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総 説 論 文
MRAM
型構造の作製 と磁気特性
キ ャロ ライ ンA.ロス
,
*原 谷 進,** フ ェル ナ ン ドJ.カス ター ノ * バ ー ン‑ ‑ ド フォゲ リ,*住 田 成 和 **FabricationofMRAM‑typeStructureandTheirMagneticProperties CarolineA.Ross†,SusumuHARATANI†I,Fernando∫.CASTANO†
BernhardVoGELI†andShigekazuSuMITA††
Abstract
ThecharacteristicpointsofMRAM arecomparedwiththoseofDRAM,Flashmemory,
SRAM,andFeRAM. ThedifferencesinPSV‑MRAM andMTJ‑MRAM arediscussedinterms ofthedirectionsofsensecurrent,CIPorCPP,andconnectionsofCMOSwithMRelements. AnMRAM‑typestructurewasaccomplishedwiththreelayersofPSV element,NiFesoftlayer
(6nm)/Cunon一magneticlayer(3‑6nm)/Cohardmagneticlayer(4nm)onSi‑wafer. EachPSV elementof80nm X 150nm wassandwichedbyasenselineandawordlineattheintersectionof theselines. Furthermore,switchingphenomena,whichwereobservedinmagnetichysteresis loopbyusingPSVthinfilms,arealsodiscussedalongwiththesizelimitationofPSVdots. Kq Words:MRAM,PSV,MTJ,Senseline,Wordline,SwitchingPhenomena
1.は じめに
21世紀初頭の現在, 日米欧を申 し、とす る‑イテク企業,大学、
官公庁 は,半導体技術 を基礎 と した最先端 のエ レク トロニクス 部品、情報機器,PC, 自動車,等 の技術開発 に縞 を削 っている。
事実、トランジス タの発明以来,Si基板へ の高集積化 と微細加 工技術 は著 しく進歩 して きた。本論文 の主題である記録技術分 野 にお いて は,新 しい磁気記録 の原理 1‑3)に基 づ いてMRAM (MagneticRandom AccessMemory)を作製 で きる技術水準 にまで達 して きた点が特筆 に値す る。MRAMの原理 は1980年 代 に提唱 されていた ものの, その実現 には最先端 ナノテ クノロ ジー技術が開花 してゆ く21世紀 まで待 たねばな らなか った。す なわち前世紀 に開発 された基礎的な記録技術 による, ビデオテー プ, フロ ッピーデ ィス ク,光 デ ィスク等 を経 て,次世代 の固体 メモ リと して,磁性体 の電子伝導や半導体 ス ピンを も利 用す る とい うメゾス コピック系 の登場 であ る。4・5)典型的な例 は,伝導 電子 の平均 自由行程 よ りも充分 に短 い周期構造 を持っ人工格子 において,界面 のス ピン依存 による電子散乱が電気抵抗 に寄与 す る巨大磁気抵 抗GMR (GiantMagneto‑Resistance)の発 現である。 この磁気抵抗効果の発展形態 に位置付 け られ る新規 メモ リがMRAMで あ る と考 えて もよい。 またMRAMはス ピンエ レク トロニ クス分野 の代表格 である。換言す ると,金属 人工格子 にお けるGMR効果 6)の流 れを うけ,半導体 の電子準
平成13年11月28日受付
*マサ チ ューセ ッツ工科大学 ,
アメ リカ合衆 国 マサチ ューセ ッツ州 ケ ンブ リッジ
**TDK(#)
〒272‑8558千葉県市川市東大和 田2‑15‑7
千MassachusettsInstituteofTechnology,Cambrldge,MA,02139USA 千千TDKCorporatlOn,Ichikawa,Chlba272‑8558Japan
E‑mail・ssumita@mbltdk.coJp
素材物性学雑誌
位 に基づ く荷電 の制御 に加 えて,電子 ス ピンを も制御す る, ス ピ ン ト ン ネ ル 接 合 に お け る磁 気 抵 抗 TMR (Tunneling Magneto‑Resistance)の際立 った応用例がMRAMであ る。
こう した背景 を もとに, 本論文 はMRAMの基礎 か ら出発 して, 最先端 のMRAM開発 につ いて具体 的 に議論 す ること を 目的 と した総説 である。MRAM型構造 を実際 に作製 す る事 例 と して,MIT&TDKMRAM研究開発 チームのデー タを中 心 に紹介す る。710)
2. MRAMの基礎
2.1. MRAMと他のメモ リとの比較
表1はMRAMの特長を,DRAM,Flashメモ リ,SRAM,そ してFeRAMと比較 して,簡 潔にまとめた ものである。MRAM は不揮発性 メモ リで あ り, この点FlashやFeRAMとな らび 優 れて い る。 これ に対 してDRAMとSRAMは揮発性 メモ リ であるために,常 に電力 をか けておかなければ記憶 データが失 われ るとい う欠点 を もつ。 このためDRAMを用 いたPCでは, スター ト時にハ ー ドデ ィスクか らメモ リ転送が必要であ り,始 動 に時間 を要 す る。対照的 に不揮発性 メモ リのMRAMをPC
のメイ ンメモ リへ応用す ることによ り,瞬時 にPCが使用可能 とな る。 読 み書 き時 間 の点 で はMRAMが10‑50 (nsec)と DRAMやSRAMなみ に高速 であ る。 これ に対 して, 強誘電 体 セ ラ ミックスを用 いたFeRAMで は ドメイ ン構造 に基 づ く 誘電体 の反転現象や薄膜 での残留分極 の低下 に課題が残 されて い る。1113)またFeRAMのセ ラ ミックスが還元雰 囲気 中で は安 定 しに くい点,半導体 プロセスとの組み合わせを難 しくしてい る。単位 セル面積 の比較で はSRAMがやや大 きな もの とな り, 高集積化 には有利でない。書 き換え可能回数 (または寿命,信 頼性) の項 目で は, MRAMがDRAMとSRAM並 み の1015
回 と安定 して い る。 これ に対 してFlashとFeRAMの書 き換
第14巻 第 y2号 (2001年12月)
Table1 ComparisonofMRAM withothermemories
MRAM DRAM Flash SRAM FeRAM Non・VolatileA) oK NG OK NG OK Re・WntlngSpeed lO150nsec 50nsec 201はeCC) 10nsec lOO・130nSeC ReadlngSpeed lO50nsec 50耶eC 20110nsec lOnsec lOO130nsec AreaofCell13) >1 1 08 4 1.3 ReadJWnteTime lO15 1015 105 1015 1012 PowerConSunptlOn 10l400mW 400mW IOOmW llOOmW 2mW A)OK Non‑Volatile NG Volatile
B)RelativeValueswhentheareaofDRAM eqval80Jle C)WntltlgSpeedOnly
え可能 回数 は, それぞれ105回 と1012回で あ り充分 な寿命保証 が難 しい。消費電力 の点 はFeRAMが優 れてお り,MRAM, Flash,DRAMが これ に続 く。TMR‑MRAMの場合,TMR を室温 で成形 で き, また記憶素子 サイズを小 さ くして もTMR 値が変化 しない ことが,DRAMやFeRAMにない有利 な点 で ある。
さ らな るMRAMの長 所 と して, 読 み書 きにヘ ッ ドの よ う な可動部分 が必要 で はない点 が強調 され る。7)すなわちMRAM は,磁気記録 を電気的 に読 み書 きす る不揮発性磁気 固体 メモ リ であ る。現時点 での予想で は,MRAMの量産化 は2004年 頃で あ る。 これ らを総合 的 に鑑 み る と, 不捧発磁気 固体 メモ リの MRAMが半導体 メモ リに置 き換 え られ る, あ るいは表1に示 した異 なる種類 の メモ リの用途 に対 して,棲 み分 けの可能性が 浮上 して きた。
2.2.MTJ (TMR)vs.PSV (GMR)
MRAMの記憶素子 は大 き くふ たっ に分類 され る。 すなわち 巨大磁 気抵 抗GMRを用 いたPSV (PseudoSpinValve)型 の素子 と,大 きな トンネルMR (Magnetoresistive)つ ま り TMRを用 いたMTJ (MagneticTunnelingJunction)型 の
素子であ る。図1は両者 の異 なる基本概念 を視覚化 した もので ある。14)磁場 をMRAMを構成 している平面内にか けた ときに, MTJで は この平面 に対 して垂 直 にセ ンス電 流 が流 れ るCPP (CurrentPerpendiculartothePlane)で あ る。 一 方, 同 じ 磁場方 向 を与 え ると,PSVで はセ ンス電流 が この平面 内 に流 れ るCIP(CurrentlnPlane)である。代表的 な組成 は,MTJ がNiFe/A1203/Coで あ るの に対 して,PSVはNiFe/Cu/Co が挙 げ られ る。 つ ま り両者 のMRAM記憶素子 と しての基本 構造 において,上下ふたっの磁性層が非磁性層 をサ ン ドイ ッチ 状 にはさむ3層構造 であ る点 は共通 してい るものの,MTJが 非磁性層 と してA1203に代表 され る絶縁体 を用 い るの に対 し てPSVがCuな ど導電性 の金属 を非磁性層 に用 い るところに 各 々の特徴 が ある。MTJで は,安定 した トンネル電流 を生 じ させ るために, このA1203をわずか数原子層 の厚 さで コ ン ト ロールす ることが求 め られて い る。15)これ はMTJの製造歩留 ま りを向上 させ ることへの難 しさの一因 とな っている。 これが MTJよ りも作製 の容易 なPSVが記憶素子 と して基礎実験 に 用 い られ ることが多 くあ った理 由のひ とっであ る。実際 この分 野 の研究開発 の進歩 は著 しく,MRAM4・5・710・1621)は勿論 の こと, パ ター ンメディア2224)やこれ らの前身 とも言 うべ き人工格子,14・25.26)
MRセ ンサな どの応用例,27)お よびそれ らを作製 す る リソグラ フィー技術,28・29)構造解析,3032)磁 区 ドメイ ンの微視 的挙動 と磁 気特性3336)に数多 くの知見が得 られ るよ うにな って きた。
MTJとPSVの特長比較 において,第1の重要 な点 は,MR (Magneto‑Resistance)比 の違 いにあ る。MTJのMR比が50
% ほどを見込 め るの に対 して,PSVは最大 で もわずか5%程 度 だ と考 え られて い る。7,16)従 って,MR比 の観点 か ら鑑 み る 限 り,MTJの方 がPSVよ りもMRAMの記憶素子 と して優 れていると言 え る。
第2点 として, データの読み書 きに必要 な トランジスタ,す なわ ち記 憶 素 子 の セル選 択 用 の ス イ ッチ と して働 くCMOS
CuT71et7t
PeFPet7dt'cularto的e Plane
LowerShield
CurtlerftttIPIat7e
Figure1 ComparisonofMTJ(TMR)andPSV (GMR).SensecurrentofMTJpassesperpendicular totheplane(CPP),whilethatofPSVdoesinplane(CIP).
素材物性学雑誌 第14巻 第兆号 (2001年12月)
MRAM型構造の作製 と磁気特性
(complementaryMetalOxideSemiconductor)とMRAM 記憶部分 との接続 に関 して も,大 きな違 いが生 じる。MTJは cppで あ るが故 に,平面上 に作製 したMTJ記憶素子 の垂 直 方 向 にCMOSを接続 させ な けれ ばな らない。 このためMTJ 素子 のひ とっ ひ とつの下部 とCMOSとを1対1に接続す る必 要 が生 じるため,CMOSの数 は記憶素子 の数 と同 じだ け必要 となる。 これ はMRAMの高密度化 において,MRAMの大 き さを規定す る要因が,記憶素子で はな く, む しろ トランジスタ であ るCMOSの大 きさで決 ま って しま うとい う短所 に結 びっ くことになる。 また多数個 のMTJで は記憶素子 の抵抗が高 く, セルを直列 には繋 ぐことが出来 ない。
一方CIPであるPSVで は,電流が流 れ る平面上 につ くられ たPSV素子 の端部, す なわ ちPSVを Ⅹ方 向 とy方 向 に挟 み 込 んでい るワー ド線 とセ ンス線 の端部 にCMOSを取 り付 ける 構造 を とる。 つ ま りPSVで は記憶素子 に電流 を流 す ことが可 能 であるため, セルを直列 に繋 ぐことがで きる特長があ る。簡 単 のため,縦 と横 が100本 ずっの ワー ド線 とセ ンス線 か らな る シンプルなMRAMを仮定 してみよ う。 この場合,PSVで は MRAM構造 の平面上 の縦 と槙 に100+100‑200個 のCMOSが 必要であるのに対 して,MTJでは全ての素子 に対 して100×100‑
10,000個 ものCMOSが必 要 で あ る。 この例 で はMTJで は PSVの50倍 ものCMOSが不可欠 で あ り,一 見PSVが有利 な よ うに思 われ る。 しか しなが ら,PSV記憶素子 で は‑ ‑ ド層 への記録 と小 さな電気抵抗 の特質か ら,必然的に大 きな電流 を 要す る弱点 を もつ。従 って,MTJとPSVのMRAM応用 へ の長所短所 の議論 は, それ ほど単純で はない。 こうした二律背 反 す る条 件下 におかれ,MRAMの研究 開発 はMTJとPSV がそれぞれに行われているのが実情である。現時点 で は第1点 のMR比 の違 いが支配 的で あ り,将 来 のMRAMはMTJが
*心 にな ってい くもの と考 え られ る。7) 2.3. MRAM読み書 き動作 の原理
図2にMRAMの読 み書 き動作 の原理 を示 す。 ここで は簡 略化 のためにセ ンス線 を略 して ワー ド線 のみを描 いているが, 実際 のMRAMで は記憶素子 が ワー ド線 とセ ンス線 の交点 に
【取 iting】 wordh e
ParallelRAam ti之ation An ti‑ParallelMam t]i2iation
Figure2 PrincipleofMRAM read/writemethod.For simplicityonlyawordlineisillustrated.In areal MRAM sample,an MRAM elementis locatedateachintersectionofawordline andasenseline.
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45 位 置 す る構 造 を もっ。 左 上 は二 つ の磁 性 層 の磁 化 方 向が平 行 (
̀ ̀ 0 "
の状態)である。 ここで右上 のよ うに竃流線 に矢印の 方向 に電流 を流す ことによ り時計 回 りの磁界が発生 し,上 の磁 性層が磁化反転 を起 こし,磁化 の向 きは反平行 ("1"の状態) とな る。実際 には, ワー ド線 とセ ンス線 に流 した電流磁場が合 成磁場 を発生 させ, この磁場 は角度900で交 わ る両方 の線 をⅩ 軸y軸 と した ときに描 かれ るアステ ロイ ド曲線 の関数 で与 え られ る。つ ま り, セ ンス線 とワー ド線 に電流 を流 した場合,両 者 の交点 に位置す る記憶素子 のみが磁化反転 によ りデータを記 録す るが, この交点以外 では片方 の緑 にのみ電流が流れている ために,反転磁場が小 さ くデー タの書 き込みが行われない。 こ の時,Ⅹとy方 向の電流 によ ってつ くられ る磁場 は,Hkを異 方性磁界 とす ると,Hk2/3‑ Hx2/3+ Hy2/3 LH で与 え られ る。 ここで,記録層 の飽和磁化 をMs,‑軸性 の磁 気異方性 エネルギーをKuとす ると,
Hk ‑ 2Ku/MB (2) である。 なおPSVの場合,保磁力 の大 きい‑ ー ド層 (Co)に 書 き込 みを行 い,保持力 の小 さい ソフ ト層 (NiFe)のス ピン を反転 させて読 み出す。一方MTJで はひ とっの磁性層 のス ピ ンを固定 (ピンニ ング) してお き, ソフ ト磁性層 に書 き込 む。
従 って,読 み出 しの際にス ピン反転 は不要である。
データの読 み出 しは,磁化が平行 の ときの電気抵抗が,反平 行 のそれ よ りも小 さい ことを利 用 して,"0"と ̀̀1"とを読 み 分 ける。 この物理現象 はPSVの場合,伝導電子 の散乱 が ス ピ ンに依存 してい ること,MTJの場合 で は トンネル電子 の コ ン ダクタンスが ス ピンに起因 して いることによ り説明 され る。45)
MTJにおいて,ふ たつの磁性層 のス ピン分極率 をPA,PBとす ると,そのTMR効果 は,
TMR ‑ 2PAPB/(1‑PAPB) (3) であ ることが知 られて いる。 自由原子 中の3d電子 は,経験 的 な フン トの規則下でパ ウ リの排他原理 に従 う限 り,磁気的 に分 極 している。 これは金属化合物 中で も成 り立っ。37)例えば,Cope 合金 のよ うにP値 が0.5近傍 の場合,(3)式 のTMRは66%程度 である。 これは,小 さな印加電圧 の もとで, フェル ミ準位 に近 い電子 のみが トンネルに寄与す る場合,実験値 を上手 く説明で きる。16)実 際,CoFe合金 にお け るTMR実験値49%が報告 さ れて い る。38)なおMTJは抵抗 が高 いために,小 さな読 み出 し 電流で, よ り大 きな出力が得 られ とい う利点がある。
3. MRAM型構造 の作 製
3.1.微細パター ンの作製 と構造観察
理論 だ けに とどま らず, 実 際 にMRAM型構造 を作製 す る ためには,先ずSi基板上 にPSVやMTJの記憶素子 を造 る基 本技術 を確立 しな けれ ばな らな い。 その典型 的 な例 が, 図3 (a)に示 すMITのY.Hao等 のパ ター ンメデ ィア作製 を狙 っ た薄膜技術 で あ る。31)steplで は,4イ ンチのSi‑wafer上 に ARC (AntiReflectionCoating)膜 をつ くり, その上 にSiO2 続 いてNPR (NegativePhotoResist)を成膜す る。 これをIL (InterferenceLithography)22,23・28・29,39)を用 いて露 光 させるこ
第14巻 第 y2号 (2001年12月)
N egative Photoresist
SiO 2 A RC
SilicozIW afer
age and dh Jeh)p in tL 那 加 榊
J R zE Eid h g
N egadve Pbotoresist
SiO 2 A RC
S止icon W afer
E vLP Ollate Co oTN L‑FC
R LE L LjiOj f A R C
CoorNiFe SiliconWder
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Figure3. (a)FabricationofCoorNiFedotsonSi‑wafer.(b)MagnlfiedSEM ofCoorNiFedots. Thesephotomicrographsshowthestep3and4inFig.3(a).
第14巻 第 y2号 (2001年12月)
MRAM型構造の作製 と磁気特性
とによ りStep2の よ うにNPRにパ ター ンを刻 む ことがで き る。 こ こでRIE (Reactive二onEtching)に よ り,Si02と ARCに同 じパ ター ンを移 す。続 いて記憶素子 の構成元素膜 を 蒸着 によ って作製 す る。 ここで はPSV記憶素子 のCoハ ー ド 磁性層 とNiFeソフ ト磁性層 の作製例 を示 した。 さ らに不要部 分 のARCおよびSi02をliftoffによ り除去 して,Si‑wafer上 に整然 と並んだ ドッ ト形状 を完成 させた。図3(a)のSEM写 真 はStep3‑5の変化 を観察 した ものであ る。
図3(b)はStep3か ら4へ進 む際 に,記憶素子が作製 され る前後 の変化 を10万倍 の高倍率SEMで観察 した顕微鏡写真 で ある。ARCとSi02でつ くられた円形孔 の中に ドッ トがつ くら れている様子が一 目瞭然である。 この例 では, それぞれの ドッ トは200nm間隔 に配列 されている。 このよ うに精度良 くCoや
NiFeの ドッ トを作製 す る基礎技術 のひ とつ を完成 させ た。 こ れ はパ ター ンメデ ィア作製等 には有力 な手法で はある。 しか し なが ら,MRAMの3層構造 の記憶素子作製, そ して更 に最先 端 のMRAM型構造 の作製 には, 次項 に記 す よ り優 れ たナ ノ テクノロジーが不可欠 であ る。
3.2.記憶素子の作製
図4はMRAM型構造 を作製 す るための最適 プ ロセ スを, ステ ップ ごとの走査電子顕微鏡写真で示 した ものであ る。 この プ ロセスで は厚 めのSi02をMRAMパ ター ン刻 みの開始 に用 い る点 が特 徴 で あ る。 前 提条 件 は, 先 ずSi‑wafer上 にPSV 膜 を作製 してお く。 これ はNiFe,Cu,Coの3層 よ り成 る薄
Figure4. Scanning‑electronmicrographsinwhich(a)two gratingsaresubsequentlyexposedandetched 20nm intoa60nm thicksilicalayer,(b)eventu‑
allycreatingthestripe‑patternstructure.(C)Upon etchinganother50nm intotheinterlayerand usingtheARCasanetchstop,anarrayofsilica dotsisgenerated.(d)Thesampleafteretching 150nm intotheARC.TheplanarARC surface allowspatterntransferintotheW hardmask withoutover‑etchingtheARC‑layer.(e)Uni‑ formlyshaped,rectangular PSVelementsofvir‑ tuallyanyaspectratiocanbefabricated.
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47 膜 で あ る。 次 に電子 ビームで蒸発 させ たW (タ ングステ ン)
とSi02を, それぞれ30nm膜厚 で直接PSV膜 に蒸着 させ る。
これ らは‑ー ドマスクの役割を担 う。この上 に,スピンコーティン グを用 いて200nm厚 さのARC層 をつ くるG そ して要 のSi02 を60nm ARC上 に作製 した後, レジス トが塗布 され る。 す な わ ち,Si‑wafer/PSV/W/SiO2/ARC/SiO2(60nm)/レジス ト の層構造が前提である。
ここでMRAM型構造 を作製 す るために は, 図4(a)に示 され るよ うに,60nmのSiO2絶縁層 にCHF3を用 いたRIE に よ り, 縦方 向 に20nmの深 さの格子 を刻 む。 さ らに02プ ラズ マによ りレジス トを除去 す る (ア ッシング)。 す なわち, 図4 (a)の表面 が60nmのSiO2その下 の層がARCである。続 いて, 同 じ方 法 で レジス ト塗布 とIL露光 を行 い, 横方 向 に も20nm 深 さの格子 を刻む。 これによ り,図4(b)のよ うにス トライプ 状 のパ ター ンが 出来 る事 にな る。 次 にCHF3プ ラズマ中で50 nm分 のSiO2膜 を ェ ッチ ングす る。 この時,前述 のARCと Si02との界面 で エ ッチ ングが止 め られ るため, 図4(C)の よ うに基 部 が長方形 のSiO2ドッ トがARC層 の上 に残 され る。
これ はス トライプ状パ ター ンの うち全 く削 られて いない60nm 高 さの部分 が50nm削 られて10nmの高 さにな り, それ以外 の SiO2部分が全 て取 り除かれ るためであ る。続 いて0 2を用 いた RIEでARCを取 り去 った残 りの部分 が図4(d)で あ る。 図4 (e)は実 際 に作製 した長方形PSVドッ トで あ る。 ここで は幅 85nmの とき,長 さを制御 して アスペ ク ト比 を変 えた例 を示 し てい る。 この手法 によ りPSV記憶素子 のパ ター ン構造 を再現 性良 く遣 り込む事 が出来 た。
3.3.ワー ド線 とセ ンス線
PSV‑MRAM型構造 を完成 させ るためには, ワー ド線 とセ ンス線 の交点 に3層か らな るPSV記憶素子 を精度良 く位置 さ せねば な らない。 図5は, 縦方 向 に タ ングステ ン (W)線 を 用 いて セ ンス線 を作製 し, その上 にNiFe/Cu/Coによ り構成 され るPSV素子 を作製後,横方 向 にワー ド線 を作製 した実例 を示 してい る。8)縦方 向のセ ンス線 と横方 向 の ワー ド線 によ り
Figure5.MRAM structureofhorizontalwordlinesand verticalsenselinesonSi‑wafer.TheMR ele‑ mentsofNiFe/Cu/Coarelocated atallthe intersections sandwiched by word lines and senselines.
第14巻 第 1/2号 (2001年12月)
300nm
Figure6. (a)Planview ofMRAM‑typestructurewith horizontalword一& verticalsenselines.(b)
300nm and400nm,respectively
記憶素子 が サ ン ドイ ッチ され る とい う網 目状 のMRAM型構 造が見て取れ る。すなわち, この例 で示 され る様 にセ ンス線 と
ワー ド線 の交点 に記憶素子部分 が, それぞれ300nmと400nm 周期 で配置 され るPSV‑MRAMの磁気記録部分 を実際 につ く る ことが 出来 た点 が強調 され る。 なお網 目状 のMRAM構造 の基部 に見 られ るのはSi‑waferの破断面 である。
図5のMRAM型 構造 を真上 か ら観察 す る と, 図6(a)に 示 され る様 に,碁盤 の 目の様 に整然 と した配置が出来ているこ とが分か る。縦方向がセ ンス線,横方向が ワ‑ ド線 である。図 6(b)の拡大写真か ら,PSV素子 の大 きさは,約80nmx150n mで あ る ことが示 され た。 今後MRAM構造 の高密度化 が ま す ます進 む と予想 され るが,2001年初頭の段階で は本 デー タが 最 も撤密化 が進 んだMRAM型構造 であ る。 これ は10Gbit/ inch2オ ー ダー の高 い密 度 で あ る。 た だ し トラ ン ジス タの CMOSが取 り付 け られていない状態 のPSV‑MRAMであ るた め に, このままで は, まだMRAMデバ イス と して は機能 し ない。図5で は, ワー ド線 が波状であ ったが, これをさ らに改 良 して得た ものが,図7である。 これはセ ンス線 のみな らず ワー ド線 もほぼ直線状 に改良 され た ワ ッフル形状 のPSV‑MRAM の作製が可能 とな った例であ る。
4. PSV‑MRAMの磁 気特 性
4.1.ヒステ リシスループ とスイ ッチ ング現象
基本 的 なMRAM型構造 の完成 に続 いて, 次 に磁気特性 の 評 価 が重要 な課題 で あ る。 図8にSi‑SiO 2(1m)wafer/NiFe
ソフ ト磁性層 (6nm)/Cu非磁性層 (3‑6nm)/C0‑ ‑ ド磁性層 (4nm)/Cuプ ロテク ト層 (4nm)で構成 されたPSV薄膜 の ヒ
Upper・SトSl02Wf/NIFe(60A)/Cu(!9Å)/Co(40A)/cu(40Å) Bottom'SトSlO2Wf/NzFe(60A)/cu(迎 Å)/Co(40A)/Cu(40A)
MagnifiedplanviewofMRAM‑typestructure. 04
Theperiodofsenselinesandwordlinesare i ..
Figure 7. ImprovedMRAM structure.Allthesenselines andwordlinesarenearlystraight.
素材物性学雑誌
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Figure8, HysteresisloopsofunpatternedPSV thinfilm.
Colayerswitchesat45(Oe),NiFeat10(Oe) intheupperdata.
第14巻 第 1/2号 (2001年12月)