107 共生のひろば 2016 年3月
LEDライトはプラナリアにどう影響するのか?~忌避行動と体色変化から探る~
村田薫音・常本京香
(兵庫県立御影高等学校総合人文コース2年 グローバルスタディ地域環境セミナー)
はじめに
本校総合人文コースにおける総合学習の講座、グローバルスタディ・地域環境セミナーでは平成24
年度から石屋川のプラナリアの調査を行っている。石屋川は都市部の住宅街を流れる河川にもかかわ
らず、清流で見られるプラナリアが生息している。プラナリアの生態調査を通じて、地域の環境を見
守っていくことが目的である。
先行研究で、プラナリアはLEDの光を当てると体色が
淡化することが判明している。そこで本年度は何色のLE
Dが淡化現象に影響しているのかを調査した。 調査方法
①LEDの色と忌避行動の関係
5匹のプラナリアに白、赤、青、緑のLEDを5分間照
射(3回)して、忌避行動をとるプラナリアの割合を調
べた。
②LEDの色と体色変化の関係
採取したプラナリアを色指標のスケールを用いて、濃いグループ(色指標8~9)と薄いグルー
プ(色指標4~6)に分けた。次に赤、青、緑のLEDをそれぞれのグループに、太陽の出てい
る時間に合わせて照射し、65日後の体色を観察した。なお各グループ、LED1色につき3匹の
個体を用意し、その平均を記録した。また暗黒条件で飼育したものを比較個体として準備した。
なお、餌は牛ミンチを週1回あたえ、その後水を交換して飼育条件を一定にした。
結果
①LEDの色と忌避行動の関係
白、赤、緑のLEDでは70~80%の
個体が忌避行動を示したが、青LE
Dでは忌避率は50%を下回った。
②LEDの色と体色変化の関係
体色の濃いグループ、薄いグループ
ともに青LEDの照射で最も淡化
が進んだ(図1)。なお暗黒で飼育
したものは全て色が濃くなった。 考察
赤色光は青色光に比べ水深の浅
いところにしか届かず、プラナリア
は水面に近いと判断して忌避効果が高まったのかもしれない。また緑色LEDより赤色LEDの
方が忌避率の高いところから、赤外線に近い色を嫌っている可能性もある。このような忌避行動
から赤色LEDが保護色として体色淡化を促すと予想したが、結果は青色LEDによる淡化が著
しかった。このことから光の波長で、保護色として淡化するのではなく、青色LEDのもつエネ
ルギーそのものが影響していると考えた。実際に美容分野では、青色LEDによるメラニン合成
阻害で、美白効果が期待されるという報告がある。青色LEDの影響が体色淡化だけにとどまる
のかどうか、今後さらに調査する必要がある。