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雑誌名 地域と住民 : コミュニティケア教育研究センター

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Academic year: 2021

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中名寄小学校放課後活動における森林環境教育2019  森で行う異年齢交流

著者 ?原 高文

雑誌名 地域と住民 : コミュニティケア教育研究センター

年報

号 4

ページ 92‑93

発行年 2020‑05‑31

出版者 名寄市立大学コミュニティケア教育研究センター

ISSN 0288‑4917 書誌レコードID AN0001106X 論文ID(NAID) 120006875048

URL http://id.nii.ac.jp/1088/00001862/

Creative Commons : 表示 ‑ 非営利 ‑ 改変禁止 http://creativecommons.org/licenses/by‑nc‑nd/3.0/deed.ja

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名寄市立大学コミュニティケア教育研究センター 年報 第4号(通巻 38 号)(2020)

*責任著者 E-mail:[email protected] 課題研究要旨

中名寄小学校放課後活動における森林環境教育 2019

森で行う異年齢交流

栁原高文

名寄市立大学保健福祉学部社会保育学科

1.はじめに

名寄市立中名寄小学校は、校区がない特認校で児童数は 18 名、市街地からバス通学する児童が大半を占 める。放課後の時間を利用して、身の回りの自然を観察する「風の子教室」を、筆者を含む指導者 3 名で月 2 回程度、2017 年度から行っている。主な活動は、近隣の寺社林、通称「神社山」で自然観察を行なってい る。本年度は、新たな試みとして、森で幼児と児童の異年齢交流事業を行うことを考えた。対象の幼児は、

名寄市東保育所の年長園児 16 名である。この幼児たちは、2019 年 4 月から 10 月まで計 7 回、市内のレクリ エーション施設であるなよろ健康の森で、筆者を含む指導者 3 名で自然にふれる活動「森のようちえん」を 行なっている。

本研究は、保育所年長園児と小学校児童が、森で異年齢交流をすることで、自然への気付きが高まること、

社会性の基礎が培われるきっかけとなることで、生きる力へとつながっていくことを検証することを目的と している。

2.方法

交流活動は、2019 年 6 月 26 日、生活科の授業として中名寄小学校 1 年生 1 名、2 年生 3 名が参加し、東 保育所年長園児は 16 名参加した。そして、9 月 5 日の活動は、地域で行われている神社祭りの後に行った。

中名寄小学校児童 17 名が参加し、東保育所年長園児は 16 名参加した。幼児・児童の異年齢交流活動として、

2 回のプログラムを行い参与観察をした。

3.結果と考察

1)プログラム 1 森の宝探し(生活科の授業)

幼児・児童の交流活動だが、元気な幼児たちはどこかに宝ものを探しに行き、見つけたものを班に持ち帰 る行動をとっていた。これは、楽しくなると、行動に制御がきかなる行為であり、小 1 プロブレムにつなが る要因の一つと考えられる。しかし、班に配属されている指導者が「みんなで見つけるんだよね。」と指導し ていくにつれ、幼児たちも班を離れることもなくなり、宝ものを見つけては「これ宝ものかな?」と問いか けるようになっていった。このように異年齢で活動することから、行動に制御がかかるようになってきたこ とは、社会性の基礎を培っていることの表れと考えられた。

2)樹名版設置(神社祭り後)

中名寄小学校の児童 17 名は、午前に行われた神社祭りを終え、森に幼児たちを迎え入れる心の準備をして いた。森の中で児童と幼児が対面しプログラムがスタートした。導入で指導者(筆者)が、森にはたくさん の種類の樹木が生育していることを説明していると、「こんな大きな丸い葉っぱもあるよ。」と見せた葉に、

数人の児童が「オオカメノキだ!」と樹種名を答えた。続いて見せたハウチワカエデ、トドマツ、ミズナラ、

アズキナシも名前を声に出していた。アズキナシについては、今回の樹名板設置準備で名前を教えたばかり

―92―

(3)

中名寄小学校放課後活動における森林環境教育 2019

であるだけに驚きであった。これは、児童たちが年下の幼児たちに、良いところ見せようと張り切った結果 であると考えられる。

樹名版設置後の自由時間では、児童が幼児たちと一緒に昆虫採集をする姿や、森を観察しその不思議を児 童が幼児に伝え、わかち合う姿が見られた。ここでも、児童は幼児たちを思いやる行動をとり、幼児たちは 児童を信頼していた。このように、何が見つかるか予想できない森で異年齢が交流することは、発見・不思 議を見つけ、わかち合うことだけではなく、年長者は年少者を思いやる気持ちを育むと考えられる。年少者 は年長者へのあこがれと、信頼関係を築き上げることで将来の小学校生活の準備にもつながってくると考え られる。

4.結論

「森の樹名板設置」が終了した後に自由時間を設けた。ここで、児童と幼児の行動を観察すると幼児の手 を引きながら森を観察する児童や、幼児と一緒にトンボなどの昆虫採集する児童などがいた。その様子は、

かつて自然の中で見られた異年齢集団の遊びであり、だれに命じられるわけでもなく幼児と児童が一緒に遊 んでいた。かつて、我が国では、親が農作業などで忙しい中、年長者が年少者のお世話をしながら自然の中 で遊んでいた。そこで野遊びが生まれ、遊びの中から人と人、人と自然が仲良くくらしていく方法を学んだ と考えられる。このように森をはじめとした自然の中で、異年齢の子どもが一緒に遊ぶということが、我が 国の子どもの文化の一部を作り上げてきたと考えられる。言い換えれば、 森をはじめとした自然の中で異年 齢の子ども同士が交流して遊ばなくなったことが、子どもが抱える諸問題や小 1 プロブレムにつながる要因 の一つではないかとも考えられる。多くの生き物が関わりをもちながらくらしている森という環境で、自分 より年少で労らなくてはいけない幼児と交流する児童、自分より年長で多くの知識・知恵を身に付けている 児童と交流する幼児、この相乗効果が両者の成長につながっていくと考えられる。

なお、本研究の結果は 2020 年度野外文化教育学会学会誌への論文投稿、発表を予定している。

―93―

参照

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