導の技術、生徒に対する教育的愛情が不可欠の 三要素である。そのうち学力については大学卒業者でなくても、既に免許状をもって長年教壇

一34一

(4)

 に立っている人等は、在学時代の勉強に加えて認定講習受講や自らの研修によって、現行指導  要領による中学数学内容の指導位は十分こなせると思う。

  しかし,学力がある程、高い広い立場から教材を見渡し、十分こなしきって学習指導できる。

 何がこの教材の重点であるかの展望をよくきかせながら、数学的概念や定理法則の指導、拡張  とr股、または逆に概念定理法則の特殊化をはかったり、魑々の教材の価値、教材相互の関  連、統一的な見方ができるのである。

  特に最近数学教育の現代化の動きが世界的に春こり、小学校に於でさえ、算術→算数→

 数学の図式が示すように、現代数学に呼応して、数学。公理的性格の理解、  的方法の重視  科学技術、社会科学の要請への対応、集合の考えの重視が、その萌芽の形に於て指導しようと  試みられつつある。

  ・そのためには、集合論、行列と行列式、数学と論理、工noaθrn aユ9θbra(群、環、場  の理論)線型代数、記号論理学、確率と統計、物理その他の自然科学、更に社会科学への応用  (数理経済学、線型計画等)、各種計算器の使用、変換群による幾何学の分類等、現職の教師  で在学中全然学はなかったか、またごく軽く触れるに止った新しい数学を勉強して貰ばねぱな  らない。

  勿論此等の多ぐは将来も中学、高校の数学指導要領内容には入らないが、教師としては豊か  な数学的教養を是非身につけ、新しい角度から数学教材を見直1し得ねぱならない。それでない  と、 「生きた指導」ができない。

  特に集合論的な考え方は、既に高校に入っているが、将来ノ」\中で平易庄形で取り入れられ  る可能性がある。

  学習指導法として、生徒に適切な助言指導を与え、生徒自らが定理法則を発見でさるように、

 すなわち生徒自ら「数学し」一、創造発見の喜びを味得させ、数学を身につけさせる発見的方法   (hθuri日t i o㎜θthoa)、この発見的方法は昔からもとなえられ、S,M,S,G、や  イ1 ノイ大学の現代化プランなどでも重視しているが、それには教師の学力が非常に影響する。

  教師が一方的に押しつけ「教えこむ」のは比較的やさしい。しかし、有効な発見的方法で学  習指導を進めるには、教材をこなしきった学力の高い教師の素養がものをいうのである。

(口)高等学校

  (奈良県立の19校の統計で、市立、私立を含まない。)

 ① 免許状の資格状況

  高等学校1級免許所有者    64名 (44.4%)

    〃  2  〃      ア3名 (5α7%)  144名   教科外担任許可         ア名 ( 4.ア%)

 備考L免許状をもっているが、数学を現在教えていない4名を含む。(内訳は校長3名       休職1名〕

 ⑨ 性別状況

  男134名(93%)、女10名(ア名)

 ⑤・隼令別構成    (142名)

一35一

(5)

年令 22 23 24 25 26 27  28 29 50 3−1

人数 7 3 3 O 4 2 4 2 6 3

18 名(12.7%)(20束D1名をカロう) 17名(12%)

年令 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 人数 3 5 4 12 9 11 13 9 6 8

33名(23.2%) 47名(33.1%)

年令 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51

人数 5 2 o 3 1 4 O O 1 1

11名(Z7%) 6名(4.2%)

年令 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61

人数 2 O O 3 O O 2 3 0 O

5名(35%) 5名(3.5%)

④出身学校種別

 (男子、女子)高等師範・臨教、文理大を含めた教員養成大学出身者 23名(1σ2%)

 奈良学大出身者      22名(15.5%)

 高等工業、大学工学部出身者       70名(493%)

 その他       27名(19 %)

⑤ 所 感

 1.旧制国立大学(後新制大学に看ったものを含む〕数学科の卒業者は非常に少い。

特にここ数年は、京大、阪大等の数学科卒業者は殆んど全部会社に就職し、教職につくものは 殆んどない。その原因は、

 (a)教員採用決定ば3月末であるのに反し、会社は所謂青田がりで、4年生の6月頃から就 職戦線が始まり、10月頃には殆んど就職先が決定してし交う。(昨年は不景気で太学新卒の 約3分の1は未決定とのことであるが、数学専攻者はそうでぱあるまい。)

 呵 筆者の学生時代は文理大以外の数学専攻者も、生命保険会社にごく少数就職する以外教 職につくほか就職先がなかったのである。ところが10年程前から、技術革新の急激な進行と 共に、電子計算機の使用による会社経営の合理化(数学化ともいうべきか、所謂数理経済学

Linθa「 Program皿in9等)と統計の応用普及により、保険以外の普通の大会社や官庁 に数学専攻者がどんどん採用されるようになった。

 (C)国公私立大学を含めて我国の大学教育は法、文、経にかたより過・き、理工科系が不当に 少なく需求のバランスがとれなかったからである。

しかし政府は数年前から理工科系の学生定負をふやすことに努力して拾り、数学専攻の卒業者 もふえるから、将来教職を志ナ者も相当でてくることが期待される。

 しかし依然として私立では経費に制約され、設備の点で理工医学の採用定員をふやすことは たかなか困難である。ペピープ.ムの今年も、文部省は私学の水増し入学を頼みにしているが、

大部分は法文系である。

 ソ連では大学生の法文系と技術系の割合は我国と正に逆である。

 2.奈良学大出身者がここ数年相当数高校にも採用されるようになり、県下で16%占める

一36一

(6)

  に到ったことば心強い。この傾向は和歌山県等てば大部前からみられた。今回の教員養成大学に   於て、数学の高校教員養成の特設課程も追々設置されるようになりつつあり、また専攻科や大学   院も設置されだした。

   3.高讐工業、大学工学部の出身者が50%に近いことは意外であった。これば工業高校で専   門の工業関係の学科を教えると共に、数学も兼担している人もあろうし、また敗戦直後の不景気   時代に技術系出身者の実業界に歩ける就職が困難で教職についた人もあろう。戦後20年にして   経済の高度成長をみ、世界屈指の工業国となつて現在の技術者の非常な不足の時代の到来を考え   ると夢のようである。

皿)全国の中.高等学校数学教師の実態と.世界各国特に米.狼との比較

ω 実は、単に奈良県だけでなく、全国的な資料を得たいと思って・39年夏文部省教職員養成課 で間合わせたが、詳しい資料は得られなかった。ただ、当時の時点に於て、全国の中学教師24万2 千人余の中、数学教師は3万人弱(11.3%)、高校は13万5千人弱の中、数学教師は1万5千人 弱(10.8%)であることを知った。もし、この拙稿を読まれた方で、悲しい全国的資料を御教示願 えれば幸である。

 ただし、奈良県は人口、その他あらゆる一点で全国の1%と考えてよく、大阪、京都に近く日本の二 大中心の1つである近畿圏に属するが、県の南半は吉野郡の僻地(最近電源開発によって面目をr耕

したが)で小規模学校も多いから、全国の実態を奈良県の実態から推測して、あまり見当はずれには ならないと思われる節もある。

(日 教学教育の現代化との関連.シュルツェ氏の論文紹介

 実態調査は、免許資格別、性別、年令別、学歴別だけでなく、全国の小、中、高の先生にアンケー トを求めて、在学中または現職教育で、次のような講義をきき、単位をとったかどうかを尋ねること が大切である。集合論、ベクトル、mOaθrn a■gθユra、線型代数、統計と確率、位相幾可学、

記号論理学、等

 昔、米国のSシュルツェ氏はJunior High S ohooユ及ぴSθnior肛gh S choo■の

教師4千名にアノゲートを求め、大学で単位をとった百分率を発表している。 (1)

 それによると、(中学の教師;高校の顔師)ば、三角法(57;59)、平面解析幾可(44;8 0)、立体解析幾可(15;20)、微積分(28;ア3)、整数論(5;10)、微分方程式(7 26)、群論(1;2)、ヘクトル(1;3)画法幾可学(5;15)数学史(16;30)、力学

(4;15)である。

 数学教育法については、中学校数学教育法(51;16)、高校数学教育法C41;15)、猶、

代数教育法(1.9;29)・幾可教育法(12;26)・算数教育法(4 1;15)で・教育法を重 視している点が他国の教員養成とちがう。また質問を受けた4千人の教師の半数は、就職後も何等か の現職教育を受けている。

 シニルッェ氏の論文はコ回;・ビヤ大学に提出したP h.Dの学位論文で、単行本として出版された。

30年前の米国の実態調査で、現在の米国の教師の資質はずっと向上しているが、現在に於ても秀才 教育以外r般的には高校で微積分を教えていないこと、S,M,S,Gの数学教育現代化構想のよう

な革新的な企てに拾いても、微積分を原則として高校の教材として取上げていないことは、高校教師 の学力に大に関係があると思われる。つまり、効果的に教えられる教師が少いことが大きな原因の1 である。

一3?一

(7)

猶、シュルツェ氏の本には奈良県の実態調査と関連して興味ある調査があるので・30数年前の一米  団の姿ではあるが若干記すと

  アンケートを得た4千人の教師020%ば25才以下、50%が30才以下である。一億か20%

が40才以上である。

  教師としての経験年数からいうと、41%ば6年以下、62%ば10年以下である。要するに中、

 高で数学教師をつとめるということは、米国では一生涯の職業で広いのである。それは女教師が非  常に多いから、結婚すると多くは教職を去り、」また男子で会社その他に転出する教師もあることを  示している。

 これは、我国や西欧諸国と非常にちがった点である。

  また兼担については、25%はただ数学のみを教え、60%ば他の教科も教えている。これは物  理が最も多いが、しかし百分率は低いが殆んどすべての他の教科にも及んでいる。

  次に女教師が非常に多いごとは、(英語てば教師の代名詞は8hθ彼女である。)、次の数字が  砂瞭に物語っている。未婚の男子ば17%、既婚の男子が26%、未婚の女子が48%、既婚の女  子が9%、つ重り男:女の比は4:6である。

  数学のように中、高の教科の中では女子に不向き(?)と思われる教科でも、女の先生が多いの  である。これば筆者が1953年、色tlant i o oityで開かれたN,C,T、雌.の全米数学教  育大会に出席した時、豪華なホテルで開かれた大会が若い女性でみちあふれ、コロノピヤ大学の名  誉教授リーブ先生を多くのうら若い女教観の教え子がとりかこんで、挨拶し談笑しているのが印象  的であった。

  酷暑の8月毎年開かれる日本数学教育会の大会が5千人以上の出席者の殆んど全部カ現性であり  酷暑の中で熱心底研究発表討議でムンムンするのに比べて、非常に興味深く感じたことが回想され  る。

  中、高に拾いてすらこのような状績であるから、小学校の先生の大多数は女性である。女子が母  性愛の面から児童の扱い、従って教職に適していることは否めない狐学校の管理迎営の面からも、

 また生徒が男、女半々である点から考えても、小、中、高の学校教師の性別が米国のようなのはど  うかと思われる。

  我国でも最近学芸大学の入学者の女子の進出が目ざましく、国語、英語、社会等は特に多い。(

 (教員養成大学に限らず、全国の大学の文科系は、女子学生の比率が男子を圧倒しつつある。)本  学てば小学校課程も女子が過半をしめてさつつある。さすがに中・高課程の数学は殆んど男子であ  る狐幸い派して小学校課程は3年から専攻別(小学校の8教科と教育・心理を加えて10コース  )に分れ、数学が好きなのか?、近年数学の就職状況が非常によいためか、20%程数学を専攻(

 10 コースに等分次ら10%の筈)、呵一ブ先生の笑顔を筆者も吠えるかと楽しみにしている!

(3)世界各国の中・高教育教学数師査成法

  古い資料としては、先づ30年前の万国数学教育会の報告がある。

   La prθparation theoripue et pζati]≡〕uθ一d一θs Profθs881ユrs ae    皿athθmatiqlユe8 d−e ユ6n8θignθmθnt sθcond−airθ αan8 ■θ8 auvθr8

   p a y8

   (En・θi・・θ皿θ・・M舳θ・…q・θ一1933,P,1−22,169−254,360−400)

また、ドイツの権威ある理数科教育雑誌

一38一

(8)

 Zo itschrift  f畿r 皿athθmat i6ch6r1r−una natur可is昌en目。haft1

 ichen Untθrrioht

 で、上述の調査とは別に、各国の実情を主として同誌の主筆リーツマンが紹介・批評している。

(岩波書店、数学皿、別項数学教育P−29 小倉博士〕

 リーツマ!は、デンマーク、イギリス、イタリー、ハ/ガlj一、オーストリャ、スイス、ベルギ ー、ア.メリカ、ブラ!ス、ポーランド、ユーゴスラピャ、ノールウエー、チエッコス回バキャ、オ ラ1ダ、日本とI15ケ国について述べている。筆者は当時Zθitschriftの記事を訳して紹介 したから、悉こくは拙稿を参照されたい。㈲

 その後ユネスコで世界各国の教育全般の広般な調査、統計があり、また多くの著書雑誌で最近 の特徴が例えるが、紙数の都合上省略する。

㈹米国とドイツ

  米国については1口)のツユルツエ氏の論文及ぴ本誌才1号で相当紹介した。また拙徹奈良学芸  大学紀要「数学教育研究の方法論及びその研究領域皿」β)でも米国最近の実情により、多少所  見を加えた

  この拙稿はドイツのGY皿na8ユ岨皿の数学教師養成制度の紹介と批判が主であって、そこで述  べたようにGY凪の教師となるための教育計画は極めて.厳重で、途中で脱落する者も多い.

  (我国では大学入試は極めて激烈であるが、大学入学後は適当に単位がとれて、.スイヌイと目  出度く?卒業してゆく。尤も最近、京大、阪大等で2年の教養課程の必要単位がとれず、落本す  る学生が相当出てきた傾向は注目される。)

  イ/タ ンの制匿があり、その間給与を貰へ教育実習制度はどの他の国の制度よりも整備充  実している。従ってG・X町の教授は皆粒がそろっており、従って待偶もよく、社会的地位も高い。

 確カ酒ドイツてば大学の数が8つしかなく、古い歴史と学門の殿堂としての権威がある。教育制 度は線型で広く、英才教育をガッテリやっている。

  我国の駅弁大学、大学の数と学生数だけは世界屈指であるのと極めて対照的である。(多かる  う/悪かろう/安かろう(俸給が)/)エ.トト教育と、教育の民主化、庶民に愛期中学教育、

 (高校全員入学の要望)更には大学教育を広く開放し学門、芸術の広いすそ野をつくることの適  切な調和(合、反、正のAufhθbθn)をはからねばならない。

  西欧の各国は大体ト.イッ流である。エリート教育だけでなく、次矛に教育の民主化、大衆化が 進みつつあるが。

  我国は占領政策によって米国型に在り、複線型が単線型となって教育は広く一般に開放され、

高等教育は普及しれ否、戦前からすをわち明治維新以後、鎖国のユメからさめて政府や社会全 体が西洋文明に追いっこうとして広く知識を世界に求めるため、教育を非常に重んじた。貧富の 差による影響は大いにあるが、親の地位、身分によって教育の機会均等がそこ注われることはな かったので、開放的な面ではその意味で戦後に始ったことで衰いといえる。

 戦後20年にしてここまで驚異的衰復興をし走のも、全く国民の教育普及度が高く、勤勉な国 民性によるのである。しかし量と共に質を/ これが文部省の教育白書にも述べている如く、今 僕の課題である。

  これは教員養成制度の充実についても云えることである。戦敗れて、平和を愛好する文化国家 を理想として立ちあがった日本、政府は国家百年の大計を思へ学問・芸術を大いに尊重しなけ

一39一

(9)

  れぱならない。

  学者や教職を、ほこり高く、社会的に尊敬されるべき地位におかねばならない。それには待偶を大   いに改善し聖職として安定した生活を送れるようにしなければならない。今にして思う、哲人F i−

  ohteの「Red8n andie ]⊃eutchenation」を!

(㎜)免許制度の今昔

 甘)戦前小学校教師は主として師範学校(青年学校の教師養成機関として描時中設立された青年師   範学校)

  中学校は高師、臨教の教員養成機関のほかに、卒業者が各種専門学校や一般大学の卒業者が所定の   単位をとって免許状を与えられた。更に所謂文検(中学校、高等専門学校、教員資格を与える国家   試験)があった。

   教育実習は教員を養成する目的で設立された学校以外では行なわれなかった。その点ドイツの   Gy㎜(9年制で大体に於て中学校と高等専門学校を合併したものと考えてよい。)で教育実習を重   視し二更にインターン制度まで設けているのと比べて・戦前の我国の制度は欠点があった。尤も・

  当時も今でも、教える教科の学力さえあれば、教職教育や教育実習は全く不要、またはしてもしな   くてもどちらでもよい程度のものと軽視する立場の意見σ)人が相当あることは事実である。

   文検に合格することは大変難しかった。柳に飛びつく蛙の如く、何度も失敗して苦学し、やっと   合格する人が多く、合格者は皆しんけんに勉強した。

   文検と、戦後の認定講習とを比較してみよう。戦後6.3.3.4制の実施となって、新制中学、

  新制高校が校舎も設備も教師も充分の準備する時間的余裕なくして誕生した。大量の教師を必要と   するため、教員資格向上の便法として各県で認定講習が行なわれた。それは日数も少く、単位授与   も観ね形式的で文棲のような厳格な試験とはおよそ程遠く、止むを得ない処置とはいえ、あまりに   チャチなものであった。

   数学教育現代化の成否も、学ぶ生徒の素質と共に教師の学力に大いに関係する。

 o)現行の免許法と現職籔育及ぴ所見

  ①教員には教員免許(1級免、2級免)所持者と、他教科の免許状を有し、教科外担任許可を受    けている者と、臨免(如何なる教科の免許状も持たないで教職にある者)の4種類がある。

  ② 教科外担任許可をうけている考は、例えば中学の理科2級をもっている者が数学の2級免をと    るためには、ユ6(教職としての数学)十3(数学教育法)目!9(単位)をとらねばならない。

  ⑤ 中学の2級免から1級免へあがるには、認定請習、通信教育、大学の聴講生等で現職教育を受    けて所定の単位を修得するのであるが.、ユ5年以上数学を教え七いれば、単位をとらなくても2    級から1級へあがれる。

    自戒の歌

     教ふることありて、教えらるることのなき我が生活の貧しさを思う。

     為すべきことは山ほどありて、為する時の流るる水とあだに過ぎゆく。

  所見として、現職の経験も勿論大切であるが、学力は学校卒業時が一番高く、年々歳々雑務や入試   等にあけくれて、数学教育の現代化もてんで受けつけられぬようでは困る。

  ④臨免の者は何年つとめても、2級はとれない。

   臨免の者が2級免をとる方法には2通りある。(A 早くとる方法。  B ゆっくりとる方法)

r40一

(10)

  A 短大率の資格(62単位)を得て、ユ6(教科としての数学)十3(数学教育法)

  B 臨免の資格 (高校の成績判定による学力、人物優秀)を取得・してから

  中学で数学を6年間教えて・45単位{そのうち数学は25(教科としての数学)十3(数学教  育法)}を取らねばならない。

  た㌻し、在職年数1年ふえていくたぴに、45単位からユ年につき5単位削減される。

   在職年数 6年 45単位 7年 4o単位

      8年  35単位   9年  3o単位        ユ。年  25単位  ユエ年  2o単位        ユ2年  ユ5単位

  最低ユ5単位はとらねぱならない。これ以上は、年数がいくらたっても軽減されない。ユ5単位  の内訳は8(=一教・科としての数学)十2(数学教育法)

所見全国的視野に立つと、僻地の学校、僻地とまではゆかなくとも、小規模学校が多数ある。それ らの学校では、4年制の教員養成大学を出た教師を揃えるわけにはなかなかゆかない。

 旧制の中学校を出て教師になっている人も相当ある。また短大を出て例えば家政の免許状はもって いるが数学の先生が足りないので、教科外担任で数学をもたされている先生もあろう。

 前述した教育の効果をあげる三要素、すなわち教師の学力、学習指導の技術、生徒に対する教育的 愛情は皆大切であるが、たとえ学力は十分でなくても、頭がよく、教える教材をよく研究し、生徒を 可愛がる教育熱心な若い先生が、案外教育効果をあげる場合がある。以上のような全国的視野で現場 教師の実態をふまえた配慮にたって、教科外担任や臨免の人の免許状取得の道を闘いであるものと思

われる。

 しかし、文検と比べると、少し免許状の安売りしすぎではなかろうか。

㈹ 将来の免許制度

  教員養成制度の抜本的改善を検討している教育織員養成審議会は、41年1月下旬総会を開き、

 免許法改正の方向をまとめ、2月中に文部大臣に建議をする.旨本稿執筆中新聞でみた。(1月8  日)

  建議のおもな内容は

 ①教育内容の高度化にともない、免許状の取得条件をきびしくするとともに、免許基準を国立の   学芸大学、学部と、その他の一般大学、学部を別建にする。

 ② 基礎資格を、大学卒業者(学士)とし、高校教員には修士をあて、また短大卒業生も、教員資   格がとれるようにする。

   (従来は一定の単位をとれば教員資格が得られる開放制度をとっていたため、教員の計画養成   ができない。たとえば、国語、社会、英語等の免許状所有者は山程あるのに、数学、理科、芸亀   体育の有資格者が少いという不均衡な状態であった。)

 ⑤免許の基準を引上げ、小学校の教科専門は20単位(現行1級免16単位)、中学校を40単   位(現行1級免中教科40単位、乙教科32単位)とする。

   とのことである。この紀要が発行される頃には、更に悲しいことが分ると思うが、以上の改善   案について、簡単な新聞記事を見た範囲において若干所感を述べよう。

一4ユー

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所感

 ①基礎資格として小、中は4年制の大学率、高校は大学院の修士課程とするならば、勿論スター   リングの高い程結構であるが、前述の如く、全国的には僻地の学校や小規模の田舎の学校が沢山   あるのに、果して十分教員が得られるだろうか。(力も、改善案にも、短大率業者には看んらカの   方法で教員資格を取得できるよう配慮するとあるが〕

 ② 奈良県高校数学教師の実態調査からみても、大学で数学を専攻した人の占める百分率は甚だ少   い。また、数学と限らず如何なる教科で{)よいが、県下の高校長で大学卒必ずしも多くはない。

  校長のような管理職の適否と学歴とはまた男1jの角度から考えねばならないが・今後高校教師は原   別として大学の修士課程卒業者をあてるというのは、将来のことで理想は高くかかげるにこした   ことはないが、少し実態と遊離しすぎはしないだろうか。これは次に述べる待偶の問題とも関連   する。尚筆者は、学歴は高くないが、頭がよく、自分で努力して絶えず勉強し、教育熱心な立派   な先生を多く知っている。その点少し形式主義的で学歴偏重ではなかろうか。

   尤もドイツGy mの教員養成制度や、1日制高等学校、専門学校の教授の学歴、学識を考えると、

  今回の改善案は当然のことと思われるが。難しい門題である。

 ⑤ 敗戦直後は所謂生活給の色彩がごく、今でも年令給で勤務年数に応じて、自動的に俸給が上っ   てゆく。会社では次第に能率給の方向に移行しつつある。米国では年令給の面よりも資格による   能率給的な面が強い。終身免許状を得るためには、また増俸されるためには、現職教育、特に夏   体の闇(3ヶ月)の講習(我国の認定講習に比べてはるかに本格的で、大学の講義と同程度、単   位を取得する時間幸)程度も、評価も)を受けて、大学在学中の4年を加えて5ヶ年間の教育を必   妻とする方向に急速に動きつつある。そして講習を受け資格が向上すれば、自動的に俸給が上が   る。我国では認定講習を受けても、2級免から1級免に資格を向上しても、少しは俸給がよくな   るが微々たるもので、多くは年令給、経験年数によって上ってゆく制度に門題がある。

   昔、夏目漱石が東大を出て松山中学に赴任した時、大学卒に稀少価値があった為でもあるが、

  年令の上の多くの同僚よりも高給であった。暫くして五高の教授に栄転したが、地位相応の充分   の待偶を与えられた。文科、社会科等は人が多く修士号の所持者でも高校教師の志願者は多いか   も知れぬが、数学、理科、工業高校の教師として大学工学部の卒業者は、修士に資格を上げる程、

  人を得られないだろう。

 ④ 将来の教.負として基礎資格を上述の如く高めるならば、学歴の低い現職の先生の再教育を大々   的にはかるべきである。それには教師の事務的な雑務を軽減し(事務職員をおき、日宿直なども   善処する)、米国のような名実共に充実した再教育を大々的に実施する必要がある。講師につい   ても受講者についても経済面で充分配慮をし、受講し資格を向上すれば俸給も上げるようにすべ   きであ瓦S・M・S・G・の研究グループに何十億という援助資金が出てい争こととあわせ考える   と、あまりに我国の学門や教育に対する投資は少なすぎはしないか。

   数学教育の現代化も、上述のようにあらゆる角度からの金銭的配慮が必要である。.理科教育振   興法がとっくの昔に出来たが、全国の学校で理振法でうたっている理科設備の最低基準を備えて   いる学校は全国で何割をしめているのであろうか。数学の教具設備についても同様である。

   要するに教育界に多くの人材を確得するためには、教育に金をもっと投ずるのが、文化国家と   しての国家百年の大計である。資格だけ高めて待偶がそれに伴わないならば、益々人材は他に流       一42一

(12)

   れてしまうだろう。

    力も、もくもくとして田舎の学校に奉職し、教育を自分に与えられた天職と心得て、仕事にほ    れこみ、子供を可愛がり、地域社会にとけこんで父兄からも親愛され尊敬されているペスロッチ    一精神にみちた先生は誠に尊い。(俸給などは、妻子を養ってゆけさえすれば、多寡を問題とせ    ずに)

    しかし為政者たる者は、教師の待偶改善、社会的地位向上に絶えず心がけてほしい。小・中・

   高の先生の内地留学、さては外国税嚢、留学制度も大々的に拡充してほしい。長い目で見て、

    げに、教育こそ最上の投資である。

    力も、会社等のG e s・ユs o h a f t(利益社会)とちがって、教職はG。㎜e i.d s o ha f tであ

   り、生産する物や利につながる対人関係とちがって、生きた人間を射手にし、夢多き将来性をも    つ生徒、次代の日本をになう生徒を教育することに無限の喜びと楽しみがある教職の尊さを思い    喜ばねばならぬと自戒している。

    しかし、教育行財制の立場から考えて、人件費の大幅な増加に伴う教育予算が果して組めるか、

   どうか.、案ぜられる。

  ⑤インターン制度はどうなったか。新聞書己事だけでは分らないが、ドイツのGym・の能1」度が大に    参考になる。教育実習をみっちりやる教員養成大学出身者はともかく、他の一般大学出身者で教    職教育実習を名目的に少ししかやらないで教師になる人等には、インターン制度も一案ではなか    ろうか。

    勿論、教員養成大学出身者が閉鎖的に教育界を独占する考えは勿論ない。また専門の学力さえ    充分あれば、教育、心理、各科教育などの教職教育や教育実習は不要、またはしてもしなくても    大したことはないと考え従って、教員養成の目的大学をつくる必要はなく、一般大学の卒業者で    よいとの考えの持主が昔も今も根強くあり、一面の真理をついている点もあることは既述したこ    とで、改めて附記しておく。

①の我国教員養成夫学小学校課程の教科専門算数の調書内容.困義形態のアンケー  ド報告と所見

  昭和38.39.4oと3ケ年計画で、文部省は小.中.高普通教育の教科の中でも時間数も多く基礎  学科である国語と算数、数学について、全国を3地区に分け、教員養成学部教養所主集合を開催した。

 集る者は、大学、附小、申、高の教官で、毎年秋g月4日間にわたって熱心に研究討議され・講演・

 研究発表、分科会、合同部会がもたれた。三地区の開催地は東京・大阪・広島で・大阪学芸大学捨場  として参加した大学は、近き、東海、北陸にわたり、富山、金沢、福井、信州、岐阜、静岡、愛知学  芸、三重、滋賀、京都学芸、神戸、奈良学芸、和歌山、大阪学芸のユ4大学であった。

  最後の40年に、筆者は高校新指導要領に続く教員養成大学数学のカリキュラム(教養審の建議に  ある中学校教科専門40単位の構義題目〕について・提案し討議し㍍

  また本学の久保田氏と筆者は小学校教員養成譲程の「教科専門算数」の講義内容及ぴ講義形態につ  いて提案し討議を願った。中学課程のカリキュラムについては本稿で省略し・「教科専門算数」につ  いて述べる。

 κ)教科専門算数の蘭署内容

   以下のアンケートは筆者が研究集会の参加者全員に配り、意見を求めた内容である。

一43一

(13)

 教材内容の必要度は◎、○、×で区別して貴い、また①昭年41年から入学する高校新指導要 領で学んできた生徒②戦前の師範学校の卒業生、戦後も高校数学が解工、解皿の時代から、数

I、数工I数皿それも必修、選択と色々の変遷を経て学芸大学に学び現在小学校の教職にある先 生、 ⑤今まで各大学で教科専門算数を受持たれた経験の有無、もし経験あるならばどんな内容 を指導されてきたかを筆者が講義内容の一例として列記した各教材に対してのチェック ④各講 義内容に対する御意見、御要望の4つの欄を設けて、アンケートを集めた。もし拙稿を読まれた 方で、貴重な御意見をお知らせ廟えれば幸である。猶、算数教育現代化の線を特に考慮したこと を附言己しておく。

(1)

 1

 2  3  4  5  6  ワ

(2)

 ユ

 2  3

(3)

 ユ

 2  3  4  5  6

 ワ

 8

(4)

 ユ  2  3

(5)

数と計算

数の拡張(算用数字、n進法、有理数、無理数、実数、負数、複素数、

(簡単な数学史を含む))

整数の珪質(約数と倍数・合同氏(三皿Od))

計算の法則(交換・結合・分配〕

加法と減法、乗法と除法の逆算であることについて 数体、環(リング)、群論等の初歩

複素数の計算(四則計算、極形式)

算数的にとく四則応用問題(所謂何々算)

集合論初歩

集合の概念(ユ対!の対応、集合(元、単位、空、有限、無限〕

積集合と和集合(差集合、元の個数も取扱う)

無限集合(集合の対等、集合の濃度、可附番集合、可附番でない集合)

数学と論証

命題(合成命題の作り方・真理表、条件文〕

定理の基礎(公理、定義、無定義術語、四則、大小、図形、量の各公理)

証明(三段論法、間接証明法〕

命題の逆、裏、対偶、及びそれらの相互関係)

必要条件と十分条件、同値

軌跡とその証明の仕方(必要、十分条件に関連して)

作図題の完全解 数学的帰納法 方程式と行列式

一元n次方程式(二次方程式、三次方程式)

行列式(2次の行列式、3次の行列式、行列式の性質)

方程式で解く応用問題、ダイヤグラム)

ベクトルと行列

r44一

(14)

 2  3  4  5  6

 ワ

(6)

 ユ

 2  3  4  5  6  7  8  9

ユ。

(7)

 ユ

 2  3  4  5  6

(8)

 ユ

 2  3  4  5  6

(9)

 ユ

 2

ベクトル(行ベクトル・列ベクトル、次元の等しい行ベクトルの和、列 ベクトルの和)

二次元ベクトル(二次元ベクトルの表現、ベクトルの内積)

三次元(空間の〕ベクトル 複素数とヘクトル

行列(matriX)

行列の加法と減法 行列の応用 計算法(実用的)

近似値と誤差(絶対誤差、相対誤差)

有効数字と測定僧の表わし方 近似値の四則計算

数表と比例部分(補間法)

近似式

実験式(選点法、平均法一(中間法)、最小自乗法)

式の計算の簡易化(数表、図表、計算器械)の方法 関数尺、関数方程式(関数方眼紙)

共点図表と共線図表(平行線型、N字型、放射線型、曲線型)

計算器械(そろばん、計算尺、手動式、電動式、電子計算器)

小、中学校における図形の研究法 直観

実験実測 図形の観察

作図(基本作図、見取図、投影図、透視図、展開図)

計量(平面図形の周と面積、立体図形の表面積と体積)

簡単な論証

(高等学校における図形の研究法)解析幾何 空間の次元・座標

直線と円

座標の交換(座標 の平行移動、回転)

二次曲線(だ円、双曲線、放物線、二次曲線と直線の関係)

曲線の表わし方(媒介変数表示、極座標)

立体解析幾何(平面と球面、特殊な二次曲面)

幾何学的変換 平行移動 回転

一45一

(15)

 3  4  5  7  8

(10)

 1  2  3  4  5  6

(11)

 ユ

 2  3  4  5

(12)

 1  2  3

(13)

 1  2  3  4  5  6  7  8

(14)

 1  2

線対称

榊変換

一次変換(アフィン幾何学初歩)

射影幾何学初歩

位相変換(トポロジー〕

順列、組合せ

場合の数(積と和の法則)

順列 組合せ

要素のくりかえしを許す場合の順列、組合せ 同じものが含まれている場合の順列、組合せ 円順列、その他

二項定理 数列と級数 等差数列

等比数列(年賦積立、年賦償還)

その他の数列(平方数、立方数、和Σの記号、階差、漸化式)

数列の極限

無限・等比、級数・循環小数 確率

確率の意味、確率に関する定理 観望金額(期待個〕

原因の確率・証言の確率 統計

資料の整理・度数分布

代表値(相加平均、中央値、並み数、相乗平均、調和平均〕

散布度(range平均偏差、ユO−90%ranK標準偏差)

二項分布と正規分布(成績の五段階法)

相関関係・相関係数

母集図と抽出検査(サンプリング)

標本から平均値の推定

統計のグラフ(棒、絵、折れ線,帯正方形・円・柱状)

平面、球面三角法、測量 平面三角法

球面三角法

生6一

(16)

 3  4

(15)

平抜測量

三角法の測量への応用 微積分の初歩

以上のほかに重要と思われる教樹あれば、御記入下さい。

一生?一

(17)

 アンケートの結果は紙数の都合上省略すん実ば文部省が百万円の予算を組んで・全国3†所で行な われた3年間の研究集会の成果を単行本として印刷する計画(多分4月頃発行)があり・筆者は執筆者 の一人として原稿を書いたから詳しくはそれを見て頂きたい。

 前述の講義内容を僅かな時間で全部取扱える訳でなく、また41年度から高校卒の入学者は、既に高 校で学んだ内容も相当多く含まれているから、筆者が一例として、拾よそ考えられる講義属目を殆んど 全音例挙したのであって、アンケートの結果はやはり算数教育現代化の線にそった講義内容、例えば  集合が◎になっていることを附記して拾㍍

(⇒副義形態

 やはり次のような形式でア;/ケートを求めた。

① 現在貴下の大学てば教材研究( )単位(必修、セソタク)、講義、演習形式、1組の人数( )  人、( )年前、後期で行なう。

⑳ 教科専門算数は(  )単位、(必修、セノタク)、講義、演習形式、1組の入数(    )人  (  )年  前、僕期で行なう。

③ 教養審の小学校各教科に関する授業科目についての御意見

④ 大学協会設置基準要項(395)小学校の各教科に関する授業科目についての御意見

 ㍍)と同じく、アノケ・ドの結果は前述の論文集にのせるので省略する狐目立った点を2つだけ附記 すると、1組の人数が各大学でまちまちであるが、概ねすしずめ教室で、中学課程に比べて小学校コー スの学生は逆待されていることである。文科系の学科ならいざ知らず、数学、理科や音楽、俸育、図工 の 技能教科では小人数でなければ充分の指導ができる筈がない。

 小、中、高でさえもすしずめ学級の是正が叫ばれて久しく、ベビーブームの時代は漸く過ぎて、諸外 国に比べてまだまだ不満足ながら、少しずつ一学級の生徒定員滅が行なわれつつある。

 しかるに大学に於て、特に一部の私学に於ては、水増し入学の結果、学生が全部出席すれば廊下には み出て坐る余地がたい、幸いにして?学生はよくサボるからやってゆけるというような話を真偽はとも かくとして聞くことがある。量と共に質を/、が理想であるが、一方をギセイ(犠牲)にせざるを得ぬ とすれぱ、量よりも質を/を強く叫びたい。多くの教員養成大学で、小学校課程の定員は中学課程と同 じかそれ以上である。しかるに、小学校課程の情態はすしずめ的で、中学課程に比べて甚だ不均衡であ る感を禁じ得なかった。

 次に、一般教育の自然科学部門の1つとしての数学で教える講義内容と、教科専門算数の内容との関 連が問題である。重複してはいけないが、一般教育で全部の学生が数学をとるとは限らない点になやみ がある。

 猶、教科専門としての算数は、現場の教師とをった場合の算数教材と密着し、それを高い広い立場か ら眺め得る学力をつけることが要点であろう。概して、大学で習った高度の学問が、現場の教育に如何 に生かされるかについて、多くの卒業生は疑問となやみをもっているのではないかと思う。勿論直接の 関連はなくとも、何等かの目に見えない形で教師としての資質の向上に役立つことは云える。しかし、

もっと直結させること拭我々教員養成大学に勤める者には必要セは次かろうか。これは、中学課程に ついても云えることである。

 筆者が渡米中、むこうの教員養成大学で使っている教科奪内算数の教科書をさがしてみたが、数少く、

また持ちかえった本も余りほめたものではなかった日尤為ここ数年は、算数教育現代化の線にそった良 書が続々と出版されつつある。μ)

一48一

(18)

(V)米国籔貝養成夫学小学校課程の教科専門算数・教材研究の内容紹介

  筆者は渡米中多くの教員養成大学の学生便覧を集めて付)と関連のある講義題目を調べた狐十四年  前の古い資料であるから省略すん最近のまとまった文献としてN・G・T・M・のYθa「bo ok l

 工nst.ru.tionin Arith.(年報才25巻1960)の才13章Backgrou「aエロath

 fo rθユθ皿enta ry tθa chrs 3人の教授が執筆している。

  前述のシュルツ・=氏の論文と比ぺ?最近の様子がよく分る。ただし、教員養成人掌の養成について  のみ調査し、現場教師の分析には触れていない。

  96の教員養成大学(各州から2つ)の1957−58のカタ回グを400以上のカタログの中か

  ら無作為に摘出して、色々の角度から分析している。各大学によってまちまちであり・例えば①入学  資格として高校で数学の単位を何単位要求するか(米国では高校数学は選択)・入試に数学を課する  かどうかも②大学で数学を一般教育として要求するカ⑥小学校教員養成課程に何単位の教科専門、何  単位の教材研究を課するカ④課するとしてその内容等について千差万別である。我国では①〜④は大  体各大学一定であり、ただ④については区々としている。しかし、結論として、この論文では、米国  のtYPi c aユな小学校教飾志願学生は、高校で2年間数学を学び、大学で一般教育の数学3単位(

 これば教科専門算数と解すべさか)をとるか、算数教育法を2単位とるかが平均的な所であると述べ  ている。

  そして現状の改善策として、教科専門と算数教材研究の両方をとらさねばいけない、BaokgrO−

 una胴th,としては少くとも6単位必要であると勧告している。

  教科専門算数の内容については、筆者の行なったアノゲードと似た方法で、15項目に分類して悉  しく統計をとっている。そして、数学的原理の発展と原1理の理解、(Levθユ。Ping of

 Princ iPユe8 and Undθrst anσing of O「ll」cθPt日)が・機械的な計算技術の修得よ   りも尤も重要視すべきだと緒論としている。つまり、算数教育現代化の線にそった考え方である。悉   しくは(イ)で述べた近く発行される文部省発行の単行本での拙稿を参照されたい。

参考文献

(1) B・A・suθ■ty:Thθ status of 日θosnd−arY I口ath.in thθ U.s.(1934)

C)竹 村   弘 :r世界各国の数学教師養成法」学校数学 (P−11−32)(1936)

(3)竹村 弘:GY皿na8iu皿(ドイツ)の数学教師養成制度について       奈良学芸大学紀要才11巻  (1963)

(4) N・C.T.M一  :Thθ growth of ma1;hθ皿atioaユ id−ea日 9rad一θ日 K−12

  のYear book:      才24巻 (1959)

       工nεtruction工n Ar工th.Yθar   才25巻 (1960)

   N.C.T.M.  ;To pi c日 in Math.for  θユθmθntary 8chooユ tθa oher8        (全8巻)

       1. Se1=s  2.The who■e Num1〕θr8  3.Nu皿θrat ion        sy自tem8 fOr the Whoユθ nu工n■θrε

       4.Aユgorith皿s for opθration8 with who■e nlユ皿1⊃θr日        5. Nu皿bθrs and− thθir fao1:or日

       6. T hθ  r a t i o n a l n uエ]]fθr s

一49一

(19)

Z Nu一皿16ration Sy自t昌]皿自 for thθ 8.Nu工nbθr日θntθnees.

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50一

参照

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